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不敗の日輪の章 第一幕

あの烈日のように


平和が訪れて
その日の夜、夢の中で覚えのある声が聞こえた…
宿に戻って休む
パイモン:
最近はご飯もちゃんと食べてるし、ぐっすり寝てるし、ゆったり過ごせてるよな。
パイモン:
そうだな!へへっ、たくさん食べてオイラのお腹もまんまるだぞ…
パイモン:
ふぁ~…そろそろ休もうぜ…すぅ…
旅人:
(…穏やかだな。目が回るような冒険の日々だから、こういう時間がたまにあるのも悪くないかも。)
シトラリ:
——タイヘンよ!!
旅人:
!?
シトラリ:
そういうのはいいから。ホントのホントにヤバいのよ!だいたい、今何時だと思ってるの?いい加減起きてよ、ワタシじゃあるまいし!
シトラリ:
支度をしてパイモンと「談議室」に来てくれる?待ってるから。
旅人:
(…起こされちゃった…仕方ない、とりあえず行ってみよう。)
旅人:
パイモン起きて。マーヴィカに会いに行こ。
パイモン:
むにゃ…まだ食べたいぞ…ん?おはよう…
パイモンに状況を説明した後、「談議室」に向かうため、素早く身支度をした…
談議室に行く
シトラリ:
あのコたち、起きてくれたかしら…ご飯は食べた…?うーん、何か買っておいてあげた方がいいのかしら。
シトラリ:
はぁ、ちゃんと来てくれるといいんだけど…
マーヴィカ:
慌てるな、きっと大丈夫だ。
シトラリ:
あっ、来た来た!
マーヴィカ:
ほらな。
パイモン:
マーヴィカ、シトラリ!知らせを聞いて、駆けつけて来たぞ!
マーヴィカ:
ありがとう。ひとまず、水を飲んで少し休んでくれ。
マーヴィカ:
ああ…シトラリ、説明してくれ。
シトラリ:
コホンッ、厳密には一次情報じゃないんだけど…カンタンに言うと、昨日の夜、迷煙を通して大霊から驚きの知らせがあったの。
シトラリ:
マーヴィカさまが初代炎神じゃないのは、二人も知ってるでしょ?ワタシみたいに長生きなヒトもたまにはいるけど、炎神は代替わりするものよ。
シトラリ:
でも、大霊は地脈から特殊な動きを感知した…とても古い魂が、まもなくこの世に帰還するんだって。
シトラリ:
その名も——シュバランケ。
パイモン:
シュバランケ!?それって、一番最初の…
マーヴィカ:
そう、初代炎神だ。
マーヴィカ:
彼は最も偉大な英雄で、名君だった。かつて死の執政と取引をして、ナタの地脈を救うためのルールを制定したと言われている。
パイモン:
でも、もうかなり前に亡くなってるんだよな。復活なんてできるものなのか?
マーヴィカ:
いくらこの地でも、そんなに昔の人間が戻ってくることはあり得ない。だがあれほどの方となれば…あり得ないとも言い切れない。
マーヴィカ:
だから大変なんだ。
シトラリ:
先に言っておくけど、ワタシの聞き間違いじゃないからね。大霊の勘違いでもないハズよ!いくらなんでも、こんな冗談は言わないから。
マーヴィカ:
安心してくれ。私も旅人もパイモンも、君の能力を信じている。大霊の意思を伝える能力で、シトラリの右に出る者はいない。
シトラリ:
うん、この点だけは自信を持って言わなくちゃ。でも、知らせが正しいからこそ、シュバランケさまが一体なぜ復活するのか、はなはだギモンね。
マーヴィカ:
見ての通り、私よりもシトラリの方が焦っている。
マーヴィカ:
その気持ちも理解できる。原因は不明なまま、結果だけを垣間見る偉大なシャーマンにとって、ただじっと真相を待つのは苦痛だろう。
シトラリ:
マーヴィカさま、この件については慎重に対応してほしいの。これから…いろんなことが起こり得る。ワタシの言ってる意味、分かるでしょ?
マーヴィカ:
ああ、分かっている。シュバランケの降臨はナタを揺るがすだろう。彼がこの戦争の結果に満足しているかは、まだわからない。
パイモン:
なあ、シュバランケって、おまえたちに会いにここに来たりするかな?
シトラリ:
ひぃっ…!ちょっと、怖いコト言わないでよ!
マーヴィカ:
その可能性もありそうだ。同じ類の者には、往々にして共通点があるものだからな。過去の炎神たちも、私と同じようなところがあるかもしれない。
シトラリ:
…あのお方に会うのなんてムリよ!ま、まだ心の準備も出来てないし…そんなスゴい状況になんて耐えられっこない。
シトラリ:
とにかく、知らせを伝えて、旅人を呼ぶまでがワタシの務めよ。帰火聖夜の巡礼についてはマーヴィカさまから話してちょうだい。ワタシにはムリ。
パイモン:
おい!どこ行くんだよ、シトラリ!
シトラリ:
寝るの!ビックリして一晩中眠れなかったから…眠くて死んじゃいそう。おやすみ。
旅人:
帰火聖夜の巡礼はどうなったの?
マーヴィカ:
前にも話したが、苦難を乗り越えた今も、ナタの文化は途絶えることなく、さらに燃え盛っている。
マーヴィカ:
帰火聖夜の巡礼には新たな意味が与えられた——これからは、公平な競争を重んじる純粋なスポーツ大会として開催する。参加者がより強い力を求め、自分を高められるようにな。
マーヴィカ:
まもなくこの大きな意義を持つ大会が始まる。
パイモン:
すごく良さそうだな!
マーヴィカ:
英雄はみなこういう儀式が好きだからな。君も例外ではないというわけだ。
マーヴィカ:
シュバランケ復活の知らせには驚かされたが、現時点ではやはり帰火聖夜の巡礼に集中するべきだと思う。
パイモン:
そっか…すぐにシュバランケを探しにいく必要はないのか?
マーヴィカ:
ああ。戦争がもたらした翳りを晴らすため、すぐに次の大会を開催する。そのつもりで、各部族にも既に知らせてあるからな。
マーヴィカ:
物資の調達、大会会場の整備と改造、後方勤務人員の招集、精神面のサポート、本番前の天気の予測…仕事はすべて手配した。私たちはやるべきことをやるとしよう。
マーヴィカ:
旅人、パイモン。君たちもナタの一員であり、私たちの大切な仲間だ。どうか今回の特別監督員を務めてくれないだろうか。
パイモン:
オ、オイラもいいのか!?
マーヴィカ:
もちろん。では、新任監督員のお二人さん。準備ができたら、一緒に各部族で大会準備の進捗を確認しよう。
パイモン:
おう!
「流泉の衆」に行く
パイモン:
着いたぜ!ここが最初の目的地だな!
マーヴィカ:
ははっ、楽しそうだな。
パイモン:
もちろん!なんてったってオイラは「監督員」だからな。ふふん、オイラも立派になったもんだぜ。
マーヴィカ:
構わない。これから色んなところを回ることになるからな…やる気があるに越したことはない。
マーヴィカ:
みんなと話して、帰火聖夜の巡礼の準備進捗を確認する。やるべきことはこれだけだ。
パイモン:
あれ、あそこ…
パイモン:
ほら、釣りをしてるやつがいるぞ…あっ、あいつらだ!
アハウ:
四人だろうが!失礼な輩め、この高貴なる聖龍つまりオレを…いや、我輩を無視するとは!
マーヴィカ:
こんにちは、アハウ。それに君たち三人も。何をしていたんだ?
カチーナ:
炎神さま!わたしたち、釣りをしてたんです。釣りをしたら、すごい人を釣り上げられるかもって、ムアラニちゃんが!
アハウ:
そうそう、あのシュバランケとかな。わっはっは!あのちびランケ…うわあ!
キィニチ:
アハウがとんだ失礼をいたしました。侮辱の意図はありません。カチーナとムアラニが言っている「釣り上げる」というのも、言葉通りの意味です。
アハウ:
んぐっ、従者のくせに!見たこともない老いぼれジジイに気を遣って、この偉大なる聖龍の我輩にたてつくとは!くそっ、くそっ…汝の水筒に唐辛子を入れてやるっ…
マーヴィカ:
君たちもシュバランケのことを知っていたのか。シトラリから聞いたのか?
キィニチ:
はい、少し前に道端でばったり会って。すごく眠そうで、寝ぼけたままぶつぶつ呟いてました——
アハウ:
「やばいやばい、シュバランケさまが復活するなんて。なにかいけないことでもしちゃった?そんなハズないけど…なにがあのお方を…」
パイモン:
似てるな…
キィニチ:
話し終わったなら失せろ。
アハウ:
うぐっ!
カチーナ:
でも、シトラリおばあさまが言ってたのはわたしも気になるかも…普通なら、シュバランケさまに会えることなんてないのに。も、もしかしてなにか大変なことが…
キィニチ:
ご覧の通り、このように考えている者は少なくありません。俺が思うに…
ムアラニ:
わあ!魚がかかったよ!
溺れた男性:
助けてくれー!なにかに引っ張られてる!
ムアラニ:
失礼しちゃう!助けようとしてるんじゃない!ねえ、足つっちゃったんじゃないの?
溺れた女性:
私…うぐぐ…ううっ!うぐっ、助け——
ムアラニ:
息を止めて!すぐ助けるから!
みんなで力を合わせて、溺れている二人を助けた…
溺れた男性:
はぁ…はぁ…
溺れた女性:
ゴホッゴホッ…ほ、本当にありがとうございますっ…ど、どうして炎神様がここに…?ゴホッ…
マーヴィカ:
まさか生きた人間が釣れるとはな。
溺れた女性:
おかげで助かりました。急に足をつってしまって、サーフィンチームが全滅するところでした。
溺れた女性:
私たちは物資の輸送を担当しています。大会で必要な機材や予備の薬は、もう無事にお届けが終わって。時間がちょっと余ってたので、それで…
ムアラニ:
水に入る前にちゃんとウォーミングアップしなかったでしょ?
溺れた男性:
と、とにかく…本当にありがとうございました!それでは、お先に失礼いたします。
溺れた女性:
命を助けていただいたこと、忘れません!私たちにお構いなく、どうぞ続けてください。ではまた。
パイモン:
思い付きで言ったことが現実になっちゃうのが、ムアラニのすごいとこだよな…
マーヴィカ:
なら、次は本当にシュバランケが釣れるか?ふふっ、大したものだな。
ムアラニ:
えへへ、シュバランケ様は泳ぐのが好きだったかもって思っただけです。泳ぐのが好きなら、きっとここに来るでしょ?ちょうど挨拶もできますし。
ムアラニ:
特別な餌——聖火競技場の記念バッジも持ってきたんですよ。シュバランケ様は今のナタに来たことないので、見たことないはずです!きっとビックリしますよ。
カチーナ:
ぜんぜん、デタラメなことなんかじゃないんです。何度も聞いていると、確かにそういうこともあるかもって。宝くじが当たるみたいに、絶対ないとは言い切れないなって。
キィニチ:
——彼女たちの友情から、こんなことになってるわけです。
マーヴィカ:
君はどうなんだ?君の性格から考えれば、ここで彼女たちに付き合ってあげてるのも友情の証だろう?
アハウ:
ハハハッ!愚かな従者が、図星をさされちまったな?くそがき、ちびニチ!ほれほ——うぐぁ!
キィニチ:
さっきの話の続きですが、シトラリの言うことは間違ってないはずです。俺が思うに…根拠のない憶測を解消するためにも、炎神様はシュバランケ様に一度会っておくべきかと。
マーヴィカ:
ありがとう。その意見も考慮しよう。
マーヴィカ:
だが今は、まず帰火聖夜の巡礼の準備がどこまで進んだか確認するのが先だ。
マーヴィカ:
流泉の衆はなかなか進めてくれているようだな。
ムアラニ:
はい、ご安心ください。それぞれの仕事を終わらせてから釣りをしにきたんですよ。あたしだけじゃなくて、キィニチもカチーナちゃんもバッチリです。
カチーナ:
はい!「こだまの子」のみんなも、頑張って準備しています。わたしは今日の分の仕事を終わらせてここに来たんですが、出発する頃には他のみんなも終わってました。
キィニチ:
こちらも同じく。
マーヴィカ:
素晴らしいな。カチーナとキィニチを信じよう——「こだまの子」と「懸木の民」へ行く手間が省けたな。
マーヴィカ:
みんな、今回の「帰火聖夜の巡礼」は今のナタにとって大きな意味を持つものだ。力を合わせて、最高の場にしよう。
アハウ:
大丈夫だっつーの。なんでも叩きのめす気迫のお前らに、誰も手出しなんかできねえよ。この偉大なる聖龍に対してすら、ちっとも敬意を払わないんだからよ。
マーヴィカ:
そう言うアハウは何か手伝ったのか?
キィニチ:
今すぐ一番の汚れ仕事をこいつにやらせます。
アハウ:
クソッ!なにすんだよ、おい!放せって!
パイモン:
見た感じ、流泉の衆の方は問題なさそうだな。あの三人が集まるといっつも賑やかだよな——
パイモン:
おっと、四人な、四人。
「謎煙の主」に行く
パイモン:
あれっ!ほら、あそこ!
パイモン:
シトラリ——!寝るんじゃなかったのか?なんでまだ起きてるんだよ?
シトラリ:
はぁ、族長に助けてほしいって言われちゃったのよ。助けが必要なヒトを無視して、一人でぐっすり寝るわけにはいかないでしょ?
マーヴィカ:
徹夜していたと言わなかったのか?
シトラリ:
わざわざ言うコトでもないしね。シュバランケがもうすぐ帰ってくるから、準備しておいてとだけ伝えといた。
パイモン:
黒曜石の老婆もメンツが大事ってことか!へへ、悩みすぎて一晩寝れなかったなんて、知られたくないもんな?
シトラリ:
へえ?キミまでワタシをからかうのね?こんなガキんちょにおちょくられるなんてっ!
シトラリ:
キミは!?キミもそう思ってるの!
旅人:
いやいや、そんな。
シトラリ:
じゃあマーヴィカさまは!
マーヴィカ:
いやいや、そんな。
マーヴィカ:
シトラリ、落ち着いてくれ。
マーヴィカ:
シュバランケは普通の人ではない。死の執政の力を借りて奇跡を起こした方なのだから、私たちと同じく故郷を愛しているはずだ。みんなを困らせるようなことはしないと思う。
シトラリ:
…はぁ、二人がそう言うのなら、やっぱり杞憂なのかも。フンッ、どうせワタシは心配性の老人ですよーだ。
シトラリ:
じゃあ、ワタシは休むから、ここでサヨナラね。なにか手伝ってほしいことがあったら、族長かオロルンに言って。
シトラリ:
族長は大会に必要なウォーベン作りを監督してる。オロルンのほうは、山の入口でなにか手作りするとか言ってたような…
マーヴィカ:
そこまで心配しなくていいから、ゆっくり休んでくれ。大会のことはオロルンに聞いておく。
シトラリ:
そうね、おやすみなさい。ワタシがいないからって、みんなと一緒にいるのが嫌なんだとか、邪推しないでちょうだいね。
キィニチ:
ここ数日はみんなてきぱき働いてる。大会に参加したい人も多そうだ。
アハウ:
ははっ、ならキィニチも行ってこい!世界の広さを知って痛い目見ればいいんだ!
ムアラニ:
みんなで参加しようよ!気分転換に!
アハウ:
気分転換?恐ろしい女だな、大会を気分転換にだって…?うげー…
カチーナ:
ムアラニちゃんの言う通りだね。みんなで一緒にエントリーしよう。
アハウ:
ああ?お前まで。フンッ、ガキどもめ、自分が大人になったとでも思ってるのか?この偉大なる聖龍からしてみれば…
キィニチ:
うるさい。置いてくぞ。
アハウ:
なにっ!?なんでだよ!
オロルンを探す
オロルン:
このロープはこっちでどうだろうか?あとこの杭は…
カクーク:
違う!
オロルン:
違うのか?じゃあ…
カクーク:
きょうだい、マジかよ!
パイモン:
あ、この声!オロルンのやつ、誰かと話してるみたいだな。なにしてるのか見に行ってみようぜ。
パイモン:
なにしてるんだ、オロルン?
オロルン:
ああ、こんにちは。
???:
クワッ!クワッ!
パイモン:
鳥か?
マーヴィカ:
幼体のクク竜だ。だが、変わった見た目だな。うん…特徴的で、他の子と見分けやすい。
カクーク:
なにデタラメ言ってんだ?
パイモン:
こんなにすぐ反論できるなんて、賢いやつだな…
カクーク:
ほんとかよ?きょうだい、なに言ってんだ。
パイモン:
ええっ?オイラ、なにか間違ったことを言ったか?
カクーク:
おいおいきょうだい、マジかよ!
パイモン:
なんだよこいつ!
オロルン:
気にしないでくれ。えっと…こちらは…
オロルン:
いや、この子は獣医のイファの助手で、僕の友達でもある。名前は「カクーク」。
カクーク:
なにデタラメ言ってんだ?
パイモン:
あれ?名前を間違ったのか?
カクーク:
おいおいきょうだい、マジかよ!
オロルン:
そういうことだ。さっきのフレーズは、イファがよく言ってるから覚えたんだ。
オロルン:
前回流泉の衆に野菜を届けに行った時は、温泉に入りにきたアハウとカクークが口論してるのを見た。
オロルン:
それでアハウが怒り出して…カクークがなんて言っても「バリア!」って叫んでた。
マーヴィカ:
想像を絶するほど低レベルな戦いだな。さすがアハウ。この私ですら、ナタでそんな光景なんてなかなか見られないのに。
オロルン:
彼らは暗くなるまでずっと言い争いをしていた…
パイモン:
ん?待てよ、なんでそんなこと知ってるんだ?ずっとそばで見てたのか?
オロルン:
ああ。あまりにも馬鹿らしくて、つい。
オロルン:
話を戻そう——今、どうにかしてシュバランケを捕獲できないか考えている。
マーヴィカ:
「捕獲」とは…ワイルドだな。
オロルン:
じゃあ…「狩る」?
パイモン:
なにする気だよ!?
オロルン:
あんなに大昔に亡くなった人がこの世に戻ってくるところなんか、見たことがない。どうにかして彼を捕まえられないか試してみたいんだ。ほら、これは僕が作った罠。
オロルン:
昔、獣を捕まえるのに使ったことがある。よく捕れるんだ。ああ、心配しないでくれ…ここに罠があることはもうみんなに伝えてあるから、誰もうっかり近づいたりしない。
オロルン:
掲示板でも、しっかり告知しておいた。
カクーク:
ハハッ!
パイモン:
そんなんで捕まえられるのかよ?それに、野生のシュバランケを捕まえてどうするんだ。料理でもする気か?
オロルン:
いやいや、僕はどんな姿なのか見たいだけ。その後は…部族に招待する。
マーヴィカ:
意外と親切にもてなすんだな。
オロルン:
せっかくの機会なので。だからこういうものをハンドメイドしてみたんです。
パイモン:
(やたら殺傷力の高いハンドメイドだな…!)
マーヴィカ:
そうか、では健闘を祈る。野生のシュバランケを捕まえたら、必ず知らせてくれ。私も見物させてもらう。
パイモン:
マーヴィカまで!
マーヴィカ:
シュバランケが、この程度で怪我などするわけがないさ。私たちは彼を信じている。なんといっても、ナタの最初の神だ。
オロルン:
その通り。だから罠の中にはたくさんのクッションと干し草を敷いておいた。もし本当に捕まえられたら、そのまま横になってお昼寝して頂くこともできる。
カクーク:
ほんとかよ?きょうだい、なに言ってんだ。
パイモン:
オイラはこれ以上なにも聞きたくないぞ…
カクーク:
おいおい。きょうだい、マジかよ!
パイモン:
こんなことにかまけて、仕事の方はちゃんと進んでるのかよ。
マーヴィカ:
いいぞ、パイモン。ちょうどいいタイミングで私の言いたいことを代弁してくれた。
オロルン:
すみません、その件だとは気づかなくて。
オロルン:
謎煙の主はウォーベンの技術を提供し、精神面のサポートを行う予定ですが、僕はウォーベンに詳しくないし、人を慰めるのも苦手だから…後方支援部隊に入って——
オロルン:
物資を提供しました。どうやったら果物や野菜をこんなによく育てられるのかとみんなに聞かれて、とても嬉しかった…
マーヴィカ:
人付き合いが得意になったんだな。
オロルン:
そうですね…小さい頃の感覚を少し取り戻した気がします。
マーヴィカ:
どうやらここも順調のようだな。他の場所に行ってみるとしよう。ではな、オロルン。
パイモン:
オロルン、頑張るんだぞ!えっと…シュバランケの捕獲!
カクーク:
またな!
マーヴィカ:
「またな」も言えたのか…またな。
オロルン:
え?ああ、はい。それではまた。
シロネン:
ん?マーヴィカ?やっば、なんでここに…
マーヴィカ:
シロネン?奇遇だな。
パイモン:
シロネンもいたのか!仕事で来たのか?
シロネン:
オロルンのやつ、ウチを裏切ったわけ?ここにいること、誰にも言わないでって言ったのに…
パイモン:
いや、シロネンのことは話題にも出してないぞ。
シロネン:
チッ!そっか。
マーヴィカ:
ふん、シロネンは私を避けているんだ。最近大会で大掛かりなものが必要だから、頼みたかったのだが。
マーヴィカ:
引き受けたがらないかもしれないから、わざわざ訪ねに行ったんだ。だが、何度行ってもいないし、お隣さんもシロネンは忙しいと…なるほどな、ここにいたわけか。
旅人:
近くにシロネンのテントもある…
パイモン:
マーヴィカの仕事から逃げるために、わざわざ家を出てきたのかよ!
シロネン:
ふん…
シロネン:
まあまあ、ウチの話はいいじゃん。あんたら、なにしにきたの?帰火聖夜の巡礼の準備状況を見に来たとか?
マーヴィカ:
ああ。ついでにみんなの近況も見せてもらおうと思ってな。別件だが、道中、シュバランケに興味を持っている者が多くいた。
シロネン:
シュバランケ?何のこと?
パイモン:
家出で頭いっぱいで、シュバランケのことも聞いてなかったのか。
シュバランケが復活することをシロネンに説明した…
シロネン:
そんなことが…シトラリが言ったのなら、きっと間違いないね。
シロネン:
んー、みんなのリアクションも当然なんじゃん?最初の神なんだし、誰だって会ってみたいっしょ。
マーヴィカ:
このタイミングで復活してくれるのも悪くない。戦争はまだ終わったばかり…長きにわたる目標を急に失い、皆多かれ少なかれ困惑しているだろう。
マーヴィカ:
数日前、談議室の近くで流泉の衆の戦士を見かけた。午後の間、ずっとうろうろしていてな。
マーヴィカ:
何か悩み事でもあるのかと聞いたら、今まで毎日午後は戦闘訓練をやっていたが、危機が去って、何をすればいいか分からなくなったと言う。
パイモン:
ずっとやっていたことが急にいらなくなったら…確かに、何をしたらいいか分からなくなるよな。
パイモン:
ってことは、また帰火聖夜の巡礼を開催するのは、みんなに新しい目標を見つけてもらうためなのか?
マーヴィカ:
終わりのない戦闘の代わりに競技を行うことで、使い所のないエネルギーを発散できる場所が一つ生まれ、流れる汗もより価値あるものになる。
マーヴィカ:
それが今の、そしてこれからの帰火聖夜の巡礼の意義だ。
シロネン:
ふーん、悪くないじゃん。新バージョンの帰火聖夜の巡礼、気に入ったかも。
シロネン:
で、マーヴィカはどう思ってるの?
マーヴィカ:
シュバランケのことか?あっちは、まあいいだろう。
シロネン:
もっと緊張感持たなくていいわけ?大先輩なわけだし、もしかしたら仕事の見張りをしにきたのかもよ?
マーヴィカ:
鬼の首でもとったかのように言ってくれる。
シロネン:
別に、そんなことないけど。…まぁ、うん。ちょっとね。やっとあんたに上から物申せる人が出てくるわけだし。
マーヴィカ:
ははは、君らしいな。何にせよ、本当にあのシュバランケが来るのなら、もちろん会う方法はある。
パイモン:
本当か?どんな方法だ?
マーヴィカ:
さあ、何だと思う。
パイモン:
えっ、マーヴィカもそんなこと言うのかよ?
シロネン:
そりゃそうっしょ。あんたたちがずっと見てきた「光輝く公正なリーダー」なんてのはほんの一面。実際のところは…
マーヴィカ:
シロネンはいつも私を酷い人物のように言ってくれるな。これだけ長年付き合っているにもかかわらず、残念ながらこういう評価なわけだ。
シロネン:
大げさだなぁ、そこまで言ってないっしょ。ただ、あんたは時々ヒドイって言っただけ。
マーヴィカ:
好きに言ってくれ。旅人、パイモン、次のところに行こう。
マーヴィカ:
それとシロネン、私に捕まったからには執務室に行って、君宛ての資料を持っていってくれ。大会期間中に君がやるべきことを書いておいた。
シロネン:
おやすみ!
パイモン:
一瞬で寝たぞ…
マーヴィカ:
構わない、いつかは起きるさ——行こうか。シロネン、よい夢を。
「花翼の集」に行く
マーヴィカ:
誰もいないな。出ているのか。
パイモン:
準備を進めてくれてるってことか?
マーヴィカ:
そうだろうな。実は、準備の進捗よりも、ナタの人々がどういう状況かの方が気になっているんだが。
マーヴィカ:
ちゃんと休息を取れているかどうかは、大会でのパフォーマンスに直結する。皆、しっかり休んで食事をとり、前向きな気持ちで競技場に入ってほしい。
チャスカ:
あれ、どうしてここに?
パイモン:
おお!チャスカだ!
チャスカ:
久しぶりだな。元気にしてたか?
パイモン:
おう!
マーヴィカ:
こっちは元気だ、チャスカはどうだ?
チャスカ:
以前のような暮らしに戻りました。
チャスカ:
暇な時は家族と一緒にぶらぶらして、用事がある時は各地を飛び回って。ケンカを見かけたら止めるところですが、最近は特に仕事も来ていませんので。
マーヴィカ:
最近は喧嘩する人もあまりいないんだな。
チャスカ:
ええ、大きな戦いが終わって間もないからか、人々の結びつきが強く、そうすぐに喧嘩しなくなったようです。
チャスカ:
でも、ボーっとする時間が出来たのも悪くはありません。見晴らしのいいところに座って、ゆっくり武器の手入れをして…風に当たっていると、自ずと気分も良くなってきます。
パイモン:
元気そうで良かったぞ。
旅人:
安心した。
チャスカ:
あはは、何言ってるんだ。私の変化はお前たちが一番分かってるはずだろう。
マーヴィカ:
花翼の集の準備は進んでいるか?
チャスカ:
それを見にいらしたんですね。視察にぴったりの場所があるので、ご案内します。
チャスカ:
ついてきてください。
高いところに行く
マーヴィカ:
ほう、ここか。なかなか見晴らしがいいな。
チャスカ:
はい。
チャスカ:
花翼の集の集落が見渡せるでしょう。以前、アビスと戦った時も、こうやって訓練してたんです。
パイモン:
楽しそうに笑ってるな。箱を抱えてる人もいれば、台車を押してる人もいて…道具で空を観察してる人もいる。
花翼の集のメンバー:
炎神様と英雄ではありませんか!
パイモン:
面と向かって英雄だなんて、ちょっと照れくさいぜ、へへっ。
花翼の集のメンバー:
どうして花翼の集に?「帰火聖夜の巡礼」の準備進捗を確認しにいらっしゃったのですか?
マーヴィカ:
ああ。順調に進んでるか?
花翼の集のメンバー:
ええ、なにも問題ありませんよ。みんなも調子が良さそうです。それに、トレーナーの方と生徒さんたちも、仕事を手伝ってくれているので。
パイモン:
トレーナーって、イアンサのことか?
イアンサ:
おっ、視察ですか?
イアンサ:
花翼の集では多くの方々が大会に向けてトレーニングに取り組んでいます。ちょうどアタシの教え子も身体を鍛えたがってたので、手伝いに来たんです。
イアンサ:
今回の大会は今までと違って、戦士を選ぶための大会ではなく、純粋な競技の大会なのでしょう?とても新鮮で、みんな興味津々です。新たな目標に向かって、みんな熱心に準備してますよ。
イアンサ:
ほら、あそこ。
ヨピア:
こんにちは!
ヨピア:
私たちがいれば、きっと期限までに終わらせられますから。どうか安心してください。
パイモン:
頼れるやつだな。イアンサみたいだ。
イアンサ:
ははっ。アタシたちは、手伝いに来ただけだからな。
イアンサ:
こういう低刺激・耐久型のトレーニングはちょうどいいんだ。昨日はイファを手伝って医療物資を診療所から競技場の近くまで運んだが、一滴も汗をかかなかった。楽勝すぎるぞ。
パイモン:
一滴も…
イアンサ:
イファはいっぱい汗をかいてたけどな。医者だから、力仕事が苦手なのも仕方ない。獣医だって同じだろう。
マーヴィカ:
さすがは噂の鬼トレーナーだな。
イアンサ:
鬼、ですか?中級コースですらもっと大変なのに。
チャスカ:
そういうところが鬼と言われる所以だろうな。だが、むしろ好ましい。まるでこの世に、お前にできないことなどないようだ。
パイモン:
ほんと、そうだよな!でも、ナタにずっといるうちに、オイラたちもなんでもできるような感じがしてきたぜ。心境の変化とかじゃなくて…
チャスカ:
——雰囲気?
パイモン:
そうそう!そういう雰囲気なんだ。「これなら全然難しくないぞ。あんな戦いだって乗り越えたんだから、大したことじゃない」って思えるんだ。
マーヴィカ:
そう感じてくれて良かった。あんなに多くの出来事が、君の中では良いものとして残ったのだから。得難いことだ。
イアンサ:
ポジティブに振る舞うだけでも、ポジティブになれるんだぞ。それを忘れずに、どんどん強くなっていこうぜ。
パイモン:
そうだな!
チャスカ:
…風だ。音が聞こえる。
チャスカ:
見回りに行くから、ゆっくりしていてくれ。何かあったら声をかけてくれればいい。
イアンサ:
ああ、またな!
イアンサ:
行っちゃった。本当に風のような女だな。
マーヴィカ:
こういう、不意に垣間見える格好良さがみんなから好かれる理由なのだろう。
イアンサ:
これからどうなさるんですか?時間がありそうな様子ですけど、用事は終わったんで?
マーヴィカ:
各部族の進捗は一通り確認できた。どこも順調のようだ。
マーヴィカ:
こだまの子の方には行ってないが、カチーナの話とシロネンの様子を見るに、進捗は問題無さそうだから、行くまでもない。
イアンサ:
はい、豊穣の邦の方も順調ですから、ご心配なく。
マーヴィカ:
そうか。ならば、今日の用は終わりだ。あとは数日後…シロネンには嫌でも仕事をやってもらう。
イアンサ:
ハハッ、シロネンが聞いたらどんな顔をするでしょうね。
イアンサ:
時間があるなら、手伝っていただけませんか。炎神様はご存じの通り、アタシは今回の大会の企画を担当しています。
イアンサ:
プランはあらかた完成していて、それに沿ったシミュレーション版を作ったんです。試してみませんか?
パイモン:
つまり、今すぐ試合内容が見れるってことか!?
イアンサ:
そういうことだ。炎神様が大会に出場できないことは知ってるだろう?会長兼審判だからな。
イアンサ:
アンタたち二人も監督員として指名された以上、試合には出れない。だから、試合を体験するなら今がチャンスだぞ!
マーヴィカ:
聞いただけで燃えてきた…ワクワクしない方が無理だな。早く見せてくれ。
イアンサ:
はい、ついてきてください。

新たなる巡礼
イアンサに頼まれ、マーヴィカと一緒に大会の競技のテストに協力することになった…
聖火競技場に戻る
イアンサ:
さあ、こちらが今回の試合のシミュレーション会場です。
パイモン:
こ、こんなに広いとこを全部使うのか!?
マーヴィカ:
帰火聖夜の巡礼の会場だからな。小さくするわけにはいかない。
イアンサ:
聖火競技場内で使える最大規模を参考にしたんだ。空間全体の配置もしっかり検討しないと。
イアンサ:
さて——あの種火が見えますか。
イアンサ:
選手たちにはこの種火を追いかけてもらいます。色んな地形をすべて、自分自身の力で乗り越えるのが、試合のポイントです。
旅人:
そういう感じの試合なんだ。
マーヴィカ:
ああ、ちなみにトーナメント戦だ。これ以外にもいくつか種目があって、両者のスコアを合わせて八位以内に入った者たちが最終決戦に進出できる。
パイモン:
前みたいに、戦いもやるのか?
マーヴィカ:
皆、格闘が好きだからな。熱くなれるし、難易度も高い。
マーヴィカ:
戦士として、一生で一回でも本当に戦い甲斐のある相手に出会えたなら、それは喜ばしいことだ。この誘惑に抗える者はいない。
パイモン:
さすがナタの人だな…おまえたちってなんか、この試合そのものみたいだよな。
イアンサ:
お?つまりどういうことだ?
パイモン:
ほら、試合では種火を追いかけるけど、おまえたちもいつもなにかを追い求めてる。似てるじゃないか?
イアンサ:
良い例えだな!メモしておこう。どうしてこうしたのか聞かれたら、そう答えることにする。
マーヴィカ:
いい収穫だな。
イアンサ:
パイモンと旅人は良き友人ですが、良き先生でもありますから。
イアンサ:
よし、じゃあ…うーん…炎神様、すごくやりたそうですね。では、お願いします。
マーヴィカ:
わかった、少し準備してくる。
パイモン:
へへっ、マーヴィカのやつ、うきうきしてるな。
パイモン:
あの大戦が終わってから、マーヴィカも少し変わったと思わないか?
パイモン:
どこが変わったかって言われると…「遊び心」が強くなったみたいな?前みたいな、厳しい感じが薄れて、楽しそうになった気がするぞ。
イアンサ:
気のせいじゃないぞ!アタシもそう思う!
パイモン:
わぁ、おまえも聞いてたのか。やっぱりそうだよな?
イアンサ:
今までは戦争のために抑えつけていらっしゃったんだろう。大きな事を成し遂げた後は、自分を解放する。ごく当たり前のことだ。
イアンサ:
マーヴィカ様は確かに、思いっきり遊ぶべきだよな!
パイモン:
なるほど、だからオイラたちを呼んだのか。これもイアンサの計画か?
イアンサ:
計画ってほどじゃないけどな。マーヴィカ様がこの種目をやりたがるのは想定内だ。だから旅人には別の種目を用意してある。
イアンサ:
お世辞はそれくらいにしておきな。あとで疲れてヘトヘトになって文句言うハメになるぜ。
パイモン:
おい、オイラのことを選手候補に入れてないみたいだな?
イアンサ:
……
パイモン:
…ううっ…
イアンサ:
…まだ入学条件も満たしてないな。もう何年か修行を積んできなさい。
パイモン:
うぅ——!いやだぞ!
マーヴィカ:
準備は整った!
イアンサ:
よしきた!
マーヴィカと会話する
イアンサ:
無事終了!
パイモン:
お疲れさまだぞ!ほら、水だ!
マーヴィカ:
ハハ。観客の皆さんとトレーナーに感謝だな。
イアンサ:
いかがでしたか?あの…最後の敵はアタシのミスです。今までは何もなかったのに…
パイモン:
身長が低い人は検出できないってことじゃないか…?
イアンサ:
それならパイモンも安全なはずなんだけどな…
パイモン:
確かに…
マーヴィカ:
全体的にはよく仕上がってる。ただ、細部はまだ詰める余地があるな。
マーヴィカ:
たとえば、最初の追いかける距離は短すぎると思う。選手同士の差が開かない。もう何人かの人にやってみてもらって、多数派の意見を採用するといい。
パイモン:
おお、こだわってるな。いろいろ試してみないとな。
マーヴィカ:
それと、あの垂直コースは微妙だな。急な方向転換はめまいの元だ。脱落する選手が出る恐れがある。
マーヴィカ:
それくらいか…
イアンサ:
全部記録しました。
イアンサ:
炎神様のご協力のおかげで、実際にやってみないと分からない問題がたくさん出てきました。アドバイスを踏まえてまた改善していきます。
イアンサ:
そうだ。旅人、さっきの話だが、ここに球出し機がある。試してみるか?
パイモン:
球出し機?
イアンサ:
ああ。球技系のスポーツもナタが誇る伝統だからな。この種目も、そのうちの一つだ。
マーヴィカ:
こういう器具は久しぶりに見たな。少人数でも、三、四人いても一緒に遊べて、面白いんだ。
マーヴィカ:
試してみるか?
マーヴィカ:
よし、ならば私が相手をしよう。
イアンサ:
じゃあ場所を決めてください。決めたら、スタートして時間を測り始めます。一定時間内に、より高い点数を獲った人が勝ちですよ。
イアンサ:
用意——始め!
パイモン:
負けるなよー!相手がマーヴィカでも負けるなっ!
イアンサと会話する
パイモン:
激戦だったな…
マーヴィカ:
ああ、君はゲームが得意なんだな。いい勝負だった…またやろう。
マーヴィカ:
君もなかなかの腕前だった。時間があれば、またやろう。
イアンサ:
おかげで資料とフィードバックが集まりました。ご協力ありがとうございます!
マーヴィカ:
礼を言うべきはこちらだ。シミュレーション試合も球出し機も素晴らしかった。敏腕なのだな。
イアンサ:
いえいえ、アタシ一人の成果ではありません。一部の仕事は、シロネンに外注したんです。
イアンサ:
最初は拒んでましたが、炎神様から助っ人を探すよう指示されたんだといったら、積極的に手伝ってくれましたよ。
マーヴィカ:
どうやらシロネンに私の悪いイメージを植え付けたのには、イアンサの「功績」もあったようだな…三割くらいか?
イアンサ:
そんな、多くても一割ですよ。炎神様とシロネンの問題をアタシに転嫁しないでください。
イアンサ:
それにしても、旅人とパイモンにまで試してもらえたのは予想外だったぜ。球出し機を二人に試してもらうのは、もう何日か先になるかと思ってたんだけどな。今日はありがとう。
パイモン:
思い立ったが吉日っていうしな!
イアンサ:
楽しんでくれたなら何よりだ。じゃあ、今日はここまでにしよう。
イアンサ:
アタシは先に失礼するぜ。みんなの意見を参考に、色々改善しないとだからな。またな。
パイモン:
またな!
マーヴィカ:
また会おう、コーチ!
マーヴィカ:
ふっ、イアンサをコーチなどと呼ぶことはそうそう無いからな…あのびっくりした表情…ははは。
パイモン:
最近気づいたんだけど、おまえってなかなか悪いやつだよな。人をからかったりとか。
マーヴィカ:
そうか?そうとは気づかなかったな。
マーヴィカ:
さて、たくさん身体を動かして、お腹が空いただろう?ご飯にしよう、今日は私の奢りだ。
パイモン:
おおっ!?さっき言ったのはナシだ!おまえは世界で一番いいやつだぞ!
マーヴィカと食事をする
マーヴィカ:
マスター、客人を連れてきた。
ヒンチェル:
炎神様!いらっしゃいませ、久々ですね。ナタの英雄さんまで連れて来てくださるとは、嬉しい限りです。
マーヴィカ:
こちらが旅人。それとこちらはパイモンだ。
パイモン:
こんにちは!
ヒンチェル:
ああ、こんにちは。今日もいつもと同じでいいですか?
マーヴィカ:
ああ、いつもので頼む。今日は運動してきたからな。
パイモン:
いつものって、なんだよ?
パイモン:
おまえってやつは!貧乏だった時は何も言わずパイを半分分けてくれただろ?なんで奢りの時はオイラの分をケチろうとするんだよ!
ヒンチェル:
あははは、愉快な方々ですね。パイモンさんみたいな可愛いお方には、ついちょっかいを出したくなるのも分かりますよ。
マーヴィカ:
君たちの会話を聞くと、落ち込んでる人も元気になれるとみんなが言っていたな。
パイモン:
ええ?そ、そうなのか?旅人…まさかわざとやってるんじゃないよな…
ヒンチェル:
お任せを。それでは少々お待ちください、すぐにお出しします。
マーヴィカ:
大会は三日後に聖火競技場で開催される。なるべく寝坊しないで来てくれ。
パイモン:
なんだよ、「なるべく」って…あ、分かったぞ!遠回しに「絶対寝坊するな」って言ってるんだな。オイラ、絶対寝坊しないからな。
マーヴィカ:
ははっ、安心しろ。ほんの少し寝過ごしたって問題ない。方法ならある。
パイモン:
本当か?うぅ…
パイモン:
あっ!待てよ、方法といえば、シュバランケの探し方をまだ聞いてないぞ。
マーヴィカ:
ああ、それなら簡単だ。
マーヴィカ:
シュバランケは元からナタの民だ。記録によれば、賢く、勇敢で公正な人だったそうで、「原初の太陽」とも呼ばれている。
マーヴィカ:
こういう人々は往々にして、私と同じく、競技に対して熱い思いを持っている。卑劣な手段で勝とうとしない者ほど、正々堂々とした勝利に憧れるものだ。
マーヴィカ:
それがナタの英雄の特徴と言えるだろう。卑劣な勝利を嫌い、渾身の熱い思いを持っていながら、発散するところがない。だから、光に輝き、情熱的なものに惹きつけられる。
パイモン:
つまり…シュバランケは今回の帰火聖夜の巡礼に参加するかもしれないってことか?
マーヴィカ:
「かも」じゃない、「絶対」だ。
マーヴィカ:
だからこそ、私たちはより一層真剣に準備しているんだ。
マーヴィカ:
各部族を回って状況を把握したのも、より良い状態で彼を迎えるためだ。
マーヴィカ:
だから、シュバランケを探すなら競技場で探せばいい。初代炎神である彼なら、一位を取るなんて朝飯前だろう。
パイモン:
でも炎神本人が大会に出るなんて、相手が可哀想じゃないか?他の人は人間なわけで…
マーヴィカ:
シュバランケも人から神になった者だ。過去に「人」だった者が参加する分には、特に問題ない。
マーヴィカ:
私が参加しないのは、参加条件を満たしていないからではない。大会の会長兼審判を務める義務があるからだ。
パイモン:
なんだかマーヴィカとちょっと似てるな。「人」として生きてないんじゃなくて、「神」としての仕事が忙しくて、「人」になってる暇がない…
マーヴィカ:
ほう?興味深いまとめ方だな。自伝に書くとしよう。
パイモン:
自伝なんて書いてるのか?
マーヴィカ:
いや、シュバランケですら書いてないんだから、私が書く必要はない。だが、もし本当に書くとなったら、君たち二人のことも入れておこう。
パイモン:
じゃあ、オイラには長めの肩書きをつけてくれよ?
マーヴィカ:
ああ、好きなだけ長くしよう。
店長がとても大きなお皿を持って歩いてきた。パイモンは喜びのあまり、ずっと空中を飛び回っている。
パイモン:
こんなにいっぱい、しかもめちゃくちゃデカいぞ!肉だらけだ…わあ!
マーヴィカ:
ん?朝飯程度の量じゃないか。
パイモン:
えっ?
ヒンチェル:
炎神様はいつも食欲旺盛なんですよ。ふふっ、熱いうちにお召し上がりください、冷めたら美味しさが半減しちゃいますよ。
心を込めて作られた料理はとても美味しく、パイモンと一緒に夢中で食べた。
しかし、いつの間にかマーヴィカは、優雅に、冷静に、驚くほどのスピードで既に半分ほどの肉を食べ尽くしていた…
パイモンは驚いてこちらに目配せした。今日の相手は、パイモンよりも遥かに恐ろしい相手だ——つまり、パイモンは一番たくさんの肉を食べられる存在ではなくなったのだ。
マーヴィカ:
たくさん食べたな、パイモン。今日はこの近くに泊まるか?
パイモン:
いいのか?へへっ、ちょうどこのあたりは景色がいいなぁって思ってたんだ。あと何日かここにいて、あちこち回ってみたいぜ。
マーヴィカ:
もちろん構わない。なら、宿を手配してこよう。
マーヴィカはしばらく離れてから戻ってくると、あなたたちを宿に案内した…
マーヴィカ:
送るのはここまでだ。よい夢を。
パイモン:
おう、おやすみ!
パイモン:
どうだ、なにか飲み物でも飲むか?
パイモン:
じゃあ、一緒にデザートを買いに行かないか?オイラ、甘いものが食べたいぜ…
パイモン:
なんだよその目!デザートは別腹だろ!
情熱的な男性:
まさかシュバランケ様が復活するとはな…何だよお前、まさかシュバランケ様が誰なのか知らないわけじゃないだろうな?
真剣に考える女性:
そんなにバカじゃないわよ!ちょっと考え事をしてたの。
真剣に考える女性:
ほら、私たちってアビスを撃退して、ナタの代々の悲願を叶えたばかりでしょう…?なんでこのタイミングで帰ってくるのかしら?
情熱的な男性:
そうだな。手伝いだとしたら、戦いはもう終わってるし、手伝いじゃないなら…
情熱的な男性:
…ううっ、ちょっと怖いことを考えちまったぞ。もしシュバランケ様が悪人で、勝利を奪おうとしてるならって…小説じゃ、そういう展開もあるだろ。
真剣に考える女性:
な、なに言ってるの!小説と現実は違うでしょ!太陽のシュバランケ様を侮辱しないで!
真剣に考える女性:
それに、たとえあんたの言うのが事実だったとしても、マーヴィカ様は負けたりしないわ。マーヴィカ様の腕前は見たことあるでしょ?あの一撃!はーっ!ってね。
情熱的な男性:
そりゃあもちろん。でも、シュバランケ様だって弱くないだろ。やりあったら、どっちが勝つかな…?
真剣に考える女性:
…くっ…難しい質問ね。
真剣に考える女性:
でも、私はこの時代の人間だからなぁ。気持ち的にも、マーヴィカ様に一票。やっぱり目の前の方を信じたいわ!
情熱的な男性:
実際お二方が戦ったら、とんでもなく壮観だろうな!見てみたいぜ。
真剣に考える女性:
この話はここで終わり。もう遅いのに、考えるほど熱くなっちゃって、寝れなくなっちゃう。
パイモン:
シュバランケとマーヴィカのどっちが強いのか話し合ってるのか。なんだか虫相撲みたいな言い方だな。
パイモン:
そうだな、オイラも結果が気になってきたぞ。ナタの人って本当に勝負事が好きだよな。
旅人:
(俺も三日後の大会が楽しみになってきた。どんなすごい展開が起きて、誰が優勝するんだろう。)
旅人:
(伝説のシュバランケは本当に参加するのかな?もしシュバランケが優勝したら、マーヴィカがシュバランケに表彰することになるんだ…?面白そう。)
パイモン:
ふぅ——!食べた食べた、帰って寝ようぜ!
その後、あなたとパイモンはあちこちを歩き回り、食事を楽しみながらのんびり過ごした。
そして、いよいよ大会前日となった…
マーヴィカと会話する
パイモン:
…おい!起きろってば!早く起きないと大会が始まっちゃうぞ!
旅人:
(…何の音…あ、パイモンか…)
旅人:
(ちょっと待って、大会!?)
パイモン:
ちょびっとだけど、寝過ごしちゃったぞ…すぐ支度を終わらせて、はやく行こうぜ!
パイモン:
うわあああ、本当にマーヴィカの言う通りになっちゃったぞ。オイラたちはなんでこんなにうっかりしてるんだ…!
パイモン:
これが巷でよく言う、旅行の前日にテンション上がって寝れなくなって、次の日に寝坊するってやつか…
マーヴィカ:
おはよう、昨日はよく眠れたか?
パイモン:
マーヴィカ!?なんでここにいるんだよ…大会…もうすぐ始まるんじゃないのか?
マーヴィカ:
ああ、もうすぐ大会だから、迎えに来たんだ。
マーヴィカ:
ヘルメットをかぶって、乗れ。
パイモン:
え?間に合うのか?
マーヴィカ:
近道するぞ。
マーヴィカ:
しっかり座っててくれ。怖ければ私の腰に捕まっているといい。
マーヴィカと一緒に競技場へ向かう
ムアラニ:
やっと来たんだ!滑り込みセーフだね!
カチーナ:
やった!わたしたちの勝ち!
ムアラニ:
勝った勝った!アハウ、さあ、モラをよこしなさい!
カチーナ:
アハウがモラを払う番だね!
キィニチ:
出せ。
アハウ:
ちっ、ちくしょう…
パイモン:
うわあああ——
マーヴィカ:
双駆輪のミニショーでオープニングを飾らせてもらった。紹介しよう——ナタの友「トゥマイニ」だ!
観客:
おおー!
オロルン:
うまいごまかしだな。
シトラリ:
誤魔化すだなんて言わないで!って——え?そういうことなの?もともと予定してた演目じゃなかったワケ?
マーヴィカ:
皆、また帰火聖夜の巡礼がやってきた。いつも通り、私から開会の挨拶をさせてもらおう。
マーヴィカ:
聞き飽きたか?いつも同じような話をすると——だが、これからは、すべてが変わる。
マーヴィカ:
アビスに脅かされる日々はもう終わりだ。数多の同胞と友人に感謝を捧げよう…我々の勝ちだ。ナタは生まれ変わったのだ!
観客:
おおーっ!!
マーヴィカ:
今回から、帰火聖夜の巡礼は防衛戦の先駆けではなくなる。だが、変わらないこともある。
マーヴィカ:
帰火聖夜の巡礼はこれからも「最強」を決する試練であり、諸君の成長と進化を知らしめる絶好のステージだ。
マーヴィカ:
今日の勝利は、これまでと同じく新しい伝説の始まりとなるだろう。ここに——「帰火聖夜の巡礼」の開幕を宣言する!
観客:
おお!
観客:
チャンピオンは誰だ!!
マーヴィカ:
さて、監督員の二人には試合期間中に各所を巡って、選手たちと共に行動してもらいたい。試合現場の秩序と公平を監督し、維持してくれ。
パイモン:
オイラたちは最高のガイドと最強の冒険者のコンビだからな。任せろ!
マーヴィカ:
それともう一つ。この前にも言ったが…
マーヴィカ:
シュバランケの手がかりを見つけたら、忘れずに知らせてくれ。
旅人:
安心して任せて。
マーヴィカ:
ああ、頼んだ。
選手たちに話を聞く
パイモン:
キィニチ、やっぱりおまえは大会に参加するんだな。
キィニチ:
ああ。せっかくのチャンスだ、逃すわけにはいかない。
パイモン:
応援してるぞ!
パイモン:
あれ、アハウは…?
キィニチ:
箱の中に閉じ込めておいた。大会期間中、あいつの力を借りる必要はないからな。自分の実力で勝って見せる。
パイモン:
そっか。そういえば、シュバランケの情報はあったか?
キィニチ:
辺りを回ってみたが、そこまでのレベルの強者は見かけなかった。
旅人:
何かわかったら教えて。
キィニチ:
分かった。
パイモン:
さすがはキィニチだぜ!頼りになるな!じゃあ、オイラたちは他のやつにも聞いてくるから、またな!応援してるけど、怪我には注意してくれよな!
キィニチ:
ああ、ありがとう。お前たちも頑張ってくれ。
選手たちに話を聞く
パイモン:
イアンサ!おまえも大会に出るのか?
イアンサ:
いやいや、大会の流れを決めた本人が参加するわけにはいかないだろ。
イアンサ:
みんなの応援がてら、選手たちのストレッチを指導しに来たんだ。ウォーミングアップをちゃんとやらないと怪我するからな。
パイモン:
なるほどな!ついでにちょっと聞きたいんだけど、シュバランケの件は知ってるだろ?似てる人とか、見かけなかったか?
イアンサ:
ああ、その件なら聞いてる。
イアンサ:
気にかけてはいるんだが、特に変わったことはないな。見るからに強そうな選手っていうのは見かけなかったぞ。
パイモン:
わかった、ありがとな。オイラたち、他のやつに聞いてくるぜ。
イアンサ:
お礼なんかいいって。あっいや、ちょっと待て!
パイモン:
どうかしたか?
イアンサ:
アンタたちもストレッチをやっておけ。これから選手たちと一緒に行動するんだろ?
イアンサ:
足を伸ばして、一、二、三!よし、もう一セット!
イアンサに引き留められ、強引にストレッチをやらされた。さすがはトレーナー…思わずその気迫に圧倒されてしまった…
イアンサ:
よし、行ってこい!
パイモン:
はは…ありがとな、コーチ…やる気が湧いてくる気がするぜ…
選手たちに話を聞く
シトラリ:
うーん…
シトラリ:
はあっ——!
パイモン:
うわっ!!
シトラリ:
あれ?旅人にパイモン。どうしてここに?
シトラリ:
なっ…!もう!からかわないでよね。
パイモン:
本当に本当だぞ!
パイモン:
でもまさかシトラリまで参加しに来るなんてな。おまえみたいな大物が大会に出るのはルール違反にならないのかよ?
シトラリ:
ルール違反ではないけど、若造たちはさぞプレッシャーを感じてるコトでしょうね。
シトラリ:
普通なら出ないけど、今回は終戦祝いって意味も兼ねてるから、顔を出すのが礼儀かなって。
パイモン:
そうか、頑張ってくれよ。偉大なとこをみんなに見せてやってくれ!
シトラリ:
あら、今日はやけに口がうまいじゃない?朝、ご馳走でも食べたワケ?
シトラリ:
まあ、とにかくありがとう。応援されたからには頑張らなくちゃね!
パイモン:
そういえばさっき「うーん…はあー!」ってやってただろ?あれってなんなんだ?なにかの儀式とかなのか?
シトラリ:
そんなんじゃないって。あれはワタシの力でシュバランケさまを探してたの。
シトラリ:
もっと正確に言うと、魂の世界であのお方かもしれない人物を探してたの。だってワタシもシュバランケさまになんて会ったことないし…
シトラリ:
残念ながら、何の収穫もナシ。はぁ、なんでこうなったんでしょうね?シュバランケさまは炎の神さまなのよ?復活するなら凄まじい力が伴うはずなのに…
パイモン:
完全に手詰まりだな…他の場所を見てくるから、シトラリは試合、頑張ってくれよ!ケガしないようにな!
シトラリ:
行ってらっしゃい。キミたちも気を付けてね。この後の大会で、この黒曜石の老婆の麗しい姿をたっぷり見せてあげるから期待してて。ふふっ。
選手たちに話を聞く
カチーナ:
よいしょ、よいしょ…
パイモン:
カチーナ!試合の準備は順調か?
カチーナ:
パイモンちゃん、旅人さん!順調だよ!わたしの活躍に期待しててね!
カチーナ:
うん!全力で行くから!
カチーナ:
今回は勝ち進めるかな…でも、前より進歩してれば、それだけでわたしの勝ちだよね。
パイモン:
そうだぞ!一番大事なのは心意気だからな!
カチーナ:
うん!
パイモン:
そういえばカチーナ、シュバランケっぽい選手は見かけたか?
カチーナ:
シュバランケさまっぽい選手…ううん。
カチーナ:
あれほどの方なら、きっとどこにいようと注目の的だろうね。キィニチお兄さんとムアラニちゃんみたいに!しかもシュバランケさまだったらさらに強いでしょ?
カチーナ:
でも、そういう人は見てないから…たぶんここにはいないのかも?
パイモン:
そっか…ありがとうな、カチーナ!他のやつにも聞いてくるから、おまえは試合を頑張ってくれ!勝利はもちろん重要だけど、身体が一番大事なんだからな!
カチーナ:
うん!ありがとう!
マーヴィカに報告する
パイモン:
戻ったぞ!
マーヴィカ:
監督員の二人、さっそく報告してもらおう。選手たちの様子はどうだった?
パイモン:
報告!選手たちはみんな調子がよさそうで、順調に準備を進めてたぞ!
パイモン:
でも、シュバランケのほうは…
マーヴィカ:
手がかりなしか…大会がまもなく開始するというのに、なぜ姿を現して下さらないのか…
パイモン:
予想が外れたか?
マーヴィカ:
……
マーヴィカ:
いや、そうとも限らないな。
マーヴィカ:
もうすぐ時間だ。ひとまず選手たちを迎えに行こう。
競技を観戦する
マーヴィカ:
皆、ウォーミングアップは済んだな。さあ、位置に就いてくれ。
マーヴィカ:
今回の帰火聖夜の巡礼は「過去と別れを告げるきっかけ」だ。より強い自分を目指し、もっと早く、もっと強くなることだけを考えてくれ。
マーヴィカ:
その信念を胸に、全力で突き進め!ここに——試合開始を宣言する!
ムアラニ:
準備はいい?いくよ!
選手:
うわああっ!
バラム:
さすがはムアラニ選手!球技のスーパールーキーだけあって、スコアがずば抜けている!
ムアラニ:
この勝負…
ムアラニ:
もらっちゃうよ!
キィニチ:
垂直コース…
キィニチ:
ここで一気に距離を取るか。
バラム:
キィニチ選手が加速した!しかもかなり険しい地形だ!
選手:
なんて速さだ…!
キィニチ:
先に行かせてもらう。
バラム:
距離がどんどん離れていく。このままでは…
カチーナ:
待った!
バラム:
おお!カチーナ選手がいきなり側面から飛び出してきた!
カチーナ:
大変な道だけど…わたし、諦めたりしないよ!
シトラリ:
まったく…面倒ね…
バラム:
試合はいよいよ最終段階!果たして、結果はどうなるのか——!
キィニチ:
——もらった!
エンテレゴ:
くぅ!
キィニチ:
どうだ?負けを認めるか?
エンテレゴ:
お…俺は…
キィニチ:
……
エンテレゴ:
はぁ、降参だ…
マーヴィカ:
今回の大会の結果はこれで決まった!優勝者は——キィニチ!
観客:
キィニチ!キィニチ!
ムアラニ:
すごすぎ!さすが!
カチーナ:
さすがはキィニチお兄さんだね!勝てると思ってたんだ!
アハウ:
なんだとぉ!?体が丈夫っつーのはともかく、試合にまで勝ちやがるなんて…ふん、認めてやるよ…
エンテレゴ:
さすがキィニチだ。感服したよ。
エンテレゴ:
実は、試合前から分かっていたんだ。もし最後の相手が君だったら、俺は大方勝てないだろうと。
観客:
おいおい!弱音を吐くなよ!
観客:
そうよ——キィニチに負けるのはしょうがないでしょ!
観客:
お前は十分強いぞ!俺程度のやつなら三十人は相手できるだろ!
キィニチ:
聞こえただろう?みんなお前を応援してる。
キィニチ:
もっと鍛えて、また勝負しよう。
エンテレゴ:
ああ!
パイモン:
みんなすごいぜ…あれ?そういえばシュバランケの件はどうなったんだ?
シトラリ:
ナニか忘れてる気が…あっ!シュバランケさまのコト!
ムアラニ:
言われてみれば確かにそうだね。シュバランケ様はどこにいるんだろう?まさか…
カチーナ:
……
キィニチ:
どうして俺を見る?優勝者がシュバランケだって決まりはないだろう?
アハウ:
はあ?ならキィニチがシュバランケを負かしたっつーのか?そんなデタラメを聞かされるくらいなら、死んだ方がマシだ!笑わせてくれる!
イアンサ:
そういえば、二位をとった人の顔…見覚えがないぞ。アンタは…どこでそんな技を身につけたんだ?
観客:
嘘だろ…でもあれほど強いやつなら、シュバランケ様と関係してるって言われても納得だ…
チャスカ:
こいつがシュバランケ様か?
エンテレゴ:
俺がシュバランケ様だと?そんなの初耳だぞ!
観客:
分かった!身分をばらしたくなくて、わざと負けたんじゃない?
観客:
いやいや、神聖なる帰火聖夜の巡礼で、シュバランケ様がわざと負けるなんて真似、するわけがないだろ?
パイモン:
ひぃ、これってオイラのせいか?話題がシュバランケに切り替わっちゃったぞ…
パイモン:
でも、オイラも不思議だったんだよな。名前も知られてないやつが、キィニチとあれだけ渡り合えるなんてさ。まさかあいつって本当に…
パイモン:
あれ?マーヴィカ…なに見てるんだ?
マーヴィカ:
大会が始まってから、ずっと違和感を覚えていた。
マーヴィカ:
今思い返せば、違和感の理由はシュバランケの力を「感じた」からではなく、「感じなかった」からだ。
旅人:
(それって、シュバランケはここにいないってこと?それとも、シュバランケは…もう元の姿じゃなくなってる?)
マーヴィカ:
少し失礼。
イアンサ:
マーヴィカ様…?なんで選手たちのところに…?
マーヴィカ:
……
マーヴィカ:
ここにいらっしゃったのか。
???:
……
マーヴィカ:
想像を絶する魂の気配もなく、信じられないほどの強き力もない…
マーヴィカ:
だが、あなたこそ、シュバランケ様だ。
???:
……
観客:
ええ——!?
観客:
だ…だれだ!?見たこともないぞ…
観客:
タウォートゥ家の孫のマソウじゃない?マソウも…試合に参加してたの?
観客:
いやいや、ずっとそこで突っ立ってただけだったぜ。応援団かと思ってたけどな。
カチーナ:
あれがシュバランケさまなの?すごく若く見えるけど…
???:
コホン…
アハウ:
ハハッ!弱そうなガキんちょじゃないか!オレの一撃すら受け止められそうにねぇな。偉大なる聖龍であるこのアハウ様が一発かましてやるか…
エンテレゴ:
えっ?あれがシュバランケ様なのか?試合のとき、俺のすぐ近くにいた人だ。見た感じ…何だか…
???:
…こんな姿でも見破られるとは、さすがは現炎神だな。
マーヴィカ:
失礼だが、先ほどの大会での順位は…?
???:
ハハッ、三十二位以内に入ることもできなかった。
観客:
いやいやいや!!
観客:
何の芝居だ?そんなのありえないだろ?ドッキリか何かだよな?
観客:
どいて、シュバランケ様のご尊顔が見たいわ!
マーヴィカ:
シュバランケの帰還は、やはり想像以上の騒ぎになっているようだな。
イアンサ:
そんなことを仰っている場合じゃないでしょう!シュバランケ様を安全な場所まで連れてってください!ここはアタシに任せて。
マーヴィカ:
皆、静粛に。ナタで最も重要なお方の一人であるシュバランケ様は、この私が直々にもてなす。
イアンサ:
そうだぞ!こういう大事なことはマーヴィカ様に任せろ!新しい進展があったらすぐ知らせるから、みんなも落ち着いてくれ!
旅人:
(合図…パイモンと一緒について来いって言ってる…?)
パイモン:
呼ばれてるみたいだ!はやく行こうぜ!
パイモン:
おい——待ってくれよ!

聞き給え、帰還せし者よ
ナタの最初の指導者にして偉大なる初代炎神である「シュバランケ」は、誰もが予想だにしなかった姿で皆の前に現れた…
静かな場所に行く
マーヴィカ:
ここなら問題ないだろう。こちらの都合に付き合わせてしまって申し訳ない。私は現在のナタの指導者、現炎神のマーヴィカだ。
マーヴィカ:
その——もてなすとは申し上げたが、正直に言うと、こんなことは私も初めてで…何を言えば良いか見当もつかない。
シュバランケ:
ほう?
パイモン:
(やばいぞ…もしかして怒らせちゃったか?)
シュバランケ:
初めてというのは、死んだ者が生き返り、長旅の末に故郷へ帰ることか?構わん、我も初めてだからな。
マーヴィカ:
…思いのほか、ユーモアセンスのあるお方だな。
シュバランケ:
ん?まさかと思うが…
シュバランケ:
汝ら…このシュバランケがユーモアのある者であったということを知らんのか?
マーヴィカ:
あなたの物語に関するウォーベンでは、どれも聡明で威厳のある姿で描かれている。神座を利用することで死の執政と取り引きをして、ナタ独自のルールを作ったという話もある。
マーヴィカ:
ユーモアセンスについては、どこにも記されていないな。というより、シュバランケ様に関する情報はそもそも少ない…
シュバランケ:
なるほど…分かった。ではあらためて自己紹介といこう。我こそは、初代炎神シュバランケだ。親愛なる太陽、あるいはシュバちゃんと呼んでくれて構わぬ。
パイモン:
ただの人懐っこいガキじゃないか!
シュバランケ:
こちらの二人は?
マーヴィカ:
紹介しよう。こちらの二人は旅人とパイモン。アビスを共に撃退してくれた大英雄で——ナタの重要な友人であり、仲間だ。
シュバランケ:
それでこの場に子供がいたわけか…ほう、「同じ若者の姿のくせに」とでも言いたげな顔だな。
シュバランケ:
だがそれは違う。今はこの子に一時的に憑依しているにすぎぬ。
マーヴィカ:
つまり、肉体までは復活していらっしゃらないのだな。だが…それはその体に…
シュバランケ:
案ずるな。この子には何の影響もない。この体の持ち主は今頃、よき夢を見ているだろう。
シュバランケ:
考えあってのことだ。理由もじきに知ることになる。
シュバランケ:
残念ながら、借りた体は鍛錬を怠っていたようだ…努力はしたが、肉体の制限で、いい順位を取れずに終わった。
パイモン:
他人の体を借りてたのか。どうりで…じゃあ、この体で動くのには慣れてないのか?
シュバランケ:
激しい動きは取れぬ。我がよく使う登りやジャンプの動きも、この体では無理らしい。
シュバランケ:
身体を借りている以上、用心せねばならんからな。力を出しすぎたせいでどこかの骨を折ってしまうのは罪深い。だからそのような真似はしない。
マーヴィカ:
大シャーマンのシトラリは大霊から、あなたが再び人の世に帰ることを知った。だが、あなたの目的について、私たちは未だに知らされていない。
シュバランケ:
ほう?真面目な話の時間か?よかろう。我も真面目スイッチをオンにしてやろう。
シュバランケ:
コホン…それについてだが。先ほど汝の話でも触れていた通り…
シュバランケ:
我は死の執政と取り引きをした。もとは凡人に過ぎぬ我が何故その力を欲するか、何故滅ぶ寸前の国を救おうとしたのかと、彼女に聞かれたことがある。
シュバランケ:
我は「永遠なる存続」と「不滅の命の炎」を以って、彼女を説得した。故に彼女は力を分け与え、ナタの新たなルールを認めたのだ。
シュバランケ:
これは偉大で長期的な計画であり、ルールが作られたことは勝利ではない。それどころか、目に見えるどの瞬間でもないと我は言った。だが、未来では必ず、勝利を手にできる者がいると信じていた。
シュバランケ:
我が要求を認めた者も、「物語を観る者」…彼女は、興味を持った様子だった。手ごたえを感じた我は、さらなる条件を追加した——「創始者として、いつか本当に勝利の日が来たら、我もこの目でその世界を確かめたい」と。
マーヴィカ:
つまり、あなたの帰還は死の執政が許した特例か。
シュバランケ:
むしろ、賭けの結果だな。神だろうと、未知なるものには好奇心を抱く。この戦争にまつわる賭けに勝った褒美として、我の復活は叶った——そう理解して構わぬ。
マーヴィカ:
今のナタをどう思う?あなたの期待に添えているだろうか?
シュバランケ:
そうなのではないかと感じている。詳しく教えてくれるか?汝らが勝利を手にするまでの物語を。
マーヴィカ:
…ご存知の通り、これは偉大で長期的な計画だった。
マーヴィカ:
大昔のことは割愛しよう。私の記憶に鮮明に残っているのは、やはり五百年前のあの戦いだ。
マーヴィカ:
災難はあまりにも突然訪れ、漆黒が国全体を包み込んだ。土地も信仰も崩れ去り、ナタの歴史はじきに終わるのだと人々は思った。
マーヴィカ:
だがアビスや運命、時間を相手にしてもなお——我らが英雄たちは勝利を諦めなかった。あなたの残してくださった力を利用し、重い使命を背負ったのだ。
マーヴィカ:
この五百年間、代々の炎神はアビスの駆逐に時を費やし、部族と信仰を築き直して人々を団結させた。
マーヴィカ:
私は五百年後の今、こうして炎神となった。数千年に渡り変わらなかったナタ人の決意をまとめ、最後の勝利を勝ち取るために。
マーヴィカ:
もちろん、最悪の事態も想像していた——目覚めたときに、魔物と屍、廃墟だけが広がる光景を。
マーヴィカ:
もしそれが現実になっていれば、私は戦士として最後の役目を果たし、打つ手もなく終末の訪れを待つしかなかっただろう。
マーヴィカ:
だが、結果が証明してくれた——我々の信念の正しさを。この勝利は皆が一丸となって作り上げた「奇跡」というより、これまで貢献してきた者たちへの「見返り」と言ったほうが適切だろう。
パイモン:
確かに、過去も現在も、どの段階も欠かせなかったんだもんな…
マーヴィカ:
つくづく思っていた…あなたは実に狡猾な人だと。そうでなければ、死の執政との駆け引きであれだけの成果を手にすることはできなかっただろう。
マーヴィカ:
ナタは、まさにあなたが残してくれたもののおかげで、この難関をやっと乗り越えることができたのだ。
シュバランケ:
…数千年もの時を経て、我々ナタ人はやっと、運命に打ち勝った。
シュバランケ:
後世の者たちが我を「ルールを作り、計画を始めた者」だと称するのであれば、汝こそ「ルールを継ぎ、奇跡を作った最終執行者」と言えよう。
シュバランケ:
始まりと終わり、創造と変化。マーヴィカ、汝は素晴らしい指導者だ。汝に会えたこと、幸甚の至りだ。
マーヴィカ:
そんな。あなたの帰還こそ、我々にとっての幸甚だ。
シュバランケ:
さて、もう一つ大事な用があるのだ。この場を借りて説明しよう。
シュバランケ:
実は…コホン、あれだ。我の復活をあまり気にする必要はない。何せ、今回の復活は日の出一回分——つまり太陽が昇ってから沈むまでの間のみなのだ。
マーヴィカ:
一日だけ——!?
パイモン:
なんだって!?
シュバランケ:
だから言っただろう、この体の持ち主を案ずる必要はないと。明日には、我はもうおらぬのだからな。
シュバランケ:
それに、我の復活が長く続くなどとは、誰も言っておらぬだろう?故郷に戻り、同胞に会うことは、日帰り旅行のようなもの。
シュバランケ:
それにしても、本当に大変な道のりだった。復活してこの子の家で目覚め…泳いで気分転換でもしようと思ったところ、訳の分からぬ釣り糸に脚衣が引っかかってしまい——
シュバランケ:
やっとのことで脱出し、歩き回って現在のナタを見回ろうと思ったら、今度は誰かの罠に嵌ってしまった。しかも、近くに誰もおらんかったのだ!
シュバランケ:
幸い、穴の中は柔らかかった故、横になって少し寝たのだが…
パイモン:
(ひ、冷や汗が出てきたぞ…!)
旅人:
(みんなのやらかしたことだね…)
シュバランケ:
様々な困難を乗り越え、やっとのことで大会のエントリーを終わらせたのだ。そうだ、途中でトレーナーを自称する女子に出会ってな。我の筋肉が足りないからと言って、倍の柔軟体操を強いられた。
シュバランケ:
はぁ、現代人の日常がこうも大変だとは。
マーヴィカ:
……
マーヴィカ:
それで、これから何かご予定は?
シュバランケ:
よくぞ聞いてくれた。ちょうどその話題に移ろうと思っていたのだ。気が利くな、ハハッ。
シュバランケ:
実は…叶っておらぬ小さな願いが一つだけあるのだ。
シュバランケ:
帰火聖夜の巡礼には参加したが、この体のせいで、実力を発揮できなかった。はぁ、皆に我の真の実力を見せてやりたかったのだが…
パイモン:
…なんでチラッとオイラたちを見るんだよ…
シュバランケ:
ここまで言ったのだぞ…コホン、それで、何か我に聞きたいことはないか?
シュバランケ:
よくぞ聞いてくれた!我の真の力はマーヴィカにも劣らない。何と言っても初代炎神だからな。一回の跳躍で山頂まで辿り、一撃で山をも揺るがす。
マーヴィカ:
なるほど。私と手合わせしたいと?
シュバランケ:
そうだ。
マーヴィカ:
その体でよいので?
シュバランケ:
案ずるな、汝と勝負するということであれば、身の安全を保証できる場所を見つけよう。
シュバランケ:
原初の太陽と燃え盛る太陽——この星こそが炎であり、すべてを燃やし尽くす情熱を持つ。
シュバランケ:
初めて汝に会った瞬間から、汝が我と同じく真の戦士であることはわかっていた。
シュバランケ:
この誘いを断るつもりなど毛頭なかろう?我が「古名」の継承者にして燃え盛る太陽…「キオンゴズィ指導者」のマーヴィカよ。
マーヴィカ:
ああ、受けて立とう。
シュバランケ:
それでこそだ!さて、ついに己を解き放てる時だ。古の魂の導きに従い、真の闘技場へと参ろうではないか!
シュバランケと会話する
パイモン:
ここって…どこだ?
マーヴィカ:
ここは…精神の殿堂?
シュバランケ:
此処は我の魂によって作られた太陽の地だ。ここで生きられる者は、太陽と太陽に祝福されし者のみ。
シュバランケ:
我、汝、汝、汝。太陽、太陽、祝福されし者、祝福されし者。
パイモン:
オイラたちが「太陽に祝福された者」なのか?
シュバランケ:
太陽は高潔な星を記憶する。汝らは希望であり、最も重要で輝かしい仲間だからな。
シュバランケ:
汝らをここに招待したのは、太陽と太陽のぶつかり合いを見届けてもらうためだ。
マーヴィカ:
ここでは、我々四人はほぼ完全なる精神体になっているから、肉体の制限を受けなくなる、ということだな。
シュバランケ:
うむ。
シュバランケ:
言っただろう。汝を初めて見たその瞬間、汝が我と同じ、生まれながらの戦士であることが分かったと。だが人の強さはおおまかに、二種類に分かれる——即ち肉体の強さと精神の強さだ。
シュバランケ:
偉大なるこのシュバランケも、子供に憑依すると、元の実力の三分の一も出せなくなった。これが肉体の強さを失った結果だ。
シュバランケ:
しかしここでなら、我々は最も純粋なる精神で相対できる。たとえ子供の姿であろうと、超人的な魂は、天地を揺るがす力を有するのだ。
シュバランケ:
問おう。本物の英雄とは何だ?精神の強者だろうか?それとも肉体の強者だろうか?あるいは、超人たる者、両方を兼ね備えなければならぬのか?
シュバランケ:
マーヴィカ、汝はどんな強者だ?
マーヴィカ:
ははっ、なかなか言ってくださる。この戦いで己を証明し、ナタに、そして世界に宣言しようではないか——我々の強さは内からなるものであると!
マーヴィカ:
お互い、自分と対等に渡り合える相手など、今後も現れないだろうからな。
シュバランケ:
望むところだ。
シュバランケ:
ナタ人として、炎神として、数千年もの時を越えた好敵手として、そして顔も知らぬ仲間として…
シュバランケ:
公正で、名誉ある一戦を交えよう!
movie
火が消えるまでの間、マーヴィカとシュバランケは力を振るって思う存分戦う。いくつかの瞬間、あなたはマーヴィカが過去に経験した戦いを覗いたような気がした。かつての彼女は、同じ姿勢で戦い、死闘を繰り広げ、他人を支え、人々を助け、戦友たちに別れを告げてきた。疲れないのだろうか?あなたは理解できなかった。独り言だったつもりが、なぜかマーヴィカから返事を得たような気がした。戦況は熱を増していき、双方は何度も技を交わす。しかし、どちらも譲ることはなく、火が消えるまで倒れる者はいなかった。
シュバランケと会話する
マーヴィカ:
爽快な戦いだった。
シュバランケ:
こんな風に汝と手合わせができて、とても嬉しい。…なんだ、老いてはいるが、我もまだまだ戦えるではないか。
マーヴィカ:
ご冗談を。精神はまだまだお若い。
シュバランケ:
ふん…汝に少し遅れを取ったことに言い訳を探しているのだ。言っておくが、ほんの少しだけだからな。
シュバランケ:
まさか我が負かされるとはな。己こそが最強の戦士だとずっと思っていたが…「古名」の「継承」はやはり重要なようだ。
シュバランケ:
「キオンゴズィ」——即ち指導者。我が古名は代々受け継がれた末に、汝に受け継がれた。この積み重なった力があれば、汝はすべてに打ち勝てるだろう。
シュバランケ:
実に有意義な一戦だった。勝負以外にも、色々と掴み取れた。
シュバランケ:
汝の力もな。冷酷さと優しさ、そして強靭さと鋭さを併せ持つ力だ。
シュバランケ:
他人を見降ろす者でもなければ、無様にもがく者でもない。汝はただ己の強さを理解し、それを以てすべてを燃やし、高みへとのぼり続けている。
シュバランケ:
汝らのような英雄がいたからこそ、戦争に勝てたのだ。そして皆のおかげで、我は人の世に帰る機会を得た。
シュバランケ:
汝らの勝利によって、我は二度目の命を手にした。たとえ一日だけだとしても、太陽が登れば、暗闇は駆逐される。
シュバランケ:
我に纏わりつく死さえも、暗闇として汝らに浄化された。マーヴィカよ、汝は新たに誕生した、より輝かしい太陽だ。
シュバランケ:
ところで、勝者には賞品を用意してある。
パイモン:
賞品まであるのか!?ワクワクするぞ。きっとすごいものだろ…!
シュバランケ:
此度の目的が果たされた以上、我に残りの時間は必要ない。マーヴィカよ、死の執政から貰ったこの生命力、残りをすべて汝に与えよう。
シュバランケ:
会いたい者がいるだろう?これを使ってその者たちを呼び起こせ。
パイモン:
す、すごいぞ…それってつまり、死んじゃった人に会えるってことだよな?
シュバランケ:
極めて特殊な地脈を持つこのナタでも、逝ってしまった者に夜神の国以外で会うのはとても難しいことだ。さあ、持って行け。
シュバランケ:
神だの何だのと呼ばれていても、所詮我々は人の身でこの世に誕生した者だ。迷わずやりたいことをやれば良い。
マーヴィカ:
お気持ちはありがたいが…私には必要ない。
パイモン:
ええ!?
マーヴィカ:
過ぎ去ったことはもう私の記憶の一部で、私の宝物なのだ。
マーヴィカ:
二度と会えないはずだった者に会って未練を残すくらいなら、最も美しい記憶の中の姿のままで心に留めておきたい。
パイモン:
マーヴィカ…
旅人:
(揺るぎない視線…本気なんだ。)
シュバランケ:
…ハハッ、彼らの言った通りだ。汝はやはりそういう者なのだな。
マーヴィカ:
彼ら?
シュバランケ:
汝の両親、妹、仲間、そして戦友たち…
シュバランケ:
汝と肩を並べた者、汝から去って行った者、汝と刃を交えた者、汝のために祈りを捧げ続ける者。
シュバランケ:
全員だ、マーヴィカ。我は最も特別な復活者ゆえ、汝を見守る彼らの呼び声が風に乗って聞こえてくるのだ。
シュバランケ:
「愛するマーヴィカ、我らが神、そして指導者——元気にしているか?皆、恋しく思っている。」
シュバランケ:
「話したいことは山ほどあるが、言葉にすると、ひどく簡単なものになってしまう…」
シュバランケ:
「戦争が終わったな、マーヴィカ。すべての努力は報われ、すべての辛抱がいい結果に繋がった。こんなに公平で貴重なことはない。」
シュバランケ:
「平和な時代で楽しく毎日を過ごせますように。よく食べてよく寝て、元気いっぱい明日を迎えなさい。忘れないで、私たちはあなたを愛してる。」
パイモン:
これって昔の人たちからの伝言だよな…みんなの声がこの魂の殿堂にこだましてるんだ。
旅人:
(シュバランケは…マーヴィカの性格なら賞品を受け取らないと最初から分かっていて、あえて提案したんだ。)
旅人:
(この言葉を伝えるためだったのかな?夜神の国にいる魂の祈りを聞いたから、こういう特殊な空間まで作って、その言葉をここまで持ってきてくれた…)
シュバランケ:
マーヴィカ、感謝する。——逝ってしまった者は汝を忘れぬ。汝が彼ら全員の名前を記憶しているように。
シュバランケ:
愛する我が子、マーヴィカよ。汝も我も、神である前に、人であることを忘れるな。汝らが作り上げたこの平和の時代で、思うがままに生きよ。
マーヴィカ:
……
マーヴィカ:
…水くさいな、まったく。
パイモン:
あれ?マーヴィカ、どこに行くんだよ!
シュバランケ:
ハハッ、もう行くのか?こんな時に、せっかちなやつめ。
マーヴィカ:
ことは一段落した。今度はあなたが私についてくる番だ。
マーヴィカ:
今の体では、まだ双駆輪に乗られたことはないだろう。
シュバランケ:
双駆輪?聞いたこともないな。
パイモン:
あっ!シュバランケをツーリングに連れてくんだな!
マーヴィカ:
君たちもな。
マーヴィカ:
さあ、行こう。「思うがままに生きる」時間だ。
シュバランケと会話する
パイモン:
到着だぞ!やっふーい!
シュバランケ:
や、やっふーい!
シュバランケ:
大変面白かった、マーヴィカ…おかげで、大満足の旅であった。
マーヴィカ:
良いものは友人と分かち合うべきだ。あなたも我々の仲間だからな。当たり前のことをやったまでだ。
シュバランケ:
ハハハッ、まさか数千年後の人々の友人になれるとは。
シュバランケ:
この老いぼれに楽しい一日をくれたことに感謝する、愛する友よ。
シュバランケ:
思い返せば実に微笑ましい…初めて顔を合わせた時には、あれ程かしこまっていたのにな…ハハッ。
マーヴィカ:
そろそろ時間か?
シュバランケ:
そうだな。
マーヴィカ:
帰って来てくれてありがとう。あなたに会えたことは、私にとっても特別だった。
シュバランケ:
うむ。
シュバランケ:
では、さらばだ。これからの日々も、楽しく過ごしてくれ。
パイモン:
ちょっと寂しいけど、やっぱりお別れなんだよな…さよなら!シュバランケ!
マソウ:
……
パイモン:
あっ、目を閉じたぞ…寝ちゃったのか?
マーヴィカ:
ああ、あの方の魂はもうここにいない。
マーヴィカ:
いつの間にかすっかり暗くなったな。
マーヴィカ:
一日中付き合ってくれてありがとう。お腹が空いただろう?私たちもさっそく戻ろう。
マーヴィカ:
ああ。帰火聖夜の巡礼が終わった夜には、宴を開き、勝者を祝うのが慣例だ。
マーヴィカ:
美味い物が山ほどあるから、きっと気に入ると思う。マソウは私が連れて行こう。
後夜祭に参加する
パイモン:
だいぶ遅れてきちゃったけど、まだ食べ物、残ってるかな…
マーヴィカ:
宴はとっくに始まっていただろうが、心配ない。イアンサが食べ物を取っておいてくれるはずだ。
マーヴィカ:
イアンサは本当に頼れる子だ。大会の諸々をあの子に任せたのは実に賢明な判断だった。
パイモン:
オイラたちがすぐには帰って来れないってのも分かってたってことか?
マーヴィカ:
ああ。しばらくは帰って来ないと伝えておいたからな。
マーヴィカ:
…そうか、あれも用意してあるのか。
パイモン:
ん?
マーヴィカ:
道の脇に並んでいるものが見えるか——あれは炎を灯すためのものだ。
パイモン:
へえ、炎を灯すのか。明かりがついてないから気づかなかったぜ。
マーヴィカ:
よく見ておけ。
マーヴィカが指を鳴らすと、火鉢に炎が灯った。
パイモン:
わあー!すっごくきれいだぞ…!
旅人:
俺たち三人に用意してくれたものなの?
マーヴィカ:
あれは夜遅く帰る者のために用意する、「照夜火」と言うものだ。皆が道に「照夜火」を置き、我々の帰りを待ってくれている。
マーヴィカ:
部族に帰る者は己の手でそれに火を付ける。そうすれば、炎が行く道を照らすのを見て、その者が無事に帰ったと皆わかるだろう?
マーヴィカ:
「暗闇の中に身を置こうとも、仲間が光の下で待っていることを忘れるな。」旅に疲れたときは、この気持ちを思い出してみてくれ。
イアンサ:
お戻りですか。
ムアラニ:
炎神様!旅人とパイモンも!ずっと待ってたんですよ!肉がもう焼き上がっちゃう!
マーヴィカ:
あのお方と話し込んでしまってな、ずいぶん遅くなってしまった。
イアンサ:
いかがでしたか?
マーヴィカ:
シュバランケ様は…とても良い方だった。想像よりもずっとな。
三人はあっという間に、宴に参加している人たちに囲まれた。マーヴィカは皆を酒の席に戻してから、語り始めた——
彼女は何一つ隠さず、すべての秘密を明かした。古い太陽は一日だけ登る——それが数千年前の約束だったこと。あの方に人々の功績をくまなく伝えたこと。
そして夜の訪れとともに太陽は消え、喜びを胸に、寝込んでいる子供を背負って戻ってきたことも。
太陽が昇った時、子供は夢を見ていた。太陽が静かに沈んだ時、子供はまた眠りについた…
カチーナ:
シュバランケさまが優勝できなかったのは体のせいだったんだね…
マーヴィカ:
ああ。だが、残念に思う必要はない。あの方はそれを不満には思っていらっしゃらなかった。
マーヴィカ:
此度の旅で悟られたこともあるようだ——肉体の強さと精神の強さはともに重要であることこそ、三十二位までに入れなかったことで得た教訓だそうだ。
パイモン:
ぷっ、シュバランケが三十二位に入れなかったの、思い出すたびに、やっぱり笑っちゃうぜ。
オロルン:
肉体の強さと精神の強さ…
チャスカ:
今年優勝した、キィニチのような者のことか…?
マーヴィカ:
皆、盃を掲げよう。チャンピオンを祝う時だ。
マーヴィカ:
キィニチ、君は名実ともに戦いに長けた者だ。今回の帰火聖夜の巡礼の優勝者として、我々の祝福を受け取ってくれ!
マーヴィカ:
勝者に祝杯を!
群衆:
祝杯を!
キィニチ:
みんな、ありがとう。
シトラリ:
あのコが目を覚ましたわ!
マソウ:
うぅ…ん?ここは…
マーヴィカ:
マソウ、目を覚ましてくれたか。今は帰火聖夜の巡礼の後夜祭だ。君も選手の一人だぞ。
マソウ:
えっ?ぼ、僕がですか?
キィニチ:
ああ。長い話になるが…
アハウ:
このアハウ様の従者ですら簡単にまとめられないほどだぜ。ふん。
マソウ:
そうだったのですか。——シュバランケ様にマーヴィカ様、それから…帰火聖夜の巡礼。
マソウ:
長い夢を見ていました。夢の中で僕はすごく強くなって、高くジャンプできただけじゃなくて、岩壁を登ったり、滑るように空を飛んだり…
マーヴィカ:
夢ではない。君の体は確かに試合に参加していたからな。今の君は、もう優秀な選手の一人だ。
マソウ:
…僕が…選手…
マソウ:
実は僕、あまりにも凡庸な体で、みんなのようにはなれないかもって、両親にずっと言われてきたんです…でも今は、体が軽くて何だか飛べそうな気分です!
パイモン:
本当か?オイラみたいに飛べるのか?
マソウ:
うん!すごく嬉しいんだ。みるみる力が湧いてきて…また同じことができたらなぁ!
シトラリ:
じゃあ、よくその体を鍛えておくコトよ。来年は自分の力で選手になってみなさい。
ムアラニ:
そうそう、鍛錬に励めば、きっと大丈夫だよ!あたしたちだってみんなそうだったんだから!
オロルン:
ああ。君ならきっと立派な野菜になれる。
キィニチ:
野菜…
マソウ:
うん、僕、頑張るよ!
マソウ:
そういえば、さっき言ってた夢…続きがあったんだ。その後、どうしてか分からないけど、誰かとケンカしてた気がする…
カチーナ:
本当?相手が誰だったか覚えてる?
マソウ:
うっ…えっと…
マソウ:
確か…マーヴィカ様だった気がします。
マーヴィカ:
それは夢ではない。私は確かにあのお方とやり合っていた。
群衆:
えっ!?
マーヴィカ:
ははっ、この話はもう少し後にとっておこうと思っていたのだがな。皆、いいニュースがもう一つあるのだ。
マーヴィカ:
実は今日、ここにもう一人のチャンピオンがいる。この私と初代炎神は、互いを数千年もの時を越えた好敵手と見なし、思う存分戦ったのだ。
マーヴィカ:
その結果、私は僅差で勝利し——伝説の英雄、シュバランケに打ち勝った。
群衆:
おおー!!
イアンサ:
信じられない…あのシュバランケ様に勝ったなんて…
マーヴィカ:
この話に嘘偽りはない。何せ、我々の最高の仲間たちもその場にいたのだからな。旅人——公平な審判として、すべてを見届けてくれたな?
旅人:
コホンッ。
旅人:
俺とパイモンはマーヴィカの勝利をこの目で見届けた。
群衆:
おー!!!
群衆:
すごいぞ!本当にすごい!
ムアラニ:
みんな、もう一度乾杯しよう!今度は炎神様のために!
マーヴィカ:
それはいい。私の勝利を認め、私の武勇を讃え、私のために勝利の盃を掲げてくれ!
興奮する観客:
イェーイ!
マーヴィカ:
ふぅ。
パイモン:
すごく刺激的な一日だったな。
マーヴィカ:
ああ。こんなに充実した一日を過ごすのは久しぶりだ。色んなことをやったな。
マーヴィカ:
ああ。
パイモン:
そういやマーヴィカ、こいつ、おまえに聞きたいことがあるみたいだぜ。
マーヴィカ:
ん?
旅人:
シュバランケとあれだけ戦って…
旅人:
疲れきって、ダメかもって感じたりしなかったの?
マーヴィカ:
……
マーヴィカ:
しない。戦いに、そんな暇はないからな。
旅人:
(あれ?これってあの時聞こえた…)
旅人:
(やっぱり、マーヴィカは俺の考えが分かってたのかな?)
マーヴィカ:
夜はまだまだ続く。さあ、乾杯しよう。