arrow_back 原神 クエスト
天下人の章 第二幕

須臾百夢


不浄祓いし明光
稲妻の冒険者協会に、神櫻に関する依頼があるようだ…
キャサリンと会話する
キャサリン:
星と深淵を目指せ。
キャサリン:
実はつい先日、冒険者協会にある特殊な依頼が届きました。慎重に検討いたしましたところ、やはり…
パイモン:
「旅人がもっとも適した人選」、だろ?
キャサリン:
ふふっ。はい、いつもと同じですね。
キャサリン:
では早速ではありますが、この依頼を引き受けてはいただけませんでしょうか?
キャサリン:
はい、では簡単に説明いたしますね。本件は社奉行からの依頼になります。どうやら、獣域ハウンドの群れが影向山一帯で神櫻の根を攻撃しているようなのです。
パイモン:
獣域ハウンド?そいつらが鳴神島に現れたのか?
キャサリン:
はい、そうです。それら魔物が一体どこからやって来たのかは分かりません。ただ今回は群れを成しており、規模も大きく、目標が明確で非常に攻撃的になっています。
キャサリン:
神櫻が稲妻にとってとても大切な存在であることを、あなたたちもご存知ですよね?
キャサリン:
よかったです。ですので、この件は至急対処しなければなりません。
パイモン:
このこと、天領奉行の人は知ってるのか?
キャサリン:
はい、彼らもすでに行動しています。ただ神櫻の根はとても複雑なもの。獣域ハウンドも神出鬼没で数が多く、対処するのが難しい状況でして…
キャサリン:
そのため、彼らは住民を守ることを最優先事項としています。魔物を殲滅するために、様々な勢力へと積極的に協力を求めているようです。
キャサリン:
また本件に対し、冒険者協会も力を入れてサポートを行っております。しかし現状、各勢力による獣域ハウンドの討伐は、まだあまり楽観のできない状況です。
キャサリン:
ありがとうございます。心強いお返事を聞けて、とても安心しました。
キャサリン:
では、獣域ハウンドの出没地点をマップに記しておきますね。それら魔物の殲滅を、どうかよろしくお願いいたします。
パイモン:
安心しろ、すぐ終わらせて帰ってくるぜ!
雷電影と会話する
雷電将軍?:
「無我の境地へ」!
パイモン:
しょ、将軍?いや、もしかしたら影って可能性も…
雷電将軍?:
…あなたたちでしたか。
影:
そういえば、天領奉行内部の混乱を解決して以来、随分と長く会っていませんでしたね。
パイモン:
その口調…影か?
パイモン:
一撃でやっつけるなんて…つ、つよい!
影:
とある用事のため、その最初の準備をしていたのです。
影:
以前あなたと一緒に稲妻を散策した時、今の人々の状況を目の当たりにしました。そのおかげで、昔は分からなかった道理を、ある程度理解することができました。
影:
それ以来、考えごとに行き詰まると、心ともなく外に出てみたくなるようになったのです。
パイモン:
そうだよな、ずっと同じところにいたら息が詰まっちゃうし。
影:
…念のため言っておきますが、これは決して娯楽目的ではありません。
影:
ここ最近、私は一心浄土の内より、外界で起きている変化を見てきました。とりわけもっとも深刻なのが、獣域ハウンドが神櫻に対して攻撃を行っていることです。
影:
これについて私は、十分に注意を払うべき一件だと考えました。そこで魔物を追ってここまで来たところ、こうしてあなたたちと会ったのです。
影:
もし、この事に気づいたのが将軍であって「私」でなかったら…放っていたかもしれません。
パイモン:
ん?どうしてだ?人形だったら助けてくれなかったのか?
影:
はい。私が人形に定めた規則では、こういった事件は三奉行に対処させるようになっています。
影:
しかし、獣域ハウンドによる神櫻への攻撃は、私にとって過去に起きたあの災いの記憶を蘇らせるもの…
パイモン:
過去に起きた災い?
影:
そう。五百年前、稲妻で起きた大きな災厄のことです。
影:
大地は漆黒の霧に包まれ、辺りには魔物が蔓延りました…この災厄のせいで無数の命が奪われ、人々が苦労して建てた家々もそのほとんどが瓦礫へと変わり果ててしまった。
影:
魔物は稲妻の地で、数々の猛威を振るいました。そしてこの「獣域ハウンド」こそが、その魔物たちの先遣部隊だったのです。
影:
この魔物の責務は、鋭利な牙と爪で空間を切り裂いて道を作り、より強大な猛獣を呼び寄せること。
旅人:
五百年前、つまりカーンルイアの…
影:
どうやら、あなたも聞いたことがあるようですね。
影:
あれは、私が永遠に思い出したくない記憶でもあります。あなたたちからすれば、これら生物に対する私の行動は過剰だと思うかもしれませんが…
影:
しかし…やり過ぎるくらいでなければいけないことなのです。
パイモン:
わかるような、よくわからないような…
影:
あなたたちも同じ事情で来たのですから、一緒に行動しましょう。
影:
付近にあった痕跡から見て、まだこの辺りには魔物が数多くいるようです。そのすべてを絶対に殲滅しなければなりません。
旅人:
うん、行こう。
パイモン:
影といっしょに行動できるのは、なんだかすごく安心感があるな!これが俗に言う、「強者が一緒にいる時に味わえる優越感」ってやつか?
パイモン:
そうだ、魔物を片づけたら、カーンルイアのことについて聞いてみようぜ。
現場の状況を把握する
影:
幸い…被害はそれほど大きなものではありませんでした。傷ついた神櫻の手当ては、社奉行に任せればいいでしょう。
パイモン:
あの流れてるのって、神櫻の樹液か?なんか光ってるけど…
飛び散った光は、人の姿となった…
パイモン:
あれ?
パイモン:
こ、これって…?
パイモン:
まさか、この人もう亡くなってるんじゃないか?今までも旅の途中で、同じような現象をオイラたち見てきただろ…
パイモン:
でも、なんでこんなところに…
影:
二人とも、辺りを確認してみましょう。
北村:
うぅ…ぐっ…
北村:
俺は…ここで倒れるわけには…仲間たちのためにも…俺は…
パイモン:
おい、なにがあったんだ?
北村:
お前たち、何者だ?どうしてここに…?
北村:
早く逃げろ!猛獣がまた来るぞ…やつらに目をつけられたら、もう逃げられない!
北村:
俺たちは…稲妻を守り…最後まで戦い抜かねば!
北村:
なに?知らないのか…?稲妻はもう暗き闇に覆われてしまったんだ。
北村:
辺りには猛獣が溢れかえっている。それだけじゃない、もっと凶悪な魔物もいるようだ!やつらには感情がなく、ただすべてを呑み込もうとしている…
北村:
俺たち人間が存在した証もおそらく、やつらに喰らい尽くされてしまうだろう…
パイモン:
でも、周りにはなにもないぞ?
北村:
まだその時じゃないってだけだ。やつらは必ず戻ってくる…だから早く逃げろ!もう時間がないッ!
北村:
今は将軍様も、狐斎宮様もいらっしゃらない。頼れるのは自分たちだけだ。
北村:
俺たちがあとどれぐらい持ちこたえられるか、俺にも分からない。だが…もし希望までも捨ててしまえば、それこそ本当に何も残らないだろう…
影:
慌てることはありません。私はここにいますよ。
北村:
しょ、将軍様!?
北村:
お帰りになられてたんですね!
北村:
お願いします、どうか我々を助けてください…どうか…稲妻をお救いください!
北村:
あなた様の無上なる雷光がなければ、この暗闇を払いのけることはできません…このままでは、稲妻全土が猛獣の餌食となってしまいます!
影:
落ち着いてください。もうあの戦争は終わっています。
北村:
終わった…?い…一体、何をおっしゃって…
影:
辺りをよく見れば分かります。草木は生い茂り、風も至極穏やかです。あなたの記憶にある平和な稲妻と、なんら変わりないはずですよ。
影:
魔物もおらず、命を脅かすものもありません。
北村:
たしかに…
北村:
しかし、一体どうして?やつらはさっきまで近くにいたのに…
北村:
つい先ほど私はこの目で見たんです…戦友たちの体が紙のように引き裂かれる姿を…
パイモン:
おい、落ち着けって!もう大丈夫だ!
北村:
ああ…
北村:
そうか…将軍様が…稲妻を救ってくださったのですね?
北村:
将軍様を信じることは、やはりもっとも正しい選択でした。将軍様がいる限り、稲妻は永遠に安泰でしょう…
北村:
ありがとうございます、将軍様…本当に…ありがとうございます…
パイモン:
ど、どうしたんだよ、いったい…?
旅人:
消えていってる?
影:
…はい、もう消えてしまいました。
パイモン:
オイラ…なにが起きたのかよくわからなかったけど…でも、なんだかすごく悲しくて、絶望的な状況だったみたいだ…
影:
私の考えが正しければ、先ほどの一幕はとある武士がこの地に残した記憶でしょう。
影:
神櫻は地脈から穢れを吸い取って浄化することができます。ハウンドに襲われた樹幹の傷から穢れが漏れ出し、凝集して実体になったのでしょう。
影:
もし集まったのが凄まじい穢れであれば、形成された個体は強い攻撃性を持ちます。そしてその穢れが浄化されたとき、記憶となってそこに現れるのです。
影:
浄化された穢れはすぐに散逸し、再び地脈へと溶けていきます。言い換えれば、彼らは長く存在することができません。
パイモン:
つまり、過去に亡くなった人たちの記憶が、今ここに現れたってことか?
影:
その通り。あの兵士も数多くの犠牲者の一人であり、彼が言っていたことこそ、五百年前に稲妻で起きた災いなのです。
影:
はい。当時、稲妻は数々の危機に直面していました。それは本土に関することもあれば…すでに滅びた王国、カーンルイアに関することもありました。
影:
稲妻の災いは、私にとって決して看過できるものではありませんでした。すぐにでも私が介入しなければ、その災いはテイワット全土へと広がってしまう可能性さえあったのです。
影:
ただ、私の友人である狐斎宮は私にこう言いました。周りにある力の全てを以て稲妻を守る責務を担い、私の不安を取り除くと。
影:
…誰も口にはしませんでしたが、私も彼女も分かっていました。その先にあるのが茨の道であることを…
パイモン:
えっと…それって、カーンルイアに災いが起こった時、稲妻も襲われてたってことか?
影:
はい。無数の魔物が突如稲妻に現れたのです。狐斎宮は…人々を守るため、自らの命を捧げました。
影:
私は…彼女の最期を見届けることはできませんでした。けれど、彼女は命果てるその瞬間まで私との約束を果たしてくれていた…私はそう信じています。
影:
しかしそれでも、稲妻の惨状は想像を絶するものでした。あの悲劇はこの大地に…そして私の心に大きな傷を残しました…
パイモン:
影…
旅人:
それが八重神子の言っていた「失ったもの」?
影:
はい。「失ったもの」がもたらす苦痛を、私は直視することができませんでした。
影:
たとえ祟り神を断ち切り、魔獣を殲滅できる強大な武力を持っていたとしても…結局時間には抗えません。大切な人を留めておくことはできないのです。
影:
……
影:
しかし、人間の「願い」を目にしてからは、私も色々と考えました。いつまでも過去に囚われてばかりいるわけにはいきません。
旅人:
もう過去は気にしないの?
影:
…以前、あなたと一緒に稲妻を散策した時、数百年にもわたる稲妻の進歩を、そして人々の可能性を見届けました。そのすべてが、私の想像をはるかに上回るものでした。
影:
前進することは損失をもたらしますが、それはまた「出会い」も生み出します。
影:
先ほどの兵士も、数々の「失ったもの」を見届けながら、それでも「前進」して戦うことを選びました。
影:
あの時代の犠牲者が、命を賭してでも追い求めた未来…彼らの心の中に存在したその風景は、私の望んだ永遠とは違っていたのかもしれません…
影:
稲妻の神として、今こそ彼らの期待に応える時です。
影:
かつてその血を流してきた兵士たち、その輝かしい魂は、この大地に眠っています。
影:
あなたたちの努力を忘れることはありません。
パイモン:
影の表情がすごく真剣だ…
旅人:
……
影:
行きましょう。私たちはまだ、被害を受けている神櫻を調査しなければなりません。
現れた人と会話する
パイモン:
あれ、影の様子、なんかおかしくないか…?
旅人:
大丈夫?
影:
どうして、そのようなことを聞くのでしょう?
パイモン:
普段ならもっと手際よく刀を抜いて、「シャキーンッ」って一瞬で斬り伏せるだろ?
影:
心配はいりません。私はただ力を温存しておきたいだけです。
影:
事前にある程度の情報を得てはいますが、いつ不測の事態が起こってもおかしくはありません。
影:
ですから、最善の準備をしておかなければならないのです。もしより強大な魔獣が辺りに潜んでいたら、それに対応できるだけの力が必要になりますから。
パイモン:
おお!さすが百戦錬磨の大将軍!
パイモン:
この樹の根は深い傷を負っているみたいだ…このことを社奉行の人に伝えないと。
パイモン:
あれ、また光り出したぞ?
飛び散った光は、再び人の姿となった…
旅人:
前と同じだ。
影:
あなたは…古山?
古山:
ん?
古山:
将軍様!?遠方の戦場へとお出向きになられたのでは?どうしてまたお帰りに?
パイモン:
(遠方の戦場?これも五百年前の出来事なのか…)
影:
私から紹介しましょう。この者は古山、かねてより私に付き従っていた茶人です。
影:
古山は目が見えませんが、常人をはるかに超える審美を備えています。彼が淹れたお茶は、稲妻でも一、二を争うものなんですよ。
古山:
そんな、恐れ多い。これはただ、将軍様にずっと付き従って会得した特技に過ぎませんよ。
古山:
ところで…お客人をお連れのようですが…?
古山:
このような状況では、おそらく皆さんにまともなお茶をお出しすることはできません…それでもよろしければ、こちらに座ってしばらくお休みになられませんか。
古山:
何せ、外はもう大混乱ですので。
パイモン:
な、なあ。オイラたち、どうしたらいいんだろ?
パイモン:
えっと…そうなんだよ、外はもう猛獣だらけで、真っ暗なんだ。それに、ケガ人もいっぱいいて…
古山:
そうですか、もうここまで攻めて来たのですね。
古山:
付近の住民はもうほとんど逃げました。彼らはこの老骨も連れて行こうとしましたが、私は意味がないと思い、ここに残ったのです。
古山:
将軍様がいらっしゃるのですから、私が逃げる理由などありません。
古山:
それに、もしこれが将軍様ですらどうしようもないことだったとしたら、一体どこに逃げればいいと言うのでしょう?
旅人:
どうしてそんなに落ち着いてるの?
古山:
逃げるのは、生き延びるため。生きたいと思うのは、まだやり遂げていないことがあるため。
古山:
しかし私には、あいにくそのような考えがありません。後悔や心残りもないのです。
古山:
将軍様がお茶を嗜む時、いつも「夢想」のことを私に話してくださいました。
古山:
その話を聞いていると…たとえ長いこと光を失っていた私でも、稲妻のもっとも美しい山々や海を旅しているような気分になれたのです…時が経つにつれ、私は将軍様の浪漫と夢のある考えを理解するようになりました。
古山:
いつも言っていましたよ——「美しきものは時の流れと共に変化し、消えてゆく。だからこそ人生において、悔いのないよう愉しまなければならない」と。
パイモン:
それって…
古山:
私はすでに無数の美しき物事を見てきました。たとえ最悪の今であっても、何の不満もありません。
影:
それも、間違ってはいません。
古山:
あと少しすれば、私も将軍様にお別れを告げる時が来るでしょう。この災難の後、将軍様の再建した稲妻を見れないのは、本当に残念で仕方ありません…
古山:
しかし、それでもいいのです。みな稲妻が闇に包まれたと言っていますが、私の目には、稲妻はずっと真っ暗だったんですから。
古山:
災難が過ぎれば、新生が来たるもの。たとえ私がその時まで生き長らえたとしても、ただの風情のわからぬ盲目の老人…はははっ、やはりこれ以上はやめておきましょう。
影:
……
古山:
おや、これはいけない。自分の話ばかりして、お茶を出してもいませんでした。
古山:
将軍様がいらっしゃったというのに、お茶すら用意できていないとは…なんと失敬なことを。
古山:
少々お待ちを、今すぐ…おや、茶道具はどこに…?
古山:
もしや他の者がここを離れようとした時、どこかにぶつけて割ってしまったのでしょうか…?
パイモン:
たしかに茶道具はどこにもなさそうだな…
古山:
やはりありませんか…いつもはすぐ傍に置いてあるはずなんですが…いやはや、将軍様と客人方にお恥ずかしいところを見せてしまいました。
旅人:
どこに茶道具があるか知ってる。
古山:
いえいえ、客人に取りに行かせるなんて、あまりにも礼儀を欠いてしまっております。
影:
問題ありません。あなたはここで休んでいてください、私たちがすぐに取って来ますので。
古山:
将軍様直々に行かれるのですか?なりません、そんな恐れ多いこと…それに外の戦況も…
影:
この場所は…複雑で、あなたの記憶にある茶屋とは大きく異なります。
影:
私たちに任せてください。
古山:
わ…わかりました。まさか、将軍様に茶道具を用意してもらう日が訪れるとは…
古山:
最後の後悔といいますか、最後の幸運といいますか…まったく、はははっ…
影と会話する
平野:
旅人さん、それと…しょ、将軍様!
平野:
将軍様直々にいらっしゃるとは、どういったご用件でしょうか?
影:
社奉行にある茶道具を借していただけますか。
平野:
は、はい!今すぐ準備してまいります。
平野:
将軍様は中庭でお休みになられていてください。将軍様がいらっしゃったことをすぐに当主様にお伝えしてまいります。茶道具は準備が整い次第お持ちいたしますので。
影:
いえ、彼に会いに来たわけではありません。休むよりも、この時間を使って旅人さんと話をするつもりです。お手数ですが、茶道具のほうはお任せしましたよ。
平野:
は、はい!将軍様直々にいらっしゃったのです、最善を尽くさせていただきます!今すぐ手配してまいりますのでお待ちください。
影:
せっかく話をする機会ができたのです。私に聞きたいことが山ほどあるのではないですか?
旅人:
あの茶人は本当に「影」に仕えてたの?
パイモン:
そうそう、オイラもそれが聞きたかったんだ!あの人の言ってた「将軍様」って、なんだか影と全然違う気がするぞ。
影:
私がお茶を飲む機会はあまりなく、空いた時間はいつも武道の鍛錬に費やしていました。
影:
ですのでほとんどの時間、彼は前任の雷神、つまり私の姉である雷電眞のためにお茶を淹れていたのです。
影:
もしかすると彼は、「二人の将軍」に気付いていたかもしれませんが、ただずっと何も知らないかのように振る舞っていました。
影:
先ほど彼が言った理念も、眞がずっと抱いていた現実に対する見方です。
パイモン:
眞と影の考え方って、すごく違うんだな…
影:
はい、それこそが私たちの間にある一番大きな違いでした。
影:
彼女が俗世でもっとも重きを置いていた考えは「夢想」——即ち、より良い未来への憧憬だったのです。
旅人:
それって「願い」と同じってこと?
影:
似た点もありますが、少し違います。
影:
あなたが「一心浄土」に入ってきた時、願いを象徴する無数の星々が、彼方の空で光り輝きました。それを見て、私の心は動揺してしまったのです。
影:
今思えば、彼女が正しくて、私が間違っていたのでしょう。
パイモン:
そんなことがあったのか…
影:
眞は私よりも遠くを見据えていました。彼女にとっての「夢想」とは、「願い」よりも実体のない、抽象的な状態のことだったのでしょう。
影:
「願い」が指し示すことのほとんどは、特定の物質や結果です。それはそこで終わることもあれば、新たな「願い」に取って代わることもあります。
影:
眞が気にかけていたのは、人間に新しい「願い」を生じさせる原動力。その原動力は本能によるものであり、言い換えれば…それも一種の永遠なのです。
パイモン:
な、なにを言ってるのかわからなくなってきた…
影:
分かりやすく言うと、眞は結果を気にしなかったのです。
影:
あの時の私には、どうしても理解できませんでした。すべてが前へと流れているにも関わらず、一体どうして永遠を保っていると言えるのでしょう。
影:
しかし、それが彼女の「永遠」に対する解釈でした。
旅人:
そっちのほうが人間の世界観に合ってる。
影:
はい。以前の私は、彼女が何か底知れぬ英知を手にしたからだと考えていました。
影:
けれど、ようやく分かったのです。眞のその考えは、一見単純ですがより成熟していて、先を見据えた慎重な選択であったのだと。
パイモン:
今の影なら眞を理解できるのか?
影:
私の過去の「永遠」に対する考えは、あなたたちも見届けたはずです。
影:
今の私はもう、失ったものに固執することはありません。私と彼女は、分かり合えたと言えるでしょう…
平野:
将軍様、茶道具を見つけてまいりました!この一式がもっとも将軍様にお似合いかと…!
影:
ええ、とても趣のある良い品ですね。ありがとうございます。
平野:
そ、そんな…将軍様からお礼を言われる日が来るなんて…
パイモン:
将軍様は、実は話の通じるお方なんだぜ!
影:
二人とも、戻りましょう。あまり古山を待たせてはいけませんからね。
もう一度影と会話する
パイモン:
あれ、あのおじいちゃんは…?
パイモン:
まさか自分で茶道具を探しに行ったのかな。
旅人:
もしかしたら…
影:
私たちが以前見た記憶と同じように、地脈の力をもってしてもそう長くは存在できないのかもしれません。
パイモン:
じゃ、じゃあ…あの人が淹れたお茶を飲めないのか…
パイモン:
それに、さようならも言えてないぞ…うぅ…
影:
地脈の中にある情報はあまりにも複雑で無秩序。このように再び彼に会えたこと自体が、すでに貴重な縁とも言えます…
パイモン:
でもぉ…
影:
せっかく茶道具もありますし、私がお茶を淹れてみましょう。
影:
私は幾度となく…古山がお茶を淹れる姿を見てきました。何も問題はないはずです。
影は茶道具を使ってお茶を淹れた…
影:
出来ました、飲んでみてください。
影:
お茶を淹れている時、なんだかとても複雑な気持ちになりました…どう言い表せばいいのか、分からないのですが…
影:
あなたの言う通りですね。今日は私の記憶を呼び覚ますものをたくさん見ることができました。
影:
そして、たくさんの人々のことを思い出しました。狐斎宮、眞、それから私の目の前で去って行った友人たち…
影:
先ほど社奉行でお二人に話したのは、どれも比較的軽い話でしたが、今度は…少し重い話をしたいと思います。
影:
五百年前のあの災厄は、私から狐斎宮という友を奪っただけではなく…眞とも永別させたのです。
パイモン:
彼女もその災難で亡くなったのか…?
影:
はい。彼女は私に黙って、一人でカーンルイアに向かいました。
影:
私とは異なり、眞は武芸に秀でてはいません。ですので、何か危機が訪れた時は、いつも私が代わりに出向いていました。
影:
しかし、あの時はどうしても私を置いていかなければならなかったようで…いえ、私を背後に隠したと言ったほうが正しいでしょう。私が気付いた頃にはもう…
旅人:
まさか、そのとき眞はもう…
影:
そうです。時すでに遅し、ただ次第に息が細くなっていく彼女を見ていることしかできませんでした。
影:
彼女はすでに意識を失っており、私は彼女の意識空間に入ること以外、何もできなかったのです…あなたたちにとっては、あの「一心浄土」のような場所がそれにあたります。
影:
そこで、私たちは最後の別れをしました。慟哭する私は、彼女の考えを理解することもかないませんでした。
影:
「どうして、先にカーンルイアに辿り着いたのが私じゃなく、彼女だったのか。どうして私に言わなかったのか。まさか『庇う』ためだったとでも言うのか」。
影:
私はそこで、永遠を追求すると決心したのです。その決意を示すため、私は彼女の崩壊しそうな意識空間を留まらせ、稲妻へと持ち帰りました。
パイモン:
そうだったのか…
影:
驚くことに、稲妻へ戻ると影向山の頂上に巨大な櫻の樹が現れていました。そう、あなたたちも知る神櫻のことです。
影:
あなたと同じく、当時すべての人が当たり前のように「神櫻は昔からあった」と言っていました。なぜ私が驚いているのか、まったく理解できないような顔をしていたのを覚えています。
影:
誰も疑う者はいませんでした。神櫻の存在は私の記憶と明らかに食い違いがあるのに、私だけがそれに気付けていたようなのです。
影:
結局私は、それがあの意識空間によって引き起こされた不思議な事象だと思うことにしました。
影:
神櫻の力を借り、私は稲妻で起きていた魔物の災いを鎮めることができました。
パイモン:
な、なんだか、もうオイラが理解できるレベルの話を超えてて、ちんぷんかんぷんだぞ…
旅人:
眞の力だったのかも。
影:
ええ。彼女のこの大地と人々に対する情愛に比べれば…私もまだまだです。
影:
元々、この過去はもう二度と口にはしないと決めていました。決別を直視するのは、とても苦しいことですから。
影:
ですが…苦みのあるお茶を喉に通せば、甘い後味がついてきます。
影:
…そろそろ、すべてを直視すべき時が来たのだと、そう思ったのです。
パイモン:
そうだ、旅人。影はあの戦いを経験したんだろ?だったら…
旅人:
俺の妹を見なかった?
影:
妹さん?そうですね…あなたが家族を探していることは聞いていましたが…
影:
まさか、その彼女もカーンルイアの災いと関係が?
パイモン:
オイラたちが知る限りでは、どうやら関係してるみたいなんだ…
影:
すみません。私もそのすべてを直接見たわけではありません。あそこに着いた時、凄惨な戦いはすでに終わりを迎えていました。
影:
それにあの時…私の心は完全に稲妻と、親しい者たちの不幸によって埋め尽くされていましたので…
影:
おそらく、あなたたちの役に立つ話はできません。
パイモン:
そっか…残念だな…でも仕方ないか…
パイモン:
影にも同じように、悲しい過去があったんだな…
影:
最後の一杯は、茶人に捧げましょう。
影:
再び出会う機会をくれた、この運命に深い感謝を。

往日の途を断ちて
神櫻の傷ついた根から、多くの人の記憶が散逸した。この機会に、雷電影は大切な友人や守り抜いてきた稲妻の物語を色々と話してくれた。
影と会話する
影:
先ほどと同じように、私に任せてください。
パイモン:
おいおい、ほ、本当に大丈夫なのか?オイラたちをおどかすなよ!
影:
大丈夫です、戦闘は私のもっとも得意とすることですので。
影と会話し、彼女の状態を確認する
パイモン:
影、やっぱりここはオイラたちに任せろ。
影:
私は…
影:
すみません。
パイモン:
大丈夫だ。影は後ろで休んどけ、体力を回復しとくんだ!
パイモン:
魔物はオイラたちがやっつける!
パイモン:
あれ…またあの光だ…?
間一髪のところで、光の中から三人の武士が現れた。
藤木:
こ、ここは一体?
藤木:
それに君たちは…なっ、将軍様!?
藤木:
将軍様、まさかケガをされているのですか?
影:
くっ…平気です。ただ体が思うように動かないだけで…
藤木:
我ら幕府武士、必ずや将軍様を最後まで守り抜いてみせましょう!
深見:
野郎ども!かかれッ!また魔物が攻めて来たぞ!
影:
いけません、危険すぎます。
藤木:
これこそ我々の使命です!危険を恐れていては、はなから武器など握ってはおりません。
深見:
将軍様、ご安心を。このような苦境に立たされた時こそ、神によって与えられた我々の力が意味を持つのです。
パイモン:
それって、神の目?
藤木:
そうです。神は全能であり、人間に力を与えます。つまり、我々に深い期待を寄せているということでしょう。
藤木:
そして、将軍様が苦境に立たされている今、我々はその誓いを果たさねばなりません!
パイモン:
当時、戦ってた人たちって、こんな風に神の目のことを見てたんだな…
深見:
将軍様がどこへ行ったのか分からず、みんな絶望の淵に立たされておりました。しかし今、将軍様はここにいる。
深見:
将軍様が再びみなの前に姿を見せれば、我々の心にある希望も再び燃え上がることでしょう。
深見:
この希望こそ、暗闇を駆け抜ける光の道しるべとなるのです。
藤木:
さあ、みなの者、共に戦おう!
パイモン:
オイラたちも戦うぞ!
藤木:
おっと、そうか…
藤木:
分かった、安全には気をつけろよ。
影と武士たちに話しかける
藤木:
どうやら、やつらの侵攻が止まったようだな。
深見:
こんなにも激しい戦いを経験したのは初めてだ!
影:
ありがとうございます…
パイモン:
あれ?もう平気なのか?まだ休んでてもいいんだぞ?
影:
問題ありません、少しよくなりました。
藤木:
見事な手際、感服いたしました。
藤木:
あれら魔物は必ずまたやって来るでしょう。その時はおそらく、獣域ハウンドのような小物だけではないはず。
藤木:
ここはすぐにでも将軍様に稲妻城へとお戻りいただき、大将の率いる軍隊と合流してもらうのが得策。
深見:
それに将軍様の帰城を目にすれば、きっとみなの士気も上がることでしょう。
パイモン:
じゃあ、おまえらはどうするんだ?
藤木:
我々はここに残って魔物どもの足止めをします。これ以上やつらを先に進ませるわけにもいきませんので。
藤木:
仲間たちと協力し合えば、敵の数がどんなに多かろうと問題はありません。
パイモン:
……
深見:
お任せください!戦うことこそ、俺たちがもっとも得意とすることですから!
深見:
将軍様は特別な存在。将軍様だけがこの絶望的な現状を覆し、我々を未来へと導くことができる…
深見:
稲妻がいかなる脅威に晒されようとも、我々には将軍様を永遠に信じ続けるだけの理由があるのです!
影:
……
影:
感謝いたします。あなたたちに誓いましょう、稲妻に明るい未来をもたらすことを。
影:
その約束が果たされるのは少々遅れてしまいましたが、少なくともこの瞬間から、それが守られることを保証します。
深見:
将軍様のそのお言葉だけで、我々はどんな困難にも立ち向かっていけます!
深見:
きっとあなた様と共に、稲妻が失ったものをすべて取り戻してみせましょう!
藤木:
常道を恢弘せしは、永遠なる鳴神なり!
武士たち:
常道を恢弘せしは、永遠なる鳴神なり!
パイモン:
消えちゃったぞ…
影:
彼らに対してであり、私に対してです。
影:
人々の犠牲は、私に計り知れないほどの苦痛をもたらしました。私は、彼らが自身の一切を燃やし尽くす姿と光り輝く姿を無視していたのです。
影:
その結果——何百年もの間、彼らの意志を蔑ろにしてしまいました。
影:
「彼らに何を言っても意味はなく、彼らは地脈の中に漂う記憶に過ぎない。」
影:
たとえそうだとしても、私は彼らに…今まで私を信じて疑わなかった人々に応えなければなりません。
パイモン:
オイラ思うんだけどさ…思いに応えてくれたのが、たとえ何百年後だったとしても、それでも報われたんじゃないかな…
影:
慰めてくれるのですね…ありがとうございます。しかし、これは元より稲妻の神がやるべきことです。私は行動するのが遅すぎました。
影:
先ほどの武士が言ったように、私は戦士の担うべきことをすべて引き受けていればいいとだけ思っていました。
影:
ですが稲妻に必要なのは、眞のような人物です。
影:
たとえ私と眞がまったく異なっていて、永遠に彼女のようにはなれないとしても——私のやるべきことは、彼女と同じであるべきなのです。
旅人:
人間は、影の信頼に値する存在。
影:
ええ。強くて、たくましい、誇るべき存在です…
影:
人々に崇められる雷電将軍が、彼らの足を引っ張ってはいけませんね。
パイモン:
おっ!どうやら、考えがまとまったみたいだな!
影:
稲妻には新たな変化と可能性があります。しかしそれと同時に、時間も必要なんです。「過去」が私たちに残した傷跡は、「未来」へと至る時間の中で癒されていくことでしょう。
影:
どれほど時間を費やすことになろうとも、私はやり遂げてみせます。これは私自身が約束したことですから。
影:
獣域ハウンドを一掃した今、この件も解決へと向かうことでしょう。今のところ、やつらがこれ以上の脅威をもたらす気配はありません。
影:
原因の究明や傷ついた神櫻の手当てなどについては、天領奉行か社奉行の者に対応させます。
パイモン:
おう、じゃあ行こうぜ!
パイモン:
影、すごく落ち着いてるように見えるけど、内心はざわついてるんじゃないかな?
パイモン:
なんか影って、ここ最近ですごく変わったよな。
パイモン:
ん?
パイモン:
どうしたんだ、影?はやく行こうぜ。
影:
くっ…
旅人:
影!
パイモン:
どうしたんだよ、また具合が悪くなったのか?
影:
体が…動きません。
影:
どうやら、事態は私の思っていた以上に深刻なようです。
影:
いえ、「彼女」が私を呼んでいます。今が絶好の機会でしょう。
影:
旅人、私の体を支えていただけませんか。
影:
鳴神大社の下にある…洞窟へ行きましょう。
パイモン:
洞窟?中になにかあるのか?
影:
そここそが…過去を断ち切り、未来へと進むための戦場です。
影と会話する
影:
着きました、入り口はここです…
パイモン:
うわっ、鳥居が現れた!?
旅人:
大丈夫?
影:
また悪化したような気がします…でも大丈夫です。なるべく早くすべてを終わらせなければ。
影:
ここはかつて私が直々に封じた…雷電眞の意識空間への入り口。
影:
どうやら、「彼女」はもう、私にこの体を好き勝手使わせる気がないようです。
パイモン:
ん?どういうことだ、彼女って誰だよ?眞のことか?
影:
ついて来てください。
パイモン:
ついて行くって、どこに…ってうわぁあ——
神秘に包まれた空間に入る
何かの力によって、不思議な空間に引きずり込まれた。
影と会話する
パイモン:
うぅ…頭がクラクラするぞ。どこかに引き込まれたみたいだけど…
パイモン:
あっ!この場所って…
旅人:
「一心浄土」に似てる。
パイモン:
おい、あっち見ろ!
パイモン:
もう一人、影がいるぞ!
雷電将軍:
またお会いしましたね、旅人さん。
雷電将軍:
この身は内なる者の協力者であり、規則の守護者。
雷電将軍:
内なる者が規則から逸脱しようものなら、この身は…修羅と化しましょう。
パイモン:
この感じ…まさか人形の将軍か!?
雷電将軍:
あなたは私の体で俗世を巡り、永遠の真諦を掴んだようですね。
雷電将軍:
今の自分のほうが、過去の自分よりも決意が固く、考えが正しい。そう思っているのでしょうか?
雷電将軍:
それは新たな考えを得たから?それとも抗うことのできない「摩耗」を受けたからですか?
影:
それをあなたに答えるために、私は来たのです。
影:
私たちは武人。今この場における対話は、「刀を交えること」のみ。
パイモン:
あわわ…ふ、雰囲気が一気に変わったぞ!
パイモン:
も、もう…だ、だだ大丈夫なのか?
影:
先ほどの不調は、私に体を使わせまいと将軍が抵抗していたからです。
影:
彼女が言ったように、私が「変化」する考えを持った時点で、彼女は私を敵と見なします。
影:
ただ、意識空間に入れば、私は彼女から独立した存在となり、干渉を受けることがなくなるのです。
影:
将軍は人形ですが、自我を持っています。必要な時に、ここに現れて私と対決するのです。
パイモン:
えっと…影はどんな困難があってもやり遂げるって言ってたけど、まさか自分と戦うことになるなんて誰も想像してなかったぞ!
パイモン:
影と将軍が戦うなんて…
影:
私が将軍に定めた規則…いえ、将軍こそかつての私の理想。「永遠」の礎であり、揺るぎない存在。
影:
必要がなければ、私は彼女を変えることなどしません。
パイモン:
もう他に方法はないのか?手を出さなくても丸く収まるみたいな…
旅人:
影は自分の退路を残すような人じゃない。
パイモン:
でも、二人とも稲妻のためを思ってやってるのに…
雷電将軍:
この身は、無上なる威厳を象徴し、一国を統べる権限を与えられ、「雷電将軍」の一切を凝集したもの。
雷電将軍:
当然のことながら、影が前進する中、絶え間なく失われていく苦しみと、永遠を目指す決心も受け継いでいます。
雷電将軍:
これもすべて、「摩耗」に対抗するため。
雷電将軍:
決心、勇猛、愛慕、憎悪…そのすべてが時間という長い川の中で歪み、変わっていくのです。
雷電将軍:
「規則」のみが、永遠を保つことができる。
影:
確かにそれが、あなたを作った時の私の考えでした。
影:
同時に、私が越えなければならない高き壁にもなったようです。
雷電将軍:
あなたは、私の敵になるというのですか?
雷電将軍:
私はあなたの過去であり、永久不変の規則であり、「永遠」の守護者。
影:
ならば私は、臣民に夢を与えし——「雷電影」。
もう一度影と会話する
パイモン:
やっと倒せたのか…?
雷電将軍:
その武芸、衰えてはいないようですね。
雷電将軍:
しかしその意志は、いつまで持つでしょうか。
パイモン:
そ、そんな…
旅人:
人形の将軍は無敵なの?
影:
ここは意識空間、彼女の存在はそう揺らぐことのないものです。
影:
彼女は摩耗に対抗するために生まれました。意志に関しては、彼女は生きとし生けるものの頂点に立つでしょう。当然、あなたも私も含めて…
パイモン:
じゃ、じゃあこの戦いって…終わりがないってことか?
影:
よもや、それもあり得なくはないでしょう。ですが私は、今の私の意志が決して摩耗による産物でないことを、彼女に証明しなければなりません。私の切り開く未来は、きっと摩耗にも耐えうるほど偉大なものであると。
影:
これを乗り越えなければ、将軍の規則を変えることはできません。稲妻も…「前進」することはないでしょう。
影:
これは私の責任です。たとえこの戦いが何か月、何年、何世紀…どれだけ続こうと…何度でも私は彼女を倒します。
旅人:
じゃあ、その間の稲妻はどうするの?
影:
五百年前、人間は戦うことで自らの力を証明しました。
影:
そして今、彼らは「願い」を頼りに新たな道へ歩もうとしています。まるで、古き櫻が新しい枝を伸ばすかのように…
影:
そろそろ私も——彼らを信じることを学ばなくてはなりません。
影:
はい、分かっています。ですがもし、眞の言った「夢想」こそが正真正銘の永遠なら、将軍のいない「須臾」など恐るるに足りません。
影:
稲妻の果てしない未来のためならば、どんなに長い戦いも、「永遠」の中の一瞬に過ぎないのです。
影:
私は稲妻の臣民に、必ず帰ると誓いました。この誓いは、あなたが見届けてください。
影:
私のいない間、すべてを神子たちに任せます。
パイモン:
でも、でもそれじゃ…
影:
私の言葉を伝えてください。
影によって空間から追い出されたようだ。
旅人:
影!
パイモン:
うわぁっ——!
パイモンと対策を話す
パイモン:
オイラたち、追い出されたのか…
パイモン:
どうするんだよ?本当に影と将軍をあのままずっと戦わせるのか?
パイモン:
ああすることでしか、将軍の規則は変えられないって言ってたけど…でも…
パイモン:
そうだろ?しかも影って頑固だから、あそこで壁にぶつかったらそのまま足を止め続けることになっちゃうかもしれない…
パイモン:
それに、勝負にこだわりすぎて最初の気持ちが薄れでもしたら…もう出てこない可能性だってある!
パイモン:
おう!影がこの試練を乗り越えられるよう、前みたいにあいつを手伝おう!
パイモン:
影が中にいる時間を短縮する方法か…それか、直接勝つ方法ってないか?
旅人:
うーん…
パイモン:
なにがなんでも、影をあのまま中に残しちゃだめだ!
パイモン:
でも、あの場所にはもう入れないし…
パイモン:
手伝うって言っても、まず中に入らないと…うぅ、どうしたらいいんだ…とりあえず体当たりでもしてみるか…
旅人:
八重神子に聞いてみよう。
パイモン:
そうだ!神子だ!
パイモン:
神子があの不思議な空間のことをどれくらい知ってるかはわからないけど…もう他に選択肢もない…さっそくあいつのとこに行ってみよう!

煌々たる櫻
雷電眞が残存する意識空間で、影と人形の将軍は途方もない戦いを始めた。稲妻のためにも、影のためにも…彼女がこの過酷な試練を乗り越えられるよう、あなたはこれまで同様、影を助けることにした。
八重神子と会話する
八重神子:
なんじゃ、その焦った顔は。もしやまた妾に頼み事でもしに来たのか?
八重神子:
汝じゃからよかったものの…もし他の者じゃったら、笑顔で迎え入れはしていなかったじゃろうな。
パイモン:
笑顔でって…いつもニヤニヤしてるだろ!
八重神子:
さっきのは常套句じゃ。そう妾にケチをつけるでない。
旅人:
パイモン、本題を…
パイモン:
あっ、そうだ!大変なんだよ!影が…影が…
事の経緯を八重神子に伝えた…
八重神子:
そうか——なるほど、影は稲妻を人間に託し、自ら一人でいつ終わるかも分からぬ戦いをしていると…
八重神子:
頑固で極端、自身の意志だけで行動し、僅かにでも力が足りなければ目的を達成できぬ…確かにあやつのやり方じゃ。
八重神子:
じゃが、あやつは今までずっとあんな風にしてきたんじゃ。いったい何の心配をしておるのじゃ?
八重神子:
焦っておる、か…ふふっ、それもそうじゃな。影は時に、子供じみたところがある。
八重神子:
それで、妾が手伝えると思ったのか?そのようなこと、誰から聞いたのじゃ?
パイモン:
とぼけてるんだよな?わざとからかってるんだよな!
八重神子:
ほう、ずいぶんと賢くなったではないか。じゃが残念ながら、今回のは本音じゃよ。雷電眞の意識空間について、妾はほとんど知らぬ。
八重神子:
妾が知っておるのは、あれが神櫻の根本であり、影の「一心浄土」とは少々異なるということだけじゃ。
パイモン:
それって、雷電眞がいなくなったからか?
八重神子:
完全にそういうわけでもない。空間そのものの性質にも違いがある…じゃが、妾の机上の空論よりも、直接訪れた汝らのほうが感じ取れたのではないか?
八重神子:
ともかく、これらはすべて、説明するのも面倒な些細な点じゃ。
八重神子:
まずは、その空間の入り口に向かうぞ。
八重神子と会話する
八重神子:
方法は…あるにはある。少し姑息ではあるがのう…
八重神子:
意識空間は、何も知らぬ者にとっては非常に抽象的なものじゃ。じゃが妾はちょうど影の眷属、多かれ少なかれあやつの居所を感知できる。
八重神子:
言い換えれば、その場所が空間のどの位置にあるか具体的には分からぬが、汝を影のもとに送ることはできるということじゃ。
パイモン:
抽象的…?位置?なに言ってるんだよ…
八重神子:
理解しなくてもよい。もっと簡単に言うと、今のあやつの周りにあるすべてのものは、混沌に包まれておる。
八重神子:
乱流のように無秩序…無理に入れば荒波に飲まれ、時間と空間の中に迷い込んでしまうじゃろう。
八重神子:
だからこそ、「一心浄土」に入る時は、意識を物体へと宿す方法が一番安全なんじゃ。
パイモン:
えっ?じゃあオイラはやめとくよ…おまえたちが行ってきてくれ!
八重神子:
まあ、行かなくてもよいじゃろう。最悪、影を失うだけじゃろうしな?
パイモン:
お、おまえら…ああもう!わかった、行くって…
八重神子:
決意は固まったようじゃな。では汝らを送るとしよう。
八重神子:
……
八重神子:
ん?これは…
旅人:
どうしたの?
八重神子:
いや、なんでもない。この乱れた感じ、妾の考えを裏付けておると思っただけじゃ。
八重神子:
そうじゃ、空間に入る時は、汝の願いを心の中で繰り返すんじゃぞ。
八重神子:
抽象空間の巨大な波に飲まれないためには、自らの意識を一定まで高める必要がある。意識を強く保ってこそ、妾は汝をもっとも適した位置へと送れるんじゃ。
旅人:
分かった。
八重神子:
扉が開いたぞ、入るがよい。
八重神子:
妾は外で待機しておる。汝の最後の保険としてな。
八重神子:
妾の神…汝に託したぞ。
八重神子:
妾のため、そして稲妻のため、全力を尽くしてきてくれ。
パイモン:
神子を信頼していいんだよな…
旅人:
きっと成功する。
八重神子:
さあ、行ってくるがよい!
空間に突入する
movie
雷電眞の意識空間へと迷い込んだ。ここでは時と空間が共に流れ、樹木の盛衰と滄海の変化は一瞬の出来事。そして、影と将軍が果てない戦いを繰り広げる中、神子の言葉を頭に思い巡らすと…影が再び目の前に現れた。
影と会話し、状況を整理する
影:
……
影:
どうして…?
影:
あなたたち…一体どうやって再びここへ?それに…どうして姿が昔と同じままなのですか…
旅人:
昔?それって…
雷電将軍:
この戦い、実に懐かしい。
雷電将軍:
今のあなたの意志は、まるで永遠に関する規則を定めた時と同じように固いのですね。
雷電将軍:
無数の戦いの中、あなたは一度も負けることなく、一片の迷いもありませんでした。
雷電将軍:
たとえ私が永遠におけるすべての敵を目の前に示しても、あなたは動じなかったでしょう。
影:
それほどまでに規則に従おうとする意志、称賛に値します。
影:
あなたこそ、まさに「永遠の守護者」の名にふさわしい者。
雷電将軍:
彼らがこの空間に戻ってきた時、まるで運命に導かれた必然のように感じました。
雷電将軍:
ではこの決戦をもって、私たちの五百年以上にわたる宿命に、終止符を打ちましょう。
影:
決戦?まさか…
影:
旅人さん、下がっていてください。
旅人:
すべてを終わらせるってこと?
影:
私にとっては、次の「始まり」となります。
長き戦いの終わりを見届ける
雷電将軍:
ここまでです。あなたの勝ちを認めます。
雷電将軍:
あなたは過去を超えることができないと考えていましたが、私の思い違いだったようです。あなたの魂を軽視していました。
雷電将軍:
永遠に摩耗することのない意志は、結局のところ、未来を抱けないのですね。
影:
あなたは未来の心配をする必要も、一人で前に進む必要もありません。
影:
あなたの強さは私が一番よく知っています。私一人の力では、この決闘の敗者は私だったでしょう。
影:
しかし、武芸の形と限界は、刀を振るう理由によって決まります。私が背負いしものは、天光へと向けられた幾千もの眼差し。
影:
それを思うたび、この「夢想の一心」が震えるのを感じるのです。
影:
まるで、眞から受け継いだこの刀が、私に気づかせ…鼓舞しているかのように…
雷電将軍:
私も感じていました。さきの戦いの中、それは確かに新しい力を放っていたことを。
雷電将軍:
その力は、私の認識をも超えたものです。
影:
これは眞の刀です。もしかしたら、私が彼女を心から理解した時にのみ、この刀は全力で応えてくれるのかもしれません。
影:
「夢想の一心」を強く握りしめると、彼女と一緒に戦っている感覚になります。
影:
馴染みがあるのに、それを知らない感覚…一度も刀を振るったことのない彼女が、ずっと私のそばにいるかのように…
雷電将軍:
認めましょう。
雷電将軍:
あなたのその新たな意志は摩耗によって生まれたものではない。もうあなたの規則を修正する行為を妨げるつもりはありません。
雷電将軍:
これからも、この身はあなたの協力者です。
影:
もう、変えることのできない規則を作りはしません。
影:
あなたはこれまで私の過去を表わす存在でした。しかし今日からは、あなたが——私です。
影:
眞はただ一度たりとも、私を武器と見なしたことなどありませんでした。私も決して、あなたを道具とは見なしません。
雷電将軍:
…ふふっ、本当に変わったようですね。これが人間のよく言う「成長」というものでしょうか。
雷電将軍:
分かりました、私があなたの影となりましょう。かつてあなたが、眞の影であったように。
雷電将軍:
私の行うべき責務に変わりはありません。
雷電将軍:
しかし武者として、今後もこのような戦いの機会があることを期待しています。
影:
勝負そのものについては、まだ不服と…そういうことですか?
雷電将軍:
いえ、ただ今までに感じたことのない、新しい感覚だったからです。あれはもう一度味わうのに値するものでした。
パイモン:
もう戦いは終わったのか…?これで、本当にぜんぶ終わったんだよな?
影:
ん?
旅人:
「夢想の一心」が光ってる?
「夢想の一心」が光り輝く中、声が聞こえた…
眞:
こんにちは、影。それからこれを見届けている者たち。
眞:
私は雷電眞。かつて責務を全うすることができぬまま散り、あなたたちに数多の厄介事を残してしまった前代の雷神。
影:
眞…?
眞:
私は今、とても嬉しいわ。あなたならきっと、ここまで辿り着けると信じてた。
眞:
私は「夢想の一心」へと微かに意志を残しておいたの。あなたがその力をすべて発揮した瞬間、私が現れるようにね。
眞:
どうしてこんな回りくどいやり方をしたのか——それはあの時のあなたが、自分の考えを信じて疑わず、何も聞き入れようとしなかったからよ。
眞:
ただ私には、あなたの考えが変わるまで待つ時間がなかった。だから、このような形であなたを待つことにしたの。どうか許して。
影:
しかし、そんなこと私には一度も…
眞:
すべてが急すぎたのよ…本当にごめんなさい。
眞:
いきなり、稲妻をあなたに託さなければならなくなり、ずっとあなたに悪いことをしたと思っていたわ。
眞:
あなたが「無想」に固執しないためにも、元々これらの道理は私が順を追って教えていくはずだったのに。
影:
あの時…カーンルイアで起こることが分かっていたのですか?
眞:
ええ、多少ね。どの俗世の執政にとっても、「あそこ」は無視できない存在だから。
眞:
今の私にはもう時間を感知することができない。この再会がどのくらいの時を経たものなのか、そしてその間に稲妻で何が起きたのか分からないけど…
眞:
それでも私は知っているわ。あなたはきっと、幾度となく涙をこぼしそうになりながら、とても険しい道を歩いてきた。そうよね?
影:
…幾度となど…私を見くびらないでください。
眞:
ほら、認めてるじゃない。
眞:
そういった可能性も考えて、あなたに贈り物を残しておいたわ。稲妻の苦痛を和らげるためにね。
眞:
これを受け取って、私の最後の意識が消失する前に。
眞:
でも、もっとも重要な一歩は、あなた自身の手でね…
夢の始まりを見届ける
movie
光が成す種が影によって蒔かれ、時間という概念は薄まり、稲妻の数百年の歴史が、符号が合わさるように広がっていく。二人の神がすれ違い、神櫻は「現在」から「過去」へと飛び、影は「現在」から「未来」へと進んだ。そして、ついに永遠という名の新しい章が幕を開けるのである。 雷電眞:民を守る奇跡の樹。今は誰も見たことのない未知の存在。 雷電眞:いつ現れるのか、どこで発芽するのか、すべてはそれを生みし者の心と夢次第。 雷電眞:命を授けてあげて、影。 雷電影:まさか、これは… 雷電眞:永遠は時間を無限に引き伸ばし、夢は一つ一つの節目を輝かせる。 雷電眞:この二つが出会うことで、神櫻は天理の禁錮から解放され、漆黒の中から咲くの。 雷電眞:そして、悪夢は消え去り、現実は佳きほうへ。私たちの望む光景も依然と先に。 雷電眞:残念だけど、私は稲妻の未来を見届けることも、あなたと一緒に行くこともできないわ。 雷電眞:知ってる?影、私いまとても嬉しいの。最後の願いも叶ったから。 雷電眞:あなたの薙刀は、無数の災厄を払ってくれた。ずっと、あなたには申し訳ないと思っていたの。 雷電眞:些細なお返しだけど、あなたが目覚め、新たな出会いを迎えるまで、神櫻があなたのために時間を稼いでくれるわ。 雷電眞:どう?きっともう役に立っているでしょう? 雷電眞:今度こそ本当にさようならね、影。 雷電影:ええ。さようなら、眞。
影と八重神子と会話する
意識空間を離れて神社へと戻り、八重神子にすべてを話した…
八重神子:
現在の影が自らの意識空間に神櫻を植え、それが過去の稲妻で発芽した…
八重神子:
そう簡単には信じられぬ、実に奇怪な話じゃ。
影:
これらはすべて眞の力です。永遠に関して、彼女の理解は私より深いものでした。
影:
「永遠」は時間と密接に結びついた概念です。永遠に触れれば、時間の概念が曖昧になります。
旅人:
空間に入る時、不思議な景色を見た。
旅人:
時間が進んでいるのに、後退もしてた。
八重神子:
時間そのものに意味はなく、常理によって解釈することも不可能…なるほど、これこそが妾の感じた「乱流」じゃったわけか。
八重神子:
もしかすると、汝らがあの時間に無事戻れたのは、それが原因だったのやもしれぬな。
八重神子:
じゃが、あの乱れた感覚はもう消えておる。
影:
まだ私も完全には理解できていません。ただすべての根源が…あの種であると私の直感が伝えています。
八重神子:
ふむ…妾が思うに、眞の力だけでは…
影:
あなたが何を考えているのかは分かります。たしかに「より高度な力イスタロト」が関与していたかもしれません。ですが何がどうあれ、彼女のこの方法は、最後の最後で私たちすべての者を守ったのです。
影:
もし神櫻がなければ、稲妻は何百年も前に災いと穢れによって呑み込まれていたかもしれません。
八重神子:
汝が神櫻に奇妙な感覚を抱いておるのは知っておる。じゃが妾から言わせれば、神櫻はずっと存在していたんじゃ。
八重神子:
昔、汝はこの神櫻が眞の意識空間とつながっていることを妾に証明しようとしたが、残念ながらうまくいかなかった。そうじゃろ?
影:
ええ、ですがいま分かりました。あの時はまだ、神櫻が植えられていなかったのです。
パイモン:
でも、あの樹…今の姿とはぜんぜん違うと思うぞ…?
八重神子:
神櫻は妾の縄張りに植えられたものじゃ。当然、妾の好みに合わせて剪定しておるに決まっておろう。
パイモン:
ええ…そんな勝手にやっていいのか…
八重神子:
冗談じゃよ。発芽してから今まで、この樹は数多くのことを経験してきた。狐が精魂込めて世話してきたおかげで、今の形となったのじゃ。
八重神子:
妾と完全に無関係というわけでもないぞ。
八重神子:
汝らが空間を離れてから再び入るまでの間、時間は少ししか経っておらんかった。なのに、内部の戦いはすでに何百年も続いておった。そうじゃな?
八重神子:
妾が思うに…旅人、汝は妾の言いつけ通り、自身の願いを心の中で念じておったのではないか?
八重神子:
あの時、妾は影の居所を感知しておったが、同時に内部の「時間」の異常にも気づいておった。
八重神子:
もし「時間」も妾たちの追い求める要素の一つであるならば、「位置」のみを知っているだけでは不十分。
八重神子:
じゃが幸い、汝らの強い意志によって、その乱流はすべての願いが収束する時間の交差点——もっとも大きな可能性を秘めたあの瞬間へと汝らを連れて行った。
八重神子:
乱流の方向は眞の影響も受けていたかもしれぬが、影を助けられたのは、みなの努力があったからじゃ。今回は汝らに礼を言わねばならぬ。
パイモン:
もしかして、オイラたちがあの決戦に立ち会えたのは偶然じゃなくて、必然だったのか…
影:
私は元々、空間の外と内で時間の流れが一致していると思っていました。ですので旅人さんが再び現れた時、とても驚いたのです。
影:
あの瞬間、私が真っ先に思ったのは、「もしや稲妻に大きな災いが起きたのではないか」というものでした。
影:
しかしあなたが来たのは、私を助けるためだった…あなたが来たことで、私は最良の結末を迎えられました。
影:
お二人とも、ありがとうございます。私のためにしてくださった数々のこと、しかと心に刻んでおきます。
八重神子:
影、大丈夫じゃったか?
影:
体はすでに回復しています。将軍の意志も、もう私と抗うことはありません。
八重神子:
体ももちろん重要じゃが、それよりも妾は、気持ちが落ち着いたかどうかが知りたいんじゃ。
八重神子:
眞の意識に会ったのじゃろう。
影:
ただ彼女の声を聞いただけで、会ってはいません…
影:
大丈夫です。少し懐かしいと思っただけなので…私はもう前へ進むと決めています。
影:
しかし、今回のことで確信しました。眞は本当に凄いですね…彼女はあの時すでに、稲妻の未来に起こる数々のことを予想していました。
影:
何より、私の未熟さも、すべて彼女の計算に入っていました。
影:
稲妻が今日を迎えられるのも、彼女のおかげです。
影:
私はただ種を一つ植えただけです。
旅人:
影と眞の意志、どちらも必要だった。
パイモン:
そうだぞ!影は自分の力で眞の前に戻ったんだから、それだけですごいぜ!
影:
…ありがとうございます。
八重神子:
今日ようやく、汝と稲妻は何百年も続く影から完全に抜け出せたようじゃな。
八重神子:
眞と汝は、稲妻にとって不可欠な「過去」と「未来」。
影:
あなたからそのような慰めの言葉を聞けるとは、珍しいこともあるのですね。素直に受け取っておきましょう。
八重神子:
なんじゃ、これも全部、昔の汝が聞く耳を持たなかったからじゃろう。
パイモン:
眞と同じこと言ってるな。
八重神子:
ほう?なら将軍の位に、妾が二日ほど座ってもよいのではないか?
八重神子:
いや…そんな面倒なこと、やはり御免じゃな。
影:
冗談はここまでにしましょう。私はこれから数多くのことをやらなければなりません。
影:
将軍と共に現在の稲妻をよく観察し、現状を整理し、未来について考えます。
影:
そして…鎖国を解除します。
パイモン:
本当か?それって大変なことなんじゃないか!?
影:
私はもう静止するだけの「永遠」を追い求めることはしません。であれば、この国を封鎖する必要もないでしょう。
影:
きっとこれから、稲妻には多くの壁が立ちはだかることになります…
旅人:
でも同時に多くの「出会い」が生まれる。
影:
それについて、私もとても期待しています。