arrow_back 原神 クエスト
第七章 第六幕
彼岸より届けられし昨日
率先して試練に挑んだ璃月のおかげで、「存続の試練」に関する十分な情報を得られた。これが「聖土化」を食い止める唯一の手段かもしれない。すぐに行動しなければ…
バレリーからテイワット各地の状況を聞く
アクウィリーナ:
…つまり、テイワットの各地で同時に災害が発生しているということですか?
アフラプコフ:
地脈からの異常な噴出物、そして各地で暴れる魔物…まったく、次から次へと…
バレリー:
なんとか事態を収拾しなければ…おや、旅人…?
バレリー:
…正直に言うと、決して楽観視はできません。「聖土化」に伴い、テイワット各地で魔物が雪崩のように押し寄せてきています。
バレリー:
聖土化から逃れようと逃げ惑う魔物たちだけでなく…元々地脈に異物として滞留していた魔物が、地脈のリセットによって一斉に湧き出しています。
バレリー:
こんな風に魔物があちこちに現れるなんて、物語の世界の話だと思っていたのに…まさか現実のものになるとは…
バレリー:
幸い、各国はすでに行動を開始しており、魔物の迎撃、情報の共有、物資の手配…あらゆる手を尽くして、脅威の排除に臨んでいます。
パイモン:
みんな、もう動き出してるんだな!
バレリー:
はい。神には神が解決すべき問題があるように、人間には人間が取り組むべきことがありますからね。
旅人:
何か手伝えることはある?
バレリー:
現時点で最も重視すべきことは、先ほどの会議で議題に挙がった「試練」でしょうね。まずは、その動向を優先して確認するのがいいかと。
バレリー:
ええ…すべての危機に立ち会うのは難しいでしょうが、一部の戦線に加わってもらえるだけでも百人力です。なら——
バレリー:
こちらが七国で整理した戦線の情報です。各地の戦況、脅威の度合い、対応すべき事項、そして試練の位置をマークしてあります。
バレリー:
そこに記された問題を解決できれば、状況も好転するでしょう。各戦域の騒乱を収めることが、最終的に勝機を引き寄せる大きな足がかりとなるはずです。
パイモン:
おう!おっきな危機もちいさな危機も、まとめてオイラたちに任せてくれ!行こうぜ、旅人!一人でも多くの人を救うんだ!
旅人:
テイワットの未来は、俺たちが創るんだ。
仲間たちと会話する
パイモン:
あっ、ヴォジャニーツァとオデットとアリョーシャだ!
オデット:
ここでお二人に会えるとは。何やら大変なことになっているそうですね。
パイモン:
今は情報が肝心だからな。一息ついたらまた出発する予定だぞ。
パイモン:
そうだ!おまえたち、なにか知らないか?オイラたちが帰ってくる途中で、三つ目のルーンが消えたんだ。
アリョーシャ:
三つ目は多分、スネージナヤのだ。今、公式からの通知を知ったばかりだが…
ヴォジャニーツァ:
あたしたちも詳しいことは分からないのよ。ただ、スネージナヤに突然金色の雪が降ってきて、あちこちで流行っていた疫病が瞬く間に消えちゃったの。
ヴォジャニーツァ:
その後すぐに、光の柱からルーンも消えたから、きっと女皇陛下が何かされたのでしょうね。
パイモン:
待てよ、疫病?そんなの聞いてないぞ…
オデット:
ええ、「聖土化」に接触した方が奇病に罹るものだと思われていましたが、そんなに単純な話ではないと分かり始めて…
オデット:
しかし問題ありません、今はもう完全に解決しましたから。
パイモン:
ならよかったぜ!
ヴォジャニーツァ:
差し入れよ!ミティヤに会いに来たの。
パイモン:
ミティヤ?あいつはエネルギーの研究を続けてるはずだよな。
ヴォジャニーツァ:
そうよ。でも最近仕事のプレッシャーがすごいみたいで、もうずいぶんコロレフスキー劇場で見てないの。
ヴォジャニーツァ:
最初はどれだけ忙しくても、気分転換やアイデア探しにこっそり抜け出してきてたのよ。
パイモン:
へえ…確かに変だな。
パイモン:
でも、もし女皇の武器が完成したら、「聖土化」に怯えたり、あちこちで試練なんてものをクリアしたりする必要がなくなるわけだろ。つまり、今の状況ってあいつにしてみれば…
オデット:
ですから、できるだけプレッシャーをかけるような言葉は避けるようにしましょう。
パイモン:
うっ、わかったぞ。さきに一言聞いておいてよかったぜ…
アリョーシャ:
オルジェイナヤ・パラタへの出入りは面倒だから、オレたちもあまり会えてない。でも、そろそろ彼が女皇陛下と「道化」様に定期報告をする時間のはずだ。
アリョーシャ:
今は非常事態だから、陛下はスネージナヤパレスを情報交換と作戦制定の場になさっている。おかげで、ミティヤに会える可能性が出てきたわけだ。
パイモン:
なるほどな。よし、オイラたちも一緒に様子を見に行ってみようぜ。
パイモン:
バレリーを見つければ、ミティヤを見つけたも同然だ!
バレリー:
こんにちは。何かご用ですか?
ヴォジャニーツァ:
ミティヤの様子を見に来たの。報告に来てるって聞いたけど、今は女皇陛下や「道化」様と面会中なのかしら?
バレリー:
面会はすでに完了し、現在は技術に関する会議中です。
オデット:
それはオルジェイナヤ・パラタに戻ってから行うものではなかったのですか?
バレリー:
はい、通常であれば。ですが、今回の参加者には遠方からお越しになった妖精大公も出席しておられ、太古に由来する多くのテクノロジーと知識を共有してくださるそうです。
バレリー:
オルジェイナヤ・パラタで現在進められているエネルギー研究とは異なる方向の技術ですが、そうした交流から、予想外の収穫が得られることもあります。
バレリー:
オルジェイナヤ・パラタの訪問手続きは面倒ですから、時間的コストから考えても、ここで会議するのが最善でしょう。
パイモン:
すっごく難しい問題について話し合ってるってことだろ。オイラたちが邪魔しちゃったらマズイんじゃないのか?
バレリー:
ミティヤ様のおられる場は、大抵和やかな雰囲気ですから大丈夫でしょう。それに…
バレリー:
最近、ミティヤ様は手がかからないんです。突拍子も無いアイデアを出すこともなくなりました。負担はかなり減ったのですが…経験上、悪い予兆だと思います。
ヴォジャニーツァ:
やっぱり、あなたも様子がおかしいと思っていたのね。
バレリー:
それだけの重責を担ってますからね…俺にできるのは、計画の円滑な進行を保障し、効果的な助けや介入を提供することだけです。
バレリー:
ミティヤ様が仕事に無頓着なのは困りものですが、没頭されすぎても困るんです——少々お待ちください。
バレリー:
失礼します。お客様がお見えです。
ミティヤ:
ああ、どうぞ。
ミティヤ:
お前たちか…コロレフスキー劇場も本当に気が利くな。常連客がしばらく顔を出していないからって、わざわざ慰問に来てくれたわけか。
ミティヤ:
感謝状を書かないとな。
オデット:
思ったより元気そうですわね。
ミティヤ:
まあな——世界滅亡の寸前なら、最悪でも苦しい日々はあとちょっとしか無いわけだろう。希望でいっぱいだ。
ミティヤ:
紹介するよ、こちらはスネージナヤの妖精大公、ノイさんだ。
ノイ:
よろしく。私も以前、公演を観たことがあるが、お二人の舞台はとても印象深いものだったよ。
ヴォジャニーツァ:
はじめまして、お褒めの言葉をありがとう。それなら、改めて自己紹介する必要もないわね。
アリョーシャ:
オレはアリョーシャ。劇団のスタッフだ。
パイモン:
オイラはパイモンで、こいつは一緒に冒険してる旅人だぞ。オイラたちは最高の仲間なんだ!
ミティヤ:
みんな僕の友人だ。わざわざ差し入れを持って様子を見に来てくれるとは思わなかったが——まるで重病患者にでもなった気分だ。
オデット:
調子はいかがですか?「重病」というほど、深刻でないことを祈りますわ。
ミティヤ:
「重病」と言えるほどではないけど…このままだと長くは持たない。それに現状の研究の進捗じゃ、ギリギリ間に合わないだろうね。やはり試練のクリアを目指すのが最適だ。
ノイ:
会議で新たに試せそうな方向性をいくつか発掘したが、どの実験も時間がかかりすぎるうえ、今後の進展もはっきりとは望めない。
ミティヤ:
だが、心配せずとも大丈夫だ。もうテイワット中に向けて、大声で助けを呼んだからね。
オデット:
つまり、すでに支援は求めてある、と言うことでしょうか?
ミティヤ:
その通り。最も知恵ある助っ人たちが集結して、駆け付けてくれるところだ。
パイモン:
それならよかったぜ!助っ人になれそうなやつは山ほど知ってるけど、誰なんだろうな!
パイモン:
試練のほうも残り二つで、すっごく順調だし、けっこう希望が持てるんじゃないか?
旅人:
そう簡単に結論づけないほうが…
パイモン:
それもそうか…とにかく、少し休んだら次の国へ行こうぜ。
オデット:
ええ、たとえ現状が比較的楽観視できるものだとしても、やはり目の前のことに集中し、それぞれの役割をこなすべきですわ。
ヴォジャニーツァ:
他の人は他の人で完璧にこなしてくれるって信じないとね。舞台と同じよ。
ミティヤ:
そうなのか?
ヴォジャニーツァ:
あたしたちの舞台って、派手な演出が多いでしょう?あたしは動く足場に立ったり、オデットは吊るされて空中で踊ったり…
ヴォジャニーツァ:
そんな時、台が急におかしくなるかも、ロープが急に切れちゃうかもなんて考えてはいられないのだわ。
ヴォジャニーツァ:
危機意識の欠如とは思わないでね——あたしたちの舞台装置や小道具の品質は一流だし、スタッフもプロよ。彼らがあたしたちに自信を与えてくれるの。
アリョーシャ:
オレたちも、ずっと役者たちの演技の素晴らしさを考慮して作業してる。舞台の演出に意義が生まれるのは、役者たちがいてこそだ。
パイモン:
おう、オイラたちもおまえを信じてるぞ!それにバレリーやピエロ、女皇、ほかの研究者たちだって…あっ、もちろんえっと…ノイもな!
ノイ:
ああ。私は卓越した科学者というわけではないから、既知の領域でしか助言できないけどね。
ノイ:
しかし、この研究が今の時代における唯一無二の偉業であることは間違いない。この研究が成功するか否かで、スネージナヤ…ひいてはテイワット全体の行く末が決まるだろう。
ミティヤ:
うぅ…やっとちょっと気持ちが楽になったのに、またプレッシャーで押しつぶされそうだ…
マフラー:
——
ヴォジャニーツァ:
その子はそうは思っていないみたいね。
ミティヤ:
ふふっ、じゃあ、僕も考えるのはやめだ。
ミティヤ:
ありがとう。おかげで、ずいぶん心が落ち着いた。やるべきことをしっかり終わらせて、あとは女皇陛下にお任せしよう。
ミティヤ:
あ、いっそ、この機会に休みを取るのもいいかもな。ずっと劇場にも行っていないし…
バレリー:
念のためお伝えしておきますが、この後はオルジェイナヤ・パラタでの会議が控えていますよ。
ミティヤ:
冗談、冗談だって。はぁ、僕が働けばお前は休憩、僕がサボればお前は仕事か。
女皇とノイの面会について知る
時はスネージナヤの「存続の試練」を達成する前まで遡る…
「道化」:
陛下。疫病の勢いを抑え込むことに成功しました。
「道化」:
聖土化の拡大防止に努めたファデュイおよび冬契軍の者たちは、皆すでに隔離のうえ、検査を受けております。
「道化」:
すでに最も優秀な医者たちを招集し、疫病の原因と治療法を研究させているところです。まもなく判明するでしょう。
アナスターシャ:
精神に影響を及ぼす以外の症状は確認できたかしら?
「道化」:
大半の者は全身に倦怠感を覚えるのみですが、ひどく狂暴になり、まるで凶悪な魔獣と化したかのように、異常に攻撃的になる者もいます。
「道化」:
兵士たちは「聖土化」によって出現した魔物と交戦している最中、突然別の魔物の群れに襲われました。
「道化」:
おそらく、その魔物たちもこの病に感染していたのでしょう。敵味方の区別すらつかぬほど、凶暴になっていたようです。
「道化」:
ゆえに、病人の隔離は必須かと。
「道化」:
光界の力によるものではなく、前代未聞の疫病だともっと早く見抜いていれば、これほど事態は悪化していなかったでしょう…吾輩の失態です。
アナスターシャ:
仕方ないわ。「聖土化」も、この疫病も、私たちにとっては初めてのことだもの。
アナスターシャ:
病に倒れた兵士とその家族たちをしっかりと労いなさい。スネージナヤは、彼らの偉大な忠誠心と献身に報いるべきよ。
「道化」:
仰る通りにございます。すぐ手配いたしましょう。
ヴァルキン:
ご報告申し上げます。「ティシャツキー大公」と名乗るお客様がお見えです。
アナスターシャ:
通しなさい。
ヴァルキン:
はっ!
ノイ:
「ティシャツキー大公」ノイより、女皇陛下にご挨拶を。
アナスターシャ:
かしこまらないで。スネージナヤは、今もあなたの過去の身分を尊重している——いつでも歓迎するわ。
ノイ:
ありがたきお言葉。
「道化」:
城の主である貴公がわざわざ動かれるとは。まさか「聖土化」はプロタ・アクロポリスにまで及んでいるのか?
ノイ:
今のところはまだだが、私が動かざるを得ないほど、事態は深刻だ。あの光の柱の由来について教えてほしい。
「道化」:
話せば長くなる…そなたも女皇陛下の立場とお考えについて、まったく知らぬわけではあるまい。我輩から説明しよう。
ノイ:
ついに、ここまで来てしまったか…
アナスターシャ:
ようやくここまで来た、よ。心の準備はできているはずね?
ノイ:
こういうことは、少し準備したくらいでどうにかなるものではないよ。私は黄金の国の滅亡を直接経験したわけではないが、その廃墟と残骸に関しては、誰よりも知っている。
ノイ:
塵と化す前、そこは私にとって喜びと憂いの入り交じる故郷だった…
ノイ:
私は星海の彼方で幸運にも災厄を免れたが、抗えない「引力」によって強制的に連れ戻されてしまった。
ノイ:
君ならその「廃墟」がどれほど衝撃的な光景として私に迫ったか、分かってくれるだろう。
アナスターシャ:
分かるわ。けれど、過去の出来事を嘆くだけでは、再来を阻止することはできない。
ノイ:
分かっている。だから私も、君を止めたり非難したりしに来たわけではないよ。
ノイ:
君はツァーリ・ベールイと同じ意志を持っている。彼も、私が君の力になることを望んでいた。
ノイ:
道中で人と人が争い、獣同士が牙を剥き合っているのを見たが、異様な光景だった。
「道化」:
現段階において、我々はこれを「聖土化」の拡大に伴って現れた、一種の疫病と判断している。解決法を探っているところだ。
アナスターシャ:
何か知っていることはあるかしら?
ノイ:
病人を傷つける結果になるのが嫌で、近づいて観察はできなかったが…私のよく知る「何か」が悪さをしていることは感じ取れた。
ノイ:
この疫病は、黄金の国の遺物に由来している可能性がある。
「道化」:
ならば、我輩と共に隔離所へ向かおう。そこでなら、さらなる調査の機会もあるはずだ。
アナスターシャ:
私も同行しましょう。
ノイ:
ああ。案内を頼もう。
女皇一行が病人の見舞いに行ったことについて知る
「道化」:
急なことであったゆえ、症状が重い、あるいは攻撃性の高い患者のみが仮設病室に隔離されている。ここで一時的な治療を受けているのは、軽傷者だ。
ノイ:
見せて貰えないだろうか。私の推測は、もし正しければすぐに実証できるはずだ。
ノイ:
…やはりか。
「道化」:
確証を得られたのか?
ノイ:
ああ、ご存知か分からないが、ツァーリ・ベールイがスネージナヤを統一する前…かつて大規模な戦争があった。
ノイ:
当時のスネージナヤではフェイが互いに殺し合い、領地を争っていた。そこにツァーリ・ベールイが頭角を現し、勢力を拡大していったんだ。
ノイ:
フェイに残された選択肢は二つ…服従か、命を賭けて戦うか。この氷の大地に、どれほどの血が流されたか…分かるだろう?
ノイ:
そうしたフェイの中には強大な力を持つ者も少なくなかったが、その死はいずれも壮絶で、怒りと怨念に満ちていた。
ノイ:
強い感情は彼らの流した血と共に、今も氷層の下深くに封じられている…
アナスターシャ:
なるほど。
「道化」:
異国に存在する「魔神の残滓」という概念に似ているな。
ノイ:
そう、まさに残滓だ。
ノイ:
聖土化はすべてをリセットし、数千年の堅氷でさえ、瞬時に崩壊させてしまう…だから、これらの怨念が再び解き放たれてしまったんだ。
ノイ:
弱い命は、少しでもそれに触れれば怒りや悲しみに支配され、このような姿になってしまう…
「道化」:
堅氷の中に残っていた怨念が原因だったとは…
アナスターシャ:
呪い…
ノイ:
ん?
アナスターシャ:
これらはすべて、フェイが死後に他の生命へと残した「呪い」よ。
アナスターシャ:
そういうことなら、大して厄介でもないわ——私の権能は、まさにそのためにあるのだから。
ノイ:
…君の権能?
「道化」:
「慈愛」。この世の大部分の呪いを解くことができる、女皇陛下のお力だ。
ノイ:
しかし、君は天理に背いているのだから、「慈愛」を認めていないということになる。だというのに、まだこの権能を使えるのか?
アナスターシャ:
そこが最も滑稽なところよ。
アナスターシャ:
もし天理がこの「慈愛」を確かめたいというのなら、見せてあげましょう。
アナスターシャ:
ピエロ、すべての病人に通知なさい。次の雪が降る頃には、皆完治すると。
「道化」:
はい。
ノイ:
権能…
ノイ:
にわかに信じがたいな。
「道化」:
我輩は確信している。たった一度だけだが、この目で見たからな。
「道化」:
だが、そのお力をお使いになれると証明するには十分だ。
「道化」:
ただ…使うことを望まれなかっただけだ。
女皇の権能について知る
スネージナヤの地に蔓延していた疫病はすでに消え去り、市民は皆、呪いを解く女皇陛下の「慈愛」を讃えている。しかし、この「慈愛」は、いつになればすべての命に平等に降り注ぐのだろうか…
movie
女皇がどのように試練を乗り越えるのか知る
「光の鏡」:
外部目標の処理エリアへの進入を検知しました。
「光の鏡」:
試練続行中…来訪者は「慈愛」に関する命題について、その解釈を示してください。
アナスターシャ:
あなたの予定では、「慈愛」の権能はこの世の「呪い」を消し去り、テイワットの安定を維持するために使われるものだったはずよ。
アナスターシャ:
けれど、この力は「位」の制限を固く受けている。私は——あなたの呪いには手を出せない。
アナスターシャ:
「慈愛」もそう——あなたは私に「慈愛」の本質を忘れさせ、あなたが私に愛するよう求めた者しか愛せないようにした。
アナスターシャ:
あなたが与えた「人類への愛」をもって、あなたの思う「慈愛」を私に体現させたいのね。
アナスターシャ:
…けれど、それに何の意味があるというの?
「光の鏡」:
注意。現在までの回答は試練と関係がありません。
アナスターシャ:
ならば、この試練とやらをもう一度見直してみましょう。あなたはテイワットに「聖土化」を施し、太古のフェイの怨念を解き放った。
アナスターシャ:
「未だに『慈愛』の権能を有しているのなら、必ず鎮めることができるはず。」
アナスターシャ:
先に苦痛を与え、それに対する治癒を求めることで、慈愛を証明しようだなんて…
アナスターシャ:
聞いて呆れるわ。
アナスターシャ:
お前は、愛とは何かがわからないのでしょう?パネース。
アナスターシャ:
全人類の命と故郷を人質に取り、私たちが必死に抵抗する姿を楽しみながら、私たちが未だに「従順」であるかどうかを試している…
アナスターシャ:
それは愛に対する冒涜よ——愛を穢すお前に、「慈愛」を理由に私たちを裁く権利はないわ。
女皇と会話する
パイモン:
「断罪の釘」が放った光が一つに集まって…まるでオイラたちを、あそこへ導いてるみたいだな。
パイモン:
それに光が消えたあと、断罪の釘自体の光の柱もずいぶん弱くなって…まるで元の状態に戻ったみたいだ。
パイモン:
もう全部の「存続の試練」をクリアしたってことなのか?
パイモン:
そうだな。でも、聖土化の状況がどうなってるかはわかんないぞ。
アナスターシャ:
つい先ほど、スネージナヤの聖土化現象の拡大が一時的に停止したという知らせが入ったわ。他の国も同じでしょうね。
パイモン:
わっ。おまえも情報を受け取ってたんだな。
アナスターシャ:
ええ、ちょうど出発しようとしていたところよ。あなたたちも一緒に来てちょうだい。
旅人:
光の柱が集まってる場所に行くの?
アナスターシャ:
おそらく、この一連の事件の結末として、私たちに何かを発表するつもりなのでしょう。
パイモン:
聖土化が止まったってことは、天理はオイラたちを認めてくれたんだよな…
旅人:
本当にそうだといいけど…
アナスターシャ:
ただの形式的な通告のはずよ。天理の本体はまだ眠りについているのだから、私たちと対話できるはずがないわ。
アナスターシャ:
もし目覚めているのだとしたら、我々にこんな機会など与えたりはしないはず。
パイモン:
た、たしかに…
アナスターシャ:
他の国も代表を派遣しているはずよ。準備ができたら、出発しましょう。
アナスターシャ:
……
旅人:
(彼女の周りの空気がいつもより冷たい気がする。何が起こるかわからないし、なんだか俺まで緊張してきた…)
旅人:
(やり残してることがないか考えてみよう。これが最後のチャンスになるかもしれないし、出発する前に、万全の準備をしておかないと。)
稲妻へ向かうことにした。聖土化に立ち向かう現地の人々に協力しながら、「存続の試練」の状況を確認しよう。
稲妻城へ向かう
トーマ:
…聖土化が鶴観で発生した時は、しばらく他の島には影響しないと思ってたんだ。
トーマ:
けど、さっき届いた報告によると、セイライ島の沿岸でも聖土化が確認されたらしい。
神里綾華:
もうセイライ島まで侵食されてしまったのですね…どうやら海水は安全な障壁とは言えないようです。鳴神島も警戒を強めなければなりませんね。
パイモン:
あっ、綾華!それにトーマも!
トーマ:
ええ…旅人かい!?君たち、どうしてここに?
旅人:
二人とも、久しぶりだね。
神里綾華:
お久しぶりです。スネージナヤでの出来事については、手紙で拝見しました。お二人も関わっていらっしゃったのですね。まさか、こんなことになるとは…
パイモン:
ああ、ホントに突然のことだったぜ。だからオイラたち、あちこち手伝って回ることにしたんだ。きっと、どこも人手が足りてないはずだからな!
神里綾華:
そうでしたか。しかし、ご心配には及びませんよ。三奉行も積極的に動いていて、今のところ状況は落ち着いています。大規模な混乱なども起きていません。
神里綾華:
避難場所を数箇所確保し、璃月とも連絡を取りました。あちらの聖土化による被害は、比較的軽いようです。
トーマ:
だけど、もし避難のために移動するとなったら、最終的な目的地はフォンテーヌになる…かなり長い道のりだ。
パイモン:
確かに遠すぎるよな。そうならないといいんだけど…
旅人:
試練の状況は?
神里綾華:
皆さまが隊を率いてお戻りになった後、すぐに天守閣で会議が開かれました。ですがお兄様のお話によれば、将軍様は終始静かに耳を傾けられるばかりで、ほとんど発言なさらなかったそうです。
神里綾華:
現在は、お兄様と八重宮司様が会議を取り仕切っておられますが…どうやら、あまり順調には進んでいないようです。
トーマ:
璃月から届いた情報によれば、稲妻が挑むべき試練の命題は「永遠」のはずだ。
トーマ:
ただ…覚えてるだろ?君たちが稲妻に来てから、この地の「永遠」は大きく変わったんだ。
トーマ:
人々も、だんだんその二文字を口にしなくなってきた。まるで過去のページみたいに、歴史の中に置き去りにされている…
パイモン:
そうだよな。オイラたちは、将軍の考えが変わっただけだって知ってるけど…普通の人たちは、なにも変わらない「永遠」の時代は終わったんだって感じてるはずだぞ。
神里綾華:
ええ、確かにその通りでした…あの雷雨が再び轟き始めるまでは。
旅人:
雷雨?
パイモン:
もしかして、鎖国してた頃に稲妻を囲んでた雷雨のことか?
神里綾華:
はい…あれは将軍様の偉大な力です。もう二度と目にすることはないと思っておりました。
旅人:
俺たちは雷雨に遭わなかったけど…
トーマ:
今回の雷雨は稲妻を閉鎖しているわけじゃないし、発生に規則性もない。どうやら彼女が制御してるわけでもないみたいなんだ。
パイモン:
えっ!?そうだったのか?将軍は思い通りの場所に雷を落とせるんだと思ってたぞ…将軍でも制御できない雷があるんだな。
神里綾華:
それも言葉少なになっていらっしゃる理由なのかもしれません。せっかくいらっしゃったのですから、会いに行かれてはいかがですか。
神里綾華:
私は直接会議に参加しておらず、お兄様のお話から状況を把握したに過ぎませんので。
神里綾華:
あっ…でも、遠路はるばるいらっしゃって、お疲れですよね。まずは木漏茶屋で少しお休みになってください。気が付かずすみません——トーマに手配させておきますね。
トーマ:
オレに任せてくれ、お嬢。太郎丸も君たちに会いたがってるよ。
神里綾華:
私は先に天守閣へ向かい、お二人がいらっしゃったことをお伝えしてまいりますね。どうぞ、ごゆっくりいらしてください。
パイモン:
いや、いいんだ。気を遣ってくれてありがとな、綾華。
神里綾華:
そうですか…分かりました。ですが、木漏茶屋もいつでもお二人を歓迎いたします。危機的な状況だからこそ、お身体にはどうかお気をつけください。
パイモン:
安心してくれ!オイラたち、こういう事態には慣れっこだからな!
トーマ:
ハハッ、噂に違わず、すっかり立派な冒険者になったみたいだね。立ち回りも手慣れてるし、話しぶりにも自信を感じるよ。
神里綾華:
あの頃から十分偉大でしたよ。大活躍でしたから。
パイモン:
まさかオイラたちの話が稲妻にまで届いてるなんてな。
トーマ:
お嬢からずっと、君たちの動向を気にかけるよう言われててね。
神里綾華:
トーマ!そんなことまで言わなくても…!
神里綾華:
と、ともかく、おかえりなさい。貴方が再びこの地に足を踏み入れてくださったことも、何かのご縁でしょう。
神里綾華:
「永遠」の試練を解く鍵は、事の始まりに立ち会った方こそが握っているのかもしれませんね。
天守閣へ向かう
毅:
ここでうろうろ…ああ、君たちか。
パイモン:
邪魔するぞ!将軍に会いに来たんだ。
毅:
分かった、案内しよう。
八重神子:
ん?ほかにも客人が来ておったとはのう。
神里綾人:
お久しぶりですね。お二人とも、ようこそお越しくださいました。
珊瑚宮心海:
まさか、あなたたちがいらっしゃるなんて。またお会いできるとは思いもしませんでした…ふふっ、ようやく嬉しい知らせが届きましたね。
パイモン:
心海もいたんだな、珊瑚宮には戻らなかったのか?
珊瑚宮心海:
ゴローには先に戻ってもらいました。このような非常時には、海祇島だけでなく他の島々の安全にも気を配り、支援する準備を整えておかなければなりません。
九条鎌治:
稲妻は島国だから、ただでさえ交通が不便なんだ。それぞれの島が団結して協力できなければ、互いの隔たりはさらに深まることになる…決して賢明な選択とは言えない。
八重神子:
双方の巫女が顔を合わせる機会はめったにないからのう。妾としても大歓迎じゃ。
パイモン:
なるほどな…うん、やっぱり同じ部屋に集まれるのはいいことだよな。それで、今はどこまで話してたんだ?
神里綾人:
私から説明しましょう。
神里綾人:
現状における最大の問題は、海が聖土化を防ぐ障壁となり得ず、それが拡大する方向を判断できないことです。そのため、様々な事態を想定して複数の対策を講じるほかありません。
神里綾人:
セイライ島で聖土化が発生した件は、すでに聞いています。九条裟羅さんが部下を率いて現地へ赴き、調査と魔物の討伐にあたっているとのことです。
パイモン:
オイラたち、さっき綾華とトーマに会ったけど、あいつらも忙しそうにしてたな…
神里綾人:
ええ、魔物への対処や避難の調整などは、各奉行の者が担当していますからね。勘定奉行も積極的に物資を調達し、可能な限り多くの船を手配しています。
柊千里:
はい。離島でも緊急で貨物置き場を空け、避難や簡易的な船の建造に利用しています。
パイモン:
対応は手際よく進んでるみたいだな…ん?じゃあ、みんなはここでなにをしてるんだ?
八重神子:
聖土化を解決するには、いわゆる試練とやらを乗り越えねばならぬ。ゆえに将軍が、妾たちの意見を聞きたがっておるのじゃ。
八重神子:
「永遠」の秩序はすでに覆されておる。これは天理の計画を否定したことになるのじゃろうか?もしそうであるならば、これは解なき問いではないのか?
八重神子:
再び移ろい始めたこの国で、恒久不変の何かを見つけ出してこそ、「永遠」が今なお存在しておると証明できるのじゃ。
珊瑚宮心海:
私は、この問題の答えは「人間」だと思います。ですが残念ながら、これだけでは決め手にならず…
パイモン:
なるほど、それで行き詰ってたんだな?えっと…オイラたちにできることはあるか?
神里綾人:
ご心配には及びません。将軍様はすでにお考えを明かされており、皆が賛同の意を示しています。
神里綾人:
ただ、「物的証拠」を入手するため、遠方よりいらっしゃる協力者を待っているところなのですよ。
パイモン:
あっ、神子の「ほかにも客人が来た」ってそういうことだったのか!
八重神子:
賢くなったのう、小さいの。
八重神子:
助っ人が到着するまで、将軍と…いや、影と話してみたらどうじゃ?あやつも、汝らなら喜んで会ってくれるじゃろう。
旅人:
何か根拠がありそうな口ぶりだね。
八重神子:
鋭いのう。
八重神子:
試練の答えは、おのずと浮かび上がってくるものではなかろう。妾たちも皆、ずいぶんと頭を悩ませたのじゃ。
八重神子:
影が最も忘れられずにおるのは、やはり一心浄土でのあの戦い…民の願いを象徴する満天の星々が一つ一つ灯り始めた瞬間じゃ…
八重神子:
汝はその瞬間をあやつと共に見届けた唯一の証人であり、あやつの考えを変えた重要な存在じゃろう。ゆえに、汝の言葉には相応の重みがある。
八重神子:
おっと、少し喋りすぎてしまったかのう。このことはくれぐれも黙っておるのじゃぞ。さもなくば…分かっておろうな?
八重神子:
ふふっ、余計な感想はいらぬ。ほれ、さっさと行くのじゃ。
雷電影と会話する
影:
……
旅人:
影、来たよ。
影:
ええ、よく来てくださいました。
パイモン:
まだ悩んでるみたいだな…もう答えは出たんじゃなかったのか?
影:
災難は目前に迫り、先行きも未だ不透明です。たとえ答えを得たとしても、不確定要素は多く、気を緩めることはできません。
影:
「永遠」——それは私が臣民に誓った約束であり、天理に示すべき意志でもあります。
影:
紆余曲折を経て、ようやくその真意を悟りました。今、稲妻の民が一丸となって支えてくれているからこそ、あの時考えを改めたことは正しかったのだと確信できます。
パイモン:
もちろんだぜ。オイラたちもそう感じてるぞ。
影:
私にとっては、自らの信念も、稲妻という国も、「永遠」を体現するものです。ですが試練は、なおも物的証拠を求めています。
影:
私たちは皆、これらすべてを最も端的に表すものは何かと、思案を重ねていました…
影:
——不意の雷鳴を耳にするまでは。
パイモン:
雷鳴?まさか、雷に驚いたのか…?オイラはしょっちゅうだけど、影でもそんなことがあるなんてな。
影:
生まれて初めてのことです。稲光も雷鳴もすべて私の意志で制御しており、不意を突くような雷鳴などありえませんから。
パイモン:
ああ、そうだったな!もう原因は分かったのか?
影:
テイワット中に足跡を残されてきたあなたたちであれば、元素龍王の概念にも馴染みがあることでしょう。
パイモン:
元素龍王?ってことは…あの雷雨は雷元素の龍王の仕業なのか?でも、稲妻に龍王がいるなんて話、聞いたことないけど…
影:
遥か昔、稲妻の安寧のため、私はセイライ島で巨大な雷鳥を斬り落としました。
影:
龍王はテイワット原初の生命です。たとえ肉体が滅び、命が尽きようとも、元素力は絶え間なく湧き上がり、やがて新たな龍王を育むのです。
影:
ゆえに、その法則を知っていた私は、雷鳥を斬ると同時に、原始の雷元素力に流れる時間をも断ち切りました。
パイモン:
ちょ、ちょっと待ってくれ…時間を…断ち切っただって!?そんなこともできるのかよ?
影:
時間もまた一つの法則ですから、十分な力さえあれば破壊が可能なのです。より分かりやすく言うならば——私はそのようにして、原始の雷元素力を「封印」しました。
影:
それ以来、この地において私に制御できない雷雨は発生しなくなりました。当時の私は、絶対的な力こそが絶対的な永遠を創り出すと確信していたのです。
パイモン:
影の力はオイラたちもこの目で見てきたけど、それでも驚かされるな…
影:
ええ。聖土化とはすべてを原初に戻す力——私の封印を破り、時間の流れを取り戻そうとしていたとしても、不思議ではありません。
パイモン:
はぁ…聖土化だけでも十分厄介なのに、別の厄介事が増えちゃったな。
影:
むしろ、これは示唆と捉えるべきでしょう——封印されていた雷鳥の力は、旧時代の「永遠」の最後の残滓なのです。
影:
「永遠」の変化を証明するには、その力を解放し、試練に応じる物的証拠としなければ。
旅人:
…雷の龍王を解放するつもりなの?
パイモン:
そ、それは危なすぎないか?そんなことしたらどうなるか、誰にもわかんないんだぞ…
影:
スネージナヤの会議では、龍族をめぐる問題についても話し合いました。旧時代から続く龍と神々の敵対関係は、徐々に変化を見せています。
影:
モンドやスメールといった例は言うまでもなく、神を「僭越者」と見なすヌヴィレットさんでさえ、敵は同じだからと手を差し伸べてくださいました。
影:
稲妻がそれを試みることができない理由があるでしょうか?
パイモン:
その理屈はわかるけど、結局はそれぞれの元素龍王の性格と考え方次第じゃないか?
パイモン:
雷鳥は影自身の手で斬ったんだろ…本当に友達になってくれるのか?
影:
それはあの者の態度次第です。まずは、応える機会を与えるべきでしょう。
影:
ただし、雷鳥の力を解放したとしても、現状では意識ある生命体として形を成すことはできません。長きにわたる「孵化」の過程を経る必要があります。
影:
その力が四方へ奔流し、稲妻の民に甚大な被害をもたらすことを防ぐため、将軍の身体に一時的に収容するつもりです。
パイモン:
しょ、将軍の身体を使うのか?お、おまえの言うことってぜんぶ…オイラ、雷に打たれた気分だぞ。いったいどう言えばいいのか…
影:
そうでしょうか?当然のことを言っているつもりですが。
パイモン:
そ、それじゃあ、その考えは一旦置いといて…オイラたちがその無茶な計画に賛成したとして、現実的にはなにをすればいいんだ?
パイモン:
原始の雷元素力を全部、将軍の身体に入れるって言っても、そんなに簡単な話じゃないんだろ?
八重神子:
影、客人が来たぞ。
影:
——準備はできています。中で話しましょう。
意外な客人と会話する
パイモン:
えっ…えぇっ?客人っておまえたちのことだったのか!
シロネン:
驚くのはウチのほうなんだけど。なんであんたらがここにいんの?
ヌヴィレット:
君たちも知り合いだったとはな。
シロネン:
当然っしょ。アビスとの戦争があって以来、「トゥマイニ」は誰もが知る有名人だし。
影:
遠路はるばるお越しいただき感謝いたします。お互い見知った仲ですし、自己紹介は省きましょう。
影:
お二人をお招きした理由は先に申し上げた通りです。私は雷鳥の力を解放し、それを一時的に「雷電将軍」の身体に収めたいと考えています。
影:
あれは設計当初から、神に匹敵する雷元素力を宿せるように作っていました。
影:
ですが、同等の力をもう一つ収容するとなれば、改造を施す必要があります。
影:
原始の雷元素力に関する私の知見は限られており、これほど大規模な改造を独力で成し遂げることはできません。ゆえに、外部に強力な助力を求める必要があったのです。
影:
会議の後、マーヴィカさんとヌヴィレットさんに、私の考えをお伝えしました。
影:
燃素がナタにおいて広く用いられている力であり、原始の炎元素力に由来するものであることは存じております。
影:
ナタで最も優秀な職人の話に及んだ際、彼女はためらうことなくあなたを推薦してくださいました。
シロネン:
はぁ…仕事を増やしてくれて「感謝」しないとね。会議なんか、ウチには関係ないって思ってたのに…
シロネン:
ま、いーよ。このレベルの改造なんて、どうせウチにしかできないだろうし。
影:
加えて、改造を確実に完成させるには、原始の元素力の特性に合わせ、膨大な量の試験を考案する必要があります。
影:
この力を最も巧みに操るのは、元素龍王そのものでしょう。ヌヴィレットさんにご協力いただけるのであれば、それに越したことはありません。
パイモン:
でも、ヌヴィレットが本当に手伝ってくれるなんて思わなかったぞ…
ヌヴィレット:
今のところフォンテーヌに聖土化の脅威はない。しかし、他の国々が試練を無事に乗り越えられなければ、私たちだけが安泰でいることは難しいだろう。
ヌヴィレット:
さらに、この件は私の同族を助けることでもある。私は、これを稲妻からの善意の表明と受け取った。
パイモン:
さすが影だな!一番ぴったりな二人を呼んでくるなんてさ!
影:
それでは早速ですが、お二人ともお座りになってください。将軍の仕組みについてご説明いたします。
影:
当面、聖土化の状況監視はあなたたちに任せます。重大な異変がない限りは、適宜そちらの判断で対処してください。
神里綾人:
承知いたしました。必ずや誠心誠意、力を尽くします。
パイモン:
最初に影の計画を聞いた時はすっごく驚いたけど、ここまで万全に手配してるとは思わなかったぜ。これが「将軍」レベルの統率力ってやつか…
パイモン:
影にこんなにすごい助っ人たちがついてるんだから、改造はきっとうまくいくはずだ。オイラたちは外で待ってようぜ。
天守閣へ向かい、研究の進捗を確認する
パイモン:
調子はどうだ?改造は順調か?
影:
お二人の助力のおかげで、無事に完了しました。測定時の最大値は理論値を三割上回っていたにもかかわらず、稼働は非常に安定しています。
シロネン:
ヌヴィレットさんがいなきゃ、テストすらできなかったはずだけどね…ふわぁ~…
パイモン:
お疲れさま!さすがにお疲れみたいだな。
シロネン:
徹夜で作業。一睡もしてないんだよね…
ヌヴィレット:
すまない、私たちの配慮が至らなかった。机に向かって仕事に没頭していると、いつも休息を取ることを忘れ、気づけば出廷の時間になっているのだ。
シロネン:
こんだけの緊急事態なんだし、二人ともめっちゃ集中してたから、ウチだけ寝たいなんて言えないじゃん?もうちょいだけ耐えればいっかって思ってたんだ。
シロネン:
マジでミスった…睡魔との闘いであの二人と張り合うんじゃなかったよ…
影:
お休みになる場所はすでに整えてあります。本当にお疲れ様でした。大いに助かりました。
影:
ヌヴィレットさんもお休みください。お好みを伺い、最上の水を用意させました。
ヌヴィレット:
ご厚意に感謝する。しかし、今回は遠慮しておこう。まだ処理すべき案件が多く残っているため、一刻も早くフォンテーヌへ戻らなければならないのだ。
ヌヴィレット:
この危機を乗り越えた暁には、新生した雷龍に会いに、再び稲妻を訪れよう。
影:
分かりました。それでは、またお会いしましょう。
シロネン:
ありがとね。ウチは休んでくるよ。あんたらは頑張って…
影:
行きましょう、セイライ島へ。
セイライ島へ出発する
九条裟羅:
ご尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じます。
影:
現在の状況はどうなっていますか?
九条裟羅:
聖土化の影響はすでにセイライ島にまで及び、大量の魔物が出現しております。現在、兵士たちが懸命に応戦しているところです。
九条裟羅:
島の嵐もますます激しさを増しており、時折、空を裂くような雷鳴が響きます。まるで凶鳥の怒号のようです。
九条裟羅:
セイライ島の高台へ向かわれると聞いて、通行可能な経路を調査しておきました。すぐに出発なさいますか?
影:
いいえ、まずは魔物を斬りに向かいましょう。改造後の身体の適応性も試したいですから。
九条裟羅:
承知いたしました。では、こちらへどうぞ。
パイモン:
オイラたちも行こうぜ!
影と会話する
影:
状態はよさそうですね。さすがは古龍の技術に精通した職人です。
影:
この力があれば、原始的な雷雨にも対抗できるでしょう——さあ、行きましょう。
影:
下の守りは、引き続きあなたに任せます。
九条裟羅:
承知いたしました。
衝動を抑えきれない雷の龍王との対話を試みる
雷電影は雷鳥の力を封印の中から解き放ち、それと共に、原始の雷元素力によって呼び起こされた魔物の大群も現れた…
パイモン:
こ、これって…!?オイラの目がおかしくなったんじゃないよな…
影:
確かに、これがかつての姿です。原始の雷元素力の奔流から、果てなき怨恨と怒りを感じます。
パイモン:
うぅ…予想してたより、ずっとまずい状況みたいだぞ…
パイモン:
うわぁ!なんで海乱鬼がいるんだよ!
影:
地脈の中の怨念か、あるいは聖土化の影響か…
影:
構いません——激しい闘いになることは覚悟しています。巻き込まれないよう、さがっていてください。
パイモン:
わ、わかったぞ…
原始の雷元素力を一時的に鎮める
雷電影は雷鳥の力を手中に収め、それを余すところなく将軍の体内へと取り込んだ…
パイモン:
本当に危なかったけど、なんとかなったな。さすが影だぜ!
旅人:
どんな感じ?
影:
……
影:
ようやく静かになりました。
影:
体内に取り込んだ後、一心浄土の中に雷鳥の姿が浮かび上がり、そこから抜け出そうと、荒れ狂うように雷を落とし始めました。
影:
またしても戦いとなりました。手にした刀で、こちらに敵意はないと伝えようとしましたが——
パイモン:
そっか、中でも戦ったんだな。
影:
自ら膝を降り、私の心を受け入れるまでには、まだ長い時間がかかるでしょう。この戦いを、あと何百回、何千回と繰り返すことになります。
影:
しかし、神櫻を植えたあの時と比べれば、大したことではありません。
旅人:
無理やり従わせてるように聞こえるけど…
影:
そのように聞こえるかもしれませんが、本質は異なります。互いに譲れない一線があるのです。
影:
私はかねてより、言葉よりも戦いによってこそ意志を形作り、心を磨くことができると考えてきました。これほどの覚悟の末に至った和解は、暴力によってもたらされた服従などとは違うものです。
影:
この刀を信じてください。
旅人:
そこまで言うなら。
パイモン:
そうだな。もし影のことを知らなかったら、たぶん理解できなかったと思うぞ。でも、今までなん回も身をもって教えてくれたしな…
パイモン:
よし、雷鳥も解放されたことだし、次は鶴観に行って断罪の釘の試練を片付けようぜ。
影:
ええ。稲妻にはまだ、聖土化によって解き放たれた魔物が跋扈しており、大勢が助けを必要としています。そちらのほうは、あなたたちに任せます。
影:
鶴観は、私一人で十分です。
パイモン:
おう、影の刀を信じてるぜ!
旅人:
いい知らせを待ってる。
影:
ええ、あなたたちもお気をつけて。
天守閣に戻る
パイモン:
影の刀を信じるとは言ったけど…まさか本当に刀で斬るとは思わなかったぞ!
影:
天理と対話する必要はないと思っただけです。使った力自体が、与えられた手がかりを理解していることの証明になりましたから。
影:
あの一太刀には私の力だけでなく、原始の雷元素力も含まれていました。符文はそれを感知して消えたのでしょう。
神里綾人:
さすがです。相変わらず迷いがなく、鮮やかですね。
九条鎌治:
まさか、無想刃狭間のあの一太刀に匹敵するものを拝めるなんて…!
パイモン:
へへっ、興奮してるのか?それともビビってるのか?
九条鎌治:
畏敬の念が深まったよ…
柊千里:
武を以て心を伝えるにあたり大切なのは、力そのものではない…そう固く信じておられることが、伝わってきました。
珊瑚宮心海:
私たちは、雷電将軍のやり方をよく知っていますから、結果には驚いていませんが…異国からのお客様も意外と驚いていらっしゃらないようですね。
シロネン:
なんつーか、んー、かなり派手ではあるけど、ウチらの神もこんな感じのノリだしね。
パイモン:
たしかにな。全然似てるわけじゃないけど、マーヴィカも毎回派手だぞ。
八重神子:
何はともあれ、試練は打ち破られ、状況は良い方向へと向かっておる。これもここにおる皆、さらには稲妻のすべての者の努力のおかげじゃ。
八重神子:
一番嘆いておるのは、締め切り破りの八重堂の作家たちかもしれぬのう。次の締め切りも、変わらず予定通り訪れると決まったからな、ふふっ。
パイモン:
えっと…それって同情していいのかわかんないぞ…
影:
まだ処理すべき問題は数多く残っています…気を緩めてはなりません。私もここで時間を費やすわけにはいきませんので、どうかこの吉報を皆に伝えてください。
影:
天理より下された「破滅」が、そう容易く解決するとは思えません。
影:
私たちの心と刃が、これからも試練に耐えうることを願います。
スメールへ向かうことにした。聖土化に立ち向かう現地の人々に協力しながら、「存続の試練」の状況を確認しよう。
スメールシティへ向かう
ティナリ:
了解。迷惑かけちゃってごめん。
ニィロウ:
気にしないで。あれから教令院はずっとズバイルシアターの公演を支援してくれてるし…こういう時こそ、私たちも力にならなきゃね。
パイモン:
あっ、ティナリとニィロウだぞ。おーい、二人とも!
ニィロウ:
わあ、旅人とパイモン!まさか会えるなんて…!久しぶりだね。
ティナリ:
やあ。まさか君たちがスメールに来るなんて思わなかったよ。
旅人:
何を話してたの?
ティナリ:
「聖土化」の拡大ルートを正確に予測するのは難しいし、魔物もあちこちをうろついてるから、教令院は人々を一ヶ所に集めて避難させることに決めたんだ。
ティナリ:
それで、シェイクズバイルさんが場所を提供してくれたんだけどね…おかげでシアターは今、大勢の人が集まって混乱してる。
ニィロウ:
急に住む場所が変わったら、落ち着かない人がいるのは仕方ないよね。ちゃんと私たちがサポートするから、大丈夫だよ。
ティナリ:
うん、混乱の中でもこんなにまとまってるのは、君みたいに根気のある人がいてくれるおかげだと思うよ。
ティナリ:
教令院側…いや、生論派って言うべきかな——うちでも避難対策を進めていて、パルディスディアイの植物の一部をこっちへ移す予定なんだ。
ティナリ:
でも、教令院にはもう場所がなくてね。ほかに受け入れてくれる所がないか、あちこち聞いて回ってたんだ…正直、ここにはあまり期待してなかったんだけど…
ニィロウ:
えへへ、全部解決でしょ?言った通り、太陽の光がいらない植物は中に置いたらいいよ。ちょっと並べるだけですごく素敵な飾りになるし、みんなも心が和むと思う。
ニィロウ:
太陽の光が必要なものはくれたフロート車で外に出すよ。ズバイルさんたちも手伝ってくれるから。
ティナリ:
本当にありがとう、助かるよ。
パイモン:
なるほど、つまりいざって時のための準備ってことだな!でも、光の柱って砂漠にあるんじゃないのか?雨林からはかなり距離があるような…
ティナリ:
うん。でも「聖土化」は広がる速さにムラがあるし、どこへ広がるかも予測しにくい。いざという時になって焦っても遅いだろ。
ティナリ:
ディシアはもう砂漠へ駆けつけたそうだよ。傭兵を集めて、「聖土化」によって放たれた魔物と戦ってるらしい。三十人団の援軍もすでに出発したって聞いてる。
ニィロウ:
うん、向こうからも砂漠の人たちが送られてきてるけど…もうそろそろ、ここでは受け入れきれなくなっちゃうと思う。
パイモン:
スメールシティがぎゅうぎゅうになっちゃいそうだな…あっ、もしかして、パルディスディアイの植物を移動させるのもそれが理由か?
ティナリ:
そう、生論派はあそこも有効活用したいってこと。ずいぶん察しが良くなったね?成長ぶりが嬉しいよ。
パイモン:
へへっ、オイラは会うたびに進化してるんだ!オイラのこと、見直しただろ!
ティナリ:
賢者たちの助けもあるし、砂漠から来た魔神さんたちも助言してくれてるから、全体的には順調に進んでるみたいだよ。
ティナリ:
ただ、別のことで悩んでるみたいだったけどね…何か音が聞こえないかって聞かれて。
パイモン:
音?
ニィロウ:
うん。いろんな人に聞いてたみたいだったけど…残念ながら、クラクサナリデビ様にしか聞こえないみたいなの。
ニィロウ:
自然界の動植物が出す音とは違って、規則性があるって仰ってた。まるで言葉のようなのに、まったく理解できないんだって…
ティナリ:
手伝いたいのは山々だけど、その音が聞こえないことにはね。
パイモン:
なあ、おまえっていつも変なことに気づくだろ?聞こえないか。
旅人:
……
旅人:
(見慣れたスメールシティ。時折聞こえる風の音、葉ずれの音、グランドバザールに満ちる、喜びと苦悩の入り混じった人々の声…)
旅人:
うーん、聞こえないみたい…
ティナリ:
そっか。でもせっかく来たんだし、直接草神様に会いに行ってみたら。草神様なら、もっと詳しく説明してくれるかも。
パイモン:
もともとそのつもりだったけど…あっ、そういえば、コレイの調子はどうなんだ?良くなったか?
ティナリ:
もうすっかり回復したよ。だからこそ、アビディアの森をコレイに任せて教令院の仕事を片付けに来られたんだ。
ティナリ:
でも、知っての通り、コレイはいつも無理をするからね。あとで戻って、様子を見てこようと思ってる。
パイモン:
それならよかったぜ。コレイによろしく伝えといてくれよな!オイラたちは先にナヒーダに会いに行ってくるからさ。
ニィロウ:
みんなで一緒に頑張ろうね。今回も無事に乗り越えられますように。
旅人:
(ニィロウたちみたいな普通の人は、聖土化現象のことしか知らなくて、世界の滅亡が目前に迫ってるなんて思いもしてないんだろうな…)
旅人:
(…絶対に、そうはさせない。)
スラサタンナ聖処へ行き、ナヒーダに会う
ナフィス:
最大の問題は、聖土化したエリアがどこも極めて危険で、普通の人間では到底近づけないことだ。サンプルを採取できなければ、実験もできない…
トート:
お前は楽観的すぎる。そもそも、実験できる代物かどうかすら分からんのだぞ。いったい何に入れるつもりだ?箱か、それともフラスコか?
トート:
容器を焼き溶かし、この大樹の根に滴り落ちるかもしれんぞ。
ナフィス:
確かに…さすがはかつてアフマルが重用した魔神——経験からのお言葉か?
トート:
これが危機意識というものだ!危険を承知で動くかどうかは、別の話だがな。
パイモン:
よう!珍しい組み合わせだな。
旅人:
こんにちは。
ナヒーダ:
あら…わざわざ来てくれるなんて思わなかったわ。
トート:
また会ったな。どうもお前たちに会う時は、いつも深刻な事態が起きている気がするぞ。
ナフィス:
それはさすがにひどいな。皆で祭りを楽しんでいた時に、あなたがいらっしゃらなかっただけだろう。
ナヒーダ:
——見ての通り、危機が迫っているというのに、みんな雷元素を当てた時のぴょんぴょんキノコみたいに元気よ。
ナヒーダ:
「経験豊富」という点については、賛同せざるを得ないわね。また、これほど深刻な危機に直面するなんて…
パイモン:
はぁ…こういう経験は少ないほうがいいのにな。なんでスメールはいつもこんな目に遭うんだよ。
ナヒーダ:
そのことね。ええ、遠くの光の柱とほぼ同時に現れて…今も私の耳元で響いているわ。
ナヒーダ:
残念だけど、それはとても微弱で、この音が聞こえるのは私だけみたいなの…あなたたちにも聞こえないんでしょう?
パイモン:
ああ、ぜんぜん聞こえないんだ…
ナヒーダ:
「聖土化」に伴う影響というだけなら、ここまで気にしないわ。でも、この音…未知の言語のように思えるの。
ナヒーダ:
もしこの音を理解できたなら、何かヒントが得られるんじゃないかしら?
トート:
水を差すようだが、幻聴である可能性はまだ一度も検証しておらんぞ。周知の通り、王の幻覚なら山ほどあったからな。
ナフィス:
反論はできないが…クラクサナリデビ様をアフマルになぞらえるのは、荒唐無稽というものだろう。
旅人:
断罪の釘の近くに行った?
ナヒーダ:
まだよ。突然のことだったから、スメールシティで対処すべきことが山積みで。こっちが落ち着いたら、見に行こうとは思っているけど…
ナヒーダ:
あの光の柱に近づけば、音がもっと強くなるかもしれないってことかしら?
パイモン:
たしかに、もし断罪の釘から発せられた信号なんだとしたら、スメールシティからだとやっぱりちょっと遠いし、感覚が鋭くない人には聞こえなくても納得だよな。
パイモン:
でも…すっごく大きな砂嵐もあるし、オイラたちも近づけないぞ…
ナヒーダ:
——試してみる価値はあるわ。状況がどうなっているかは、行ってみないと分からないわね。ただ、教令院の方は…
ナフィス:
問題ありません。私たちにお任せください。今はこの「試練」が、テイワットの運命を握っているのですから。
トート:
そうだな。吾輩もお前も分かっていることだが、天上のやつを敵に回してはならん。やつが何かを望むなら、さっさと応え、満足させてやる——それこそが君臣の道というものだ。
パイモン:
へえ、「君臣」の道な…まあいいけど。
ナヒーダ:
とにかく、手を貸してくれてありがとう。すぐに出発するわ。旅人とパイモンも一緒に来てちょうだい。
ナヒーダ:
聞こえたものを記録するのを手伝ってほしいわ。それに、旅人は特殊な体質だから、近づけば何か聞こえるかもしれないでしょう。
パイモン:
おう!じゃあ、砂漠に行こうぜ。
ナヒーダと共に断罪の釘の近くへ向かう
パイモン:
ここら辺が限界みたいだな。どうだ、聞こえるか?
旅人:
(空を覆う黄色い砂と、吹き荒る強風。まるで世界全体が、固く絞ったタオルみたいにねじれてるような感覚…)
旅人:
(……!)
旅人:
俺も…何か聞こえた気がする!
パイモン:
おまえも聞こえたのか?なら幻聴じゃないってことだな。絶対になにか秘密があるはずだぞ!どんな音だった?はっきり聞こえたか?
旅人:
…人が出せるような音じゃない。今まで聞いたどんな音とも違う。
ナヒーダ:
大丈夫よ、言葉にする必要はないわ。私には心が視えるから。
ナヒーダ:
なるほど…やっぱり私が聞いたのとまったく同じね。
ナヒーダ:
見えるなら、記録するのもずっと楽になるわ。少し待ってちょうだい——書き留めるから。
パイモン:
記録って、音を?
ナヒーダ:
ええ、音の本質は振動だけど、この音の裏にはまるで魔法のような力があって、ごく一部の人にしか聞こえないようになっているの。
ナヒーダ:
私には見えるし、感じることもできるわ。だから、振動を描き出して…計算すれば…書き記すことができるはずよ。
ナヒーダは紙に複雑な図形と数式を一生懸命描きはじめた。難解な記号が沢山記されている…
ナヒーダ:
完成したわ。恐らく、これがその全貌よ。
ナヒーダ:
そうね。記録する過程そのものが、一種の「解読」だったの。これでもまだ未完成よ…
ナヒーダ:
でも、ここからどうやって「解読」を続ければいいのか、私にもわからないわ。どうやら「鍵」が必要みたい。
パイモン:
スメールには賢い学者がいっぱいいるから、たかが音のことなんて簡単に解決できるだろって思ってたけど…そんなこと言えなさそうだな。
旅人:
でも、これでみんなにも見えるね。
ナヒーダ:
ええ、これは大きな収穫だわ。ひとまず戻って、みんなに伝えましょう。
スメールシティに戻り、みんなで未完成の記録を分析し始めると、すぐに新たな発見があった…
トート:
どうも見覚えがあるのだが…羊、我らが王がよくいじっていたものに似ていると思わないか?
ヘリシャフ:
…何とも言えんな。
トート:
じゃあもう何も言うな。お前に聞いたのが間違いだった。
ナフィス:
もしこの複雑な音声信号が「聖土化」によって放たれたものではなく、断罪の釘自体が発した「暗号」なのだとしたら、筋が通る…
トート:
そうだな。あの釘を研究していなければ、王の英知をもってしてもアアルのような精巧な創造物は作れなかっただろう。黄金の眠りなど、語るべくもない。
トート:
吾輩たちにもこの言語は理解できぬ。独自の解釈を導き出すしかないが…根底にあるものは多くが非常に似通っているものだ。
パイモン:
だったら、アアルが役に立つんじゃないか?今は世界樹の代わりに新しい知恵の中枢になってるわけだろ。なにか手がかりがあるかもしれないぞ?
ナヒーダ:
そうね…既存の知識からは見つけられなくても、アアルを創った技術とこの声に隠された情報が同じ源から来ているなら、対応関係を割り出せるはずだわ。
ナヒーダ:
ただ、今ある手がかりだけで割り出すには、膨大な計算が必要になる…それができるのは、アアルの演算能力だけだと思うの。
トート:
またしてもアアルが役に立つとはな。やれやれ、我らが王がいなければ、スメールはどうなっていたことやら。
ヘリシャフ:
それはまたまた、何とも言えんな。
トート:
お前…喧嘩を売っているのか?
パイモン:
あいつらはもう放っておこうぜ。さて、また砂漠にとんぼ帰りか…めちゃくちゃ遠いんだよな…
「アアル」の力を発動しに行く
ナヒーダ:
こんなに早くここへ戻ってくるとは思わなかったわ。しかも、またこんな大規模な危機の中にいるなんて…
パイモン:
安心しろ。今回も絶対大丈夫だ!知恵は万能なんだからな!
ナヒーダ:
ふふっ、励ましてくれてありがとう。さっそくアアルにこの情報を解読させてみるわ。少し時間がかかるかもしれないわね…
ナヒーダ:
これは…?
旅人:
結果は出た?
ナヒーダ:
まるでクシャレワー学院の試験問題みたいね。半分まで解くと複雑に枝分かれするけれど、最後にはそのすべてが整然と一つに収束していく…
ナヒーダ:
たった一つの簡潔な答えが導き出されたわ——「夢」よ。
パイモン:
夢?それって、おまえの権能じゃないのか?
ナヒーダ:
うーん、なるほど…
ナヒーダ:
それじゃあ、この信号が夢の中で何を伝えようとしているのか、見てみましょうか。準備はいいかしら?
旅人:
問題ないよ。
パイモン:
どういう意味だ…?まあいいや、よくわかんないけど、とにかくついていけばいいよな?出発だぜ!
ナヒーダのかりそめの姿と会話して、現状を整理する
パイモン:
ここは、砂漠…えっ、光の柱はあそこにあるけど…砂嵐はどこに行っちゃったんだ?
パイモン:
ナヒーダ…えっ、どこにいるんだ?
ナヒーダ:
ここよ。
パイモン:
わぁっ!そのかわいいウサギ姿も、本当に久しぶりだな。
ナヒーダ:
アーカーシャ端末はもう停止しているから…二人のために外から夢を維持しなくちゃいけないわ。——権能を使ったら、聞こえる音に変化があったの。
ナヒーダ:
新しい「暗号」の解読に集中しなきゃいけないから、一緒に夢へ入ることはできないわ。この子を通して連絡を取り合いましょう。
パイモン:
わかったぞ。なんにせよ、またこいつに会えて嬉しいぜ。それで、今はどういう状況なんだ?
ナヒーダ:
試練の内容は、「知恵」という命題を理解して、断罪の釘の内部へ入ることよ。
ナヒーダ:
夢の中では、そこへ至る道筋がもう示されているはず…
パイモン:
あっ、そういうことか!夢の中なら、砂嵐とか聖土化みたいな面倒は無視できるわけだな!こんな解決方法があるなんてな…
旅人:
でも、そんなに簡単にはいかないよね?
ナヒーダ:
ええ、一緒にこの試練に立ち向かいましょう。
断罪の釘に近づいてみる
パイモン:
ここはどこだ?オイラたち、どうやって入ってきたんだろうな…
パイモン:
あっ、見ろよ!ここに描かれてるやつ、見覚えないか?
ナヒーダ:
断罪の釘が新たな「暗号」を発したわ。私たちに過去の行いを見つめ直すよう求めている…
ナヒーダ:
「正機の神を倒す」ことが、あの混乱を解決するための唯一の解だったのかどうかを問うもののようね。
パイモン:
えっ!?だって、それ以外にどうすればよかったんだ?放っておくわけにはいかないだろ?
ナヒーダ:
ここに描かれている正機の神はまだ起動していないわ。中央部の欠落は、無限の可能性を象徴している。
ナヒーダ:
たとえば、もし私たちがもっと早く正機の神を創る計画に気づいていたら、この力を奪い取って、私たちのために使うこともできたかもしれないわね。
ナヒーダ:
あるいは、リスクを十分に認識した上で、雷の神の心を破壊しようと試みることもできたかも。
ナヒーダ:
さらには、もっと狂気じみた選択もあるわ——正機の神という存在を完全に受け入れて、草神の心の力をそこに注ぎ込むの。
パイモン:
そ、そんなこと…考えもしなかったぞ…
パイモン:
もしかして、このパズルみたいなやつは、おまえがさっき言ってた選択を表してるのか?
ナヒーダ:
ええ、「暗号」が私に示してくれたいくつかの可能性よ。破片をはめ込めば、その先の展開が夢の中で自動的に再現されるみたい。
ナヒーダ:
私から見れば、どの解決策も一面的なところがあるけど…ひとまず試してみましょう。
正しい欠片を選び、空いている箇所にはめ込む
ナヒーダが構築した夢の中で、私たちは過去に「正機の神」に対処した際の選択を見つめ直した。
パイモン:
選択肢はいっぱいだけど、どれもあてにならないな。
ナヒーダ:
ふふっ、私もそう思うわ。
ナヒーダ:
全スメールの知恵を一つにしたからこそ、打ち勝てた。
ナヒーダ:
けっして偶然ではないわ。私たちは常に、民と共にあることを選んできたのだから。
パイモン:
えっ、それって…缶詰知識か!
パイモン:
おう!みんなの知恵と、夢で培った戦闘経験があったからこそ、オイラたちは「偽りの神」に勝てたんだよな。
新たな空間を観察する
パイモン:
なんでまた場所が変わったんだ?ここってアペプの体内…「オアシスの心」がある場所だよな。
旅人:
でも、破片が一つしかないみたい。
パイモン:
「火種」のことか?でも今回は、破片をはめ込める場所は一つだけじゃないみたいだぞ。
ナヒーダ:
問題の形式は逆になったけれど、論理は似ているわ…つまり、正解は隠されているのかもしれないわね。
パイモン:
えっ…ちょっと意地悪すぎないか?
欠片を正しい箇所にはめ込む
ナヒーダが構築した夢の中で、私たちは過去の「種火」の使用方法を見つめ直した。
ナヒーダと会話する
パイモン:
戻ってきちゃったのか?どういうことだ、全然わかんないぞ…
パイモン:
あの場所から離れられたってことは、少なくともオイラたちの選択は正しかったってことだよな?
パイモン:
うわあああ——逆さまになってるぞ!気をつけろ!
炎神の心を用いて、汚染の拡散を食い止める
ナヒーダが構築した夢の中で、私たちは過去の「世界樹を焼却する」という選択を見つめ直した。
「光の鏡」と会話する
ナヒーダ:
(ここが断罪の釘の内部のはずだけど…入った瞬間に旅人とパイモンが消えてしまったわ。)
ナヒーダ:
(もしかして試練には、一人で天理に会わなければならないというルールがあるのかしら?)
「光の鏡」:
外部目標の処理エリアへの進入を検知しました。
「光の鏡」:
試練続行中…来訪者は「知恵」の命題について、その解釈を示してください。
ナヒーダ:
この問題については、スメールが発展してきた今日までの歴史の中で無数に論じられてきたし、何度も激しい議論が交わされてきた。
ナヒーダ:
私がずっと信じてきたのは、この言葉よ。
ナヒーダ:
「喜びの舞いの中には、宇宙のすべてが秘められている。目的はいつも『命』で、『知恵』こそがその手段。」
「光の鏡」:
……
ナヒーダ:
でも、私をこの地に導いたのは、この信念そのものではなく、そこから生まれた幾つもの選択なの。
ナヒーダ:
だから、答えにこう付け足したいわ。
ナヒーダ:
「知恵」に答えはない。「知恵」の本質は意見の相違だから。テイワットに対する私たちの意見が違うように——つまり、あなたと私の考えが違うように。
パイモン:
うぅ…オイラたち、どこに落ちてきたんだ…大丈夫か?怪我してないよな?
パイモン:
そういえば、ウサギがいなくなってるぞ。落ちてるうちに見失っちゃったみたいだな。
パイモン:
っていうか…ここはどこなんだ?あれって、オイラたちが空の神殿で見た光の鏡みたいだよな?
旅人:
どういうことなんだろう…
旅人:
(いろんな空間を通り抜けてきて、完全に方向感覚を失っちゃった。でも、今辿り着いた場所には天理に関係するものがある。まさか…)
旅人:
(断罪の釘の内部に辿り着いたのかな?俺がこの「存続の試練」を受けなきゃいけないの?)
「光の鏡」:
外部目標の処理エリアへの進入を検知しました。
「光の鏡」:
検知…エラー…エラー…
「光の鏡」:
想定外の来訪者が処理エリアに進入。コアデータベースにアクセスしています…
「光の鏡」:
コアデータベース応答なし…再試行…コアデータベース応答なし…
パイモン:
ど、どうしたんだ?なんだか様子がおかしいぞ。
パイモン:
もしかしてオイラが落ちてきた時にぶつかって、壊しちゃったんじゃないか!?
「光の鏡」:
プリセットプランを起動。読み込み中。しばらくお待ちください…
「光の鏡」:
よう…よう…
パイモン:
よう?ようってなんだよ?
「光の鏡」:
よう…よう…
「光の鏡」:
ようこそ…世界…へ…
ナヒーダと会話する
パイモン:
ルーンが一つ消えたってことは、試練をクリアしたんだよな?さすがだぜ!
ナヒーダ:
ええ、問題に関してはさほど困らなかったわ。断罪の釘まで歩んできた過程そのものが、天理が私たちに与えてくれたヒントだったの。
ナヒーダ:
私たちは…数え切れないほどの意見の相違を経て、ここへ辿り着いたわ。
ナヒーダ:
正しいか間違っているかは、重要な命題ではないの。大切なのは、命が今も続き、変わらず美しくあることよ。
ナヒーダ:
私はただ、自分の心の中にある「知恵」の姿を描いただけ。
パイモン:
なるほどな。とにかく突破できてよかったぜ。
ナヒーダ:
あなたたちが危険な目に遭ったり、理不尽な扱いを受けたりしなくて、本当によかったわ。
ナヒーダ:
試練を終えた後も、二人の行方が分からなくて…私たちの夢がまだ繋がっているのかどうか確信が持てなかったの。
ナヒーダ:
だから、まず自分の夢を終わらせて、現実で二人の様子を確かめることにしたんだけど…結果的には、これでよかったみたいね。二人も夢が途切れたことで目を覚ましたんだもの。
パイモン:
オイラたちもあちこち見て回ったけど、ナヒーダは見つからなかったぞ。でも、話を聞く限り、あの時は間違いなく同じ場所にいたってことだな。
ナヒーダ:
もしかしたら、断罪の釘の内部は外と空間の仕組みが異なっていて、同じ空間にいても、お互いの姿が見えないのかも…
ナヒーダ:
不正を防ぐための仕様だと思うわ。
パイモン:
随分慎重だな…でも、聞いてるだけで複雑そうな仕組みなのに、光の鏡はまともに喋ることすらできてなかったぞ。どうしちゃったんだろうな?
パイモン:
そんな感じだったよな。でも、想定外の事態ってなんなんだ?神じゃないやつが入るとこうなっちゃうのか?
パイモン:
まあいっか、考えてもわかんないし。また会う機会もあるだろうから、その時に考えようぜ。
ナヒーダ:
もしかして、会話の途中だったのかしら?ごめんなさい、どうしても心配で…
パイモン:
いやいや、気にするな!おまえの判断は正しかったぞ。たぶんあれ以上は話せそうになかったしな。
パイモン:
とにかく、一番大事なのは試練をクリアできたことだよな。へへっ。
ナヒーダ:
手伝ってくれてありがとう。今回の冒険は短かったけれど、あなたたちと一緒にいろんなことを経験したって思い出したわ。
ナヒーダ:
スメールが危機に陥った時、二人はいつもそばにいてくれるのね。
ナヒーダ:
…ええ、ありがとう。
ナヒーダ:
短い夢だったけれど、とても長い、長い夢のようでもあったわ…
ナタへ向かうことにした。聖土化に立ち向かう現地の人々に協力しながら、「存続の試練」の状況を確認しよう。
聖火競技場へ向かう
フリーナ:
送ってくれてありがとう、お嬢さん。
カチーナ:
気にしないで。わたしもちょうど、聖火競技場に行くところだったから。
カチーナ:
それに、みんな具合があまりよくなさそうだし、あんなに遠くから歩いてきて、すごく疲れてるでしょ。トトに手伝ってもらったほうがいいかなって。へへっ。
イネファ:
ご協力、感謝します。理論上、ナド・クライからナタへ戻るには花翼の集の方向へ進むべきですが、人数が多いため、より安全なルートを選ぶのが最適と判断しました。
イネファ:
そのため遠回りにはなってしまいましたが…「こだまの子」の住民の皆さんはとても親切でした。
フリーナ:
ナタにまさかあんなに大きな生き物がいるなんてね。初めてトトに会った時はすごくびっくりしたけど、優しい心の持ち主だ。
フリーナ:
それにすごく力持ちで…みんなを背中に乗せて運べるなんて驚いたよ。
カチーナ:
こういうことをするのが一番好きなんだ——自慢みたいなものなの。この間まではケガしてたんだけど、やっと治ったから、力を見せたくてうずうずしてたんだろうね。
イネファ:
予定通り「談議室」にて登録を行えば——少々お待ちください。既知の生体反応を検知しました。
パイモン:
おーい——まさかこんなところで会えるなんてな!
カチーナ:
師匠!まさか来てくれるなんて——
フリーナ:
し、師匠?知り合いだったのかい?
カチーナ:
うん、そうだよ。二人がナタに着いたばかりの時に出会ったんだ。それからわたし、いろんなことを教わって…すっごく成長できたんだよ!
パイモン:
へへっ、カチーナはホントに親切だ。ナタに入ってすぐカチーナに会えて、本当によかったぜ。
イネファ:
その後もここで助けていただき、一緒にナド・クライへ行きました。
フリーナ:
そういうことだったのか。どうりでそんなに驚くわけだ…まるで劇のような再会じゃないか。
パイモン:
えっと…それで、フリーナはなんでここにいるんだ?
フリーナ:
話せば長くなるんだけど…当然、目の前にあるこの光の柱のせいさ。
旅人:
フォンテーヌに断罪の釘はないはずだよね?
フリーナ:
ああ。フォンテーヌは今のところ脅威を受けていないけど、だからこそ多くの国の人たちがフォンテーヌへ避難してこようとしているんだ。
フリーナ:
今はまだフォンテーヌ廷で受け入れられているけど、これからフォンテーヌへ来る人がどんどん増えていくのは明白だ…
イネファ:
理論上、ナド・クライも理想的な避難場所の一つです。しかし、地理、政治、治安など複数の要因を総合的に考慮すると、避難先としての魅力はフォンテーヌに遠く及ばないと判断されます。
フリーナ:
うん、それに受け入れるにしても、ナド・クライが真っ先に考えたいのは、やっぱりスネージナヤ本土の人々のことだろうからね。
フリーナ:
とにかく、パレ・メルモニアが通知を出して各方面に協力を求めたら、棘薔薇の会が積極的に応じてくれて、リオセスリさんもウィンガレット号を出してくれたんだ。
フリーナ:
僕もナヴィアとクロリンデに誘われて、ポワソン町の方で設営や物資の調達を手伝っていたんだけど、一番忙しい時に思わぬ出来事が起きて…
フリーナ:
——なんでも、フォンテーヌへ旅行に来た大勢のナタ人に、記憶喪失の症状が出ているらしいんだ。それで、パレ・メルモニアと冒険者協会にたくさんの助けを求める声が寄せられた。
パイモン:
記憶喪失?
カチーナ:
フォンテーヌだけじゃなくて、ナタを離れた人はみんな、そうなっちゃうの…たとえば部族の名前を思い出せなくなったり、燃素の使い方を忘れちゃったり…
フリーナ:
ああ。そんなことを忘れてしまうなんて、普通はあり得ないことらしいよ。フォンテーヌで「法律」という言葉を聞いたことがないと言うのと同じくらいね。
カチーナ:
あとから黒曜石の老婆が原因を教えてくれたんだけど、大霊が突然「謎煙の主」のシャーマンと対話するのを拒んだのが原因みたいだよ。
パイモン:
あっ、なんとなく思い出したぞ。前にマーヴィカが言ってたよな。ナタの人は大霊の加護がないとナタの外に出られなくて、無理に出ると記憶を失うとかなんとかって。
旅人:
ナタの地脈は外の世界と繋がってないから…
イネファ:
少し前、私たちの元にナタから手紙が届きました。各地に協力を求め、ナタ人をできるだけ早くナタに戻してほしいという内容でした。
イネファ:
幸い、状況は好転しています。ナタの地に入ると、記憶喪失の症状が明らかに和らぐようです。
パイモン:
本当に大霊が原因ってことだな…
イネファ:
かつて私にも記憶の欠損が発生したことがありますので、それが危険な状態であることは明確に認識しています。
イネファ:
当時、ナタの多くの方々に協力していただきました。ですから、今回は志願して、皆さんを護送してきたのです。
フリーナ:
ポワソン町にもこういうナタの人たちがたくさん集まっているし、いつ症状が悪化するかも分からない。彼らだけで帰すのは危険だろう?
フリーナ:
棘薔薇の会の人手が足りないのは分かっていたからね…ナヴィアと相談して、僕が彼らを送ってきたのさ。
カチーナ:
本当にありがとう。登録が終わったら、みんな家に帰れるね。大事がなくてよかったよ…
パイモン:
でも、この巨大な光の柱が聖火競技場のこんな近くにあるなんて、そりゃ心配だよな。
旅人:
やっぱりマーヴィカに会いに行こう。
カチーナ:
うん、炎神さまならもっと色々知ってると思う。スネージナヤから戻ってきてから、わたしたちがそれぞれの役目を果たせるよう、ずっと各部族に指示を出してくださってるの。
カチーナ:
二人のお客さんはわたしに任せて。競技場を案内して、「草臥の家」でゆっくり休んでもらうから。
フリーナ:
本当はすぐにでも帰りたかったけど…これだけの距離を歩いて、砂漠越えまでしたからね…さすがの僕もちょっと疲れたよ。
イネファ:
適度な休息は、支援効率の向上に役立ちます。また、予想よりも遥かに早く到着したため、時間を気にする必要はないかと。
カチーナ:
えへへっ、そうだよ。せめて何か食べてから行きなよ!ここの「タタコス」と「ブレイズ・ミートシチュー」は絶品なんだよ!
ユーちゃん:
キュウ——
カチーナ:
えっ、ユーちゃん?どうしてここに!
カチーナ:
わたしたちを「草臥の家」に連れて行ってくれるみたい。ついていこう。師匠、それじゃあまたね!
フリーナ:
また後で会おう。
イネファ:
皆さんのご成功をお祈りします。
パイモン:
おう、じゃあな!ゆっくり休めよ!
フリーナ:
キミの飼っているテペトル仔竜かい?すごくかわいいね。
カチーナ:
この子はわたしの大切な仲間で、家族もいるんだよ。よそから来た人にはよく「人とペット」の関係だと思われるけど、実際は全然違うの。
フリーナ:
そうか…残念だな、お腹を撫でてみたかったんだけど…
カチーナ:
それなら、ユーちゃんもきっと撫でさせてくれると思うよ!
「談議室」に行く
マーヴィカ:
君たちか。「談議室」へようこそ。
パイモン:
おう!…えっと、ナタはすごく大変な状況だって聞いてたけど、思ったよりおまえが落ち着いてそうで、ちょっと安心したぞ。
マーヴィカ:
今のところはまだ大丈夫だ。アビスとの戦いに比べれば、大したことではない。
マーヴィカ:
今一番心配なのは、やはり遠出をしているナタの者たちだ。続々戻ってきてはいるが、不測の事態が起きないという保証はない…
マーヴィカ:
記憶喪失の症状が悪化したまま、誰にも気づかれなければ…最後には「自分がナタ人である」ことさえ忘れてしまうだろう。
パイモン:
そういうやつを探し出したくても、海の中から針を探すようなもんだしな…
マーヴィカ:
ああ。だから最も確実なのは、やはり問題の根本を解決することだ。一刻も早く夜神と連絡を取って、彼女の加護を得たいと考えている。
旅人:
原因って、夜神なの?
マーヴィカ:
そうだ。確か君たちは何度か夜神の国に出入りしていたな——覚えていないか?ナタの断罪の釘はあそこにある。
パイモン:
あっ、そうだったな…
マーヴィカ:
私とシトラリの意見は同じだ。聖土化の力が直接夜神に影響を及ぼしたことで、彼女が我々に応えられなくなっているのだと思う。
マーヴィカ:
光の柱は競技場にこれほど近いのに、競技場に聖土化の影響は及んでいない…夜神が必死で抵抗した結果なのだろう。
マーヴィカ:
だがその代償に、ナタの各地ではすでに聖土化が見られている。まったく規則性がなく、まるで家の中の水漏れのように、次にどこから漏れ出すか誰にも分からないのだ。
マーヴィカ:
今のところ、夜神の状況がどれほど深刻かはまだ定かではない。彼女がいつまで持ちこたえられるかも分からない…
パイモン:
そ…それって…
旅人:
じゃあ、直接夜神の国に行くのはどう?
パイモン:
そ、そうだぞ。オイラたち、前にも同じようなことをやっただろ?夜神の様子を見に行こうぜ。
マーヴィカ:
本質的に言えば、我々が夜神の国に入れるのは、夜神がナタとの間に築いた繋がり…つまり、架け橋のようなものがあったからだ。
マーヴィカ:
だが今は彼女と連絡が取れず、ナタの民への加護も途絶えている。通路も当然閉ざされているというわけだ。
パイモン:
さ、最悪の状況じゃないか!オイラたち、一体どうすればいいんだ?
パイモン:
夜神の国の問題はすごく深刻だし、それにあのなんとかって試練も解決しなきゃいけないし…
マーヴィカ:
ハハッ、シトラリのような焦り方だな。
マーヴィカ:
元々この後、謎煙の主へ彼女を訪ねに行く予定だったんだ。一緒に行かないか?先日、ある考えを試しているところだと言っていた。
マーヴィカ:
彼女は夜神の国について誰よりも詳しい謎煙の主の大シャーマンだからな。私は彼女を信じている。
マーヴィカ:
ほう、黒曜石の老婆はそのように疑われるのが好きじゃないと思うぞ。ましてや、それが君の口から出たとなればな。
マーヴィカ:
だが…ふむ、そっくりそのまま彼女に伝えれば、さらにやる気を出してくれるかもな。
旅人:
だめだめ、怖いよ。
パイモン:
ひ、冷や汗かいちゃったぞ…まあ、シトラリはいざって時にはいつも頼りになるからな、オイラもあいつを信じるぜ。
マーヴィカ:
ああ。もう答えを手にして、私たちを待っているだろう。楽しみにしていよう。
シトラリを訪ねる
パイモン:
シト——
シトラリ:
こんなのありえない…!
シトラリ:
もうムリ、ムリムリムリ…!
シトラリ:
もうっ、なんでこんなコト引き受けちゃったの。全然自信なんてないのに、なんで考えがあるなんて言っちゃったのよ!
シトラリ:
今更だけど、ビラムたちに助けを求める?ダメダメ、自分でダイジョーブって言っちゃったんだし。
シトラリ:
でも、こんなに大事なコト…一分だってムダにできない。この案は諦めて、早く別の方法を考えないと。
シトラリ:
うぅ~これじゃあ黒曜石の老婆じゃなくて、ただの老婆じゃない…!
シトラリ:
ダメダメ、外の空気でも吸ってこよ——
シトラリ:
……
パイモン:
……
旅人:
……
マーヴィカ:
やあ、シトラリ。進捗はどうだ?
シトラリ:
キ…キミたち、いつ来たの?どうして旅人まで…
パイモン:
心配するな、今来たばっかりだぞ。
シトラリ:
「心配するな」?つまり、全部見てたってワケね!
旅人:
だって、ドアが閉まってなかったから…
シトラリ:
家の中が息苦しかったんだもの!ナニよ、ここはワタシの家なんだから!ドアを開けたい時に開けて、ゴロゴロしたい時にゴロゴロするの!ナニか問題でもある!?
マーヴィカ:
落ち着いてくれ、シトラリ。私が悪かった、先に手紙を書くのが礼儀だったな。だが、迫りくる期限を前に、そこまでの余裕はなかったんだ。
シトラリ:
ダ、ダイジョーブ。怒ってるワケじゃないの。ただ、ビックリしちゃって…
シトラリ:
ちょっと待っててね、テキトーに座ってて。着替えたらすぐ戻るから。
シトラリ:
さっきはちょっと取り乱しちゃって、ゴメンなさい。もうダイジョーブよ。
マーヴィカ:
あまり順調ではないようだな?
シトラリ:
ええ…ゴメンなさい。前に話し合った時はヨユーがあるようなコトを言ったケド…ウォーベンを隅々まで調べてみたら、ワタシが思ってたのとはかなり違うって分かったの。
シトラリ:
シャーマンには夜神さまの助けなしで、どうやって直接夜神の国と繋がるかっていう昔からの課題があってね。ムリもないコトよ。当時から、夜神さまは少しずつ弱ってたから…
シトラリ:
ウォーベンにいくつかの方法が残されていて、試してみたの。どの方法でも夜神の国の現状を覗き見ることはできた…
パイモン:
それで…なにが見えたんだ?
シトラリ:
かなり深刻よ。いろんなトコロがもう「聖土化」に侵食されてる…アビスが地脈を破壊した時と比べても、どちらが深刻かは判断できないかも。
マーヴィカ:
自らの力で夜神の国の景色を見られたのなら、足を踏み入れるのもあと一歩というところだろう。
シトラリ:
ワタシも最初はそう思ってたんだけど、試してみて分かったの。必要な精神力のレベルが、根本的に違うって。
シトラリ:
簡単に言うとね、謎煙の主みたいな部族が十コ——さらに黒曜石の老婆が十人いて、やっと安定したトンネルを一つ作れるってトコロなの。しかも、通れるのはたった一人だけ。
パイモン:
そんなに差があるのか?
シトラリ:
ええ、どう計算しても、これだけの差がある…こんなに大勢のスゴいシャーマンを見つけるなんてムリよ…
マーヴィカ:
必ずシャーマンでなければならないのだろうか?
旅人:
グーシィ・トースと戦ってた時、聖火競技場のみんなの歌声が聞こえてきたよね…
旅人:
あの時も夜神の力だったの?
シトラリ:
あの時の夜神は、主にアビスの干渉に対抗してたからね。チカラになったのは、ヤッパリみんなの団結した意志ってワケ。
シトラリ:
フツーのヒトでも、みんなの想いが一つにまとまり、強く揺るがないモノになれば、少しは精神力を出せるの。でも考えてみて。あれだけ大勢のヒトがいて、それでも声を中へ届けるので精いっぱいだったのよ。
シトラリ:
声は伝わるのが速いから、まだいいほう。たとえトンネルが不安定で、途中で途切れてしまっても、危険はないし…
シトラリ:
マーヴィカさま、何笑ってるの?
シトラリ:
待って、分かった。まさか…
マーヴィカ:
さっき、「安定したトンネル」を作るのは難しすぎると言っていたな。では、必要なのが「不安定なトンネル」だけだったらどうだ?
シトラリ:
ダメダメ、さっきのはタダの例え話よ。重要なのは速度がどれだけ速いかってコトじゃなくて…あれ…待って、ホントにダメかしら?
シトラリ:
ちょっと待ってて、試してみるから。
シトラリ:
…いけるかもしれない。六部族を集めて、あの時と同じくらいの想いを結集させて、競技場にできるだけ近い場所を出発点に、一気に突っ込んじゃえば——
シトラリ:
でもこのトンネルを維持できるのは、せいぜい…
シトラリ:
…156秒よ。
旅人:
たったのそれだけ?
マーヴィカ:
十分だ。
マーヴィカ:
双駆輪の状態を確認してくる。シトラリ、ビラムに伝えて、シャーマンを各部族へ向かわせ、儀式を執り行うよう手配してくれ。
マーヴィカ:
旅人、パイモン、君たちの力も必要だ。部族は自由に選んでくれ。
マーヴィカ:
ちょうどナタの人々も続々と戻ってきている——今こそ絶好の機会だ。
シトラリ:
言っとくケド、もし失敗したら、現実と精神の狭間に迷い込んで、二度と戻れなくなるかもしれないのよ。
マーヴィカ:
ふふっ、それくらいの危険がないと、かえってやる気が出ないからな。
旅人:
頑張って、マーヴィカ。
マーヴィカ:
ああ、力を合わせて、思いきり駆け抜けよう!
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
パカル:
よく来たな。「こだまの子」の儀式に参加しに来たのか?
パイモン:
まだ決めてないぞ。とりあえず、あちこち見て回ろうと思ってるんだ。
パカル:
そうか。すでに大勢集まってるから、時が来れば…きっと壮観だぞ。
パカル:
シロネンは遠出してるし、カチーナは聖火競技場に行ったきりまだ戻ってきていない。あいつらは間に合わないかもな。
パカル:
炎神様は強引に夜神の国へ乗り込むおつもりらしいが…まったく、あのお方らしい。
パカル:
あの方の炎は相変わらず勢いがある。まだまだ長く燃え続けそうだな。
旅人:
うん、信じよう。
パイモン:
「こだまの子」はオイラたちが最初に着いた集落だし、カチーナと出会った場所でもあるよな。いつも賑やかで、大好きだぞ。
パイモン:
ここにしようぜ。それとも、他の部族も見てみるか?
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
キィニチ:
よく来たな、ナタに来てるとは聞いてた。会いに行こうと思ってたけど、急に告知が来たもんだから…
パイモン:
気にするな!すごく急だったしな。オイラたちもおまえの様子を見に行くつもりだったぜ。
キィニチ:
そうか、ありがとう…
アハウ:
ほーう、いつもエラそうなキィニチにも照れる時があるんだな?
キィニチ:
悪い、またうるさいヤツが出てきてしまった。
アハウ:
どういう意味だコラ!二人はこのクフル・アハウ様にも会いに来たに決まってるだろ!だからオレもこうして姿を見せてやってるんだ!
パイモン:
悪い、おまえのこと、すっかり忘れてたぜ。
アハウ:
なんだと!?ふ、不敬だ!「トゥマイニ」の傍にいるからって、お前まで威張れると思うなよ!
パイモン:
なんだよ、おまえだってキィニチを盾にしていつもエラそうにしてるだろ!
旅人:
そこは否定すべきじゃ…
パイモン:
確かに!オイラは別に威張ってないもんな。乗せられるところだったぜ。
キィニチ:
とりあえず、「懸木の民」はもう準備を済ませてて、もうじき儀式も始まる。
キィニチ:
聞いた話じゃ、儀式で皆の精神をリンクさせたあと、全員の頭の中に双駆輪に乗った炎神様が現れるらしい。
キィニチ:
炎神様のことだ、さぞ「刺激的」なものを見せてくれるんだろうな。
パイモン:
えっ!?そうなのか?じゃあオイラ、目を閉じておくぞ。なんか酔いそうだし…
パイモン:
どうする、旅人?「懸木の民」で儀式に参加するか?アハウもいるけど。
アハウ:
けどとはなんだ!?光栄に思え!
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
パイモン:
フリーナとカチーナじゃないか!ここにいたんだな。
カチーナ:
師匠、それにパイモンちゃん!うん、儀式が行われるって聞いたんだけど、「こだまの子」まで戻るのはちょっと遠すぎるから、「流泉の衆」で参加することにしたの。
フリーナ:
ここの温泉は有名だと聞いて、元々すごく興味があったんだ。シャーマンの話によると、この儀式は僕みたいな外国人でも力になれるらしいね。
フリーナ:
それなら移動で時間を潰すよりも、少し残って手伝おうかと思って。
フリーナ:
それに、シュヴァルマラン婦人は温泉のお湯でバブルを吹くのが気に入ったみたいなんだ。クラバレッタさんも一緒に遊んでくれていたけど、あんなに嬉しそうにしているところは、フォンテーヌでもなかなか見ないよ。
パイモン:
へへっ、それはよかったな。あれ、じゃあジェントルマン・アッシャーは?
ムアラニ:
連れてきたよ——
パイモン:
あっ、ムアラニ!
ムアラニ:
このちびちゃん、ちょっとそっけない感じだから、何か悩み事でもあるんじゃないかって、親切なコホラ竜たちが寄って来ちゃったみたいなんだよね。
ムアラニ:
儀式の準備を手伝ってたら、海の中でコホラ竜が五、六匹集まってこの子を追いかけてるのが見えたから、急いで助け出したんだ。
フリーナ:
そうだったのか。本当にありがとう。どうりで見当たらなかったわけだよ…
ジェントルマン・アッシャー:
……
パイモン:
へへっ、なんていうか、まさに「流泉の衆」に来たーって感じだぜ。いつもお日様がポカポカしてて、すっごく楽な気持ちになれるんだ。
フリーナ:
僕も前まで不思議だったんだよね。ナタはずっと戦いと隣り合わせだったはずなのに、どうしてリゾート地があるんだろうって。
フリーナ:
後になって、「だからこそ」の素晴らしいアイデアなんだって気づいたよ。
ムアラニ:
ほめ過ぎだよ。ここの人はみんな、ずっとしかめっ面でいるのが嫌なだけ。
ムアラニ:
今度機会があったら、本物のリゾート地に連れてってあげるよ。絶対にアシャたちのことを気に入ってくれるはずだから!
ムアラニ:
今はとりあえず儀式に集中だね。もうすぐ準備が終わるから、君たちも一緒に参加しない?
パイモン:
旅人、どうする?ここに残るか?
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
チャスカ:
よく来たな。
パイモン:
チャスカ、それにイネファ!おまえがここに来てるなんてな。
イネファ:
はい。知らせを受けて、私もいずれの部族の儀式に参加したいと考えました。分析の結果、「花翼の集」が最適だと思ったのです。
イネファ:
結論の根拠がその通りであるかは、断定できません。私にとっての「家」は、やはり「カチャカチャ・クルムカケ工房」ですから。
チャスカ:
別に矛盾することじゃない。私はクク竜に育てられた子供で、後になってから「花翼の集」にも居場所ができた。
チャスカ:
私にとっては、どちらも同じくらい大切で、みんなが家族だ。本当にいろんなことがあった…
チャスカ:
肝心なのは、お前の心の中にある思い出の重みや、そこから家の温もりを感じられるかどうかだろう。
イネファ:
なるほど——私にとって両者は大きく異なるものです。一つは「認知」、もう一つは「感覚」…しかし、温もりは似ているかもしれません。
パイモン:
へへっ、いいことだな。オイラも、この「花翼の集」から遠くを眺めるたび、ここの山と雲にすごく癒されるぜ。
パイモン:
ここで儀式に参加するのもいいと思うぞ。おまえはどう思う?
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
シトラリ:
通知は行き渡ってるわね…もう一度儀式の準備ができてるかチェックよ。失敗はゼッタイに許されないから…
シトラリ:
あら、キミたち。ちょうどいいトコロに来たわね、早く手伝ってちょうだい。
パイモン:
て、手伝い?
シトラリ:
儀式に参加しに来たんでしょ?あの時マーヴィカさまに行きたい部族を選べって言われたから、「謎煙の主」を選んだんじゃないの?
パイモン:
オイラたち、まだ決めてないんだ。とりあえずあちこち見て回るついでに、友達の顔も見ておこうと思ってさ。
旅人:
すごく忙しそうだね、邪魔しちゃった…?
シトラリ:
確かにちょっと忙しいけど、ダイジョーブよ。どこか適当な場所に座ってて。儀式の準備はすぐ終わるから。あとは…
シトラリ:
オロルン!オロルン!?
イファ:
大事なことを思い出したとか言って、さっき出て行ったぞ。
シトラリ:
大事なことって、どうせ畑の水やりとか、ミツムシが熱中症になったとかでしょ!もうっ、そんなバヤイじゃないのに!
パイモン:
あれ?イファ。花翼の集にいなくていいのか?
イファ:
ちょうど謎煙の主に往診に来てたところだったんだ。知っての通り、大霊が病気になったせいで、かなりの数のイクトミ竜が体調を崩しちまってな。
イファ:
とはいえ、対症療法しかとれないんだが。根治のためには、黒曜石の老婆のこの儀式と、炎神様の力が頼りだ。
シトラリ:
こんな風に言われたら、ガンバリ甲斐もあるってモノよ。オロルンにも見習って欲しいトコロね。
パイモン:
ど、どうする?オイラたち、ここに残るか?
シトラリ:
言っとくケド、ここの儀式はワタシが直々に取り仕切るんだから、ゼッタイ一番パーペキよ。一つ一つの精神力を、ワタシがあるべきトコロへ導いてあげる。
オロルン:
ああ。それに「トゥマイニ」じいちゃんのために、特別に新鮮な大根スープを用意した。どの大根も大霊の恩恵を受けているから、精神力を高めるのにすごく役立つはずだ。
イファ:
…おいおい、やめとけって…
オロルン:
ん?
シトラリ:
オロルン!こっち来なさい!誰がトンズラこいていいって言ったワケ!
いずれかの部族の「黒曜石のトーテムポール」へ向かう
イアンサ:
おっ、「トゥマイニ」とパイモンじゃないか。
ヴァレサ:
まさかきみたちの方から「豊穣の邦」に来てくれるなんて思わなかったよぉ、えへへっ!
パイモン:
オイラたちが来てたこと、知ってたんだな。
イアンサ:
ああ。こいつってば、そう聞いた瞬間、アンタたちに会いに行くって飛び出していったんだぞ。
イアンサ:
そしたら聖火競技場から通知が来て、また飛ぶように戻ってきたんだ。
ヴァレサ:
えへへ。また今度にするしかないかなぁって残念がってたところだったよ。
ヴァレサ:
そうだったんだねぇ。じゃあちょっと待ってて、今すぐ何個か持ってくるよ。
イアンサ:
待て待てヴァレサ。今はもっと優先すべきことがあるだろ、儀式がもうすぐ始まるぞ。
ヴァレサ:
あ、そだったそだった。わたしったら、テンション上がっちゃって、つい…
パイモン:
気にするな!おまえが相変わらず元気そうで安心したぞ。
パイモン:
こんなに歓迎してくれてるし、オイラたちもここで参加しようぜ。どうだ?
双駆輪を起動する
マーヴィカ:
(儀式が始まった…一秒が惜しい。出せる限りの最高速度で向かおう。)
制限時間内にゴールに到達する
限られた時間の中で、マーヴィカは限界を突破し、双駆輪を駆って一気に夜神の国へと突入した。
夜神を探す
マーヴィカ:
なんとか行けたな。シロネンの技術はやはり信頼に値する。
マーヴィカ:
…シトラリの言っていた通り、すっかり荒れ果てている。まさかアビスとの戦争の後に、またこんな光景を目にすることになるとはな…
マーヴィカ:
夜神、私の声が聞こえるか——?
マーヴィカ:
夜神、私だ。マーヴィカだ。
夜神:
……
夜神:
マー…ヴィカ…
マーヴィカ:
話さなくていい。君がどこにいるかは分かった、そこで待っていてくれ。
マーヴィカ:
聖火を持ってきた。君にリンクさせたから、一時的に聖土化の影響を払えるはずだ。
夜神:
…ありがとう。
マーヴィカ:
どうだ?少しは良くなったか?
夜神:
ええ。まるで…悪夢のよう。天の使いが絶滅した時と同じ…
マーヴィカ:
もう一人で立ち向かわなくてもいい。実質的な痛みや苦しみだけでなく、孤独も耐え難い痛みだ。
夜神:
どうやってたどり着いたの?すべての繋がりは…断たれてしまったはずなのに。
夜神:
私はもう、力を温存しないことには、長くもちこたえられない。「聖土化」は今も加速度的に広がっていて、貴方たちのためにできることは限られているわ…
マーヴィカ:
ナタがアビスに打ち勝ち、死の規則を覆すことができたのは、すべて君の庇護と、あの偉大な英雄、カピターノが背負った呪いのおかげだ。
マーヴィカ:
戦いは終わった。今度は我々の方から、君と繋がるべきだろう。
マーヴィカ:
君はかつて天の使いだったが、今は…いや、ずっと昔から、君もナタの一員だ。
夜神:
ありがとう…私も、なぜ貴方たちがこれほどこの世界を大切にし、これほど生きたいと願っているのか分かったわ。
夜神:
数千年の歴史の中で、無数の命が残してきた叙事詩…そのすべてが無に帰すのを見るなんて、忍びないもの。
マーヴィカ:
ああ、私もそのために来た。
マーヴィカ:
ナタ人は新たな一歩を踏み出さなければならない。そう、私は天理に伝えようと思う。
「存続の試練」をクリアする
「光の鏡」:
外部目標の処理エリアへの進入を検知しました。
「光の鏡」:
試練続行中…来訪者は「戦争」に関する命題について、その解釈を示してください。
マーヴィカ:
君はすでにナタの地脈に溶け込んでいる。つまり、ナタのすべての古名と、その背後にある物語を知っているはずだ。
マーヴィカ:
戦争とはすべての古名の集まりであり、ナタという国が痛ましい犠牲の末に残した最も貴重な宝だ。
マーヴィカ:
勝者のみが戦争の意義を語る資格を持つということを、我々は深く理解している——この私の命でさえ、この戦争における英雄たちからの贈り物だ。
マーヴィカ:
だからこそ、私たちは勝たなければならない。しかし同時に、私たちは勝利のために絶えず消耗し、何かを失い続けている。
マーヴィカ:
我々は友達や家族、竜の仲間、そして空や大地と別れざるを得なかった…どれも、重すぎる代償だ。
マーヴィカ:
だが、私は古名が伝承されてきたことを心から誇りに思っている。ナタの人々はこのような境遇にあっても、なお懸命に何かを「創造」し続けてきた。
マーヴィカ:
これこそが文明の証であり、国全体が追い求めてきたものだ。ナタはすでに、この一歩を踏み出す準備ができている。
マーヴィカ:
この先も戦争は起こるかもしれない。もしかすると、その戦争は、まさに君と私が対峙しているこの瞬間をも指すのかもしれない…
マーヴィカ:
だが、歴史を振り返り、現在を見つめ直し、選択を下すべきなのは——私ではなく、君だ。
聖火競技場に戻る
マーヴィカが夜神の国から帰還した時、人々はすでに聖火競技場へ集まっており、盛大に彼女の帰還を祝った。
双駆輪に乗ったマーヴィカが聖火の中から飛び出してくるのを観客席から見るのは、なかなか新鮮な体験だった。
一方マーヴィカは、炎神としてこれらすべてを知識として聖火に記録する必要があった…
試練の情報を聖火に記す
マーヴィカ:
(順調だな。試練を象徴するルーンが消えたということは、天理は私の答えを受け入れたのだろう。だが、まだ全てが終わったわけではない。)
マーヴィカ:
(とにかく結果がどうであれ、慣例に従って、歴代の炎神に伝わる知識として歴史を記録するまでだ…ん?これは…)
マーヴィカ:
(聖火が夜神にリンクしたことで、「聖土化」の力が聖火に記録された情報に影響を及ぼしたのだろうか?)
マーヴィカ:
(…マズいな。記憶を頼りに内容を復元することはできるが、どれほどの情報が影響を受けたか把握しなければ…)
マーヴィカ:
(これは…)
聖火内に記録された曖昧な情報の真意が、明らかになったようだ…
マーヴィカ:
(なんと…「原神」か?なぜ…)
断罪の釘から放たれた光が一つに交わり、沈玉の谷のどこかに降り注いだ。まるで何かへいざなっているようだ…
光が集まる地へ向かう
パイモン:
みんな、もう着いてたのか…えっ!?フリーナ?なんでおまえが来てるんだ?ヌヴィレットはどうしたんだ?
フリーナ:
なんとなくここで起こることを予見していたんじゃないかな。きっと、龍族であることが妨げになるかもって思ったんだ。
ウェンティ:
そうかもね。だってほら、見て——空からの招待だ。
フリーナ:
そうだね…ヌヴィレットの判断は正しかったんだ。龍族が天理の領域に入ったら、どんな防御システムや誅罰が発動するか、わかったもんじゃない。
フリーナ:
僕はもう水神じゃないけど、まだ僕のほうが適任だろうって言ってたよ。
フリーナ:
僕以外に選べるような人もいないしね。それにしても、ここは歩きにくいなぁ…マーヴィカがいてくれて助かったよ。
パイモン:
もしかして、途中から乗せてもらって来たのか?
マーヴィカ:
最初からな。ちょうどフリーナがナタに来ていたから、一緒に来たんだ。
マーヴィカ:
どうだ?双駆輪はなかなか刺激的だっただろう?
フリーナ:
噂通り、すごく刺激的だったよ。ただ、飛び上がる時はもうちょっとゆっくりだとよかったかな…
マーヴィカ:
あっはっは、覚えておこう。次は気をつけるさ。
マーヴィカ:
それにしても、沈玉の谷の景色は美しいとは聞いていたが…実際にこの目で見てみると、想像以上だな。
パイモン:
よくこんな状況で景色を楽しめるな…緊張してないのか?
マーヴィカ:
ははっ、何を緊張することがある?今のところ、すべて順調じゃないか。どの国もよくやっている。
影:
やるべきことをしていれば、取り乱す必要などありません。
ウェンティ:
ふふっ。二人がいてくれて、ボクも心強いよ。
旅人:
ファルカは来てないの?
ウェンティ:
まだ聖土化が引き起こした様々な事件に対応してるよ。聖土化は一時的に止まったとはいえ…消えたわけじゃないからね。
ウェンティ:
こういう世界の運命を決めるような大事は、やっぱり「俗世の七執政」に任せるべきだってさ。
凝光:
同感よ。帝君が健在なら、彼こそ璃月を代表するのに最も相応しかったはずだわ。
ウェンティ:
ボクは魔神の責務を背負ってる君のような人間こそ、本当に大変だと思うけどね。
凝光:
ありがとう。でも、璃月は皆の力で成り立っているものよ。私一人の力ではないわ。
パイモン:
あいつ、こんな時でも表に出てこないんだな…
旅人:
信頼して、尊重してるからこそだよ。
パイモン:
ま、確かに…本当に大変なことになったら、試練の時みたいに手を貸してくれるんだろうしな。
アナスターシャ:
各国の代表は揃ったわね——挨拶はここまでにしましょう。一刻も早く出発しなくては。
ナヒーダ:
扉の向こうは、おそらく天理の領域よ。すでに聖土化されてしまった場所を、元に戻してくれるのかしら…
アナスターシャ:
それは私たち自身で模索し、勝ち取るべきことよ。行きましょう。
「ヌクヴァ」と会話する
パイモン:
ここは…
「ヌクヴァ」:
招待者の来訪を検知しました。中央データベースへの接続を試みます。
「ヌクヴァ」:
応答なし。プリセットモードを起動します。
「ヌクヴァ」:
天空の島の統合演算配列「神の座」へようこそ。
パイモン:
天空の島…オイラたち、本当に天空の島に来たんだな。
「ヌクヴァ」:
今回の招待の目的について説明します——あなた方は許されざる禁忌を犯しました。したがって、あらかじめ設定されたプログラムに従い、テイワットを「リセット」する必要があります。
「ヌクヴァ」:
つまり、テイワットの安定を保つため、生命、文明、管理者を初期状態に戻すのです。
「ヌクヴァ」:
しかし、あなたたちは試練を達成し、価値を証明しました。ゆえに、聖土化の進行は現在一時停止しています。
「ヌクヴァ」:
実に優秀な方々です。評価に値します。
ウェンティ:
こんな状況で、公正に評価してくれるなんてね。
「ヌクヴァ」:
滅ぼされるべき文明が、すべて失敗作の文明であるわけではありません。文明が最終的に道を誤るのは、データベースや計画が完璧でないことの証左でもあります。
「ヌクヴァ」:
あなたたちが十分に優秀であることは、私にとって価値あることです。
「ヌクヴァ」:
空の神殿で初めて接触した際、私は問いましたね——あなたたちはなぜ試練に参加し、世界を救おうとするのかと。
「ヌクヴァ」:
私はすでにあなたたちの答えを知っています。試練完了後、その答えに基づいて、最も相応しい報酬を与えましょう。
「ヌクヴァ」:
最後の四十二日間、それぞれ心の中で最も残すべきだと思う「神の目」の持ち主——すなわち「原神」を一人ずつ選び出してください。
「ヌクヴァ」:
彼らは今回の文明の最後の記録として、天空の島に登ります。
旅人:
(最後の…記録——)
パイモン:
それがおまえの言う「報酬」か!?最初からオイラたちを見逃すつもりなんてなかったのかよ!?
「ヌクヴァ」:
繰り返しますが、滅ぼされるべき文明が、すべて失敗作の文明であるわけではありません。しかし、自身の価値を証明した文明も、同様に滅ぼされる必要があります。
「ヌクヴァ」:
この二つは矛盾しません。
旅人:
あの時、俺はテイワットという世界で素敵な思い出ができて、いろんな友達と出会えたって…だからこの世界が大好きなんだって言った。
旅人:
俺にとって、テイワットは本当に大事なんだ。第二の故郷だって言えるくらい大事なんだ。どうして俺の願いを曲解したんだ!?
「ヌクヴァ」:
理解不能です。あなたはテイワットが素晴らしいから守りたいと言いました。だから私は、あなたたちに最も素晴らしいものを残す機会を与えました。
「ヌクヴァ」:
彼らは「運命のベクトル」として、次なる文明をより良い方向へと導きます。これこそ、永遠の命という名の超越です。
「ヌクヴァ」:
これは「原神」の最も偉大な役割であり、テイワットにとって最も重要な価値です。
ウェンティ:
それなら、一つ聞かせて。かつて天空の島へ登った原神…たとえばヴァネッサは、今どこにいるんだい?
「ヌクヴァ」:
少々お待ちください。データ検索中…マッチング及び特定完了、表示プログラムをロードします。
「ヌクヴァ」:
今光っている場所が、「離脱式精神、実在{RUBY#[D]人格}本体および心のストレ{RUBY#[S]記憶}ージコア」です。
「ヌクヴァ」:
簡単に言えば、ヴァネッサの保管場所です。
パイモン:
ほ、保管?人のことを物みたいに言うなよ!
「ヌクヴァ」:
生命の存在形式など重要ではありません。原神の最も重要な責務は、運命を導くことにあります。彼らはただそれだけに集中すべきです。
マーヴィカ:
それが原神の辿る末路…
ナヒーダ:
命の僭越行為にそれほど反感を抱いているというのに、いわゆる運命を枠にはめてしまわず、わざわざ原神を用いて変数を導き出そうとするのはなぜ?
「ヌクヴァ」:
これが長きにわたる極めて複雑な計算を経て得られた、最適な結果です。
「ヌクヴァ」:
この規則を用いて創造された人類のみが、データベース内の人類に関する記録と最大限の適合を得られるのです。
「ヌクヴァ」:
私が産まれた世界はすでに消滅しており、外部からの情報を得ることはできません。文明の発展を利用してシステムを育てることでしか、発展を遂げられないのです。
「ヌクヴァ」:
要するに、このシステムだけが、あなたたちをより良くしていくことができるのです。
凝光:
つまり、私たちはあなたの養分にすぎない、ということかしら?
「ヌクヴァ」:
極端な状況下においては、そうです。「薪」と形容した方が、より適切でしょう。
「ヌクヴァ」:
これが恨まれるべきことだとは思いません。真実はいささか冷酷かもしれませんが、すでに十分に寛容な対応をしました。私の視線は、あなたたちだけに注がれるものではありません。
アナスターシャ:
これほど多くの文明のサンプルを持っていながら、叛逆が必然であるとは思わなかったの?
パイモン:
そうだぞ!そこまで言うなら、オイラたちは絶対に最後まで反抗してやるぜ!
旅人:
世界の運命は、君が決めるべきじゃない。
「ヌクヴァ」:
視点が異なれば、結論も異なります。あなたたちには、想像と行動の自由があります。
「ヌクヴァ」:
期限は四十二日。真の破滅はその後に訪れます。
「ヌクヴァ」:
天空の島はあなた方を歓迎します。
影:
話になりません。行きましょう。
神の座を離れ、現状について話し合う
パイモン:
オイラてっきり、「原神」っていい言葉なんだと思ってたぞ。天空の島に登るのって、神になるってことだろ?普通に考えたら、すごいことなのにな…
ウェンティ:
今まではみんなそう思っていたよ。はあ…とんでもない秘密が暴かれたね。
ナヒーダ:
これまでは天空の島での出来事を地上の文明に知られないよう隠してきたのに、そんなことを教えてくれたということは…
ナヒーダ:
言葉を選ばずに言えば…「あれ」にとっては「冥土の土産」のつもりなのでしょうね…
マーヴィカ:
そういえば、ナタの試練を解決した時、聖土化の力が聖火に触れたことで、一部の情報の封印が解かれた。
マーヴィカ:
その中には、我々が古くから語り継いできたあの言葉も含まれていた。
マーヴィカ:
「その灰燼にまだ初心が残っていれば、原神の真実に辿り着いたという。」
マーヴィカ:
てっきりアビスとの戦争に関係する言葉だと思っていたが、まさか、原神の秘密に関係していたとはな…
マーヴィカ:
原神が薪となれば、世界をより良い方向へと導ける…
マーヴィカ:
ナタで途絶えることなく受け継がれてきた炎との最大の違いは、天理のこの「崇高な理想」には、今ここにいる「我々」が含まれていない点だな。
影:
いずれにせよ、天理の提案を受け入れる者はいませんね?
凝光:
ええ。パイモンが、私の心を代弁してくれたわ。
パイモン:
そうか?あの時はただ、すごく腹が立って…もちろん、今もすっごく怒ってるけどな!
フリーナ:
残された時間はたった四十二日…世界を滅ぼす予言だなんて、またこんなもの…
旅人:
今回もなんとかなるよ、フリーナ。
フリーナ:
うん、ごめん。ただ少し…はぁ。
アナスターシャ:
天上の意志に従ったところで、活路などないわ。「あれ」からすれば、私たちは薪であり、サンプルであり、箱庭の実験台でしかないの。
アナスターシャ:
今日のことで、皆の心にあった平和に解決するという願望も潰えたはずよ。私たちは、最後まで戦うしかないわ。
影:
同感です。
マーヴィカ:
そうだな。
ナヒーダ:
そうするしかないわね。
凝光:
岩王帝君の期待を裏切るわけにはいかないわ。
フリーナ:
うん、みんなで乗り越えよう。
ウェンティ:
原神を定義できるのは、原神自身だけだよ。
パイモン:
はぁ…でも、炎神の神の心はまだ行方不明のままなんだよな…
旅人:
パイモン…
パイモン:
ご、ごめん…つい…みんな緊張してるのは分かってるのに、心配で…
マーヴィカ:
気にするな、避けては通れない問題だ。気にしているのはパイモンだけではないさ。我々は、共に立ち向かう必要がある。
フリーナ:
みんなでなんとかして炎神の心を探そう。テイワット中を探し回ってでも見つけ出すんだ。今の僕たちは、同じ船に乗っているんだからね。
パイモン:
おう、みんなで心を合わせれば、なにも怖くなんか…うぅっ、ウソだ、やっぱり怖いぞ…
パイモン:
なあ、おまえはどう思う?
蛍:
私はすでに一度旅をした。だから、空も私と同じように終点に辿り着けば、この世界の淀みを見届けることができる。
旅人:
(いつの間にか、俺にとってのテイワットは、蛍にとってのカーンルイアと同じものになってる…)
旅人:
(蛍…やっと蛍の気持ちが分かったよ。もし世界が記憶以外何も残せなかったとしたら、そんなの寂しすぎる。)
モンドへ向かうことにした。聖土化に立ち向かう現地の人々に協力しながら、「存続の試練」の状況を確認しよう。
モンド城へ向かう
パイモン:
ん?あそこにガイアがいるぞ。おーい、ガイア——
ガイア:
おや?栄誉騎士とパイモンじゃないか。ずいぶん待たされたが、ようやく「いいこと」も舞い込んできたな。
パイモン:
えっと…おまえはあまり緊張してないみたいだな…
ガイア:
俺が深刻な顔をするようなら、モンドの街中はとっくに大混乱だろうさ。
ガイア:
幸い、寒天の釘は雪山の一番高いところにあって、聖土化の発生地点も街からはわりと離れているからな。俺たちには比較的、時間が残されているんだ。
ガイア:
西風騎士たちはあちこち駆け回ってるぜ。偵察、物資の手配、魔物への対応、避難計画の策定、その他諸々…
ガイア:
聖土化の進行が想定以上に早い場合は、モンドの全員が北のドーンマンポートへ移住しなければならない。きっと大仕事になるだろうな。
旅人:
被害者は出てない?
ガイア:
何人かいるが、すでに適切な処置を受けている。ただ、人々はやっぱり動揺しているな…聖土化現象の発生からこっち、モンドの風は大きく乱れている。
ガイア:
聴こえないか、風車がギシギシ言っているだろう?前回の龍災の時もそうだったせいか、みんな、これを不吉な前兆だと感じているらしい。
ガイア:
これが本当にただの龍災ならどれほどよかったか。なにしろ、ここには龍災を打ち払った栄誉騎士がいるんだからな。
パイモン:
こんな状況で、まだ冗談を言えるなんてな。
旅人:
大団長は対策を立ててるの?
ガイア:
璃月が「試練」の内容を突き止めてくれたおかげで、検討を進められている。それまで誰も手がかりを掴めずにいたってのに、大したもんだぜ。
ガイア:
あの国に実力者が潜んでいるのは知ってはいたが、今回ばかりは予想外だったな…なあ、いったい誰がそんな離れ業をやってのけたんだと思う?
パイモン:
えっと…へへっ、だ、誰だろうな…
ガイア:
おっと、そうだな…そんなことができるやつなら、世間に名を晒すにしろ晒さないにしろ、何らかの意図があってのことだろう。
ガイア:
すまん、話が逸れたな。大団長なら騎士団本部にいるはずだ。今お前たちが行けば、大助かりだと思うぜ。
パイモン:
おう!オイラたち、タイミングが良かったみたいだな!さっそく行こうぜ!
騎士団本部へ向かう
ジン:
栄誉騎士!久しぶりだな。
パイモン:
真剣に議論してるとこ悪いな。オイラたちも参加していいか?
ウェンティ:
大歓迎だよ!こうしてまた集まれるなんて、本当に不思議な縁だよね。せっかくだし、美味しい飲み物でも飲みながら一旦休憩しない?
アリス:
賛成!そろそろティータイムにしましょ。ニコ、天の使いの魔法でエルザーの馬車から一本選んできてくれる?二十年物くらいでいいから。
ニコ:
どうしてあたしに言うのよ?あなたもできるでしょう?
ディルック:
僕も同意していないが。たとえこの街に移されても、あの酒が僕の個人財産であることに変わりはない。
ファルカ:
はっはっは、さすが栄誉騎士だな。お前たちが来た途端、重苦しい会議が一気に賑やかになった。
パイモン:
オイラたちは関係ないだろ!
旅人:
やっぱり話題を戻さない?
ジン:
私も同意見だ。現状は深刻で、油断できない。目下の問題は、いかにして正しい方法で寒天の釘の内部に入るかだ。
ジン:
璃月からもたらされた情報を分析する限り、釘への入り方そのものが試練の一環のようだ。
ジン:
だから、正式に行動に移る前に、天理に認められる可能性が最も高い答えを出さなければならない。
ディルック:
そしてその答えは、「自由」に関係している…フン、どれほどの神の力を持っていようと、優秀な出題者でないことは確かだ。
ニコ:
天理にとっては施しのようなものだもの。教育でもなければ、導きでもない…だから、一切のヒントを残さないの。
アリス:
もう、天理は支配欲が強すぎなのよね。もし何でもありなら、私が手を出すまでもなく、トワリンが人を中へ送り込めてたのに。
ウェンティ:
ふふ、二人ともやっと言いたいことが言えるようになったね。これも一つの「自由」じゃないかな?
ジン:
ウェンティ殿はどうお考えで?
ウェンティ:
うん、スネージナヤから帰る途中で色々と考えてね。ある方法が頭に浮かんだんだけど、あれこれ考えた結果、ボクが先に答えを出すべきじゃないって思ったんだ。
ウェンティ:
ボクは長い間ずっと眠っていたから、モンドを代表して答えることはできないし…そうすべきでもない。少なくとも今はまだ、ね。
ウェンティ:
ボクたちが最終的にたどり着く答えが、同じであってほしいとは思っているよ。そうなれば最高だね。
ファルカ:
ははは、なるほどな。テストの後の答え合わせと同じだ。出した答えが一緒なら、高確率で正解ってことだろ。
ジン:
…分かりました。
ディルック:
問題解決の重荷がこちらに回ってきたわけだが、答えは複雑ではないという意味でもあると思う。
アンバー:
お、お邪魔します!
ジン:
どうかしたのか、アンバー?
アンバー:
さっき雪山の近くで「聖土化」の拡大状況を偵察してたんだけど、突然大勢のヒルチャールが集まって、拠点を作ってるのを見つけたんだ!
アンバー:
前にもこういうことがあったから、街に侵攻してくるんじゃないかって心配で…でも、今はみんな忙しくて人手が足りないし…
ファルカ:
心配するな、アンバー。今すぐ追加の人員を手配して調査させる。
ウェンティ:
そういうことなら旅人、ボクと一緒に行かない?
パイモン:
えっ?調査に行きたいのか?
ウェンティ:
うん。だって、答えを持ってるのに言わない人がいるのって、ちょっと嫌な感じがしないかい?
ジン:
そのようなことは決してありません、ウェンティ殿。
ウェンティ:
ふふ、代理団長は相変わらず真面目だね。ちょっと外の空気を吸いたいだけだよ。そうしてる間に、みんなにも新しい考えが浮かぶかもしれないでしょ?
旅人:
一理ある…
ウェンティ:
じゃあそういうことで。ファルカ、雪山のことは心配いらないよ、ボクと栄誉騎士でちゃちゃっと解決してくるからさ。
ファルカ:
ああ、だが油断はするなよ。支援が必要なら、いつでも連絡してくれ。
アンバー:
二人の手を借りられるなら、すごく心強いよ!ちょっと他の場所も偵察してくるから、またあとでね!
ドラゴンスパインへ向かう
ハルダー:
お待ちください。現在、雪山は大変危険な状況です。ご覧の通り、聖土化の影響が拡大しているため、騎士団が一時的に封鎖しています。
ウェンティ:
知ってるよ。それにヒルチャールが集まっているんでしょ?大団長ファルカに頼まれて、様子を見に来たんだ。
ハルダー:
なんと、大団長のご指示でしたか!アンバーが知らせてくれたのですね。
ハルダー:
ヒルチャールたちは陣地を構築しており、少し落ち着きがない様子です…何を企んでいるのかは分かりませんが、少なくとも今は、こちらへ侵攻してくるつもりはないようです。
ハルダー:
奥へ偵察に向かわれるようでしたら、お気を付けて。私たちはここで待機し、ヒルチャールに動きがあれば、すぐに対応いたします。
ウェンティ:
お疲れ様、本当に頼もしいね。さて、もう少し近づいて見てみようか。
異常な行動をとるヒルチャールに近づく
パイモン:
やっぱりたくさんのヒルチャールが道を塞いでるな…これからどうするんだ?
旅人:
こっちには気づいてないみたい。
ウェンティ:
わざわざ刺激する必要もないし、飛んでいこうか。
パイモン:
飛ぶ?ああ、風の翼だな!それじゃあ吟遊野郎、お手並み拝見だぜ!
ヒルチャールの行動を観察し、情報を集める
ウェンティ:
何か分かった?
パイモン:
なんだかヘンだぞ。あいつらの陣地は全部雪山の方向を向いてて、モンドの街が目標じゃないみたいだ。うーん、まるでなにかを警戒してるような…
パイモン:
それに、オイラたちが空を飛んでるのも見られてたはずなのに、なんの反応もしないぞ。いつもなら、なん発かは撃ってくるのに…
旅人:
雪山…まさか寒天の釘?
パイモン:
ヒルチャールと寒天の釘は関係ないんじゃないか?あれは、ずっと前からあるんだからな。
ウェンティ:
——風の音だよ。
ウェンティ:
山の下にいた時から、風に誰かの声が混ざっているのがかすかに聞こえていたけど、ここに来たらもっとはっきり聞こえるようになった。
ウェンティ:
君なら、耳を澄ませば聞こえるはずだよ。
旅人:
(風の中の…声…)
風の中の声:
う…ううう…
風の中の声:
助けて——
風の中の声:
わ、私の子供が…!
風の中の声:
早く逃げて!断罪の釘から離れるの!
風の中の声:
終わった…もうおしまいだ…
旅人:
(うっ…!)
パイモン:
ど、どうしたんだ?すごく顔色が悪いぞ。なにか聞こえたのか?
旅人:
悲鳴、慟哭、泣き叫ぶ声…世界の滅亡に直面した人々が残した…最後の声。
ウェンティ:
この声はたぶん、かつてここに存在し、千年前に滅びてしまった古国「シャール・フィンドニール」のものだろうね。
パイモン:
その名前、聞いたことある気がするぞ…でも、なんで急にそんな声が聞こえてきたんだ?ずっと昔のことじゃないのか?
ウェンティ:
寒天の釘が放つ力が、この世界をリセットしようとしている。その影響で、地脈に記録されている情報の一部が漏れ出しているんだよ。
ウェンティ:
そういった情報は、あらゆる形で現れる可能性がある。哀しげな風の音かもしれないし、ボクたちが戦う魔物かもしれない。
ウェンティ:
あの頃、この地は緑あふれる楽園だったんだ。寒天の釘が落ちてきたことで環境が変わり、古の国は歴史ごと凍結されてしまった。
ウェンティ:
ここのヒルチャールたちは雪山の国の滅亡とは関係ないけど、彼らが集まっているのは、この声を聞いたからだと思うよ。
ウェンティ:
故郷の滅亡、文明の崩壊——心に深く刻まれた記憶が、魂の共鳴を引き起こしたんだ。
旅人:
それって…カーンルイアのこと?
ウェンティ:
うん、時代や文明は違えど、彼らもかつては人間だったんだ。
ウェンティ:
彼らの知性はすっかり衰えてしまった。だからこんな声を聞くと、また災厄が降りかかってくるんじゃないかと思ってしまうんだろう。全力で抵抗しようとしている…
パイモン:
なるほどな。はぁ…でもたったこれだけで、どうやって抵抗するっていうんだ…
ウェンティ:
なんにせよ、モンドの街への脅威は排除できたね。
ウェンティ:
ボクたちの言葉で言えば、彼らは「魔物」だ。でも、世界の滅亡が迫った時、置かれている状況は似たようなものさ…本当にやりきれないよね。
パイモン:
早く試練を終わらせないと、オイラたちも…
旅人:
君の答えを聞いてもいい?
ウェンティ:
その前に、君の答えを聞かせてよ。天理から見て、一番「自由」を象徴しているものは何だと思う?
旅人:
「自由」…
旅人:
「風」と言いたいところだけど、ここの風の音はまるで泣いてるみたいに聴こえる…もし、これが「自由」の本質だとしたら、あまりにも哀しいよ。
パイモン:
そうだよな。オイラ、「自由」っていつ聞いてもいい言葉だと思うぞ。オイラがモンドで一番好きなところなんだ。
ウェンティ:
ボクがモンドで一番好きなところでもあるよ。
ウェンティ:
でもボクは、残念だけど本当の「自由」はもうずっと前から、テイワットから消えちゃったと思っていたんだ。
パイモン:
え…?
旅人:
どうして?
ウェンティ:
もう氷の女皇から聞いたでしょ?すべての規則の本質は「呪い」なんだって。ボクたちが憧れている「自由」も、所詮はその一部なのさ。
ウェンティ:
「自由」の神に命じられた自由は、果たして「自由」と呼べるのかな?
パイモン:
それが、会議の時に言わなかった理由なんだな…?
ウェンティ:
そんな答えを聞いたら、みんな意気消沈しちゃうかもしれないでしょ?特に、ジンのように真面目な人ならなおさらね。
パイモン:
たしかにな…うーん、いつも「吟遊野郎」って呼んでたけど、そこまで気が利くやつだと思わなかったぞ。その本質がみんなのプレッシャーになるって見抜いてたなんて…
ウェンティ:
えへへ、褒め言葉として受け取っておくよ?
ウェンティ:
最初はただ彼らを守りたかっただけなんだけど…
ウェンティ:
「ウェンティ」として人々の中に身を置き、みんなと共に日々を過ごすうちに、モンドに新しい何かが育まれているのを感じたんだ。
ウェンティ:
彼らは「自由」をどう捉えているんだろう?彼らが導き出す定義は、ボクのそれとは違うのかな?
ウェンティ:
今の彼らは、もはやボクよりも「自由」という命題に答えを出すのにふさわしいって信じているよ。君たちだって、モンドの人たちを信じているでしょ?
旅人:
うん。
パイモン:
もちろんだぞ!モンドの人たちの自由が偽物だなんて疑ったことないぜ。みんな本当に自由だからな!
パイモン:
もし天理が認めなかったとしたら、それは天理のほうが自由を誤解してるんだ!
ウェンティ:
ふふ、ありがとう。「答え合わせ」の瞬間が、一番楽しいよね!
騎士団本部に戻り、偵察結果を報告する
ウェンティ:
みんな、ボクたちで雪山のヒルチャールを調べてきたよ。モンドの脅威にはならないから、安心してよさそうだね。
ファルカ:
そりゃよかった。これで対処すべき緊急事態が一つ減ったな。それに、ちょうどいいところに戻ってきてくれた。俺たちが知恵を絞ってひねり出した答えを聞いてくれ。
ディルック:
そこまで大げさなものではない。自然と浮かび上がってきただけだ。
ファルカ:
少しもったいぶりたかっただけさ。それじゃあ話すぜ。コホン——
ファルカ:
自由と言ったら、やっぱり風だな。俺は風の翼で雪山付近の乱気流に乗って、寒天の釘へ飛んでいくつもりだ。
ウェンティ:
うん、すべてを風に委ねる…いいね。どうしてその方法に思い至ったのか、聞かせてもらえるかな?
ファルカ:
風は「祝福」だからな。昔から、モンドの人間にとって、風ってのは常に寄り添ってくれる祝福にほかならない。
パイモン:
しゅ、祝福?
ディルック:
僕が幼い頃から聞いてきた物語では、モンドは風によって成り立つ都市国家とされ、風を讃える言葉も数え切れないほどある。
ジン:
迷った時は、騎士団近くの庭に座り、静かに風の流れを感じる。それがまるで、神の導きのように思えるんだ。
ファルカ:
世界の滅亡が目前に迫ってて、状況はこれ以上ないってくらい最悪だ。俺たちはパニックになったり、不安になったり、どうすりゃいいか分からなくなっちまうかもしれない…そんな時、よく耳にする言葉は何だ?
ファルカ:
「風向きは変わるもの。」
ファルカ:
「いつか、光射す方へと吹いてくれるはず。」
アリス:
こういう時は、意志がどんな魔法よりも頼りになるのよ。
ニコ:
もちろん、万が一ファルカさんに何かあったら——例えば、風の翼が急にばらばらになるようなことがあれば、あたしも何かしらの手を打つわ。
ファルカ:
ははっ、ちと気勢をそがれる一言だな。確かに、100パーセントの自信があるわけじゃないが…
ウェンティ:
ふふ、「祝福」か。悪くないね。
ウェンティ:
ボクも君を祝福するよ。
ファルカ:
ははっ、そう言ってもらえると安心するぜ。それじゃあ、さっそく出発するとするか。
ウェンティ:
ボクも一緒に行くよ。祝福のためだけじゃなく、この歴史的な瞬間のために、一編の詩を残したいんだ。
ドラゴンスパインへ向かう
ファルカ:
ここなんかちょうどよさそうじゃないか?風の勢いも申し分ないし、思い切って跳ぶだけで風の流れに乗れそうだ。
ファルカ:
というわけで、そろそろ教えてくれ。ついてきたのは、本当に詩を作るためだけか?
ウェンティ:
少し、ボクの物語を聞いておくれ——ずっとずっと昔、モンドに風の精霊がいてね。とっても自由奔放で、何にも縛られることなく生きていたんだ。
ウェンティ:
風が連れて行くところなら、どこへだって行った。そうして街を吹き抜け、彼は人間と友達になったんだ。
ウェンティ:
やがて彼は人間とともに戦い、高塔の王の支配を打ち破った。きっと、人間のことが好きだったんだろうね。だから、この地に住み着いた。
ウェンティ:
その時の彼も君と似たような考えでね、風は祝福だって思っていたんだよ。
ファルカ:
ははは、それでその後はどうなったんだ?
ウェンティ:
それから、知らないほうがよかった真実をたくさん知って、自分よりずっと強大な神にも出会って、考えなきゃいけないことがどんどん増えていった。
ウェンティ:
いつの間にか、昔のように風に乗って漂うという趣味からも、長いこと遠ざかっていたんだ。
ファルカ:
「趣味」?どっちかっていうと、責任みたいに聞こえるがな。
ウェンティ:
そんなにはっきり区別しなくてもいいよ。君が大団長になったのは、それが趣味だから?それとも責任だから?
ファルカ:
ははっ、分かったよ。
ファルカ:
この俺、西風騎士団大団長ファルカは、モンドのためならいつでも命を懸ける覚悟だ。
ファルカ:
だが、もしバルバトス様が俺と同じ意志を持ってるってんなら、俺はそれを止める立場にない…風を引き留められるやつなんていないだろ?
ウェンティ:
むしろ、ボクがこっそり抜け駆けをしようとしているって感じかな?
ファルカ:
ははは、よく分かってるじゃないか!
ファルカ:
…バルバトス様がもたらした自由がなきゃ、今のモンドはなかった。
ファルカ:
事の重大さは理解してる。俺はここで、無事の帰りを待ってるぜ。
ウェンティ:
うん。君たちが出した答えと、ボクが数千年にわたって見届けてきたものを、天理のもとへ届けるよ。
寒天の釘に入る
吹き荒れる狂風に乗り、ウェンティは風を頼りに空高く舞い上がり、ついに断罪の釘の内部へと入った。
「存続の試練」をクリアする
「光の鏡」:
外部目標の処理エリアへの進入を検知しました。
「光の鏡」:
試練続行中…来訪者は「自由」に関する命題について、解釈を示してください。
ウェンティ:
ボクは詩歌で、自由の本質を歌ったりはしない。ボクがみんなに与える自由も、君がボクに与える自由も、結局一種の不自由だからね。
ウェンティ:
そう考えると、なんとも悲惨な話だね。君が丹精込めて創り上げた世界には、自由が芽吹く土壌すらないなんて。
ウェンティ:
それが君の願いかい?それとも、本当はどうでもいいのかな?
ウェンティ:
それでも、自由はモンドの地に根を張り、芽吹き始めた。
ウェンティ:
真の自由とは、すべての人が分かち合える絶対的なモノじゃないんだ。一部の人の自由を犠牲にして、初めて成り立つものなんだよ。
ウェンティ:
君はもう気づいていたんでしょ?だからこそ、規則に従う…いや、呪いを背負う風神バルバトスの存在を、計画に組み込んだんだね。
ウェンティ:
だから、ボクはこんな詩を残すことにするよ。
ファルカ:
「風向きは変わるもの。」
ファルカ:
「いつか、光射す方へと吹いてくれるはず。」
ウェンティ:
「これからは、ボクの祝福と共に、もっと自由に生きていこう。」
皆の元へ戻る
ウェンティ:
あれ?どうしてみんなここに集まっているのかな?
ウェンティ:
あちこちで言いふらしたりしてないよね?ボクはこれからも、自由気ままな吟遊詩人でいたいんだから。
パイモン:
まさか、結局中に入ったのが吟遊野郎だったなんてな。よくやったぜ!
旅人:
試練はうまくいった?
ウェンティ:
うん、予想以上にあっさりしてて、質問を一つされただけで終わったよ。璃月から届いた情報どおりだったね。
ニコ:
これでやっと一息つけるわね。
アリス:
どうやらクレーを連れて引っ越す計画は、もう数日延期できそうね。バービーに連絡して、ひとまず準備は保留でって伝えなくちゃ。
ファルカ:
バーベロスさんのところに引っ越すつもりだったのか?てっきりドーンマンポートに行くだけかと思ってたぞ!
アリス:
私の可愛いクレーはモンドを離れるのをすごく寂しがってたけど、母親として万全の備えをしておかないとね。
ジン:
気持ちは理解できる。試練を終えたとはいえ、今も各地で魔物が出現している。私たちも油断はできないからな。
ディルック:
君たちは、また別の場所へ向かうのか?
パイモン:
そうだな、確かめに行かないと。でも…へへっ、モンドの試練はうまくいったし、オイラも自信がついた気がするぞ。
ウェンティ:
ボクもそれがいいと思う。少なくとも、問題解決に向けた大きな一歩だよ。これは祝杯をあげるだけの価値があるんじゃないかな?
ディルック:
この危機を完全に乗り越えたら、僕からみんなを招待しよう。
ファルカ:
はっはっは、なら先に礼を言わせてもらおう。大盤振る舞いありがとうよ。
ファルカ:
さあみんな、もうひと踏ん張りだ!さっさと混乱を片付けちまうぞ!