arrow_back Genshin Impact Quests
流れゆく色の記憶 第三幕
七彩の戦いの真相
Quest List
「謎煙の主」でたまたまファデュイの部隊を見かけ、その雇い主とも知り合った。その流れで、フォンテーヌ人からの依頼を受けることに…
「謎煙の主」へ向かう
パイモン:
えっ?あそこにファデュイがいるぞ?
パイモン:
なんだか怪しい…なにをしてるのか見に行ってみようぜ。
パイモン:
ところで、あいつらどうやって入ったんだろ?ここって謎煙の主の集落なのに。
パイモン:
そっか…今ナタに残ってるファデュイってみんな「隊長」の部下だもんな?たしかに、あいつらは英雄の部下って言えるけど…
パイモン:
でも、これまでのイメージも払拭しきれないっていうか…ここであいつらを見かけるのは、やっぱ妙だぞ…ちょっと話を聞いてみようぜ!
怪しいファデュイに事情を聞く
パイモン:
なあ…おまえたち、ここでなにしてるんだ?
???:
あん?モラをもらって仕事をしてただけだ。文句があんなら雇い主に言え。
パイモン:
なんだよその態度…ファデュイも雇われたりするんだな?
???:
…コホン!彼はグルドック、私が雇ったボディガードだ。どうやら人付き合いが苦手なようでね。いやはや、お二人には恥ずかしいところを見せてしまった。
???:
最初はナタの地元民を雇おうとしていたのだが、ある祭司からの推薦なんだよ、彼とその小隊は。
???:
彼らにはちょうど時間があり、戦闘経験も悪くない。私の要望に合っていたし…ナタじゃファデュイの評判もよさそうだったのでね。
パイモン:
なるほどな…ところでおまえって、フォンテーヌ人だよな?
モンリュソン:
ああ、私はモンリュソン、フォンテーヌ出身で出版業に就いている。お二人はもしや…噂の旅人とその仲間の精霊だろうか?
パイモン:
オイラたちのことを知ってるのか?
モンリュソン:
金髪の旅人に、空飛ぶ銀色の仲間…ああ、間違うはずもないさ。
モンリュソン:
君たちがフォンテーヌで残した実績の数々は、本にすればベストセラー間違いなし、しかもシリーズ化できるほどのものだ。書籍を扱う人間として、知らないわけがないだろう?
パイモン:
オイラたちってやっぱり有名なんだな、旅人!
モンリュソン:
実に運がいい——さっきまでお二人を探しに行こうかと悩んでたところなんだ。急な話で申し訳ないんだが、少し頼みたいことがあってね…
パイモン:
なんかまるで、フォンテーヌの依頼人がナタまでオイラたちを追いかけてきたみたいだな…
モンリュソン:
依頼が完了したら、報酬はたんまり払おう!
パイモン:
…気前がいいな。とりあえず話だけでも聞いてみるか?
パイモン:
ええと…オイラたちになにをしてほしいんだ?
モンリュソン:
お二人はシトラリ殿のことを知っているだろうか?どうしてもあの大シャーマン殿に協力を仰ぎたくってね!
パイモン:
うーん…さすがにオイラたちの仲でも、知らないやつの頼みごとは難しいよな?
旅人:
あの性格だし、厳しいだろうね…
パイモン:
その、あいつは知らないやつとあんま関わりを持ちたがらないんだ…
モンリュソン:
ああ、それはすでに謎煙の主の人間から聞いた。彼女に頼みごとをできるとすれば、それは「金髪の旅人」しかいないこともな。
モンリュソン:
手伝ってくれるなら、報酬は相場の二倍にしよう!
パイモン:
……
旅人:
その協力してもらいたいことって?
パイモン:
そうだな…シトラリにどんなことを頼みたいんだ?念のため教えてくれ。
モンリュソン:
…これは話すと長くなるんだ。謎煙の主の歴史に関することでね…ここは専門家に説明してもらおう——アリエ、頼む。
アリエ:
はい!普段はこんな話を聞いてくれる人、滅多にいないんですけど…初めまして、僕はフォンテーヌ科学院の研究員、アリエ。
アリエ:
多くの研究員とは違い、僕は古代遺跡の研究にも興味があるんです。そこを買われて、モンリュソンさんに誘われまして。
アリエ:
お二人は伝説のシャーマン、ウィツィリンについて聞いたことはありますか?
アリエ:
現在入手できるナタの史料によると、彼女は二百年以上も昔の人で、色に関する秘術に長けていたとのことです。
アリエ:
そして、彼女の功績の中で最も有名なのが伝説の「七彩の戦い」。
アリエ:
それはアビスの侵攻により引き起こされたもので、その凄惨さはナタの戦争史においても、トップレベルだったといいます。
アリエ:
ですが驚くべきことに、ナタは極めて不利な状況から戦局を逆転させました。そして勝利の鍵となったのが、まさにウィツィリンが戦場で作り出した「色」なのです。
アリエ:
その「色」はとても不思議なもので、幻のようにも実体があるようにも見えたといいます。ウィツィリンはそれを使って、美しい迷宮を作り出しました。
アリエ:
凶暴な敵は全員迷宮に閉じ込められ、仲間たちはウィツィリンの指揮のもと反撃に転じ、最終的に勝利を収めました…
モンリュソン:
コホンッ…説明は大体で構わないよ。旅人の時間を無駄にしてはならないからね。
モンリュソン:
今話した物語こそ、私がナタに来た理由だ。他の国の歴史を集め、本にして出版するのが好きでね。幸い、そういう本はよく売れる。
モンリュソン:
その物語を聞いたとき、今後出版する本に収録しようと考えたんだが…
モンリュソン:
ナタの史料に詳しい記述がないんだ。私の部下も当時の戦場を特定できなかった。「七彩の戦い」が起きたという証拠もいまだ見つかっていない。
モンリュソン:
それに謎煙の主の中には、「七彩の戦い」を作り話だと言い、その真偽を疑う人もいる。
モンリュソン:
それでは、とても本には入れられない。
パイモン:
えっ?本に書く物語なのに、実際に起こったって証拠が必要なのか?
モンリュソン:
ああ、私が出す本の最大の売りは「歴史を忠実に再現する」ことなんだ。証拠はもちろん必要不可欠さ。
モンリュソン:
だから私はここに来た——謎煙の主は歴史を記録する習慣があると聞いてね。彼らの史料を調べたいと思ったのだよ。
モンリュソン:
だが結局、「黒曜石の祭場」とやらは立ち入り禁止だったし、苦労して申請しても普通のウォーベンしか見せてくれなかった。それで何の研究ができる?私なら彼らの歴史を広める手伝いができるというのに…
アリエ:
僕の知る限り、謎煙の主にとって歴史を記録するウォーベンは神聖なものですし、そう簡単に余所の人間には見せられないでしょう。
アリエ:
ウォーベンに含まれる情報は膨大です。それをじっくり調べることができれば…
モンリュソン:
アリエ、その話はもう済んだだろう?もっといい方法があるんだ。そこに時間を割く必要はない。
パイモン:
もっといい方法?もしかして…
モンリュソン:
ああ。周知のように、シトラリ殿は二百年以上も生きてきた大シャーマン。つまり「七彩の戦い」が起きた時代も生きていたことになる!
モンリュソン:
もし彼女を顧問として雇えれば、史料を研究する必要もなくなるだろう。
パイモン:
なるほど…
モンリュソン:
どうだ?報酬はさらに倍にしてもいい!
パイモン:
手伝いたくないわけじゃないけど…
パイモン:
あっ、そうだった!前に謎煙の主の族長に託された使命って、ウィツィリンが大きく関わってるんだよな。
パイモン:
「七彩の戦い」の裏には、オイラたちの知りたい情報が隠されてるかもしれない。
パイモン:
よし、手伝ってやるぞ。でもシトラリとの交渉はすべてオイラたちに任せてくれ。
モンリュソン:
ああ、それで構わない!
シトラリの家に向かう
モンリュソン:
ここがあの大シャーマン殿が住んでいる場所…?あまりにも辺鄙すぎないか?道を聞いた人に騙されてないといいんだが…
パイモン:
シトラリなら、こういうところに住んでてもおかしくないとは思うけど…
アリエ:
壁にあるラクガキは大シャーマンが描いたものでしょうか?部族の文化と関係があるかもしれません!模写しておけば…
モンリュソン:
アリエ、用事が先だ。さて約束通り、彼女との交渉は君たちに頼んだよ。私たちはここで待っていよう。
パイモン:
おう、任せろ。行こうぜ!ただあいつ…二日酔いじゃなきゃいいけど…
パイモン:
シトラリ、いるか?ちょっと頼みたいことがあるんだけど!
パイモン:
…返事がない。いないのかな?
旅人:
呼び方を変えてみたら?
パイモン:
おーい、黒曜石の老婆、いるかー?
急にドアが開き、酒の匂いが漂ってきた。
シトラリ:
このスットコドッコイ!試練を受けるなら前もって…
旅人:
(シトラリって普段、こんなにダラしないんだ…)
シトラリ:
…た、たたた旅人っ!?
ドアがまた「バンッ」と閉じられた。
ドアの向こうから、何かを片付けるような音が聞こえてきた…
パイモン:
…タイミングが悪かったかもな。
シトラリ:
オホンッ…まだいるかしら?さ、もう入ってダイジョーブよ!
パイモン:
ふぅ、断られなくてよかったぜ…
シトラリと会話する
パイモン:
えーっと…ここがシトラリの家なんだな…
シトラリ:
あぁ…そうすぐ片付くワケもなかった…ナ、ナニか感想があるならご自由にどうぞ!謎煙の主の大シャーマンは、つまらない家事に時間をかけたりしないの。
シトラリ:
それに、いつも部屋をキレイに片付けてるようなヒトが、娯楽小説の主人公になれるハズもないでしょ?
シトラリ:
そもそも!ワタシは俗世から離れたのであって、ダラしないワケじゃないのよ!
パイモン:
シトラリのやつ、オイラたちにどう見られるかすごく気にしてるみたいだな?
シトラリ:
ところで以前、巫術で感覚を共有したときに副作用があったでしょ。あれはもうヘーキ?
シトラリ:
ワタシって大シャーマンだし、相応のセキニンってものがあるから。念のため、確認しておかないと…ね?
パイモン:
おまえの心の声が聞こえたことだよな?ずいぶん経ってるし、もう大丈夫だぞ。心配いらないぜ!
シトラリ:
じゃあ、どうしてワタシに旅人のココロの声が聞こえるの?
パイモン:
えっ?
旅人:
(心の声が?でもシトラリならもっと平然とした態度でいると思ったけど…だって「俗世から離れた」わけだし…)
シトラリ:
イマも聞こえてるからね!
旅人:
ご、ごめん…
シトラリ:
ま、いいわ。どうにかするから——フン、前はこっちのココロの声がダダ漏れで、今度はそっちだなんて…
シトラリ:
感覚を共有する巫術を使っただけなのに…はぁ、一体どんな体質ならこんなフクザツな副作用が出ちゃうワケ?
シトラリ:
…で、今日はどうしたの?
パイモン:
おう、実はおまえを顧問として雇いたいってやつがいるんだ。ナタの歴史について調べてるみたいでさ。
シトラリ:
フーン、ナタを救った英雄に頼んでまで、ワタシを雇いたいと。そのヒトは、ワタシがメンドーごとを嫌ってるってよく分かってるようね。
パイモン:
しかも、報酬も太っ腹だぞ!
シトラリ:
だが断る。忙しいの。
パイモン:
どう見ても忙しそうには見えなかったけど…やっぱりいくらオイラたちの仲でも、知らないやつの手伝いはしてくれないか…
旅人:
俺からもお願いしたい。
シトラリ:
キミのオネガイ…
パイモン:
そうそう。実はこの間、神聖な使命を受けてな——謎煙の主のために、歴史を記録する特殊なウォーベンを作るんだ!
シトラリ:
えっ?今回選ばれたのはキミたちなの?
パイモン:
オイラたちも驚いたぞ。だって、そのウォーベンの作り方なんてまったく知らないし…
パイモン:
でも族長のビラムの助けもあって、ちょっと進展があったんだ。
パイモン:
まあ、結局成功しなかったけど…ただ少なくとも、ウォーベンを作るカギは、特殊な「色」にあるってことはわかったぜ。
パイモン:
ちょうど、さっき話したやつらが調べたいことも色と関係してるみたいでさ…もしシトラリが手伝ってくれたら、オイラたちも助かるんだ!
シトラリ:
……
パイモン:
どうしたんだろ?また「あの顔」になってるぞ…オイラの説明がわかりにくかったのかな?
シトラリ:
これって超展開?それとも伏線回収ってやつ?
パイモン:
ええと…なに言ってんだ?やっぱダメなのか?
シトラリ:
…ちょっと考えさせて…
パイモン:
おおっ、いけそうだぞ!
外から慌ただしいノック音が聞こえた…
グルドック:
おいッ!まだまとまんないのか?手伝うか、手伝わないかさっさと決めろ!
パイモン:
おい…交渉はこっちに任せるって約束だろ?
シトラリ:
ハァ…
パイモン:
あ、シトラリ!
シトラリが出ていったため、急いで追いかけた。
シトラリを追いかける
モンリュソン:
グルドック、モラを払うのは私だぞ。待つのも仕事のひとつだと思え。さあ、下がるんだ!
グルドック:
へい、へい。
モンリュソン:
齢数百の大シャーマン殿がこんなにも…おっと失礼。お騒がせして申し訳ありません。臨時で雇ったので、しつけが行き届いていないんです。
パイモン:
ふぅ…シトラリが手を出さなくてよかったぞ…
モンリュソン:
こうしてお会いできましたし、少しお話を…
シトラリ:
黒曜石の老婆がどんな人物か聞いたコトある?キミたちのチンケな芝居に騙されるとでも?
モンリュソン:
うっ…その…
シトラリ:
キミと話すつもりはミジンもないの。さっきどう返事するか考えてるときに、キミの部下にジャマされたから——
シトラリ:
——もしまた同じコトをしたら、ホラー小説にも書けないような悲惨な末路を辿るコトになるって伝えに来ただけ。
パイモン:
う、うわぁ…
シトラリ:
旅人、戻ってハナシを続けましょ。
モンリュソン:
さすがは黒曜石の老婆。大変失礼いたしました。ですが、「七彩の戦い」ですらあなたの興味を惹けないとは、思いもしませんでした…
シトラリ:
…調べたいのは「七彩の戦い」なの?
モンリュソン:
旅人からまだ詳細を聞いていないのですね?
モンリュソン:
実はあなたに依頼しようとしたのは、旅人が仲介に応じてくれたからだけではなく、この件があなた自身にとっても、大事なことだと思ったからです。
モンリュソン:
ウィツィリン——かの大シャーマンとは旧友だと聞きました。彼女のことをあなたはよくご存じでしょう。
モンリュソン:
「七彩の戦い」の真偽を明らかにし、論争を収められたら、私はそれを本にまとめます。そうすれば、テイワット全土に伝説のことを知ってもらえる…
モンリュソン:
亡き友人の輝かしい功績も、あなたの口を経て再びこの世に届くんです。実に美談でしょう?そう思いませんか?
シトラリ:
キミの使命というのなら…分かった。調査を手伝ってあげる。
モンリュソン:
ありがとうございます…
シトラリ:
そういうのは結構。キミの依頼を受けたつもりはないから。ワタシが手伝うのはあくまで旅人。キミたちはつ・い・で。
パイモン:
シトラリ、やっと引き受けてくれたな…
旅人:
(これもシトラリとの絆のおかげだ。それにこう見えて、シトラリは薄情者じゃないし。)
シトラリ:
ワタシのコトをそんな風に思ってるの?
モンリュソン:
…構いませんとも。私も旅人と協力して進めるつもりでしたので。
モンリュソン:
さて、さっそく質問をさせてください。あなたは「七彩の戦い」を経験されたのですか?戦場はどこだったのでしょう?あの戦争が起きたことを証明できる遺物は?
シトラリ:
ウルサイ…
モンリュソン:
ええと…
旅人:
俺も知りたい。
シトラリ:
戦いには参加してないし、戦場も遺物も知らない。
モンリュソン:
え…
シトラリ:
確かに彼女と同じ時代を生きたけど、だからと言って同じコトを経験したワケじゃない。ただ少し長生きなだけ。何でも知ってる歴史書じゃないのよ、ワタシは。
シトラリ:
調査の方向性はキミたちで決めてちょうだい。ワタシの知ってるコトなら、答えてあげるから。
モンリュソン:
…分かりました。「七彩の戦い」の経験者ではないとのことですが、あなたはあの時代を生きたお方。その言葉は必ず役に立つでしょう!
モンリュソン:
アリエ、君はどう調査したらいいと思う?
アリエ:
僕ですか?…謎煙の主には歴史を記録する人がいると以前の調査で分かったので、その人に聞いてみるのはどうでしょう。
モンリュソン:
では、そこから攻めるとしよう!
モンリュソン:
旅人、引き続き協力を頼む。大シャーマン殿の助けを得られるのは、君しかいないからな。
旅人:
分かった。
シトラリに根気よくお願いした結果、やっと首を縦に振ってくれた。だが、「黒曜石の老婆」が与えてくれたのは協力関係だけではなかった…
シトラリと一緒に調査する
パイモン:
まるで他人事って感じだな…
シトラリ:
「七彩の戦い」はワタシもハナシに聞いた程度で、うちの部族のヒトよりも詳しいワケじゃないの。
パイモン:
そうなのか?でもどうして?
シトラリ:
あの戦いを経験してないし、それにナニも教えてもらってないのよ、彼女から。
パイモン:
でもモンリュソンの話だと、ウィツィリンと仲がよかったんだろ?自分の武勇伝をおまえに聞かせたりしなかったのか?
シトラリ:
仲がいい?もうちょっと調べたら、ウィツィリンが当時、ワタシの一番のライバルだったと分かるハズよ。
シトラリ:
家の壁にラクガキがあったでしょ?あれはベツにワタシが気まぐれで描いたものじゃないの。
シトラリ:
ウィツィリンの流派に弟子入りしたシャーマンはみんな、卒業前に厳しい試練をクリアしないといけない——その試練とはワタシに勝つコト。
シトラリ:
挑発的な意味を含んだあのラクガキは、彼女の弟子たちが残した挑戦状なの。
旅人:
そうだったんだ。
シトラリ:
ええ。もちろん、誰もクリアしたコトはないけど。
シトラリ:
ウィツィリンが亡くなった後、その弟子たちは「やむを得ず」試練の基準を変更したの——ワタシの前でジューブンな時間を耐えられればいいってね。
旅人:
確かに基準を変更しないとだね…
シトラリ:
彼女がワタシを上回ったのは、後にも先にもあの「七彩の戦い」だけよ。とっておきの秘術でも使ったんでしょう。
シトラリ:
そう考えると、ワタシにジマンせず黙ってたのも頷ける。もしその秘術を知られたら、唯一勝てる部分を漏らすコトになっちゃうんだもの。
パイモン:
なるほどな。
シトラリ:
ま、そこはどうでもいいの。さっきも言ったけど、今回手伝うのは、キミたちが使命を果たせるようにするためだから。
旅人:
(俺のことを特別に思ってくれてるんだ。)
シトラリ:
ヘ、ヘンなコト考えないで…この件は謎煙の主にとっても重要だし、大シャーマンであるワタシが黙って見てるワケにもいかないでしょ?
旅人:
(その責任感が家事にも向いてくれたら…)
シトラリ:
ナ、ナニよ?シャーマンの修行に家事があるっていうの?
旅人:
(……)
シトラリ:
ココロの声が漏れてるのはキミなのに、どうしてアタフタするのは相変わらずこっちなワケ…早くこの副作用をどうにかしないと…
パイモン:
ぷっ——
モンリュソン:
すみません、大シャーマン殿。少し困ったことがありまして、手を貸していただけないでしょうか?
旅人:
お願い、大シャーマン!
シトラリ:
はぁ、分かった…
アティク:
——いいや、「七彩の戦い」は確実にあった!ウィツィリンが不思議な色で迷宮を作って、敵軍を囲んだっていうウォーベンがあるんだからな!
バドゥルー:
それはただの想像に過ぎないだろう?ウォーベンの絵の解釈は一通りだけじゃないんだ。色で迷宮を作る?ふっ、ありえないな。
アティク:
ウィツィリンはあの時代で一、二を争うシャーマンだった。彼女ならできるはずさ!
バドゥルー:
問題はそこだ。ウィツィリンには弟子が大勢いる。そのような秘術があれば、必ず受け継がれてるだろう。
バドゥルー:
だというのに、そんな秘術を使えるというシャーマンは聞いたことがない!
アティク:
そりゃもちろん、秘密にしなきゃいけないからだろ。秘術を使えたとしても、関係のない人に見せないはずだ!
バドゥルー:
まったく!
アティク:
フンッ!
アリエ:
落ち着いてください。僕はただ「七彩の戦い」の真偽を証明する手がかりがないか、聞きたかっただけなんです。
アティク:
「七彩の戦い」の真偽?証明するまでもないだろ?
バドゥルー:
すまないね、うちの部族の人間は保守的なんだ。時代遅れってやつさ。これ以上調べても、伝説の穴が見つかるだけだろうから、もうやめてやってくれ。
アリエ:
ケンカしないでくださいよ…
パイモン:
「七彩の戦い」の論争って、こんなに激しくなるもんなんだな?
シトラリ:
ワタシが時代に追いついてないのかしら?今のコドモたちって、こんなコトでケンカするの?
モンリュソン:
こういった問題があるから、「七彩の戦い」を本に収録できないんです。
モンリュソン:
肯定側も否定側も証拠を提示できない…どうすればいいのでしょう?
シトラリ:
確かにウィツィリンはワタシと正反対で、弟子を取るのが好きだった…「七彩の戦い」で使った秘術も彼女の自信作だろうし、次の世代に残さないワケがない。
シトラリ:
ただ、戦争の勝敗を動かすほどの秘術なら、弟子たちがタカラモノのように扱い、誰にも見せたがらない可能性はある。
シトラリ:
ここは弟子たちに聞いてみるのがよさそうね。秘術の存在を確認できれば、それを足がかりに戦いのコトも調べられるハズよ。
モンリュソン:
しかし私の知る限り、ウィツィリンの流派のシャーマンは、その多くが謎煙の主で高い地位に就いています。私たちのような部外者と気軽に会ってくれるかどうか…
シトラリ:
確かに「黒曜石の祭場」は部族の者じゃないと入れない場所ね。とはいえ、ワタシが行くとなると…
パイモン:
なにか問題でもあるのか?
シトラリ:
ウィツィリンところの弟子はイマ、その大半が祭司なの。普段は尊敬されてるけど、ペーペーだった頃はワタシにコテンパンにされたものよ。
シトラリ:
彼らはワタシの試練に長時間耐えたコトで、祭司になる資格を得たってワケ。
シトラリ:
もしそんなワタシが急に現れたらどうなる?ハナシを聞くどころか、一目散に逃げるでしょうね?
パイモン:
それはあり得るな…
旅人:
(逃げる?シトラリってまるで大魔王みたいだ…)
シトラリ:
ただの比喩よ。想像するならもっとベツのにしてちょうだい!
シトラリ:
そんなジョーダンを言えるのもキミくらいね…まあ、手伝うって約束したんだし、出来る限りのコトはしてみましょう。シッパイしてもワタシのせいにしないでよ。
パイモン:
じゃあ、おまえたちはここで待っててくれ!
モンリュソン:
ああ、頼んだよ!
黒曜石の祭場に向かう
シトラリ:
フーン、ちょうど祭祀の時間みたいね?
カホロム:
黒曜石の老婆!?
アイワスティン:
な、なぜここに?
ベスーチ:
挑戦状を出しといて、すっぽかした子でもいたとか?
チョガン:
いや、とうとう謎煙の主の統治を宣言しに来たんじゃないか!?
パイモン:
ビビりすぎだろ。こいつらには、ほんとにシトラリが大魔王に見えてるんだな…
カホロム:
何があろうと、祭司としての尊厳は死守します!
シトラリ:
へぇ、よく言えたものね。現職の祭司の中で、ワタシにイチバン負けてるのはキミなのに。
カホロム:
だ、だとしてもです…
シトラリ:
それより、ちょっと聞きたいコトがあるの…
アイワスティン:
な、なんだ?尋問か?
ベスーチ:
きっとラクガキの挑戦状を描いたのに、大人しく試練を受けなかった子がいたのよ。
チョガン:
…今から逃げても遅いだろうか?
旅人:
そう怖がらないで。
パイモン:
そうそう。ナタの英雄の旅人がいるんだから、黒曜石の老婆だって暴走しないぞ。
シトラリ:
もう、勝手に言ってなさい…
カホロム:
あ、ああ、旅人とその仲間もいたんだな。それなら少しは安心だ…どういったご用件で?
パイモン:
ウィツィリンから受け継いだ秘術について聞きたいんだけど…
アイワスティン:
もしや、俺たちの流派を根絶やしにするつもりか?
ベスーチ:
師匠の指示どおり、試練の相手としてずっと挑み続けてきたけど…とうとう飽きられちゃったとか?
シトラリ:
それはその通りだけど。
チョガン:
流派を守るためにも、最低一人は逃げきらないと!
パイモン:
なんでそうなるんだよ…シトラリ、一体どんだけトラウマを植え付けたんだ?
旅人:
(過去にシトラリに負けたからって、そこまで怯えなくても…シトラリって、すごく親しみやすいし尊敬できるのに。)
シトラリ:
ふ…フンっ!コ、ココロの声だからって、好き勝手ヘンなコト言わないで!
シトラリ:
ワタシは黒曜石の老婆——名前を聞けば泣くコも黙っちゃうんだから…ワタシを「親しみ」、「尊敬」できる度胸を持つヒトなんていないハズよ。
旅人:
(…その度胸ならあるけど。)
シトラリ:
~~~ッ!使命はともかく、早くこの副作用をどうにかしないと!
カホロム:
すみません、もし私たちに秘術を伝承する資格があるかを試されたいのなら…諦めるつもりはありません!
パイモン:
ぜんぜん話を聞けそうな状況じゃないな…旅人、どうする?
旅人:
ちょっと考えさせて…
トラポ族親:
——!
シトラリ:
えっ?このコって…
カホロム:
トラポ様…瞑想の邪魔をしてしまい申し訳ございません。どうかお許しください。
トラポ族親:
……
アイワスティン:
今のって、トラポ様のお告げか?
ベスーチ:
…ええと、今のをあえて言語化するなら…「友達」?
チョガン:
トラポ様は、黒曜石の老婆のことを友達だと思うようにと、そうおっしゃっているのか?
カホロム:
どう考えてもそんなわけないだろう?
ビラム:
まったく…謎煙の主の祭司ともあろうものが、このような失態を見せるとはね。
カホロム:
族長…
ビラム:
まさか、あなたがここにいらっしゃるとは思いませんでした…お迎えできず申し訳ございません。
シトラリ:
…ワタシだって来たくなかったのよ、こんなヒトが多い場所。ま、挨拶はいいから、ちゃっちゃと用事を済ませたいんだけど。
ビラム:
かしこまりました——みんな、ウィツィリンの技を受け継いだ者として、黒曜石の老婆との間に揉め事が多いのはよく知っている。
ビラム:
だが族親のトラポ様のお告げは、いつだって正しい道を示してくれた。トラポ様の言葉を信じてほしい。
ビラム:
黒曜石の老婆との話が終わるまで、騒がず静かに待つように。いいね、みんな?
パイモン:
ふぅ…トラポと族長が取り持ってくれてよかったぜ。
シトラリと会話する
パイモン:
よっ、トラポ!
旅人:
久しぶり。
トラポ族親:
——!
パイモン:
こいつも喜んでるみたいだな!
シトラリ:
キミたちに使命を与えたのは、このコね?
パイモン:
おう、トラポからのお告げなんだぜ!
シトラリ:
トラポね…ワタシはクローって呼ぶほうが慣れてるけど。
トラポ族親:
……
シトラリ:
イマはイクトミ竜の族親でしょ、ワタシに甘えないで。キミの威厳は謎煙の主にとって大事なものなんだから。
トラポ族親:
……
パイモン:
あれ?トラポと仲がよかったんだな?
シトラリ:
…知り合った頃は、このくらい小さかったんだけどね…このコはウィツィリンの竜だったの。毎日ウィツィリンと一緒にワタシのところに来てたから、いつの間にか仲良くなって。
旅人:
ウィツィリンとも仲がよさそう。
シトラリ:
ケンカを売りに来てたのよ。まあ、彼女はトモダチだって言ってたけど。当時、ワタシのトモダチになる勇気を持ってたのは彼女くらいね。
パイモン:
シトラリは長生きなんだし、友達も多いんじゃないか?
シトラリ:
…トモダチは、時間と共に減っていくのよ。
パイモン:
あ…
シトラリ:
本題に戻りましょ、昔話はキライなの。
トラポ族親:
……
シトラリ:
二百年以上も経ってるのに、まだ諦めてないのね、クロー。
トラポ族親:
……
シトラリ:
まだ決心がついてないの…キミもそろそろ戻らないと。行きましょ、旅人、パイモン。
ビラムと会話する
パイモン:
よう、ビラム!
旅人:
こんにちは。
パイモン:
そういえば前回失敗してから、ぜんぜん話してなかったな。
ビラム:
二人とも使命のことを忘れていなかったんだね。本当にありがたいよ。
パイモン:
へへっ、それにいいニュースがあるぞ。手がかりをひとつ見つけたんだ。
ビラム:
ほう、聞かせてくれないか?
パイモン:
おう、手がかりは——「七彩の戦い」だ!
ビラム:
ウィツィリンを一躍有名にしたあの戦いだね?なるほど、調べる価値はある…しかし、あの戦いはあまりに古い。そう簡単にはいかないだろう。
パイモン:
確かに大変そうだけど、シトラリが手伝ってくれることになったんだ!
ビラム:
それはよかった。以前、私も頼んだことがあったんだが、なかなか実現しなくてね。二人とも、この機会をぜひ活かしてくれ。
シトラリ:
ナニよ、遠まわしに文句を言ってるの?一応言うと、過去の族長たちにも頼まれたコトがあったけど断ってたからね。
ビラム:
いえいえ、文句だなんてそんな!協力をしていただけなかった私は、族長失格だと思っただけです。
シトラリ:
…で、パイモンから聞いたけど、このコたちと例のウォーベンの作り方を調べたんだって?
ビラム:
ええ、それも私の責務のひとつですから。
シトラリ:
なんでそんな余計なコトをしてるワケ?毎回、ちゃんと完成させられてるでしょ。ムダな時間をかける必要なんてないと思うけど?
ビラム:
しかし、この件はナタ全体の歴史に関わるものです。歴史とは、部族の「記憶」と言えます。
ビラム:
「記憶」が謎煙の主にとってどれほど神聖なものか、あなたは私よりもよくご存じでしょう。このような大事なことを根拠のない言い伝えに委ねるわけにはいきません。
ビラム:
黒曜石の老婆は謎煙の主の大祭司、日常の雑務に関心を持たれたことはないと思いますが、大事なことを粗雑に扱わないと信じております。
シトラリ:
それは、分かってる…
旅人:
シトラリ、何か悩んでる?
シトラリ:
よりによって、今回はワタシのココロの声が聞こえないなんてね…
旅人:
(族長が敬語で話してくるから、年増に見えないか心配してるとか?)
シトラリ:
そんなワケないでしょ!
パイモン:
えっ?
シトラリ:
コホン、気にしないで。ワタシがいれば、キミたちは必ず使命を果たせる。ビラム、キミもそうシンパイしないでちょうだい。
ビラム:
はい、ありがとうございます。
祭司たちに情報を聞く
カホロム:
……
カホロム:
その…ウィツィリン様の継承者に足る資格があるかを試したいのでしょうか?
シトラリ:
それは前に試したでしょ?まあ、彼女の継承者っていう観点なら、一人も合格できないと思うけど。
シトラリ:
ただ聞きたいコトがあるだけよ。ショージキに答えてくれればそれでいいから。
カホロム:
分かりました…何を聞きたいのでしょう?
シトラリ:
「七彩の戦い」は知ってる?
カホロム:
もちろんですとも。あれはウィツィリン様の名を轟かせた戦い、謎煙の主の歴史に刻まれた不朽の伝説ですから!
シトラリ:
じゃあ最近、部族でその真偽を疑ってるヒトがいるのも知ってるかしら?
アイワスティン:
確かに数日前、それについて議論しているのを聞きました…
ベスーチ:
ひどい話ですよね。だって、疑っていいことじゃないでしょう?
チョガン:
まあ、このところ観光客がだいぶ増えましたし、外の人間と交流するうちに、変な考えが生まれてもおかしくはありません。
チョガン:
何しろ、あの戦いを経験した者は全員地脈に帰りましたから。嘘っぱちだと言われても、反論のしようがない。
シトラリ:
そう、知ってるならよかった。聞きたいのはまさにその「七彩の戦い」の真偽に関するコトなの。
カホロム:
あの…ウィツィリン様とライバルであったことは知っていますが…かといって、あの方を有名にした戦いを疑うのは筋違いなのでは…?
シトラリ:
ナニ言ってるのよ?彼女がキミたちと同じ、試練に耐えられないような根性ナシだと思う?
カホロム:
そ、そんなことありません…
シトラリ:
だったら、最後までハナシを聞いてちょうだい。あの戦いで、ウィツィリンはとある秘術を使ったとされてる——戦局を変えられるほど強大な秘術をね。それはきっと彼女の切り札だったんでしょう。
シトラリ:
ウィツィリンなら、その秘術を必ず後世に残すハズ。それを受け継いだのは誰?
カホロム:
それは…聞いたことがありませんね。
シトラリ:
隠してもムダよ。それとも、まさか黒曜石の老婆が秘術を盗みに来たとでも思ってる?その秘術をワタシが知っていようがいまいが、キミたちには負けないのに?
カホロム:
それについては確かにそうですが…戦局をひっくり返す秘術など、本当に知らないのです。
シトラリ:
ハァ…一体どういうコト?彼女が秘術を残さないワケないのに…
カホロム:
あの方が後継者に託した秘術はとても複雑なもので、一人の弟子がすべてを習得することはありませんでした。それどころか、そのごく一部を習得するだけで大変苦労した人もいます。
カホロム:
そこであの方は仕方なく多くの弟子を取り、自分の知識を細かく分けて伝授したのです。
カホロム:
ですから、たとえ私たちがウィツィリン様の流派を代表する者であっても、習得した秘術があの方の残したすべてかどうかは保証できません。
カホロム:
ウィツィリン様の後継者にはシャーマンの一族がいたと記憶しております。ただ、それも数年前に没落して、祭司を継ぐ資格もなくしていますが…確かエチェミンという名前だったかと——その人に聞いてみてはどうでしょう?
パイモン:
でも、そのシャーマンの一族がほんとにそんな強力な秘術を受け継いでたら、没落なんてしなかっただろ?
カホロム:
しかし現状、私が思いつく手がかりはそれくらいでして…
シトラリ:
…まあ、そのヒトを訪ねてみましょう。住所を教えてもらえる?
カホロム:
はい、地図にマークしておきます。
シトラリ:
…ちょっと雲行きが怪しそうね。
旅人:
でも、シトラリはすごく頑張ってくれてる。
シトラリ:
それは、キミが「オネガイ」って言ったからでしょ?そのコトバの重みが分からないなんて言わないでよ。
モンリュソン一行と合流する
先ほど聞いた情報をモンリュソンたちに伝えた。
モンリュソン:
…ということは、「七彩の戦い」が実際にあった可能性は低くなってきたと?
シトラリ:
そうね。
モンリュソン:
…もし調査により、たとえ「七彩の戦い」を否定することになっても、私は真実を突き止めなければならない。
モンリュソン:
きっかけは商業で成功を収めるためだったとはいえ、私にも求めているものがある。歴史の真実はいつも私を魅了してやまないのだ。
アリエ:
モンリュソンさん!まさにそこです、僕があなたについていくと決めた理由は!
シトラリ:
ハナシの腰を折らないでくれる?ワタシはただ状況をセツメイしてるだけであって、意見を聞いてるワケじゃないの。キミたちが調査を続けるかどうかはどうでもいい。
モンリュソン:
うっ…
シトラリ:
旅人、ワタシにお願いした当初の目的は、例のウォーベンを作る使命を果たすためよね?
シトラリ:
「七彩の戦い」を調べるのがそれに繋がると考えるのは分かる。でもさっきのハナシを聞く限り、そのやり方じゃダメかもしれない。
シトラリ:
時間をムダにしたくなかったら、調べるのはやめておきなさい。その代わり、ベツの方法を考えてあげるから。
モンリュソン:
旅人、約束した報酬は必ず支払う。何ならもっと上乗せしたっていい!
シトラリ:
どうして?
旅人:
ウィツィリンの過去に関わることだから。
パイモン:
あ、そういえば!前にウィツィリンの話をおまえから聞いたとき、なんか思い悩んでるみたいだったよな?
シトラリ:
え…そうだったかしら?
パイモン:
ウィツィリンはおまえのことを友達だって言いながら、ケンカばっか売って、自分の武勇伝も聞かせなかったんだろ?
パイモン:
「七彩の戦い」の裏になにがあったのか調べれば、おまえの悩みも晴れるかもしれないぜ。
シトラリ:
ワタシの悩み?二百年越しのフラグ回収なんてさすがに遅すぎるでしょ…まあでも、キミが調べたいって言うなら…
モンリュソン:
ありがとうございます!
パイモン:
じゃあ、没落したっていうシャーマン一族のところに行って、話を聞いてみようぜ!
シャーマン一族を探す
パイモン:
こんにちはー!おまえがエチェミンか?
エチェミン:
はい、そうですが…って、黒曜石の老婆!?
シトラリ:
もう、ほら立って…こんなヒトの多い市場で腰を抜かすなんて、こっちがハズかしくて隠れたいくらいよ。
エチェミン:
失礼しました…わたしの祖父の代から、あなたのところで試練を受けるのをやめたんですけど…何か怒らせるようなことをしてしまったのでしょうか?
パイモン:
世代を超えたトラウマなのかよ!?
エチェミン:
小さいころイタズラするたびに、祖父から黒曜石の老婆にお仕置きされる話を聞かされたもので。今もたまに夢に出てくるんですよ…はは…
旅人:
(夢の中のシトラリってどんな姿かな…)
シトラリ:
ソウゾウしないでよ!ほら、調査するんでしょ?ワタシは静かなところでちょっと休んでるから、ハナシを聞いといて。
パイモン:
ええと、おまえもウィツィリンから技を受け継いだシャーマンなんだよな?
エチェミン:
そうですけど、実は恥ずかしながら、祖父の代で伝承は途絶えていまして…
エチェミン:
先祖がウィツィリンから学んだ秘術はどれも実用的なものではなく、部族の公務を処理するのに役立たなかったんです。結果、祖父の代から祭司を担当することはなくなりました。
エチェミン:
集落の一般人になってからは、秘術で生計を立てることもできなくなり、先祖たちはだんだんと修行をやめまして…
エチェミン:
もちろん彼らに才能がなく、秘術の深奥を理解できなかっただけって可能性もありますが…
エチェミン:
なにせウィツィリンは天才です。弟子の中に彼女と肩を並べられた者はいませんでした。
パイモン:
でも、ウィツィリンが先祖にどんな秘術を教えたかくらいは知ってるよな?
エチェミン:
ええ、わたしはてんで使えませんが、むかし祖父から聞いたことがあります。
パイモン:
その秘術の中に、戦いを逆転できるようなすごいやつはなかったか?
エチェミン:
逆転できる、ですか?まったく覚えがありませんね…
エチェミン:
それに、わたしの先祖はウィツィリンの弟子の中でも平凡だったので、たとえそのような秘術があったとしても、教えてもらっていなかったでしょう。
エチェミン:
そういうことは部族の祭司たちに聞いたほうがいいかもしれません。彼らの先祖はウィツィリンの弟子の中でも特に才能のある者たちでしたから。
パイモン:
そいつらにはさっき聞いたんだ…これじゃ堂々巡りだな。
モンリュソン:
ふむ、こうなってくると「七彩の戦い」を証明できるものは本当になさそうだ…アリエ、これまでに得た情報から結論は出せそうか?
アリエ:
いずれも戦いを経験された方から聞けたものではないので、インタビュー記事は書けても、論文のような説得力はないでしょう。
モンリュソン:
そうか…
エチェミン:
「七彩の戦い」を調べているんですか?
パイモン:
ああ、もしかして詳しいのか?
エチェミン:
詳しいというほどではありませんが、実はわたしの一族は少し特殊でして。ウィツィリンから受け継いだのは秘術だけではなく、彼女が語ってくれた数多くの物語も受け継いでいるんです。
エチェミン:
まあ、先祖が秘術の勉強に身を入れていなかっただけかもしれませんけど。物語を聞くときだけ、集中していたんでしょう…
エチェミン:
とりわけ「七彩の戦い」は素晴らしい物語でした。
モンリュソン:
物語?それなら部族の人たちだって知っているだろう?あくまで私たちは、学術的価値のある証拠を求めていてね。
エチェミン:
この話がお役に立てるかどうかは分かりませんが——実は先祖が残した物語は、部族に伝わるものと少し違うんです…
パイモン:
えっ、本当か?
旅人:
詳しく聞かせてくれる?
エチェミン:
はい、これは先祖がウィツィリンから直接聞いたもので、描写もより詳しくなっています。
エチェミン:
例えば…「七彩の戦い」が起きた場所は「チコモストク洞」だったとか。
モンリュソン:
待ってくれ、つまり戦場がどこだったか具体的に知っているということか?そこに行ったことは?
エチェミン:
いえ、恥ずかしながら…
アリエ:
モンリュソンさん、出発前にナタの地図を細かくチェックしましたが、そのような場所は存在しません。
モンリュソン:
ふむ…先祖が物語を伝えるときに、間違えた可能性はないだろうか?
エチェミン:
それはありません。先祖は勉強が苦手でしたが、物語を聞き伝えることについては力を入れていましたから。
エチェミン:
祖父の言葉を借りるなら…「秘術よりも受け継がれるべきものがある」と。
モンリュソン:
ウィツィリンの口から語られたものにこれほど大きな矛盾があるとなると、「七彩の戦い」は作り話だったと証明されたようなものか…
パイモン:
確かに…ちょっとがっかりだぞ。
シトラリ:
待って、「チコモストク洞」って言った?
エチェミン:
ええ、何か問題でも?
シトラリ:
二百年以上経って、またその名を聞くなんてね。
パイモン:
えっと、なんの話だ?
シトラリ:
「チコモストク洞」は今の「タモアンチャンの谷」よ。二百年前まで「チコモストク洞」って名前だったの。
アリエ:
ちょうどウィツィリンが生きていた時代と重なりますね。となると…モンリュソンさん、戦場を特定できそうですよ!
アリエ:
そこさえ分かれば、証拠がざくざく見つかるかもしれません!
モンリュソン:
ハハッ…諦めなくてよかったよ。さすが博識なシャーマン。謝礼は必ずご用意しましょう!
シトラリ:
ウルサイ…これだからゴマをするヒトはキライなのよ。
パイモン:
そういえば、モンリュソンは仕事で本を扱ってるんだよな?シトラリは娯楽小説が大好物だし、報酬として絶版本をもらうってのはどうだ?
シトラリ:
ホントっ!?
モンリュソン:
絶版本…構いませんとも。どんな本がお望みでしょう?
シトラリ:
コレクション価値で言ったらモチロン『雷電将軍に転生したら、天下無敵になった』の初版よ!
シトラリ:
この娯楽小説は転生無敵流を生んだメーサクで何度も再版されたけど初版は出版数が少なくてコレクション価値が最も高いの!
モンリュソン:
あ、ああ…
シトラリ:
そして関連作品の『お願いっ!私の仙狐宮司』は八重堂が新しいトレンドを取り入れた意欲作。
シトラリ:
読者が転生無敵流に飽きた頃にこの娯楽小説は業界に一陣の風を吹かせた。その売り上げはまさにウナギ上り!
シトラリ:
八重堂が少し前にその限定愛蔵版を出したけど一瞬で売り切れちゃったからゲットできなかったのよ——フ、フフ…とりあえずこの二つをオネガイ!
モンリュソン:
すみません、ちょっと聞き取れなかったのですが…なんというタイトルです?宮司に…転生する?
シトラリ:
えっ?この二つは業界でも売り上げがトップクラスなのよ。本を扱ってるのに知らないワケ?
モンリュソン:
…私が扱っているのはあくまでフォンテーヌの本でして、稲妻の娯楽小説については話でしか…恥ずかしながら、大シャーマン殿ほど詳しくはないのです。
シトラリ:
まったく…トーシローね。
モンリュソン:
うっ…
モンリュソン:
ええ!さて、善は急げといいますし、さっそく戦場だったところへ行きましょうか?
アリエ:
まだ大体の場所しか分かっていませんし、到着したら具体的な位置を探さないといけなそうですね。
モンリュソン:
その点は、大シャーマン殿が何かしらの手段をお持ちでしょう?
シトラリ:
ハァ、イマ何時だと思ってるの?もう夕方よ。夜に大事な予定が入ってるから、キミたちと一緒に夜更かしするワケにはいかないの。
モンリュソン:
そうでしたか…旅人はどう思う?
モンリュソン:
なら、そうしよう。じゃあ宿を探さなくてはね。明日は何時に集まる?
パイモン:
せっかちだな…
旅人:
シトラリ?
シトラリ:
そうね…じゃあ、お昼頃にしましょう。
モンリュソン:
お昼、ですか?
シトラリ:
大シャーマンともなると、朝は片付けないといけないシゴトが山ほどあるのよ、それも重要なね。
旅人:
(まさかお昼まで寝てるんじゃ…)
シトラリ:
仮にそうだとしても、夜に大事なシゴトがあるせいよ。
モンリュソン:
大シャーマン殿がそうおっしゃるのなら…出発は昼にしましょう。謎煙の主の入り口でお待ちしていますので。
エチェミン:
えっと…さっきの答えは、黒曜石の老婆にご満足いただけたでしょうか?
パイモン:
おう、すっごく助かったぞ!
エチェミン:
あの方の気に障ることがなくてよかったです。
パイモン:
シトラリってそこまで怖くないだろ?
エチェミン:
黒曜石の老婆は普段、部族の人とあまり交流しないんです。だからわたしたちは、噂でしか彼女を知ることができません。
エチェミン:
それに彼女は二百年以上も生きた大シャーマン。あの方の威圧感をものともしないのは、あなたのようなナタの英雄くらいでしょう。
パイモン:
シトラリ、今日はほんとにありがとな!
シトラリ:
フフン、分かってるじゃない。じゃあ、この前みたいにちょっと飲みましょ。
パイモン:
さっき、夜に「大事な予定」が入ってるって言ってなかったか…
シトラリ:
これより「大事な予定」がある?
パイモン:
…もしこんな生活を二百年以上も続けてたら、ちょっと身体が心配だな。
旅人:
いつもの場所で?
シトラリ:
ううん、今日はヒトに会いすぎたし…静かな場所を知ってるから、飲み物を持ってそこに行きましょ。
シトラリ:
それに、キミの副作用もどうにかしないと。巫術を使わないといけないから…人目を避けておきたいの。
シトラリと一緒に熱気球に乗る
パイモン:
おおっ、まるで秘密基地みたいだな!
シトラリ:
ずっと家にいると、たまに外の空気を吸いたくなるのよね。でも、人目につくような場所はヤだから。
シトラリ:
ここに隠しておいたおつまみは…うん、モンダイなし。ハルバード・サイチョウに盗られてなくてよかった。
シトラリ:
…さ、キミの副作用を取り除くから手を出して。
旅人:
前みたいに?
シトラリ:
それよりちょっとだけ時間がかかるかも。まず感覚を共有して、それからキレイに切り離すの…
シトラリ:
——うん…これでよし。
旅人:
(他では見られない景色…だからシトラリはここが好きなのかな?)
シトラリ:
そうよ…って、えっ?まだ聞こえる?
旅人:
どういうこと…?
シトラリ:
完全に切り離せてないのかしら?やっぱり手のひらだけじゃ効果はイマイチね…目を閉じてちょうだい。
シトラリ:
(これならダイジョーブよね?大シャーマンがこんなモンダイも解決できなかったら、とんだ赤っ恥よ…)
シトラリ:
どう?
シトラリ:
えっ?じゃあ、イマは?
旅人:
もう…聞こえない。
シトラリ:
どんどんオカシなほうにエスカレートしていってる…ワタシのやり方のせい?
旅人:
(さっき触れたのはおでこ?温かかった…)
シトラリ:
あれは巫術を使いやすいように…あぁ、やっぱり聞こえる…
シトラリ:
…ココロの壁を失くした人類の魂は、いずれ意識の海に溺れ、自我を失ってしまう…
パイモン:
そんなにひどいのか?
シトラリ:
イマのは娯楽小説で読んだ設定よ。もしセカイの本質を突き詰めるのであれば、ワタシはその設定に票を入れるでしょうね…
パイモン:
シトラリのやつ、酔っ払ってるのか変なこと言ってるな…
シトラリ:
どうやら、今日はムリみたい…
パイモン:
ま、旅人の心の声が聞こえるぐらい、大した問題じゃないと思うぞ。もしこいつのおかしな心の声を聞けるのがオイラだったら、思いっきりからかってやるぜ。
シトラリ:
そういうのはあんまり得意じゃないの…他人とのちょうどいい距離感が分からないのよ。
シトラリ:
ゴメンなさい。前にトモダチって言ってくれたけど、ワタシはまだ準備ができてないみたい。
シトラリ:
やっぱり畏敬の念を持たれた黒曜石の老婆のほうが楽チンね。誰も近寄ってこないもの。余計な会話を交わす必要もない。
旅人:
どうしてそう思うの?
パイモン:
そうだぞ。ずっと気になってたんだけど、シトラリってなんでみんなと離れて暮らしてるんだ?部族のリーダーになる実力もあるし、みんなに尊敬だってされてるのにさ…
シトラリ:
きっと寿命が長いせいね。誰かと知り合うコトは、まるで花の一生を見るようなものだから。
シトラリ:
キレイな花の色に惹かれて、ワタシはふと足を止めるの。この手が何気なくこぼした雨露を花はタカラモノのように大切にし、やがてツボミを開かせ、心地よい香りでお礼をしてくれる…
シトラリ:
でも花期が過ぎれば、ナニも残らない。葉は萎れ、いくら水をやっても花は咲かない。
シトラリ:
たとえ翌年、大地がまた花の海に覆われても、そこにワタシの目を惹いた一輪はもう存在しないの——ワタシは、それを知ってしまった。
シトラリ:
知り合いのほとんどがそう。その一輪と同じように去っていった。
シトラリ:
もし一人ひとりと関係を深めれば、離別は数百年にわたり繰り返され、いつかこの記憶を悲しみで埋め尽くしてしまう。それはワタシの魂をも押しつぶすほどに。
シトラリ:
だから誰かに大切にされるコトも、誰かを大切にするコトもしたくない。記憶に残るのは、どうでもいいヒトだけでいいのよ。
パイモン:
シトラリ…
シトラリ:
キミはワタシほど寿命が長くないから、こういうシンパイはいらないでしょうね。
シトラリ:
えっ?
シトラリ:
…なら、キミも分かるでしょ?その記憶にあるヒトたちはいずれいなくなるって。
旅人:
だからこそ、ちゃんと覚えておくんだ。
シトラリ:
旅人…
旅人:
(俺の記憶は、彼女がこの世に存在した唯一の証。むしろ、彼女は今も俺の記憶の中で生きてるのかもしれない。)
旅人:
(たまにこう思う——俺がみんなを覚えてる限り、みんなも本当の死を迎えたわけじゃないって。)
旅人:
(…俺の記憶でできた世界に行っただけなんだ。)
旅人:
(だからこそ、友達と素敵な思い出を作らなきゃいけない。シトラリの準備がまだできてないなら、俺がシトラリのことを覚えておくよ。)
シトラリ:
……
パイモン:
シトラリ、どうしたんだ?
シトラリ:
とにかく、副作用は治さないと…ココロの声でとやかく言われるのはヤだもの…
パイモン:
もう酔ってるみたいだな…今日はこのくらいにしとこうぜ。じゃないとお昼に起きられなくなるだろ?
シトラリ:
酔ってない…旅人のコトバは…ちゃんと覚えた。
シトラリ:
ただ…どう返せばいいか分からないだけ…よく考えとく…
パイモン:
…この展開、見覚えがあるぞ——おい、まさかまた寝てるんじゃないよな?
シトラリ:
…ら、ライジョーブ…ひとりで…家に帰れる…から…
パイモン:
寝言か?それともオイラたちに言ってるのか?目が明後日の方向を見てるぞ…
シトラリ:
バイバイ…見送りはいらない…ひとりに…しゃせてちょうらい…
パイモン:
そ、そうだな…
シトラリの協力のもと、「七彩の戦い」の遺跡を見つけることができた。しかし、まだまだ多くの真相が解明を待っているようだ…
約束の場所に行く
パイモン:
約束の集合場所ってここだよな?
パイモン:
シトラリ、時間通りに来れるかな。昨日あんなに飲んでたし、まだ夢の中かも…
シトラリ:
——コホンッ!
パイモン:
シトラリ!
シトラリ:
ナニよ?まるでオバケでも見たようなカオして…お酒はあくまで嗜むためにあるものよ。それと付き合う方法くらい分かってるつもり。
旅人:
(……)
シトラリ:
昨日のコトは思い出さないで…あれはたまたま調子が狂っただけ。とにかく、家に帰ったあと色々考えたけど、キミたちの言う通りだった。
シトラリ:
ワタシの探してる答えは、あの「七彩の戦い」のウラに隠されてるかもしれない。
パイモン:
だから遅れずに来てくれたのか…
モンリュソン:
旅人、大シャーマン殿、お待たせいたしました。そろそろ出発しましょうか?
シトラリ:
戦場だった場所はワタシが探すから、キミたちは安心してついてきて。
モンリュソン:
かしこまりました。
かつて戦場だった場所へ向かう
シトラリが巫術で遺跡の入り口にある石を取り除いた。
シトラリ:
ここのハズよ。
パイモン:
この奥に戦場が…
アリエ:
これで辻褄の合わない問題点にも説明がつきますね。
モンリュソン:
細かいことはいいさ。戦場を調べれば、証拠はいくらでも見つかるだろうからね。
シトラリ:
準備はいい?
旅人:
行こう!
「七彩の戦い」の遺跡に入る
パイモン:
アビスのやつ、この洞窟から侵入してきてたのか?
シトラリ:
地脈の侵蝕を始めた頃から、アビスは各地に現れるようになったの。
モンリュソン:
ここにあるものですが、研究のために持ち帰ってもいいでしょうか?
シトラリ:
ワタシがいいと言うまで、触らないほうが身のためよ。
アリエ:
僕も遺跡を荒らすのには反対ですね…
モンリュソン:
…ええ、もちろん専門家の意見に従いますとも。さて、引き続き進みましょうか?
遺跡の奥へ進む
アリエ:
ナタ人が使っていた武器みたいですね。各部族のものがあります。本当にここで、ナタ全土を巻き込んだ大戦があったようです。
モンリュソン:
ふむ、伝説の内容にだんだん近づいてきたな…
モンリュソン:
でも、証明できるのはここで戦いが起きたことだけだろう?色とか、迷宮とか、全然見当たらないが…
パイモン:
「七彩の戦い」が実際にあったって、本当に証明したいんだな。
モンリュソン:
ハハッ…それがナタに来た最初の目的だからね。
モンリュソン:
グルドック、この近くを詳しく調べてくれ。皆で同じところを調べていては見落としがあるかもしれないのでね。もっと念入りにやっておきたい。
グルドック:
念入りに?まあいいか。
シトラリ:
ここはまだ戦場の真ん中じゃないのにどういうつもり?調べたいなら、もっと奥に入らないと。
遺跡内の装置を分析する
パイモン:
壁を通り抜けた…一体どういうことだ?色の魔法ってやつか?
シトラリ:
ウィツィリンが使ってた秘術に近づいてきてるようね。
モンリュソン:
しかし、この程度なのでしょうか?伝説の規模には遠く及ばないようですが。
アリエ:
考古学的な視点では、十分驚くべき発見ですよ!
シトラリ:
ほら、ムダ話はやめて。奥にまだナニかが隠されてるハズよ。進みましょう。
引き続き遺跡の奥へ進む
パイモン:
なんだ急に…——え、ここって?
アリエ:
見てください!色の迷宮ですよ、ここ!
モンリュソン:
本当に実在したのか…
シトラリ:
この感覚…現実じゃない、記憶空間ね。
パイモン:
えっ?
旅人:
夜神の国?
シトラリ:
ううん、本質的にはベツモノよ。ここは記憶を媒体に作られた空間、ただの模倣品。
???:
ピンポ~ン!
シトラリ:
ウィツィリン?
パイモン:
えっ?
シトラリ:
…いや違う。創造者がここに残した意識の一部ね。
ウィツィリン:
みんな、アビスを打ち倒すのに最も効果的な武器はなんだと思う?あたしの考えでは、「記憶」がそう。
ウィツィリン:
敵は「記憶」を失い、愛するものと「心」を失った。だから、アビスに堕ちたの。
ウィツィリン:
そして「記憶」を持ってるあたしたちは、あいつらにはない力を持ってる。
ウィツィリン:
みんながその強力な武器を使えるよう、あたしはピッタシの媒体を見つけた——それが「色」。
ウィツィリン:
大切にされてる記憶ほど色は鮮やか。記憶が薄れていくときは、その色も褪せていく。だから、色の秘術と記憶の力は相性抜群なの。
ウィツィリン:
「記憶」を持ってる人は、鮮やかな色に導かれるままに、この迷宮を抜けることができる。
ウィツィリン:
一方、「記憶」を持たない敵は永遠に壁を越えられず、ここに閉じ込められる。
ウィツィリン:
だから勇気を出して前に進んで、仲間たちよ!
パイモン:
シトラリ、今のって…?
シトラリ:
フ~ン、ご丁寧におバカさんでも分かるようセツメイを残してたのね。まるでトーヘンボクな弟子たちに教えるみたいに…ついてきて。
迷宮から出る
シトラリの助けもあり、無事にウィツィリンが作った迷路を通り抜けられた。
パイモン:
出られた…迷宮はこれでクリアだよな?
シトラリ:
あれって…
パイモン:
わぁ…中に入ってるのって、さっきの迷宮か?キレイだな!
シトラリ:
迷宮の模型ね。特殊な染料が塗られてるみたい。
モンリュソン:
この鮮やかな色は…
シトラリ:
その染料は秘術で調合したトクベツなものよ。記憶のチカラと合わさるコトで、さっきのような迷宮が出来上がるの。
シトラリ:
でもそのチカラを失えば、それはただの染料に戻る。ま、ただの染料だとしても、その色は相当珍しいものね。
シトラリ:
「七彩の戦い」が実際にあったコトを証明する、最も有力な証拠と言ってもいいんじゃないかしら?
パイモン:
さすがシトラリ、物知りだな!
モンリュソン:
その…近くで観察してもいいでしょうか?「七彩の戦い」の重要な証拠なので…
シトラリ:
ダメ。
突然、グルドックが球体へと走っていく。慌ててそれを阻止した。
パイモン:
…おまえたち、なにするつもりだ?
シトラリ:
ちゃんとワタシの合図に気付いてくれたのね、ナイス連携。
モンリュソン:
くそ…警戒してたのか?
シトラリ:
シゴトで本を扱ってるとか言いながら、大ヒット作の『雷電将軍に転生したら、天下無敵になった』を知らなかったでしょ。あの商業的な大成功は稲妻に限ったハナシじゃないのに。
シトラリ:
疑ってはいたけど、まさかこんなコトまでするなんて。
アリエ:
モンリュソンさん、研究のためなら写真を撮るだけで十分です。文化財を強奪する必要なんてありません。万が一、壊れでもしたら大変ですよ!
モンリュソン:
黙れ!こんなバカげた部族の作り物なんかに興味はない。むしろ壊れてもらったほうがこちらにとっては好都合だ!
パイモン:
壊れたら、「七彩の戦い」を証明できなくなっちゃうだろ?
モンリュソン:
それが本当の目的だと言ったら?
パイモン:
なんだって?
モンリュソン:
ふん、本を作り、英雄のために歴史を広めようとしてると言わなければ、集落の人間は誰も相手にしてくれなかったのさ。
モンリュソン:
つまり、私は陳腐な本売りなんかじゃない。本当は、テイワット最大の印刷企業を作れるはずの男だったのだ!
モンリュソン:
だが、あの球体にある色が…あの色のせいで、長年練ってきた計画がパァだ…
オティラ:
あなたが新聞に載せた広告が虚偽のものであるという通報を受けました。フォンテーヌの法律に則り、取り下げさせていただきます。
モンリュソン:
そんな?広告のキャッチコピー通り、これは今までにない革新的な商品で、その色は唯一無二のものなのだよ!
オティラ:
「革新的」でも「唯一無二」でもありません。ナタで似たような色を使ったウォーベンを見たと、通報者は言っていました。
オティラ:
正確に言うと、ナタの染料はあなたのよりもっと不思議で、数百年前から存在するものだそうです。
モンリュソン:
バカな!この染料を作るのにあれほどの時間と心血を注いだというのに!それが数百年も前からあったなんて、絶対にありえん!
オティラ:
落ち着いてください。
モンリュソン:
し、失礼…だが、この染料は必ず売れる。そうすれば、フォンテーヌの経済を大きく促進させられるだろう。ただそのためには十分な宣伝が必要だ。
モンリュソン:
幸い、フォンテーヌの出版業界はとても発達している、これを使わない手はない。この染料をフォンテーヌ人が開発したものだと新聞に載せて、テイワット全土に大々的に宣伝しようじゃないか。
モンリュソン:
なに、ナタ人の抗議なら心配いらないさ。あんな遅れた国で、先進的な商品が生まれるわけもないのだから。あちらの言い分を信じる人は少ないはずだ。
オティラ:
そんなことはできません!これはフォンテーヌの広告法に違反する行為です。絶対に見逃せませんよ!
モンリュソン:
ちょっと待ってくれ…そうだ、もしこの広告を新聞に載せて利益が出たら、君に分け前をやろう。
オティラ:
ワイロですか?それでもダメなものはダメですよ。ヌヴィレット様に報告しますからね。
モンリュソン:
くっ…
モンリュソン:
宣伝さえできれば、私の商品は売れに売れていたはずだ!業界の最大手になれたというのに!
モンリュソン:
しかし…それが数百年も後発の…ただの模倣品だと?そんなことを聞いて買ってくれる人がいるとは到底思えない。たとえ私の商品がどれだけ優れたものであっても…
モンリュソン:
ありえないんだよ!時代遅れのナタに、こんな染料を作れた人がいたはずない。しかもそれが二百年も前の話だって?絶対に認めないぞ!
シトラリ:
でも、それが事実よ。
モンリュソン:
ふん、「事実」なんて誰が定義するかで変わる。印刷業界で働いてきた私だ、出版業界に転職するのは容易い。
モンリュソン:
その球体を破壊した後、「調査レポート」を出版して、テイワット全土に広めるつもりだ。そうすれば「事実」は君たちの一方的な主張になる。
モンリュソン:
私の出版した内容が人々に認められたとき、虚偽の宣伝などと言うやつもいなくなるだろう?
パイモン:
この…「歴史を忠実に」を売りにしてるなんて言ってたくせに!
モンリュソン:
それは嘘ではない。そう宣伝させてもらうさ。テイワットのすべての人がそう信じるまでね!
モンリュソン:
ふむ?ナタ人ではないナタの英雄と、噂では部族の公務に無関心な大シャーマンだったな?
モンリュソン:
利益の観点から考えるに、君たちが私と争う必要はないと思うが?
パイモン:
よく言うぜ!
シトラリ:
ウワサを聞いたコトあるなら、ワタシを怒らせたらどうなるかも…モチロン分かってるのよね?
モンリュソン:
ああ、「黒曜石の老婆」を怒らせてはいけないことぐらい知っているさ。だが先ほども言ったように、利益上の対立はない。
モンリュソン:
あなたなら、必ず私の依頼を引き受けると分かっていた。ウィツィリンとはライバル関係にあったのだからね。
モンリュソン:
二百年以上も生きてきたあなたには、彼女を越える実力があるに違いない。それなのに名声ではいつも彼女に負けてきた。でもそれを今なら、逆転できるんだ。
モンリュソン:
印刷業界で私は顔が利く。本をテイワット全土に発行するなんて簡単なことだよ。それが人々の手に渡ったとき、皆は「真の歴史」を知ることになる。
モンリュソン:
そう——「七彩の戦い」など起きていなかったとね。そして、あなたの名声は彼女を上回るんだ!
シトラリ:
そんなの、ワタシたちの歴史じゃない。
モンリュソン:
おや、交渉決裂か…まあいいさ、歴史なんて興味ないんでね。金儲けの邪魔にさえならなければ、それでいい。
シトラリ:
ピーチクパーチクとやかましい…部族の守衛に引き渡す前に、ちょっとイタイ目に遭わせてあげる。
グルドック:
どうしても手を出すってんなら…契約上、ここからは俺の出番だ。
モンリュソン:
ああ、モラを払ってるんだから、しっかりと働いてくれよ!
パイモン:
おい、「隊長」の部下なんだろ?なのにナタの歴史を改ざんしようとする悪党の肩を持つのか?
グルドック:
「隊長」の部下?ハッ、なんだまだ雇い主の嘘を信じてるのか?
グルドック:
俺たちは金のために集まり、負債を取り立てるために駆け回る者。「富者」の財にひれ伏し、あの方の利益に忠誠を誓ってる。
パイモン:
「富者」だって!?
モンリュソン:
ハハッ、彼らは「隊長」のことなど気にもしてないさ。別の執行官「富者」の配下だからね!
グルドック:
こいつは印刷業界の巨塔となり、フォンテーヌの経済システムに風穴を開ける可能性がある——それは「富者」の利益にも繋がるもんだ。
パイモン:
最初から騙されてたのか!
シトラリ:
キミたちの頭が誰かなんてどうでもいい。殴られたいなら、マンゾクさせてあげる。
モンリュソン一行を止める
グルドックとその仲間を倒した。
パイモン:
ふんっ、ナタの大英雄と黒曜石の老婆がいれば、「富者」が来たって結果は同じだぞ!
グルドック:
ゴホッ…こいつ、なんて強さだ!「隊長」んとこのやつらが、情報を共有してねぇんだな…
グルドック:
ちっ、このままじゃ損失が利益を上回っちまう…失礼させてもらうぜ!
モンリュソン:
おい!契約はどうした!あの「富者」が直々にサインした契約だぞ!
グルドック:
ああ、まさにそこだよ、俺たちがあの方を尊敬してるところは。お前みたいなビジネスマンでも、あの方の契約書にある罠にハマるんだからな。
グルドック:
帰ったら書類を読み返してみるこった。俺たちはただ、免責事項どおりに行動してるだけだって分かるぜ。
モンリュソン:
なんだと…
グルドック:
契約に定められた他の義務は問題なく果たしてある。例えば…お前の指示通り、ここまでの道に爆弾を仕掛けるとかな。破壊力は保証するぞ、ちゃんとここを崩せる。
グルドック:
そうそう。念のため、爆弾にはタイマーを付けておいた。ああ、そろそろだな…
パイモン:
爆弾だって!?
モンリュソン:
せめて私が外に出てからにしてくれ。私まで生き埋めにするつもりか?
グルドック:
それはお前の逃げ足次第だろ。あばよ…うっ!
シトラリ:
このままドロンできるとでも?旅人、こいつらを取り押さえてからテッタイよ!
旅人:
分かった。
グルドック:
俺が理由で、あの方が罪に問われてはならない。仕方ない、予備プランだ…
シトラリ:
ナニを…
グルドックは遺跡に残された長槍を引き抜き、それを全力で球体めがけて投げた…
パイモンと対策を練る
パイモン:
えっ?ここは…また迷宮に戻ったのか?でもちょっと違うみたいだぞ…あのファデュイ、一体なにをしたんだ?
パイモン:
そうだな。シトラリならきっと出る方法を知ってるはずだ。急ごうぜ、洞窟が崩れたら、ここから永遠に出られなくなっちゃうかもしれないし!
旅人:
でもどこに…
パイモン:
うーん…シトラリー!いたら返事してくれー!
パイモン:
普通の方法じゃダメそうだな。どうしよう…
パイモン:
「色」?おまえが前にウォーベンで見たあの色のことか?どうしてここに…
旅人:
考えてる時間はない。
パイモン:
おう…じゃあ、おまえについてくぜ!
突破口を探す
シトラリ:
あいつ、なんてコトしてくれたの。あの秘術は正しく発動させないと…
???:
…秘術の影響を受けた人は、作られた記憶空間ではなく、臨時の空間に閉じ込められる。
???:
つまり、ファデュイを見逃して早く逃げないと、共倒れになるってことだね。でも、ピンチを切り抜ける方法としては悪くない。
シトラリ:
ふぅん、やっぱり…キミなら記憶のカケラに意識を入れるコトくらいできるって分かってた。あんな「ご丁寧」なセツメイを繰り返すだけなんて、物足りないでしょうし。
ウィツィリン:
褒めてくれてどーもね。久しぶり、わが友よ!
シトラリ:
あいにく、イマは昔話をしてるヒマはないの。洞窟がじきに崩れる。時間の流れがここと外で違うってコトは知ってるけど、長くはもたないハズよ。
シトラリ:
手伝ってくれる?
ウィツィリン:
シトラリ、分からないの?あたしは今、何もできない、ただの記憶の欠片なんだよ。
シトラリ:
ハ?ナニ言ってるの?ほらこの空間、再構築できるんでしょ?さっきの迷宮の出口の構造は覚えてる。ここに出口を作れば脱出できるハズよ。
シトラリ:
空間を再構築する方法を教えてくれればいいから。
ウィツィリン:
さっきシトラリが見た迷宮は、ナタの戦士の記憶を集めて作ったものなの。
ウィツィリン:
人々が互いの記憶に深い印象を残したとき、記憶の間に「繋がり」が生まれる。
ウィツィリン:
特に生死を共にした戦士たちほど、その「繋がり」は強い。
ウィツィリン:
あたしは「繋がり」を糸に、「色」を生地に、あの迷宮を編み出した。
ウィツィリン:
けどその「色」を、何の繋がりも持たない孤独な記憶と強引に結び付けてしまえば、今のような状況になる。
ウィツィリン:
この空間は、あなたの記憶が「色」と結びつくことで出来た場所。そして、それを再構築することはできない。
ウィツィリン:
だって、使える「繋がり」がないからね。
シトラリ:
…ナニよ、これがワタシへのバツってワケ?二百年以上、ヒトとの繋がりを拒んで、誰一人として覚えてこなかったから…
ウィツィリン:
ううん、少なくともあたしのことは覚えてるじゃない。だから、あたしの記憶の欠片はこうして現れることができた。
シトラリ:
キミが毎日のようにケンカをふっかけてきたからでしょ?でもザンネン…キミはもうこの世にいない。…確かにキミの言う通りね、カケラがひとつじゃ「繋がり」としては不十分だもの。
ウィツィリン:
シトラリ…
シトラリ:
けど、こうしてキミと話す機会ができたのは不幸中の幸いよ。ねぇ、ひとつ聞いていい?
シトラリ:
どうして「色」の秘術を弟子じゃなく、このワタシに…キミの勝てなかったライバルに教えたの?
ウィツィリン:
あー…やっぱり気づいちゃった?
シトラリ:
あの迷宮で見た景色と、さっきキミが言ったコトを擦り合わせればね。さすがにピンと来るでしょ、教えてくれたあの秘術がそうだって。
シトラリ:
キミは、あの秘術で戦いに勝ったなんてヒトコトも言ってなかった——ただの色遊びに使えるものだって。
シトラリ:
ここに来たのは「伏線回収」だったワケね…でも、キミの張った伏線には物申したいキブンだけど。
ウィツィリン:
シトラリ、あなたがこの秘術を覚えたとき、変わった「色」を見たでしょ?
シトラリ:
ええ…
ウィツィリン:
あの「色」こそがこの秘術の核心。でもそれはあたしが創ったものじゃなくて、先祖の残した作品から見つけたものなんだ。
ウィツィリン:
より的確に表現するなら、「記憶の色」とでも言えばいいかな。
ウィツィリン:
この秘術を伝授する方法は、「色」で他人の記憶を染めていくことなの。
ウィツィリン:
これは戦いの勝敗を決するような大それた秘術じゃない。むしろ、あたしにとっては「記憶を色で染める」ことのほうが重要だった。
ウィツィリン:
シトラリ、あなたの人生はあたしよりずっとずっと長い。もしその長い時間の中の記憶が「真っ白」だったら、友達として悲しいんだ。
ウィツィリン:
だから、あなたの記憶に色を残したかったの…
シトラリ:
…キミの色…
ウィツィリン:
いつか、シトラリも誰かの記憶に自分の色を残したいと思うときが来ると思うよ。そのときになったら、あたしの想いも分かってくれるだろうね。
シトラリ:
ワタシは…
シトラリはあなたの言葉を思い出したようだ…
(シトラリの準備がまだできてないなら、俺がシトラリのことを覚えておくよ。)
シトラリ:
…これ以上、ここにはいられない。ワタシが脱出しないと、あのコたちを助けられないもの。
ウィツィリン:
シトラリ、あなた…
シトラリ:
秘術の本質は理解した。フツーの方法で出口を再構築できないなら、強制的にこの「色」をワタシの記憶から分離させればいい!
ウィツィリン:
待って!そんなことしたら、記憶の一部を失うかもしれない!
シトラリ:
分かってる。でもあのコたちを助けるためなら、失うのなんて怖くない。だってこれは二百年もの間、放置してた真っ白な記憶なんだから…
旅人:
(絶対にシトラリを見つける…)
シトラリ:
旅人?
ウィツィリン:
実は、シトラリたちがあたしの作った記憶空間に入ったとき、みんなの記憶を覗かせてもらったんだよね——だから、最近あったことも知ってる。今度は、あなたが助けられる側なんじゃない?
ウィツィリン:
まさか二百年経って、シトラリのそばにああいった人が現れるなんて思ってもいなかった。
ウィツィリン:
夜神の国にはナタの記憶が宿ってる。そして彼は夜神の国と強い繋がりを持ってるみたい。夜神を信奉するあたしたちシャーマンよりもね。
ウィツィリン:
だからあなたに教わる前から、彼はあの「記憶の色」が見えていた。
シトラリ:
え…
ウィツィリン:
具体的にどう使えばいいかは分からないだろうけど、彼は既に「色」を使って、あなたの記憶に何かを残してるみたいだよ。
ウィツィリン:
その何かは、彼をあなたの記憶空間に導くには十分なもの。これで、使える「繋がり」ができた。
ウィツィリン:
シトラリ、ここにあるのは「伏線回収」だけじゃないってこと。「超展開」ってやつも待ってるの!
シトラリ:
旅人…旅人っ!!
パイモン:
今…シトラリの声が聞こえたぞ。この先だ!
ウィツィリン:
今度こそ永遠のお別れだろうね、シトラリ…あなたの二百年の記憶は真っ白なんかじゃない。ちゃんと大切にしてよ。
シトラリ:
ウィツィリン…
ウィツィリンの記憶の欠片は消えた。あなたはパイモンと一緒にシトラリを見つけた。
パイモン:
シトラリ!
シトラリ:
パイモン?旅人…!
シトラリ:
…ワタシの手に掴まって!
「七彩の戦い」の遺跡から出る
パイモン:
オイラたち、外にワープしたのか?洞窟は…
遺跡から爆発と崩落の音が聞こえた。
パイモン:
うぅ、出てこれてよかったぞ!
シトラリが遺跡の入り口を再び封印した。
パイモン:
あの悪党たちは?
シトラリ:
ファデュイのリーダーは、ワタシたちと同じような空間に閉じ込められたハズよ。
シトラリ:
遺跡と共に空間を支えていたものも崩れたから、もし逃げ出せてなかったら、永遠に脱出できないでしょうね。
パイモン:
それでも捕まりたくないのかよ…
旅人:
フォンテーヌ人の二人は?
パイモン:
ぼんやりとだけど遠くにいたのが見えたから、巻き込まれてないと思うぜ。もしかしたら、もう逃げてるかもな…
アリエ:
あの…すみません…
パイモン:
あっ!あの悪徳商人に雇われてたやつ!早く捕まえようぜ!
アリエ:
ご、誤解しないでください!モンリュソンさんがあんな人だったなんて知らなかったんです。あの人の逃亡を止められなかったので、せめてあなたたちを助けようと近くで人を探してまして…
アリエ:
でも脱出できたんですね、本当によかった!
シトラリ:
いずれにせよ、部族の守衛が到着したら、一緒に謎煙の主の集落へ行ってちょうだい。どんな処置が待ってるかは分からないけど。
アリエ:
分かりました…
シトラリ:
それより、あいつがどこへ逃げたか知ってる?
アリエ:
はい、あっちのほうです!でも今からじゃ追いつけないかもしれませんが…
シトラリ:
あっちね…フンッ、このままトンズラできるとでも?ハネでも生えてない限り不可能よ。
シトラリ:
旅人、パイモン、ついて来てちょうだい。
モンリュソンを捕まえる
パイモン:
トラポとイクトミ竜たちだ…あの悪徳商人を捕まえてくれたみたいだぞ!
シトラリ:
昨日から怪しいってニラんでたの。だから「伏線」をちょっとね。やっと回収できる。
モンリュソン:
私の残高が…イヤだ、やめろぉおおッ!!
パイモン:
どうしたんだ、あいつ?
シトラリ:
恐怖を見せる幻術をクローが使ったのね。たぶん、彼がイチバン恐ろしいと思うコトを幻覚で見てるんでしょう。
シトラリ:
精神の弱いやつがかかれば、ガクブル必須よ。
パイモン:
自業自得だな。
トラポ:
……
シトラリ:
昼間に働かせちゃって、ゴメンね。大変だったでしょ…
トラポ:
——!
パイモン:
なんて言ったんだ?またお告げとかじゃないよな?
シトラリ:
まあ、それは一旦置いといて、当初のモクテキがまだ終わってないでしょ?安心して、イクトミ竜たちが見張ってるし、守衛が来るまでこいつは逃げられないから。
パイモン:
そうだ!洞窟を調べたのは、ウォーベンの作り方を調べるためだったよな。でも、あの染料が使われてたやつはもう埋もれちゃったし…
シトラリ:
彼女の秘術は失われてないからダイジョーブよ。ワタシの家に来てくれる?
シトラリ:
それと旅人、キミへの返事も考えた。
トラポ:
——!
シトラリ:
キミも知りたいでしょ?一緒に来て。
無事に事件を解決した後、シトラリの家に招かれた。彼女を悩ませてきた問題の答えは、やっと見つかったようだ…
シトラリの家に一緒に戻る
シトラリ:
あのウォーベンを作るのに、キミの手を煩わすコトはない。でもあの秘術を受け継ぐのは、キミ以外にありえないの。
パイモン:
ええと…なに言ってんだ、シトラリ?
シトラリ:
ついて来て。
パイモン:
この部屋…シトラリも普段ウォーベンを作ってるのか?
シトラリ:
ウォーベン…
未完成のウォーベンを見て、シトラリはウィツィリンのことを思い出した…
シトラリ:
——ウォーベン?人生でイチバンの自信作を見せてくれるって話だったでしょ?
ウィツィリン:
騙したわけじゃないの、友よ。この秘術はウォーベンと関係してるってだけ。
シトラリ:
ふぅん…一体どんな秘術?戦況をひっくり返せるとか?それとも災いを止められるの?
シトラリ:
今のキミじゃ、ケンカを売ろうにも起き上がれないだろうし、口ゲンカで勝たせてあげる。
ウィツィリン:
ゴホッ…シトラリ、あたしにはもう時間がないんだよ。あなたと勝負する時間がね。
シトラリ:
ちょっと…
ウィツィリン:
そんな顔しないで。謎煙の主にはこういう言い伝えがあるでしょ?この地に住む人々は死ぬんじゃない、夜神の国へ——記憶で出来た国に行くだけだと。
ウィツィリン:
どうして先祖たちが色鮮やかなウォーベンで歴史を記録してきたか、あなたもなんとなく分かってるんじゃない?
ウィツィリン:
「歴史」は部族の「記憶」なんだよ。
ウィツィリン:
あの世界に行っても夕日の暖かさを感じられるように、「歴史」をオレンジ色で染めよう…
ウィツィリン:
あの世界に行っても実りの季節を楽しめるように、「歴史」をグレインの実の模様で飾ろう、とね。
シトラリ:
それは気付いてた…でも部族の重要な公務なのに、どうして弟子たちに頼まないワケ?
ウィツィリン:
あなたを呼んだのは、個人的な想いからだよ——だって友達でしょ。
ウィツィリン:
ゴホッゲホッ…あなたに理解してもらうには、残された時間じゃ足りないかもね。けど、いつか分かってくれるって信じてる。
ウィツィリン:
あたしの最期のお願いを、聞いてくれる?
シトラリ:
…今回だけよ。
シトラリ:
ようやくキミの想いを理解できた。クロー、これを外に運んで。染めるから。
トラポ:
——!
シトラリ:
旅人とパイモンも一緒に来て。
クローがウォーベンを外に運ぶのを手伝ってくれた。
シトラリと一緒に外へ行く
シトラリ:
我らは時の中を羽ばたく鳥…
movie
シトラリは記憶の中から色を探し、ウォーベンを完成させた。
シトラリ:
よく分かってるじゃない。
パイモン:
こ…これがオイラたちの作ろうとしてたウォーベン?シトラリ、なんで作り方を知ってんだ?
旅人:
パイモン、これが「神の贈り物」の正体。
パイモン:
シトラリは二百年以上生きてて、しかもウォーベンの作り方を知ってる…まさか、シトラリがずっとウォーベンを贈ってた「神様」なのか?
シトラリ:
お告げに選ばれたヒトと会いたくなくて、いつも幻術を使ってウォーベンを残してたの。
シトラリ:
そのヒトたちがそれを「神の贈り物」としか思わなかったのは、ワタシの巫術を見抜けるようなチカラがなかったからね。
旅人:
どうして黙ってたの?
パイモン:
そうだぞ。なんで二百年もその使命を一人で背負ってたんだ?他の人と接するのが嫌でも、作り方を教えることはできただろ?
シトラリ:
…旅人、キミはあの「色」が見えるのよね?
旅人:
うん、見える。
シトラリ:
あの「色」の本質は「記憶」よ。記憶から色を探す過程で、このウォーベンは染まるの。
シトラリ:
この秘術を継がせるには、まずは誰かと記憶を分かち合い、お互いの記憶に色を残さなきゃいけない。
シトラリ:
イマになってようやくそれが分かった——まあ、前々からいくらか思い当たる節はあったけど…
シトラリ:
ウィツィリンがいなくなって、ワタシはヒトと繋がりを持つのをずっと避けてたから。
パイモン:
そうだったのか…
シトラリ:
でも、これは彼女の最期のお願いだったし、ワタシって寿命が長いでしょ。だから、この使命を背負ってあげてもいいと思ったの。
トラポ:
——!
シトラリ:
それなのにクローってば、新しいヒトを選び続けるんだもの…
旅人:
新しい友達を紹介しようとしたんじゃない?
シトラリ:
…ええ、それは最初から気付いてた。記憶を分かち合いたいと思わせてくれるヒトとなら、きっとトモダチになると考えたのよ、このコは。それなのに、ワタシはずっと拒み続けた。
シトラリ:
ま、今回はキミの勝ちよ。
トラポ:
……
シトラリ:
…受け取って。これがキミへの返事。
パイモン:
それって…
シトラリ:
「ワタシの色」を選ぶとしたら、それはそのハンカチの色よ。
シトラリ:
この数百年、他人がワタシの記憶の中を生きてきた。けどいつか、ワタシも誰かの記憶の中を生きるコトになる。
シトラリ:
キミ、寿命が長いって言ってたでしょ?つまり、キミが記憶を背負うにふさわしいヒトってコトよ…キミの記憶に、ワタシの色が残ってくれたらなって。
旅人:
これで正真正銘、友達だね?
シトラリ:
…ちゃんと持っててよ。その時が来たら、色を間違えないようにね。
パイモン:
友達になったばっかなのに、もうお別れする時の話をするのかよ?
シトラリ:
トモダチって、そんなもんでしょ?
パイモン:
うぅ、重い約束だな…でも、もし旅人がシトラリの記憶に色を残すとしたら、きっと金色だろうな?
シトラリ:
それなら、もう残ってる。あの治せなかった副作用があるでしょ?イマになって、ようやくその理由が分かった。
シトラリ:
感覚を共有する秘術は意識レベルの交わりだから、自然と「記憶」も関わってくるの。
シトラリ:
キミと感覚を共有したとき、色が記憶に「繋がり」を残したんでしょう。まさか、キミもワタシと同じように、あの「記憶の色」が見えてるなんてね。
シトラリ:
そして、その繋がりは秘術に影響を及ぼし、副作用を起こさせた…
パイモン:
なるほど。旅人がシトラリの記憶に色を残したから、シトラリは旅人の心の声が聞こえるようになったんだな。
パイモン:
じゃあ、旅人がシトラリの心の声を聞いたのは、その逆ってことか?
シトラリ:
実際は秘術への深い造詣も関わってくるから、もう少しフクザツだけどね。
シトラリ:
ほら、現に旅人の副作用はしばらく続いたあと落ち着いたのに、ワタシのほうはイマも残ってるでしょ?
シトラリ:
でも安心して。原理はもうパーペキに理解したし、すぐ治せるハズよ。
パイモン:
そっか、良かったぞ!
シトラリ:
(まあ、ウソなんだけど…ホントは、相手が自分の記憶にどれだけ深い印象を残したかによって、ココロの声が聞こえるかが決まるのよね。)
シトラリ:
(今回こうして一緒に過ごしたコトで、旅人にはまたワタシのココロの声が聞こえるようになってるかも。)
旅人:
(あれ!?)
シトラリ:
(やっぱりね…)
旅人:
(何か解決策はある?)
シトラリ:
(記憶による繋がりである以上、唯一の解決策は、キミがワタシを忘れるか、ワタシがキミを忘れるしかない。)
旅人:
(……)
シトラリ:
(ジョーダンよ。ワタシは謎煙の主の大シャーマンなんだから。副作用の原因が分かったイマ、いくらでも治しようはある。)
シトラリ:
(ただ、ちょっと時間がかかると思う…当面はガマンしてちょうだい。)
シトラリ:
(ワタシは隠しゴトなんてないし、聞こえたところで困らないけど…あっ、酔った勢いで言ったのはノーカンね。)
シトラリ:
(ザンネン?こんなテレパシーが楽しいの?ならもう一回、共感の秘術を使えばいいコトよ。)
シトラリ:
(あ、先に言っておくけど、イマのは約束したワケじゃないからね。だって、ココロの中に隠しておいたほうがいいコトもあるでしょ?)
パイモン:
ん?…んん?
ビラム族長にウォーベンを渡す
ビラム:
おお、完成したのか?どうやら「七彩の戦い」を調べる冒険は大きな収穫をもたらしてくれたみたいだね。詳しく教えてくれないかな?
カホロム:
もうウォーベンができたのか?
アイワスティン:
さすがトラポ様に選ばれた人!
パイモン:
ええと…旅人が詳しく話すから聞いてくれ!
「色」に関するすべてをビラムに説明した。だが、シトラリに関する部分は伏せておいた。
ビラム:
なるほど…
パイモン:
ぜんぜん驚いてないみたいだな…
ビラム:
ああ、歴史は部族の記憶であり、記憶の中の色でしか歴史は描けないからね。なんとなく想像はしていたのさ。
ビラム:
あとは、この秘術を伝承させる方法を考えないと…
ビラム:
旅人の話だと、秘術を伝承させるには、自分の記憶を共有する必要があるんだね?
パイモン:
えーっと…
ビラム:
じゃあ旅人の話をもとに、祭司に秘術を作ってもらうしかないな。
ビラム:
記憶は貴重なものだ。ほとんどの人は一番大切な人としか共有したくないだろう。君に代わって、そんな決断をすることはできない。
ビラム:
旅人はこの使命を見事果たしてくれた。伝承の使命は謎煙の主に任せてくれ。
パイモン:
おう、頼んだぜ!
ビラム:
それと、近々黒曜石の老婆に会うことがあったら、よろしく伝えておいてほしい。
ビラム:
あの方が捕まえたフォンテーヌの商人を尋問したところ、ここ最近「七彩の戦い」の真偽を疑う民たちが現れたのは、彼にあおられてのことだと発覚した。
ビラム:
あの商人はわざわざ人を雇って噂を流し、人為的にいざこざを引き起こしていたんだ。
ビラム:
彼の罪をまとめ、近いうちにフォンテーヌとの外交で処理を進めるつもりだよ。
パイモン:
なるほど。あいつ、いざこざの隙につけ込んで調査してたんだな。
パイモン:
だと思ったぜ!だって、自分とこの部族の英雄だもんな。その活躍を疑うわけないぞ!
旅人:
じゃあ、俺たちはこれで。
ビラム:
ああ、また会おう。
シトラリに状況を伝える
シトラリ:
ちゃんと伝えてくれた?
パイモン:
おう!シトラリのことは隠しておいたぜ。危うくバレるところだったけど…
シトラリ:
キミたちも「神の贈り物」だとか言ってごまかせば良かったのに。
旅人:
ビラムの努力は報われるべきだから。
シトラリ:
…分かってる。彼はイマまでの族長とちょっと違うしね。ただ、もしバレたら厄介事に巻き込まれると思っただけよ。
アリエ:
探しました。ここにいたんですね!
パイモン:
フォンテーヌの研究員じゃんか…あの悪徳商人と一緒のところにいると思ったけど。
アリエ:
アリエとお呼びください…僕も取り調べを受けましたが、実際は何の罪も犯していないので釈放されたんです。
アリエ:
雇い主を失った今、僕はできるだけ早くフォンテーヌに戻らないとなりません。何しろ、資金源がなくなってしまいましたからね。でもナタを離れる前に、調査を終わらせたいと思いまして。
アリエ:
ナタ人以外にもウィツィリンの功績を知ってもらえるよう、彼女の物語を補完していただけないでしょうか?
シトラリ:
取材?メンドーね…外のヒトがワタシたち部族の物語を知ってるかどうかなんて気にもしないんだけど?
アリエ:
誤解なさらないでください。あなたたちの歴史を改ざんしたり、それで利益を得たりするようなことはしません。僕はただ、他の国の歴史に興味があるだけなんです。
アリエ:
本当に素晴らしい物語は、テイワット全土に知れ渡るべきじゃありませんか?文化だってそういった交流を経て、育まれてきたのですから。
旅人:
確かに…
シトラリ:
じゃあ、早くしてちょうだい。これから大事な予定が入ってるの。
パイモン:
「大事な予定」…
アリエ:
ありがとうございます!
アリエはウィツィリンに関する様々な質問をした。シトラリがしびれを切らしたことで、彼はようやく去って行った。
シトラリ:
…ハァ、今日もまた「交流」の活動限界を迎えるなんて…
旅人:
もうそろそろ俺たちも行くよ。
シトラリ:
え、ちょ…待ちなさい。絶版本二冊、まだもらってないんだけど?
パイモン:
あっ、悪い…やっぱ娯楽小説のこととなると、シトラリは本気度が増すな。
旅人:
ただ、すぐには見つからないと思う。
シトラリ:
分かってる。あの絶版本の希少性はキミよりもよく知ってるつもりだから。もしかすると稲妻の八重堂まで行く必要があるかもね…
シトラリ:
すぐに見つけてくれとは言わないけど、忘れずに覚えておいてちょうだい。
パイモン:
おう、見つけたらすぐシトラリのとこに持ってくぞ!
シトラリ:
持ってく…二日酔いのときにドアを叩く音で起こされるのはヤだから、こうしましょう…はい、これ。
パイモン:
これって…
シトラリ:
…うちのカギ。ウルサイのはカンベンだから、次はノックせずに入ってきてちょうだい。