arrow_back 原神 クエスト
クリスタリナの章 第一幕

星と夜のささやき


暗流
旅の途中、いつも通り平凡な一日を過ごしていたが、なぜか体に違和感が…
パイモンの意見を聞く
パイモン:
旅人、旅人ー!
パイモン:
おーい!おまえ、今日ぼーっとしすぎじゃないか?
旅人:
(パイモンの声がなぜかやけに遠くから聞こえる…)
パイモン:
どっか悪いのか?うーん…最近ずっと旅をしてるし、体調を崩してもおかしくないよな…そうだ、白朮のところで診てもらおうぜ!
不卜廬に行って白朮を探す
パイモン:
あれ?白朮のやつ、いないみたいだな…
薬局前にいる人:
先生かい?今日は休みだから、患者さんが来たら直接奥の部屋にって言ってたよ。
パイモン:
そうだったのか!おばあちゃんありがとな。奥の部屋に行こうぜ。
病室に行って白朮と会う
長生:
おっ、珍しいな。
白朮:
お二人ともお久しぶりですね。いかがなさいましたか?
パイモン:
こいつ、なんか最近疲れてるみたいなんだ。あんま眠れてないのかヒドい顔してるし、目の下にクマができることもあるんだぞ。
パイモン:
それにぼーっとしてることもやたら多くてさ。何度も呼びかけてやっと反応することもあって、なんかの病気なんじゃないかなって…
長生:
へえ?あんたでも体調を崩すことがあるんだな。いつもすこぶる健康って感じなのに。
白朮:
確かに知り合ってから、あなたが体調不良でここに来たのは初めてですね。どうぞおかけください。まずは脈を見てみましょう。
白朮:
ふむ…
パイモン:
白朮、すごく真剣な顔だぞ…まさか、本当によくないのか?
白朮:
顔色は良好、強膜に異常なし。呼吸は安定、脈は力強くも安定していますね。
白朮:
医者としての経験から言えば、あなたの身体は健康そのものです。理論上、特に問題なく元気に過ごせるはずですが…
旅人:
でも、確かに「違和感」がある…
白朮:
ええ、それこそが私の引っかかる点です。「健康」であるにもかかわらずそう感じるということは、あなたの今の状況は些か複雑であるということ。
白朮:
身体を蝕む病には大抵原因があり、治療法も存在するものです。しかし、身体の外からくる病となると医者では処置が難しくなります。
パイモン:
えっと…身体の外って?
白朮:
例えば呪いや巫術などがありますが…今の段階では判断しかねます。ただの過労による精神疲労かもしれません。
白朮:
こうしましょう。この病室をお貸ししますから、まずはゆっくりと休んでください。どのような原因であれ、糸口は必ず現れます。対処法を練るにしても、まずは病巣を明らかにしませんと。
長生:
安心しろ。精神的な病を患ってる人ならたくさん見てきた。とりあえず心が落ち着く香を焚いとくから、ぐっすり寝た後、何か食べてくるといい。
白朮:
私と長生は精神疲労に関する古書を調べてみます。何か手がかりが見つかるかもしれません。
長生:
まっ、でも私たちも精神医学の専門家ってわけじゃないし、もっと詳しい人を見つけたほうがいいかもしれないな?
パイモン:
白朮と長生にも、おまえの体調不良の理由がわからないのか…
パイモン:
疲れてるみたいだし、こいつらの言うとおり、ここでゆっくり休んだほうがいいんじゃないか?
パイモン:
ぐっすり寝たら、全部治ってるかもしれないしな!オイラが隣にいてやるから安心しろ!
病室で休憩する
パイモン:
疲れてるだろ?今日はもう寝ようぜ。
謎の空間を探索する
旅人:
(ここは…?)
旅人:
(霧が視界のすべてを覆い尽くしてる。)
旅人:
(夢よりもリアルで、現実よりも冷たい。息は吐く前に口の中で凍りつき、まるで魂が身体から引き剥がされて、無理やりこの謎の空間に連れて来られたかのような感覚…)
旅人:
(どこへ向かっても終わりが見えない…もっと不安なのは、霧の向こうから影の様な「何か」がついて来てること。)
旅人:
(これが夢なら、いつ目覚めるんだろう?もし夢じゃなかったら、俺は今どこにいるんだろうか?)
旅人:
うっ…!
旅人:
(何かが霧を突き破って、背中に…!でも血は流れてないみたいだ、これは…!?)
旅人:
(傷口から謎の光が漏れ出てる…どこか見覚えのある鋭いトゲは目的を果たしたかのように、また暗闇に消えてしまった。なんだか、心の奥底にぽっかりと穴が空いたような感じがする…また酷い疲れが押し寄せてきた…)
「夢」から目覚める
パイモン:
旅人、旅人ー!
パイモン:
そろそろ起きたらどうだ。お日様も元気に昇ってるぞ!
旅人:
……
パイモン:
ふわぁ~…珍しくオイラのほうが早起きだな!もう昼だぞ。どうだ?体調はよくなったか?
パイモン:
傷?寝てる間にどっかぶつけたのか?どれどれ——
パイモン:
なんもないぞ。いつもと全くおんなじだ。怖い夢でも見たのか?
パイモン:
ま、落ち込むなって。「夢は逆夢」とも言うだろ。悪夢を見たんなら…楽しいことをしようぜ!そうだ、今日はオイラがおごってやるぞ!食べながら夢のことを聞かせてくれよ!
パイモンと一緒に食事をする
万民堂に着くと、俺の様子を心配したパイモンが料理をたくさん注文してくれた。
パイモン:
えっ?霧に包まれた場所にいて、トゲに刺される夢を見た?
パイモン:
うーん、旅してきてこんなこと初めてだよな…それ、ホントに夢だったのか?おまえの話を聞いてると、なんだか夢じゃなくて実際に変なところに連れていかれたみたいだぞ…
パイモン:
でも、おまえが起きたときは間違いなくベッドの上にいたし、オイラが起こしたときもぐっすり寝てたよな。
パイモン:
よし、じゃあ今日は寝ないで、おまえの隣で見守っててやる。もし悪いやつが近づいてきたら、オイラが追い払って…
パイモン:
それかおまえを起こして、一緒にやっつけてやるぞ!
旅人:
(パイモンの笑顔を見たら、なんだかホッとしてきた。)
旅人:
(でも、本当に大丈夫かな?夢のあの光景は恐ろしいものだった…まるで今も「何か」が世界のどこかで俺を見つめてるような感じがする。)
旅人:
(夢で刺されたところに傷は残ってなかったけど、意識を集中させると背中がやっぱり痛む。まるで何かが身体の奥底から…)
???:
…なくなったみたいか?
旅人:
(!!!)
パイモン:
ん?なんか言ったか?
旅人:
パイモンにも聞こえた?
???:
肉体は完全であっても、魂が欠けている。このまま放っておけば、心が枯れてしまうだろう。
パイモン:
うわっ、びっくりした!おまえは——ええと覚えてるぞ。タルタリヤの師匠だよな?たしか、ス、ス…なんだっけ?
旅人:
スカーク。
パイモン:
そうそう、スカークだ!どうしてこんなところにいるんだ?
パイモン:
前に会ったのはフォンテーヌの原始胎海でだったよな?オイラたちは先にそこを離れたから、おまえとはそれっきりになっちゃったけど…
パイモン:
あとタルタリヤがおまえを捜してたぞ。どうして万民堂にいるんだ?オイラたちに会いに来たのか?さっきなんか言ったのもおまえか?
スカーク:
言え。何を「見た」?
旅人:
……
スカーク:
警戒心が強いな。まあ、それも無理はないか。
スカーク:
店主、酒を一杯。
卯師匠:
ああ、ちょっと待ってくれ——
卯師匠:
はいよ。自家製で、度数は控えめだ。
呉船長:
卯さん、チ虎魚焼きを追加で!
卯師匠:
ああ!…はぁ、こんなに客が入ると分かってたら、申鶴を休ませなかったんだが…
スカーク:
お前の問題に関与するかしないか、私にとってはどちらでもいいことだ。故にこちらから歩み寄るつもりもない。私を信用するかどうかはお前次第となる。
スカーク:
もし助けを必要とするなら早めに言え。私がこの酒を飲み終えるまでにな。
スカーク:
この近くで軽度のアビス乱流が発生したため、それを調べに来た。お前たちに会ったのは偶然だ。
スカーク:
お前の魂は欠けていて、傷口にはアビスに侵蝕された痕が見られる…これ以上は言わなくとも分かるだろう。
パイモン:
アビス乱流?魂が欠けてる?
旅人:
(スカークは何か知ってるみたいだ。彼女が前に見せてくれた力からして、俺に何があったのか見抜けるかも。)
旅人:
(目的は分からないけど、今の彼女から悪意は感じない。)
パイモン:
どうするんだ?スカークを信じるのか?
旅人:
パイモンはどう思う?
パイモン:
こいつ、さっき「アビスに侵蝕された」って言ってたよな。つまり、スカークに頼らなくても、アビスに詳しいやつを探せば治してもらえるんじゃないか…
旅人:
すぐには見つからないかも。
パイモン:
…たしかにそうだな。それに「魂が欠けてる」だなんてゾッとするし…早めになんとかしたほうがよさそうだ。
パイモン:
スカークってかなり怪しいやつだけど、タルタリヤの話からすると悪い人じゃなさそうだし…
話し合っていると、スカークはモラを取り出してテーブルの上に置いた。
スカーク:
1…2…7…10…さて——
スカーク:
そろそろ結論は出たか?
旅人:
……
旅人:
俺が「見た」のは、霧で満ちた真っ暗な空間で——
スカークに「夢」の内容を簡単に話した。
パイモン:
そのぉ~スカークさま…オイラたちが知ってることは全部話したし、手伝ってくれるよな?
スカーク:
その空間の霧を払うことはできなかったか…
スカーク:
ああ、事情は理解した。あとで帰離原に来い。酒代はテーブルに置いておく。一緒に会計しておいてくれ。
パイモン:
おう、任せろ…ってあれ?
パイモン:
もういなくなっちゃったぞ!
パイモンと急いでごはんを食べて、会計を済ませた。
卯師匠:
ん?多いな、モラはこれで十分だ。
パイモン:
あれ、これはお酒の分だから、ちょうどいいはずだぞ。
卯師匠:
酒?お前さんたちが注文したのか?
パイモン:
いやいや、忘れたのか?途中からオイラたちと同じテーブルに座ってたやつがお酒を注文しただろ?卯師匠が持ってきてくれたじゃんか。
卯師匠:
そうだったか?そこに座ってたのはお前さんたちだけだったと思うが…
パイモン:
えっ?
呉船長:
はっはっは!卯師匠、料理に変なキノコでも入れたんじゃねえか?客が幻覚見ちまってるぞ!
パイモン:
そんなおまえもかよ?見てなかったのか?これぐらいの背丈で、白と紫の服を着た女の人が向かいに座って、お酒を注文しただろ?
卯師匠:
ああ…そう言われると、そんな気がしてきたな…酒樽も開けた覚えがあるし…忙しすぎて忘れてしまったのかもな。じゃあモラは受け取っておこう、また来てくれ。
嵐姉:
こっちもお勘定!
卯師匠:
はいよ、ただいま。
パイモン:
どういうことだ…みんな、スカークが来たことを忘れてるみたいだぞ。
パイモン:
お酒の代金を渡されてなかったら、オイラも見間違いだったんじゃないかと思ってたところだぜ…
パイモン:
うぅ、考えたら背筋がゾワゾワしてきた…帰離原に来いって言ってたよな、早く行こうぜ!
帰離原に行って調査する
パイモン:
うわっ!なんで獣域ハウンドがこんなにいるんだ?
パイモン:
みんな忙しそうになにか集めてるみたいだぞ…
パイモン:
近づいてみようぜ!
近くを調査する
パイモン:
これがあいつらの集めてたものか?見た感じ、まるで…
旅人:
「魔神の残滓」?
パイモン:
そう、それだ!いったいどうなってるんだ?
スカーク:
強い力を持った生物は例外なく、生まれた瞬間よりこの世界に影響を与え始める。たとえ死んでも、その影響が完全に消えることはない。
スカーク:
魔神こそ、その最たる例だ。何千年も前に地へ落ちた魔神の残骸は、今なお大地の奥深くに埋もれている——歪んだ意志と深い呪いを宿したままな。
スカーク:
それらが集まることで、お前たちの言う「魔神の残滓」となる。本来はこの地の下に封じられていたものだが、何者かの手によって一部が掘り起こされ、持ち去られたようだ。その力が弱まっている。
スカーク:
…何をしている?
パイモン:
あ、いや、なんでもない!おまえが「実在する」のか確かめたかっただけで…
パイモン:
触れたぞ。ってことは幽霊じゃないのか…
スカーク:
自分の命が危ないというのに、そのような些末なことを気にするとは…
スカーク:
存在感を消す秘術だ。見た者の記憶を瞬時に消す。
スカーク:
お前たちと違い、私は世界との繋がりを持つつもりがない。力なき人間に私を記憶する資格などないし、むしろ彼らにとっては忘れてしまったほうが幸せだろう。
スカーク:
本題に戻ってもいいか?
パイモン:
お、おう。なんの話だっけ…
パイモン:
そうだ、魔神の残滓!ここの魔神の残滓が弱まってるって言ってたよな。それっていいことなんじゃないのか?
パイモン:
オイラたちの経験だと、魔神の残滓ってどれも悪いものだぞ。そのせいでいろんな災いが引き起こされたしな。
スカーク:
人間の目にそう映っているだけだ。そして力とは突如として生まれるものでも、理由なく消えるものでもない。
スカーク:
その力は、何者かによって「奪われた」のだ。
旅人:
俺がされたように?
スカーク:
ああ、察しがいいな。お前のように奪われた「被害者」は数多といる。ただ、そいつらは声を上げることができなかったが故に、誰にも気づいてもらえなかった。
スカーク:
スメールの砂漠に、一夜にして大量の聖骸獣の死体が現れた。また同時に、地下にあった魔神の残滓が減っていた。
スカーク:
「魔神の残滓」は相手の狙いの一つにすぎない。この世界のあらゆる力が、多かれ少なかれ流失している——空にある星屑を含めてな。
パイモン:
空にある星屑を含めて…?
スカーク:
この数ヶ月の間で、四十二の星が消えた。
スカーク:
カーンルイアでは、空にある星屑は地上の強者と繋がっているという説がある。その者が命を落としたとき、星屑は消えることなく、ただゆっくりと新たな星座に変化するのだが…
スカーク:
しかし今、多くの星が消えた。では、そこにあった力はどこに行ったのか?少し考えれば分かる。
スカーク:
何者かが図々しくもこの世界から吸い取っているのだ——まるで養分のようにな。そして今、それは命無き者では満足できなくなり、お前にも手を伸ばした。
スカーク:
今回奪われたのは魂の欠片で済んだが、次はどうだろうか?何も起きないと保証できる者などいない。
旅人:
どうして俺だったの?
スカーク:
さてな。ただ、これだけは言える…お前が失ったものを取り返すのは、決して容易ではない。
スカーク:
その者はありとあらゆる力を吸収し、今や魔神と並ぶほどの力を…いやもしかするとそれ以上の力を得ているだろう。しかし、それ自体は些細な問題だ。真に重要なのは、魂というのは脆弱な存在だということ。力と力が衝突すれば、簡単に消滅してしまう。
パイモン:
えっと…おまえはオイラたちを手伝ってくれるってことでいいんだよな?
スカーク:
互いに利があるだけだ。私も相手の正体を突き止めるのに、お前たちの力を借りたい。
パイモン:
やったぞ!おまえって強いんだろ。それにアビスに詳しいみたいだし、おまえがいれば百人力だぜ!
旅人:
ありがとう。
スカーク:
礼はいらない。お前にとっては思いがけない災難だろうが、ただそれを元の生活に戻してやるだけのことだ。
スカーク:
私と関係を築くのは必ずしもいいことではない。覚悟しておけ。私たちは同じ道を歩む者ではない、互いに借りを作らないのが一番だ。
スカーク:
私はお前を利用して情報を収集し、ついでにその失くしたものを取り戻す。それだけの話だ。このようなこと、私たちの人生では些事にすぎない。
スカーク:
私の言葉を覚えておけ。さあ、ついてこい。
パイモン:
うわぁ…協力するって言ってくれたから、ちょっとは仲良くなれるかと思ったけど…原始胎海にいたときと同じでツンケンしてるぞ。
パイモン:
ふん、そっちがその気ならこっちだって歩み寄らないからな!そうだ、変なあだ名をつけてやるぜ。なににしようかな…
パイモン:
よし!「冷凍スミレウリ」にしよう!へへっ、冷たい態度を取るほうが悪いんだぞ。
パイモン:
とにかく、今はおまえの魂の欠片を取り戻さなきゃだな。早く後を追おうぜ。なにかいい方法を知ってるかもしれないぞ。
スカークと共に深淵の裂け目に入る
パイモン:
おお、広い場所に出たな。ここってどこなんだ?
スカーク:
私が生活している場所、つまり「家」だと理解してもらって構わない。
旅人:
まさかここって「深淵」?
スカーク:
ああ。ここに連れてきたのは、時間の流れが外と違うからだ。
スカーク:
アヤックスがお前たちに話したかは知らないが、あいつもかつてこのような場所に迷い込んだことがある。そこで私はあいつを三ヶ月間しごいてやった。だが外界の時間にすると、それはたったの三日になる。
パイモン:
アヤックスって、タルタリヤのことだよな?たしかにそんなこと言ってた気がするぞ…
パイモン:
ここの一ヶ月は外の一日と同じ…つまりここにいれば、相手もしばらく旅人を襲えないってことか?
スカーク:
そういうことだ。外にいれば、いつ襲われるか分からないからな。それにここなら、時間を得られる。
スカーク:
残る問題はあと一つ…お前が見たという「霧に包まれた空間」について調べることだ。
スカーク:
お前の説明も、私が感知したアビス乱流も、その奇妙な空間がアビスと関係していることを示している。もしかすると、この秘境と同じ類のものかもしれない。
スカーク:
お前の魂の欠片を奪った犯人は、今もそこに潜んでいるはずだ。しかし、アビスは無秩序に渦巻いている。そいつの居所を突き止めるには、まずは霧に隠れた場所を明らかにする必要があるだろう。
スカーク:
それには、アビスの力による特殊な視野が必要だ。アビスの力の使い方を学んだことは?
スカーク:
では、アビスの力の使い方を学ぶつもりはあるか?
スカーク:
だろうな。お前の知り得る情報では、アビスは決して友好的なものではない——その力は狂暴かつ危険で、数多の災いをもたらしてきたと思っているのだろう。
パイモン:
違うのか?
スカーク:
物の見方は人それぞれだ。洪水や嵐で例えるなら、それらは無数の命を奪ってきた脅威ではあるが、もし操れるようになれば便利な道具となる。
スカーク:
だが今はお前の心情を考慮し、譲歩案を提示してやろう。
旅人:
それは…
スカーク:
私の力が込められたアビスの結晶だ。頭につけることで、睡眠時に「夢魂同調」を行える。
パイモン:
夢魂…同調?
スカーク:
魂が触れたこと、夢で見たこと、心に想ったことを互いの目に映せるのだ。
スカーク:
アビスの力の使い方を学んだこともなく、そして学ぶつもりもないのなら、私が代わりに調べるしかない。
スカーク:
夢魂同調により、お前が眠りに落ちるたび、私はその夢の場面を見ることができるようになる。そして、私が相手の位置を特定した後、お前たちを連れて奪われたものを取り返そう。
パイモン:
おお、わかりやすい作戦だな!
スカーク:
今回は状況が特殊だ。さっきも言ったが、たとえ順調に相手の居所を特定できたとしても、お前の魂の欠片を取り戻すのは容易ではない。
スカーク:
念のため、お前に修行をつけてやる。
パイモン:
えっ!おまえがこいつを鍛えるのか!?
パイモン:
じゃあ、今度からタルタリヤのことを「先輩」って呼ばなきゃだな!
スカーク:
好きにしろ。私はお前たちを「弟子」にするつもりはないがな。
スカーク:
お前は現時点でそこそこの力を持っている。故に、今から行うのはお前の実力を前提としたうえで、今後起こり得る状況を想定した修行だ。
スカーク:
雑談はここまでにしよう。準備ができたら来い。外界と比べて時間に余裕があるとはいえ、無駄に浪費していいわけではないからな。
パイモン:
また行っちゃったぞ…いつも効率重視って感じだな。
パイモン:
修行かぁ…そういえば、おまえが誰かに戦い方を教わることってなかなかないよな。もう十分強いわけだし、教えられる人もそういないと思うぜ。
パイモン:
最後にやった修行って「対雷電将軍特訓」か?あれからずいぶん経ったな。
パイモン:
スカークのやつ、前に「呑星の鯨は師匠のペット」だなんて言ってたし、実力は相当なもんだと思うぞ。へへっ、いろいろ学ばせてもらおうぜ!

修行
スカークは謎の人物の行方を調査すると約束してくれた。その間に実力を鍛えておこう。
一回目の修行を始める
スカーク:
準備はできたか?
パイモン:
おう、いつでもいいぜ!
スカーク:
これより始める修行は剣術、元素力、状況判断の三つに分かれる。
スカーク:
まずは剣術から始めよう。だがお前は剣術の才があるようだし、私が細かく指導する必要もないだろう。
スカーク:
長い旅の中で、剣の達人とそれなりに出会ってきたはずだ。意識するしないに関わらず、その技を吸収しているんじゃないか?
パイモン:
そうだな!ガイア、ジン団長、刻晴…それから万葉に綾華…いろんな国で、おまえみたいな剣士に出会ってきたよな。
パイモン:
そいつらと腕比べしたり、剣術について語り合ったりしてきたし。へへっ、ついにそれが役に立つ時がきたぞ!
スカーク:
喜ぶのはまだ早い。剣術とは、ただ「技」を極めるだけでは不十分だ。強くなるためには自分の「型」、言い換えるなら「流派」を持つ必要がある。
スカーク:
人体に例えると、流派は骨格——すなわち、枠組みや土台となるものだ。そして技はその骨格に付随する血肉であり、力を表す。
スカーク:
剣術が上達する過程は、人間の成長とよく似ている。骨格が成長しても、それに血肉がついていけなければ脆くなってしまう。逆に、血肉ばかりが成長し、骨格がついていけなければ無駄が多くなり力を活かしきれない。
スカーク:
自分自身を見つめ直せ。これまでの経験を振り返り、何がただの技であり、何が新たな剣術の体系となり得るかを見極めろ。
スカーク:
そうすることで、すべての観察と思考の積み重ねを実戦に活かせるようになる。そして、一振りごとの意味を真に理解できるようになるだろう。
パイモン:
え?それだけか?
パイモン:
なんかすごい技を教えてくれるのかと思ってたぞ…おまえみたいに「シュッ」って別の空間を開けるやつとかさ!
スカーク:
お前の力が限界を超えたとき、それが最も些末な技だと気づくだろう。そもそも、私たちの剣術の系統はあまりに異なる。技を教えたところで無意味だ。
スカーク:
力を得る過程に近道はない。挫折こそ最良の鍛錬であり、苦行こそ唯一の道。
スカーク:
私が伝えられることは以上だ。さあ、始めよう。納得するまで修行に励むといい。
剣術特訓を終わらせる
スカーク:
意識を集中させ、最速ですべての「晶柱」を破壊してみろ。
スカーク:
遅い、やり直しだ。
スカーク:
落ち着け、慌てるな。
スカークと会話する
旅人:
(不思議だ…剣術に対する向き合い方が変わるだけで、同じ技でも違う力を発揮する。)
旅人:
(閉ざされていた心の扉が、突然開かれたみたいだ。力がどんどん溢れてくる。)
旅人:
(仲間たちの姿が鮮明に脳裏に浮かぶ。俺が知ってる剣術の流派、俺が目にしてきた無数の技…)
ガイア:
「…この瞬間、お前は永遠を手にする」
刻晴:
「剣光よ、世の乱れを斬り尽くせ!」
スカーク:
これまで見てきた「技」を考えろ。表面的なものではなく、彼らが剣を振るうときの信念、心境を思い浮かべるんだ。
スカーク:
速度、技術、力…それらをイメージした後、すぐに剣を振れ。心と腕が繋がることで、初めて成長できる。
リネット:
「ちょっとしたトリック」
ニィロウ:
「波の花と共に舞を」
楓原万葉:
「刹那の光は世を照らし、一葉にて秋を知る。拙者がこの楓の葉で壁を切り拓き、時代を問う者となるでござる」
旅人:
(俺の剣術…旅で培った感覚…)
スカーク:
疲れても止まるな。代わりに心を空っぽにしろ。
スカーク:
その状態のまま剣を振れ。無駄な動きを排し、剣を腕の延長と見なして自在に操るんだ。
行秋:
「明月や、夜を独歩す、かたわらに、悪龍罰すも、また一興。古華奥義…裁雨留虹!」
神里綾華:
「雫が羽を湿らせてもたちまち消えてしまうのに——ただ水に足を踏み入れただけで白鷺が怨言を吐くなどあるでしょうか?稲妻神里流太刀術免許皆伝——」
旅人:
(剣を振るたび、力が増していく気がする。そろそろ、この剣に収まりきらなくなってきた…)
旅人:
(調子がいい。力がどんどん湧いてくる——)
旅人:
はあっ!
体力が尽きるまで、何度も剣を振り続けた…
旅人:
……
スカーク:
新たな剣の境地を得られたようだな。この修行はここまでとしよう。
パイモン:
やった!おまえならきっとできるって信じてたぞ!
スカーク:
どうだ?今の感覚は。
スカーク:
それもそうだろう。修行中、時間はすぐに過ぎ去っていく。お前はもう何日も休憩をしていないのだからな。
パイモン:
すっごく集中してたから声かけられなかったけど、オイラはもう何回も寝てるぞ!
スカーク:
今は寝るといい。私もそろそろ休む。それに夢でまた霧の空間に行ってくれれば、調査も早く進む。
臨時拠点に行って休憩する
スカーク:
たった一瞬の悟りを得るために、剣を幾千万と振らなければならないこともある。だが、その道を切り開くのはいつだって己の力だ。何より大切なのは、辛抱強く続けることになる。
臨時拠点に行って休憩する
旅人:
(ここは…?)
旅人:
(まさか、またあの奇妙な空間に?スカークは、寝たら夢魂同調するって言ってたのに…どうしてまた…)
旅人:
(いや、よく見ると前に夢で見た場所とは明らかに違う。薄暗いけど、あの背筋が凍るような霧も寒さもない。)
旅人:
(待った…「同調」ってことは、まさかスカークが調査してくれてる間、俺も彼女の心の世界を「見る」ことになるんじゃ…)
旅人:
(だとしたら、ここはあまりにも荒れ果ててる…たまに微かに聞こえる川の音以外、何もない。)
変わった生き物:
~♪
旅人:
(これは…)
旅人:
(なんだろうあの不思議な生き物…どこかに案内してくれるみたいだ。とりあえず追いかけてみよう。)
不思議な生き物を追いかける
女性の厳しい声:
スカーク、どうしてまた学校をサボったの?
スカーク:
あのデカっ鼻じいさんの授業、ちっとも面白くないんだもん!あの人の授業なんて受けたくない!
女性の厳しい声:
もう、先生をそんなふうに言っちゃダメでしょう?
男性の爽やかな声:
まあまあ。学校の勉強はもうすべて終えてるんだし、必ずしも授業に出る必要はないんじゃないか?
男性の爽やかな声:
さて、昨日はどこに行ってきたんだ?
スカーク:
ダイビングだよ!水の底にあんなおっきな魚がいるなんて思わなかった!ずんぐりむっくりしててノロマで。ひれを触ったら、唾をかけてきたんだ!
スカーク:
今日は北の草原に行くつもり。あそこには火を吹く大きな鳥がいるんだって!その鳥に乗って、星まで飛ぶんだ!
男性の爽やかな声:
ははっ、じゃあ父さんもその鳥を一羽見つけておかないとだな。でないと、お前を夕飯の時間に呼び戻せない。
スカーク:
大丈夫だよ、ご飯の時間になったら自分で帰って来るから。それじゃお父さんお母さん、いってきまーす!
女性の厳しい声:
ちょっと…何か羽織っていきなさい!…もう!
女性の厳しい声:
あなた、あの子を甘やかしすぎよ。「商船」が来て以来、ずっと外に行くって言って聞かないんだから。「将来は外の世界に冒険に行く」だなんて言い出すし…
男性の爽やかな声:
心配なのは分かるが、子供には好きなことをさせてやるのが一番さ。ほら、一緒に美味しいご飯を作ってあの子の帰りを待とう。
不思議な生き物を追いかける
スカーク:
(「我が上にある星空」…星の先には何があるんだろう?)
スカーク:
(ずっと続く高い山?終わりの見えない雪原?それとも商船に乗ってた人たちが言ってたみたいに、空よりも高い家があるのかな?)
スカーク:
(私と同じように、宇宙が大好きでこういうことを考えてる人はきっと他にもいるはず。その子たちと友達になりたいな。一緒に船に乗って、世界の隅々を見てまわるんだ。)
スカーク:
(早く大人になりたい…外の世界って、すっごく面白そうだし。早く見てみたいなぁ。)
スカーク:
(…お腹空いた。そろそろ家に帰ろっと。)
不思議な生き物を追いかける
スカーク:
火事…?あちこち燃えてる!何があったの…?
狼狽する通行人:
だから「よそ者」なんて信用するなって言ったんじゃないか!
狼狽する通行人:
なんでよ!私たちが何したっていうの!
狼狽する通行人:
美味しい料理と酒を振る舞い、美しい景色を案内して…私たちの手で染めた織物だって渡したのに…!どうして、どうしてこんなことを!
狼狽する通行人:
逃げろッ!!
冷酷な兵士:
報告!第三エリアの掃討と、第二エリアの包囲が完了しました。
冷酷な兵士:
やれ。上の命令通り、一人も生かすな。
冷酷な兵士:
はっ、ご安心を。すでにここの原住民と文明を滅ぼせるほどの兵器を用意してあります。
冷酷な兵士:
よし。あの一番反抗的だった夫婦は?
冷酷な兵士:
男の足を撃ち、女も抵抗中に腕を折りました。二人とも戦う力を失い、家の中で虫の息です。
冷酷な兵士:
悪あがきさせないためにも、他エリアを処理した後に、兵を集めて最後の鎮圧を行います。
冷酷な兵士:
未開の野蛮人でもこちらの兵を傷つけられるとはな。これで彼らが「脅威」であることに、誰も疑いを持たないだろう。
冷酷な兵士:
あと数分生かしてやれ。その後は、俺の手であの世に送ってやる。
不思議な生き物を追いかける
スカーク:
お父さん…?お母さん…?
女性の厳しい声:
スカーク!無事だったのね?よかった…
男性の爽やかな声:
ああ、嬉しいよ、また会えて。でも早く逃げるんだ…あいつらがもうすぐ来る、ここは危険だ…
スカーク:
何があったの?こんなに血が…お父さん、お母さん…ひぐっ…
冷酷な兵士:
ここだ。他の部隊にも包囲するよう伝えろ。
女性の厳しい声:
スカーク、走りなさい。誰も信じてはダメよ。遠くへ…遠くへ逃げるの。
女性の厳しい声:
私たちは死ぬことなんて恐れない。でも、あなたには生きてほしいの。
女性の厳しい声:
とても賢くて、何にでも興味津々で…。スカーク、あなたはきっと勇敢で、どんな困難にも挫けない大人になれるわ。
男性の爽やかな声:
もし父さんたちに会いたくなったら、この曲を弾くんだ。
男性の爽やかな声:
覚えておきなさい…命は輝くべきものだ。暗闇に押し潰されちゃいけないよ。
冷酷な兵士:
ドアを壊せ。こんな状況でくだらない楽器をいじる余裕があるとはな。
冷酷な兵士:
お前もだ!歌うのをやめろ——やめろと言っている!
「夢」から目覚める
旅人:
(今のは…)
目が覚めると、焚き火のそばに座ったスカークがとある歌を口ずさんでいた。
スカーク:
…♪
スカーク:
目が覚めたか?
スカーク:
お前が休んでいる間に手がかりを集めておいた。だが、まだ足りない。ひとまず今は次の修行といこう。
スカーク:
今度は元素力に関するものだ。準備ができたら、私のところに来てくれ。
二回目の修行を始める
パイモン:
…なあ、深淵の中って不思議だよな。
パイモン:
昼も夜もなくて時間の感覚が狂ってくるし、意識して数えてなきゃ何日経ったかもわからないぞ。
パイモン:
でも、不思議なことにお腹は空くんだよなぁ…オイラ、なんか食べてくるぜ!修行、頑張ってくれよ!
旅人:
よし、始めよう。
スカーク:
私の考えでは、力を求める過程は三つの段階に分かれる。
スカーク:
まずは、武器の理解を深める段階。次に、自然エネルギーを制御する段階。そして最後が、力を自在に操り、さらなる高みへと至る段階だ。
スカーク:
テイワットにおいて「自然エネルギー」は元素力を指す。だが、私は元素力についてそう詳しくない。私の体系とは異なるからな。
スカーク:
ああ、私が扱い慣れているのはアビスの力——いわゆる「虚界力」だ。
スカーク:
私の師であるスルトロッチは、この領域の専門家だ。カーンルイア人が彼を五大罪人の一人としたのは、彼が万物を支えるアビスの力を盗んだからになる。
スカーク:
テイワット大陸の元素力は、本質的に「光界力」から派生したものであり、光界力と虚界力は完全に相反するエネルギーとなる。故に、今回の修行で私から教えられることはそう多くない。
スカーク:
鋭いな。さすがの観察眼だ。
スカーク:
ただ、私は「郷に従っている」だけだ。アビスとこの世界の意志は相容れない。不要なトラブルを避けるため、私はアビスの力で氷元素を摸している。
スカーク:
これはカーンルイアの遺跡で学んだ「蛇の七変」という技術でな。もし今後、お前がアビスの力を学びたくなったら教えてやろう。
スカーク:
ああ、その話は聞いたことがある。お前はアビスの力を何度か排除してきたそうだな。それもお前の才能の一つだ。
スカーク:
だが…それは本当に浄化だろうか?言ったと思うが、力とは突如として生まれるものでも、理由なく消えるものでもない。
旅人:
どういう意味?
スカーク:
…あまり考えたところで仕方ない。まずはその元素力を鍛え、あらゆる問題に対処する力を身につけることだ。
スカーク:
成長とは、絶えず困難に立ち向かい、幾度もの挫折から立ち上がる過程を指す。
スカーク:
さあ、始めよう。己の限界に挑み続けろ。それがより速い成長へと繋がる。
元素力の修行をクリアする
スカーク:
「風」の力を使い、ここを綺麗にしてみろ。
スカーク:
よく観察することだ。戦場では使えるものをすべて駆使し、勝利の天秤をこちらに傾かせることが何より重要になる。
様々な元素力の訓練をこなし、最後は水元素で締めくくった…
スカーク:
「水」の力を使って、トゲを破壊しろ。
スカーク:
急げ…それらがお前を突き刺す前に。
スカーク:
夢の中の自分を越えろ。同じような傷を二度と負うな。
スカークと会話する
旅人:
(いろんな国で各元素の力を手に入れてきたけど…)
旅人:
(こうやって集中して練習するのは初めてだ。)
スカーク:
お前は自分が特別だと認識すべきだ。
スカーク:
神の目に依存せず元素力を扱い、そのうえ複数の元素力を使い分ける…
スカーク:
つまり、お前は神に認めてもらう必要がなく、その力はこの世界のルールを凌駕していることを意味する。
スカーク:
故に、お前は堂々と自分の道を歩めばいい。
旅人:
(軽やかに吹く風、静かに鎮座する岩、瞬く雷、芽吹く草…)
旅人:
(時には穏やかな小川のように、時には激しい濁流のように、異なる元素力が体内で流れてるのを感じる。)
旅人:
(目を閉じると、その音が聞こえてくるみたいだ。囚われた獣ではなく、まるで長年寄り添った友のような…)
旅人:
…!
スカーク:
よくやった。どうやら元素力に関しても新たな気づきを得たようだな。
スカーク:
「無我」の境地に至るまで修行に没頭していたか。元素力を使い続ければ体力も消耗するが、その分より強い力が手に入る。
スカーク:
今日のところは休め。起きたら、最後の修行に入る。
臨時拠点に行って休憩する
スカーク:
元素力の真髄を知るには、生きとし生けるものと触れ合う必要がある。それも旅をする意味の一つだ。
臨時拠点に行って休憩する
旅人:
(またここだ…)
変わった生き物:
~♪
変わった生き物:
~♪
旅人:
(何も言わずに、また飛んでいっちゃった。)
旅人:
(いったいどういうこと?スカークの心の世界にどうしてあんな生き物が?それに…今回はどこに連れて行こうとしてるんだろう…)
不思議な生き物を追いかける
スルトロッチ:
問おう、強さの秘訣とは何だと考える?
スルトロッチ:
憧憬?憎悪?守る意志?否…「恐怖」だ。
スルトロッチ:
家族が消える恐怖、文明が崩れ去る恐怖、孤独に苛まれる恐怖、死の恐怖…
スルトロッチ:
恐怖こそが進化の源だ。それは人類が自然に適応し、苦難を乗り越えるのを助けてきた。人類は恐怖に打ち勝つ過程で、自分自身、そしてあらゆるものを超越し続けてきたのだ。
スルトロッチ:
お前はすでに、その感覚を味わっている。つまり、進化する資格を手に入れているということだ。
不思議な生き物を追いかける
スルトロッチ:
二度も言わせるな。家を恋しいと思うたび、剣を振れ。
スカーク:
でも師匠…腕がちぎれそうで、もう上がりません。
スルトロッチ:
ちぎれる気配などないが?
スカーク:
うぅ…
スルトロッチ:
ちぎれようとも振れ。骨が折れる音を俺に聞かせろ。
スルトロッチ:
折れたら、俺が戻してやる。
スカーク:
ぐっ…うううっ…
不思議な生き物を追いかける
スルトロッチ:
よくやった、スカーク。今回も生き残れたか。どうだ?気分は。
スカーク:
寒い…痛い…
スルトロッチ:
それはお前がアビスに馴染んできた証だ。
スルトロッチ:
血肉が崩れ、経絡は引き裂かれる。だが死の淵から戻るたびお前は、より強くなるのだ。
スルトロッチ:
お前の才能は想像以上のものだな…やつらがその故郷を滅ぼした理由も頷ける。
スカーク:
はぁ、はぁ…ゴホッ…
スルトロッチ:
しかし今のお前はまだ「強者」と呼ぶには程遠い。その心には、迷いがあまりにも多すぎる。故に、さらなる修練を課すことにした。
スルトロッチ:
無駄な感情を封じ、弱き自分を殺し、その身体の真の主となれ。
スルトロッチ:
起きろ、スカーク。顔の血を拭え。壊死した肉を切り取り、損壊した部分を治せ。そして再び——剣を構えろ。
スカーク:
ゴホッ、ゲホッ…はい、師匠。
「夢」から目覚める
旅人:
(…夢が終わった。でも、夢の中に漂ってた重苦しさはまだ頭に残ってる。)
旅人:
(スカークは謎に包まれてる…いったいどこから来て、どんなことを経験してきたんだろう?)
パイモン:
おはよう!よく眠れたか?
パイモン:
準備ができたら最後の修行を始める、ってスカークが言ってたぞ。
パイモン:
今すぐ始めるか?それとも、もうちょっと休むか?
旅人:
(謎は深まるばかりだけど…でも、今は修行を終わらせよう。)
旅人:
(修行が終わったあと、話す機会を作ればいい。)
三回目の修行を始める
スカーク:
これまでの修行で、お前の剣の腕は飛躍し、元素力を操る能力もより進歩した。
スカーク:
私が教えたことはほんの一部にすぎない。感謝すべきは、お前が旅で出会った仲間たち、そして幾度も危機に身を投じて培った経験だ。
スカーク:
次は状況判断、あるいは「理性」の修行だ。実戦では常に予想外の事態が起こり得る。まずは私の攻撃を防いでみろ。
スカーク:
準備はいいか?
スカーク:
悪くない。隙のない、慎重な防御だ。
スカーク:
まるでお前の妹のようだな。そういえば、お前はあいつに何があったか知りたくはないか?
旅人:
——!!
彼女の言葉に、一瞬動揺した。少し気を抜いた隙に、彼女の剣はすぐ目の前まで伸びていた。
旅人:
あっ…
パイモン:
ズルいぞ!だまし打ちじゃんか!
スカーク:
相手が卑劣な手を使ったとき、それを非難することはできる。だが…その資格を持つのは生き残った者のみ。死人に口なし、ということだ。
スカーク:
戦闘の最中、興奮、不安、怒りなどの感情の揺らぎは避けられない。しかし、戦う者はそれに流されることなく、正しい判断を下す必要がある。
旅人:
スカークみたいに?
スカーク:
面白い言い方だ。まるでこの私を理解しようとしているように聞こえる。
スカーク:
…だが、お前は私とは違う。お前は自分の道を歩むことができるのだからな。
スカーク:
始めよう。理性で感情をコントロールし、冷静さを失うことなく、現状で最も有利な判断をしてみせろ。
スカーク:
これが最後の修行だ。気を引き締めて挑め。
理性の修行をクリアする
スカーク:
次は私の妨害を加えて、もう一度やる。動揺しないようにな。
パイモン:
オイラ、目がまわりそうだぞ…大丈夫か?
スカークと会話する
旅人:
(感情を制御するのって、すごく難しい。)
旅人:
(でも、絶え間なく続く戦いの中で、自分と相手に意識を集中することで、人間としての感情がある程度「薄れる」みたいだ。)
スカーク:
分かってきたようだな。
スカーク:
感情を制御するコツは、まず思考をコントロールすることだ。そして散漫な思考をまとめるには、集中が何よりも重要になる。
旅人:
(集中…戦闘に集中…)
旅人:
(確かに良い方法だ。戦いと関係ないことを一時的に排除できる。でも、まだ「感情を制御できた」とは言えない。)
スルトロッチ:
その心には、迷いがあまりにも多すぎる。故に、さらなる修練を課すことにした。
スルトロッチ:
無駄な感情を封じ、弱き自分を殺し、その身体の真の主となれ。
旅人:
(スカークも…こんな修行をしてきたのかな?自分の感情を完全に制御し、理性だけを残せるようになるまでに、いったいどれほど過酷な経験をしてきたんだろう?)
スカーク:
そこまでだ。雑念が生じているな。目を見ればすぐに分かる。
スカーク:
だが、それも仕方ないだろう。人間は長時間集中するのが苦手だからな。いつかは限界に達するものだ。冷静さを保つことは簡単なようで、その実、剣や元素力の修行よりも遥かに疲れる。
旅人:
(スカークの言う通りだ。戦うのをやめた途端、抑え込んでた感情が溢れてきた。)
旅人:
(痛み、苦しみ、疲労、疑問…色々あるけれど、その中でも疲労が一番強い。眠くなってきた…)
スカーク:
これ以上の修行は無意味だ、一旦休むとしよう。それに修行に目標は設けていない。前にも言ったよう、納得するまで修行に励むといい。
スカーク:
己の限界を超えられれば、修行はそれで成功だ。誇りと喜びの中でつく眠りは、さぞかし幸せだろう。
臨時拠点に行って休憩する
スカーク:
戦士は昼夜を問わず鍛錬に励むが、決着は数秒で決まることもある。
スカーク:
一瞬の迷いと一度のミスが、積み重ねてきたすべてを無にする。悔いを残したくなければ、極限まで己を磨き続けるしかない。
臨時拠点に行って休憩する
旅人:
(またスカークの心の世界に入った。)
旅人:
(今回、あの変わった生き物はいないようだけど、案内がなくても自由に歩き回れるみたい。)
旅人:
(どうやってここを出たらいいか分からないし、今は自然と夢から覚めるのを待つしかなさそう。辺りを探索してみよう。)
あたりを見て回る
落ち着いている弟子:
まさかあの恐ろしい巨人を倒すなんて、さすがスカーク先輩ですよ。
明るい弟子:
でも、そのせいで重傷を負ったって聞いたけど、本当?
落ち着いている弟子:
ええ。でも、まだ怪我も治らないうちから、剣の修行を再開したそうです。
落ち着いている弟子:
師匠もかつて腕と足を一本ずつ失ったそうですが、乗り越えたと聞きますし、スカーク先輩はどんどん師匠に似てきてますね。
明るい弟子:
あーあ、いつになったら師匠やスカーク先輩みたいに、冷静で強くなれるんだろ?
あたりを見て回る
スカーク:
はぁ…はぁ…
人心を惑わす声:
まだだ…まだ足りない。お前は「強者」と呼ぶには程遠い。
スカークの母の声:
スカーク、勇敢でどんな困難にも挫けない人になれたかしら?
スカーク:
はぁ…
人心を惑わす声:
ねえ、覚えてる?あの炎で亡くなった大勢の命を…。あの中で、生き残ったのはあなただけなのよ。
人心を惑わす声:
剣から目を逸らすな。お前に休む資格などない。
スカークの声:
知りたいことがたくさんあるんだ!船に乗って宇宙を探検して、星たちにいろいろ教えてもらうの!大きくなったら、きっと…
人心を惑わす声:
これが終わったら、お前は過去の自分に別れを告げるのだ。さらに強くなるために。
スカークの父の声:
走りなさい、スカーク。死が訪れるまで、走り続けるんだ——
スカーク:
はぁ、はぁ…ゴホッ…
あたりを見て回る
アリス:
う~ん…どうしようかしら?まず、あなたに新しい身分を考えてあげなきゃよね。
アリス:
天外の人って名乗るのもおかしいし…そうだ!「地底から来た」っていうのはどう?
アリス:
あなたもカーンルイアの予言を知ってるでしょう?「我々が宇宙に行こうと、深淵に落ちようと違いはない。いずれも未知の暗闇なのだから」って。
スカーク:
この星に来た以上、ここのルールは守るつもりだ。
アリス:
ふふっ、そう言ってもらえて良かった。それなら私も手間が省ける。お返しに一つアドバイスをあげるね。聞きたくないかもしれないけど。
アリス:
ただ力を磨き続けるんじゃなくて、たまには自分にもっと目を向けたほうがいいんじゃないかしら。
スカーク:
……
アリス:
「彼女」の存在を無視し続けたら、いつか本当に「彼女」の声が聞こえなくなってしまうからね。
「夢」から目覚める
旅人:
(う~ん…)
旅人:
(夢から覚めたみたいだ。火が静かに燃える音と、お肉を焼いてる匂いがする。)
パイモン:
あっ!目が覚めたか?
パイモン:
お腹空いただろ?ジャジャーン!おまえのために食事を用意しといたぞ!
パイモン:
へへっ、そう言うと思ったぜ。スカークと一緒に作ったんだ。ほら、熱いうちに食べてくれ。
パイモン:
もう何日も経ってるからな!料理の腕に免じて、あのツンケンした態度を許してやったんだ。オイラって、器がおっきいからな。
スカーク:
雑談は食後にしろ。さっさと食べるんだ。
パイモンと一緒に、食べ物をぺろりと平らげた。
パイモン:
ふぅ…お腹いっぱいだぜ。
パイモン:
今度はオイラが寝る番だ。出発するときになったら起こしてくれ!
スカーク:
いい知らせが二つある。
スカーク:
一つ、修行は以上だ。お前は力を扱う資格を得た。今後は旅で感じたことを自分の中に落とし込み、強者との戦いを通じて己を高めていけ。
スカーク:
二つ、裏で糸を引いているやつの具体的な位置を掴んだ。そこを調べ、お前の魂の欠片を取り戻せばこの件も片付く。
スカーク:
アヤックスは私との修行中に「聞きたいことが山ほどある」と言っていた。そこであいつを送り出すとき、私は三つ質問するのを許可した。
スカーク:
私たちがまた会えるとは限らない。故に、もし私に関することで聞きたいことがあれば、なんでも聞いてくれていい。同じく三つまでなら答えてやろう。
旅人:
(スカークの心の世界で記憶の欠片に触れたとき、聞きたいことがたくさんできた。その中でも一番聞きたいのは…)
旅人:
君は…本当にテイワット人なの?
スカーク:
最初から予想外の質問だな。なぜそう思った?
旅人:
ごめん。夢魂同調をしてる間、君の心にある記憶を見てしまったんだ。
スカーク:
…?
旅人:
(スカークの表情が初めて崩れた。まるで俺の言葉に戸惑ってるみたいだ。)
スカーク:
あの秘術がもたらす弊害なら知っていた。故に心を閉ざしていたのだが…
スカーク:
たとえ夢魂同調しても、お前には果てのない暗闇しか見えなかったはずだ。
旅人:
(スカークがこの方法を選んだ時点で、すでに対策をしていた?ってことは、あの記憶は見せるつもりで見せたわけじゃないんだ。)
旅人:
(待った…そういえば、初めてスカークの心の世界に入ったとき、確かに暗闇しか見えなかった。あの変わった生き物が現れるまでは…)
スカーク:
まあいい、どこかに綻びがあったのだろう。ここ最近、特殊な状況にあったため「自分」のコントロールが緩んでいたのは確かだ。
スカーク:
見てしまったのなら仕方ない。だが、そのことは秘密にしてくれ。
スカーク:
私はテイワットの人間ではなく、別の星から来た。お前と同じように、星を跨いで旅をしていたと理解してもらって構わない。
旅人:
じゃあ…君は俺と同じ「降臨者」ってこと?
スカーク:
それについては否定する。この世界の運命はお前によって左右されるが、私はその中の過客にすぎない。
スカーク:
数百年前、私の師であるスルトロッチが世界の境界を開いてくれたおかげで、私はこの地に立つことができた。
スカーク:
しかし、ここは私の居場所ではない。いつかは広大な宇宙に戻るつもりだ。さあ、答えは以上だ。二つ目の質問をするといい。
旅人:
君がテイワットに来た目的は?
スカーク:
強くなるためだ。
スカーク:
ある事情から、一刻も早く師匠に追いつく必要があってな。それにはまず、彼の強さの源を知る必要がある。
スカーク:
故に、師匠が歩んだ道を辿りながら彼に勝つ方法を探している。それが今の私にとって最も大事なことだ。
スカーク:
…最後の質問を聞こう。
旅人:
(「極悪騎」を倒す?スカークの口ぶりからして、それは彼女にとって大事なことらしい。彼女なりの理由があるのかもしれない。)
旅人:
(すぐに話を打ち切ったし、このことについては深く語りたくないみたいだ。最後の質問は何を聞こう?)
「公子」:
そんな簡単に言わないでくれ。あの件以来、俺がスカーク師匠とあの深淵の捜索をやめたことはない。
「公子」:
捜し続けてもう何年も経つのに、何も進展がないんだ…
旅人:
(そうだ…せっかくだし、タルタリヤの代わりに聞いてあげよう。)
スカーク:
聞きたいことは思いついたか?
旅人:
タルタリヤが君のことをずっと捜してるけど、なんで会ってあげないの?
スカーク:
アヤックスか…
スカーク:
あいつはお前とは違う。お前は私と知り合う前から、すでに多くの強者と出会い、数々の技を見てきた。それにより、独自の心得と経験を持っている。
スカーク:
故に、私がお前に施した指導は些細なものにすぎない。だが、弟子入りしたときのアヤックスはあまりに若かった。何色にも染まる白紙のようにな。
スカーク:
子は憧れを抱く人のことを無意識に真似する。しかし長い目で見たとき、それは彼の成長を妨げるものだ。
スカーク:
あいつに十分な力が備わったら会いに行こう。それまでは、私に会うことを目標に鍛錬に励んでもらうつもりだ。
旅人:
(スカークの答えは、当たり前のことを語るように淡々としていて冷たい。けど、なんだか違和感がある。)
旅人:
(今のは「タルタリヤのためを思って」の答えだ。彼女自身はどう思ってるんだろう?)
旅人:
(深淵の秘境は音ひとつないし、ずっといたら孤独を感じるはず。スカークは数百年前からテイワットにいるって言ってたけど、この秘境のことを考えるともっと長い時間を過ごしてきたと思う。)
スカーク:
お前たちと違い、私は世界との繋がりを持つつもりがない。力なき人間に私を記憶する資格などないし、むしろ彼らにとっては忘れてしまったほうが幸せだろう。
旅人:
(この長い時間、彼女は世界との繋がりを築こうとしなかった。それは「強者の孤独」だけが理由なのかな?)
旅人:
(…今聞いても、答えてもらえないだろうな。さっきした三つの質問と同じように、冷たい事実が返ってくるだけで、心からの「声」じゃない。)
スカーク:
仲間を起こしてこい。出発するぞ。
スカーク:
そうだ、私のことは…彼女にも秘密にしておいてくれ。
パイモン:
ふわぁ~…やっと出発するのか?
パイモン:
これからどこに行くんだ?
スカーク:
相手の居場所の近くに裂け目を開く。ついてこい。

呑星
修行が終わり、スカークの方も犯人の居場所を特定した。慎重に進んでいこう。
黒幕の隠れ家に向かう
パイモン:
ここって…層岩巨淵の近くだよな?
スカーク:
ここを通れば、お前の夢に出てきた空間へ行ける。
スカーク:
同じ深淵の秘境でもこの先は相手の縄張りだ。慎重に行動しろ。
パイモン:
安心しろ、ちゃんとおまえの後ろに隠れとくから!
パイモン:
へへっ、おまえも無理するなよ。
スカーク:
行くぞ。修行の内容を思い出しておけ。もしかすると、さっそく使うことになるかもしれない。
深淵の裂け目に入る
パイモン:
トゲだ!気をつけろ、刺されるなよ!
パイモン:
オイラはおまえの後ろに隠れとくぞ…任せたからな!
スカーク:
ここで何をしている。
アビスの魔術師:
何者だ?我らの研究を邪魔するつもりか——
アビスの魔術師:
いや…貴様らもこの奇妙な力に引き寄せられたのだな?
スカーク:
どうやら、人の出入りがなくなっていた間に虫が湧いたか…駆除してやろう。
深淵の回廊の突き当りに行く
パイモン:
行き止まりだ!ここが敵の隠れ家なのか?
パイモン:
霧が濃すぎてなんも見えないぞ!
スカーク:
襲撃に遭い、魂の欠片を奪われたのはここだな?
スカーク:
欠片の在り処を探知できるか?
旅人:
(目を閉じて、身体から飛び散った光の粒を思い出してみよう…。ダメだ、近くにあるのは感じるけど、具体的な場所までは掴めない…)
スカーク:
相手も策を講じているようだ。魂の間で起こる共鳴を防ぐために、欠片の気配を遮断したか。
パイモン:
おい、見ろ!あのトゲがまた出てきたぞ!
スカーク:
お前の魂はいわば人質だ。反撃は最低限に留め、まずは相手の動きを観察しろ。
スカーク:
魂の欠片を奪った以上、相手はそれを使って何か企んでいるはずだ。攻撃からその意図を読み取れるかもしれない。見極めてみろ。
棘の攻撃を回避する
敵はスカークに狙いを定め、大量のトゲが彼女に襲い掛かった。スカークはアビスのエネルギーを使ってシールドを展開し、ほとんどの攻撃を防いだが、一本の特殊なトゲが防御を貫き、スカークの肩を刺した。だがこれもスカークの計画のうちであった——そのトゲには魂の欠片が宿っていたのだ。スカークがトゲを抜いて壊すと、輝く破片がこの体に戻ってきた…
パイモン:
旅人、スカーク!!
パイモン:
いったいどうなってるんだ?スカーク、その肩——
スカーク:
……
スカーク:
帰離原で、なぜ自分が狙われたのか聞いたな。
スカーク:
答えが分かった。相手はお前の強さだけでなく、その「アビスを浄化する力」を欲していたのだろう。
スカーク:
「浄化」の本質はさておき、それを利用することで、これまでに成せなかったことを成そうとしている——
スカーク:
私を怯ませ、力を奪うといったようにな。
スカーク:
いや、恐らく私がここに来ることは知らなかったはずだ。お前の魂の欠片を奪ったのは、単にお前の力が稀有だからだろう。先ほどは必要に駆られて使ったにすぎない。
スカーク:
いわゆる運命というものがこの世にあるのなら、このようなつまらない偶然を指すのかもしれないな。
スカーク:
だが、私たちにとっても好都合だった。お前の力が使われるタイミングが判れば、それを逆手にお前の力を取り戻すことができる。
旅人:
でも、そのせいでスカークが…
スカーク:
気にするな。
スカーク:
さて、腹は満たされたか?質問に答えてもらおう。
スカーク:
なぜ…お前が「呑星の鯨」の権能を持っている?
パイモン:
呑星の鯨!?
パイモン:
あっ…言われてみればあのトゲ…呑星の鯨の頭に生えてた角とそっくりだったぞ!
スカーク:
その権能は、お前が自分の力で得たものではないな?
スカーク:
それに、もし呑星の鯨を倒せるほどの実力があるのなら、魔神の残滓などという不完全な力のために駆け回る必要もないはずだ。
スカーク:
となると可能性は一つ。お前は私の師匠——「極悪騎」スルトロッチを知っているのだろう?
???:
「極悪騎」…
???:
スルトロッチ…お前ガ「悪」と言われルナド…
???:
スルト…ロッチ…!
スカーク:
頭まで力に侵蝕され、対話能力が低下しているようだな。
???:
マテ…私ハ…まだ…
パイモン:
おい!あれがまた来たぞ!
スカーク:
力に溺れし者は、その反動に呑み込まれるまで己を顧みない。
旅人:
どうする?
スカーク:
落ち着け。お前の「理性」で最善を選べ。
旅人:
(俺の魂の欠片を取り戻すために、スカークは刺され、力を奪われた。)
旅人:
(元凶は霧の向こうにいる。さっきの戦いで攻撃パターンは掴めた。このまま戦えば勝てるはず。)
旅人:
(でもスカークの息がいつもより浅い。軽率に戦いを挑めば、彼女とパイモンが危なくなるかもしれない。悔しいけど…)
旅人:
一旦ここを離れよう。
スカーク:
勝敗を決めるのはこの瞬間とは限らない——正しい判断だ。
スカーク:
お前の魂の欠片を取り戻せたのだから、今回の目的は果たせた。敵の首はまた後日いただくとしよう。
スカーク:
退くぞ。今回はお前が先導する番だ。
崩れかけの深淵から離れる
パイモン:
スカーク、ケガは大丈夫か?
スカーク:
この程度であればすぐに治る。私の心配をするよりも、自分の安全を考えておけ。
パイモン:
うわぁー!トゲが降ってきたぞ!早く逃げろ!!
パイモン:
まさか呑星の鯨が関わってるなんて…おまえはとっくに気づいてたのか?
スカーク:
予想はしていた。故に調査を始めたのだ。
スカーク:
だが、あくまで予想にすぎない。この目で見るまで確信はなかった。
パイモン:
危ない!崩れそうだぞ!
スカークと会話する
パイモン:
ふぅ…ここまで来ればひとまず安心だよな?
スカーク:
やつの気配は感じられない。どうやら、まだ深淵の秘境にいるようだ。
スカーク:
私の力は弱者が容易く制御できるものではない。身体に馴染むまでまともに動けはしないだろう。
スカーク:
そう驚くことでもない。
スカーク:
いや…あの鯨が星を丸ごと呑み込もうと大口を開ける様を見たことがなければ、驚くのも無理はないか。
スカーク:
呑星の鯨は「呑噬」の権能を持っている。生者であろうと死者であろうと、その守りを破って本体に触れれば、相手の力を奪える。
パイモン:
そういえばオイラたちがあいつと戦ったとき、ヌヴィレットも「呑み込みたいという本能に抗うことができない」って言ってたな…
スカーク:
古龍の生き残りはその力の本質を見抜き、絶えず「水」の権能でお前たちを守っていた。それにあの時の呑星の鯨は腹を空かせていなかったため、本能で我を忘れることもなかったのだろう。
スカーク:
力を使い果たした瞬間、鯨は本性を見せ、星のすべてを喰らい尽くす。故に、特殊な虚無空間に収容していた…
スカーク:
ただ、この星にその権能を扱える者がまだいるとはな。遥か昔に呑星の鯨を見たことがあるのだろう。つまり、師匠の知人のはずだ。
旅人:
そういえば「極悪騎」に反応してた。
スカーク:
だから私は「今回の目的は果たせた」と言ったのだ。
スカーク:
ここからは私個人の問題になる。お前の身体は元に戻った。好きに旅を続けるといい。
パイモン:
なに言ってんだよ!おまえの力が奪われたんだぞ?放っておけるわけないだろ!
スカーク:
挫折や力の喪失といったことは初めてではない。谷底に落ちたのなら、さらに強くなって崖を登るまでだ。
パイモン:
そうだとしても…もし、おまえのケガが治る前に襲われたらどうするんだよ?
パイモン:
しかも力を失ってるんだろ?前みたいに「シュッ」って深淵の扉を開けられないってことじゃんか。
パイモン:
オイラたちとしばらく行動したって、別に悪いことないはずだぞ。
スカーク:
……
スカーク:
お前たちの考えはよく理解した。これを受け取ってくれ。
パイモン:
それは…?
スカーク:
普段モラを入れている物だ。この世界で生きていくには金が必要なんだろう?それくらいの常識は持っている。
スカーク:
しばらく世話になる。次の行動が決まり次第、出発するとしよう。
スカーク:
やつは師匠の情報を持っているはず。次に会ったら…
スカーク:
軽傷だ。気にするな。
スカーク:
力の回復には時間がかかるが、この程度であれば慣れている。
パイモン:
スカークと一緒に少し休もうぜ!でもどこで休むか…
パイモン:
人が多い場所は苦手そうだし…そうだ!白朮が病室を貸してくれてたよな?スカークをそこで休ませよう。
不卜廬に行って休憩する
パイモン:
なあ、スカークからもらったポーチだけど、モラがかなり入ってるぞ…
パイモン:
バイトでもしてるのか?いや、万民堂での出来事を見る限り、あいつがバイトしたら、きっと——
パイモン:
「店長、今月の給料を払ってくれ」
パイモン:
「ああ、そうだったな…あれ?おまえさん誰だったか?」…ってなりそうだぞ。
パイモン:
へへっ、あいつに会っても一瞬で忘れちゃうからな。…あれ?じゃあ、このモラはどこで手に入れたんだろ?
スカーク:
地下にあった持ち主のいない財宝や魔物の討伐で得たものだ。法は犯していないから安心して使うといい。
パイモン:
うわぁ!聞こえてたのかよ!
スカーク:
あれほどの声量で話していれば、山の向こうにいても聞こえる。
パイモン:
ええっと…もしかして前にオイラがこっそり言ったあれも…
スカーク:
なんだ?「冷凍スミレウリ」のことか?
パイモン:
その…それを言ったのはオイラじゃないぞ!オイラとそっくりなやつが、いつも変なあだ名をつけてるんだ!
パイモン:
…ううっ、ごめんってば。あの時はおまえがツンケンしてたからつい…でも今はいいやつだってわかってるぞ!おまえのおかげで旅人も命が助かったんだしな。その…友達になってくれるか?
スカーク:
……
スカーク:
ここにはベッドが一つしかないようだな。お前たちが使え。
パイモン:
えっ?じゃあ、おまえはどうするんだ?
スカーク:
私は疲れを感じない、故に休息も必要ない。外で剣の修練をしてこよう。そのほうが早く回復する。
パイモン:
でも、おまえの身体は——って、おい!もう行っちゃうのかよ!?
パイモン:
ったく、あいつ…!まあいいや、疲れたら戻ってくるだろ。
パイモン:
オイラたちはふかふかのベッドで寝ようぜ!
旅人:
(スカークは意思が強いし、今休めと言っても聞いてくれなそう。)
旅人:
(パイモンの言う通り、疲れたら戻ってくるはずだよね。今日はとりあえず寝よう。)
???:
はぁ…はぁ…
旅人:
(スカーク…?)
旅人:
(さすがスカーク、この短時間でもう力がいくらか回復したみたいだ。でも、なんだか少し様子がおかしい…)
スカーク:
はぁ…
スカーク:
…黙れ。
旅人:
(「黙れ」?周りには誰もいないのに。もしかして…)
人心を惑わす声:
ねえ、覚えてる?あの炎で亡くなった大勢の命を…。あの中で、生き残ったのはあなただけなのよ。
人心を惑わす声:
剣から目を逸らすな。お前に休む資格などない。
人心を惑わす声:
走りなさい、スカーク。死が訪れるまで、走り続けるんだ——
旅人:
(そうだ。あの夢の中でもスカークは挫折を味わった後、ひたすら独りで剣を振っていた。その時も同じように無数の声が響いていて…)
旅人:
(あの炎は…いったい何があったんだろう?話してくれたらいいんだけど…)
パイモン:
早寝早起きでバッチリ健康!このベッドのおかげでぐっすり眠れたぞ!
パイモン:
スカーク、一晩中そこに座ってたのか?ちょっとぐらいは休もうぜ?
スカーク:
……
旅人:
力は戻った?
スカーク:
六、七割程度は。
パイモン:
えっ、もう!?てっきり数日はかかると思ってたぞ!
スカーク:
いや…このペースは私の予想よりも遅い。
スカーク:
以前であれば、あと二割は回復していたはずだ。同じ方法、同じ感覚だというのに…なぜこのような。
旅人:
もしかして、あのトゲのせい?
スカーク:
おそらく問題は私自身にあるのだろう。
スカーク:
これから二日間、ここで瞑想する。意識を完全に心の中に沈め、何があったのかを見極めたい。
パイモン:
瞑想!なんだかすごそうだな。じゃあ、オイラたちは近くで見守ってるぞ。
スカーク:
感謝する。では二日待ってくれ。

心相
スカークの力はすぐに回復した。しかし彼女のほうは不満らしく、身体に何か問題があると推定したうえで、瞑想で解決しようとしている…スカークとは二日後に再会する約束をした。上手くいくといいのだが…
スカークの状況を確認する
パイモン:
ふわぁ…おはよう…
パイモン:
あれ?スカークのやつ、まだ瞑想してるのか?もう二日経ったよな。いつ終わるんだろ?
パイモン:
うーん…でも、手伝おうにもなにしたらいいかわかんないし…そうだ!起きたらきっとお腹ぺこぺこだろうし、オイラ朝ごはん買ってくるぞ。
パイモン:
すぐに戻るから、ちょっと待っててくれ!
旅人:
(スカークの表情はとても穏やかで、まるで眠ってるみたい…)
変わった生き物:
~♪
変わった生き物:
~♪
奇妙な光景を調べる
旅人:
(なんだか懐かしい感覚。ここは…?)
旅人:
(断崖がそびえ立ち、枯れ木が並んでる。遠くからおかしな川が流れていて、いくつもの滝を落ち、ここにたどたどしく辿り着いてる。)
旅人:
(よく見ると、川の色が場所によって違うみたいだ。下流に近づくほど深く暗くなってる。まるで…)
変わった生き物:
~♪
変わった生き物:
そう、ここはスカークの心の世界。「夢魂の狭間」とも呼ばれる場所だよ。
変わった生き物:
実は、あなたはここに来たことがあるの。その時は周りが真っ暗で、私がどれだけ頑張ってもちょっとしか照らせなかったけど。
変わった生き物:
へへ、こうやってお話しするのは初めてだね。
変わった生き物:
この間の一件であの子の力が弱まったから、拘束を逃れて声を出せるようになったの。
変わった生き物:
いわゆる運命というものがこの世にあるのなら、こういった面白い偶然を指すんだろうね。
変わった生き物:
あの子のところに案内する前に、ちょっと聞いてもいいかな。ここを訪れた感想は?
変わった生き物:
うん、気づいてたんだね。
変わった生き物:
その川は、スカークの体内を流れる「力」を具現化したものなんだよ。
変わった生き物:
力はその人の日々の積み重ねや、その人が経験したすべてのことから生まれる。だから、本来この川は時間の欠片や思い出、感情をのせて流れていくはずなの。
変わった生き物:
でも見ての通り、川の流れは何度も途切れてきた…スカークが過去の自分を嫌っているから。
変わった生き物:
水面に嫌な過去の影が映るたび、あの子は理性の剣で川と岩を切る。そして、挫折に満ちた過去に別れを告げ、決意を心に新たな旅に出るんだ。
旅人:
(そういえば…)
スルトロッチ:
無駄な感情を封じ、弱き自分を殺し、その身体の真の主となれ。
スカーク:
挫折や力の喪失といったことは初めてではない。谷底に落ちたのなら、さらに強くなって崖を登るまでだ。
旅人:
(そっか。スカークは昔、極悪騎から理性で感情をコントロールする方法を学んだ後——)
旅人:
(何度も自分に別れを告げてきたんだ。自分を否定し、自分を超えていくことが、おそらく彼女の強さの秘訣…)
旅人:
(でも…その過程は辛く苦しいものだったはず。いったい何を経験してきたんだろう?どうして、そうする必要があったのかな…)
変わった生き物:
せっかく現状を理解できたのに、また新たな疑問が生まれちゃったみたいだね?
変わった生き物:
じゃあ、川の上流に連れて行ってあげる。断崖を越えて、あの子の心に刻まれた記憶を巡れば、おのずと何があったのか分かるから。
不思議な生き物を追いかける
旅人:
(ここはどこかの海岸?砂浜に見覚えのある絵が描いてある。)
旅人:
(これって…俺がパイモンに描いてあげた絵だ。なんでこれがスカークの記憶に?)
変わった生き物:
私はね、同じ樹から落ちた葉っぱじゃなくても、巡り合えば仲良くなれると思うの。
変わった生き物:
空から降る流れ星や、さすらう旅人と同じように…。あの子はあなたの存在に気づいたけど、少しだけ迷った後、やっぱり距離を取ることを選んだんだよ。
旅人:
どうして?
旅人:
(…そういえば、似たようなことがあった。万民堂で彼女は存在感を消し、他人の視線から逃げてた。)
旅人:
(タルタリヤとは何年も会わないようにしてるし…彼女はこの世界と関わるのを避けてるんだ。ここで起こることは、彼女の人生において一瞬のことに過ぎないから。)
変わった生き物:
どうしてか、なんとなく分かったみたいだね。
変わった生き物:
この世界で彼女は密航者だから、ここの因果に巻き込まれたくないんだろう。でもこの選択には、あの子が昔言われたある言葉が関係している。
変わった生き物:
とりあえず、このまま川を辿って行こう。道はまだ長いよ。
不思議な生き物を追いかける
スルトロッチ:
お前は力を扱う資格を得た。もう教えることはない。
スルトロッチ:
だが、ただ模倣するだけでは一人前の戦士とは言えぬ。牙は与えた。あとは自らの力で狩りのすべを見つけるのだ。
スカーク:
私一人で旅をしろということですか、師匠?
スルトロッチ:
そうだ。新たな友と出会い、お前だけの旅を始めろ。砕けた過去をしまい、新たな未来を描け。
スルトロッチ:
何かあればアビスを通じて伝えろ。だが、俺はいつかお前が積み重ねてきたものを灰にする。お前の記憶の奥深くにある、消えない「災い」と同じようにな。
スカーク:
…!
スカーク:
なぜ…そのようなことを?
スルトロッチ:
言ったはずだ——恐怖こそ人類が進化する秘訣だと。
スルトロッチ:
お前は喪失を知っている。骨の髄まで沁み渡る恐怖を、その身に刻んでいる。
スルトロッチ:
だが危険を避け、利を取ろうとするのはすべての生物が持つ本能だ。いつかお前の苦痛や恐怖も薄まっていくだろう。
スルトロッチ:
故に、俺は今お前に消えない恐怖を植え付ける。恐怖の中でもう一度あの悪夢を再び味わうか、俺に勝つ方法を死ぬ気で探すか、自分で選べ。
旅人:
(あの人、どこかで見たような。そうだ、呑星の鯨と戦ったときに…)
変わった生き物:
スカークの師匠——「極悪騎」スルトロッチのかつての姿だよ。
変わった生き物:
もちろん。超越した存在である以上、彼にとって「容姿」は何の意味も持たない。
変わった生き物:
彼は獣にも、人間にもなり得る。言葉では説明できない魔物にもね。あの姿はアビスを鎧にしたもので、スルトロッチが星海を旅するときによく使っている。
旅人:
(「極悪騎」スルトロッチ…スカークとタルタリヤみたいに、彼とはただの師弟関係にあるんだと思ってたけど…)
旅人:
(これでスカークが人と距離を置いてる理由が分かった。「極悪騎」は彼女と世界に繋がりを持たせて、それを脅しの材料にしようとしてる。)
スカーク:
ある事情から、一刻も早く師匠に追いつく必要があってな。それにはまず、彼の強さの源を知る必要がある。
スカーク:
故に、師匠が歩んだ道を辿りながら彼に勝つ方法を探している。それが今の私にとって最も大事なことだ。
旅人:
(あの時の言葉の意味がやっと分かった。でも、極悪騎はなんでそんなことを?彼との会話を聞く感じ、スカークとの関係は悪くなさそうだけど。)
変わった生き物:
ここだけの話、本当の「極悪騎」ってすっごく怖いんだよ。
変わった生き物:
実際に会って初めて、あの「すべてを圧倒する絶対的な力」を感じられるんだ。
変わった生き物:
そろそろ行こうか?ええと…今は半分ってとこだね。
不思議な生き物を追いかける
旅人:
(これは…小さい頃のスカーク?)
変わった生き物:
ここまで一気に歩いたね!これはスカークが師匠に弟子入りして、極悪騎の修行を受けてた頃のことだよ。
スルトロッチ:
折れた腕は治しておいた。明日は倍の量をこなせ。
スカーク:
……
スルトロッチ:
今回は泣かなかったな、よくやった。弱者は涙で同情を乞おうとする。それほど無意味なことはない。
スカーク:
一つ聞いてもいいですか?なんで…師匠は私を助けたのでしょう?
スカーク:
ずっと考えているんです…自分は生き残るべきじゃなかったんじゃないかって…そうすればあの燃え盛る炎を思い出すこともないし、今みたいに辛い思いをしなくて済む…
スルトロッチ:
お前を助けたのは、俺の目的を果たすためだ。
スルトロッチ:
俺は長らく「死闘」を味わっていない。傑物たちでさえも、泥のように俺の足元を過ぎていく。運命ですらも、この俺の前では頭を垂らすのだ。
スルトロッチ:
故に、俺はすべてをお前に賭け、あらゆる手を尽くして育てる。いつかお前が、この俺を震わせてくれると信じてな。
スカーク:
でも、私は師匠に剣を向けたくありません!
スルトロッチ:
お前がどう思うかなどどうでもいい。
スルトロッチ:
弱者の叫びは、広大な星の海にさざ波を立てることすらできないのをお前もよく知っているだろう。
スカーク:
分かりました、師匠。
変わった生き物:
その日から、血と涙の滲む修行が続き、疲れと虚無感が常につきまとうようになった。
変わった生き物:
そして歳月は流れ、あの子の才能が開花した頃、遂に師匠と同じように感情を制御できるようになった…どう言ったらいいかな…
変わった生き物:
あの子の心には今も喜怒哀楽が残っているけど、その感情が表に出るには理性の許可が必要になったんだ。あなたの知るスカークになったのも、この頃からだよ。
旅人:
(極悪騎は幼いスカークを災いから救った。そして、スカークを救った理由を隠してもいなかった。)
旅人:
(これで残された謎はあと一つ。あの「災い」はいったい何だったんだろう?)
旅人:
(極悪騎の最後の言葉は冷酷なものだったけど、当時のスカークはすんなり受け入れた。それはあの災いを経験したから?)
変わった生き物:
あっ…もうすぐ目的地だよ!
変わった生き物:
ちょっと名残惜しい気もするけど…行こう。最後まで付き合ってね。
不思議な生き物を追いかける
変わった生き物:
ああ…ここはすべての思い出の中でも、最も綺麗な場面だね。
変わった生き物:
何の不自由もない、無邪気な時代だった。空には薄い雲が浮かんでいて、太陽の光がすべてを金色に染め上げる。歌声が響けば、つぼみすら共に舞う。
変わった生き物:
ここがスカークの故郷で、子供の頃に暮らしていた場所。彼女はすごく好奇心旺盛で、よく学校をサボってはいろんなところに遊びに行ってた。
変わった生き物:
海底に眠る財宝、遥か彼方の星空の秘密、それに「商船」に乗って来た変わった格好の大人たち…そう、あの商船こそがすべてを変えるきっかけ。
変わった生き物:
ある日、一隻の宇宙船がここに着陸したの。船から降りてきた人は笑顔で「自分たちは隣の星から来た」と言い、友好的な貿易を提案してきた。
変わった生き物:
スカークのお父さんお母さん、おじさんおばさん…みんなで遠路はるばるやってきたお客さんをもてなして、星のあちこちを自由に探索させた。あの時は誰もが朗らかに笑っていたよ。
変わった生き物:
——これから起こることなんて、一人も予想していなかったからね。数ヶ月後、正体不明の軍隊が突然やってきて、何も言わずに星を滅ぼしたんだ。
変わった生き物:
スカークはその日、いつものように授業をサボっていたから、すぐに軍隊に気づかれることはなかった。そして帰ってくる途中で、その惨劇を目にした。
変わった生き物:
多くの人が彼女に助けを求めたよ。顔なじみの人、親しい人…お父さんの兄弟やお母さんの姉妹…それから近所の女の子や足が不自由な商人さん、頑固なデカっ鼻先生…
変わった生き物:
ごうごうと燃える火の中で、人の命はまるで誰の目にも留まらない安物のように灰になっていった。あの子はただ走ることしかできなかった——彼が目の前に現れるまで。
変わった生き物:
極悪騎が偶然ここを通っていなかったら、あの子もきっと火に呑まれて命を落としていたと思う…なんでそうなったのかも分からないままね。
変わった生き物:
……
変わった生き物:
彼女とその一族が「脅威」だったからだよ。
変わった生き物:
商船が星を調査したとき、この星はかつて極端な環境下にあったことが判明したの。でも極寒の時代も焦熱の時代も、人類が活動していた痕跡があったんだ。
変わった生き物:
さらに調査を進めると、ここの人たちは長い歴史の中で「様々な環境と力に適応する」特異な体質を得ていることが分かった。
変わった生き物:
彼らはそれを「潜在的な脅威」と見なし、自分たちがやられる前に排除することにした。だから商船の人たちは軍隊を呼んだんだ。
変わった生き物:
そう、脅威と見なされた人たちは、自分たちがそんな体質であることすら知らずに殺された。その炎が優しさも真心も一緒に、すべて燃やしたの。
変わった生き物:
善悪を力でしか裁けないのなら、信じられるのは自分の手に握られた剣だけ。死が訪れるまで、あの子は永遠に走り続けないといけないんだ。
変わった生き物:
過去に味わった痛みをもう一度繰り返したい人なんていないでしょう?…さあ、道には必ず終わりがあるように、私のお話もここでおしまい。
変わった生き物:
彼女があそこであなたを待ってる。私のこともね。
変わった生き物:
会いに行って。これは私の運命であり…この長い歳月における、私の一番の願いでもあるから。
スカークと会話する
スカーク:
……
スカーク:
私をここで待たせたのは、彼を連れて来るためだったのか?
変わった生き物:
「あなた」と…ううん、「私」と話したかったの。
変わった生き物:
私たちの喧嘩と和解を見届けてくれる人が必要だったから。それには彼が最もふさわしいでしょ?
変わった生き物:
そう、私は理性によって抑圧された感情。彼女が心の牢獄に閉じ込めた「自分」だよ。
変わった生き物:
あなたに否定された衝動、あなたに捨てられた過去は、今では「私」の一部になった。
変わった生き物:
つまり、私は「最初のあなた」でもある。あなたが私を見ようとしないから、こうして会いに来たの。
スカーク:
違うな。私はお前を見たからこそ、ここに封じた。
スカーク:
お前の存在は私の力を削ぐ。お前はこの身体が弱ったときにこそ、憧れや喜びを露わにする。
スカーク:
優しさと美しさを信じたせいで、私たちの故郷が滅んだことを忘れるな。広大な宇宙の中では、個人の感情など些末なものだ。
変わった生き物:
うん、そうだね…でも過ちを正すことは、過去のすべてを否定することじゃないよ。
変わった生き物:
あなたの言う「弱さ」を切り捨ててしまったら、私たちはあの破滅をもたらした兵士たちと一緒になっちゃうんじゃない?
スカーク:
私は自分が何を求め、何をしているのかをはっきり理解している。あいつらとは違う。
スカーク:
私はお前の存在を認めている。ただ、お前の自由を制限しているだけだ。それが私の与えられる最大の慈悲だからな。
スカーク:
お前には為せない理想をすべて背負い、感情の麻痺や虚無さえも乗り越えてきた。ここに至るまで、私を支えてきたのは理性だ。それこそ、私が「私」たる所以であり、強者たる最大の理由。
変わった生き物:
ううん、私はあなたと一緒に背負っていきたいの。
変わった生き物:
広大な宇宙と比べたら、確かに個人の感情なんてちっぽけかもしれない。でも、それにもちゃんと価値はあると思うの。感情は、冷たい星の海に温もりをもたらし、私たちの見る世界に意味を与えてくれるはず。
変わった生き物:
星空に憧れたあの夜を、未知を探し求めたあの午後を思い出してみて。かつての穏やかな思い出から安らぎを見い出して、たとえ束の間でも果てしない抑圧から解放されてほしい。
スカーク:
それは今やるべきことではない。
変わった生き物:
ううん、まさに今やるべきことだよ!
変わった生き物:
ねえ、知りたくない?どうして力が思ったように回復しないのか…
スカーク:
やっと本題か。その答えを知るためにずっとここで待っていた。
変わった生き物:
じゃあ、この世界を——あなたの「心の中」を見て。
変わった生き物:
夢や好奇心を失えば、最初に抱いていた原動力がなくなる。昔の自分を切り捨てれば、過去から力を得られなくなるの。
変わった生き物:
今あなたを支えているのは、恐怖と独り生き残った苦しみだけ。そんな感情じゃ、あなたを最後まで支えきれない。だからこの川もどんどん濁ってきているの。
スカーク:
それでも、私が弱者に助けを求める理由にはならない。
旅人:
——その感情は決して弱くないよ。
スカーク:
……
旅人:
時を越え、抑圧を振り解いて、君の前に現れたことが…それを証明してる。
変わった生き物:
ありがとう、味方になってくれて。やっぱり連れて来てよかった。
変わった生き物:
私はね、あなたとここでどっちが悪いかを決めたいわけじゃないの。私たちの間に、どちらが正しいかなんて存在しない。だって、あなたの言葉も正しいから。理性で感情を封じなきゃ、辛い日々を乗り越えられなかったと思う。
変わった生き物:
でも、人はずっと同じ道を歩き続けるわけじゃないよね?あの災いをひと時も忘れたことがないのは知っているよ。唯一の生き残りとして、いつも苦しみ続けていることも。
変わった生き物:
ずっとみんなの声が、ううん、それだけじゃない、あなたの——私の声が耳元で響いている。自分がかつて思い描いていた人になれなかったことをあなたは知っているから。
変わった生き物:
叶わなかった願いは心に刺さる棘になる。たとえ私を受け入れられなくても…せめて少しだけでも背負っているものを下ろしてほしいの。
スカーク:
……
スカーク:
初めて水を汲みに行ったとき、父と母が詩を口ずさんでいた。
スカーク:
「踊り流れる水よ、砂が君の詩と仕草を求めている。足にまとわりつく砂を、君は運んであげるつもりか?」
スカーク:
私は軽やかに流れる水ではなく、お前も物言わぬ砂ではない。だが、それがお前の望みだというのなら、共に最後まで歩もう。
変わった生き物:
ありがとう。
スカーク:
…感謝すべきは、私のほうだ。
movie
スカークの記憶を見た。それは孤独で痛みに満ちた道のりであった。彼女は前へ進むたびに、理性の剣で過去を切り捨ててきたのである。しかし、スカークの中にはまだ少女の頃の彼女が生きており、心の奥で故郷の歌を奏でていた。スカークはついに自身の感情と向き合い、過去の自分を受け入れることにした。すると、彼女の心の世界にも変化が生じた——天空から川が流れ落ち、途切れていた箇所が修復されたのだ。やがてそれは美しく澄んだ水となり、天の川のように輝いた…
スカークと会話する
スカーク:
私の記憶を見たな?
スカーク:
…かつて師匠に「強者が弱者を食らうことが宇宙の絶対的な法則なのか」と尋ねたことがある。
スカーク:
すると師匠は「そうとは限らない。だが秩序なき世界では、狡猾で汚れた人間のほうが生き延びる確率は高い」と答えた。
スカーク:
それを聞いた後、ある考えが浮かんだ。
スカーク:
いつか、私の手で自分の秩序を作ろうと。あの時の惨劇を二度と繰り返さないために、私は強者だけが利を貪る理を世界から排除しようと思ったんだ。
スカーク:
しかしその前に、まずは師匠に勝たなければならない。師匠——スルトロッチはあらゆるルールを破壊する者だからな。
旅人:
一筋縄じゃいかなそう…
スカーク:
ああ、そうだろう。だが彼を敵と見るつもりはない。戦うのは力の差があるからで、目標とするに相応しいからだ。
スカーク:
彼が私を育てたのは善意からではないが、師匠として為すべきことはすべて果たした。この命を救い、私に武芸と道理を教えてくれた。尊敬に値する人物だ。
旅人:
でも、いつかは刃を交える…
スカーク:
不本意ながらな。だが、師匠は一度口にしたことを変えない。私は彼の言葉のすべてに真剣に向き合わなければならないのだ。
スカーク:
彼はもうテイワットにはいない。ただ、時々アビスを通じて声を送ってくる。大半は簡単な会話で終わるが、私の疑問に答えてくれることもある。
スカーク:
その声が届くたび、心臓が止まりそうになる。次の瞬間には目の前に現れて、私の影を踏み潰すのではないかと思ってしまうのだ。
スカーク:
彼の言葉通り、これが「消えない恐怖」なのかもしれない。私は彼を尊敬し、同時に恐れている。だからこそ、常に強くなる方法を模索し続けている。
スカーク:
師匠が何を考えているかは分からないが、私はただ最善を尽くすしかない。
スカーク:
手伝う?何故だ?お前には関係のない話だろう?
旅人:
だって…善いことや正しいことは、一人の力だけで成し遂げられるものじゃないと思うから。
旅人:
たくさんの人が同じ目標に向かって努力すれば、いつか優しさは銀河の隅々にまで満ちるはずだよ。
スカークと会話する
パイモン:
あっ、やっと起きたな!
パイモン:
まったく!買い物から戻ってきたら、二人とも寝ててびっくりしたぞ!
パイモン:
どうだ?調子は戻ったか?
スカーク:
どう思う?
スカーク:
流れ続ける水だけが腐敗と汚れをそそぎ、過去と未来を繋ぐ。
スカーク:
以前、旅で感じたことを自分の中に落とし込めと教えたな。今日のことも…永遠に「私」の一部となるだろう。
パイモン:
ん?もしかして…オイラのいない間になにかあったのか?
パイモン:
まあ、いっか!おいしいもんを買ってきたから、今は腹ごしらえしようぜ!
三人で美味しくごはんを食べた。
スカーク:
さて、そろそろやつを討ちに行こう。
パイモン:
ついに正面対決か?
スカーク:
ああ。もうお前の助太刀を拒むつもりもない。ただ、やつは呑み込んだ力を消化しきったはずだ。前回よりも厄介な相手になっているだろう。
スカーク:
しかし今回は私も全力で戦える——さあ、あの場所へ戻ろう。

無限
再び目を覚ましたとき、自分自身と和解したスカークは力を取り戻していた。そろそろ真犯人を懲らしめるときだ。
黒幕を倒す
パイモン:
霧が…晴れてるぞ!
パイモン:
おい!あれって呑星の鯨に呑み込まれたときに出てきたやつだよな?
パイモン:
そうだったのか。じゃあ、なんであの時、呑星の鯨の中に「極悪騎」が現れたんだ?それに、どうしてあいつまで同じ姿に…
スカーク:
何ら不思議ではない。力を求める知的生命体が師匠に会えば、無意識にその模倣をし、同じ力を手に入れようとする。
スカーク:
なぜなら、それこそが彼らの想像する「強さ」の極地だからな。あいつは私の師匠と面識があり、さらに私の力も奪っている。あの姿になるのは、むしろ必然と言えるだろう。
パイモン:
なるほどな。うわぁ…あらためて見てみるとすごい威圧感だぞ。
パイモン:
今回はヌヴィレットがいないから、自分たちでなんとかするしかないな。もう人のものを奪えないようにしっかり懲らしめてやろうぜ!
黒幕を倒す
movie
スカークと力を合わせて、敵に対抗した。すると敵は距離を取り、以前と同じくスカークの力を盗もうとした。しかし、スカークは手でトゲを掴み、その中に力を送り込んだ。最初こそ喜んでいた敵だったが、すぐに自身の体に異常が起きていることに気づいた——敵に限界が訪れたのか、あるいはスカークの力が敵の限界を超えたのだろうか。激しい戦闘の末、双方の武器は消耗し、破損していた。そこで、全力でスカークに向かって剣を放り投げた。スカークはそれを受け取り、最後の一撃を放った。
相手の正体を聞く
???:
ゴホッ…
スカーク:
目が覚めたか?
???:
私の身体が限界なことに気づき、逆に力を渡すことで、内から鎧を破壊するとはな…
???:
その力と戦闘に対する嗅覚…やはり、お前は…
スカーク:
スカーク、スルトロッチの弟子だ。
???:
あれから何年経った?あいつがテイワットを離れて、どれくらい経っている?
スカーク:
数百年だ。
???:
数百…!そうか…
スクフヌーガ:
すまない。つい感情が高ぶり、名乗るのを忘れていた。私はスクフヌーガ。お前の師スルトロッチの友であり、その跡を追随する者でもある。
スクフヌーガ:
スカーク…その名を聞くのは初めてだが、数百年前から私はお前の存在も、お前がいずれ来ることも知っていた。
パイモン:
数百年前から?
スカーク:
聞かせてくれないか?お前のこと、そして師匠のことを。
スクフヌーガ:
ああ。まだ理性があるうちに話しておこう。あれは…遥か昔のことだ——
スクフヌーガ:
私はカーンルイアの貴族で、一族の長男だった。爵位を継ぐ資格を持っていたが、幼い頃に不治の病に罹ったことで、誰も私に期待を寄せていなかった。
スクフヌーガ:
それでも私は剣の修行に励み、同世代の者たちを次々と打ち負かした。しかし、そんな努力は何の意味もなさなかった。周囲の目は変わらず、そこにあったのは同情や嘲笑のみ。両親でさえ、私が息を引き取る日を待っていたほどだ。
スクフヌーガ:
次第に私の心は冷え切り、毎日をただ無為に過ごすようになった。その時だった——私がお前の師、スルトロッチに出会ったのは。
スクフヌーガ:
当時の私たちはまだ若かった。あいつは死刑囚の子で、獄中で産声を上げ、幼い頃から路上での生活を余儀なくされていた。あいつが日々浴びせられる中傷の数は、ウニベルシタス・マギストロラム、通称「深秘院」の名著よりも多かった。
スクフヌーガ:
だが、あいつは一日中笑顔で過ごしていた。まるで、好意も悪意も何の意味もないかのように。
スクフヌーガ:
忘れもしない。初めて会ったとき、あいつは私にこう言った——「人は自分のために命を懸けるべきだ。たとえ結果が伴わなくとも、炎のように燃え上がらねばならない。このまま何も感じずに死ぬわけにはいかないのだ。」
スカーク:
…いかにも師匠が言いそうな言葉だ。
スクフヌーガ:
あいつは私の才能を認め、励ましてくれた。あいつと手合わせしたとき、初めて戦いの楽しさを感じたんだ。
スクフヌーガ:
そしてあいつが十歳の時、とある禁忌にまつわる研究資料を盗み出し、私の病気を治してくれた。この世にできぬことなど存在しないと…そう思わせるほど、あいつは人間の身体で不可能に挑み続けていた。
スクフヌーガ:
しかし、私は次第にその歩みに追いつけなくなった。私の才能はあいつと比べればあまりにも平凡だったんだ。いつからか、あいつは私の遥か先を行くようになり、私はあいつとの稽古を恥じるようになった。
スクフヌーガ:
あの「事変」が成功した後、スルトロッチは私を探し出し、こう言った。
スルトロッチ:
俺はもうこの星のすべてに興味を失った。そろそろ離れるつもりだ。その前に、得たばかりの力でお前の不死の呪いを解いてやろう。
スルトロッチ:
俺たちはお前の死を退けるため、力を尽くしてきた。だが「不死」となれば、また別の苦しみが伴う。
スクフヌーガ:
まあ、それもいいさ。不死でも別に構わない。無限の命があれば、無限に強くなれる。…そうすればいつかまた、かつてのように手合わせできる日が来るかもしれないだろう?
スルトロッチ:
本当にいいのか?俺が戻るまで何年かかるか分からないのだぞ。お前の身体…あるいは魂がその時まで持つ保証はない。
スクフヌーガ:
試してみようじゃないか。人は自分のために命を懸けるべきだ、だろ?
スルトロッチ:
ああ、そうだったな。だが、もし永遠の命がもたらす苦しみに耐えられなくなり、死を迎える前にもう一度全力で戦いたくなったら——俺の弟子と戦ってはくれないか。
スクフヌーガ:
弟子?お前の口から、そんな言葉が出てくるとはな。
スルトロッチ:
ああ。ヴェズルフェルニルが言うには、俺は宇宙で弟子を取り、彼女をテイワットに送るそうだ。
スルトロッチ:
お前もヴェズルフェルニルのことは知っているだろう?それから、あいつの予言が当たることも。
スクフヌーガ:
そう言われると気になってくるな。どんな弟子なんだ?
スルトロッチ:
いや、それについては何も教えてくれなかった。ただいつか「群星が彼女にひれ伏す日が来る」とだけ言っていたな。
スクフヌーガ:
なんだか凄そうな弟子じゃないか。
スルトロッチ:
当然だ。凡人に俺の弟子になる資格などない。
スクフヌーガ:
相変わらずの自信家だな。まあ、確かにその通りだが。
スルトロッチ:
さて、もう行こう。もしお前がさらなる強さを求めるのなら、原始胎海にある置き土産が役に立つだろう。前にも言ったように、どの道を選ぶのもお前の自由だ。悪人には悪人なりの自由があるものだからな。
スクフヌーガ:
その言葉を聞いて、私は原始胎海を訪れ、スルトロッチの手により瀕死となった呑星の鯨を見つけた。そして私はその身体の一部を切り取り、この心臓に縫い込んだのだ。
パイモン:
し、心臓に?聞くだけで痛そうだぞ…そんなことできるのかよ?
スクフヌーガ:
ああ。私は「不死の呪い」を受けているからな。
スカーク:
お前はその呪いを利用して、自身の身体を力の器にしたのだな。
スカーク:
呑星の鯨の権能を手にしたところで、人の身では呑み込んだ力に耐えられないだろう。刻一刻と崩れていく肉体と魂を、不死の呪いでかろうじて繋いでいたというわけか…
スカーク:
だが、それは強者に至る道ではない。力とは夢と心血からなる結晶だ。他者から奪ったものがお前の所有物になることはない。故に呑まれたのだ。
スクフヌーガ:
全くもってその通りだ。その道理を私も分かっているつもりだった。だが…自分の限界に達してもなお、あいつには遠く及ばなかったんだ。だから、賭けに出ることにした。
スクフヌーガ:
お前の師匠が懐かしいな。あの家のない悪党どもと騒いでいた時代に戻りたいものだ。私は自分の選択を後悔していないが…お前に、お前たちに謝らせてほしい。
スカーク:
十分痛めつけた、それで帳消しだ。
スクフヌーガ:
ふっ…お前も面白いやつだな。
スクフヌーガ:
「スルトロッチの弟子」…聞こえはいいが、あいつの弟子として過ごすのはさぞ大変だったろう。
スクフヌーガ:
やつの性格から考えるに、きっとお前に絶望と恐怖を与え、自分の後を追うように脅したんじゃないか?だが、よりにもよってあいつ自身は手の届かない高みにいる…そんなところだろう。
スクフヌーガ:
私たちは暗闇の中で登山しているようなものだ。山の高さも、いつ夜が明けるかも分からず、登り続けなければならない。
スカーク:
そうだな。だが、私はもう決意している。どれほど深い絶望でも必ず越えてみせると。
スカーク:
それにお前の話を聞いて、ふと思ったことがある。もしかすると、師匠が望んでいるのは「死闘」ではなく、「悔いのない敗北」なのかもしれない。
スクフヌーガ:
ほう?
スカーク:
お前は師匠の友人なのだろう?友人同士、きっと似ているところがあるはずだ。
スカーク:
初めてここに来たとき、お前は濃い霧の中から私を刺して力を奪った。そのトゲからは何の感情も感じられなかったが——
スカーク:
しかし、二度目にお前と対峙したとき、その剣からは情熱と喜びが伝わってきた。
スカーク:
それはまるで、研究に打ち込んだ者が世界の真理を発見したときのような、あるいは芸術に飢えた者が壮大な殿堂に辿り着いたときのような喜びと同じものだ。
スクフヌーガ:
面白い。そのような感情は表に出ていなかったはずだが、剣から読み取るとは。
スクフヌーガ:
お前の直感は正しい。私は心からお前たちと戦えたことを喜んでいる。負けたことにも一片の悔いはない。
スカーク:
ああ。故に、師匠もお前と同じようにそんな戦いを望んでいるのかもしれないと思ったのだ。
スカーク:
死力をもって臨まねばならない相手を前に、潜在能力さえも燃やして戦う。戦いの中で己の限界を超え、その身も心も、持てる力をすべて出し尽くす。
スカーク:
そして、その盛大な決闘と共に、自らの幕を引くのだ。
スカーク:
そのため、彼にとって善悪など関係ない。唯一望むのは「自我の完成」。…それもまた師匠の強さの秘訣なのだろう。
スクフヌーガ:
お前の言う通り、あいつはそう考えているのかもしれないな。
スクフヌーガ:
どれほど壮大な戦いになるのか…私も興味が出てきた——
スクフヌーガ:
ゴホッ!
パイモン:
おまえ、身体が…!
スクフヌーガ:
異なる力が、私の中でぶつかり合っている。不死の呪いがそれらを何とか束ねているが…痛みがなくなるわけじゃない。
スクフヌーガ:
私の理性は今にも崩れようとしている…その戦いをこの目で見られないのが残念だ。
スクフヌーガ:
スカーク、スルトロッチがしなかったことを代わりにしてくれないか?私を解放してくれ。
スカーク:
いいだろう。だが、死は唯一の解放ではない。
スカーク:
お前の罪は死に値するものではないからな。別の方法を選ぶこともできる——お前の意識を、お前が呑み込んだ数々の力と共に砕けばいい。
スカーク:
不純物は消え、お前の身体は不死の呪いによって元に戻る。そうすればかつての純粋な姿を取り戻し、制御不能な力に苦しめられることもなくなる。
スカーク:
それには長い時間と苦痛を伴うが、選ぶのはお前自身だ。
スクフヌーガ:
…それも悪くないな。私が目覚める頃、お前とスルトロッチの戦いを見られるかもしれない。
スクフヌーガ:
いつかお前があいつと決着をつける日が来ることを信じている。もっとも、それが茨の道であることは言うまでもないがな。
スクフヌーガ:
私の夜はここで終わる。だが、お前の旅はまだまだ続く。
スクフヌーガ:
(幸い…その旅路は孤独ではなさそうだ。)
スカーク:
私はいつか彼という山を制覇しよう。どれだけ険しい道のりであろうとも。
スカーク:
スクフヌーガ、最果てで見届けるといい。
パイモン:
ふぅ…これで一件落着だな!早くここから出ようぜ。
パイモン:
へへっ、前回みたいに慌ただしく逃げる必要がなくてよかったぞ!
スカークと会話する
パイモン:
ふぅ~!たった数日の出来事なのに、だいぶ経った気がするぞ。
パイモン:
やっぱり、オイラたちに乗り越えられない壁なんてないな!さすがオイラたちだぜ!
旅人:
まだまだ本気はこんなものじゃないよ。
パイモン:
おお、自信満々!でも、本当に強くなったもんな!
パイモン:
もう夜か。そうだ!スカーク、おまえの言ってた「消えた星たち」って、もう戻ったのか?
スカーク:
ああ。スクフヌーガに吞み込まれた力も元に戻っている。
パイモン:
ふぅ、よかったぜ!
パイモン:
けど、あんなに星があるのによく気づいたな。オイラだったら、いくつか消えても気づかないぞ。
スカーク:
…この数百年の間、私はこの夜空を長らく見てきた。
スカーク:
精巧に作られた天穹に偽りの星が垂れ下がり、朽ちた光を放つ。
スカーク:
だが…本物ではないからこそ、私はこの星空が与える束の間の安寧を楽しめる。
スカーク:
美しい泡影もいつかは消える。いずれ、私たちは自らの意思にかかわらず、本物の宇宙に帰るだろう。
スカーク:
時間はすべての人を前へと追い立てる。純粋な心しか持たない者を成長させ、旅の苦しみを味わわせる——時の砂を手に掴み、自分の光を放てるようになるその時までな。
スカーク:
偽りの星空でもこうして見上げると、その広さと壮麗さに心打たれるものだ。優しさで本物の銀河を満たすには、どれほど努力しなければならないのだろうな?
パイモン:
なに言ってるかはよくわかんないけど、旅人ならきっとどうにかしてくれるぞ。
パイモン:
こいつに出会ってから、毎日が楽しいんだぜ。どんな苦しいことがあっても、絶対なんとかしてくれるんだ。
パイモン:
一人じゃできないことでも、二人ならできる。二人じゃできないことでも、三人ならできる!
パイモン:
オイラたちは、これまでたくさんの友達と出会って、たくさんのすごいことをやってきたんだ。この調子でいけば、きっとどんな願いだって叶えられるはずだぞ!
スカーク:
お前なら、確かにできるかもな。
スカーク:
…事は解決したから、私はそろそろ行こう。心の様子が変わって、力の状態も変わっている。慣れるためにもっと修行しなければならない。
旅人:
次に会えるのはいつになる?
スカーク:
運命が私たちを再び巡り合わせる。次に出会う場所はありふれた街角かもしれないし、未知の星の上かもしれない。
スカーク:
一期一会。いつか歩みを止めたとき、新しい世界を迎えられることのほうが楽しみだ。
スカーク:
戦争も痛みも、望まない別れもない世界…燃けた焦土にも、きっと花が咲き誇る。
スカーク:
そのためには、私もお前もさらに強くならなければ。
スカーク:
今回の修行をよく復習しておくことだ。ではまた。
パイモン:
おう、じゃあな!
パイモン:
あいつ、口調が少し柔らかくなった気がするけど、気のせいか?これだけのことを一緒に経験したんだし、もう友達ってことでいいよな?
パイモン:
そうだ、いいこと思いついたぞ!今日はここでキャンプしようぜ。星を見ながら寝たら、きっといい夢見れるぞ!
パイモン:
夜が明けたら、また新しい旅を始めるんだ。そうだ、前回はオイラが万民堂でおごっただろ?今度はおまえの番だ!