arrow_back 原神 クエスト
第七章 第四幕
冥府へのレクイエム
氷の女皇が生の執政レインドットに面会する予定だと知り、スネージナヤが局面を打開するために進めている計画について、ますます興味が湧いた。直接「道化」に聞いてみれば、何か分かるかもしれない…
グルポフで「道化」と会う
「召使」:
…今抱えている任務はおおむね片付いた。いつ実験を次の段階に進めるつもりだ?
「道化」:
実験の危険性について、改めて念を押しておく。今後、リスクもさらに高まるであろう…心身ともに最良の状態を保っておくことだ。
「召使」:
分かっている。そんなに優柔不断ではないはずだろう?統括官殿。実験を続けねばならないことは理解しているはずだ。残された時間は少なく、私たちにはより強大な力が必要なのだからね。
「召使」:
旅人、パイモン、気にせず聞いているといい。大敵を前にした今のスネージナヤには、「盟友」に隠しておくべき秘密などない。
パイモン:
あはは…それならよかったぜ。オイラたちも「道化」に用があって来たんだけど、邪魔しちゃ悪いと思ってさ…
「道化」:
……
「道化」:
アルレッキーノ、そなたが現在持っている情報からすると、こやつの力は実験のリスクの軽減に役立つのか?
「召使」:
…アビスを浄化する力のことを言っているのか?ふむ…可能性はある。
「道化」:
リスクへの対策は色々と講じているが、そのすべてが有効とは限らぬ。いずれにせよ、保険は多いほどよい。
旅人:
俺のアビスを浄化する力って有名なの?
パイモン:
これまで別に隠してなかっただろ。
パイモン:
なぁ、オイラたちも聞いていいなら教えてくれよ!今度はどんな「実験」をしようとしてるんだ?
「道化」:
新型「邪眼」の研究開発だ。
パイモン:
邪眼?おまえたち、まだあんなもの作ってるのかよ?オイラ、あれにはあまりいい印象がないぞ…
「道化」:
これまでファデュイ内部で使用されてきた邪眼はすべて未完成品であり、使用者の生命力を消耗させるものであった。
「道化」:
我々は自身の意思に基づく使用を原則としている。重要な任務の遂行、あるいは突発的な事態へ対処しなければならぬ状況に限り、申請できるのだ——強制はしておらぬ。
「召使」:
今やロノヴァとの正面衝突はほぼ避けられず、戦力の強化は急務だ。
「召使」:
このタイミングで邪眼を完成させることができれば、少なくとも勝算は高まるだろうね。
「道化」:
そして、アルレッキーノ——「赤月の末裔」たるそなたこそが…邪眼完成の鍵なのだ。
パイモン:
えっ?なんでそこで「召使」が出てくるんだ?邪眼を使ってるところなんて見たことないぞ?
「召使」:
邪眼は生命力を削って力に換える。いわば、その性質は「死」に関する権能の範疇だ。
「召使」:
君たちは、ナド・クライで「三つの月」の力を目の当たりにしただろう。
「召使」:
はるか昔、この世の「生」、「死」、「時」、「空」の権能はすべて「三つの月」に属していた。中でも、虹月は最も多くの「死」の権能を分け与えられていたのだ。
「召使」:
「三つの月」が消滅した後、これらの極めて高位な権能は本来であれば天理によって回収され、新たな規則のもとで「四つの影」に分け与えられるはずだった。
「召使」:
だが、砕けた虹月と結びついたアビスがかつての権能を「擬造」した。あるいは、「権能が奪われていない」という可能性を示したとも言えるだろう。
「召使」:
かくして、「死」の権能は今もなお別の形でテイワットに、そして赤月と赤月の民の血脈に受け継がれている。「双界の炎」こそがその証拠だ。
「道化」:
かつてカーンルイアにいた頃…深秘院が赤月の研究を中止したことは一度もなかった。
「道化」:
今、邪眼を完成させ、同等の力をもってロノヴァと渡り合うためにも、赤月に秘められた可能性は決して見過ごせぬ好機なのだ。
パイモン:
そういうことだったのか。えっと、つまり…
パイモン:
前は「生」の力でロノヴァに対抗しようとして失敗したから、今度は「死」の力で対抗するってことか?
「道化」:
そうとも言えよう。だが…実のところ、「死」の権能を応用した邪眼の計画は、かねてより構想されていたのだ。
「道化」:
ペルヴェーレが赤月の遺民であると気づいた時、我々は邪眼を完成させる機会が訪れたことを悟った。
「道化」:
だが、当時はこの力を手にするほどの差し迫った理由もなく、「召使」となったばかりのアルレッキーノの実力も、まだ未熟であった。
「召使」:
ピエロ、君には感謝すべきかもしれないな。もしこの研究を主導するのがドットーレだったら、実験対象の命など気にも留めなかっただろう。
「召使」:
彼だとすれば協力しなかった、というのは言うまでもないがね。
「道化」:
礼を言うべきはファデュイ、いや、スネージナヤ全体であろう。自ら我輩の元を訪れ、実験への協力を申し出てくれるとは…驚いた。
「召使」:
礼には及ばない。私はそこまで高尚な人間ではないし、条件についても話し合っただろう。
「道化」:
「壁炉の家」は独立し、もはやファデュイ傘下の情報機関ではなく、子供たちをスパイとして育てることもない。彼らは「赤月」の名のもとにそなたに従う…そうだな?
「道化」:
そなたは「壁炉の家」が抱える最も本質的な矛盾を見出した。「愛」と「利用」は、常に混在しているということに。多くの者がそれを理解しているが、我輩と取引をしたのはそなただけだ。
「召使」:
子供たちに尋ねられたことがある。本当の家とは何か、とね。その答えを語るならば、まずは「家」に最も相応しくない部分を取り除くべきだと考えた。
「道化」:
そなたが引き続き女皇陛下に忠誠を尽くし、スネージナヤの人間として行動する限り、そなたの配下が独立することは大した問題ではない…
「道化」:
執行官であるそなたが負うリスクと同列に論じる価値などあるまい。
「召使」:
心配する必要はない。リスクについてはわきまえている。
「召使」:
感謝する。では、私は先に準備に入るとしよう。
パイモン:
そっか、アルレッキーノにもあいつなりの目的があるんだな。
「道化」:
アルレッキーノの件はそなたに任せる。我輩はプリズムがもたらす記憶と情報を辿り、新たな発見を求めねばならぬからな。
「道化」:
さて、それでは…そなたらの用件を聞こう。我輩に何の用だ?
パイモン:
おっと、そうだった。すっかり忘れるところだったぜ…
「道化」:
ロノヴァに対抗する計画はすでに存在するが、ファデュイ統括官である我輩でさえ、その全貌を知らぬ…と言って、そなたは信じるだろうか?
パイモン:
おまえも知らないのかよ?ちょ、ちょっと信じられないぞ…おまえって、一番偉いんだろ?
「道化」:
我々が立ち向かうのは、天理の「四つの影」なのだ。あのような上位者が、我々に対してどれほどの手段を持ち合わせているかなど、誰にも分からぬ。
「道化」:
ゆえに…あらゆる場所がロノヴァに監視され、盗聴されていると想定するべきであろう。
「道化」:
計画を公表するなど、敵を作戦会議に招くも同然の行為だ。
パイモン:
じゃ、じゃあどうすればいいんだ?
「道化」:
女皇陛下を信じ、その力量と英知を信ずるほかない。
「道化」:
陛下はまだ七つの神の心をすべて集めきってはおられぬが、すでにテイワットの規則を揺るがすに足る力をお持ちだと、我輩は信じている。
「道化」:
早い段階で、陛下は戦略上の布石を打たれていた。計画は多くの目標や段階に分けられており…レインドットとの面会も、おそらくはその一環なのであろう。
「道化」:
我々は自らに割り当てられた任務を全うするだけでよいのだ。知りすぎることは…かえってリスクを高める。
パイモン:
計画を細かく分けて、一人ひとりが把握する範囲を一部だけにすれば、敵を欺けるってことだよな?
パイモン:
そういうやり方って、絶対的な「信頼」がないと成立しないよな。おまえたちが女皇を信じるだけじゃなく、女皇もおまえたちならそれぞれの役割をちゃんと果たせるって信じてるわけだし…
パイモン:
執行官って、みんないつも好き勝手やってるように思ってたけど、いざという時はスネージナヤ人の団結力の強さを感じるな…
「道化」:
スネージナヤは、そなたに「任務を割り当てる」立場にはない。だが、女皇陛下は決戦の際には可能な限りそなたの協力を取り付けるよう、特に強調なさっていた。
「道化」:
我々が直面する「戦場」は同じものとなるであろう。して、具体的にすべきことだが…
「道化」から完結に任務を伝えられた…
パイモン:
それだけか?そんなに簡単なのかよ?
パイモン:
それに、ちょっと話が飛躍しすぎだよな。ロノヴァが聞いたとしても、オイラたちと同じでわけがわからないんじゃないか…
「道化」:
アルレッキーノの件においても、そなたの協力が必要となっている。これは追加の仕事というわけだ。
「道化」:
さて、そろそろ実験の準備も整ったであろう。アルレッキーノのことは、そなたに任せよう。
実験スタッフと会話する
パイモン:
よう、アルレッキーノ。準備はできてるのか?
「召使」:
状態は良好だ。いつでも始められる。ピエロはいつも慎重に事を進めるが、君たちの手を煩わせることになってしまったな。
パイモン:
おまえの安全のほうが大事だぞ。いい提案だっただろ。
パイモン:
それで、この実験っていったいどれほどリスクがあるんだ?うーん…「アビス」が関わってるってことは、相当なんだろ?
「召使」:
アビスがもたらすリスクなら、とうに慣れている。「これ」がその証拠だ。
「召使」:
邪眼の副作用についてだが…寿命に多少の影響が出ようと構わない。赤月の遺民としての使命を全うするだけの時間が残されてさえいれば、それでいい。
パイモン:
お、おまえ…割り切りすぎだぞ!ダメだダメだ、おまえの寿命に影響が出るなんて、オイラたちが許さないからな!一日だって惜しいぞ!
「召使」:
そうか、その気持ちだけ受け取っておこう。
パイモン:
なあ。この実験って、本当にこいつの寿命に影響するのか?
研究員:
保証はできませんが…総合的に見れば、寿命を損なう確率は非常に低いです。実験の最終目的は、邪眼を「完成」させることですからね。
研究員:
新型の邪眼は、戦闘能力をさらに強化したうえで、可能な限り副作用を排除します…
研究員:
使用者の現時点で再生可能な生命力のみを消耗し、寿命に影響しない範囲に抑えるのです。
研究員:
もし実験中に異常事態——例えば邪眼の出力が制御不能に陥ったり、アビスの侵蝕が悪化したりした場合は、直ちに実験を中止し、実験参加者が受けた影響に対する緊急処置を行います。
パイモン:
おお、ちゃんと対策を考えてるんだな!それなら安心だぜ。旅人だっているしな!
パイモン:
えっ、もう始まるのか?ほんとに手際がいいな。
研究員:
「召使」様、聞こえますか?
「召使」:
ああ。
研究員:
通信テストは正常ですね。続いて、現バージョンの邪眼の出力効率と副作用について、同時にテストします。
研究員:
「傀儡」様が設計・製造した「実験用機械」と対峙していただきます。リアルタイムでデータを測定しますので、可能な限り実戦を想定してください。
「召使」:
実戦を想定、か…そう難しくはない。いつかサンドローネが私の敵に回るような日が来るとすれば、彼女の自慢の作品を相手にするのは、手間がかかるだろうからね。
パイモン:
なんだか、本当にそんな日が来ると思ってるような言い方だな…
研究員:
戦闘中に拡散するアビスの波動の強度を測定することで、「召使」様が受けているアビスの力の影響を概算し、数値化して表示します。
研究員:
ただし、もしアビス影響指数が上限を超えた場合…実験に想定外の悪影響が生じる可能性があります。つまり…「召使」様の寿命を脅かす恐れがあるということです。
パイモン:
そんなのダメだぞ!オイラたちがちゃんと見てるからな!
研究員:
戦闘中は適度にペースと呼吸を整え、心身が極限状態に陥るのを防いでください。指数が上がりすぎた場合は、こちらで戦闘機械を強制停止し、実験を中止します。
研究員:
機械も「召使」様の戦闘動作を検知し、適切なタイミングで保護モードに入ります。
「召使」:
分かった。要は無理をしすぎるなということだろう?全力を尽くさない戦いは、私の流儀にはそぐわないのだが…まあいい、ひとまず君たちに合わせるとしよう。
一回目の邪眼実験を行う
研究員:
第一ラウンドの実験を開始。テストユニットを起動。邪眼の出力効率を20%解放。
研究員:
各種データは正常、アビス影響指数も正常値を示しています。
研究員:
「召使」様、ご気分はいかがでしょうか?
「召使」:
力が高まっている。この力なら…この程度の相手では物足りないな。
「召使」は難なく邪眼の実験の第一ラウンドを終えた…
実験データの確認を待つ
研究員:
第一ラウンドの実験データ、収集完了です。テストユニットを停止し、現場の清掃を開始します。
研究員:
お疲れ様でした、「召使」様。今のところ、不調はありませんか?
「召使」:
悪くない感覚だ。力も戦闘能力も確実に向上している。
「召使」:
だが、それに伴い、別の力も蠢いている。今のところはまだ容易に抑え込めているが…
研究員:
異常がないようであれば、第二段階の実験の準備に入ります。
研究員:
邪眼の出力効率に比例して、戦闘強度も上がります。ご自身の状態にはくれぐれもご注意ください。
「召使」:
早く始めたまえ。
二回目の邪眼実験を行う
研究員:
第二ラウンドの実験を開始。テストユニットを起動。邪眼の出力効率を50%解放。
「召使」:
これなら…かろうじて、まともな相手と言えるだろう。
実験の第二ラウンドが終了した。「召使」はより強い力を発揮したが、少し疲れも見せているようだ…
実験データの確認を待つ
研究員:
このデータ…芳しくないですね…排除すべき要因が多いうえ、アビスの波動の影響が強すぎます…はぁ、今日は残業です。
研究員:
それにしても…さすがは「召使」様、素晴らしいデータです。実に理想的な実験でした。
パイモン:
どうだ、アルレッキーノ?今のところ、けっこう順調みたいだな。
「召使」:
悪くない。なにせ、ピエロが主導するプロジェクトだからね。
「召使」:
だが、この程度でロノヴァに立ち向かうというのなら、少々考えが甘い。この邪眼の限界は、どこにあるというのだろうか…
パイモン:
データはどうだ?まだ続けるのか?
研究員:
「召使」様の基礎戦闘データは我々の予想を上回っています…ええと…およそ三倍です。実に素晴らしい。
研究員:
現在、そのデータに合わせてテンプレートを調整しているところです。邪眼の出力限界も、まだ引き上げる余地があると思われます…
パイモン:
おおっ…
研究員:
今回は邪眼の出力効率を、理論上の限界まで調整しました。第三ラウンドの実験を開始します。
「召使」:
やっと本気を出す気になったか。いいだろう、見せてくれたまえ。
研究員:
第三ラウンドの実験を開始、テストユニットを起動。邪眼の出力効率——全開。
「召使」:
ふむ…力が湧き出てくるようだ。
「召使」:
おや?雰囲気が変わったか…
「召使」:
どういうことだ…まだ実験中なのか?
「召使」:
いや…そんなことを考えている暇はない。「彼女」が攻めてきている…
三回目の邪眼実験を行う
実験の第三ラウンド開始時、不気味な赤い光の輪の中で、「召使」は自身の「影」を見たようだ…
研究員:
アビス影響指数に異常を検知、被験者の各バイタル、激しく変動しています…
研究員:
「召使」様、現在の状態はいかがでしょうか?
研究員:
お答えください、「召使」様!
旅人:
アルレッキーノ!
旅人:
様子がおかしい、早く実験を中止して!
研究員:
異常な数値だ…!早く、テストユニットを停止するんだ!
「召使」:
これは…実験が中止されたのか?いや、「彼女」はまだ存在している…
旅人:
アルレッキーノ、大丈夫!?
「召使」のためにアビスの力を浄化する
実験は中止され、急いで「召使」の体内にあるアビスの力を吸収し、それが彼女に更なる影響を及ぼすのを阻止した…
研究員:
邪眼の出力停止を確認。アビス影響指数…たった今、瞬時にゼロになりました…
研究員:
「召使」様のバイタルはすでにほぼ正常値まで回復しております。ご安心ください。
パイモン:
アルレッキーノの寿命はどうなんだ?影響は受けてないのか?
研究員:
先ほどの緊急処置のおかげで、アビスの力が深部まで侵蝕する事態は免れました。影響はありません、保証いたします。
「召使」:
実験は失敗したのか?
研究員:
大変申し訳ございません。予期せぬ事態が発生し、「召使」様を危険に晒してしまいました…
「召使」:
くどくど言うな。リスクの伴わない実験に意味はない。
旅人:
それで、さっきのは何だったの?
研究員:
ええ…現場の状況から判断するに、新型の邪眼に誤って「死」以外の赤月の権能が組み込まれてしまい、それが不安定要素になったのかと…
研究員:
幻覚を引き起こし、力の暴走を引き起こす可能性があります。赤月に秘められた権能を十分に研究しきれなかった私たちの失態です…
「召使」:
自分を責める必要はない。五百年前、カーンルイアの深秘院の「怪物」たちでさえ、赤月の力を完全に解明できたとは言えなかったのだからね。
「召使」:
今のスネージナヤの技術水準からすれば、君たちは十分に成果を上げている。
研究員:
…ありがとうございます、「召使」様…引き続き新たな案を模索し、不安定要素を排除して、副作用を抑えていく所存です。
パイモン:
実験は失敗しちゃったのか…スネージナヤの新しい秘密兵器の誕生に立ち会えると思ってたんだけど、残念だな。
「召使」:
正直なところ、私はそれほど惜しくは思っていない。
「召使」:
少なくとも先ほどの第三ラウンドの開始直後には、新型邪眼の全出力をしっかりと体感させてもらったからね…
旅人:
どうだった?
「召使」:
まったく話にならないな。あまりにも保守的だ。このような及び腰の「強化」では質的な変化など望めない。ロノヴァの相手にはなれないだろう。
「召使」:
現段階では、たとえ実験が成功しようと何も変わらない。
パイモン:
じゃあ、まだまだ先は長いみたいだな。ホントに間に合うのか?
「召使」:
そうだ、実験結果と私の所見をピエロに伝えてくれないか?
「召使」:
先ほどの実験で、身体に多少の負荷がかかった。少し休ませてもらいたい。
パイモン:
もちろん任せてくれ!アルレッキーノ、ちゃんと無理しなかったな。休むのはいいことだぞ!
「召使」:
身体に大きな問題が生じずに済んだのは、君たちのおかげだ。一刻も早く回復してこそ、恩に報いることになるだろう?
「召使」:
ありがとう、旅人。
パイモン:
へへっ。
邪眼改良の実験進捗は芳しくなく、研究できる時間ももはや限られている。残された時間の中で、転機を掴めるだろうか?
「道化」に実験結果を報告する
パイモン:
やっぱりここにいたな。実験は終わったぞ。
「道化」:
アルレッキーノの姿が見えないが…実験に問題でも起きたのか?
パイモン:
鋭いな!実はかくかくしかじかで…
「道化」:
アルレッキーノはどうしている?
パイモン:
平気そうに見えたぞ。実験の担当者も大きな問題はないって言ってたし、大丈夫だろ?アルレッキーノはちょっと休みたがってただけだしな。
「道化」:
認めざるを得ないが、アルレッキーノの所見は核心を突いている。それこそまさに、邪眼計画が現在直面している最大の問題なのだ…
「道化」:
我々の「死」の権能に対する理解は、まだまだ深いとは言えぬのだろう…早急に取捨選択をせねばならん。
パイモン:
そっちはどうなんだ?なにか新しい発見はあったか?たとえば…ロノヴァとレインドットについてとか?
「道化」:
もはや新たに得られる情報は少なく、そのうえ極めて断片的である。既知、あるいは無用なものばかりだ。
「道化」:
絶対的な実力差がある以上、上位者は元より多くを隠す必要などないのであろう。
パイモン:
そっか…情報戦、お疲れだったな、ピエロ。
パイモン:
つまり今のところ一番価値のある情報は、やっぱりロノヴァとレインドットのあの会話…ってことだよな?
「道化」:
うむ、既存の情報を最大限に活用するのも、進展を得るための一つの手段であろう。
「道化」:
しばし待て、呼び出そう。
パイモン:
天下のファデュイ統括官を働かせるなんて、おまえ、なかなか顔が利くんだな。
「道化」:
準備はできた。見るがよい。
「追憶の鏡」に触れる
「追憶の鏡」に触れ、再びあの記憶を垣間見た…
レインドット:
ロノヴァ、死をみだりに利用してはならないと、君もよく分かっているはずだろう。
レインドット:
天理は人間を深く愛している。あの方の命もなしに、独断で死の罰を下せば…天理の目には大罪として映るだろう。
ロノヴァ:
それは分かってる。けど、あの方が深い眠りについてる間、天空の島はわたしたちの行動を定期的に監視してるだけだ。
旅人:
うーん…「道化」の言ってた通りだ。絶対的な実力差があれば、上位者は多くを隠す必要がない…
旅人:
情報を知られたところで、何が変わるわけでもないと思ってるんだ…
旅人:
ロノヴァも言ってたっけ。天理が目覚めれば、スネージナヤは「清算」されるって…
旅人:
それが一番絶望的な状況なんだろうな。スネージナヤは第二のカーンルイアになってしまうんだろうか?天理は…本当にそんなことをするのかな?
旅人:
結局、俺は…天理のことをよく知らないんだ。
旅人:
俺がテイワットを旅し始めるずっと前から、天理はすでに眠りについていたはずだけど…カーンルイアの災厄の時はどうだったんだろう?
旅人:
スネージナヤにたどり着いた今でも、この世界にはまだ俺の知らない秘密が多すぎる…
旅人:
……
パイモン:
旅人?
旅人:
…かつての俺なら、天理や天空の島、そして世界の秘密なんて、自分には関係ないと思ってたかもしれない。
旅人:
俺はただ、テイワットで妹を探し出したかっただけなんだ。
旅人:
でも、いつからか、この世界のことを気にかけるようになった。
旅人:
これまでの出会い、旅の途中の景色…もしそれが脅かされるなら、黙って見過ごしたりはしない。
旅人:
蛍…これも旅の意味なのかな?
???:
…確かに、その通りだ。僕はどうして気づかなかったのだろう?
旅人:
ん?誰の声…
旅人:
もしかして、また別の記憶…?
旅人:
まさか…今のって、若い頃の「道化」なの?
「追憶の鏡」の中で、別の「記憶」も目にした。そこでは、若き「道化」がかつて「賢者」フロプタチュールと共に学び、研究に励んでいた。後に師を救う一件において二人の関係に亀裂が生じ、最終的に袂を分かつこととなった…
movie
「道化」:
終わったか。今回はずいぶんと長く視ていたようだな。何か収穫はあったか?
旅人:
フロプタチュール…彼は後の、カーンルイア五大罪人「賢者」——そうだよね?
「道化」:
…ほう?
「道化」:
我輩の記憶を垣間見たか…
「道化」:
無理もない。ここ数日、ずっとここで情報を閲覧していたからな。プリズムの力の一部が、知らぬ間にこの身に映射されていたのであろう。
パイモン:
こいつの記憶を見たのか?どんな記憶だったんだ?あっ…ごめん…堂々とプライバシーを探るような真似して…
「道化」:
構わぬ。失敗だらけの退屈な人生だ。隠すほどの秘密など、何もない。
旅人:
一つ聞いてもいい?
旅人:
「賢者」があの時見つけた、本来なら先生を救えたはずの「秘密」って、一体何だったの?
「道化」:
……
「道化」:
それもかつて我輩を悩ませた問題だが…未だ答えは得られていない。
旅人:
答えはあの「賢者」の手記の中にあるかも——?
「道化」:
そうだな…あの手記…
「道化」:
今でも覚えているが、カーンルイアの災厄が起きて間もない頃、王国は見渡す限り荒れ果てていた。
「道化」:
廃墟に埋もれた我輩を見つけ出したのは、アビスの力を吸収し、「罪人」となったフロプタチュールだった。
「道化」:
再び出会った時…もはや、あやつを叱責したり、その罪を訴えたりする気力は残っていなかった。我輩はあの時すでに…あやつを完全に「怪物」として見ていたのだ。
「道化」:
だが、フロプタチュールはただ手にしていた手記を我輩に渡して言った…
「道化」:
あやつはテイワットを離れ、宇宙の深部へと赴いてアビスと一体化し、それによって尽きることのない知識を得るつもりだと…正気の沙汰とは思えぬ。
「道化」:
あやつはこうも言っていた。その手記には、我輩がかつて知りたかった真実と、あやつが手放そうとしていた最後の「人としての心」が記されていると。
パイモン:
そ、それで…おまえは読んでみたのか?
「道化」:
当初、我輩は手記にこの上ない嫌悪感を抱き、触れるのも嫌だった…
「道化」:
ずっと後になって、国を捨て、師を裏切ったあやつへの恨みが幾分か薄らいでから、ようやく手記に隠された秘密を研究し始めたのだ。
「道化」:
結果、手記を開いてすぐに気づいたのだ…その中の多くの内容が我輩には根本から理解できないものだと。あるいは、それは我輩を発狂させるものであった、と言うべきだろうか。
旅人:
もしかして「禁忌の知識」?
「道化」:
その頃、我輩はすでにファデュイ統括官として、女皇陛下の配下に加わっていた。
「道化」:
我輩は手記の危険性を深く知っている。国家規模の災厄をもたらす可能性すらある代物だ。スネージナヤにカーンルイアと同じ轍を踏ませるわけにはいかなかった…
「道化」:
ゆえに我輩は女皇陛下に申請し、すべての執行官と共にこの手記を封印したのだ。
旅人:
たぶん…今なら、手記の危険性はだいぶ小さくなってるはずだと思う…
「道化」:
ほう?
旅人:
スメールを旅してた時、草神ナヒーダと一緒に、世界樹から「禁忌の知識」を完全に削除したんだ。
旅人:
アビスの手が及んだ禁忌の知識は、たとえどんな形だとしても、もうテイワットに存在できないはずだよ。
「道化」:
その件については耳にしていたが、手記の件とは結び付かなかった…うむ、旅人の判断に賛成だ。
「道化」:
ちょうど邪眼の研究は今、壁にぶつかっている。かつてフロプタチュール率いる深秘院が研究していたのも、「赤月」に関することであった…
パイモン:
手記に書いてあることが、役に立つかもしれないよな?
「道化」:
実に皮肉なことだ…五百年後の今日に至っても、やつの研究領域を脱却できておらぬとは。まったく、忌々しい「天才」だ…
パイモン:
でも、おまえもきっと多くの人の目には超天才なんだぞ、ピエロ。
「道化」:
……
「道化」:
ありがとう、パイモン。
パイモン:
おまえにそんな改まって礼を言われるなんて…なんだか照れちゃうぞ…
旅人:
(パイモンに認められたことは、「道化」にとって特別な意味があるのかも…)
「道化」:
では、そろそろすべての執行官を招集する準備をせねばならん。
パイモン:
すべての執行官?ずいぶん大がかりだな。なにをするつもりなんだ?
「道化」:
手記を封印した際に定めたルールがある。
「道化」:
国家レベルのリスクを伴う判断に関わる場合、在任中のすべての執行官による現場での投票を経ねばならん。満場一致をもって初めて実行へと移すことができる。
パイモン:
そんなに厳しいのか…でも、今の状況なら、反対票を入れるやつなんていないよな?きっと手記の封印を解けると思うぞ。
「道化」:
そなたらも来るか?手記はオルジェイナヤ・パラタ資料庫の最深部に封印されている。執行官たちは現場に招集する。
「道化」:
全員が封印を解くことに同意すれば、五百年前の真相も浮かび上がるであろう。旅人や我輩の疑問も、解き明かせるはずだ。
「道化」:
見届け人が増えるのは、悪いことではない。
「道化」:
「召使」はまだ休息中であろうし、各執行官もそれぞれ事情を抱えている。招集には少々時間を要するだろう。後ほど落ち合おう。
封鎖された資料庫へ向かう
パイモン:
ピエロが言ってたのってここだよな?もしかして、オイラたちが一番乗りか?
パイモン:
あちこち旅して、自由気ままにやってるオイラたちとは違うよな。もしスネージナヤで偉いやつにさせてくれるって言われても、絶対におまえと旅するほうを選ぶぞ!
旅人:
執行官の生活はちょっと気になるかも…
パイモン:
おっ?ファデュイ執行官第十二位「旅人」になるか?
旅人:
タルタリヤの下か。やめておこうかな。
パイモン:
ははは…たしかに、今じゃ絶対おまえの勝ちだもんな。
執行官が全員揃うのを待つ
「公子」:
おや?相棒におチビちゃん?
パイモン:
あっ…よう、タルタリヤ!会えて嬉しいぞ!
パイモン:
き、聞かれてないよな…
「公子」:
ん…?場所を間違えたかな?ピエロに言われて来たんだけど…
パイモン:
いやいや、そんなことないぞ。オイラたちもピエロに呼ばれて来たんだ。一緒に見届けてもいいって。
「公子」:
へぇ、なるほどね。一瞬、ピエロが見事な手腕で、君を執行官に引き入れたのかと思っちゃったよ。
「公子」:
どう、ファデュイ執行官第十二位、「旅人」になってみないかい?
パイモン:
なんでおまえの思考回路、オイラと同じなんだ?
旅人:
「黄金屋」の時、君は俺の前に並ぶ資格を失ったんだよ。
「公子」:
くっ…ずいぶん昔の話を掘り返すじゃないか。機会があったら絶対にもう一度勝負してくれ!君が旅をしていた間も、俺はずっと強くなるために努力していたんだ!
パイモン:
もしまた負けたら、思いっきり笑ってやるからな、「タルタリヤ議員」。
執行官が全員揃うのを待つ
「公子」:
おっと、俺たちの「市長さま」も到着したみたいだね。
「雄鶏」:
やあ、タルタリヤ。それからお客人方。
旅人:
どうも。
「公子」:
調子はどう、爺さん。「厳冬計画」が始まってから、一度も休みを取っていないそうじゃないか。
「公子」:
テウセルが言ってたよ。ずっとプルチネッラおじいちゃんに会えてないから会いたいってね。
「雄鶏」:
ハハ…まあ、ぼちぼちじゃ。「厳冬計画」が一時停止となり、資源調達に関する諸々が一気に落ち着いたからのう。
「雄鶏」:
機会があれば、モレペソクへ行って、トーニャやテウセルたちの様子を見に行こう。
「雄鶏」:
お前のほうはどうなんじゃ?部下を率いて、周辺一帯の魔物を鎮圧するのに忙しくしておると聞いたが…
「公子」:
女皇陛下が魔獣を倒した後の、ほんの小さな余波に過ぎないさ。ストレッチにはちょうどいい。知っての通り、俺にとっては書類仕事よりもずっと魅力的だよ。
旅人:
あの、一つ質問があるんだけど…
「雄鶏」:
ん?わしに答えられることがあるかのう。マスコミの連中もおらんせっかくの機会じゃ。遠慮なく聞くがいい。
旅人:
「ロコット」との間に…
「雄鶏」:
「ロコット」か。確かに勢いのある民間組織で、メンバーも謎に包まれておる。興味があるなら、調査してやってもいいぞ。
「雄鶏」:
そういえば——お前はコロレフスキー劇場の人々と親しいようじゃな。
「雄鶏」:
彼らの最近の「演出」についてはわしも高く評価しておる。特にヴォジャニーツァさん、オデットさん、それから…ああ、アリョーシャくんだったか。
「公子」:
へえ、歌や踊りに興味があったなんてね。てっきり普段は見に行く暇なんてないと思ってたけど。
「雄鶏」:
ふふ、誰にでも人の知らない一面があるものじゃ。
執行官が全員揃うのを待つ
「傀儡」:
…もう一度言わせてもらうわ。北国銀行の金庫が重要なのは確かだけれど、アナタが要求するレベルの警備はいくらなんでも大げさすぎるでしょう。
「富者」:
いいえ、サンドローネさん。それは誤った考えです。
「富者」:
セキュリティシステムの大幅なアップグレードを行えるせっかくの機会を逃し、単なる修復作業のみに終始しては…
「富者」:
今回の事件における「損失」は、純粋かつ無意味な「損失」として確定してしまうことになります。
「傀儡」:
損失は損失でしょう?他にどんな意味があるっていうのよ。アナタってつくづく理解できないわ。
「富者」:
凡庸な商人は損失しか目に入りませんが、卓越した商人は損失がもたらす好機を狙うものなのですよ。
「傀儡」:
旅人…パイモン?
「傀儡」:
アナタたちがスネージナヤに来てからというもの、どこへ行ってもアナタたちの顔を見てる気がするわ…今回はファデュイ執行官の内々の会議にまでお出ましってわけ?
旅人:
人望ってやつかも。
「富者」:
またお会いしましたね。私とサンドローネさんは、北国銀行のセキュリティ強化と修復作業について話し合っているところなのですよ。
「富者」:
あなた方もご存知の通り、サンドローネさんはテイワットいちのエンジニアですからね。彼女以外にこの依頼を任せられる者はいません。
「傀儡」:
ゴマすりはやめて。はぁ…例のプラン通りにするというなら…まずは予算を聞かせてもらおうじゃない。
「富者」:
私がお出しできるのは…この額です。
「傀儡」:
妥当なところね。でも、アナタはテイワットで一番のお金持ちなんでしょう?もっと見栄えする数字を見せてくれると思っていたのだけれど。
「富者」:
はは…私はただ、商売に長けた人間というだけなのかもしれませんね。
執行官が全員揃うのを待つ
パイモン:
あっ、アルレッキーノだ!アルレッキーノ、体の調子はどうだ?みんな心配してたんだぞ。
「召使」:
一眠りして、いつでも実験を再開できる程度には回復している。
パイモン:
えっ…ちょっと無理しすぎじゃないか?
「召使」:
私が休んでいる間に、君たちのほうも進展があったようだね…今回私たちが招集されたのは、「賢者の手記」のためだと聞いたが?
パイモン:
おう。ピエロが言うには、その手記は「賢者」の赤月についての研究に関わってる可能性が高くて…なにかの役に立つかもしれないんだってさ。
「召使」:
抵抗?いや、感じないな。深秘院が数百年前にいかなる手段で赤月を研究していたとしても、すべてはもはや過去の歴史だ。
「召使」:
私が目を向けているのは、赤月とスネージナヤの未来——もし彼の手記が役に立つのなら、もっともその恩恵を受けるのは私だろう。
パイモン:
それなら、一番手こずりそうだった「一票」も、問題なさそうだな…
執行官が全員揃うのを待つ
「道化」:
時間通りに集まってくれたこと、感謝する。状況はすでに大方把握しているであろう。
「道化」:
では、始めるとしよう。
パイモン:
なんだか…ちょっと緊張してきたぞ?大物だらけの会議なんて、落ち着かないぜ…
パイモン:
そ、それもそうだな…
「道化」と話し、執行官の決議を見届ける
「公子」:
こうして見ると、本当にずいぶん減ってしまったね。
「公子」:
ロザリンの葬儀の時もこうやって集まったけど…あの時はまさか、こんな短期間でさらにこれほど数が減るなんて思ってもみなかったよ。
「傀儡」:
アナタの言うことは事実だけど、だからといってドットーレを懐かしむやつなんていてほしくないわね。
「富者」:
あの頃と比べれば、ずいぶんと和やかな雰囲気になりましたね。
「雄鶏」:
残された我々の目標と立場が同じであることの証明じゃ。
「召使」:
今のところはそうだね。少なくとも、「死の執政」の問題を解決するまでは維持できるだろう。
「道化」:
本題に入ろう。今日、我々はこの場で「賢者の手記」の封印を解くか否かの採決を行う。
「道化」:
それに伴うリスクと利益について、述べさせてもらおう…
「雄鶏」:
ふむ…
「雄鶏」:
当初、この手記を封印したのは、スネージナヤが第二のカーンルイアとなり、天理と調停者たちに目をつけられることを案じておったからじゃった。
「雄鶏」:
だが今となっては、我々はとっくに「死の執政」の標的じゃ——もはや懸念はあるまい。わしは封印を解くことに賛成じゃ。
「公子」:
アビスの汚染についての心配も、大した問題じゃなさそうだ。なにせ俺たちには、アビスの汚染を処理する専門家がついているんだからね。
「公子」:
そうだろう、相棒?君がいるなら、俺は賛成さ。
「召使」:
もはや、手段を選べる段階にはない。天理が私たちを滅ぼそうと思えば、それはほんの一瞬の出来事になるだろう。
「召使」:
最後になって、切り札を出さなかったことを後悔したくはない——賛成だ。
「富者」:
リスクは許容範囲内でしょう。
「富者」:
むしろ窮地においては、「賭け」を恐れることこそが最大のリスクとなるのです。私も封印の解除に賛成します。
「傀儡」:
……
「傀儡」:
確認させてちょうだい。この手記の主…「賢者」はカーンルイアの大罪人なのよね?
「傀儡」:
つまり、「月の狩人」のようなやつなの?
「道化」:
いかにも、あやつらは共犯だ。
「傀儡」:
そしてそいつは研究に夢中になるあまり、他者の心も顧みず…最後には狂人のようになってしまった…
「傀儡」:
ドットーレのようなやつなのね?
「道化」:
二人の性格には少なからぬ差異があるが、経歴という点から見れば、そうとも言えるであろう。
「傀儡」:
あーもう!嫌な思い出が込み上げてきたわ。アイツらに関する記憶なんて、残らず消してしまいたいのに…そんなやつの技術に頼ろうとするなんて…
パイモン:
サンドローネはすごく嫌そうだな。反対するつもりなのか…?
「傀儡」:
…そいつがアナタに手記を渡した時、そこには最後の「人としての心」が残されているって言ったのよね?
「道化」:
ああ。
「傀儡」:
…なら、ワタシも封印解除に賛成するわ。
パイモン:
えっ!?絶対反対すると思ってたぞ!
「傀儡」:
こういうクズがどうやって生まれるのか、すごく気になるのよ。手記の中に手がかりがあるかもしれない…見てみる価値はあるわ。
旅人:
またまた意外な観点だね…
「道化」:
封印解除は我輩の発議だ。発議者は投票を要さぬ。
「道化」:
これにて、執行官は満場一致で封印解除の議案を可決したものとする。皆、我輩について来てくれ。
封鎖された資料庫に入る
「公子」:
てっきり、投票が終わったら帰れるんだと思ってたけど。
「雄鶏」:
万が一、何らかのリスクが現実のものとなった場合に、共に決断を下した者が責任を負わんでどうする。
「富者」:
さっさと離れた方が、スネージナヤの力を温存することに繋がる…という可能性もありますけどね。
「傀儡」:
縁起でもないこと言わないで。
「賢者」の手記の内容を確認する
「召使」:
どうだ、「手記」は完全か?
「道化」:
うむ。手記はここにある。もし目を通している際に何か不測の事態が起きたら、ためらわず処理してくれ。
パイモン:
処理…って?まさか、おまえをか…?
「道化」:
うむ…
「道化」:
旅人の言った通りだ。当初…この手記はこのようなものではなかった。
「道化」:
多くの内容が空白になっている。おそらく抹消された「禁忌の知識」なのだろう。
「道化」:
もはや、フロプタチュールの個人的な思考記録と、深秘院の各段階における研究成果しか残されていない。
パイモン:
あの疑問の件はどうなんだ?あいつが先生を救うために使おうとしてた秘密の方法については、書いてないか?
「道化」:
……
「道化」:
「…推測は間違っていなかった。やはり赤月は死に関する権能を備えている。この発見は、近頃院内でアビスの力に対する理解が一層深まったことによって得られた成果だ。」
「道化」:
「今の深秘院の技術をもってすれば、初歩的ではあるが、この力の一部を抽出し、掌握できるだろう。」
「道化」:
「つまり…これはこれまでで最も希望の持てる試みだ。いや、今回こそ必ず成功すると言うべきだろうか。」
「道化」:
「世界の規則級の『位格』——その力を用いれば、人を完全に死から遠ざけることができる。そうすれば、ミーマメイズ先生も生き延びさせることができるだろう。」
「道化」:
「早くエフティルヴィットに知らせなければ。そうだ、この成果に名前をつけないと…」
「道化」:
「『不死の祝い』としよう…」
旅人:
え…!
パイモン:
「不死の祝い」?なんか、どこかで似たような言葉を聞いた気が…ピエロ、どうしたんだ?
「道化」:
……
「道化」:
修正されている…後にフロプタチュールが消して、書き足したらしい…
「道化」:
…「不死の呪い」。
旅人:
!!!
パイモン:
「不死の呪い」!
パイモン:
「賢者」は深秘院で、「不死の呪い」を研究して作り出したのか?
「道化」:
まだ続きがある…
「道化」:
「なぜもっと早く気づかなかったのだろうか。ただ先生に生き延びてほしいと願うばかりで…ようやく成果を得た喜びに目が眩んでしまった。」
「道化」:
「あれは祝福などではない、祝福であるはずがない…人に果てしない苦痛をもたらすだけの存在だ。このまま先生を死なせるほうがまだましだ…」
「道化」:
「エフティルヴィットには分からないだろうが…説明する必要もない。彼の世界は純粋で、多くの場合、白か黒か、善か悪かしかないのだから。」
「道化」:
「この研究は徹底的に封印しなければ。このような苦痛に耐えるべき者など、一人としているはずがない…」
「召使」:
物語の全貌は大方察しがつくが…「賢者」も、未来の君がこのような形で自分を理解することになろうとは思いもしなかっただろうね。
「傀儡」:
それで…アナタはそいつを許すのかしら?
「道化」:
運命は、永遠に我々を嘲弄する機会を窺っているかのようだ。長く生きれば生きるほど、それをより深く実感する。
「道化」:
だからといって、あやつに対する見方を改めるつもりはない。この一件は、我輩とフロプタチュールとの間に確執が生じた発端に過ぎず…やつへの恨みの根源ではない。
「道化」:
たとえ彼が師を裏切っていなかったとしても、国を裏切り、カーンルイアの民を裏切り——ひいてはこの世界を裏切ったことに変わりはない。
「富者」:
そうですか?私には、彼はかなり繊細な心を持ち合わせているように感じられましたが。徹頭徹尾の「悪人」というわけではないのかもしれません。
「富者」:
この手記の中には、自身の最後の「人としての心」があるとも言っていたのでしょう?いったい、何を指しているのでしょうね?
「傀儡」:
ワタシもその答えが知りたいわ。
「道化」:
……
「道化」:
…?ページに何か挟まっているな。
パイモン:
なんだなんだ?
パイモン:
写真か?いや、違うみたいだな…このページになにか書いてないか?
「道化」:
「僕は去ることに決めた。テイワットでの人生は、まもなく終わる。」
「道化」:
「真のアビスに触れて初めて、僕の生涯がいかに空虚で、取るに足らぬものであったかに気がついた。」
「道化」:
「さながら、永遠に光の届かない繭に囚われ続ける蛹のようだ。」
「道化」:
「今でもよく、『樹下の会』を懐かしく思い出す。樹の下に広がるあの風景と、すべてが希望に満ちていたあの日々を。」
「道化」:
「しかし、それは全くもって無駄なことだ。僕がこれから直面する未来を考えれば、あまりにも必要のないことだ。」
「道化」:
「だから…あの頃の記憶を『刻み込む』ことにした。この大地が僕に与えた『人としての心』と共に、テイワットに残そう。」
「道化」:
「人生のすべての『出会い』と同じように、これもまた最も美しい時のまま留めておくべきだ。」
パイモン:
最後のはいったい、どういう意味なんだ…記憶を「刻み込む」…?
パイモン:
この上にあるのって、もしかして「樹下の会」か?
「道化」:
「刻み込む」か…これは写真ではなく——「プリズム」のようだ。恐らく、アビスの力で場面を描き出したのだろう。
「傀儡」:
「賢者」が残したプリズム?記憶を保存する、あの素材か——?
パイモン:
わぁっ——!!
刻まれた記憶の中に入る
「道化」:
この場所…知っている。
「道化」:
ここはフロプタチュールの記憶の中か。やつの「樹下の会」への思い入れは、どうやら偽りではなかったらしい。
「道化」:
だが、普通のプリズムが映し出す記憶とはまた少し異なるようだ…アビスの力の影響か?
「道化」:
ここでの我輩は…単なる「傍観者」ではないわけか。
「道化」:
とにかく、先へ進んでみるとしよう。
フロプタチュール:
やっと来たか、エフティルヴィット。遅刻なんて、君らしくないな。
エフティルヴィット:
(この現実感…これはただの記憶ではない。)
エフティルヴィット:
(手記の内容からすると、目の前にいるこのフロプタチュールが…「最後の人としての心」を持つあやつなのだろう。)
エフティルヴィット:
(自身の人としての心をこの記憶に封じたのか?ふん、相変わらず常軌を逸するやり方だ…)
フロプタチュール:
エフティル?何を黙り込んでいるんだい。なんだか、ここへ来るのが不本意だったみたいだな。
エフティルヴィット:
確かにそなたに会うのはとても不本意だ。
フロプタチュール:
ええっ?…この前の論文テーマの件をまだ気にしているのかい?謝ったじゃないか…それに、方向性が被ったのは本当にたまたまなんだ。
フロプタチュール:
赤月の魅力には抗えないのが、我々学者の性だろう?
エフティルヴィット:
同類扱いはやめてくれ。
フロプタチュール:
…今日は随分と攻撃的だな、エフティルヴィット。
フロプタチュール:
それじゃあ、こうしよう。埋め合わせに、今日の討論会の議題は君が決めるっていうのはどうだい?僕も全力で一緒に考えるからさ。
エフティルヴィット:
今のそなたの実力と、赤月に対する理解では、我輩の力にはなり得ないだろう。
フロプタチュール:
へえ?聞き捨てならないな。それはどういう意味だい?
エフティルヴィット:
……
フロプタチュール:
エフティルヴィット、僕を見くびるなよ。さあ、どんな議題か言ってくれ。もし僕が解決できたら…
フロプタチュール:
…来月の研究費の半分を僕の研究室に回してもらう。いいだろう?
エフティルヴィット:
はぁ…
エフティルヴィット:
——仮に、赤月の中にある「死」に関わる力を利用して機能する武器があるとして…
時間の無駄だとは思いつつも、「道化」は仮説という形で、彼にとっての未来、「邪眼」が直面する難題について語った…
フロプタチュール:
……
エフティルヴィット:
ここで考えていてくれ。我輩は先に行かせてもらう…やるべきことが山積みだ。
フロプタチュール:
ありがとう、エフティル…実に心躍る話だ。
フロプタチュール:
仮説とはいえ、どれもいつかは実現できそうな理論ばかりで、見識が広がったよ。
エフティルヴィット:
礼には及ばん。感謝なら自分自身にするといい。基礎的な理論の多くは、そなたが証明したものだ。
フロプタチュール:
思うに…この仮説の問題は、その「武器」の設計が優しすぎることにあるね。
エフティルヴィット:
ほう?
フロプタチュール:
最終目的が位格を高め、「ルール級」の力に至ることであるのなら、なぜ副作用の解消なんかに労力を費やすんだい?
フロプタチュール:
「死」を貫徹せずして、「死」の権能を手に入れるなんてこと、できるはずないだろう。
エフティルヴィット:
そなたは…やはり外道だな。
フロプタチュール:
…そういう構造であれば、赤月の残りの権能を誘発剤に、力の瞬間的な爆発を引き起こすことが出来るだろう。まさに、「必殺技」さ。
エフティルヴィット:
確かに可能かもしれぬ…これほどまでに短い時間で理解できるとはな、フロプタチュール。
フロプタチュール:
ふふ、その分野については、僕も専門外というわけではないからね。以前、空き時間を利用して少し研究したことがあるんだ。
エフティルヴィット:
…なるほど、この時点ですでに差がついていたというわけか。
フロプタチュール:
はあ…ただ、理論上可能だとしても、結局のところ絵空事にすぎないだろうね…
フロプタチュール:
一度使えば使用者が死んでしまう武器…そんなものには、なんの実戦的意義もない。
エフティルヴィット:
意味がないとは限らない…未来の我輩には、使える。
フロプタチュール:
未来で君は、どんな風に生きてるんだい?なんだか、本当に苦労しているみたいだね。
エフティルヴィット:
気づかれたか。我輩はこの時間軸のエフティルヴィットではない。
フロプタチュール:
そんなことに気づかないほど、鈍感ではないさ。大体、隠すつもりもなかっただろう?
フロプタチュール:
教えてくれないか?未来はどんな世界なんだ。その時僕は、どんな人間になっている?
エフティルヴィット:
……
エフティルヴィット:
未来はまったく良いものではなく——そなたは腐れ外道になった。
フロプタチュール:
っ…
フロプタチュール:
やっと来たか、エフティルヴィット——
フロプタチュール:
おや、すみません、人違いでした。この時間に来るのは、てっきり友人かと思いまして。
フロプタチュール:
友人を見かけませんでしたか?オールバックで、お堅い雰囲気の学者なのですが。
旅人:
え?俺に話しかけてる?
フロプタチュール:
ここには僕たち二人しかいないではありませんか?
旅人:
(ただの記憶じゃない…記憶の中の人と話すことまでできるなんて!)
フロプタチュール:
その身なり、うちの人間には見えませんね…道に迷われたのですか?
旅人:
いや、たまたま通りかかっただけだよ。
フロプタチュール:
そうですか、それならよかった。
旅人:
……
旅人:
(これって、「五大罪人」と交流する貴重な機会なんじゃ…?)
フロプタチュール:
何かお悩みのようですね。
フロプタチュール:
ああ、他意はありません。ただ、なんとなく…あなたが多くのものを背負っているように感じて。それに、あなたからはこれまで見たこともない気配を感じます…
フロプタチュール:
ふむ、根源は何なのでしょう…この世界に、属さないような?興味を惹かれますね…
旅人:
(まさか、ここまで鋭いなんて…ちょうどいい、向こうから話しかけてきたんだし、聞いてみよう…)
旅人:
ずっと妹を探してるんだ。遠い昔にはぐれてしまって…
旅人:
この国に長く滞在してたってことは知ってるんだ。何か心当たりはないかな?俺とよく似た、金色の髪をしてるんだけど。
フロプタチュール:
ご兄妹とはぐれてしまったのですね。申し訳ありませんが、あなたに似た方というのは見たことがありませんね…
旅人:
(じゃあ、この時点ではきっと、まだカーンルイアに来てなかったんだ…)
フロプタチュール:
しかし、そうですね…僕にはすごい知人がいるのですが——金髪というと、彼が聞かせてくれた、あるおとぎ話のことを思い出しますね…
フロプタチュール:
長い物語なのですが、大まかに言えば、金の髪をした二人の王位継承者が「創世の真珠」を探しに行くという物語なのです。
フロプタチュール:
語り終えた彼は教えてくれました。実は、このおとぎ話は未来に起こる出来事を示しているのだと。
フロプタチュール:
そして、その一人目の王位継承者は、近い将来、この僕の呼びかけに応える形で、そのような運命を辿ることになるのだそうです。
フロプタチュール:
もしかして…あなたと関係があるのでしょうか?
旅人:
(よくわからない…「王位継承者」って、カーンルイアにいた頃の蛍のことなんだろうか?)
旅人:
(「賢者」の呼びかけに応えたっていうのも、よく分からない…後で、「道化」に聞いてみよう。)
旅人:
少なくとも、俺のことじゃないと思う。
フロプタチュール:
ふふ、そうですね。僕たちはただ偶然出会っただけですから。
フロプタチュール:
お役に立てず申し訳ありません。わけのわからない回答で、困らせてしまいましたね。
現場にいる執行官たちと話す
パイモン:
えっと…どうなってるんだ?オイラ、現実に戻ってきたのか?
パイモン:
なあ聞いてくれ、旅人、大変だぞ!オイラ、さっき別の空間に入っちゃったみたいなんだ。もしかしてあそこにいたやつが…
パイモン:
なんだ?おまえもあいつに会ったのか?
「公子」:
君たち二人だけじゃない、俺も彼と話したよ。機会があれば「魔王武装」の改良を手伝いたいってさ…
「召使」:
どうやら、私たちは全員「中に入った」ようだね。
「召使」:
「五大罪人」は、やはりアビスの力をよく知っている…私のアビスの汚染を制御するための助言を授けてもらった。
「傀儡」:
ワタシは話すことなんかないわ!礼儀知らずで馴れ馴れしいったらありゃしない…でも、あの時代のカーンルイアの機械工学がまあまあ進んでいたことは認めるわ。
「雄鶏」:
「賢者」の友好的な態度は、果たして本当に彼本来の性格から来ておるのか、それとも…いくらかの「意図」が加えられたものなのか…
「富者」:
ほう、それはどういう意味です?
「雄鶏」:
当時、「賢者」はテイワットを離れる前に、わざわざピエロに自らの手記を残していった。
「雄鶏」:
もしかすると、最後の「人としての心」の中には、旧友を助けたいという思いもあったのかもしれんのう。
「道化」:
今となって、あやつの考えを推測したところで意味はない。「賢者」はとうの昔に去った。自らを棄てたのは、あやつ自身だ。
パイモン:
ピエロ、おまえはあいつとなにを話したんだ?
「道化」:
「昔」のように、仕事で直面した難題について話した。
「道化」:
…「邪眼」の改良案は固まった。
事態が一段落し、「賢者の手記」は再びしまわれ、執行官たちも次々とその場を後にした。
パイモン:
やっと疑問も解けたし、「賢者」にも会えたな!オイラたちも参加してよかったぜ。
パイモン:
旅人、なにぼーっとしてるんだ?行こうぜ。さっきサンドローネが帰る前に、お茶会に誘ってくれただろ。
旅人:
ピエロ、もう一つ聞きたいことがある。
「道化」:
何だ?ふむ…そなたはフロプタチュールとの会話について言及しなかったが、あやつに何か言われたか?
旅人:
うん。すごい知り合いから聞いたらしいんだ…
旅人:
金髪の「王位継承者」が、フロプタチュールの呼びかけに応えるだろうって。
パイモン:
金髪の…「王位継承者」?
「道化」:
「予言者」ヴェズルフェルニルが彼に伝えたのであろうな。
「道化」:
振り返れば、何の事だったかは明らかだ。
「道化」:
だが、確かにそなたには話していなかったな…かつて我輩が天空の島からパイモンを「召喚」したように、同じ時期にフロプタチュールはある者を召喚した——
「道化」:
…そなたの妹だ。
パイモン:
オ、オイラと同じだったのか?
「道化」:
この情報がそなたにとってどんな意味を持つのか、我輩にも分からぬ。ゆえに、これまであえて言わなかったのだ。
旅人:
(確かに…これはどういうことなんだろう?その頃、蛍はなぜ天空の島にいたんだ?そこでいったい…何があった?)
旅人:
(蛍の過去の情報は、少しずつ集まってきてる。もう少しで繋がりそうなのに、どうしても掴みきれない。)
旅人:
(旅を続ければ、本当にいつかはすべての真相が明らかになるんだろうか…?)
死の執政と対峙する時が近づいている。凡人の肉体で…死を司る神に対抗することなどできるのだろうか?
「傀儡」のお茶会に参加する
「傀儡」:
やっと来たのね、お茶が冷めてしまいそうよ。何にそんなに手間取っていたの?
「傀儡」:
ま、来てくれたならそれでいいわ。アナタとパイモンを含めて…四人なら、昔のお茶会の雰囲気を少しは取り戻せそうね。
「召使」:
君は私が思っていた以上に、あの頃を懐かしんでいるのだね、サンドローネ。
「傀儡」:
ただ二人でお茶を飲むだけじゃお茶会とは言えないって言いたかっただけよ。別に深い意味はないわ。
パイモン:
じゃあ、今回はなんで急にお茶を飲もうと思ったんだ?
「傀儡」:
息抜きよ。アナタたちは感じないの?大きな戦いが起こる前の雰囲気…ただただ息が詰まるのよ。
「召使」:
ああ。ロノヴァとの対戦については、あえて考えようとせずとも、皆の心に重くのしかかっているだろう。
パイモン:
なんたって「四つの影」のうちの一柱だし、世界のルールさえも握られてるんだからな。そんなやつを倒すなんて…
パイモン:
そうだな…そう考えると、事の割にみんな落ち着いてるよな。
パイモン:
オイラは…もうちょっと緊張感を持ったほうがいいかもだけど、えっと…
「召使」:
ピエロは今、かなりの重圧を抱えている…それは私が邪眼の研究に進んで協力している理由の一つでもある。
旅人:
じゃあ、女皇についてはどう思う?
「傀儡」:
女皇陛下?そんなの、分かる人がいるかしらね?
「傀儡」:
陛下の心は、凍てつく湖面のようよ。どんなことが起きたって、もう波紋が広がることはないわ。
「傀儡」:
湖の水は澄みきって透明に見えるけれど、すべてを見通せると思って湖の底を覗き込んだとき、それがどれほど深いのか…何も知らなかったことに気づく——そんな感じよ。
「召使」:
決して大げさな表現とは言えないな。心強いことに、敵の目にも陛下は捉えどころのない存在として映っているはずだ。
「召使」:
それに、陛下はずっと前からこの日が来ることを予期していたはずだ。もしかすると…神になる前から、天理と正面から対抗するための準備を進めていたのかもしれない。
パイモン:
おまえらはみんな女皇を信じてるんだな。ピエロも似たようなことを言ってたぜ。
「傀儡」:
「信じる」っていうのは対等なのよ。信じれば信じるほど、自分も相手が信じるに足る存在になりたくなる…ある意味、面倒よね。
「傀儡」:
陛下のお心を推測している暇があったら、自分に割り当てられた仕事を片付けた方がいいわ。
パイモン:
サンドローネは最近なにしてるんだ?
「傀儡」:
今のところは修繕工事と、それぞれの戦力が備える装備のアップグレード、あとは…必ずしも使うとは限らない戦場の準備といったところね。
「召使」:
ロノヴァの一件は、始まりに過ぎないだろう。これから先、スネージナヤがどんな状況になるのか、誰にも予測できないのだから…どれだけ備えても決して無駄にはなるまい。
「召使」:
私の方は…「邪眼」の新たなプランの実験が始まるまでは、少しの間休息を取れそうだ。
「傀儡」:
アナタもなかなか大変ね、アルレッキーノ。さて、そろそろ話題を変えましょう。なんだかお茶会じゃなくて、会議をしている気分になってきたわ。
「四人のお茶会」は少し気軽な話題へと転じ、平穏でまったりとしたひとときを贅沢に満喫した。
それからの数日間、スネージナヤ全土は女皇の敷いた秩序の下で規則正しく「稼働」し続けた。そして——気がつけば、レインドットとの約束の日が訪れていた…
セラーガーデン・レストランに戻って休む
ダニカ:
…テーブルクロスには一片の埃もあってはなりません。茶器を配置する向きにも注意してください。
ダニカ:
トロピナ、照明が想定より暗いですよ。光は重要だと言ったはずです。すべての照明器具を拭きましたか?
ダニカ:
トロピナ?
トロピナ:
あ…申し訳ありません、メイド長。すぐにもう一度確認いたします。
ダニカ:
何をぼんやりしていたのですか。普段のあなたらしくありませんね。
トロピナ:
いえ…ただ、ちょっと緊張してしまいまして…
ダニカ:
今日いらっしゃるお客様を知っているのですね?誰から聞いたのですか?
トロピナ:
す、すみません!私も偶然耳にしただけで、秘密だとは知らなくて…
ダニカ:
秘密というわけではありません。本日いらっしゃるのは「生の執政」レインドット様です。事前に知らせなかったのは、知らせる必要がなかったからです。
ダニカ:
お客様の身分は私たちとは関係がありません。メイドの仕事はただ一つ、「完璧」であること…何度も言ったはずです。
ダニカ:
天上の使節であれ道端の物乞いであれ、お迎えするお客様が誰であろうと——最高のおもてなしをさせていただくまでのこと。
トロピナ:
はい、おっしゃる通りです。恥ずかしい真似をしてすみません…
ダニカ:
いいのです。本日もスネージナヤパレスはいつもと変わりありません。お客様の第一印象を素敵なものにして——
ダニカ:
…あとは、女皇陛下にお任せするのみです。
セラーガーデン・レストランに戻って休む
パイモン:
ふぁ——今日は女皇がレインドットと会う日だよな?
旅人:
ついにこの日が来た。
パイモン:
ちょっと緊張するな…まだちょっと時間があるし、スネージナヤパレスのほうがどうなってるか、見に行かないか?
パイモン:
確かに、ダニカは誰よりも仕事に真面目だもんな。でも、じゃあどうする?オイラ、じっとしていられないぞ…
パイモン:
いいアイデアだな!あっちでなにか、手伝えることがあるかもしれないしな。
ザーリャ駅へ向かう
パイモン:
計画の全貌は知らないけど、ピエロが言ってたことから推測すると、ミティヤはここにいるはずだよな…?
パイモン:
えっ?誰だ?
ダインスレイヴ:
ほう?まさかここで最初に会うのが貴様たちだとはな。
パイモン:
ダイン!
ダインスレイヴ:
わざわざ出迎えに来てくれるとはありがたい。そう長くは待たせなかったつもりだが。
パイモン:
オイラはもう驚かないぞ。ダインスレイヴって、毎回予想外の現れ方をするんだもんな。
パイモン:
それで、今回はなんで来たんだ?
ダインスレイヴ:
もちろん、エフティルヴィットの通知を受けたからだ。
ダインスレイヴ:
ここ数日、指名手配でもされているような気分だった。ファデュイの手下たちが俺を探し回っていたからな。
旅人:
「持てる力をすべて結集する」って言ってたけど…有言実行だね。君まで呼ぶなんて。
パイモン:
でも、考えて見たらレインドットは「生の執政」ってだけじゃなくて、「黄金」…カーンルイアの「五大罪人」でもあるわけだしな。
パイモン:
「五大罪人」か「アビス教団」の現れる場所にはダインスレイヴが来るって…もはや、世界の法則みたいになってるよな。
ダインスレイヴ:
今回来たのは、レインドットが姿を現すからというだけではない…
ダインスレイヴ:
この五百年にわたる苦しみ…俺に「不死の呪い」を下した元凶…ロノヴァの一件もまた、俺が足を運ぶには十分だ。
ダインスレイヴ:
さらに、エフティルヴィットが部下を通して俺に伝えてきたのだ。スネージナヤは、かつての「賢者」と対話する方法を掌握したと…
パイモン:
それはオイラが本当だって保証するぞ!
ダインスレイヴ:
テイワットから逃げ出したあの臆病者とは、じっくり話したいことが山ほどある。
旅人:
(あの時のフロプタチュールは、まだ何も知らなかったはずだと思うけど…)
パイモン:
なるほどな、おまえが来たのも納得だぞ…おまえって、元々ピエロとは親しかったのか?故郷は同じなわけだよな。
ダインスレイヴ:
顔見知りという程度だな。当時、王宮でいくらか接触があった。
ダインスレイヴ:
今回、エフティルヴィットは俺に「勝手な行動は控え、全力でロノヴァに対抗する」ことを望んでいる…ひとまずは、やつの顔を立ててやるとしよう。
ダインスレイヴ:
そうでなければ、俺の最初の目的地は、女皇の代わりにレインドットに会いに行くことになっていたはずだ。
ダインスレイヴ:
フン、そんなことは分かっている。今回はやつの言う通りにするさ。
ダインスレイヴ:
貴様たちはこれからどこへ向かうつもりだ?エフティルヴィットはどうした?
パイモン:
あいつは秘密の武器を研究してたはずだけど…完成したのかどうかはオイラたちも知らないんだ。とりあえず仲間のミティヤと合流するから、おまえも一緒に行こうぜ!
ミティヤと会話する
ヴォジャニーツァ:
…これで最後ね。これを運び終わったら終わりよ。
ミティヤ:
早かったな。みんな、ご苦労——ん?お前たち、何故ここに?
パイモン:
オイラたち、手伝いに来たんだ。ヴォジャニーツァも来てたんだな。
ヴォジャニーツァ:
しばらくぶりね、旅人、パイモン。元気そうじゃない。
ミティヤ:
僕のほうはもう手伝ってもらうことはないな。バレリーやヴェスナさんたち、軍の人たちもいるし…
ミティヤ:
「ロコット」の友達もこの辺りには詳しいみたいで、すぐに片付けてくれた。
パイモン:
へえ、今日はすっごく賑やかなんだな!
ヴォジャニーツァ:
はぁ…ミティヤ、ロコットの話題を出す時は、もう少し控えめにしてちょうだい。まるで公の組織みたいじゃない。
ミティヤ:
ははは、すまない。でも、スネージナヤ人はみんなあなたたちのことが好きだから、公開するのも悪くないと思うぞ。
ミティヤ:
それで、こちらの方は…
ミティヤ:
いや、僕に当てさせてくれ。この方は「道化」様の旧知の方だろう?ロノヴァに対抗するのを、手伝いに来てくれた…とか?
パイモン:
その通りだぞ!こいつはダインスレイヴで、五百年前のカーンルイア人なんだ。ダインの目を見てわかったのか?
ミティヤ:
初めまして、ダインスレイヴさん。目だけじゃない——「道化」様と同じ「不死の呪い」の気配を感じたんだ。
ミティヤ:
魂にロノヴァの印が刻まれてから、こういうことにも敏感になってな。
ヴォジャニーツァ:
初めまして。
ダインスレイヴ:
ああ、よろしく頼む。「道化」という名を聞くたび…あいつなどよりも俺のほうが、よほど己の運命を嘲笑う理由があると思わされる。
パイモン:
それで、おまえたちはスネージナヤ・グラードになにを運んでるんだ?
ミティヤ:
ああ、知らなかったのか。元々は機密だったのだが…今なら教えてもいいだろう。
ミティヤ:
この前の休暇中…ふとある方法を思いついたんだ。もしかすると、ロノヴァによる「テクノロジー制裁」を回避できるかもしれない。
ミティヤ:
劇場を新しい実験室に改造するんだ。
ミティヤ:
この荷物は全部新しく調達した設備だ。向こうに運び込みさえすれば、設置はすぐに終わる。
ヴォジャニーツァ:
上の人たちったら、あたしたちにお伺いも立てずに決めちゃったのよ。
ミティヤ:
すまないな、ヴォジャニーツァさん、ははっ。
ミティヤ:
先日の劇場での一件が証明したように、たとえ劇場内で死んだとしても、しばらくは魂が劇場に囚われて、地脈に還れない。
ミティヤ:
それなら、人数が十分に多ければ、たとえ劇場で「死の呪い」が発動したとしても、死後の世界で実験を完成させられるかもしれないだろう?
パイモン:
えっ!?し、死後の世界で実験を完成させる…?
ミティヤ:
僕の魂にはロノヴァの印が刻み込まれているから、死後の世界で起きたことも覚えていられるんだ。
ミティヤ:
実験が成功した暁には——僕さえいれば、研究結果を現実に持ち帰ることができる。
ミティヤ:
劇場の地脈の問題はずっと存在している。これほど短期間ではロノヴァも修復できないだろうから、いい機会だ。
ヴォジャニーツァ:
あたしも正直、疑っているのだわ…死後の世界はなんと言ってもロノヴァの縄張りだし、実験を妨害する手段くらい持っているのじゃないかしら?
パイモン:
おまえたちの研究のことはよくわかんないけど、死後の世界の結果が、現実世界でも通用するものなのか?
ミティヤ:
ふむ、どれも非常に合理的な疑問だ。どうだろうな、誰もこのプランが必ず成功するとは言い切れない。だが言い換えれば…
ミティヤ:
…ロノヴァだって、このプランが必ず失敗するとは確定しきれないはずだ。
ダインスレイヴ:
ロノヴァは失敗するほうに賭ける勇気などないだろう——そこに賭けるわけだな?
ミティヤ:
まあ、そんなところだな。僕たちに必要なのは、ロノヴァが放っておけないように仕向けること…
ロノヴァ:
わたしを困らせるのが、そんなに楽しいか?
旅人:
ロノヴァ!
パイモン:
——うわぁ!
ミティヤ:
チッ…こんなところで出てくるとは…予想より早かったな。ヴォジャニーツァさん、急いでバレリーとヴェスナさんを呼んできてくれ!それから「ロコット」は民衆を避難させるんだ!
旅人:
心配しないで、俺が守るから。
パイモン:
ありがとな!
ロノヴァと対峙する
少し前、女皇の招待に応じ、「生の執政」レインドットはスネージナヤパレスを訪れた…
ダニカ:
こちらへどうぞ、レインドット様。
レインドット:
ここまで来る道中、私に向けられる多くの視線に気づいたが、君のものだけは違った。君の目には「畏れ」がないな。
ダニカ:
あなた様がこの世界の「生の執政」であることは存じておりますが、今このスネージナヤパレスにおいては、あくまで「お客様」です。
ダニカ:
ホスト側のメイドとして、畏れるべきではありませんし、そうする必要もありません。
レインドット:
印象深いな——案内に感謝する。メイドさん、君は優秀だ。
レインドット:
ここからは、私と君の主人の時間だ。
アナスターシャ:
……
レインドット:
おはよう、女皇アナスターシャ。
レインドット:
ホストを称賛するのも礼儀の内だが——心から君の優雅さと美貌を讃えたい。
アナスターシャ:
約束を守ってくれたことに感謝するわ、レインドットさん。ご機嫌がよろしいようね。
レインドット:
ああ、この土地には至る所に、原始的で荒々しい自然の力が満ちあふれてる…
レインドット:
このような場所に築かれた文明からは、あらゆる所に命の力強い鼓動を感じられる。実に心地よいものだ。
アナスターシャ:
スネージナヤの民の運命に対する反抗への高い評価と受け取っておきましょう。どうぞお掛けになって。
レインドット:
…君は当時のカーンルイアの王宮に行ったことはあるかな?もちろん、災いの前の話だ。
アナスターシャ:
災いの後に、一度だけ行ったわ。
レインドット:
そうか。私は——個人的には、黒王の審美眼は君たちとは本当に大きくかけ離れてると思ってる。
レインドット:
この点だけでも、天理に「清算」の猶予を願い出てもいいくらいだ。
ナベリウス:
美的な領域なんて、文明の存続価値を決める時には大して考慮されないと思うけど。
レインドット:
愛しのナベリウス——君は今回の会合には参加する気がないと言ってた気がするが?勝手に出てきて、私の思考を邪魔しないでもらいたいね。
アナスターシャ:
その口ぶり…まるでスネージナヤがすでに滅亡を避けられない国であるかのようね。
レインドット:
そうかな?そうとは言ってないけど。
レインドット:
文明の滅亡を宣告する仕事は、他の者がやってくれる。そんな嫌な役回りに興味はない。
アナスターシャ:
そう。そろそろ本題に入りましょう。
レインドット:
もう本題に入るのか?それもいいだろう。君とはもっと話が合いそうだと思っていたんだが、想像していたよりも…ずっと自制的だな。
アナスターシャ:
「空の執政」アスモダイ——最近、彼女を目撃したわ。
アナスターシャ:
スネージナヤに侵入し、吹雪をもたらした未知の魔獣を討伐するため、出征した時のことよ…
アナスターシャ:
魔獣はどんどん手に負えなくなっていった。そしてついに…周辺に拡散した力に、部下たちは耐えられなくなってしまったわ。
レインドット:
興味深い生物だな。
アナスターシャ:
ついに、私は一人で奥へと進むしかなくなったわ。激しい吹雪のせいで、視界はひどいものだった。
アナスターシャ:
ようやく吹雪の中心部にたどり着き、魔獣の姿を確認した時…魔獣よりも手前に、二つの人影が立っていることに気がついたの。
アナスターシャ:
一人はフードを被っていて誰だか分からなかったけれど、もう一人は…間違いなくアスモダイだったわ。
レインドット:
アスモダイは確かに見間違える方が難しいが、フードを被った者というのは、一体誰だろうね。
アナスターシャ:
二人の会話が微かに聞こえたわ…
???:
「…確かに見届ける価値のあることだね。█████の結末——」
アナスターシャ:
その直後、私の存在に気づいたのか——アスモダイの空間の力で、二人は姿を消してしまった。
レインドット:
二人は「見届け」に来たと言ったのか?何を見届けるというんだ。魔獣の存在か、それとも死か?
レインドット:
その後は、君が直接その魔獣を殺したのか?
アナスターシャ:
ええ。自我はほとんどなかったわ。本能による抵抗が少しあった程度よ。
レインドット:
ふむ…非常に価値のある情報だ。その魔獣に、何か特殊なところでもあったのか…
レインドット:
天空の島がそれに対して特別な注意を払っていなかったのは確かだ。なにせ、君程度の魔神の力で斬り伏せられるなら、大した脅威ではないからね。
ナベリウス:
緊急連絡は届いてないわよ。普通なら、魔物の自然変異として処理されて終わるはずね。
レインドット:
謎だな。そのような魔獣の何が、アスモダイの興味を引いたのか…
レインドット:
そのフードを被った者が、まさか…アスモダイの「新たな主」なのか?
ナベリウス:
まだその考えを捨てていなかったの、レインドット。おおかたイスタロトの突飛な思いつきでしょう?彼女自身も覚えているかどうか。
レインドット:
こういうことは厳密に考えたい性質でね…この性格が、可能性を無視することを許してくれないんだ。
レインドット:
とにかく、新しい観点だ…まずは改めてその魔獣を調査してみよう。スネージナヤの女皇よ、感謝する。
アナスターシャ:
礼には及ばないわ、約束なのだから。
レインドット:
君が天理に取り入るために、自ら情報を提供したはずがないことは分かっている。
レインドット:
言ってくれ。君はどんな見返りが欲しい?何を知りたがっているんだ?
アナスターシャ:
天理の現在の状態と…天理がいつ目覚めるのかを教えてちょうだい。
レインドット:
これはこれは、ストレートだね。まるで君の本心を打ち明けられた気分だ。
ナベリウス:
今日の面会はここで終わりにしたほうがいいわ、レインドット。
レインドット:
同意見だ、ナベリウス。
レインドット:
悪いが、女皇よ…立場を考えると、その発言はいささか理解しかねる。返答は控えさせてもらうよ。
レインドット:
互いの体面を保つためにも、今日はここでお終いにしよう。
アナスターシャ:
いいでしょう…あなたの意志を尊重するわ。私は間違った期待を抱いていたようね。
アナスターシャ:
絶対的な力を持つ天空の島に…相手を尊重するという考えなどないようだもの。アスモダイの情報は、私からあなたたちへの贈り物ということでいいわ。
ナベリウス:
「尊重」?
レインドット:
「尊重」?
アナスターシャ:
おかしなことを言ったかしら?情報という点においても、あなたたちのスネージナヤへの態度は、想像以上に慎重なようね。
レインドット:
巧妙な挑発とは言いがたいね。まさか君は、今私がここを去ることは、天空の島がスネージナヤを相手として認めたと宣言するに等しい、とでも言いたいのかい?
アナスターシャ:
ここに残って、私と一緒にお茶を飲み終えるという選択だってできるでしょう?
レインドット:
君はどう思う、ナベリウス?
ナベリウス:
彼女の発言には反感を覚えるけど…考えてみれば、さっきのあたしたちの態度は確かに、少し余裕に欠けていたかもしれないわね。
レインドット:
いいだろう。では——個人的な意思から、客としての礼儀を尽くし、このまま座って君とお茶をいただくことにしよう。
レインドット:
同じく個人的な意思から、君の質問に答えないという選択も取れそうだ。別の話をするのはどうだろう。
アナスターシャ:
どうぞ。
レインドット:
君自身の過去について…今はどこまで知ってる?
アナスターシャ:
その質問には答えられないわ。天理が私の記憶を「操作」して以来…自分の記憶を信用しなくなって久しいの。
アナスターシャ:
あなたが言っているのが、私が無理やり「忘れ」させられた部分のことなら、ツァーリ・ベールイが一度話してくれたことがあるわ…
アナスターシャ:
でも、まるで他人の話のようで、現実味は全く感じられなかった。それに…ツァーリ・ベールイのことも信頼しているとは言えないわ。
レインドット:
実際のところ、状況は君が思ってるほど悪くないのかもしれないよ。
レインドット:
なにせ、天理がかつて君の脳裏から消し去ったのは…「第三降臨者」と、彼に関するすべての記憶だけだ。
レインドット:
記憶を消されたのは君だけじゃない。あの時、天理は世界樹を通じて、第三降臨者がこの世界に存在した痕跡を徹底的に消し去ったんだ…
レインドット:
「闇域」に身を隠したツァーリ・ベールイだけが、彼に関する記憶をいくらか留めている。彼が君に話したことは真実だろう。
アナスターシャ:
その過去が真実であろうとなかろうと、あの利己的な天理が存在する限り、私は今を生きることだけを選ぶわ。
レインドット:
ほう?そうか…なら、私の見解を聞いてみないか?
レインドット:
私はかつて天空の島で、第三降臨者の事件に関する記録を調べたことがあるんだ——なかなか興味深かったよ。
アナスターシャ:
いいわ。他人の口から語られる自分の物語を聞きながらお茶を飲むというのも、なかなか得難い体験ね。
ナベリウス:
念のために言わせてもらうけど、その話って…公にするには適切ではないかもしれないわよ。
レインドット:
情報をただでもらうのは気が引ける…ささやかなお返しだとでも思ってくれ。たまには目をつぶってくれてもいいだろう?
レインドット:
話を始める前に、カーンルイア人である私は、まず君に敬意を表するべきだろう…「カーンルイアの母」よ。
レインドット:
カーンルイア人は君と第三降臨者の血脈の融合によって誕生した…君もすでに知っての通りだ。
アナスターシャ:
ええ。でもその部分の記憶は欠落していて、そのことを知ったのはずっと後になってからだったわ…あなたたちとどう向き合えばいいのか、ずっと分からないでいる…
レインドット:
君のせいではないさ。私も一人の「母」だから、よく分かる。
レインドット:
母の愛は本能だけど…その本能は「自身が母親だと告げられた」時にすぐ芽生えるわけじゃない。
レインドット:
まして…魔神として、君の愛はすでに天理によって歪められてる。
レインドット:
愛するべき者を愛することは許されず…残されたのは天理から与えられた愛だけだ。
レインドット:
つまり…カーンルイア人は不幸にも、君の愛を失ってしまった。そしてその不幸は、あの出来事から始まった…
レインドット:
あの日、ツァーリ・ベールイに唆されて、宮廷伝令使だった君は、第三降臨者と共に「アビス」の門を開いた。
レインドット:
その後、千年にわたる数々のアビスの災禍は、すべてこの行いが引き起こしたものだ。
レインドット:
間違いなく、テイワットにおいてこれは許されざる罪だ。しかし——その責任を問われる者がいるとすれば、それはツァーリ・ベールイであるべきだろう。
レインドット:
だが、当時の天理はそこまでを考慮せず、見せしめとして真っ先に君の存在を抹消した。
レインドット:
一方、ツァーリ・ベールイは闇域に逃げ込んで難を逃れ…その後、深く追及されることもなかった。
レインドット:
第三降臨者は天空の島に登り、天理と交渉した。自らの命と引き換えに、君を取り戻そうとしたんだ。
レインドット:
彼の体質はテイワットの「人界の力」と極めて親和性が高く、それら元素の力を増幅させることすらできた。それが第三降臨者にとって、交渉の切り札となった。
レインドット:
天理は君を復活させることを承諾した。そして天理は——第三降臨者の子孫、すなわち後のカーンルイア人に永遠に手を出さないと約束する代わりに…
レインドット:
彼の亡骸を七つに解体し、天理が構築した支配体系を強固にするために使うことを求め、彼は甘んじて受け入れた。
アナスターシャ:
甘いわね。絶対的な上位者と交渉し、約束を取り付けたところで——空手形に終わるだけよ。
レインドット:
だが、第三降臨者も彼なりの手立てを講じてた——天理に呪いをかけたんだ。天理が約束を破れば、発動する呪いをね。
レインドット:
そこで天理もさらなる交渉に出た。君を復活させるのは良いが、彼に関するすべてを忘れさせること——
レインドット:
結局のところ、彼の力と、彼がもたらした知識、彼の最後の行いのすべてが、天理の目には危険なものとして映った。不安要素はすべて排除しなければならなかったんだ。
アナスターシャ:
つまり、天理が眠りについたのは、まさにその後のカーンルイアの災厄が第三降臨者の呪いを発動させたから…ということなのね?
アナスターシャ:
ようやく、天理の状態が分かったわ。答えてくれてありがとう。
レインドット:
答えた?いやいや、私はただ物語を語っただけさ。しかも、君についての物語をね。礼には及ばないよ。
レインドット:
それにしても…少し驚いたよ。君が注目しているのが相変わらず天理であり、第三降臨者が君のために払った犠牲ではないことにね。
アナスターシャ:
言ったはずよ、私はただ今を生きているの。
ロノヴァと対峙する
旅人:
心配しないで、俺が守るから。
パイモン:
ありがとな!
ロノヴァ:
ほう?どういうつもりだ——戦闘の準備か?
ロノヴァ:
きみたちはまさか、本気で…正面からわたしに対抗できるとでも思ってるのか?
ダインスレイヴ:
神も虚勢を張るのが好きなものなのか?
ロノヴァ:
ふっ、もともとは研究員を何人か罰し、きみたちを懲らしめたら去るつもりだったが。
ロノヴァ:
それなら、一段上の…神罰を下すとしよう。
戦闘態勢の一同を前に、ロノヴァは「神罰」を下そうとした。彼女は驚異的な一撃を放ち、ザーリャ駅を審判の戦場へと作り変えた。
ロノヴァと対峙する
旅人:
(ふぅ…現実に戻ってきたみたい…)
旅人:
(みんな…)
ロノヴァ:
…もう「戻ってきた」のか?すっかり死に適応してしまったらしい…
ロノヴァ:
よくないな…真剣に考えないと——次にきみを殺す時は、肉体ごと完全に破壊してしまおうか。
旅人:
……
旅人:
(きっと今が、あの時「道化」が言ってた俺の「任務」を始める時…)
「道化」:
具体的にすべきことだが…
「道化」:
…陛下が「生の執政」とお会いになる日、ミティヤが複数の設備をザーリャ駅からスネージナヤ・グラードへと運ぶ手はずとなっている。
「道化」:
そなたはただ、時機を待て。そしてロノヴァが姿を現し、すべての者を殺したら…彼女を足止めし、その場に留めてくれ。
パイモン:
それだけか?そんなに簡単なのかよ?
ロノヴァ:
——わたしの話を聞いてるのか?
旅人:
俺を殺しておいて、話し相手になってほしいっていうの?
ロノヴァ:
ふん、いけ好かないやつだ。天理がなぜきみのような「降臨者」を重視するのか、まったく理解できないな。
ロノヴァ:
だが、きみは少し大人しくしておくことだな。天理の寛容も、わたしの寛容も、限度がないわけじゃない。
ロノヴァ:
先例はすでに目の前にあるだろう?第三降臨者の遺骨は、もう何百年も魔神たちに弄ばれてる…
ロノヴァ:
わたしがきみなら、自分が迎えるかもしれない結末をよく想像して、慎重に生きるか、あるいはここから立ち去ることを選ぶだろう。
旅人:
俺が君なら、そんな風に生きる価値があるのか、よく考えるだろうな。
旅人:
一見すると高いところから人々の運命を左右して、数多くの規則を司ってるように見えるけど…
旅人:
実際は、君を縛る規則のほうが遥かに多い。やりたいこともできないなんてね。
ロノヴァ:
……
ロノヴァ:
本当に、きみたちを完全に殺す術がないとでも思ってるのか?
ロノヴァ:
アスモダイが戻るのを待ち、「四つの影」が揃って権限の開放をすれば…あるいは、より直接的な「断罪」の証明を見つけ出せば済む話だ…
ロノヴァ:
もっと単純に、天理が目覚めるのを待ってもいい…
ロノヴァ:
スネージナヤという文明は、はるか昔から命を絶たれかけていた。今やきみも紛うことなき共犯だ…わたしがきみを庇うことはない。
旅人:
なんだ、今すぐどうこう出来るわけじゃないんだ?
旅人:
同じ天空の島の創造物でも、君よりパイモンのほうがずっと立派だ。
旅人:
君はパイモンには力も権能もないと言って…まるで「物」を回収するみたいに、あの子を回収しようとしたけど——
旅人:
パイモンはこれまで、大勢の人々に見守られながら、俺たちの旅を導いてくれた。そして、それはいつの間にか多くの人の運命に影響を与えてきたんだ。
旅人:
これは人と人——命を持つ者同士の間にしか存在しない絆だ。パイモンも、自分の運命を紡いできた。
旅人:
物や道具というなら…君のほうこそ、よっぽどそれらしい。
旅人:
君は自分自身の自由すら手にしたことがないのに、天理が人を拘束するための枷として使われてるんだ。
ロノヴァ:
……
旅人:
(ちょっと言い過ぎたかな…ただの足止めのつもりが、パイモンのことを考えたらつい…)
ロノヴァ:
きみたちはもうずいぶん痛い目を見たはずだから、今回はこのくらいにしようと思っていたが…
ロノヴァ:
…気が変わった。
ロノヴァ:
天理がきみたちの完全なる死を許さない以上、わたしもきみたちを殺す必要はない。
ロノヴァ:
死は安息だ。生きてこそ、果てしない苦痛を味わえる。この点において…わたしにはいくらでも手段がある。
ロノヴァ:
きみたちには天理を恨んでもらおう。なぜ殺すことを許さなかったのだ——とな。
旅人:
(…まずい、逃げ道がなくなった。)
ロノヴァ:
そろそろだな…あとはレインドットがきみたちを復活させるのを待つだけ…
旅人:
……
ロノヴァ:
…ん?
ロノヴァ:
…どういうことだ。なぜ復活が始まらない?
ロノヴァと対峙する
レインドット:
…なるほど、君の天理に対する敵意は、過去の恨みというより、スネージナヤの理想と未来のためというわけか…
レインドット:
カーンルイアは君のような「母」を持てたことを、誇りに思うべきだろう——残念ながら、もう存在しないけどね。
アナスターシャ:
……
レインドット:
どうした?調子が悪そうだ。
レインドット:
私と話すと気分が悪くなるか?「生の執政」としての威圧は、収めたつもりだが。
レインドット:
そういえば、君に聞こうと思っていた…こんなところへ私を招いて、お茶を飲んでいていいのかな?
レインドット:
スネージナヤの精鋭や、呼び寄せた「助っ人」は…今ごろ命懸けでロノヴァと対抗してるんじゃないか?
レインドット:
今や六つの神の心を手に入れた君なら、全力で参戦すれば…
レインドット:
勝利の可能性をゼロから一万分の一にまで引き上げられるかもしれないよ?
アナスターシャ:
いいえ、あなたと話すほうがずっと重要だわ。
レインドット:
まあ、好きにすればいい。
レインドット:
ロノヴァの相手をせずに済むのは、誰にとっても幸運なことだろう。
レインドット:
あんな風だから仕事熱心に見えるかもしれないが——本質的には自由気ままな女だ。
レインドット:
ちょうどさっきも、彼女がまた大殺戮を繰り広げてるのを感知した…君が賭けた武装勢力は、おそらくすでに全員、「一度死んでる」はずだ。
レインドット:
さて…楽しいおしゃべりはここまでにしよう。私もそろそろ、わがままな同僚のために「後片付け」をしないとね…
レインドット:
ん?
レインドット:
ほう…時間の流れが…
復活が予定通りに進んでいないことを察知し、原因を確かめるべく、立ち去ろうとするロノヴァ。しかし、ダインスレイヴ、そして「道化」と共に渾身の力を振り絞ってそれを阻止する。最終的に、ロノヴァの権能は天空の島に回収されたのだった。一方、スネージナヤパレスでは、六つの神の心を手にした氷の女皇が、レインドットの周囲の時空に手を加えたことが、すべての根源であったことが明かされる…
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レインドット:
天理の「監視周期」のことまで、調べ上げていたのか?天空の島は確かに、君たちの反逆心を過小評価してたようだな。
レインドット:
同様に、第三降臨者の遺骨の増幅効果のことも見くびってたらしい…
レインドット:
氷元素を用いて時間と空間に影響を与え、狭い範囲内で世界の運行規則を書き換える…明らかに、魔神の持ち得る力ではない。
アナスターシャ:
「神の心」は一部の役割を果たしたにすぎないわ。長い歳月を経てきた私自身の悟りがあってこそよ。
レインドット:
たかが「魔神」が…これほどの境地に達するとは。
レインドット:
つまり、君のその常識を超えた氷元素力の影響で、私たちがいるこの空間の中は、時間の流れる速度が外界よりも明らかに遅い…
レインドット:
言い換えれば、私が何の緊張感もなく、のんびり君と話してた間にも…外の時間は急速に過ぎ去ってたわけか。
レインドット:
「周期」を回避するためにロノヴァと約束していた「復活」の時間も、気づかないうちに過ぎてしまった…
ナベリウス:
ロノヴァの状況はよくなさそうね。「死の権能」はおそらく、すでに回収されているはずよ。
アナスターシャ:
振り返っても意味はないわ。この手の策が一度しか通用しないことは分かっているもの。
アナスターシャ:
さあ、ロノヴァに殺された人々を復活させていいわよ。それは今もあなたの責務なのでしょう?
レインドット:
その通りだ。天空の島が今回の件の観測を始めた時から、すでに処理案は提示されてた。
レインドット:
今この瞬間にも、天空の島からの指令が私の脳内に響き渡り、ロノヴァの過ちを埋め合わせるために権能を行使するよう要求してきてる。
レインドット:
君はここまで読んでたのか?
アナスターシャ:
私はただ、「捨て駒」の出る戦術を好まないだけよ。
レインドット:
いいだろう——お望み通りに。
レインドット:
さて、女皇アナスターシャ。こんな状況になった今、私はどうすると思う?
ナベリウス:
残念ながら、このような「反逆」行為は天空の島に判定されることはなく、「断罪の釘」を下す基準にも到底達しないわ。
ナベリウス:
けれど…彼女個人の話をするなら、先ほどの権能の逸脱行為だけでも、「懲戒」の理由としては十分よね。
アナスターシャ:
……
レインドット:
……
ナベリウス:
レインドット?
レインドット:
…ふふ、そんなに緊張しないでくれ。冗談さ。
レインドット:
ロノヴァが罰を受けたばかりだし、私とナベリウスもいわば「共犯」と言えるからね。今は天空の島から厳しく見張られてる。
レインドット:
「生の権能」まで回収されたくはない。
ナベリウス:
…なぜそんな言い訳を?本当に氷の魔神を見逃すつもり?
レインドット:
ついでに言わせてもらうと、君の度胸と知略を高く評価するよ——尊敬に値する「相手」だ。
レインドット:
今日はここまでにしよう。これ以上邪魔をしては、ホストを困らせてしまうからね。
アナスターシャ:
おもてなしが行き届かず、申し訳ないことだわ。
レインドット:
「生の執政」という身分はさておき…「魔女R」、あるいはカーンルイアの「黄金」の立場から言えば——
レインドット:
スネージナヤはもしかすると本当に、何かしらの大きな事を成し遂げられるのではないかと、そう思い始めてるよ。
ナベリウス:
ちょっと、異議ありよ!スネージナヤはこの件以降、間違いなくエスカレートするはずだわ…
レインドット:
ん…?なんて言った、ナベリウス?通信状況があまり良くないらしい。
ナベリウス:
はぁ…あなたという「魔女」は…
ロノヴァと対峙する
ロノヴァ:
権能が…きみたち、最初から——
ミティヤ:
現実に戻ったのか…どうだ、もしかして…成功したのか?
「道化」:
戻ったなら戦闘に備えておけ。このままおとなしく引き下がるはずがあるまい。
「道化」:
最も厄介な「死の権能」を失ったとはいえ、ロノヴァ自身の実力が衰えることはないだろう。
ロノヴァ:
わけがわからない…事の是非もたださず…奪い去るとは…
ロノヴァ:
まあいい、どのみち「束縛」にはうんざりしてた…これでようやく、思う存分死をもたらせる。
ロノヴァ:
きみたちが一時的に目的を果たしたことは認めよう…だが、わたしの枷を外した代償に、耐えきれるかな。
権能を失ったロノヴァを倒す
権能を失ったとはいえ、ロノヴァは依然として四つの影の実力を備えており、全力を尽くして戦う覚悟を固めている。戦況はますます熾烈を極め、ついに最終局面へと突入しようとしていた…
戦友たちと話す
ダインスレイヴと協力しての牽制が功を奏し、「道化」の魂と命を燃やした一撃がロノヴァに命中した。煙が晴れた時、そこにロノヴァの姿はなかった。間違いなく、こちらの勝利と言えるはずだ…
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パイモン:
お、終わったのか?ロノヴァは…死んだのか?
ヴォジャニーツァ:
死の執政も…死ぬの?
「道化」:
あやつの権能が天空の島に回収された時点で、スネージナヤはすでに目的を達成していた…
「道化」:
この局面に至ったのは、必然のことだ。
「道化」:
もしかすると、「不死の呪い」が下されたその時から、死ぬまで絶たれることのない因縁となることは定められていたのかもしれない。
ミティヤ:
これでスネージナヤのテクノロジー制裁は解除されたな。ようやく「ヤドリギ計画」を進められる。
ミティヤ:
もし死の執政を倒すことが計画に必要な一環になるって最初から知っていたら…僕は参加について、もう少し慎重に考えていただろうな。
ダインスレイヴ:
最後の一撃で、やつを完全に仕留めたという確信はあるか?
「道化」:
あやつが我らの察知できぬ何らかの手段を用いて、戦場から逃れていない限りは…
「道化」:
だがたとえ逃げられていたとしても、取り返しがつかぬほどの重傷を負わせたはずだ。
「道化」:
いずれにせよ、今後は報復に警戒せねばなるまい…
「道化」:
神との対抗において、運命の全貌を見通すことのできる者などいない。
パイモンと会話する
パイモン:
…ふう、終わった終わった。女皇に会う前はちょっと緊張してたけど、振り返ってみると…
パイモン:
なんか公開表彰式って感じだったな。オイラたち、目立ちまくってたぜ!
パイモン:
へへっ、実際は女皇自身の手柄が一番大きいと思うぞ。
パイモン:
オイラたちはみんなでロノヴァを相手にしてたけど、女皇は一人でレインドットをなんとかしたんだもんな。女皇も誰かに表彰されてほしいぜ。
パイモン:
オ、オイラには無理だぞ!だいたい…オイラって天空の島のスパイだって疑われてるかもしれないし…
パイモン:
へへっ!これからもおまえについていくぜ!
パイモン:
あっ、ダインだ。宮殿にいた時から言いたかったんだけどさ、まさかあいつがこういう場に来るなんて思わなかったぜ…ダイン!
ダインスレイヴ:
どうした、何か用か?
パイモン:
なんでそんなに急いでるんだよ、どこに行くんだ?
ダインスレイヴ:
ただ早く立ち去りたいだけだ。こういう場はどうにも居心地が悪い。
パイモン:
居心地が悪いなら、なんで来たんだ?正直、おまえが女皇に会いに来るなんて、全然思ってなかったぞ。
ダインスレイヴ:
彼女は別だ。ただ謁見するだけなら、「カーンルイアの母」の顔を立てないわけにはいかない。
パイモン:
ふーん…「母」って、世界で一番偉い身分みたいだな。
パイモン:
そういえば、ピエロは約束を守ったのか?おまえ、「賢者」に会いに行ったか?
ダインスレイヴ:
ああ、会ったが…少し失望したな。
ダインスレイヴ:
あの若い「賢者」の最大の価値は、せいぜい昔話ができることくらいのものだろう。やつはまだ、カーンルイアの闇に全く触れていないのだから…
ダインスレイヴ:
エフティルヴィットのやつは、手元の仕事をやつのところへ持ち込んで議論することに熱中しているがな。
ダインスレイヴ:
…やつは俺が思っていたよりも、過去のわだかまりを気にしていないらしい。
ダインスレイヴ:
まあ、それも「摩耗」への抵抗かもしれん。
ダインスレイヴ:
ロノヴァとの一戦で、やつは精神と魂を消耗しすぎた。
ダインスレイヴ:
あれほど強大な力を制御するには、不可逆的な代償を払うほかない。
パイモン:
それで今日はあいつを見かけてないのか。確かにゆっくり休んだほうがいいよな。
ダインスレイヴ:
なんにせよ——スネージナヤにとって、今回は大勝と言っていいだろう…なにせ相手は、あの「死の執政」ロノヴァだ。
ダインスレイヴ:
五百年前、災いの中でカーンルイア人がやつを見上げた時、誰もがあれを「触れることすら叶わぬ神」だと思っていた。
ダインスレイヴ:
ああ。だが確かなのは——それが平穏な時代ではないことだ。
その頃、スネージナヤの別の場所では…
「死の執政」たるロノヴァは、初めて「死」が迫りくるのをその身で感じた。弱り果てた彼女は「地源の胚」とスネージナヤの「断罪の釘」を融合させ、聖土化と共に「死」の感覚をテイワット全土にもたらそうと企てた。
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