arrow_back 原神 クエスト
古き色合い·第一幕

シーフォームとクリムゾンの描染


幻の景色を染めて
フォンテーヌの野外で、エルマイト旅団から嫌がらせを受けているメリュジーヌを見つけた…
マメール:
うん。ここが私の家なの。コホンッ!えっと、ようこそ。お、お忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます…その、ご指導とご鞭撻のほど…
パイモン:
そうかしこまるなって!「静かで、絵を描くのにいい場所」っていうのは、村から遠いからだったんだな…
マメール:
セイモア、ただいま。
セイモア:
ギギ…お帰りなさいませ、お嬢様。今日も相変わらず優しく可愛らしく、太陽のように輝いていらっしゃいますね。
パイモン:
うわっ、しゃべった!ロボット犬がしゃべったぞ!?
マメール:
うん!パイモン、旅人、この子はセイモア。私の家族なの。
マメール:
セイモア、こちらは旅人とパイモン。他の人が私にモラを渡すところを止めてくれた、いい人よ。
パイモン:
そんな言い方しないでくれよ!まるでこっちがなんか悪いことをしたみたいじゃんか…
パイモン:
ところで、なんで「セイモア」はおしゃべりできるんだ?
マメール:
それはセイモアが話せるからだよ。話せなくなったら、壊れてるってことになるじゃない!
マメール:
そうでしょ、パイモン?
パイモン:
いやいや!おい、旅人、おまえも適当にあいづちうつなよ!どこのロボット犬だってしゃべれないだろ!
マメール:
うーん、あなたたちは遠くから来た人だから、それはそれできっと正しいのかもしれない。でも、セイモアは確かにしゃべれるの。私の最高の友達だし、私の絵についてもコメントしてくれる。
セイモア:
なるほど。さすがのご慧眼です、お嬢様。
パイモン:
(またしゃべったぞ!よ~く見てたけど、マメールの腹話術じゃないみたいだ!でも…今の会話って、本当に成立してたか?なんだか嚙み合ってないような気がしたけど…)
旅人:
誰かからの贈り物?
マメール:
違うよ。この前、近くで絵の具を探してた時に会ったんだ。その時のセイモアはゴミの山に横たわってて、独りぼっちで可哀想でね…
マメール:
だから話しかけて、友達になったの。セイモアをここに連れてきて、この子には家ができたってわけ。
パイモン:
で、こいつはおしゃべりができる以外に、どんな機能があるんだ?
旅人:
セイモア、お手。
セイモア:
……
パイモン:
あれ、マメールの言うことしか聞かないみたいだな…
旅人:
セイモア、悪い子だね。
セイモア:
……
パイモン:
へえ、セイモアって人見知りなんだな!まあ、あんま気にすんなよ!
マメール:
ごめんね。どうしてか分からないけど、セイモアは私にしか話してくれないの。
マメール:
他の人が相手だと、今みたいにまったく反応しないの。
パイモン:
そうなんだな。これが不思議なクロックワーク·マシナリーってやつか!ところでマメールって、いつもロボット犬とおしゃべりしてるのか?
マメール:
うん。だって、村のみんなは絵のことを理解できないから、おしゃべりすることがないの。みんな親切にしてくれてるけど、話しづらいなって思ってて…
マメール:
パイモンみたいに、私の絵に興味を持ってくれないんだ!絵の話をしてくれるのは、ジェイコブさん以外に、セイモアしかいないの。
パイモン:
そりゃ、オイラをカッコよく、きれいに描いてくれるのを見たいからな!ところで、その「ジェイコブさん」ってやつも、マメールの友達なのか?
マメール:
うん、前に話した、私の絵にモラを払いたいっていうコレクターだよ。格好よくて優しい人なの。絵についてたくさん話して、私の絵を理解できるって言ってくれたんだ…
パイモン:
(それでも結局、絵をそいつに売らなかったのか…)
パイモン:
(うーん、手に入りにくいものほど、普通はすごいんだよな。マメールの絵って、もしかして貴重なお宝なのか!?)
マメール:
まあ、それは置いといて。お絵描きをしましょう!
パイモン:
おおっ、いよいよだな。貴重な名作が生まれる瞬間だぜ!
マメール:
そこまでではないと思うけど…でも、旅人とパイモンへのプレゼントだから、全力で頑張るよ!
マメール:
画材道具を準備するから、ちょっと待っててね!
パイモン:
おう!じゃあ、オイラたちはこの辺りでも見てようぜ?
マメール:
……
カイカーウス:
姉貴、こいつずっと黙ったままなんだけど…
アイルス:
ふんっ!どうやら、これ以上話す必要はないみたいだね。ブツを持っていこう!
マメール:
……
カイカーウス:
チ…チビ?そんな顔すんなよ。
アイルス:
…はぁ!わたしたち、なんでこんな仕事を引き受けちまったんだ?まあいい…
アイルス:
おい、カイクバード!そこで突っ立ってないで、旦那がくれたモラを渡して、絵をもらっていくよ!
カイクバード:
そんな必要ないんじゃないか?あんなに離れてるんだし、こっちが何をしてるのか向こうには見えないはずだ。いっそ、金はこのまま懐に入れようぜ…
カイクバード:
えーと、なんて言ったか…たしか、商売ってのは、大事なのは金じゃなくて人情だとか——
パイモン:
おい!おまえたち、なにしてるんだ!
アイルス:
あ…あんたたち、どっから湧いてきた?
旅人:
彼女、困ってるみたい。
カイカーウス:
困ってるって?オレたちはただ、その絵を買いたくてだな…
パイモン:
絵?なんの絵だ?いくらするんだよ?
カイカーウス:
えっと…五十万モラ?いや、五十五万?六十万?
パイモン:
ぜんぜん決まってないじゃんかよ!
アイルス:
こ、このメリュジーヌが何も言わないんだ。分かるわけないだろ!
パイモン:
なにも言わないって…つまり、イヤってことだろ!絵を買いたいんじゃなくて、ただ奪いたいだけなんじゃないか?
アイルス:
奪うとは人聞きの悪い!これは公平公正な取引だ。彼女に損はさせない!それに、あんたたちと何の関係がある?
パイモン:
言い訳はやめろよな!さっきそいつが、モラを懐に入れるって言ってたの聞いてたぞ——
アイルス:
チッ…!無駄口を叩くなって普段から言ってるのに…!
カイクバード:
別にいいだろ?だって今までの仕事は、全部こういうやり方で解決してきたわけだし…
アイルス:
ったく、その口を閉じな…いい?忘れないでちょうだい。わたしたちは、関係のない人を相手にするほど暇じゃないってことをね!なぜなら——
パイモン:
なに見てるんだ?
アイルス:
なんでもない!あんたたちもお節介を焼かないでもらえる?この「正当な取引」に口を出さないで。
アイルス:
でないと——いささか不適切な手段で問題を解決するはめになる。
パイモン:
(ドアの後ろから物を荒らす音が聞こえた…)
パイモン:
うーん、なんか思ったより音がデカいな?
マメール:
う~ん、絵の具…絵の具…ここに置いたはずなのに…
パイモン:
そういえば、もうけっこう話してるけど、おまえのことはなんて呼べばいいんだ?
マメール:
マメール、私の名前はマメールだよ。さっき、ここで絵を描いてたんだけど…
パイモン:
えっ、メリュジーヌも絵を描くのか?
マメール:
うん…描くよ。毎日描いている。欲しいものを絵に描くと楽しいから。
パイモン:
毎日描いてるって…それって画家じゃないか!
マメール:
そうなんだ、よく分からないけど…じゃあ、画家なのかも。
パイモン:
?
パイモン:
とにかく、まずは画材道具の整理を手伝おうぜ、旅人!マメールって手が短いし、なんだか筆を握ってる姿が想像できないな…
マメール:
そういうあなたの手のほうが、もっと短いのに…
マメール:
でも…ありがとう。一人で片付けるとなると、すごく時間がかかるから…
マメールを手伝って、地面に散らばっている画材道具を拾った…
パイモン:
よし、これでだいたい片付いたぞ!さすがオイラだぜ!
マメール:
パイモンはほとんど働いてなかった。
パイモン:
え、えっと…ただ役割分担が違っただけだぞ!
パイモン:
そういえば、さっきのやつらはなにしに来たんだ?
マメール:
さっきの?うん…あの人たちは、モラで私の絵を交換したかったみたい。
パイモン:
なるほど、モラを——って、ちょっと待てよ!本当に絵を買いに来てたのか!?
パイモン:
うわぁ…ど、ど、どうしよう。もしかして、オイラたち悪いことしちゃったか?おまえの商売を邪魔したみたいだけど…
マメール:
商売…?ううん、あれは…商売とは言えないと思うよ。だって「商売」は、両者が必要とするものを交換することでしょ…
マメール:
モラっていうものは必要ないから…商売とは言えない。
パイモン:
モラがいらないって!?待った、おまえってまさか…超有名な画家なんじゃ…
マメール:
有名って、誰かに知られてるってこと?
マメール:
だったら有名かな?この前、芸術品のコレクターを自称する知らない人が来て、たくさんのモラと私の絵を交換したいって言ってきたから…
パイモン:
芸術品のコレクターを自称する人が絵を買いに来た!?しかも、たくさんのモラでって…うわぁ、どうりでさっきモラが必要ないって言ったわけだぜ。もし、オイラの絵もそんな値段で売れたら…
マメール:
へえ、パイモンも絵が描けるの?
パイモン:
描けないけど、今日から頑張って勉強すれば——
旅人:
もう手遅れでしょ?
パイモン:
うぅ…わかったぞ。でも、やっぱり羨ましいな…
パイモン:
そういえば、さっき言ってた芸術品コレクターってどんなやつなんだ?
マメール:
とても格好いい人よ。それに…それにとても優しいの。
マメール:
あの人が急にモラのことを言い出さなかったら、絵をプレゼントしてたかも。背の高い人たちはどうして、いつもモラの話をするの…
旅人:
芸術はプライスレス。
マメール:
プライスレスってわけじゃないけど…ただ私にとって、モラと絵はあんまり関係がないの…
パイモン:
ところで、えっと…マメール、おまえの絵をオイラにも見せてくれないか?オイラもすっごく興味があって…
旅人:
絵の価値に興味があるだけでしょ…
パイモン:
オイラだって、いつもそんなことを考えてるわけじゃないぞ!ほ、本当だからな!ただ芸術を鑑賞したいだけで、変なことなんてこれっぽっちも考えてないから!
マメール:
ん?いいよ。でも…
マメール:
パイモンがそんなに興味津々なら、肖像画を描いてあげるよ。
パイモン:
えっ?本当にいいのか!?
マメール:
だって、面倒な人たちを追い払ってくれたし、画材道具も片付けてくれたでしょ。さっきからずっと、どうお礼をしたらいいのか考えてたの。
マメール:
ただ…絵をお礼として贈るのは、ちょっと変かな?
パイモン:
いやいや!そんなこと絶対にないぞ!
パイモン:
そうだ!マメール、絵の内容を指定してもいいか?
マメール:
え?うん、いいよ。
マメール:
でもその前に、画材道具を整える必要があるの。絵の具を入れたバケツがあの人たちに倒されちゃったから、ここじゃもう絵が描けなくって。まずは家に戻らないと。
マメール:
旅人、パイモン、村で待っててくれる?片付けたら、すぐに行くから。
パイモン:
村?
マメール:
ん?ああ、私たちの村で「メリュシー村」って呼ばれてる場所だよ。
マメール:
ここから下へ向かって泳いで、まっすぐ前に進めばたどり着くはずだから。
パイモン:
おう!へへっ、それじゃさっそく行こうぜ!
マメール:
旅人にパイモン。
パイモン:
あれ!?マメール!?
マメール:
もしかして久しぶりに再会できて、嬉しさのあまり驚いた?
パイモン:
いや、別に久しぶりってわけでもないだろ。さっき別れたばっかじゃんか…って、そうじゃなくて!なんでオイラたちより先に着いてるんだよ!
パイモン:
しかも、ここに来る途中、おまえのことを全然見かけなかったぞ…
マメール:
片付けが終わったから、早く戻ることにしたの。で、ここであなたたちを待ってたんだ。
パイモン:
そ、そっか。で、ここがメリュシー村なのか?小さな家ばっかで、なんだか面白いな!
パイモン:
村にはもしかしたらメリュジーヌのシェフ、メリュジーヌの冒険者、それから小さなお家を建てるメリュジーヌの建築家なんかがいるかもしれないぞ!マメール、おまえの家はどんな感じなんだ?
マメール:
私のお家はキレイで静かで、絵を描くのにいい場所だよ。ついてきて。
パイモン:
あれ?この小さな瓶、なんだろう?
旅人:
ちょっと見せて。
パイモン:
うーん、これって…絵の具みたいだな?ちょっとしか残ってないけど…
パイモン:
…旅人…旅人?大丈夫か?
パイモン:
うーん、やっぱり座ってちょっと休むか?さっき泳いだせいで、疲れてるのかもな…
旅人:
もう大丈夫。
パイモン:
うぅ、だったらいいけど。無理しないでくれよ…もしどこか具合が悪くなったら、言ってくれよな?
マメール:
あの…旅人、パイモン…
パイモン:
あっ、マメール!画材道具の準備はできたのか?
マメール:
あっ、その…お、お忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます…えっと、ご指導とご鞭撻のほどを——って言いたいんだけど…
マメール:
た、ただ…その、絵の具を使い切っちゃって…
パイモン:
えっ?
マメール:
あの瓶に入ってるものよ…優しくて、キレイな色をしてる…
マメール:
ここでちょっと待ってて。絵の具を採集してくるから、すぐ戻るね…
パイモン:
別に謝る必要なんてないぞ!貴重な名作なんだからな。貴重な絵の具が必要になるのも当たり前だぞ!
マメール:
旅人、パイモン、見て、あそこの鉱石。次は…
パイモン:
ふふん、採掘はオイラたちに任せろ。それに関しちゃ、手慣れてるからな!プロの腕を見せてやるぜ!
マメール:
ちょ、ちょっと待って。直接掘っても、掘り出せないの…
旅人:
(戦闘)理屈が通じないみたいだね。
アイルス:
はあッ!?理屈が通じなくて、こっちの商売を邪魔してるのはそっちだろ!?
アイルス:
ったく、うるさいやつらだよ!あんたたち、まとめてやっちまいな!こいつらを懲らしめてやるよ。
カイクバード:
ほら、言ったとおりじゃないか。結局はこうなるって…
パイモン:
まさか、こんな方法で解決するなんて…
パイモン:
でも、この鉱石を粉にすれば、絵の具になるんだよな。そうだろ、マメール?
パイモン:
あれ、マメールは?さっきまでここにいたのに…
旅人:
たぶん先に行ったんだと思う。
パイモン:
まったく、ちっこいのに、あちこち走り回るなよ。気づくと姿を消してるなんて…まあいいや、オイラたちも先に進もうぜ!
パイモン:
えっ?旅人、大丈夫か?なにぼーっとしてるんだよ…
旅人:
大丈夫。ただ頭がクラクラしただけ。
パイモン:
またさっきみたいにか?うーん…お腹が空いたワケじゃないよな?
パイモン:
無理すんなよな…じゃあ、先に進もうぜ?
旅人:
なるほど、正体を明かすしかないみたい…
アイルス:
…はあ!?正体?何の正体よ?
旅人:
何を隠そう、俺たちは法の番人。
パイモン:
…えーと?
パイモン:
あっ…そうだった、そうだった!やっぱり頭いいな、おまえ!
カイカーウス:
ど、どうする、姉貴…
アイルス:
な…なに慌ててるんだ!こいつが法の番人だったら、わたしはスネージナヤの女皇だよ!こんなやつの言ったことを真に受けるわけ!?
アイルス:
よく見てちょうだい。こいつらのどこが法の番人だっていうの!?これまでそういったやつを見たことないわけじゃないでしょ…えっと、たしか執…執…
カイクバード:
…執律庭。
アイルス:
そう、執律庭!まったく、法を執行する機関なら「執行庭」にすればいいと思わない?なんで、わざわざこんなややこしい名前にするんだか…本当にイラつかせてくれるよ…
アイルス:
とにかくあんたたち!執律庭のやつらを見たことがないとでも思ってるわけ?制服も着てないのに、よくも法の番人を名乗る度胸があったもんだね!?
旅人:
(戦闘)構わないけど。
アイルス:
へえ、思い切りがいいね?まあ、それも悪くない。こっちも手間が省けたよ。さあ、来なッ!
カイクバード:
ほら、俺が言ったとおりじゃないか…
パイモン:
とりあえず、これだけ集めればもう十分だよな?
マメール:
わぁ!これだけ鉱石があれば、たくさん絵の具が作れる。ありがとう!
パイモン:
へへっ、礼ならいらないぜ!でも、全部赤い鉱石だけど、色は大丈夫か?
マメール:
うん、心配ないよ。じゃあ、次は最後の手順だね!
パイモン:
おっ、それなら知ってるぞ!鉱石を粉にして、絵の具にするんだろ!
マメール:
あっ…そういえば、粉にすることを含めて、絵の具を作るにはあと二つやることがあった…
マメール:
これらの鉱石には不純物がたくさん入ってるの。だから、このまま絵の具にすると、色にムラができて汚くなっちゃうんだ。
パイモン:
なるほど、お絵描きってそんなにこだわらなきゃいけないものだったんだな。これがマスターした者にしか見えない境地なのか!
パイモン:
じゃ、どうすればいいんだ、マメール先生?
マメール:
ふふっ、こういうときは「より純粋な鉱石」を探して、粉にして混ぜるの。
マメール:
そうすることで不純物の割合が下がって、完成した絵の具がもっとキレイになるんだ。
パイモン:
でも、だったら最初から「より純粋な鉱石」を使って絵の具を作ればいいんじゃないか?
マメール:
ううん、純粋な鉱石なんてそうそうないの。パイモンってば、まるで「タイダルガがないなら、ポワソンチャンティー·パイでも食べよう」って言ってるみたい!
パイモン:
お、おお…メリュジーヌの食生活にぴったりな比喩だな…でも、この近くにはもう他の鉱脈はないだろ?
マメール:
うん。「より純粋な鉱石」は、もうちょっと奥に行かないと見つからないの。
マメール:
ちょっと休んでてもいいよ。あとのことは任せて。私が行ってくるから。
パイモン:
オイラたちも一緒に…ん?待った、なんだろ…
パイモン:
赤い…渦巻?ワームホールか?なんだこれ?
マメール:
あっ、これは近道よ。見たことない?来る途中にたくさんあったと思うけど…
パイモン:
近道?な、なんか怪しい感じがするな。これがいわゆる「一番の近道は遠回り」ってやつなのか…?
マメール:
こういう近道を私はいつも使ってるの。中はとても安全で、暖かいから安心して。
パイモン:
そうなのか…じゃあ、行ってみよう!もうここまで付き合ったんだし、高純度の鉱石を探すのも手伝おうぜ!
旅人:
やめとこう、ここはフォンテーヌだし…
パイモン:
そ、そうだったぞ!フォンテーヌで法律に反したらどうなるか、おまえたちだって知ってるはずだろ!
アイルス:
そんな役人口調で話すんじゃないよ!「法律に反したらどうなるか」だって?あんたたち何様のつもり?
アイルス:
もう一度言わせてもらうけど、余計なお世話なんだよ!これはわたしたちとそこのチビとの商売であって、あんたたちとは関係ないんだから!
パイモン:
そういえば、このイーゼルの様式、どこかで見たことあるような気がしないか?
旅人:
外のデザインみたい…
パイモン:
うーん、そういえばメリュシー村に住んでるメリュジーヌって普段、どうやって外の商人と取引してるんだろ?普通の商人はダイビングできないはずだけど…
パイモン:
ん?待てよ。よく考えてみたら、これってとんでもないビジネスチャンスなんじゃないか!?もしメリュシー村の仕入れを全部請け負ったら、オイラたちお金持ちになれるぞ!
パイモン:
だろだろ?さすがオイラだぜ!旅人、あとで調べてみようぜ!
ジェイコブ:
…アランのちょっとした発明品か、今なお見た目を変えていないとは。
アイルス:
その…ボス?
アイルス:
彼女の家をひっくり返して探してみたんですけど、ご希望の絵の具はやはり見つけられなくて…
ジェイコブ:
見つけられない?
カイカーウス:
は、はい。絵の具を入れてた瓶はたくさんありましたけど、絵の具そのものはもうなくなってるみたいで…ツンとした匂いだったので、嗅いだだけで気分が悪くなっちゃいましたよ…
ジェイコブ:
なるほど、絵の具はもう使い切っていたか…タイミングが悪い。
ジェイコブ:
それじゃ、アイルスさんに皆さん——ここをちょっと片付けてくれないか。こんなに荒らされていては、目立ちすぎるからな。
ジェイコブ:
「絵の具」のことは、あとで自分で何とかしよう。
アイルス:
か…かしこまりました…
アイルス:
あの…この前は依頼を完遂できず、申し訳ありませんでした…あなたがあのちびっ子を助ける前に、通りかかった見知らぬ人に邪魔されて…
ジェイコブ:
いいさ、私は気にしていない。
アイルス:
えっと、お気にされるかどうかの問題ではなくてですね…ご存知の通り、これは不可抗力による事故じゃないでしょうか?ですから、前に約束していた報酬は…
ジェイコブ:
……
ジェイコブ:
心配いらない。報酬はちゃんと約束通り支払うさ。
アイルス:
ほ、本当ですか!?ありがとうございます!あぁ、もし世の中の雇主が全員あなたのように優しい方であればよかったのに!
ジェイコブ:
とにかく、これ以上皆さんの時間を無駄にしたくない。このめちゃくちゃな落書きたちを片付けてくれるかな。
マメール:
…めちゃくちゃな…落書き?
アイルス:
あっ…
旅人:
ここで何してるの?
パイモン:
おい、紫のやつ!おまえもマメールの絵を奪おうとするやつらとグルだったのか!あっ、わかったぞ!
パイモン:
おまえがこいつらを雇って、絵を奪わせようとしたのは、マメールに恩を売る機会を作るためだったんだな!マメールの信頼をだまし取って、自分の下心をかなえようと…
パイモン:
あれ、絵の具を欲しがってるのって、別に大した下心ってわけでもないか…
ジェイコブ:
盗み聞きとは褒められたことじゃないよ、紳士とお嬢さん。
パイモン:
おまえ、マメールがいないのをいいことに家を荒らしといて…こっちの盗み聞きを悪く言える立場かよ!
パイモン:
そういえば、みんな同じクロックワーク·マシナリーなのに、どうしてセイモアだけしゃべれるんだ?
パイモン:
うーん…だったら、なんでここに捨てられてるんだよ?
パイモン:
もし仮にフォンテーヌ科学院の新しい発明品だったら、たぶん…
パイモン:
あれ?ちょっと待てよ…もしかして、前にあったフォンテーヌ科学院の実験事故のせいで、セイモアはここまで吹き飛ばされたとか?
パイモン:
それもそっか…で、セイモア、これってどういうことなんだ?
セイモア:
……
パイモン:
うわ、やっぱり全然しゃべらないぞ…マメールの言った通りだな。セイモアはあいつとしかしゃべらないみたいだ。
アイルス:
おわっ!こ、これって…
ジェイコブ:
……
ジェイコブ:
時代遅れのガラクタに過ぎない。
ジェイコブ:
アランの「ちょっとした発明品」——君も長年眠っていたのだろう?
旅人:
まだ戦うつもり?
パイモン:
そうだぞ、もう悪だくみなんかやめるんだな!そもそも、なんでそこまで絵の具に執着してるんだ?しかも、こんな悪いことまでして…
ジェイコブ:
やれやれ…「私たち」の目的は、もう説明したはずだが。
ジェイコブ:
そしてマメールさん、もしご縁があったら、次に会う時は…あなたの作品を楽しみにしているよ。
マメール:
……
パイモン:
うぅ、こいつ…
ジェイコブ:
それじゃ、さようなら、紳士とお嬢さん。それから、そこの思考する機械も。行こう、アイルスさん、まだ他にあなたたちに任せたい用事がある。
パイモン:
おい!待て、紫の!逃げるなよ!
マメール:
ちょ…ちょっと待って!セイモアの様子がおかしい…
セイモア:
ギギ…
セイモア:
申し訳ございません、マ…
マメール:
どうしたの!?セイモア!?
マメール:
エネルギー切れ…ってことは…
マメール:
うぅ、そんな…なんでこんなことに…
パイモン:
え、えっと…マメール、大丈夫か?
マメール:
セイモア…つまり…ジェイコブさんは、最初からだましてたのね。私の絵が「好き」とか、「絵を理解できる」だなんて言って…
マメール:
もっとひどいのは…あの人はセイモアをこんな風にしたこと…許さない…絶対に、絶対に許さないよ!うぅ…
パイモン:
マメール、フォンテーヌ廷のエンジニアに頼んでみようぜ!きっと直せるはずだ。もしかしたら、もっとよくなるかもしれないぞ。そしたら、おまえの絵の具探しだって手伝える!
パイモン:
よし…マメール、まずは一緒に片付けようぜ?えーと、戦ったせいで絵が破れてないといいんだけど…
マメール:
ありがとう…旅人、パイモン。
マメール:
でも…今さら、この昔の作品に何の意味があるの?もしセイモアでさえ昔みたいに、この作品たちを評価できなくなったら…
マメール:
理解されない作品なんて…作品とは言えない。あの人の言った通り…ただの「めちゃくちゃな落書き」。
パイモン:
そんなこと言うなよ。あの紫のやつは、おまえの絵には魔性の魅力があって、予測できない無秩序があるとか言ってたんじゃないか?それに、オイラもおまえの絵に期待してるぞ!
パイモン:
でも…ずっと聞きたかったんだけど、村のみんなが「絵のことを理解できない」って言うのは、一体どういう意味なんだろ?おまえがどうして絵を描いてるのか理解できないってことか?それとも…
マメール:
みんな絵を理解してくれないの。
パイモン:
そうなのか…えっと、それはきっとそいつらにマメールの絵を理解する芸術的センスがないからだぞ。絵が表現してる、えーっと…意味とか!あと、その雰囲気を読み取れないんだ…それから、社会的な知識とか歴史のことも…
パイモン:
だから、つまり…とりあえず、その絵を見せてくれないか?
マメール:
うん、分かった。
落ちている一枚の絵を拾った…
パイモン:
えっと、これは…
パイモン:
(絵の内容はよくわからないけど、なんだかすごそうだな…うーん、それにこんなことを言うのもなんだけど、確かに価値がありそう…)
パイモン:
キ…キレイだな!たとえば、うーんと…この辺の細かさとか、なんだかその場にいるような雰囲気が味わえるっていうか…そ、そうだろ?他のメリュジーヌがわからないっていうのは、きっと…
マメール:
無理してそんなこと言わなくてもいいよ。すぐ分かるもの。
マメール:
でもありがとう、パイモン。パイモンって優しいね。
パイモン:
ううぅ、ごめん。オイラ、たしかに絵の内容は理解できなかったけど…でも…本当にキレイだと思ったから…
パイモン:
旅人、片付けの続きをするか…
旅人:
俺には分かる。
パイモン:
え?わかるって…絵の内容が?
マメール:
無理して嘘つかなくてもいいよ。気持ちならちゃんと切り替えられるから。
旅人:
この絵に描かれてるのは…
旅人:
…ハイタッチしてる二匹の熊。
マメール:
えっ?
パイモン:
おおっ!言われてみればたしかに…
マメール:
えっと…まさかあなた、理解できたの…
マメール:
じゃ、じゃあ…これは…この絵は、どう思う?
旅人:
とてもキレイ。
マメール:
本当?嘘はつかないでって言ったけど…
パイモン:
ちゃんと自信を持てって!オイラには絵の内容がわからなかったけど、オイラもキレイだとは思うぞ!
マメール:
うん、うん!ありがとう。絵を描く時は、表現したいものがたくさんあって、美しいものをみんなに見せたいと思ってるの。そう思ってくれたのならよかった。
マメール:
でも、私の絵を分かってもらえたのって、これが初めてなの。村のみんなは、絵の内容が理解できなくて、ただ「キレイ」としか言ってくれなかった…
マメール:
それから段々分かってきたの。みんな分からなかったから、ただ「キレイ」とだけ言って、私を喜ばせようとしたって…みんな優しいけど、それってよくないと思う。
マメール:
だから、ジェイコブさん…ジェイコブが私の絵を理解できるって言ってくれた時は、本当に嬉しかった。心に思い描いた風景が、やっと他の人にも伝わったんだなって。
パイモン:
うぅ、本当に腹が立つな、あの紫のやつ!
マメール:
うん。でも、今はもう大丈夫よ。
マメール:
お父様は、キレイな景色の話をたくさんしてくれた。私は世界が美しいと思って、それがとても楽しかったの。でも、そのことをうまく言葉にできなかった…だから、美しい絵で他の人を喜ばせようと思ったんだ。
マメール:
でも、他のメリュジーヌはただ私に社交辞令を言うだけ…キレイとは言ってくれるけど、理解はしてくれない。みんな、私のことを気にかけてくれるし、私もみんなが大好きだけど…それでもやっぱり、誰かに絵のことを理解してほしいと思うの。
マメール:
だから、セイモアは私の一番大切な友達。あの子はただ「キレイ」って言うだけじゃなくて、私の絵について真剣にコメントしてくれる。だから、初めてジェイコブに会った時、とても嬉しかったんだ。
マメール:
さっきジェイコブが言ってたことを聞いた時、「ああ、これからはセイモアにしか絵を見せないようにしよう。他の人はやっぱり理解してくれなくて、ただ私を傷つけないようにしてるだけだ」って思ったの。
マメール:
でも、パイモンと旅人が理解してくれたってことは、私の絵を理解できる人はいるってこと。私が見てもらいたい美しいものは、誰かにちゃんと見てもらえるってことだよね!
マメール:
あなたたちもセイモアと同じで、私の最高の友達よ!
パイモン:
うーん、そう言ってくれて嬉しいけど、ロボット犬と比べられてると思うと、ちょっと複雑な気持ちだな…
パイモン:
とにかく、引き続き片付けようぜ!ったく、あいつら、よくこんなに荒らしてくれたな…
マメールを手伝って、散らばっている絵を片付けた…
パイモン:
あっ、逃げちゃったぞ…
パイモン:
えっと、大丈夫か?ケガしてないか?
マメール:
…大丈夫。でも、あなたたちは本当に「ルエトワールガーデン」の人なの?すごいね…
パイモン:
ああ、あれはデタラメに言っただけだぞ!むしろ、「ルエトワールガーデン」なんて名前、旅人が適当に思いついただけだしな…
パイモン:
でも、あいつらを騙せたし結果オーライだぞ!ほら、旅人は真っすぐなやつに見えるし、オイラもカッコいいから役人っぽいだろ?
パイモン:
無鋒の剣より真っすぐだぜ!
パイモン:
逃げられたぞ…はぁ、なんであいつらは痛い目に遭わないと冷静になってくれないんだろうな?
パイモン:
でもそれより、おまえ大丈夫か?
マメール:
…大丈夫、ありがとう。私…あの人たちとのやり取りがちょっと苦手なの。
マメール:
あなたたち…すごいね。
パイモン:
ふふん、旅人とオイラは優秀なプロの冒険者だからな!あんなやつ、オイラたちの敵じゃないぜ!
マメール:
ううん、彼の腕のことじゃなくて…それに、さっき彼が戦ってる時、あなたはただ見てるだけだったと思うけど…
パイモン:
だ…だって、オイラはガイドだからな!ただ役割分担が違うだけだ!そうだろ、旅人?
ジェイコブ:
まさか、こんなところで他の人に会えるとは。あなたたちもアイデア探しに来たのか?
ジェイコブ:
辺鄙な場所だと聞いていたが、なんとも景色がキレイだ。ここの風景を描けば、きっと満足のいく作品が描けるだろう。
パイモン:
あれ?この箱に入ってるのって…
旅人:
他の人のものを勝手に漁ったらダメ。
パイモン:
えっ、漁ってなんかないぞ!た、たまたま見てただけで!
パイモン:
でも、この箱に入ってるのって…機械のパーツか?ちょっとしか入ってないけど…
パイモン:
もしかしたら、セイモアのメンテナンス道具かもな?うーん、旅人が言った通り、勝手に漁らないほうがいいかも…
旅人:
自分で絵の具を集めるの?
旅人:
昔、アルベドのために星銀鉱を採集した…
パイモン:
そうだな。でも、あのとき掘り出した鉱石は、結局あんまり役に立たなかったけど…
マメール:
うん、私は一番美しいものを描きたいの。
マメール:
普通の絵の具もいいけど、満足のいくものは描けないんだ。それに旅人のように温かくて、パイモンのようにキラキラしてるものも描けない。
マメール:
ちょっと待ってて、絵の具を集めてくるから。
旅人:
俺たちも手伝うよ。
パイモン:
そうだな。おまえって手が短いし、バケツを持つのも大変そうだからな…
マメール:
わ、私の手は短くないもの。もう…
マメール:
それに…今までもずっと自分で絵の具を集めてきたから、もう慣れてるの。心配しないで…
パイモン:
あれ、普段は他の友達と一緒に行ったりしないのか?
旅人:
コホン——
パイモン:
あっ!えっと…つまり…その…ごめん…
マメール:
えっ?どうして謝るの?
マメール:
あっ、分かった!セイモアが動けないから、私が絵の具を集めてる間、あの子が寂しがるんじゃないか心配してくれてるんでしょ!パイモンって優しいね、ありがとう。
パイモン:
……
パイモン:
ま、まあ…とにかく、オイラたちも一緒に行こうぜ?なんだかんだ、そのほうが早く済むだろ?
旅人:
うん、一緒に行こう。
マメール:
そう…旅人とパイモンが手伝ってくれるって言うなら、一緒に行きましょ。
マメール:
その…ありがとう、嬉しい。
パイモン:
へへっ、だってオイラもマメールの絵が見てみたいからな!
パイモン:
うわ…あ、頭がクラクラするぞ…近道って、不思議だな…これもメリュジーヌの文化なのか…
パイモン:
よく見てみると、オイラたちが降りた時にここって通ったよな。あそこにあんなに大きな岩があったなんて…
マメール:
うん!この場所、温かくて安心できるでしょ?ここには高純度の鉱石があるって、お父様が教えてくれたの。鉱石は私に任せて!二人はここで待っててね。
パイモン:
うーん、見た目は普通の鉱石とあんまり変わらないみたいだけど…
マメール:
えっ?色が全然違うのに!
パイモン:
ぜ、全然違うって?どれも同じ赤だよな?
マメール:
同じ赤でも、この赤とこの赤では明らかに違うでしょ?
マメール:
だ、大丈夫!微妙な違いだから、分からないのも無理ないよ…!
パイモン:
「明らか」って言ってなかったか!?
パイモン:
でも、やっぱりマメールは絵のことになると詳しいんだな。鉱石のことも絵の具のことも。
パイモン:
ただ…絵を描くのって、こんなに大変なことだったなんて…鉱石を集めて、選別してちょうどいい絵の具を作る…オイラ、筆で描くだけだと思ってたぞ…
パイモン:
あれ?旅人、どうしたんだ?大丈夫か?
旅人:
何か声が聞こえたような…
パイモン:
聞こえた…?なにをだよ?おまえ大丈夫か?
旅人:
大丈夫、問題ない。
パイモン:
うぅ、そう言われたら、逆に心配になってくるぞ…
パイモン:
えっと、この赤い鉱石と関係があるのかな?一部の鉱石には毒があるみたいだし、人の精神に影響を与えたりするかも…
パイモン:
いや、でもマメールはずっとこの鉱石で絵を描いてきたわけだし、問題ないか…そういえば、この鉱石って一体なんなんだ?もしかして、すごく価値のあるものだったりして…
パイモン:
もっと鉱石を集めて、外の商人たちに売れば…
旅人:
より純度の高い鉱石…
パイモン:
あっ、なにを言いたいのかわかったぞ。つまり「高純度の鉱石で作った絵の具、それで描いたマメールの絵こそが貴重な宝」ってことだろ!よし、オイラたちも鉱石集めを手伝おうぜ。ワクワクしてきたぞ!
マメール:
旅人、パイモン、お待たせ!
マメール:
あれ?それは…
パイモン:
ふふん、オイラと旅人だって、ただジッとしてただけじゃないぞ!オイラたちも「高純度の鉱石」をたくさん集めてきたんだ。すごいだろ!
マメール:
わあ、すごい!ありがとう!
パイモン:
よし、これでキレイな絵の具をたくさん作れるぞ!早く戻ろうぜ!
旅人:
マメール、嬉しそうだね。
マメール:
えっ?分かる…?
パイモン:
だって、しっぽまで振ってるじゃんかよ…
マメール:
ふぇっ!ふ、振ってないよ!
マメール:
でも…うん!嬉しいよ。
旅人:
これで絵の具をたくさん作れる。
マメール:
うん、それも理由の一つだね。
パイモン:
あれ?じゃあ、他の理由は?
マメール:
とりあえず、一緒に帰りましょ!
パイモン:
おい!オイラを無視すんなよ!
旅人:
パイモン、行こう。
パイモン:
ふーんだ…まあ、帰ったら絵が手に入るわけだし…へへっ、行こうぜ、旅人!
マメール:
ありがとう、旅人にパイモン。また片付けてもらっちゃった。最初に会った時と同じだね。
パイモン:
気にすんなって!オイラたち友達なんだから!
マメール:
うん!
パイモン:
マメールの機嫌もよくなったみたいだな!よかったぜ。
マメール:
えへへ!あなたたちと一緒にいると、楽しいんだ。まるで絵を上手く描けた時みたいにね。
パイモン:
そういえば、マメールが片付けてる姿を見てると、メリュジーヌって手が短いなって思うよな…
マメール:
ふん、パイモンの手のほうがもっと短いのに!
パイモン:
短くないぞ!お手々の短いマメール!
マメール:
そっちこそ!お手々が短い短いパイモン!
パイモン:
ったく、わかったよ!短くないって言えばいいんだろ…あっ、そういえばマメールが絵を描く時って、不便なんじゃないか?だって、おまえが使ってるイーゼルって結構高さがあるだろ…
マメール:
大丈夫だよ。だって、手は全然短くないもの!けど…ごめんね、絵はまだしばらく描いてあげられないんだ。
マメール:
ほら、セイモアがこんな風になっちゃったでしょ?まずはセイモアを治さないと。セイモアは大切な友達だから。
マメール:
セイモアを治したら、あなたたちの絵を描いてあげるよ。ごめんね、パイモン。
パイモン:
おう!それじゃ、一緒にフォンテーヌ廷へ行って、頼めるエンジニアがいないか探してみようぜ!
マメール:
エンジニア…?あっ…違うの。私は…自分でセイモアを治そうと思ってて。
パイモン:
えっ?でも、おまえってクロックワーク·マシナリーを修理できるのか?
マメール:
パイモン、なに言ってるの。もちろん——できないよ?
パイモン:
は?
旅人:
えっと…?
マメール:
どうしたの?
パイモン:
いや、できないって…じゃあ、どうやって直すんだよ?
マメール:
お父様は昔、たくさんの機械とそれが解体された後の状態を見てきたって言ってた。だから、セイモアを治す方法を教えてくれると思う。
旅人:
お父様?
パイモン:
うーん、前にも何回か聞いたけど…マメールのお父さんってどんな人なんだろう。ひげが生えてる超すごいメリュジーヌエンジニアなのかな?スパナとかを持ってたり?
マメール:
……
パイモン:
…あれ?なんで急に黙るんだよ?まさかオイラ、マズいことを言っちゃったのか…
マメール:
ええ。はい。なるほど…
旅人:
(まただ…)
パイモン:
おい、おまえ、誰と話してるんだ?
マメール:
家にあるものだけでは…足りないのですか?それでは…
パイモン:
おーい?マメール——もしもーし?
マメール:
…ええ。はい。やってみます。ありがとうございます!
マメール:
それで…旅人、パイモン…
パイモン:
うわぁ!また急にこっちに話しかけてきた!
マメール:
お父様がセイモアを治す方法を教えてくださったの。十分なパーツを集めればいいって…
マメール:
そんなに心配しなくていいよ!セイモアを治したら、あなたたちの絵を描いてあげるから。
パイモン:
いや、心配してるのは絵のことじゃなくってだな!さっき…誰と話してたんだよ?
マメール:
お父様だよ。
旅人:
お父様って誰?
マメール:
えっと…お父様はお父様なんだけど?旅人とパイモンは…お父様の声が聞こえないの?
パイモン:
声…あっ、ああ!あれのことか。もちろん…!
パイモン:
(うぅ…セイモアが壊れたから、ショックを受けちゃったのかな…とにかく、まずはマメールの話に合わせようぜ!で、ゆっくり慰めてあげよう…)
パイモン:
コホンッ、オイラたちも聞こえたぞ!でも、クロックワーク·マシナリーのことはよくわからないから、どうすればいいんだ?
マメール:
うん、まずは「パーツ」を探すの。
パイモン:
そうか、どんなパーツだ?
マメール:
それが…これ。キレイでしょ?
パイモン:
これが…廃棄された機械のパーツ?
マメール:
別に廃棄されたものってわけじゃないよ?キラキラしててすごくキレイでしょ。ここのどこにでもあるし、村のみんなはこれが好きだからいくつか持ってるの!
マメール:
お互い助け合ったら、お礼としてパーツをプレゼントするんだ。あとシャナはパーツが好きだから、色んな良いものと交換してる。あっ、でも彼女はいま村にいないけど…
旅人:
つまり、メリュシー村の通貨みたいなものか?
マメール:
通貨?あっ、そうそう、モラと同じね。確かに似てるかも。うーん、もしジェイコブがたくさんのパーツと私の絵を交換したいって言ってきたら…いや、それでも交換しない!セイモアを治すためじゃない限りは…
パイモン:
おう、わかったぞ!パーツを集めればいいんだな?オイラたちも手伝うぞ!
マメール:
ううん、そんなことさせられないよ!パーツはモラと同じだから、パーツを集めてもらうのって、まるで、えっと…その、稼いでもらってるみたいでしょ?なんだか悪いことさせてるみたいだもの!
マメール:
…分かった。ありがとう。あなたたち、本当に優しいんだね。
マメール:
でも、私もパーツを探しに行くよ。だって、あなたたちだけにパーツを探してもらって、私は待ってるだけなんて、さすがに悪いから!
旅人:
君は何者?
旅人:
どこかで会わなかった?
ジェイコブ:
敬服するほどの記憶力の持ち主だ、紳士よ。その通り、あなたが私の計画をかく乱する前に、私たちは崖のところで出会っていた。
ジェイコブ:
ただ、あの時…あなたが私と同じ選択をして、マメールさんを助けるとは思わなかったが。
パイモン:
自作自演のおまえなんかと一緒にするな!結局、おまえは何者なんだよ?
ジェイコブ:
私か?私のことはジェイコブと呼んでくれ。私は…旅をしている芸術品コレクターだ。
ジェイコブ:
マメールさん、また会えて嬉しいよ。
マメール:
ジェイコブさん…
マメール:
ねえ…ジェイコブさんが言ってくれたことは、全部嘘だったの?
マメール:
こんな絵、見たことがない、このような絵をコレクションにしたい、絵のことを…理解できるって…
マメール:
どれも…絵と関係のないもののためだったの?
ジェイコブ:
誤解だ、マメールさん。
ジェイコブ:
あなたを騙すつもりはなかった。今でも、あなたの作品はとても気に入っている。
マメール:
さっきは「めちゃくちゃな落書き」だって、言ってたじゃない…
ジェイコブ:
間違った言葉を選んでしまいお詫び申し上げる。まさにその予測しがたい無秩序こそが、私を深く魅了したのだ。ああ、世の中に理解されないこの美しさを、私は理解できる。
マメール:
えっ?えっ?ほ、本当に?
ジェイコブ:
もちろん本当さ。マメールさん、あなたの絵はそれはもう「魔性」を秘めている。絵の具の使い方、自らの手で絵の具を調合することへの執着。私はさらに…
パイモン:
おい!そんな言葉にころっと騙されるなよ!
マメール:
…えっ?まさか、今のも嘘なの…?
旅人:
絵の具を何に使うつもり?
ジェイコブ:
…面白い、変わった質問だ。いいところを突いてくれた、紳士よ。
ジェイコブ:
ところで、その絵の具にはどんな使い道があると思う?
パイモン:
ふんっ、この絵の具でなにができるのかは知らないけど、きっといいことじゃないんだろ!
パイモン:
高い値段でこいつの絵を買おうとしたり、人を雇ってこいつを困らせたり、挙句の果てには家を荒らしたりして…もし、自分の絵を描かせるためなら、そこまでしなくてもいいんじゃないか?
ジェイコブ:
ああ、どうしてだろうね?まあ、宿題ということで、まずは置いておこう。私の不躾な憶測だが、皆さんは先ほど絵の具の原材料を集めてきたんじゃないかな?
ジェイコブ:
そこで、一つお願いがあるのだが——紳士よ、それらの原材料を…私に譲ってもらえないだろうか?
ジェイコブ:
あなたたちには何の恨みもない。それなら、敵になる必要もないだろう。
ジェイコブ:
報酬として…合理的な範疇でなら、モラはいくらでも差し上げよう。
旅人:
どうして俺に聞くの?
パイモン:
そうだぞ!この絵の具はオイラたちのものじゃないし、マメールに聞くべきだろ!
ジェイコブ:
本当にその答えが欲しいのか?それとも、探りを入れてるのかな?
ジェイコブ:
まあ、どちらにせよ、誠実に答えよう。あなたも私も知っていることだと思うが、私がマメールさんの絵の具をいただくことを、彼女は「止めたり止められ」はしない。しかし、あなたは阻止しようとしてくるだろう。
マメール:
…私…私はそんなこと言ってない!あなたの言うことなんて聞かないから!この嘘つき!
ジェイコブ:
シーッ、もうそれ以上言わないでくれ、マメールさん。
ジェイコブ:
では紳士よ、正しい選択をしてもらえると私は期待していいだろうか?
パイモン:
もちろん、正しい選択をするぞ。マメールの物をおまえなんかに渡したりしないってことをな!マメールは美しいものを描くために、すっごく努力したのに、おまえはあいつにあんなことをしようと…!
ジェイコブ:
ふむ、それがあなたがた三人の答えなのか?なるほど、分かった。
ジェイコブ:
だが、まあお礼は言っておこう。原材料を集めてきてくれて、感謝するよ。
ジェイコブ:
では、いささか残念ではあるが、ここまでにしよう。
パイモン:
ここまで?おまえ、人の家を荒らした上に、あんなひどいことを言っておきながら、今さら逃げようっていうのか!?
ジェイコブ:
おっと、誤解だ。私が言ったのは「ここまで」だ、「さようなら」ではない。
ジェイコブ:
アイルスさん、依頼内容を変更したいのだが。
アイルス:
…はい?
ジェイコブ:
この人たちを始末してもらいたい。報酬は…そうだね、元の七倍で足りるだろうか?
パイモン:
おい、まさか、そいつらだけで旅人を倒せるとでも思ってるのか?
カイカーウス:
そ、そうですよ、ボス。オレたちだけではたぶん、あの人には勝てないと思います…
ジェイコブ:
皆さんは傭兵なわけで、私より戦うのが得意なはずだと思うが。
ジェイコブ:
多勢に無勢ならば、強いほうばかりに目を向ける必要もないだろう。あちらに——戦力にならない人がいるのではないか?
マメール:
…えっ?
カイクバード:
つまり、俺たちは…
パイモン:
お…おまえ、なにする気だ!?
ジェイコブ:
私たちの未来のために、合理的な行動を取る必要がある。
アイルス:
チッ、七倍の報酬か…じゃあ、仕方ない。悪く思わないでくれよ、そこのチビ!
マメール:
ぐあっ!?
セイモア:
私の姿を気になさる必要はありません、お嬢様。私の最優先指令は…ギー…ギギ…のために、あなたを守ることです。
ジェイコブ:
なっ…
マメール:
セ…セイモア?
セイモア:
はい、私はここにいます、お嬢様。今日も相変わらず優しくて可愛く、太陽のように輝いていらっしゃいます。
セイモア:
お下がりください。
旅人:
これは「ルエトワールガーデン」の制服!
アイルス:
ルエトワールガーデン…?
パイモン:
(いや、「ルエトワールガーデン」ってなんだよ!どこにそんな名前の部署があるんだ!)
パイモン:
コホンッ…まったく、今どきの外国人は、まさか「ルエトワールガーデン」の制服も知らないなんてな…
アイルス:
な、なんだ、その聞いたこともない名前!?適当を言うにもほどがあるんじゃない!?
カイクバード:
姉貴…気をつけたほうがいい。こいつの気迫とあの自信っぷり…ハッタリとは思えねぇ。
カイクバード:
それに考えてもみろ…もし本当にハッタリだったとしたら、こんな明らかにデタラメって分かるような名前を口にするか?
アイルス:
…いや、そう言われても…こんな変な名前をつける部署があるとは思えないんだけど…
パイモン:
そうだぞ!こんな部署が…っておい、オイラたちが所属するところの名前が変って言ったか!?ふんっ、これは聞き捨てならないぞ!
パイモン:
警察隊員の旅人!外国人のこいつらに「ルエトワールガーデン」の名が持つ、輝かしい歴史を説明してやれ!
パイモン:
(みんなの安全を守るためなら、手段を選ばない…って、そいつ、オイラが知ってるやつじゃないか?)
パイモン:
えっと、と、とにかく、そのとんでもない大英雄は、まるで暗闇の中で光り輝く星のように、人々が行く道を照らしたんだ!
パイモン:
で、オイラたちはそいつの意志を継いで、「ルエトワールガーデン」って名乗ってるんだぞ!
パイモン:
これでも——ふんっ、オイラたちの名前が変だって言えるか?
カイカーウス:
あ、いや、悪かった…
アイルス:
おい、何を謝ってるんだよ!
カイカーウス:
いや…姉貴、もっとよく見てくれ。あいつのマントとチビの服、色が揃ってるだけじゃなく、スタイルもなんだか特別なものに見えないか…
アイルス:
……
アイルス:
い…色がたまたま揃ってるだけでしょ!まさか、服装とそんな言葉だけで、役人になった気でいるわけじゃないだろうね!?
パイモン:
ふん、もちろん違うぞ!
旅人:
例えば、この新型の警備ロボは…
パイモン:
(おい!「警備ロボ」ってなんだよ!)
パイモン:
(いやいや、どんどんあり得ない方向にいってるぞ!)
カイクバード:
なるほど、これなら説明がつくな…
アイルス:
せ、説明がつくって…?
カイクバード:
酒場で聞いたことがある——「人間に近いマシナリー」を見たって…今思い返すと、あれがこの「ルエトワールガーデン」の新型装備なのかもしれない。
パイモン:
(えっ?そ、そんな噂があるのか?)
パイモン:
コホンッ…おう、その通りだ。オイラの最優先指令は、市民に奉仕し、法の尊厳を守ることだ…
パイモン:
えっと…「カボチャ」号協定に基づき、人をいじめる悪者は、絶対に許さない…
旅人:
P型警備ロボ、エネルギー砲、装填開始。
パイモン:
ガ…ガガ…ガ…装填完了、ターゲットロックオン。えーっと…ゼリーエネルギー砲起動中…
アイルス:
ちょ、ちょっと待て、なんだそれ!?何をする気!?
旅人:
今すぐ立ち去れば、指令を撤回する。
アイルス:
ああ、分かった、分かった!そこまでする必要ないじゃないか。行けばいいんだろう?
アイルス:
チッ、本当に最悪だ。この仕事を引き受けた時は、こんな目に遭うなんて聞いてなかったよ…
エルマイト旅団は慌てて離れていった…
旅人:
フォンテーヌの大マハマトラも知らないの?
カイカーウス:
ひぃっ…!大マハマトラだって…!こりゃやばいぞ!
アイルス:
落ち着け、バカ!フォンテーヌに大マハマトラなんているわけないだろう!?
パイモン:
えっと、こ、これは…スメールの制度にならって、新しく設けられた職位で…
パイモン:
(…いや、どう考えてもすじが通らないだろ!なんで大マハマトラなんて言ったんだよ!)
アイルス:
ああ、もうやめてもらおうか!これ以上、デタラメを言うのはなしだ!どうしても邪魔しようってんなら、こっちもちゃんと考えないとね!あんたら、やっちまいな!
カイクバード:
ほら、言ったとおりじゃないか。結局はこうなるって…
旅人:
俺たちは私服警察だよ…
アイルス:
ふん、私服警察?わたしたちがそう簡単に騙されるとでも思ってるの?
カイクバード:
「そう簡単に騙されない」っていうより、姉貴はもう何回も私服警察に絞られてきて、法廷送りになるところだったからな。もうその辺に関しちゃ、プロといっても過言じゃない…
アイルス:
あ、あんたは黙ってな…!
アイルス:
と、とにかく…あんたが私服警察なら知ってるはずだ。法を執行する前に、捜査令状を見せる必要があるってね!
パイモン:
えっと、それは…
アイルス:
もうやめてもらおうか!これ以上、デタラメを言うのはなしだ!
アイルス:
これ以上、デタラメを言うのはなしだ!どうしても邪魔しようってんなら、こっちもちゃんと考えないとね!あんたら、やっちまいな!
カイクバード:
ほら、言ったとおりじゃないか。結局はこうなるって…
旅人:
俺たちは三十人団の執行官だよ。
カイカーウス:
ひぃ!三十人団だって!?なんでここに三十人団がいるんだ!
アイルス:
おい、落ち着け、バカ!フォンテーヌに三十人団がいるわけないだろう!?
パイモン:
えっと…そ、そう…オイラたちは三十人団のフォンテーヌ支部なんだ!
アイルス:
「三十人団」を何だと思ってるだい!?スメールだけじゃなくてフォンテーヌにまであるなんて、まるでミントみたいじゃないか!?
パイモン:
えーと、スイートフラワーって可能性も…
旅人:
あるいはフライム…
パイモン:
あるいは冒険者協会とキャサリン…
アイルス:
ああ、もうやめてもらおうか!これ以上、デタラメを言うのはなしだ!どうしても邪魔しようってんなら、こっちもちゃんと考えないとね!あんたら、やっちまいな!
カイクバード:
ほら、言ったとおりじゃないか。結局はこうなるって…
マメール:
ねえ…旅人、パイモン、村で待っててくれる?絵の具を片付けたら、すぐ行くから。