arrow_back 原神 クエスト
空月の歌 第十幕

千尋の道、因果の異滅


幽暗の時
スメールは思っていたよりも危うい状況にあるようだ。あらゆる事態に対処すべく、人々は知恵と力を集結する——
研究員の到着を待つ
トート:
お前たちが、アアルを改造する教令院の代表か?
カーヴェ:
はい。初めまして、僕はカーヴェ。こちらは、テルメジとナイサブーリーです…おい、アルハイゼン、君も挨拶くらいしろ…
アルハイゼン:
初めましてではないだろう。トキの王トートには、皆会ったことがある…久しぶりだな。
カーヴェ:
このお二人には、壁画でしか会ったことがないだろう!
トート:
神殿の壁画のことか!吾輩たちが談笑したり、カードゲームや盤上ゲームをしたりしている場面のものだな。まあ、吾輩たちはそういったものを好むのだ。
ソベク:
盤上ゲームが好きなのはお前だけだろう!俺たちは付き合わされてただけだぞ!
ヘリシャフ:
そうとも言えないぞ。
アルハイゼン:
話を戻そう。現時点における教令院の分析では、この計画は古代文字解読、機械工学、古代遺跡の修復、元素学など、多方面の人材が必要となる。
アルハイゼン:
そしてこの場にいるのは、それぞれの分野で最も腕の立つ者たちだ。異論がなければ、このまま作業に取り掛からせてもらう。
ベンヌ:
これは、かつて神王アフマルのためにアアルを築いた職人たちが、自らの部下と共に心血と命を注ぎ込んだ傑作です。貴方たちも、彼らと同等の敬意と献身を示さなければなりません。
アルハイゼン:
そうなのか?俺たちは当然最善を尽くすが、命まで差し出す気はない。
ベンヌ:
なんと無礼な!神王への敬意が、時を経てこれほど薄れているとは…
カーヴェ:
ち、違います!彼はそういうつもりで言ったのでは…敬意と献身を示します。ただ、表現の仕方が異なるだけで…
アルハイゼン:
他人からの期待値のコントロールは重要だ。
カーヴェ:
失礼な発言の数々、お詫びします。ですが、確かに僕たちは伝説のように、計画の完了とともに命を差し出すわけにはいきません。
カーヴェ:
これが計画書の初版です。ご確認いただけますか?他にもご要望があれば、どうぞ仰ってください。
カーヴェ:
普段であればもっと美しい見た目に仕上げられるのですが、今回は緊急事態ということもあり…多少の不備はご容赦いただければと。
ヘリシャフ:
無論だ。
ベンヌ:
ふん…皆がこの軽薄な敬意を受け入れるというのでしたら、私も方案への同意を検討しましょう。
トート:
今さらアフマルを立てて何になる?こやつらの好きにさせてもいいだろう。いずれ、この若者たちの世話になるかもしれないのだぞ。
ソベク:
確かにそうだ!
ベンヌ:
……
ベンヌ:
これがアアルの操作機構です。改めて警告しますが、くれぐれも慎重に扱うように。
カーヴェ:
ありがとうございます。必ず細心の注意を払います。
ソベク:
誅罰を下したいなら好きにすればいいが…お互い、アアルの一部は人間にしか操作できないことは知っているだろう。
ベンヌ:
神王は確かに人間に希望を抱いています。ですが、アアルがそのように設計されているのは…人間に対する信頼というより、貴方たち三人に対する警戒でしょう。
カーヴェ:
(そうだったのか?それなら、アアルを建設する職人がいたのも頷ける…偉業を成し遂げるには、やはり人間の助けが必要だったんだな。)
ヘリシャフ:
その通り。
カーヴェ:
なぁ…あの羊の王、ずっと同僚を適当にあしらってないか?
アルハイゼン:
彼は言葉を巧みに操れるからこそ、宰相の中の宰相になれたんだろう。つまり、アフマルの人を見る目がなかったという噂は事実ではなかったようだ。
カーヴェ:
おい…それは、僕がひどい目に遭うのは話術に劣るせいで、君がうまくやれてるのは話術に長けてるからって言いたいのか?
アルハイゼン:
気のせいだ。何でも自分に当てはめて考えようとするのは、良い癖とは言えないな。
カーヴェ:
君ってやつは…!はぁ、君と一緒に作業するとこうなるだろうとは思っていたさ…どいてくれ、操作盤を見るから…
アルハイゼン:
それの起動は君の仕事だ。始めてくれ。
アルハイゼン:
各々計画書の手順に従い、外部検証と準備を進めてほしい。
トート:
若者たちよ、ごきげんよう。
テルメジ:
わっ!生きてるトキの王だ!
トート:
失礼な!「生きてる」とはどういうことだ、吾輩は元々生きているぞ!
ナイサブーリー:
あ、あの、研究を始めてもいいとおっしゃいましたよね…まさか、まだ何かご懸念が?
トート:
方案には目を通した。この偉大な端末にあれこれ手を加えるようだが、随分と自信があるのだな。
カーヴェ:
自信があるというわけでもないのですが…一刻を争う今、ただ死を待つよりかは、僕たちにできることをやるべきだと思うのです。
トート:
お前たちは優れた学者だと聞いたが、アアルとアーカーシャに、深い関係があることは知っているか?
ナイサブーリー:
アアルとアーカーシャの関係…ですか?
テルメジ:
アーカーシャは、教令院が有する最高峰の技術の結晶ではないのですか?人々が知識を得るのを助けるために、遥か昔に草神様が創られたものですよね?
トート:
お前たちも知らないのか?
カーヴェ:
君が説明してくれ。あの説明書、読んだんだろ?
トート:
説明書?アーカーシャに説明書があるのか?草神様は随分と親切で気が利くのだな。
アルハイゼン:
前に、知恵の殿堂の一番隅にある本棚に並べてあったな。あまり読まれた形跡はなかったが。
アルハイゼン:
あれに書かれていたことが事実なら、アーカーシャシステムは「アアル」から着想を得たらしい。
ナイサブーリー:
ええっ!?ですが、アアル自体に関する記録はほとんどないんですよ。砂漠の学術調査で得られた成果も、基本的には無関係のものばかりですし…
トート:
知らなくても無理はない。砂漠の物語はたくさん聞いているだろう?しかし同時に、歴史にとって最も重要なものは何か…因論派の者はいるか?答えてみろ。
テルメジ:
はい、因論派です。えっと、真実性…でしょうか。
トート:
正解だ。そして真実性の大部分は、事象が発生した順序によって決まる。
トート:
まあ、これくらいなら教えてやろう——太古の昔、花神ナブ・マリカッタがスメールに降臨した。彼女は天空の栄光を纏って、この地に活気とオアシス、そして知識をもたらしたのだ。
トート:
それだけでなく、偉大なる女主人はジンニーを創造し、啓示を与え、自らに服従させた。そして、同様にこの知恵に満ちた地を歩んでいた二柱の魔神と、大樹の下で出会う。
トート:
それが最初で最も偉大なる同盟となったのだ。時間と命を超越した、この「三王の盟約」を語る時は、最大限の敬意を払わなければならない。神々は、知恵はスメールで共有されるべきものであると約束したのだ。
トート:
スメールを変える存在があるとすれば、それは花神様と深く関わっているはず。彼女は神王のために天空の島の秘密を覗くことさえ厭わず、それゆえに怒りの炎に焼かれ、灰と化したのだ。
トート:
花神様の死を嘆き悲しんだ神王は、政務も手につかなくなり、彼女が持ち帰った知識に没頭した。天上の浮島からもたらされた技術が、神王による「アアル」の構想を支えたのだ。
トート:
つまり、アーカーシャはアアルから生まれ、そのアアルの根源は天空の島の技術にある。
カーヴェ:
なら…アーカーシャとアアルの技術には、本質的に共通点があり…それぞれを接続する構想は、確実に実現可能ということですね?
トート:
まったく…お前は天空の技術に対する敬意を、これっぽっちも持ち合わせておらぬのか!
カーヴェ:
敬意がないわけじゃないんです、余裕がないだけなんです!僕たちに残された時間は、あと僅かなんですよ!
アルハイゼン:
不満なら、君がやればいい。
カーヴェ:
一日に五つもプランをひねり出さないといけない日々なんて、経験したことありませんよね!?はぁ、経験しないほうがいいですよ…
テルメジ:
そうですよ。そもそもトキの王ご自身が参加するつもりなんて、ありませんよね?
ナイサブーリー:
ただ解説…というか、経験談を語りに来ただけでしょうか…?
トート:
あっはっは…もちろん、吾輩はそんな面倒事なぞまっぴらごめんだ。
テルメジ:
ですが、アアルがそこまですごいものなら…なぜキングデシェレト様は、それをもっと有効活用しなかったのでしょうか?
トート:
それは、アアルが完成しなかったからだ…神王の渇望虚しく、その完成を見届けることは叶わなかった。
トート:
当初の神王の願いは、世界に匹敵するものを創造することであり、その願いのために花の女主人はすべてを捧げたのだ。
トート:
彼が望めば、彼女は授ける。知識はこうして世にもたらされた。神王は、その勇気と犠牲に最も美しい墓碑を捧げられないことを、最大の不義とした。
トート:
知識と技術によって築かれ、犠牲と勇敢なる愛が刻まれた碑であれば…たとえ未完成であっても、それは大事に残されるべきであるのだ。
トート:
神王は、草の王にこう告げた——
トート:
「我らは永遠の盟約を交わしている。故に我が汝の敵となることは決してない。つまり、汝はこの天上より賜りし知恵の果実を呑み込むまでもない。」
トート:
「我の力は、知恵の敵と成り得るほど強大だ。しかし、汝と彼女は我に多くを教え、善き心を与えた…その恩に報いるため、我も汝らを丁重に扱おう。」
トート:
結局、アアルは魂の一部を蓄えるために使われただけであった。それは、王の心に秘められた理想の雛形でしかない…王がアアルに抱いた究極の望みは、すべてを賭してでも彼女が生きていた過去へと戻ることだったのだ。
アルハイゼン:
つまり、アフマルは強大な力と先見の明を持っていたが、花神と草神への情ゆえに、多くの横暴な行いをやめたと言いたいのか?
アルハイゼン:
彼が踏みとどまったのは優しさとも言えるが、魔神の情による束縛とも言える。そもそも、三王の盟約の根幹が「情」にあるわけだが。
カーヴェ:
…だからこそ、アアルは牢獄でもあり、記念碑でもあるんだね。そして三つの質問の答えは、時間…
トート:
人と人の出会いとは、厄運の始まり——それは神にとっても同じことなのだろうな。
トート:
愛もまた然り…牢獄であり、碑でもあるのだ。
トート:
さて、話はこれくらいにしておこう。お前たちの必死さに免じて、少しは協力してやろう。
トート:
これを主に担当するのは誰だ?お前たち二人だったか?
カーヴェ:
ええ、僕たちです。
トート:
では、目を閉じるのだ…
トート:
「知恵とは、有形無形の間に隠れ潜むもの。知恵とは、最も単純な媒体を通じて、交流しえぬ情報を伝えるもの。」
トート:
「神王の力により、汝らに有無の狭間に隠されし秘密を垣間見せよう。」
カーヴェ:
これは…仕掛けが現れた?
アルハイゼン:
どちらかといえば情報の外在化に近い…君が可視化処理をしたのか?
トート:
アーカーシャがお前たちにより多くの知識を覗かせていたように、神王の力もまた、本来この世に属さない精巧な物事を、人に「見せて」いたのだ。
トート:
これはただの仕掛けではない。アアルの内部構造に対応している。
トート:
増やすか減らすか、去るか留まるか。さあ、それらを頼りに、お前たちの望む結果を導き出すといい。
カーヴェ:
うーん、見たところ何かの装置のようだけど…念のため、僕が行こう…ところで、どこから上に行くんだ…
アルハイゼン:
あっちだ。
カーヴェ:
ああ、あそこか!
石碑を調べる
カーヴェ:
オベリスクは古代の砂漠において、重要な情報を記録するための媒体だ…アルハイゼン、解読を任せていいか?
カーヴェ:
君の画面に送ったよ。見えるかい?
アルハイゼン:
少しぼやけているが、問題ない。
カーヴェ:
何が書いてあるか教えてくれ。それと、今後似たようなのがあったら、直接そっちに送るから。
アルハイゼン:
まずはこの石碑から見ていこう。古代文字の変体か…「黄砂のための詩文をここに刻む」とあるな。
アルハイゼン:
キングデシェレトの時代の人や物事に関する情報といったところか。
ソベク:
それは削除してくれ。
トート:
ははっ…ただの無意味な文字の寄せ集めだからな。そんなものがアアルに記録されていたとは。
アルハイゼン:
君たちがこれを個人的なものだと断定できるなら、そうしよう。
ヘリシャフ:
ああ、気にする必要はない。
カーヴェ:
じゃ…じゃあ、削除しますね。
石碑を調べる
カーヴェ:
ここにもまだいくつかある。送ったよ。
アルハイゼン:
…どれも、古都ジュラバド周辺で発生した紛争に関する報告だな。
カーヴェ:
削除してもいいのかな?
アルハイゼン:
ほとんどすでに記録されている内容だ。削除しよう。
カーヴェ:
もし、この中に因論派が見落としていた内容があって、後日責任を追及されたらどうするんだ?
アルハイゼン:
気にしなくていい。目の前の問題を解決しない限り、教令院にも因論派にも「後日」なんてやってこないからな。
カーヴェ:
そ、それもそうだね。よし、処理したよ。
カーヴェ:
近くにまだ似たような形の石碑があるから、見てくるよ。
石碑を調べる
カーヴェ:
こっちもオベリスクか。
アルハイゼン:
ちょっと待て。
カーヴェ:
……
カーヴェ:
…そんなに長い文なのかい?
アルハイゼン:
オアシス文明の発展と管理の過程について書かれている。大半はジンニーに関するものだな。それから、アアルを造った職人が残した記録もある。
カーヴェ:
重要な記録なんだろうか?
アルハイゼン:
勘を頼りに、重要そうな部分だけを一旦選別した。一度に読み切れる量じゃない。
カーヴェ:
職人たちの記録には、なんて?
アルハイゼン:
彼らの推測が記されていた。具体的には、もしキングデシェレトがアアルの完成後に口封じをするとしたら、どうやって身を守るかについてだ。
カーヴェ:
…いかにも神話らしい話だな。実際にそういうことがあったのか…?
アルハイゼン:
確かに、記録には「これは多くの神話を基にした推測に過ぎない」とある。しかし、脱出方法と脱出トンネルの設計図も残されているようだ。
カーヴェ:
そんなことまで?じゃあ、ひとまず書き写してから削除しよう…
トート:
その必要はない。お前の役に立つものではないだろうからな。
カーヴェ:
いえ、重要な設計図ですから!記念に残しておきたいんです。
カーヴェ:
ふぅ、こんなものかな…
アルハイゼン:
想定基準に達した——問題ないはずだ。
カーヴェ:
虚構と現実が入り交じる感覚…本当に不思議だ…
カーヴェ:
生と死、覚醒と夢の狭間に浮かぶ、本来なら手が届くはずもない幻影を操作するなんてね。
アルハイゼン:
文字通り、夢を追う体験だな。なかなか新鮮だ。
カーヴェ:
もし、僕の精神がどこかへ飛んでいってしまったら、どうなるんだろう?
アルハイゼン:
そんなことはあり得ない。それに、プロジェクトは完了したと思ったら第二期が始まるものだ。喜ぶにはまだ早い。
カーヴェ:
そうだな…まだまだ頑張らないと。
キングデシェレトの霊廟の入口へ向かう
ソベク:
旅人よ、お前も今のスメールを案じているのか?
パイモン:
うわぁ!ワニの王ソベク!
旅人:
こんにちは。
ソベク:
かしこまる必要はない。俺はただ、草神について話したいだけだ。
旅人:
ずいぶん彼女を心配してるんだね。
ソベク:
心配だけではない、好奇心もある。
パイモン:
ナヒーダは大丈夫なのか…?
ソベク:
少し待て。
ソベク:
……
パイモン:
どうだ?
ソベク:
アペプに呼びかけてみたが、反応はなかった。
ソベク:
どうやら、本当に草神の世話に集中しているようだな。
パイモン:
おまえたちはみんな、アペプがナヒーダに手を貸したことに驚いてるみたいだな。あいつは一体どんなやつなんだ?
ソベク:
キングデシェレトのアフマルと草の龍王アペプの因縁を知っているか?
ソベク:
実に博識だな。スメールがお前たちのような者に支えられているのはいいことだ。
ソベク:
アフマルはその命が尽きる時、アペプを欺いて自らを一呑みにさせた。そして、忌まわしい罪のすべてはアペプが背負うこととなった…
ソベク:
アペプはアフマルを蔑んでいたが…彼に出し抜かれたのだ。一帯に災厄をもたらすより、アペプを欺き自身の消滅を完遂することを選んだ。民を愛していたことの証左だろう。
ソベク:
旧時代の残照であるアペプは、アフマルと彼を筆頭とするすべての魔神の力を憎んでいた。
ソベク:
そんな彼女が草神の窮地を救うとは、心底驚かされたぞ。草神がそれに値する何かをしたのか?
パイモン:
おう!ナヒーダのおかげで、あいつは救われたんだ!
ソベクに、ナヒーダがアペプの苦しみを取り除いた経緯を話した…
ソベク:
そうだったのか…草神は、アペプを長きにわたる苦痛から救い出したのだな。
ソベク:
それなら協力も納得できる。魔神を憎んではいても、彼女に一切の情がないわけではないのだろう。
パイモン:
だな。オイラたちもアペプと話してみて、そんな印象を受けたぞ。
ソベク:
彼女は、他の生命と共存できないというより、自ら共存しないことを選んでいるように思える。そんな彼女が生命力の象徴とは…何とも皮肉な話だ。
ソベク:
とはいえ、過度な期待はしないことだ。彼女は人間も魔神も、ひどく嫌っているのだ。
パイモン:
お、おう…一応、注意するぞ。
パイモン:
ところで、ナヒーダはあとどれくらい治療を受けなきゃいけないんだ?
旅人:
迎えに行ったほうがいいのかな?
パイモン:
ファデュイがまだ砂漠をうろついてるかもしれないからな…念のために、手が空いてるやつを誘って一緒に行こうぜ!
???:
私なら大丈夫よ、パイモン。
パイモン:
えっ?この声…ナヒーダか?
ソベク:
治療はうまくいったようだな。
???:
汝らは、いつから余の言動を評価できる身分になったのだ?
パイモン:
うわあ!
ナヒーダ:
ここまでで大丈夫よ。
アペプ:
元々そのつもりだ。分不相応の厚遇を求めるな。
ナヒーダ:
あなたの優しさは、まるで砂嵐の中のオアシスね。砂の障壁を潜り抜けた人にしか、その美しさや希望は伝わらない。
アペプ:
余を評価するつもりか?
ナヒーダ:
いいえ、これは感謝よ。貴重な生命力を私に分けてくれて、ありがとう。
ナヒーダ:
う…
アペプ:
目が覚めたか?思っていたよりは丈夫なのだな。
ナヒーダ:
アペプ…
ナヒーダ:
もうだいぶ良くなったわ。ありがとう。
アペプ:
魔神も、魔神からの感謝も、余にとっては何の価値もない。汝にできることがあるとすれば、世界樹とスメールの地脈を入念に管理することだけだ。
アペプ:
もし地脈の乱れのせいで余が不調をきたせば、それはこの地の神である汝の責任だ。余の怒りを買いたくはなかろう?
ナヒーダ:
ええ。助けてもらったのだもの、当然よ。言われなくても分かっているわ。
ナヒーダ:
スメールを守るのは私の責任…早く戻らないと。
アペプ:
…フン。汝の神としての力は、たいして強くないだろう。
ナヒーダ:
そうね…それが私の特性でもあるわ。知恵の神は、力で他者を屈服させる存在じゃないもの。
アペプ:
往くぞ…振り落とされるな。
トート:
何ということだ!アペプなのか!?
トート:
草の龍王が現れるとは…吾輩の目がおかしくなったわけではないだろうな?ここは本当に「キングデシェレトの霊廟」なのか?
アペプ:
どれほど時が経とうと、やはりアフマルの手下の虫けらは、所詮虫けらに過ぎぬのだな。
ヘリシャフ:
草の龍王よ、会えて光栄だ。もう少し早く来ていれば、七柱の会議に間に合ったものを。
アペプ:
ふん、反吐が出る。
アペプ:
ここに来るまでの道中でも、余の尻尾に絡みついてくる、得体の知れぬ奴らがいたな。なぜ幾星霜を経ようとも、この世の生物はこうも下劣なのだ?
ソベク:
それで、そいつらをどうしたのだ?
アペプ:
振り落としたに決まっておろう!大事に抱えろとでも言うつもりか?
アペプ:
さて、ブエル。汝と相まみえるのはこれが最後だ。必要がない限り、今後一切汝らの顔を見せるな。
ナヒーダ:
あなたがあなたのおうちで、安らかに過ごせますように。
旅人:
ナヒーダを助けてくれてありがとう。
アペプ:
そんなことはどうでもいい。二度と余を煩わせるな。
ソベク:
なんて横暴なやつだ…彼女がこの事態に無関心で本当によかった。
???:
んもう、もうちょっと…あとちょっとで着くカラ、もう少しだけ持ちこたえてチョウダイ!
パイモン:
ん?この声は…
旅人:
ソルシュ?
ソルシュ:
とーちゃーく!
アランナラ:
!!
ソルシュ:
だって草神様が心配デショ!ここまでずっと、私が花霊の力で支えてきたのヨ…
ソルシュ:
もうダメ、落ちちゃーう!
旅人:
キャッチ!
ソルシュ:
ああよかった…ちゃんと受け止めてくれて助かったワ…
ヘリシャフ:
まさかここで草神の眷属たちに会えるとは。
パイモン:
えっ?なんでアランナラまでいるんだ!?おまえたち、砂漠は嫌いなんじゃなかったのか?
パイモン:
こいつら、すっごく緊張してるみたいだ。たくさん人がいるからかな…
ソルシュ:
それだけじゃないデショ!人じゃないものまでこんなにたくさんいるのヨ…この子たちには酷ネ。
ナヒーダ:
私のために、こんなに遠くて危険な場所まで来てくれるなんて…みんなの気持ち、ちゃんと受け取ったわ。ありがとう。
ナヒーダ:
この子たちが落ち着いたら、これからのことをみんなで話し合いましょう。もう少しだけ待っていてもらえるかしら。
ナヒーダ:
旅人、パイモン、一緒にこの子たちが落ち着ける場所を探してくれる?
旅人:
分かった。
パイモン:
おう!探しに行こうぜ!
ナヒーダ:
その前に…
ナヒーダはあなたたちにいくつかの質問をし、現段階のすべての情報を最速で聞き出し把握した…
ナヒーダ:
状況は大体理解したわ。説明してくれてありがとう。それじゃあ、行きましょう。
キングデシェレトの霊廟に戻る
アランパス:
うう…ナラがいっぱいだ…さっき大きな草龍に空高く放り投げられて…怖かったぞ…
アランダシャン:
元気出してアランパス、みんなが見てるんだから!えっと…見てるのかな?
アランラキャ:
アランラキャたち、見えるナラ、そんなにいないはず…ナラたち、行ったり来たり、忙しそう。
アランパス:
ナラたちに捕まらないようにちゃんと隠れとけよ。鍋はナラにあげても…いや!ナラにあげちゃダメだ。自分の鍋はちゃんと守るように、って妹が言ってたからな…
アランユタ:
ナ、ナラが来たよぉ…
ナヒーダ:
みんな、私たちよ。
アランバリカ:
おぉ!草神様、ナラ旅人、それに白いふわふわ。
アランダシャン:
草神様、ナラ旅人、パイモン!久しぶりだね!
ナヒーダ:
ワルカが苦手なのに、わざわざここまで来るなんて、大変だったでしょう。ヴァナラーナのみんなは元気かしら?黄砂
アランバリカ:
アランラジャはヴァサラの樹、ヴァサラの樹はヴァナラーナを守ってる。つまり、アランラジャはヴァナラーナを守ってる。
アランラキャ:
心配いらない。残ったみんな、ちゃんと守ってる。こっちに来たみんな、できること全部やる!
ソルシュ:
あら、みんな揃ってるのネ。
パイモン:
大丈夫か?すっごく疲れてたみたいだったけど…
ソルシュ:
ふふん、私を誰だと思っているノ?見くびらナイデ!
アランパス:
ソルシュは、すごい赤いふわふわなんだな。
ソルシュ:
赤いふわふわ…それじゃ、私がパイモンとおんなじになっちゃうじゃないノ!
アランラキャ:
べつに、いいと思う。
ナヒーダ:
みんな、私のために来てくれてありがとう。見ての通り大変な状況で、みんな頑張っているの。だから…
アランパス:
オレたちの力が必要か?オレもみんなも、たくさん手伝える!オレ、鍋を持ってきたから、美味しいスープを作れるぞ。
アランユタ:
うん!みんな手伝うために来たんだから!
アランバリカ:
アランバリカ、アランラキャ、アランパス、アランダシャン、アランユタ、アランサタ、アランサハ、みんな手伝うぞ!
ナヒーダ:
本当にありがとう。アアルの改修を進めて、余分な情報を処理して、みんなの自信を取り戻す…あなたたちならできるわよね。
ソルシュ:
私も手伝うワ。人手が足りなければ呼んでチョウダイ。
アランラキャ:
一緒、一緒!
アランバリカ:
草神様…アランバリカ、言いたいことがある。
アランバリカ:
ヴァナラーナからここに来る途中、こそこそ話してるナラたちを見かけたんだ…あの男のナラたち、何か企んでる。
パイモン:
企んでる?
アランバリカ:
うん。ナラが二人、こそこそしてた。たしか、あれは、キャ…キャ…
アランラキャ:
キャラバン宿駅!
ナヒーダ:
…そう…それはただ事じゃなさそうね。
ナヒーダ:
旅人、パイモン。私にはやらないといけないことがあるから、この件はあなたたちに任せてもいいかしら?
パイモン:
もちろんだ!オイラたちに任せてくれ!
ナヒーダ:
ありがとう。それじゃあ、頼んだわね。
ナヒーダ:
それと、スメールの人たちを手伝うには、彼らにあなたたちの姿を見えるようにしないといけないけれど…みんな、それでも大丈夫?
アランパス:
う、うぅ…そうしなきゃいけないなら…
アランラキャ:
しょうがない、わかった。
アランサタ:
アランパス、大丈夫だよ。キミは美味しいスープが作れるもの。きっとみんながキミを好きになってくれるよ。
ナヒーダ:
怖がらないで、あなたたちを傷つけるような人はいないわ。どうしても不安なら、私の名前を呼んで。すぐに駆け付けるから。
アランバリカ:
わかった。
ナヒーダ:
それじゃあ、あなたたちにはささやかな祝福を送るわ。人々は美しい夢を見るようにあなたたちを見て、あなたたちと視線を交わし、言葉を交わすようになるのよ。
ナヒーダはそっと手を上げた。彼女がどうやったのかは分からないが、心地よい夢を見た時のように、素敵な気持ちになった。
金箔のように煌めく陽光が、枝葉の隙間からこぼれ落ちる。木々は歌い、川は音楽を奏で…まるで心の中にある小さな風船が、楽しさで満たされていくようだった。
それは安らぎと友情、そして愛情を感じる瞬間だった。解決すべき問題はまだ山積みだが——自分は数多の命と共に、森に存在しているのだ…そう深く実感した。
周囲の人々が、次々と目を伏せるのが見えた。彼らも、森から響く古の声が心を優しく包むのを感じたようだ。
——恐れないで、怯えないで。雨風に負けないで。
ナヒーダ:
「そう、恐れないで。私たちはみんなここにいるわ。すべては過ぎ去っていくものよ。」
アアルの影へ向かう
ナヒーダ:
みんな、ここにいたのね。本当によかったわ。
ナフィス:
草神様!お戻りになられたのですね!
カーヴェ:
具合はいかがですか?無理だけはしないでくださいね。
ナヒーダ:
心配してくれてありがとう。もう平気よ。
学者たちはナヒーダに、現在のアアルの改造状況を伝えた…
ナヒーダ:
なるほど…アアルの力でアーカーシャを再起動させて、それを媒体にして世界樹に接続するということね。
ナヒーダ:
確かに悪くない切り口だと思うわ。でも…
ナヒーダ:
水を差すつもりはないけれど、今の世界樹の状況からして、普通の方法で接続するのは不可能よ。たとえアーカーシャの力を借りたとしてもね。
ナフィス:
…はぁ…薄々そんな気もしていました。
アルハイゼン:
他の手段はないのでしょうか?
カーヴェ:
他の手段?
ナフィス:
それはつまり…
アルハイゼン:
非常事態だからな。次の手を考えるしかない。
キャラバン宿駅に戻る
パイモン:
おーい!オイラたちも来たぞ!
セノ:
お前たちか。状況はどうだ?
セノ:
アランナラの人間に対する直感はかなり鋭い。つまり、俺たちの中に内通者がいる可能性がある。
ネフェル:
だったとしても、驚くほどのことじゃないさ。
セノ:
ネフェル、プロの情報屋として…何かいい方法はないか?
ネフェル:
あたしが、自分から面倒事に首を突っ込むような人間に見えるかい?
セノ:
お前の一挙手一投足を、情報ビジネス拡大のための「広告」としてみないか?商人は、実力を示すことも重要だろう。
ネフェル:
いいね。その考え方、気に入ったよ。
セノ:
お前は長年スメールを離れていたからな。キャラバン宿駅でお前を知る者は少ない。
ネフェル:
この辺の連中の基本的な情報には、もう目を通したんだろう?
セノ:
ああ。移住者のリストは確認し、大半の人間の動向も把握している。
ネフェル:
怪しいやつの目星はついてるのかい?
セノ:
男で、怪しい行動をとっているのが…三人いる。
セノ:
アランナラは「怪しい二人の人間がこそこそ話していた」と言っているが、現時点では一人しか見当たらない。もう一人は情報を受け取った後、キャラバン宿駅を離れたのかもしれないな。
ネフェル:
みんなが砂漠へ避難してる時に、わざわざ街へ戻ろうとするなんて、十中八九ファデュイだろうね。
セノ:
このタイミングで動くのは、思いつきの行動ではないだろう…おそらく、この密偵はずっと潜伏していたはずだ。
セノ:
俺たちは、木の板に深く突き刺さっている「釘」を抜かなければならない。
ネフェル:
何か考えがあるんだね?
セノとネフェルは、手早く関連性があると思われる情報を整理した…
ネフェル:
…なるほど、筋が通った推理だね。あいつを疑うのも納得だ。
セノ:
だが、あいつが買収されたことを裏付ける証拠がないんだ。最近急激に羽振りが良くなった素振りも見せていない。
ネフェル:
念のために、もっと近づいて確認しよう。あたしに任せておきな。あたしは長年スメールを離れてたからね、キャラバン宿駅の人にはほとんど知られてないはずさ。
セノ:
ナド・クライであいつに会ったことはないんだろうな?
ネフェル:
確実にないよ。それに、あたしはジェイド以外のスメールの傭兵と接触することも滅多にない。あいつはあたしのことを知らないはず。
ネフェル:
セノ、あんたは隠れてあたしの合図を待ってておくれ。もしあいつが怪しい動きを見せたら、捕らえて大通りに出るよ。
セノ:
ああ。いつでも動けるように備えておこう。
ネフェル:
頼りになるね。あんたと組めて嬉しいよ、セノ。
怪しい人物を調査する
ネフェル:
(…日に焼けた肌、それなりの傷…よく砂漠に出入りしていて、戦闘経験も豊富ってところか。)
ネフェル:
(服装にも行動にも不審な点は特にないけど…ん?何かを見つめてるね。)
ネフェル:
(コイン?あれが報酬なのかね?…面白い、確かにあれなら持ってても怪しまれないだろう。さて、もしあれが価値のあるものなら…)
ネフェル:
ちょっと失礼。帽子をかぶった女を探してるんだけど、ここにいたやつらはもうみんな避難しちまったのかい?
カナフィーヤ:
おいおい、なんでまだ一人でこんなところにいるんだ?ほとんどはとっくに避難したぞ。ここに来るまでに会わなかったか?
ネフェル:
友人と一緒だったんだけど、途中で商品をいくつか失くしちまってね。商売に差し障るといけないから、彼女にはお客さんのとこへ向かってもらって、あたしは戻って荷物を探してた。だいぶ時間がかかっちまったよ。
ネフェル:
はぁ、まさかはぐれちまうとは…ひどい砂嵐だったから、気づかず遠回りしたのかもね。避難するやつらなんか見かけなかったよ。
カナフィーヤ:
念のため聞いとくが、その友人はどんな見た目なんだ?
ネフェル:
金髪で帽子をかぶってて、上から下まで真っ白い服を着てる。印象に残る見た目だから、見かけたらきっと覚えてるはずだよ。
カナフィーヤ:
確かにそんなやつを見かけた気が…おっと、すまない。うちの三十人団から、非常事態だから知らないやつとは慎重に接触しろと命令されててな…
ネフェル:
そうかい…あんたも大変だね。じゃあ、あたしは避難したやつらを追いかけるよ。
カナフィーヤ:
待て!
カナフィーヤ:
あいつらが行っちまってからかなり経つぞ。一人でどう追いかけるつもりだ?元々最後の何人かを乗せるつもりだったから、お前も乗せていってやる。一人ぐらい増えても問題ない。
ネフェル:
本当かい?助かるよ!人が多い方が安心だしね。ちゃんと報酬は払うよ。
カナフィーヤ:
いや、今は金の話はよそう。ちょっと待ってくれ、ここにある持っていく物を整理し終えたら、みんなのところに連れて行ってやる。
ネフェル:
ありがとう。よかったら何か運ぶよ。
カナフィーヤ:
はっはっは、大丈夫だ。俺は力持ちだからな。
ネフェル:
何か力になりたいんだよ。状況を教えてもらえただけでも十分ラッキーなのに、こうして助けられたからね。
カナフィーヤ:
ま、確かに、俺がいなかったら大変だっただろうな。ちなみに、いったい何を失くしたんだ?そこまで必死になって探してるってことは、相当な値打ちモンか?
ネフェル:
それは…
ネフェル:
あんたには恩があるから教えるけど…ほかの人には黙っといておくれよ。面倒なことになる。
カナフィーヤ:
そんなに勿体ぶられると、余計気になるな。
ネフェル:
実はね、あたしたちは骨董商なんだ…わかるだろ?違法な手段で手に入った、おおっぴらに取引できないブツもある。そんなものを失くしちまったら、こっそり探すほかない。
カナフィーヤ:
なるほどな…
カナフィーヤ:
…なら、一つ頼みたいことがある。
ネフェル:
いいけど、うちの手数料は安くないからね。覚悟して話しとくれよ。出発前から嫌な気分にはなりたくないだろ?
カナフィーヤ:
ああ、構わない。俺のブツもおおっぴらに取引できないものだからこそ、頼みたいんだ。こいつなんだが…
傭兵は手の中の古いコインを見せた。ナド・クライのツテで普段から骨董品を見慣れているネフェルには、それがなかなかの上物であるとすぐにわかった。
報酬として渡された古いコインは純金製で、一目見ただけではどの国で作られたものかはわからない。見る目のあるコレクターの手に渡れば、かなり高く売れるだろう…
ネフェル:
黄金か…面白い。どこかの墓から掘り出してきたのかい?
カナフィーヤ:
はっはっは、キングデシェレトの霊廟にはお宝がわんさかあるからな。
ネフェル:
(スネージナヤの紋章がないからって、キングデシェレトの霊廟から出てきたものだと誤魔化す気だね。すぐに売り払うと面倒なことになるかもだから、隙を見てこっそり換金しようって魂胆か…)
ネフェル:
今までの販売ルートは使わないのかい?あたしが買い取ることで、目をつけられたら厄介だ。
カナフィーヤ:
ああ、そこは今、首が回らなくなって大変らしいんだ。そんなところに持ち込んでみろ…
ネフェル:
確かに、資金繰りが苦しくなったところに黄金なんか流しちまったら、持ち逃げされるのがオチだね…わかった、引き受けよう。
カナフィーヤ:
ちょうど俺の荷物も準備できたから、行こう。
ネフェル:
ああ、お喋りでもしながらね。
キャラバン宿駅を離れる
ネフェル:
……
セノ:
おとなしくしろ!
カナフィーヤ:
大マハマトラ!?くそっ!何をするんだ!
セノ:
このコインだな?よし。
セノ:
お前がこれを使える日は、一生やってこない。
ネフェル:
思った通り、早かったね。スメールのマハマトラも、随分頼もしくなったもんだ。
セノ:
紋章のないコイン…これは見分けるのが難しいぞ。お前のおかげで、証拠がつかめた。
セノ:
さてと…
セノはみんなに軽く頷き、容疑者を連れてその場を離れた。
ほどなくして、彼は容疑者が吐いた情報を持ち帰ってきた…
セノ:
ここから南東に少し行ったところにある、丘の風下。そこで取引相手と落ち合う予定だったらしい。
ネフェル:
やるね。キャンディスが、あんたの尋問の技術はなかなかのものだって言ってたよ。
セノ:
彼女も大したものだがな。むしろ、この数年でますます腕を上げている。
セノ:
さあ、次はお前の出番だな。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
僕の足の速さに頼ろうっていうのかい?
セノ:
お前は隠密行動が得意だ。それに、奴らを監視するのは、空中からのほうが都合がいい。
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…フン、しょうがないな。さっさと済ませてくるよ。
セノ:
それとさっき、旅人から草神様からの伝言を預かった。これを片付けたら、一緒にキングデシェレトの霊廟に戻ろう。
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ああ、分かった。
パイモン:
おまえ一人で大丈夫か?
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無理だと言ったら君がついてきてくれるのかい?
パイモン:
えっ…よし!オイラもついてってやるぜ!
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本気か?君に隠密行動ができるとは思えないけどね。
旅人:
パイモン、本当に行くの?
パイモン:
オイラ…試してみたいんだ。ほら、なにごとも最初の一歩からって言うだろ!
パイモン:
それに、なんたってオイラはテイワット最高のガイドだからな。これくらいのこと、できて当然だぜ。
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……
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
…分かった、ついてきなよ。でも何かあったら、君の口を塞いで茂みに放り込むからね。
パイモン:
心配するなって!オイラ、ちゃんと気をつけるから!
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なら、さっそく行くとしよう。
パイモン:
おう!
指定された場所に行く
パイモン:
待ってくれよ、笠っち!速く飛びすぎだ!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ここだね。さあ、待ち伏せよう。
パイモン:
お、おう!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
……
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パイモン、何を企んでいるんだい?
パイモン:
えっ?オ、オイラ、別になにも…
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君はガイド以外には、寝食にしか興味が無かったはず。急に危険な任務の手伝いを買って出るなんて、あからさまに不自然だ。
パイモン:
なんだよその言い草!オイラだって、危険な場所には何度も行ってるんだぞ。
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それも旅人と一緒に、だろう。君は滅多に単独行動しない。
パイモン:
うっ…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
標的が来るまで、まだ時間がありそうだ。今なら、もし話があれば聞いてやってもいいけど、無理に話さなくてもいい。好きにすれば。
パイモン:
……
パイモン:
なあ…オイラのこと、役立たずだと思うか?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
なぜ急にそんなことを?
パイモン:
ナド・クライを旅してた時、気づいたんだ。毎日旅人と一緒にいるけど、あいつが本当にピンチな時にオイラは何もしてやれてないって。
パイモン:
あまりこんなこと考えないんだけど…あの時は本当に怖かったんだ…もしあいつが二度と帰ってこなかったらって思うと、オイラ…
パイモン:
…考えれば考えるほど、オイラって全然役に立ってない気がしてきて…でも、足手まといになりたくないんだ。あいつにとって、もっと頼れる友達になりたいんだ。
パイモン:
わ…わかるか?なんていうか、自分が友達のなんの役にも立ててない感覚みたいな…はぁ、オイラ、なに言ってるんだろうな…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
……
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僕に話して正解だ。その気持ちはよく分かるよ。
パイモン:
笠っち…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
忠告というわけじゃないけど、人は自己不信に陥った時、「諦める」か、「変わる」かを選ぶことができる。
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この問題は自分自身で乗り越えない限り、誰の慰めも意味をなさないんだ。
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だから…強くなりたいなら、もっと役に立ちたいなら、とにかく挑戦してみればいい。少なくとも、後悔はしないはず。
パイモン:
…おう!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
(それにしても、妙だ。もう指定の時間のはず…)
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パイモン、辺りに人影は見えないか?
パイモン:
どれどれ…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
あと一時間だけ待ってみよう。それでも動きがなければ撤退する。
パイモン:
わかった!
何も起きないまま、時間は静かに流れた…
パイモン:
おかしいな…こんなに待っても、誰も来ないぞ?大事な取引をすっぽかすなんて、ありえるのか?
パイモン:
ん?どうかしたのか?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
……
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
何かがひっかかる…
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セノが捕らえた裏切り者は、確かに自身の任務を全うした。けど、あいつと落ち合うはずの相手は待ち合わせに現れなかった…これは指示役が捕まったというより、裏切り者が切り捨てられたと考えるほうが自然だね。
パイモン:
でも、あいつが切り捨てられたって知る方法がないだろ?偵察くらい来そうなもんだけどな…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
問題はそこなんだ。奴らは、僕たちがここにいることを知るはずがない…けど、まさか…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
チッ、妙に馴染みのある手口だ…とにかく、一旦戻ろう。
ナヒーダと会話する
ナヒーダ:
こんな状況だから、ちゃんとした会議は開けないけれど…みんなの協力に、心から感謝するわ。
ヘリシャフ:
現在、シェセプアンクとベンヌ、学者たちがアアルの整備を手伝っています。彼らの欠席をご容赦ください。
ヘリシャフ:
そして、今は亡きヘルマヌビスに…心より哀悼を捧げます。
ナヒーダ:
いつかあなたたちと会う日が来ると思っていたけれど…こうして集まってみると、やっぱり感慨深いわね。
ナヒーダ:
時間は多くのものを奪っていったけれど、残されたものをより強固にもしたわ。
ソベク:
一つ驚いたことがある…指摘させていただこう。
ソベク:
草神よ、一見調子は良さそうだが…草の龍王から与えられた生命力では、抱える問題を完全に解決できておられないのだろう…
パイモン:
そんな…アペプの力でもダメなのか?
ナヒーダ:
心配しないで、パイモン。全く効果がなかったわけじゃないわ。
ナヒーダ:
ただ、世界樹との繋がりが深すぎて…世界樹の問題が解決しない限り、完全に回復することはないの。
ナヒーダ:
あなたたちが封印されていた間、スメールは大きく変化を遂げたわ。魔神が去ったことで人々の信仰は弱まり…あなたたちも、自分に以前ほどの力がないことに気づいているでしょう?
トート:
ええ、まことに嘆かわしいことです。
ナヒーダ:
私も、世界樹の影響で弱ってしまっているわ。今の私たちはみんな、ボロボロの状態ね。
ヘリシャフ:
それはつまり…
ナヒーダ:
今、私たちにはもっと助けが必要よ。
ナヒーダ:
スメールは私たちみんなの故郷だもの。私とあなたたちが、神と人が…今こそ、すべての力を一つにすべき時よ。
ヘリシャフ:
神王アフマルがいようといまいと、三王の盟約は変わらず有効です。そして、我らも「キングデシェレト」の臣下として、スメールを支え、災厄を乗り越えられるよう尽力する責任があります。
ヘリシャフ:
それに、我らをアアルという牢獄から解放したのは、他ならぬスメールの民です。時代が移ろう中で、人間は確かな知恵を身につけたようですね。
トート:
おやおや、相変わらず羊は口が達者だ。
ヘリシャフ:
さて、我らはあなたたちの計画について、さらに深く理解しておくべきでしょう。
トート:
人間の中でも傑出した存在である教令院の学者たちが、「アアル」を開放し、改造しています。彼らはそれも世界樹のためだと言っていますが…
ナヒーダ:
ええ、そうね。
ナヒーダ:
世界樹は最初からテイワットに存在していたわ。けれど、龍が統治していた時代は、今ほど重要な役割を担ってはいなかったの。
ナヒーダ:
「天理」は降臨した後、光界の力を元素力に変えたわ。そして、世界樹もあらゆる情報を記録する保存装置へと改造されたのよ。
ナヒーダ:
それ以来、この世のすべては世界樹と深く結びつくようになったの。
ナヒーダ:
私は草神として、世界樹を守る責任を負っているわ。けれどスメールにとって、世界樹は大事な存在であると同時に、現実的な危機をもたらす存在でもある。
ナヒーダ:
ここ数年、テイワットには異変が続いているわ。少し前にナド・クライでも大きな事件があったし、スメールも警戒を強めないといけないわね。
ナヒーダ:
外部から世界樹へと転送できる経路はすべて、私がなんとか管理していたけれど…それでも重大な問題が起きてしまった…
ナヒーダ:
きっと、何らかの存在が侵入したのでしょうね。それは、この世界で最もありふれていて、誰にも止めることができない手段——
ナヒーダ:
「死」を通じて、世界樹に侵入したのよ。
トート:
だとしたら、確かに防ぐ手立てはありません。いつ起きるかも分からない侵入のために、魂が地脈へ還るのを際限なく阻むわけにはいきませんから。
ナヒーダ:
ええ。外敵を防ぐことは重要だけれど、それと同じくらい、亡くなった人たちの魂の安らぎも重要だと思うわ。
セノ:
草神様の苦悩を理解してくれ。
ヘリシャフ:
守護とは、常にままならぬものだな。
ナヒーダ:
世界樹が侵入されたほぼ直後に、私の権限は制限されてしまったわ。それとほぼ同時に、世界樹はあらゆる接続を拒絶したの…
ヘリシャフ:
ご自身を責められる必要はありません。すべての災難を予測できる者などいないのですから。世界には常に苦難がつきまとうものです。
ナヒーダ:
でも、その代償をスメールの人々に払わせるわけにはいかないわ。どうにかして、もう一度世界樹に接続する方法を見つけないと。
トート:
ゆえに、アアルが必要なのですね。
ナヒーダ:
ええ。スメール中を探しても、総合的な性能で世界樹に匹敵しうる存在は、アフマルが残したアアルだけよ。
ナヒーダ:
私が意識を失う直前、わずかに世界樹に干渉することしかできなかったわ。アアルの解放はみんなにとって苦渋の決断だったでしょうし、同時にとても危険な賭けでもあったのよ。
ナヒーダ:
学者たちは当初、アアルの力を借りてアーカーシャを再起動し、それを通じて世界樹に接続して調査することを考えていたわ。
ナヒーダ:
けれど、世界樹が想像以上に悪化してしまった今となっては、それも無意味になってしまったわね。
ナヒーダ:
問題を解決するには、計画をより過酷で、犠牲を厭わない方向へと進めるしかない。そうして、予備案が生まれたのよ。
ナヒーダ:
今、世界樹奪還のために、最も優れた学者たちがアアルを改造して、複数の目的を同時に果たそうと試みているわ。彼らの要請に応えてくれて、本当にありがとう。
ヘリシャフ:
幾千年もの間に、人類の知恵は確かに深まったようです。それに我らだけでなく、ジンニー、アランナラ、そして花霊も協力を申し出てくれました。
ナヒーダ:
全力を尽くして世界樹を救いましょう。
トート:
ところで、先ほど話していた侵入者についてのあなたの口ぶりは…まるでその人物を知っていて、そうすることを知っていたかのようでしたが。
ナヒーダ:
それについては…
ナヒーダと会話する
スメールシティの近くで世界樹が異常な姿で狂ったように成長しているのをはっきりと目にした——この狂気的な実験が次の段階へと進んだ証だ…
コレイ:
師匠…あ…あれは何?
ティナリ:
あれは…世界樹なの?
セトス:
どうしてこんなことに!?まさか、中はもう…
セノ:
全員無事に避難できてよかったな。
パイモン:
なんなんだあれ!怖すぎるぞ…
旅人:
(ナヒーダは…今までずっと、こんな災厄と戦ってきたの?)
トート:
ほう…これで草神様の意志が、明確に伝わったな。
ソベク:
数千年の間、世界樹にこれほどの異常が現れたことは一度もなかったぞ…
ヘリシャフ:
…続けてください。
ナヒーダ:
世界樹の根系、すなわち地脈ね。本来、世界樹は秘匿されていて人々がそう簡単に見ることはできなかったの。けれど今、悪意ある侵入によってその姿が露わになってしまったのよ。
ナヒーダ:
もはや、貪欲な樹へと成り下がってしまったわ…狂気的な実験が次の段階へ進んだということね。
???:
冒涜、ですか…冒涜という名の実験なんて、まともだとは思えません。
???:
ですが、「ドットーレ」の意志を貫徹するため、我々はこうするしかないのです。
ナヒーダ:
この樹の誕生は、事件が「彼」と関係しているという証明になったわ。
ナヒーダ:
それについて説明するには、ある人物について話さないといけないわね…
ナヒーダは最も簡潔かつ的確な言葉で、ファデュイ執行官第二位、「博士」を紹介した。
そして、彼の本名が「ザンディク」であることや、彼の数々の悪行を語った。
トート:
ザンディク…やつだったのか。以前、砂漠で会ったことがあります。あの不遜な態度の若者が…まさか、そのような人間になり果てていたとは。
パイモン:
ドットーレはナド・クライで死んだんじゃなかったのか?なんで、まだこんなことができるんだ?
ナヒーダ:
ファデュイにはまだ彼の残党がいるのでしょうね。けれど、彼がどうやって世界樹にこれほどの影響を及ぼしたのかは分からないわ。
ニコ:
あなたの言う通り、ファデュイの部隊はすでにスメールシティに到着しているわ。
ニコ:
それに、世界樹そのものにも異変が起きているようね。邪悪な成長を始めて、この世界に属さないものが外へ向かって…顕現しようとしているわ。
ニコ:
ごめんなさい、他にどう表現すればいいか分からなくて…とにかく、あれは世界樹から生まれて徐々に実体を得ようとしているの。
ヘリシャフ:
罪深き大樹が、空へと伸びていく…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ドットーレといえば、僕もいくつか情報を得た。
放浪者は、パイモンと共に合流地点へ向かったが、誰も現れなかったことを話した。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
盗み聞きされる可能性があったから外では言わなかったけど…内通者は捕まったから切り捨てられたわけじゃなくて、最初から捨て駒だったんだろう。
セノ:
つまり、ファデュイは初めから彼には期待していなかったということか?だとしたら、なんのために内通者を送り込んだんだ?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
確かに、普通はこんなことしない。背後にある目的はとても複雑なものだろうね。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ただ一人、こういう手口を好む奴を僕は知っている。そいつの目的は単純だ…意図を悟らせずに、人々を混乱に陥れること。ただそれだけさ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そいつは以前からずっとドットーレの協力者だった。それだけで、この件がドットーレと関わっていると断言できる。
その名前を耳にして、驚愕する者、沈黙する者…反応は様々だった。そして、その場にいた多くが、事態が想像以上に深刻であることを察した。
その後、ナヒーダは関係者を招集し、全員で詳細かつ長時間に渡る会議を行った。
ナヒーダは敵の正体と、起こりうる事態の規模を詳しく説明した。
彼らはニコとネフェルが提供した情報を参考に計画を練った後、それぞれの持ち場に戻って準備に取り掛かった。
アアルの影に戻る
ナフィス:
まだ準備すべき物はたくさんある。皆、我々の核心となる計画を忘れるなよ。
ナヒーダ:
さっきの話し合いの通り、今から言う人たちはすぐに行動を開始してちょうだい——
ナヒーダ:
アルハイゼン、カーヴェ。アアル改造計画は、すぐにでも次の段階へ進めないといけないわ。二人とも、よろしく頼むわね。
カーヴェ:
全力を尽くします。
アルハイゼン:
プランに問題はありませんが、実現するには材料が必要です。
ナヒーダ:
端末の改造に必要な材料は、大マハマトラのセノが率いるチームが担当してくれるかしら。
セノ:
問題ありません。セトスと笠っちにも、手伝ってもらうよう話をつけてあります。
セトス:
こういうのは、足の速い人が適任だろ?笠っち。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
効率を考えれば、僕たち以外に選択肢はないだろうね。
ナフィス:
先ほど話に出た元素力増幅装置に関してだが…ドリーさん、君は草神様以外で、この計画の進捗を最もよく知る人物の一人のはずだ。
ドリー:
ええ、ええ。そこは私、サングマハベイ様にお任せあれ。
ナフィス:
うむ。ドリーさんのほかに、技術面はファルザン、コレイ、ニコさんが協力してくれる。
ファルザン:
任せるのじゃ。
コレイ:
わかった!
ニコ:
コレイはあたしがしっかりと見ておくから、安心してね。
ナフィス:
ディシアさん、キャンディスさん、ネフェルさん…三人には各勢力との交渉を任せたい。我々の目標は覚えているな?
ディシア:
あたしらに任せときな。
ナフィス:
よし、諸々頼んだぞ。ティナリは各部門の機動支援に当たってくれ。問題ないな?
ジュライセン:
かわいそうに。毎日こき使われて、ナフィスの教え子というのも大変じゃ。
ナフィス:
老いぼれめ、仲間割れを煽るつもりか。
ティナリ:
大丈夫だよ。これは、先生がみんなの能力を信頼してることの証明だから。僕はみんなのバックアップってことだけど、緊急で対応しなきゃいけない場面はそうそうないだろうし。
ナフィス:
ふんっ。
ナヒーダ:
最後に…旅人。あなたは、私と一緒にナタの国境へ向かってほしいの。
ナヒーダ:
そしてそれが終わったら、何人かと一緒に「永遠のオアシス」へ行きましょう。
コレイ:
永遠のオアシス…そんな伝説みたいな場所、本当に存在するのか…?
ナフィス:
ナタですか…国の中心人物同士、本来であればもっと正式な形で顔を合わせるべきなのですが…今はスメールから外へ通じる道がほとんど残されていません…
ナフィス:
このような形で炎神マーヴィカと面会するのは、礼儀に反するが…皆、よろしく頼むぞ。
旅人:
最善を尽くすよ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
君たちのほうこそ、無理はしないことだね。
ジュライセン:
その通りじゃ!特に、草神様はまだ回復しきっておらんのじゃからな!
ナヒーダ:
心配いらないわ。アペプがくれた力が、私を支えてくれるもの。
パイモン:
そうだぞ、オイラたちがついてるんだから、ナヒーダは絶対に大丈夫だ!
ナヒーダ:
ええ。私は自分も、みんなのことも信じているわ。
ナヒーダ:
それじゃあ——行動開始よ。

妄念と知恵の塔
目下の緊急事態は、もはや常人に対処できるものではない。それでも、いるべき場所を離れる者は誰一人いない。閉ざされた知恵の国で、かつてない戦いが始まろうとしている…
アルハイゼンとカーヴェと会話する
アルハイゼン:
最終的な作戦がどの程度うまくいくかは、アーカーシャの改造状況次第だ。目標を達成するには、アアルをさらに最適化する必要がある。
カーヴェ:
ああ、分かってる。
アルハイゼン:
これからの行動だが、すでにアーカーシャ端末を持っているスメール人は、そのまま元の端末を使えばいい。
アルハイゼン:
問題は傭兵や砂漠の民、その他の特殊な事情を抱えた者たちだ…これまで端末を受け取ったことがない人々の分が、圧倒的に不足している。
カーヴェ:
アアルの改造や新端末の制作には、希少な素材が必要だ。今のところ霊廟内のプライマル構造体が、現地調達できる素材としては最適だね。
カーヴェ:
それにしても…今回のプロジェクト、全く時間に余裕がないな。
ナフィス:
アアルの合併改造計画は、二人に任せた。この計画に失敗は許されない…大変だろうが、よろしく頼むぞ。
ナフィス:
素材のほうは、先ほど話した通り、大マハマトラのセノと笠っちくんに任せている。
ナフィス:
キングデシェレトの霊廟の構造に詳しいセトスくんも一緒だ。彼がついていれば、彼らも迷うことはないだろう。
アルハイゼン:
彼なら信頼できる。俺たちは今のうちに休んでおこう。
カーヴェ:
そうだな。素材が揃い次第、作業を開始しよう。
セノ:
整列!しっかりついてくるんだ!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
何もそこまで肩肘張る必要はないだろう。
セトス:
いつものことだよ。君も知ってるだろ?
セノ:
目標は覚えているか?余分なプライマル構造体を見つけ次第、素材に変えるんだ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
キングデシェレトの七柱は何も言わなかったのかい?
セノ:
トートは「放っておいても意味がない、好きに使うといい」と言っていた。
キングデシェレトの霊廟内で必要な材料を集める
セトス:
一体どれだけ必要なんだ?
セノ:
アーカーシャ端末を持っていない者全員に、一つずつ配る必要がある。
セトス:
アーカーシャ端末は非常に強力で、君自身も影響を受けたことがあるって言ってなかったっけ?
セノ:
教令院はアーカーシャを「史上最も強力で完璧な知識補助システム」と称している。どれほどの力を秘めているか、想像に難くないだろう。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
確かにね。
セトス:
僕と笠っちは、アーカーシャ端末を持ってないんだよね。
セノ:
手に入れるいい機会じゃないか。
みんなと会話する
ドリー:
あらあら、遠くまで運んでくださってありがとうございます!本当に大変だったでしょう?
ドリー:
デコボコで歩きづらく、危険だらけの道中だったはずですわ…ご一緒できればよかったのですが、計画をよく知る者としてここを離れるわけにはいきませんものね。
ファルザン:
おお、ワシの組み立てを見よ!どうじゃ、まさに完璧じゃろう!
ファルザン:
じゃが、本当にこんなに要るのか?
ドリー:
計画ではそのようですわ。あらゆる面で素晴らしい装置ですけれど…いかんせんコストが少々高くつくのが…うぅ…
ティナリ:
資金の大半は君が出してるって聞いたけど?
ドリー:
そんなことはありませんわ。教令院も相当出資してくださりましたから。それに比べれば私の協力なんて、ほんのちょっとのものですわ。
ドリー:
もちろん、普段に比べれば利益なんてないも同然ですけれども…はぁ、こんな状況では、稼ぎにくいですわね。
ファルザン:
ふむ、デザインには美学を感じるのう。こんなに小さな装置で、光界の力を復元できるとは…面白い。
ティナリ:
先輩は「光界の力」の講義には行ったの?あの日、見かけなかった気がするけど。
ファルザン:
おお、行ったぞ。ただ、ほんの少し遅刻してしまっての…裏口の外で縮こまって聞く羽目になったのじゃが…コホン!
ファルザン:
とにかく、光界の力、元素力、そしてアビスの力…三者の関係はちゃんと理解できておるぞ!
ティナリ:
ならよかった。
ティナリ:
先生がこっそり教えてくれたんだけど、光界の力と元素力の転換に関する知識はむやみに広めるべきじゃないらしいんだ。それでも、学者たちはお構いなしに情報を共有したわけだけど。
ドリー:
あらあらあら。「人の口に戸は立てられぬ」とは、まさにこのことですわね。
ティナリ:
最初は草神様もみんなの身を案じて、詳細を言いたがらなかったんだけど…そのあと考え直したみたいで、存亡の危機に共に立ち向かうよう先生たちに話したんだ。
ティナリ:
誰かを危険から遠ざけて守るには、その人に理由を知られないようにする必要があるよね。けど、誰かに知識を理解して実践してもらいたいなら、その知識の本質を伝えなくちゃならない。
ティナリ:
伝えれば、僕たちも危険に晒されることになる…問題解決の可能性を餌に、様々な手段で人々を追求の道に誘い込む…
ティナリ:
葛藤があったとおもうよ。でも今日、この大きな問題は小さな問題になった。
ドリー:
小さな問題…ですの?
ファルザン:
うむ、ワシには分かるぞ。例えるなら、お前とワシは秘密の知識を共有しておるが、ワシと彼女は生死と運命を共に背負っておる…といったところか?
ドリー:
な、なんですって!それが「小さな」ことですの!?
ファルザン:
因論派はよく、一人の身に降りかかる一つの出来事は巨大なものじゃが、歴史の中では極めて些細なものであると言う。個人の運命など、全体から見れば小さなものじゃ。
ティナリ:
残念ながら僕は生論派出身だから、研究対象はもっと身近なものなんだ。実際問題、人に関わることが重要じゃないはずないんだけどね。
ドリー:
つまり…私たちの存亡に関わる問題は、お互いに関係のある小さな問題に解体されて…一人ひとりが背負うことになった、ということですの?
ファルザン:
一つの秘密を多くの者と分かち合えば、一つの大きな運命に多くの者を結びつけることができるのじゃ。
ファルザン:
…他の者には想像もつかんことかもしれん。じゃが、ワシら学者にとっては、いずれ取らざるを得ん選択肢として、常に頭の片隅にあるのじゃ。
ティナリ:
知識の共有は、運命に抗う有効手段だ。僕はこれからもずっと、そう信じ続けるよ。
ティナリ:
よし、これで運び終わったね。
ドリー:
ええ、お二人とも、よく頑張ってくれましたわね。次は機器の調整をお願いしますの。
ドリー:
準備がすべて整ったら、ティナリに隊を率いてもらって、キングデシェレトの霊廟まで運んでいただきますわ。
材料を確認して改造を開始する
カーヴェ:
よし。材料は全部揃った——これで次の段階に進めるな。
カーヴェ:
アルハイゼン、君のほうはどうだ?
アルハイゼン:
アアルの情報は大抵、古い砂漠の文字で記録されている。この砂漠の文字で綴られているのはどこかの部族の言語だ。こっちは字の形からして、オアシス文字の仲間らしいな。
カーヴェ:
ま、まさか…読み方がもう伝わってないんじゃ?
アルハイゼン:
一部はな。近しい言語の法則から推測するしかない。
アルハイゼン:
だが、幸いこの中には失われていた情報を補完する資料もある。写し終わったら、教令院に持ち帰ろう。
カーヴェ:
なあ、他にもアアルが起動した後に現れた二つの文があるんだ…読めるかい?
アルハイゼン:
「人は神の文字を『読む』ことなどできない——それを読もうとする限りは。」
アルハイゼン:
「勝利は容易に得られるべきではない。何故ならそれは神の知恵を象徴するものであるからだ。認識は揺るがされるべきではない。その本質には、外的な限界があるからだ。」
カーヴェ:
謎を解くためのヒントか?それとも、何かを暗に示しているのか…
カーヴェ:
読み取れないなら、読まなければいい…勝利は知恵であり、認識には境界がある…
カーヴェ:
待てよ、思いついたかもしれない。やっぱりこれはメタファーなんだ!つまり…
アルハイゼン:
——盤面か。
ヘリシャフ:
確かに君の言う通り、最近の若者は謎解きが得意らしいな。
トート:
ははっ、黄砂の中の数多の秘密も、少しずつ解き明かされてきただろう?アアルが知恵の届く場所である以上、遅かれ早かれこの日はやってくると思っていた。
ソベク:
俺は昔から、文を複雑にしすぎるのには反対だ!書くのも読むのも疲れないか?
カーヴェ:
ちょうどいいところに!アアルについて研究していたら、この盤面が起動してしまったんです。
アルハイゼン:
お三方は毎日、食後の暇つぶしにこれをやっていると聞いた。さぞかし心得があるんだろう。
ヘリシャフ:
確かに、神王が遺した数多の奇跡の中でも、彼の碁盤はとりわけ評判が良い。もし君たちが「神の碁盤」を訪れたことがあるなら、この駒に見覚えがあるはずだ。
カーヴェ:
もしかして…これはアアルの内部が顕在化したもの…?
ヘリシャフ:
その通り。
ヘリシャフ:
来訪者への準備は万全だ。法則通りに盤面の試練を達成して初めて、アアルの上書きが許可される。
カーヴェ:
待ってください。それは…危険なのでは?
トート:
ああ、当然危険だ。
カーヴェ:
なら…僕が行く。君はここで待っていてくれ。
アルハイゼン:
周りから、少しずつ自信を借りてきたか?
カーヴェ:
あのなあ!僕は先輩だぞ。先輩が後輩を守ろうとするのは当たり前だろ?
アルハイゼン:
気持ちは受け取っておくが、盤上ゲームというのは二人でやるものだ。
アルハイゼン:
それに、この手のゲームなら安全性は制御できるはずだ。局面が安定するのは、あなたたちにとっても好都合だろう?
カーヴェ:
…確かに。対局の難易度を調整してくださるのなら、お手柔らかにお願いできますか。
トート:
はぁ、ベンヌは脅かしたがっていたのだがな…まあいい、わかった。
カーヴェ:
ありがとうございます!もちろん、僕たちも気をつけます。
カーヴェ:
見たところ、普通の盤面じゃなさそうだね…相手を倒せばいいのかな?
ヘリシャフ:
否。我らの試練を乗り越えるのだ。
アルハイゼン:
準備はできたか?
カーヴェ:
行こう。
対局を振り返る
アルハイゼン:
これでいいだろう。
カーヴェ:
ふぅ、やっと終わった…
カーヴェ:
なかなか面白かったな!盤面の上に立つのは、地面に立つのとはまた違った感覚だった。それに…
カーヴェ:
おっと…感想はまた今度。お三方とも、ありがとうございました。先ほどはあなたがたが導いてくれたのでしょう?
ヘリシャフ:
微力ながらな。
トート:
思った通りだったな。お前たちならうまくやってくれると信じていた!手助けした甲斐があったというものだ。
アルハイゼン:
アアルの機能について、あなたがたに聞きたいことがある。
アルハイゼン:
アアルの障壁がキングデシェレトの霊廟全体を覆えるなら、もっと遠くまで拡散させることもできるはずだ。あなたたちならご存じではないのか?
カーヴェ:
つまり、今ある機能に加えて…なるほど!
アルハイゼン:
この機能と装置が組み合わさって、最大限に効果を発揮したらどうなるか…想像してみてほしい。
トート:
ほう、そこまで誠心誠意頼まれたら、断るわけにはいかないな…羊、ワニ、よいか?
ヘリシャフ:
無論だ。
カーヴェ:
確かにこれ以上ない解決策だ…!皆さん、どうかお願いします!
ナヒーダと会話する
ナヒーダ:
来たわね。
ナヒーダ:
ニコさんはさすが天の使いね。みんなを導く知恵に満ちているわ。ナタに伝言を届けてくれたの。
ナヒーダ:
それに、魔女会のみんなには重要な任務があるけれど、自分は暇だから、スメールの民にずっと付き添ってくれるとも言ってくれたわ。
パイモン:
おう、ニコはこれまでも、みんなのことを助けてくれたんだ。へへっ、オイラもいいやつだと思うぞ。
ナヒーダ:
ええ、善良で親切ね。
ナヒーダ:
次は私たちが動く番だわ。行きましょう。
国境へ向かう
旅人:
ここが、スメールとナタの境界…
旅人:
そしてあれがニコとネフェルの言ってた障壁か。スメールと他の国々を完全に分けてる…
旅人:
でも、どうして?なぜよりによってこんな時に、他の場所から隔絶しようとするんだ?
旅人:
世界樹は…かつて汚染されたことがあったはず…?
旅人:
(記憶違いじゃなければ、禁忌の知識は排除されたけど…世界樹が汚染されてた事実は変わらない。)
???:
いい観点だ。私も、同じことが気になっている。
旅人:
その声…マーヴィカ!早かったね。
マーヴィカ:
旅人、久しぶりだな。
ナヒーダ:
こんにちは。
マーヴィカ:
やあ、草神ナヒーダ。
ナヒーダ:
マーヴィカ、突然国境まで呼び出してしまってごめんなさい。
ナヒーダ:
それからこんな形で話すしかないことを、許してちょうだい。今あなたが見ている私は、旅人の体を借りて存在している。私は今、キングデシェレトの霊廟の中から、意識を通してあなたと交流しているの。
ナヒーダ:
世界樹が「博士」の侵入を受けたわ。彼が樹の内部から世界の情報を覗き見ることを警戒しなければならない…旅人は世界樹に記録されないし、あなたもまだナタにいる。
マーヴィカ:
——私の記録は地脈ではなく夜神の国に残される。夜神の国と地脈の循環が接続しない限り、「博士」に私の動きを知られることはないだろう。
ナヒーダ:
そうよね。
マーヴィカ:
私たち三人がこのような形で顔を合わせた事実は、存在しないも同然だな。パイモンがいないことにも納得だ——世界樹に記録されてしまうことを心配したんだろう?
マーヴィカ:
スメールの状況については、我々ナタ人も耳にしている。境界は封鎖され、キャラバンは輸送の中止を余儀なくされた…かなり深刻な事態だ。相当苦労しただろう。
ナヒーダ:
さっきのあなたたちの疑問に、答えるわ。ここからの話は…少し残酷なものになるかもしれない。
旅人:
…わかった。
ナヒーダ:
私も断言したくはないのだけれど…世界樹は天理より先にあった。ナタで龍たちが栄華を極めていた頃には、すでに存在していたの。
ナヒーダ:
スメールの民を苦しめる病状が出たことも、世界樹にとってはさほど深刻な問題ではなかった。世界樹自体は正常に稼働していたから、障壁も生成されなかったの。
ナヒーダ:
だけど今、「博士」の侵入が世界樹そのものに影響を及ぼした。だから障壁が展開したのよ。
ナヒーダ:
これは「天理」が定めたルール。世界樹が深刻な危機に陥った時、力の一部を確保してスメールを隔絶するようになっているの。
ナヒーダ:
そうすれば、たとえスメールが滅びてしまっても、外の世界が準備する時間を稼げるから…
マーヴィカ:
その苦難については、私たちもよくわかる。
ナヒーダ:
天理は、今のテイワットにあるほとんどのものを創造したわ。天理にとって、その大部分の存続を維持することの優先順位は、スメールを守ることよりも高いの。
マーヴィカ:
だから、自分のやり方でスメールを守るつもりなのか?
ナヒーダ:
ええ。あなたに比べれば、私の個体としての力は少し劣るわ。でもだからといって、座して死を待つ道しか残されていないわけではない。いざとなったら、あらゆる手段を使うつもりよ。
マーヴィカ:
魔女会のニコさんは明言しなかったが、来訪の意図はわかった。
旅人:
うん、ナヒーダと真剣に話し合った結果なんだ。重すぎるお願いだとは分かってるけど…
マーヴィカ:
——必要なのは炎の神の心、だろう?
ナヒーダ:
ええ、その通りよ。
ナヒーダ:
本当は「借りる」と言いたかったのだけれど、予想をはるかに超える事態で…だから、炎の神の心をスメールに譲ってほしいの。
マーヴィカ:
ハハハッ、何を躊躇う?遠慮する必要はない。
旅人:
神にとって、「神の心」はとても重要なものでしょ…?
マーヴィカ:
重要でないとは言えないが、なくなったら無力になるほどのものでもないな。
マーヴィカ:
君たちは多くの国を巡り、多くの神と関わってきた。それは分かっているはずだ。
マーヴィカ:
私にとって、「神の心」は元素増幅装置のようなものだ。だが、普段は使うことがない。君たちも知っての通り…私は、自分のことを結構強いと思っているからな。
旅人:
みんな知ってる。
マーヴィカ:
ハハハッ、だから言っただろう、もっと肩の力を抜けと。ほら、これが炎の神の心だ。
旅人:
えっ?こんなにあっさり…?
マーヴィカ:
取り出すのは、そう難しいことじゃない。それに、元々必要とする者に渡そうと思っていたんだ。
マーヴィカ:
ナヒーダが君と来たのは、成功率を上げるためだろう?実際、君が来たことも、私を説得する理由の一つになった。
旅人:
本当にいいの?とても大事な、神の心に関わることなのに…
マーヴィカ:
信じてくれ——君が成し遂げてきたことを量るような真似はしない。だが、私にとってトゥマイニに「神の心」を渡すのは、そう突飛なことではないんだ。
マーヴィカ:
たとえ旅人が一緒でなくとも、ナヒーダ…私は君の願いを受け入れただろう。
マーヴィカ:
世界樹の影響はスメールに留まらず、テイワット全土に及ぶものだ。それを守ることがいかに困難なことか、私はよく知っている。感情から言っても、理屈から言っても力を貸すべきだろう。
マーヴィカ:
具体的な計画は教えてくれなくていい。神の心の件は、秘密にすればするほど、成功率が高まるだろう。
ナヒーダ:
マーヴィカ…
ナヒーダ:
あなたとナタの人々に、心から感謝するわ。
マーヴィカ:
気にするな。
マーヴィカ:
だが…問題はこれをどうやって君たちに渡すか、だな。世界樹が作り出した障壁が、立ちはだかっている今…
旅人:
一つ、考えがある。
ナヒーダ:
やっぱり…!
マーヴィカ:
不思議だ…いったい何をした?
旅人:
ただの当てずっぽうだよ。よくあることでしょ?俺だけ違うって状況…今回ももしかしたら、それと同じかもしれないと思ったんだ。
ナヒーダ:
世界樹は記録に基づいて影響を及ぼす。旅人は降臨者で、世界樹の中に彼の記録はないから、彼を阻むことはできないのよ。
マーヴィカ:
なるほど、そういうことか。君は本当に面白いな。
マーヴィカ:
受け取ってくれ。
旅人:
わっ!
旅人:
ありがとう、マーヴィカ。こんなに大切な物を…本当にありがとう。
マーヴィカ:
よしてくれ。私と君の仲だろう?
マーヴィカ:
それに、もう一つ問題があるな。君は障壁を通り抜けられるが、神の心もそうとは限らない…何か手はあるか?
旅人:
うん…試してみる。
旅人:
(炎の神の心——重さは普通、むしろ軽く感じられる。これが神の最高権力の象徴…)
旅人:
(思い返してみよう。炎の思い出…ナタでの旅の記憶…どれも、とても大切な経験になった。)
旅人:
……
ナヒーダ:
神の心が消えてしまったわ…大丈夫?
旅人:
うん、大丈夫。
旅人:
炎の神の心が…燃素みたいに、俺の体の中に消えた…
マーヴィカ:
もしかすると、君が燃素を掌握したから、共鳴したのかもしれないな。地脈に記録されずとも、やはり君は我々のトゥマイニだ。
旅人:
…ふぅ。
旅人:
(本当に通れた…我ながら不思議だ。)
ナヒーダ:
マーヴィカ…改めてお礼を言わせてちょうだい。
マーヴィカ:
私が手伝えるのはここまでだ。あとは君たちに任せよう——健闘を祈る。
ナヒーダ:
ええ、必ず。
旅人:
うん、俺たちは絶対に負けない!
ナヒーダと会話する
ナヒーダ:
旅人、パイモン、気分はどうかしら?
パイモン:
ちょっと緊張してる…けど、ちょっとだけだぞ。ここ数年で、オイラもだいぶ度胸がついたぜ。
ナヒーダ:
パイモンはずっと旅人と一緒に冒険しながら、たくさんの経験を積んできたんだもの。成長して当然だわ。
旅人:
俺も平気だけど、君は?ナヒーダ、体調は大丈夫?
ナヒーダ:
世界樹がもたらした悪影響は…果物が虫に食われて、腐ってしまったようなもの。そうね…大丈夫とは言えないわ。
ナヒーダ:
でも心配しないで、覚悟も準備もできているわ。私はみんなを、あなたを…そして私自身を信じている。
ナヒーダ:
独りで心を燃やすのも一つの生き方だけど、必要な時に仲間に頼るのもまた、偉大な知恵よ。
ナヒーダ:
駄獣の抜け毛をこっそり集めるように、私もみんなからそういうことをこっそりと学んでいるわ。
旅人:
俺もだよ。旅をしながら、絶えず学び、成長していく。人生とは本来、そういうものでしょ。
ナヒーダ:
どうやら…同じ考えの人がもう一人いるみたいね。
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通りすがりに聞こえただけさ。僕の意見なんて気にする必要はない。
パイモン:
なに言ってるんだ、ここは屋上だぞ!誰が屋上を偶然通りかかるっていうんだ?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ありえないことはないだろ?君だって僕と同じように空を飛べるじゃないか。君ならわかるはずだろ?
旅人:
…なぜか、ちょっと緊張がほぐれてきた。
ナヒーダ:
あなたの肩の荷を下ろしてあげられたのね。それってスメールがあなたにとって、背中を預けるに値する…信頼に足る場所だってことよ。
ナヒーダ:
それはまさに、私たちがあなたに対して感じていることでもあるわ。だから、友達って大切なのよ。
辺りを散策し、みんなの会話を聞いてみる
セノ:
明日、太陽が昇ったら行動開始だ。
ティナリ:
うん。準備はいい?
セノ:
できる限りの準備はした。
ティナリ:
それならきっと大丈夫だ。気負うことないよ、一歩一歩進めばいい。僕たちはいつもそうして乗り越えてきたんだから。
コレイ:
師匠、セノさん!やっと見つけた。
コレイ:
ジュースと水を持ってきたんだけど、飲まないか…?
セノ:
ここは砂漠だ——お前はすぐバテるから、水を飲むといい。俺はジュースをいただこう。
ティナリ:
ははっ…
ティナリ:
——まさかこんな時にジュースが飲めるなんてね?
コレイ:
ファルザン先輩が緊張するって言うから、友達が発明したジューサーのことを教えてあげたんだ。そしたら次から次へとジュースを搾りまくっちゃってさ。
セノ:
ジューサー…スクロースが送ってきたやつか?
コレイ:
うん。もらったばかりで試す暇もないまま、こんなことになっちゃって…ガンダルヴァー村に置いてくるのはもったいないと思ったんだ。
ティナリ:
すごく甘いジュースだね。
コレイ:
あたしも思った!
セノ:
コレイ、具合はどうだ?
コレイ:
体に大きな問題はないよ。でも…
コレイ:
…なんか変な気持ちなんだ。こんなに偉大な力が、どうしてあたしの身に宿ったんだろう?
セノ:
気持ちはよく分かる。俺も子供の頃は、毎日そう思っていた。
コレイ:
今のあたしも、同じ気持ちかな。
セノ:
だからお前は素論派に進むべきだと言ったのに。ティナリがどうしても許さなかったから。
ティナリ:
それは関係ないだろ。
ファルザン:
何の話をしておるんじゃ?ジュースでも飲むか?…おっと、もう飲んでおったか…
コレイ:
うん。あたしもさっきもらったから、余った分はほかの人にあげて。
ファルザン:
うむ。では、ワシは行くぞ。
セノ:
巨大な力と、ちっぽけな自分。お前はその二つに関連性がないと感じ、その乖離した感覚に馴染めずにいる…
コレイ:
はぁ…今更こんなことで悩まされるなんて、幼稚だよな。
ティナリ:
コレイ。普段はあまり深い話をしないけど、それは深い話ができないってことじゃないよ。
ティナリ:
たとえばさっき君が言ったことだけど、僕はそうは思わない。君は事件の被害者なんだ。その悪影響を受けるのは普通のことだし、恥じる必要なんてない。
セノ:
俺も前、先生に言われた。被害者が事件はまだ終わっていないと感じている限り、その事件は終わったことにならないとな。
セノ:
お前の怒りや苦しみは、正当なものだ。
コレイ:
……
コレイ:
うん。
コレイ:
ニコさんが言ってたんだ。この残滓…かつてあたしをあんなに苦しめた物が、今はみんなを守る武器になったんだって。これは、あたしだけの「進化」だ。
コレイ:
罪のない被害者が、自分が悪いわけじゃないって理解するのには、時間がかかるものだ。あたしも、そうだった。
コレイ:
でも、こういうことももうすぐ終わる…明日には。
ティナリ:
コレイ、最近君は言葉に詰まらなくなったし、考え方もずいぶん前向きになった。以前の君とは大違いだよ。
セノ:
まだ事が終わっていないと思うなら、お前の手で終わらせてやれ。今のお前ならきっとできるはずだ。
コレイ:
うん。スメールはあたしの大切な家だから、守りたい…いや、絶対に守るよ。
セノ:
戻って来たら、素論派に入るため試験を受け直してみるのはどうだ?
ティナリ:
ちょっと、それは別問題だよ!
ファルザン:
ジュースが三杯余ったんじゃが、飲まぬか?これを持ったまま動き回っていたら、くたびれた。
コレイ:
ぷっ…先輩、何して…あたしが持つよ。
ティナリ:
ありがとう、ファルザン先輩。
ファルザン:
先輩であるワシの腕前、しかと味わうがよい。さて、他のものも作るかの。
コレイ:
先輩、肩の力を抜いてくれ!
ファルザン:
分かっておる、分かっておる。まったく。
辺りを散策し、みんなの会話を聞いてみる
ディシア:
残念だが、明日は戦いがあるからな…酒はお預けだ。
キャンディス:
では、お祈りしましょうか。
ドリー:
お祈り…懐かしいですわ。
ディシア:
サングマハベイ様も風に当たりに来たのか?
ドリー:
ええ!それからちょうどあなたを探していましたの。ディシア、この前言っていたいい香りのクリーム、入荷しましたよ。
ディシア:
おっ?本当か?二つもらうよ。まけてくれたりしねぇか?
ドリー:
そうおっしゃると思っていましたわ…
ドリー:
てってれー、大サービス!タダで大放出ですわ!
キャンディス:
ナド・クライで大儲けでもなさったのですか?随分と気前がいいですね。
ドリー:
あそこは稼ぎにくくて、色々と損もしてしまいましたわ…でもこれは、もともとディシアとあなたに差し上げようと思っていたものですの。
ドリー:
先月、お二人が砂漠で通りがかりに守ってくださったあのキャラバンが運んでいたのは私の商品でしたのよ。
ディシア:
ハハッ!なるほど、まさかあんたの商品だったとはな。どうりでヘンな物ばかりだと思ったぜ。
キャンディス:
気になさらずともよかったのに…サングマハベイ様が長年、砂漠で行ってきた投資と備蓄は、多くの人々を助けてきました。あなたが作った避難所のおかげで、老人や子供たちもいくらか楽に過ごせています。
ドリー:
ま、待ってくださいまし——どうしてご存知なんですの?ああ…ネフェルが教えたんですのね?
ドリー:
うぅ…情報屋が情報を渡すなら、料金を取るべきじゃありませんの!
ディシア:
二人は昔からの知り合いだからな。昔の友達に知ってることを話すくらい、普通だろ。
ドリー:
よりによって、どうして私のことなんですの!
キャンディス:
ふふ、ネフェルのあなたへの気遣いですよ。きっとあなたがどういう人か、みんなに知ってほしいと思っているんです。
ディシア:
外で色んな人を見るあたしらはちゃんと分かってるが、他のやつらもそうとは限らねぇだろ。
ドリー:
はぁ…そりゃあ、親切心もあるでしょうけれど、私をからかって楽しんでいるのですわ…ネフェルという女性は、少々意地が悪いのです。
ディシア:
ま、それは同感だな。
キャンディス:
……
ディシア:
…祈れば少しは落ち着くか?
キャンディス:
いいえ…私の心は、怒りと期待で満ちています。それでも、故郷を守りたいと思うのは正しいことですから。
ドリー:
怒り…ええ、怒れるのは良いことですわ。まだ外界を感じ取れている証拠ですし、何かを追い求めるために闘志を燃やせるということですもの。
ドニアザード:
……
ディシア:
ん?ドニアザード、なんでこんなとこに?
ドニアザード:
気分転換に散歩をしていたら、いつの間にか…ねえ、お祈りをしていたの?
キャンディス:
ええ、ドニアザードお嬢様。ご一緒にいかがですか?
ドニアザード:
私…
ディシア:
大丈夫だ、来な。誰に祈ろうが、こいつは気にしやしない。
ドニアザード:
あ、ありがとう。
ドニアザード:
……
ドリー:
あなたのことは覚えておりますわ。私のお店に来てくださいましたでしょう。確か…草神様を信仰されているのでしたかしら?
ドニアザード:
ええ、草神様はとても優しくて、善良な神様よ。でも…今の私にとって、あの方は単なる信仰対象じゃないわ。
ドニアザード:
…友達なの。私だけじゃないわ。多くの人にとって、彼女は高みにいる神ではなく、本当の友達なのよ。
ドリー:
ええ、良き師であり、良き友人ですわね。同意見ですわ。
ドニアザード:
ここへ避難してくる途中、何人かと話したわ。明日は誰もが参加できる戦い…友達や故郷を守るための戦いだと、みんな知っていた。
ドニアザード:
私、嬉しいの。私を守ってくれた人たちのために、ようやく何かできる時が来たんだもの。
ディシア:
ハハッ、初めて会った時から、ずいぶん成長したな。
ドニアザード:
じゃあ、褒めてくれる?
ディシア:
ドニアザードは強くて、向上心もある。でもこれは褒めてるんじゃなくて、事実を述べてるだけだ。
ドニアザード:
……
ディシア:
何に祈ってるんだ?
キャンディス:
私たちの信仰は全く同じというわけではありませんが、願いは通じ合っています。
ドニアザード:
(人々が難局を乗り越え、無事に戻ってこられますように。)
キャンディス:
(すべての仲間が安全でいられますように。)
辺りを散策し、みんなの会話を聞いてみる
カーヴェ:
はぁ——!やっと終わった…うーん、でもまだ何かやり残しているような気がするな…
カーヴェ:
おっ、ここにいたのか。仕事は全部済んだかい?
アルハイゼン:
……
カーヴェ:
……
カーヴェ:
いや、今のは忘れてくれ。一緒に作業していたんだったな。
アルハイゼン:
かなりお疲れのようだな。
カーヴェ:
いろいろあったから…君もだろ。
アルハイゼン:
仕事が終わったら、潔く帰るべきだ。
カーヴェ:
確かに、そろそろ休憩するべきだな。もうこんな時間だし、水でいいか…
カーヴェ:
ほら、君も飲め。
アルハイゼン:
ありがとう。
カーヴェ:
お腹は空いてないかい?何か持ってこようか?近くにオーブンがあったはずだから、ちょっと見てくるよ…
アルハイゼン:
緊張しているのか?
カーヴェ:
…少しね。君はどうして全然緊張してないんだ?
アルハイゼン:
これから起こることはすべて、俺個人の能力で決められることじゃない。どうにもできないことに悩んだりしない。
カーヴェ:
どうにもできないってわけじゃないだろう。今回の戦略の大部分を考えたのは君のはずだ。
アルハイゼン:
できることには限りがある。俺はただ義務を果たしただけだよ。
カーヴェ:
前回もこうだったのかい?
アルハイゼン:
——アザールと取り巻きのことか?そうとも言えるし、違うとも言える。あの時はもう少し状況を把握しやすかったが、今よりさらに準備時間が少なかった。
カーヴェ:
つまり、敵はさらに手強くなったけど、僕らもより強くなったってことだね。
カーヴェ:
ふん、忘れようったって忘れられない。あの時、図書館で僕を問い詰めただろ。「スメールが君を一番必要としていた時、君は何をしていた?」ってさ。
アルハイゼン:
ほう、自分から喧嘩を売りに来たことくらいは覚えていると思っていたが。大抵の場合、争いの話題を持ち出すのは君の方だ。
カーヴェ:
話題を持ち出した時は、喧嘩になるなんて思ってなかったんだ!とにかく今回は参加したじゃないか。どうだ?
アルハイゼン:
どうだと言われても。いいことだな。
カーヴェ:
僕が手伝うのも悪くないだろ?
アルハイゼン:
確かに君はスメール人として、災難を目の前にこの上ない責任感を発揮してくれた。
カーヴェ:
ああ。万が一、事態の収拾がつかなくなったら、世界がどんな姿になってしまうか、僕には想像もつかないからね。
カーヴェ:
なあ…これが災難の訪れる時の姿だって、信じられるか?
カーヴェ:
空はこんなにも澄み渡り、腐敗や滅亡の匂いなんてこれっぽっちも感じさせないそよ風が吹いている…こんなありふれた日に、人々の未来が葬り去られるなんてこと、あっていいはずがない。
アルハイゼン:
「どうしようもないこと」は毎日起きている。食い止められることもあれば、そうでないこともある。
アルハイゼン:
俺たちにできるのは、可能性を高めることだけだ。
カーヴェ:
「大いなる理想では虚無に対抗できないかもしれないが、小さき選択ならそれに対抗できる」、か…
アルハイゼン:
ん?
カーヴェ:
いや、なんでもない。
カーヴェ:
明日は上手くいくといいな。
アルハイゼン:
ああ——計画通りに動けば、勝算は低くない。
カーヴェ:
はぁ…君は後輩のくせに、いつも僕より先輩みたいな態度だよな。おかしな話だ。
アルハイゼン:
恐らく、風格の問題だろう。
カーヴェ:
君には参るよ…
辺りを散策し、みんなの会話を聞いてみる
ニコ:
ネフェルさん、何か考え事?
ネフェル:
別に大したことじゃないさ。ただ、未来によそよそしさを感じてね。
ニコ:
未来は訪れてすらいないのに、よそよそしいってどういうこと?
ネフェル:
厄災の到来を知ってる人と、何も知らない人。この人たちが思い描く未来は違うし、同じ未来に辿り着いた時の感触もまた違う。
ネフェル:
環境が人の違いを生み、その違いが人の考えを決めるってわけだ。
ニコ:
教令院因論派の観点は、いつも鋭いわね。
ネフェル:
ナド・クライが一番危険だったあの頃でさえ、人の認識にはズレがあった。だけど、今回は違う…
ニコ:
そうね。
ニコ:
信仰、性別、貧富、肌や瞳の色に関係なく…スメール人はみんな、明日起こることを知っているわ。
ネフェル:
この世に公正なんてあまりないけど…そんな世界でも、こんな瞬間を迎える時が来るんだね。本当に面白いよ。
ネフェル:
…父さんが生きて、この時代に辿り着けてたらどれだけよかったか。
ニコ:
時代…あたしにとって、その言葉が意味する間隔はもっと大きなものだわ。時折、恐怖を感じるの。あたしはその言葉が…怖いわ。
ネフェル:
天の使いにも怖いものがあったとはね。
ニコ:
ええ、少なくともあたしにはあるわ。日々広がり続ける、永遠に終点のない時間が恐ろしい…
ニコ:
時間は記憶を些細なものに変え、すべての輝かしいことの重みを奪ってしまう。あたしが一番失いたくないのは…その記憶なの。
ネフェル:
あんたのそういうところ、人間にそっくりだね。
ニコ:
天の使いは人に近づきすぎて、ついには認知の炎に翼を焼き切られ、俗世に堕ちてしまった。あたしは人と長く過ごしすぎたせいで、多くの栄光を失ってしまったわ。
ネフェル:
…でも、いいじゃないか。
ネフェル:
あんたはそこらの人間より、よっぽど人間味があるよ。
ニコ:
ここ数日、コレイとたくさん話したけど…あたしたちは、正反対の状況みたいだったわ。これって、対照的なサンプルと言えるかしら。
ネフェル:
だったら何だってんだい?
ニコ:
自分自身を見定めたいのかもしれないわ。比べてみて…自分には欲しい物がもっとあると気づいたの。
ニコ:
例えば、平凡さや温もり…人々が栄光や奇跡を追い求めるように、あたしもまた、自分の奇跡を追い求めているの。
ニコ:
人々の胸に宿る奇跡を、現実へと導くこと——それこそが、あたしにとっての奇跡よ。
ニコ:
うふふ、なかなかいいことを言っているように聞こえない?
辺りを散策し、みんなの会話を聞いてみる
ハイパシア:
もうこんな時間!もっと早く帰るべきでしたわ…きゃっ!
ハイパシア:
ごめんなさい、ちゃんと前を見ていなくて…大丈夫ですか?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
チッ…構わない。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
君は…
ハイパシア:
私をご存じで?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
知恵の殿堂のそばですれ違った程度だ。
ハイパシア:
えっ…あっ!もしかして、因論派の「笠っち」さんでは?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
何故わかった?
ハイパシア:
なぞなぞの答えはなぞの中にあるものですわ。ね、「笠」っちさん。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ふん…
ハイパシア:
ふふっ、こんなに夜遅いのに、まだお休みにならないのですか?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
君だってまだ外にいるだろう。僕の記憶が確かなら、明論派関連の仕事はずいぶん前に終わっているはずだ。
ハイパシア:
私はサティアワダライフについて多少心得のある学者ですから。草神様のお手伝いで準備作業をしていて、うっかりこんな時間になってしまいました…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
…瞑想から得るものはあったかい?
ハイパシア:
正直に言えば、最初は無味乾燥というか、退屈で…でも次第に、多くの壮大な真理を本当に感じ取れるようになりましたわ…苦痛にさえ感じるほどに。
ハイパシア:
なんでも、私は瞑想中に涙を流していたそうです。なぜかは自分でもよく分からなくて…あ、不気味な話をしてすみません。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そんな風に言うことはないさ。それは君が、成功した学者であることの証明だ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
おやすみ、明日は上手くいくといいね。
ハイパシア:
ありがとうございます。そうですわね。

虚空劫灰のプラーナ
「少女は長い長い夢を見た。その夢の中で、人々は手をつないで輪になっていた。賢者と愚者、踊り子と勇士、人形と神像…種族、年齢、性別の垣根を超えて。その歓喜の舞には、知恵にまつわるすべてが秘められていた。」
キングデシェレトの霊廟の入口へ向かう
ソベク:
こんな心境は、久しぶりだな。
ソベク:
高みに立ち、巻き上がる黄砂を眺める…自由を失わなければ、自由の意味など分からないものだ。
ヘリシャフ:
黄金の眠り…確かにその名にふさわしい夢の世界だな。そこにも黄砂はあるかもしれないが——蜃気楼がいかに煌めこうとも、現実世界の美しさには敵わない。
トート:
草神様、何か考え事ですか?
ナヒーダ:
考えていたの…心の中にある疑問について、誰に尋ねればいいのかしらって。
トート:
どのような疑問で?
ナヒーダ:
数えきれないほどあるから、言葉にするのは難しいわ。
ナヒーダ:
前にとある友達にこう言ったことがあるの——私たちは仰視し、認知し、理解してもなお、問題に囚われる。
ナヒーダ:
世の中の数多の災難もまた、答えようのない問題の集まりなんじゃないかしら。
トート:
あなたの最大の疑問は、いかにして勝利を掴み取るかではないのですか。
ナヒーダ:
そうね。でも…もっと別の言い方で表したいわ。
ナヒーダ:
私は失敗すべきでない。だから今、私が一番気になっているのは…勝利へと至る道が険しいものかどうかということよ。
ヘリシャフ:
芽吹いたばかりの苗木が、天を衝く巨木にならぬとは限らない——無知の領域から踏み出し、時のベールを越えて彼女の本質を見極めればそれが分かるはずだ。
パイモン:
ナヒーダ!来たぞ!
ナヒーダ:
ちょうどよかったわ。こちらの準備もだいたい整ったところよ。
旅人:
いつでも行けるよ。
ニコ:
あたしたちも来たわよ!
コレイ:
ニコさん、ま、待って…足が速すぎるよ!
コレイ:
ふぅ…普段鍛えてるレンジャーのあたしですら、追いつけないなんて…
ニコ:
あら、ちょっと気がはやってしまって…
コレイ:
草神様、機器の準備はできたよ。アアル内部の改造工事もばっちりだ。
ナヒーダ:
会議で決めた計画通りに進めましょう…
カーヴェ:
今の段階では、アーカーシャを経由して世界樹にアクセスすることはできない。でも、他にも手はある。ただ…少し過激なのと、実現には高い技術が必要になる…
カーヴェ:
詳細は、君から話してくれ。
アルハイゼン:
アーカーシャのメインシステムと機能の多くは、アアルと酷似している。開発に前後関係があるか、同じ技術が採用されていると考えるのが妥当だ。
アルハイゼン:
移植と統合に成功すれば、理論上、アアルはアーカーシャを上回る、世界樹とほぼ同等の規模を手に入れることになる。今のテイワットにおいて、最大の演算システムになるはずだ。
アルハイゼン:
そうなれば、できることは格段に増える。アーカーシャはほとんど一方的に外部へ情報を送信するために使われていたが、ブリッジの機能を持たせることもできるだろう。
アルハイゼン:
例えばすでに、アーカーシャ端末を使い、お香や瞑想によって意識を世界樹へ接続し、より多くの知識を得ようとする学者もいる。
ティナリ:
うん、学術界ではその接続のための修行段階のことを「サティアワダライフ」と呼んでる。ハイパシアも前、そういう瞑想を何度もやってて、僕もしばらく彼女の世話をしてたよ。
アルハイゼン:
ああ。つまり、世界樹の中には「接続可能なエリアが存在する」ということだ。
ナヒーダ:
そうね、人々に知恵を与えることもまた、世界樹の存在意義の一つだわ。続けてちょうだい。
アルハイゼン:
——結論から言おう。アアルをさらに改造してアーカーシャと統合し、新端末を連絡のつくすべての者に配布する。
ディシア:
すべての者…?砂漠に住む人々も含めてか?
アルハイゼン:
そう、全員だ。
カーヴェ:
必要な材料の量については、僕の方で計算済みだ。
コレイ:
つまり、新しいアーカーシャ装置が手に入るってことか…?
アルハイゼン:
今回、スメール人は知識を取得するためにそれを使うわけじゃない。重要なのは、世界樹に接続するという行為そのものだ。
カーヴェ:
スメールシティから撤退する時、知恵の殿堂にあった重要な資産は念のため全て運び出した——アーカーシャのシステムも含めてね。
カーヴェ:
関連記録もすべて調べたよ。確かなのは、歴史上こんな規模の動きは一度もなかったってことだ。今回は…
アルハイゼン:
すべてのスメール人が計画の一部だ。全員を把握し、そこから全体を掌握する。
ナヒーダ:
世界樹の接続機能は、誕生してからずっと学者にのみ提供されてきたものだけど、学者の人数というのはさほど多くないわ。
ナヒーダ:
今回は、その規模を全スメール人にまで拡大し、「負荷」がかかるまで接続し続ける。
ナヒーダ:
普段なら世界樹には何の影響もないかもしれないけど、今はあちら側の行為の影響で、ただでさえ負荷への耐性が弱まっているはずよ。
ナヒーダ:
そこへさらに負荷をかければ、機能を停止させられるかもしれないわ。
キングデシェレトの霊廟の入口へ向かう
movie
全員が心を一つにして協力し、巨大な負荷を利用して世界樹を妨害する——独創的で強力なこの戦略により、ついに世界樹を停止させることに成功した。
パイモン:
やったぞ!邪悪な世界樹の成長が止まった!
旅人:
よかった…!
トート:
ほう、大胆なことを考えたものだな。まさか世界樹の停止をこの目で見ることになるとは…人類ならではの知恵と言うべきか。
ソベク:
確かに、こんな真似ができるのは人間くらいだろう。これほどの数の魔神はいないからな。
ヘリシャフ:
知識を広めるために定められたはずの機能を利用するとは…ふふん、悪くない考えだ。
ナヒーダ:
手を貸してくれてありがとう。おかげでアアルの妨害機能を、すべての端末に実装できたわ。
ナヒーダ:
これで、端末を装着したすべての人の行動は、世界樹に正しく記録されなくなる。ドットーレがどれだけ多くの目を持っていようと、私たちを捉えることはできないわ。
ナヒーダ:
次も…
ナヒーダ:
あなたたちの至高の力が必要なの。
ヘリシャフ:
何をお手伝いすればよろしいでしょう?草神様。
ナヒーダ:
今すぐ永遠のオアシスに行きたいわ。
パイモン:
今すぐ!?
ヘリシャフ:
ならば、トキの王。いつもの「あの手」はどうだ?
トート:
ネフェル、あのゲームボックスを持っているな。
ネフェル:
ふふ、人に贈ったプレゼントを返せって言い出すクチかい?
トート:
そんなわけがなかろう?あれのもう一つの使い方を教えてやろうというのだ。
トート:
「神の碁盤」と——接続するのだ。
コレイ:
「神の碁盤」?砂漠にある場所のことか?
ヘリシャフ:
トートのボックス…その力の源は、神王と我らが共に砂漠に敷いたあの盤面だ。儀式の一切は、神の碁盤を通して発動する。
ヘリシャフ:
つまり、ボックスはその盤面の延長のようなものだ。かつて駒を動かすことは、神聖かつ重大な行為だった。
トート:
移動開始——「実戦状態」に入る。
「博士」と会話する
ファデュイ兵士:
砂漠のほうの見張りからは何の連絡も返ってきません。恐らくスメールの者に捕らえられたかと…
???:
構いません。
ファデュイ兵士:
ですが、あれは我々がずっと使ってきた現地の人間で…
???:
元手なき商売などなく、損失にも意味があります。その程度のコストで彼らの有限な時間を削れたならば、十分価値があったと言えるでしょう。
ファデュイ兵士:
…はい。
???:
人は生きるうえで損得を勘定するものです。しかし損失について語るならば、この件が始まった当初から…いえ、数百年も昔から、私は損失に直面してきました。
「富者」:
銀行家として遺言執行者を務めることもその一つです。あなたが北国銀行に私物を預けていなければ、私は今ここにいなかったでしょうね。
「富者」:
ドットーレ、契約に従って、あなたの最後のデータのバックアップを地脈に入れておきましたよ。支払った保管料に十分見合う働きでしょう?
ドットーレ:
私とお前の仲だろう。そこまで細かく計算する必要があるか?
「富者」:
損得勘定は大前提ですよ。
ドットーレ:
私のおかげで今日まで生き延びられたということを忘れているようだな。私と知り合ってからのお前の毎日は、この世界から「借用」してきたようなものだろう?
「富者」:
その言い方は、いささか公正さを欠くのではありませんか。なるほど確かに、私が生き長らえたのはあなたの考え一つだったと言えるかもしれませんが…執行官になれたのは、あくまで私自身の力の成果です。
「富者」:
資産の管理という役目は、その他とは毛色が違います。あなたの推薦があったからといって必ずしもその座に就けるわけではない。私が能無しならば、今日まで生き残っていませんよ。
ドットーレ:
地脈にはあらゆる情報が揃っている——お前のそのプライドの高さも、忘れてはいない。
ドットーレ:
どうかね?私との会話に違和感はないだろう。
「富者」:
残りの魂を二つに分けて半分をナド・クライへ送り、もう半分を北国銀行の最深部にある金庫に保管する…これほど厳重な策を講じたのですから、間違いの起きようがないでしょう。
「富者」:
どうしてそこまで断片を嫌うのか…滑稽ですね。ザンディクはあなたであり、あなたはザンディクだ。ザンディクは断片の創造主なのに、断片であるあなたが彼を否定するとは。
ドットーレ:
「私」——つまりザンディクは、晩年に各年齢の断片を制作した。その目的のために、やつは「時間」を凝固させ、魂の一部を使用した。
ドットーレ:
建設的なことのように聞こえるかもしれないが、それは「私」の唯一性を抹殺するに等しいのだよ。すべての私が私であるということは、どの私も私ではないということだ。
ドットーレ:
過去を生き続けた魂が、晩年の彼と完全に同じ考えを持つはずがない。私の全面性は、同時に限界性でもあるわけだ。
ドットーレ:
お前も自分自身に問いかけてみるがいい。もし自分なら、人生のどの段階を残したいと思う?事業に失敗した日か?それとも…ギャングにはめられ、実験体として医学研究所に売られた日か?
「富者」:
…無意味な会話です。
ドットーレ:
不快なプランは最終的に淘汰された。クラクサナリデビの言う通り、私にはそうしたきっかけが必要だったのだ…「断片自身」を消し去るためのきっかけがな。
ドットーレ:
そして気づいた——魂を分割する以上に有効な「プラン」はないと。魂を転移させてみれば、肉体を作るのは人形を作るよりもずっと簡単だと気づくのだ。
「富者」:
あなたのその半分の魂は、ナド・クライで大敗を喫しましたがね。
ドットーレ:
だが、ずっと欲しかった情報は手に入った…そうだろう?ようやく最高の実験場が判明したのだから。
「富者」:
私も一時は、あなたの最終目標は神になることなのだと思っていましたが…あれすらも、ただの実験に過ぎなかったのですね?
ドットーレ:
実験の形式は多い。人々は成功を渇望し、目的に執着するあまり、実験の過程も同様に重要であることを忘れている。
ドットーレ:
空いた席、見覚えのない顔…お前なら察しがつくだろう?存在しないのは、誰かが「記録」に手を加えたからだ。
「富者」:
さあ、なんと答えていいものやら。とにかく、本当に世界の秘密を見つけ出すとは…苦労した甲斐がありましたね。それで——あなたが約束してくれた「新世界」とやらは嘘だったのですか?
ドットーレ:
嘘などではない。世界樹を内側から操り、世界の中にもう一つの新世界を創り出すのはとても楽しい試みだ。
ドットーレ:
ほぼ全ての者は、いずれ死を迎える。だが、死後の世界に、自らの意志で思うままに実験を行った者はこれまでいなかった。
ドットーレ:
この難題を克服した私が思う存分実験しないのでは、この世界に申し訳が立たないだろう?
「富者」:
魂の量と自我は関係がないのですね。いろんな「あなた」を見てきましたが…あなたは最も狂気的で、過激なようだ。
ドットーレ:
狂気的、過激…フン、それが協力の決め手か?
「富者」:
リスクの高い投資を決めるにはそれに見合ったプランが必要です。あなたのプランは、ちょうどいい。
ドットーレ:
そもそも、お前が来ただけでも意外だったのに。銀行家パンタローネの名を使わず、私のかつての部下として顔を出すとは…驚かされた。
「富者」:
私の名を出す意味などないでしょう?このような場で堂々と表に出れば、スネージナヤとスメールの外交関係が悪化し、取り返しのつかない事態になるだけです。
「富者」:
首謀者の名を使えば、あなたの顔も立つし、我々スネージナヤの事情にも配慮できる。一石二鳥です。
「富者」:
私がどうしてここに来たかについてですが…あなたがご自身の信用をマイナスだと思っているなら、異議はありません。みんなそう言ってますよ。
ドットーレ:
お前の積極的な態度の大部分は、私が死ねばお前もそう長くは生きられないという事実に由来しているのだろう?一蓮托生という関係が、利害関係にある双方を固く結びつけたわけだ。
ドットーレ:
「人間関係においては、利益と損失の両方を見るべき」だ…違うか?
「富者」:
ハハッ、どうやら私の言葉も少しは響いていたようだ。確かにあなたに早死にされては困る——なんて…おかしな言いようですね、あなたは十二分に生きてきたのに。
「富者」:
——元が「人間」だったにしてはね。
ドットーレ:
フン——自分だけ綺麗なフリか?私たちは同類だろう?この世界の既存の法則を憎み、他人に制限されることを嫌う。
「富者」:
世界を動かすための新たな規則を求めることが、そんなに欲深いことですか?
ドットーレ:
分かりきったことを聞く。前にも言ったが…利益のロープより強固なものはない。お前自身が、その証明だ。
「富者」:
ふふ、そんなことを証明するために骨を折る日が来ないことを願います。
ファデュイ兵士:
「富者」様!スメールシティに接近する者を確認いたしました!
「富者」:
あなたが世界樹から読み取るよりも先に、兵士たちが察知するとは…どうやら、彼らも無策ではないようですね。
「富者」:
とにかくドットーレ、分かっていますね?接近するのは——
ドットーレ:
やつらだ…もうすぐそこまで迫ってきている。
「富者」:
それはさておき、世界樹というのは実に便利ですね。もしあなたが本当に新しい世界を創ったら、私の執務室の前にも一本植えてください。
ドットーレ:
考えておこう。
「富者」:
それで——あなたのために何をすれば?時間稼ぎですか?
ドットーレ:
実験には時間が必要だ。稼げるだけ稼いでくれ。
「富者」:
ふふ、法外な値段を吹っかけてきますね。
「富者」:
こんな話を聞いたことはありませんか?——ある罪人が、聖堂の中央に跪いていました。扉の外には、彼を裁こうと大勢の人々が待ち構えていました。
「富者」:
そこで、彼は神に願い出ました。どうか最後に一度だけ機会をくれ、己の罪をすべて懺悔し終えるまで、判決を待ってほしいと…
「富者」:
そうして月日は巡り、季節は移ろい、彼の懺悔は絶えることなく続きました。まるで、時の果てまで語り続けるかのように…
ドットーレ:
お前を神として崇めろという提案か?それとも、懺悔の相手にしろとでも?
「富者」:
後者でないことは確かですね。そんな暮らしはごめんです。
ドットーレ:
神について…近況について…これからのことについて………そろそろ行く。
ドットーレ:
神嫌いのくせに、私が神を創ったり神になったりすることに、文句はないようだな。
ドットーレ:
怒るかと思っていたが。
「富者」:
協力関係を打ち切られるのが怖かったのですか?
ドットーレ:
馬鹿を云う。お前には協力し続けなければならない理由があるだろう?
「富者」:
面白いとは思いませんか?天から降りてきた神に、人々は疑いもなく信仰を捧げ、与えられたルールを盲目的に守っています。
「富者」:
しかし普通の人間が努力して神に近い力を得ると…同胞に疑いの目を向けるのです。
ドットーレ:
それは私を褒めているのか?
「富者」:
いいえ。ただ、あなたを同胞と見なす者が、あまりにも哀れだと思いまして。
ドットーレ:
自分をそう罵ることもない。
ドットーレ:
今更だが、最近はどうだ。
「富者」:
ははっ!「博士」であるあなた様にご心配頂けるとは。ご多忙の中、痛み入ります。
「富者」:
ナド・クライに向かったあなたの魂の一部がいろいろ暴れてくれたおかげで、組織内ではあらゆるプロセスの再稼働を余儀なくされましたよ。みんな、頭を抱えています。
ドットーレ:
ほう、迷惑をかけたようだな。
「富者」:
全くです。プルチネッラと共に女皇の御前に呼び出され、帳簿の後片付けを命じられるという栄誉には、恐れ入りましたよ。
「富者」:
ですが、なんとかなりました。見せかけのどんぶり勘定だというのは、一目見ればすぐに分かりましたから。
ドットーレ:
興味深いな。どう処理した?
「富者」:
簡単なことです——その場にいない者に責任をなすりつければいい。
「富者」:
私が第二位の執拗な要求を断れると誰が思いますか?
ドットーレ:
心外だな。私はとても物分かりのいい人間だというのに。
ドットーレ:
ここ数年、私の評判が地に落ちていたことには、間違いなくお前にも責任の一端がありそうだ。
ドットーレ:
今回の件に片がついたらどうする?
「富者」:
…どうでしょうね。
「富者」:
ご存じの通り、私は出張をすると心身ともに疲弊するのです。スネージナヤに戻ったら、まずは一服したいですね。
ドットーレ:
医者の私がわざわざ交換してやった肺をそんなに粗末にしていいのか?
「富者」:
文句があるなら、止めてみてください。
「富者」:
何を考えているんですか?
ドットーレ:
人類の限界について考えている。
ドットーレ:
残念だが、何度計算しても、個体の稼働を維持するための魂の「質料」はこれ以上減らせない。
「富者」:
できないことがあると認めるとは…珍しい。
ドットーレ:
できないことなど、いくらでもあるさ。前にも言っただろう?元々「私」は運動知覚が狂いやすく、長距離の列車移動は苦手なのだ。
「富者」:
ああ、そうでした。それも「あなた」がよく「あなた」を外へ使いに出す理由の一つでしたね。
ドットーレ:
……
「富者」:
今度は何を考えているのですか?
ドットーレ:
新しい実験のことだ。
ドットーレ:
私の魂が消費し尽くされたという前提で、他人…たとえばお前の記憶の中の私をデータとして抽出し、さらにお前の完全な魂を基礎原料としたら、一体何が出来上がると思う?
「富者」:
…パラドックスですね。
ドットーレ:
ほう?
「富者」:
あなたの魂が存続するなら、新たな個体など必要ありません。「残るドットーレは一人だけ」という現状に同意したのは、あなた自身でしょう。
「富者」:
反対に…もしあなたが存在しなくなったら、いったい誰にそんな実験ができるというのです?
ドットーレ:
ハハッ…ハハハッ!
ドットーレ:
お前は窮地を逃れるための言い訳を見つけるのが上手い。初めて会った時も、そうだったな。
「富者」:
さようならを言うには、いささか早いのでは?もちろん、あなたがやるべきことをするのに反対するつもりはありませんが。
「富者」:
それじゃあ、お喋りはここまでにしておきましょう。
みんなと会話する
キャンディス:
さすがはキングデシェレトの七柱の力ですね。神の碁盤で…物理的に部隊を移動させられるなんて。
ディシア:
手伝ってくれて助かったな。前に乗り込んだ時よりも、ずいぶん楽だ。
ティナリ:
街に攻め込むなんてこと、一生のうちに二度も経験するなんてね…
ラフマン:
オレもちょうどそう思ってたぜ。意外なコトばっかの人生だ。
ラナ:
私は初めて。基本、ガンダルヴァー村から出ないから…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
僕はもう来たくないね。
ジェイド:
一言ずつ言わなきゃいけないわけ?さっさと始められないの?
ベンヌ:
面白い評価ですね、お嬢さん。人間はよく雑談で緊張をほぐそうとするものでしょう。
パイモン:
キャンディスの盾が喋ったぞ!?
ベンヌ:
彼女の盾に描かれているのは私ですからね。私が降臨したいと思えば降臨できるのですよ。
ジェイド:
へえ!
ディシア:
派手だな。羨ましいぜ。
ベンヌ:
その武具に喋ってほしいのですか?もちろん、いいですよ。
シェセプアンク:
コホン——元々これは我が尊像だ。
ディシア:
そうか、心強いぜ。ありがとな。
シェセプアンク:
礼には及ばないさ、レディ。守護を存分に実感してくれ。
旅人:
セノ、状況はどう?
セノ:
各入口に部隊を配備した。計画通り、正面突破でいく。
セノ:
皆、行動方針を忘れるな。俺たちは正門から行く。お前たちは知恵の殿堂の側門に向かってくれ。
セノ:
行くぞ!
港口に行く
セノ:
港の水路は制圧した。
「エルマイト旅団」傭兵:
お前ら!
ディシア:
いい時に来てくれた。
ラフマン:
歓迎するぜ。さ、引き続き進もう。
「三十人団」傭兵:
分隊も計画通り、北の門に到着しました。
セノ:
よし、行こう。
スメールシティを制圧する
ディシア:
敵だ!気をつけろ!
セノ:
やっとお出ましか!
セノ:
急げ、先に中央を制圧する!
「三十人団」傭兵:
セノ様、こちら制圧完了しました!
キャンディス:
気を抜かないでください——あちらからファデュイが!
セノ:
どうせ世界樹は俺たちの動向を読み取れない。必要に応じて散らばろう。
ジェイド:
心配しなくても、あたしたちなら皆殺しにできるよ。
セノ:
…見ての通り、やる気満々だ。
「三十人団」傭兵:
は、はい!
ジェイド:
旅人の方はどうなってる?ティナリはちゃんと旅人を守れるの?
セノ:
たかがレンジャー長と、ティナリを甘く見るな。心配ない。
ジェイド:
ちょっと、そういう意味で言ったんじゃないって分かってるでしょ?
セノ:
ああ。
スラサタンナ聖処に潜入する
ティナリ:
セノたちと後続部隊が、ファデュイの主戦力を引き付けるのに成功した。今度は僕たちの番だよ。
ティナリ:
リーフコアを使えば、気づかれずに地形を越えられるはずだよ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
頑張ってくれ、僕たちは直接飛んでいく。
パイモン:
えっ?そっか、オイラ飛べるんだったぜ…
ティナリ:
準備はいい?
旅人:
いいよ!
スラサタンナ聖処に潜入する
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
上にファデュイの兵士がいる。
ティナリ:
気を付けて。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
迎撃の準備だ。
ラナ:
あっ。あそこに誰か…
セノ:
よくもスメールシティの中央に立っていられるな。
???:
予想通り、早かったですね。
ディシア:
こいつ…ただのファデュイの士官じゃないな?
セノ:
(かなりの人員が配備されている…確かに俺たちを待ち構えているようだ。だが…何かがおかしい。)
セノ:
(何もかもが、あまりに作為的に感じられる。絶対にドットーレの普通の部下ではないし、ありふれた士官でもない…奴の地位は高いだろう。恐らくは、俺たちの予想を超えるほどに。)
セノ:
戦闘よりむしろ、話し合いのために待っていたようだな。
???:
お利口ですね。大マハマトラのセノ、あなたが今回の強襲作戦のリーダーだということは知っています。取引をしませんか?
セノ:
強襲だと?スメールシティはもともと俺たちのものだ。
???:
事態は常に変化するものですよ。こちらの部隊にもかなりの人数がいます。例えば…
「三十人団」通信:
——北門付近にも、ファデュイの伏兵がいます!
ディシア:
対処できそうか?
「三十人団」通信:
今のところは!
???:
確かに、まだ戦いは白熱していない。双方ともに力は残っています。
???:
しかし、その後はどうなるでしょう?人が血を流すところを見たいのですか?彼らの中に友人はいないのですか?
???:
戦争が始まれば、必ず死人が出ます。知り合いにその中の一人になってほしくはないでしょう?
セノ:
(違う、こいつ——本当にあそこに立ってるわけじゃない!)
セノ:
その手が通用するか!
ラフマン:
消えた?…幻影だったのか?
セノ:
くそっ、最初からいなかったんだ。俺たちをおびき寄せる罠だった…
ディシア:
話はあとだ、行くぞ!
???:
ふふ、この大事な時に皆さんとご一緒できず申し訳ありません。どうしても離れなければならない用事があるのです。それでは失礼。
「富者」:
スメールの大マハマトラは容赦ないですね。実際に行かなくてよかったです。
ドットーレ:
幻影を作って時間を稼ぐ…確かに効果はあった。だが、お前が私のダミーに過ぎないということが奴らに気づかれただろう。
「富者」:
私が何者かは重要ではありません。重要なのは、彼らがじきにこちらへ向かってくるということです。
ドットーレ:
フン。奴らはもう来ている。
スラサタンナ聖処に潜入する
パイモン:
着いたぞ!
旅人:
ここまででいいよ。ティナリ、あとは俺たちに任せて、セノの支援に行ってあげて。
ティナリ:
本当に見張りはもういいの?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
構わない。接続が始まれば、僕たちはスラサタンナ聖処から姿を消すことになる。他の人を手伝ってやりなよ。
ティナリ:
分かった…じゃあお先に。君たちも気をつけてね。
世界樹に接続する
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
スラサタンナ聖処に内蔵されたセキュリティシステムを経由すれば、世界樹の内部へと接続できる。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
初めてのことじゃないだろう?
旅人:
前回と同じルート?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
基本的には同じだ。パラメータもいじる必要はない。
旅人:
それなら大丈夫。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
パイモンは?準備ができたら出発しよう。
パイモン:
いや、今回はかなり緊急なんだろ?だったらオイラは外で他のみんなを手伝うぜ。おまえたちが戦う時に、オイラの面倒まで見なくて済むようにさ。
パイモン:
ん?なんでこっちを見るんだよ?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
…何でもない。ただ、随分成長したと思っただけさ。
旅人:
そういう君もね、似た者同士さん。
パイモン:
ふん、オイラだって結構物知りなんだぞ。なんてったって、テイワット最高のガイドだからな!今は学校にも通ってるんだぞ!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
君を教令院に推薦したアルハイゼンは変人だと言わざるを得ない。でも、そう断言するには…君も案外ちゃんと勉強しているようだね。
パイモン:
つまり、推薦してくれる人が重要ってことだな!おまえもナヒーダから直々に推薦されて教令院に行ったんだろ?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ああ、確かにスメールでは多くのことを学んだよ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そういえば、僕につけるひどいあだ名は思いついたかい?
パイモン:
えっ?だってもう…おまえは友達だろ。もうとっくにそんなのつける気なかったぞ!それに、笠っちだってもともとあだ名だろ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ふーん。好きにすれば。
旅人:
そろそろ行かないと。外では気を付けてね。
パイモン:
おう、オイラもティナリやセノたちの手伝いに行くぜ。おまえたちこそ、気をつけろよ!
旅人:
うん、じゃあ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
接続開始!
#{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}と会話する
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
…またここに来た。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そういえば、僕はまだ具体的な目的地を知らないんだったね。
旅人:
ああ、教えるよ。端末があるし、読み取られることはないはずだから——
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
いや、君が知っているならそれでいい。僕には教えないでくれ。そうすれば、こちらで何が起ころうとも、君の進捗に影響が出ることはないだろう。
旅人:
…君の安全は、俺の安全と同じくらい重要なんだ。
旅人:
自分を犠牲にして何かを守ろうなんて考えは捨てて。一緒に来たんだから、一緒に帰るよ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
…そこまで言われたら、頷くしかないね。
世界樹を探索
旅人:
前と…全然様子が違うね。
旅人:
まるで、誰かに引っかき回されたような…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
多分、ドットーレが関わっているね。必要な情報を探していたか、あるいは…
旅人:
まだ変化してる…
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
あいつは僕たちが世界樹に入ったことを知っているはずだ。でも状況が特殊なせいで、こちらの居場所を特定できていない。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
気をつけろ。やつに見つかるなよ。
ニコの案内に従う
旅人:
閉じ込められた…!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
チッ、なんだこの頑丈さは?
???:
もしもし——聞こえる?
旅人:
ニコ?ニコなの?
ニコ:
そう、あたしよ。今、永遠のオアシスの内部からあなたたちの状況をモニタリングしているの。この端末、本当に便利ね。おかげで、楽々追跡できたわ。
ニコ:
最初は何も見えなかったけれど、二人が中に入ってからは、二人の位置情報と端末のおかげで、ようやく世界樹内部の様子が少し分かるようになったわ。
ニコ:
まあ、視界はすごく悪いけど。手も足も出ないって状況よりマシよね…というわけで、来ちゃった!
ニコ:
直接干渉はできないけれど、ここから脱出を導くことならできるわ。ここからはあたしが指揮するから、よろしくね。
追撃から逃れる
旅人:
ふぅ!ここまで来れば、大丈夫かな…
ニコ:
大変だったわね。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
大丈夫かい?
旅人:
うん、心配しないで。
ニコ:
少し休みましょう。その後——
旅人:
ニコ?…ニコ!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
通信が切断された?まさか…
???:
互いに支え合う姿…実に感動的だな。
旅人:
ドットーレ!?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
フン、想像以上に使えないね。遅かったじゃないか。
ドットーレ:
そう思うか?私は、意義あるやり方を選んだだけだ。
ドットーレ:
探すよりも放任するほうが得策だろう?
ドットーレ:
お前たちが、私には足取りを掴めないと勝手に思い込み、ここで小賢しく逃げ回るのを…あえて見逃してやったのだよ。
ドットーレ:
逃げるのは動物の習性——お前たちが逃げ回るのを見るのは好きだ。一度檻に閉じ込められると、もう走ろうとしなくなるものもいるからな。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そう思っているなら、何故わざわざここに来た?
ドットーレ:
勿論、こうしてお前たちと会いたかったからだ。
ドットーレ:
誤解するな、戦いに来たわけではない——長い付き合いだろう?会いたいと思うことの何がおかしい?
ドットーレ:
——久しぶりだな、スカラマシュ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
——!!
旅人:
(思い出した?まさか、ありえない…)
ドットーレ:
何を恐れる必要がある?私は特別なことは何もしていないし、お前の物語を探るために苦労したわけでもない。
ドットーレ:
自分自身を抹消しようとした一連の動きは実に大胆だった。そして世界樹のほうも…さすがは完璧な記録装置と言うべきか。お前のためにいくつかのことを実現してくれたようだな。
ドットーレ:
固定観念が平凡な人間たちを拘束し、お前の存在した痕跡はことごとく消し去られた。実に悪くない「死」だ。
ドットーレ:
ナド・クライでお前に会った時は、私も非常に新鮮味を感じた。だが、そうしてお前と会ったこと自体が、私に真実を悟らせてくれたのだ——探る必要すらなかった。
ドットーレ:
むしろ、私のような立場にいながら、その程度の事実関係すら繋ぎ合わせられないほうが不思議だろう?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
フン…自分の発見が誇らしいか?ならば君らしく、自分が犯した罪も誇るがいい。
ドットーレ:
誇るほどのことでもない。恐れと、少しの期待が見える——緊張しているのか?
ドットーレ:
安心するといい。実のところ、お前の記録を復元するのは困難だ。する気も起きない。
ドットーレ:
今の生活を失うこと自体は恐れていないかもしれないが…フフ。
ドットーレ:
二度と過ちを償う機会が訪れないことのほうが、お前にとっては残酷なことだろう…違うか?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ドットーレ——!!
全力で相手を倒す
movie
放浪者と共に世界樹の内部に入り、ドットーレに立ち向かった。計画通り、ドットーレの力を削ぐことに成功したが、その後、彼はまた新たな姿を現した…
行動の必然性を宣言する
movie
ドットーレとの激戦は続く。放浪者と共に力を合わせてドットーレに立ち向かったその刹那——ナヒーダは旅人が体内で保存してきた「炎神の心」を取り出した…
死の執政:
摩訶善法マハークサナリ知恵の主よ、世界樹を破壊する最高権限を行使するというのか?
死の執政:
これはきみの礎であり、きみが戦い、築き上げた功績と成果だ。それを…放棄すると?
ナヒーダ:
そのほうがいいと判断したの。世界樹はすでに、徹底的に汚染されてしまっているわ。
時の執政:
世界樹は原初のテイワットの樹で、天理が運命を維持するための重要な命脈。七執政は天理から力を受け継いだんだから、それに従い、敬うべきでしょ。
ナヒーダ:
従い敬っているからこそ、それが守護する人類のために戦うの。
ナヒーダ:
知恵というのは、測ることを知り、選ぶことを知ることでもあるわ。この世界の盛衰を本当に気にかけているのなら、私を守るべきよ。
生の執政:
ふふ…
生の執政:
種を植えることは、因果の始まり。君自身がすでに一本の大樹なのだから、どうして別の樹を失うことを恐れる必要があろう?
生の執政:
さらばだ、草の王。
movie
浄化の炎がすべてを焼き尽くしていく。炎の光に従って出口へと向かったが、そこを離れようとしたまさにその時、突然力を発動したドットーレによって束縛されてしまった。幸い、ナヒーダと放浪者が力を合わせて救出してくれたが、その一方で、ドットーレは世界樹の中にある彼自身の過去の残影によって完全な足止めを食らっていた…
「富者」と会話する
movie
ファデュイ執行官第二位、「博士」——その名もザンディク。彼の物語は数百年にわたる。
「富者」:
…炎が、燃え盛っていますね。
「富者」:
スネージナヤでは、寒さを凌ぐために火を起こします。火というものは、寒冷、氷結、不変といった言葉とは、生まれながらにして相反する存在のようです。
「博士」:
そうだな。獣を退け、身も心も温める…火とはある種の癒しだ。人の心の奥底にある恐怖を「治療」してくれる。
「富者」:
心の奥底の恐怖…はは、随分と遠いもののように言いますね。
「博士」:
恐怖といえば、どうしてもお前を思い出す。最初に不老不死の薬の話をしていた時、寿命を延ばすのは時間を稼ぐためだと言っていたが…実際はどうなのだ?
「博士」:
無様にこの世界を去るのが怖いか?
「富者」:
私は人ですからね、無様な姿をさらすのは怖いですよ。
「富者」:
しかし…あなたはもう忘れているかもしれませんが、結局のところ——ドットーレ、あなたもかつては人間だったのです。その心に、そのような恐怖がないとは信じられません。
「博士」:
そうかもしれないな。だが私は遥か昔にそれを捨て去り、実験に没頭した。それから、恐れなど抱いたことはなかったよ。
「富者」:
最初から、あなたがこの対局に勝てるとは思いませんでした。
「博士」:
それでも、お前は来た。契約書を持って、約束を守った。
「富者」:
私は信頼がある協力者ですから。
「博士」:
私たちが話した通り、実験は結果だけではない、過程も重要だ。私がここに来て、アイデアを完成させた…何も悪いことではない。
「富者」:
あなたの道は、恐らくここまでです。
「博士」:
私が死ねば、不老不死の薬を作れる者はいなくなる。お前のストックも、あと精々数年しかもたない…どうやって自分がこの事件の道連れではなかったと証明するつもりだ?
「富者」:
私は自分が見込んでいるマーケティング環境に対して、強引な調整はしないことにしています。それには独自の方向性があるからです。そして私自身もまた、そうした環境の一つなのですよ。
「富者」:
意図的に手を加えたことはもう十分あります。せめて死に様くらいは、意図的にならないように選びました。
「博士」:
まるで自分が本当に達観した人間であるかのような言いぶりだな。
「富者」:
私はそうですし、あなたにもそうあってほしいです。ドットーレ、久しく誰からも言われていないかもしれませんが、私はあなたを得難い奇才だと認めています。
「博士」:
…ふっ。
「博士」:
私には見える。私がずっと続けてきた、冒涜に関するあの実験が…
「博士」:
それは長い道のりだったが、私は人々が想像するほど結果を重視してはいない。
「富者」:
もしあなたの実験の目的が無限の可能性を探求することなら、本来そこに終わりなどあるべきではないはずです。
「博士」:
確かに。今…実験は正式に終了だ。
「富者」:
何と呼べばいいですか、ザンディク?それとも「ドットーレ」の方がお好みですか?
「博士」:
好きにしろ。さらば、フェオファン。これが最後だ。
「富者」:
無論わかっていますよ——さようなら、ザンディク。
「博士」:
もっと多くの実験をできたはずだった…だが草の主よ、この結果も悪くはない。
ナヒーダ:
その言葉、信じるわ。でも残念だけれど、あなたはもう終わりよ。この実験はあなたのものじゃないし、成果もあなたのものにはならないわ。
「博士」:
「実験」か。私の領域で、私より上を行きたいようだな?
ナヒーダ:
知恵とは、人々が理解しやすい方法で情報を伝えることよ。あなたなら、言いたいことはわかるでしょう?
「博士」:
…確かに、私にはもう…これ以上の結果が見えない。
「博士」:
はあ…お前は頭が切れる上に、思ったよりも勇敢だ。まさか自分の生業とする物を燃やすとは…前回の脅しはハッタリだったが、今回は本物だったわけか。
ナヒーダ:
知恵はいざという時には、炎のように激しくなることもあるわ。あなたを焼く炎の中には、あなた自身も含まれているのよ。
「博士」:
なるほど、お前の言う通りなのかもしれないな。人の心の奥底にあるものを見通す——それがお前の知恵か。
ナヒーダ:
あなたはここで立ち止まるの。未知のすべては、今も存在し続ける私たちのものよ。
「博士」:
…私はずっと、意図せずお前と対峙し続けていたようだ。だが今、すべてが終わった。
ナヒーダ:
あなたの聡明さは否定しないわ。ただ、私の中では、これは決して「実験」とは定義されないものよ。
ナヒーダ:
これは紛れもなく、この世で起きた出来事…データなどよりも、ずっと意味があるわ。
ナヒーダ:
さようなら。もう会うことはないでしょう。

その過去は花園のように
知恵ある生命は、その一生のうちに険しい道のりを辿ることを運命づけられているようだ。しかし幸いにも、暖かく柔らかな陽射しのおかげで、私たちはお互いの顔をしっかり見つめられる。誰もが深い愛情によって、自分自身を取り戻すことが出来る。苦難の後には、いつも美しい花々が包み込んでくれるのだ…
キャラバン宿駅に行く
ディシア:
…よし、これで名簿に載ってるやつらは全員、元の場所に帰れたな。
キャンディス:
長い道のりでしたが、なんとか皆さんを無事に送り届けることができましたね。
キャンディス:
彼らのために祈りましょう。どうかもう二度とこの地を離れる必要がなく、自ら選んだ静かな楽園に、永く住まうことができますように。
セトス:
楽園…沈黙の殿の記録によると、その言葉は特別な意味を含んでいて、神が棲み処に抱く期待と渇望を表してるらしいよ。
ディシア:
神にも棲み処が必要なのか?
セトス:
人はつい、家を失うのはいつも自分たちだけだと思って、神にも安らげる場所が必要だってことを忘れてしまうんだ。
セトス:
羊の王も言ってたように、「神は民なくして存在し得ない」——神と信徒は本来お互いを必要とするものなんだよ。
ディシア:
幾千年もの時の中で、砂漠の信仰がどれだけ薄れたかは、あたしたちが一番よく知ってる。それでもあたしたちが神について話すのは、それが生活の一部になってるからなんだろうな。
キャンディス:
神と人との付き合い方は様々ですが、神々の存在は元より私たちの生活に根付いています。ドニアザードさんが草神様を友達と呼ぶのも、そういった道理からでしょうね。
セトス:
「友達」っていう言い方は悪くないね。距離を縮めて、隔たりを減らしてくれる。
ディシア:
友達か…もし数年前のあたしに、今こんなにたくさん友達がいるって言っても、絶対に信じなかっただろうな。
キャンディス:
信じるか信じないかは選択であり、絆を結ぶかどうかもまた選択です。私たちはすでに戦いを通じて正しい選択をしました。違いますか?
セトス:
さて、僕は沈黙の殿に一度戻るよ。羊の王とトキの王が来てるらしくってね。君たちは?
キャンディス:
私たちはアアル村に戻ります。あちらにはまだ配らなければいけない物資や、お世話を必要とする人たちがいますから。
ディシア:
またな。暇があったら、アアル村に遊びに来てくれよ。
セトス:
ああ。君たちも時間があったら沈黙の殿においで。
セトス:
七柱の残り二柱、シェセプアンクとベンヌも、もしかしたら沈黙の殿に遊びに来るかもしれない。君たち二人はあの方たちの力のシンボルを身に付けてるし、ぴったりな人選だ。
ディシア:
遊びに?あいつら、沈黙の殿を近所の家か何かだと思ってんのか?
セトス:
沈黙の殿はヘルマヌビスが建てた神殿だから、あの方たちにとっては確かに隣の家みたいなものかもね…
ディシア:
なるほど、それもそうか。
キャンディス:
機会を見て、伺いますね。帰り道、お気をつけてください。
セトス:
ああ。
みんなと会話する
セノ:
ああ、確かに一理あるな。
トート:
だろう?老後の暮らしとはいつの時代も悩みの種というものだ。ましてや吾輩たちみたいに閉じ込められていた身であればなおさら。外に出たら、すっかり世界が様変わりしていたのだからな!
ヘリシャフ:
その通り。
セノ:
レイラ、お前はどう思う?
レイラ:
ひえっ!ど…どうして私に聞くの?え、ええと…
レイラ:
キングデシェレトの臣下たちがどこに住むべきかなんて、私に決める資格ないよ…
セノ:
俺が聞きたいのは、トートたちの彫像をここに置くのは違和感ないか、ということだ。
トート:
なに!そんなこと言った覚えはないぞ!どうして自分たちの像をヘルマヌビスの家に置いたりできる?それでは、土足で上がり込んで強盗するのと変わらないではないか?
ヘリシャフ:
信仰は共存できるが、それでもやはり互いへの尊重は欠かせない。
ナヒーダ:
つまり、あなたたちは沈黙の殿にしばらく留まるつもりだけれど、自分たちの彫像をここに移す気はないということね。
ナヒーダ:
となると、あなたたちにとって、これはよその「家庭」にお邪魔しているようなものなのかしら?
トート:
家庭…家庭か…
ヘリシャフ:
確かに「家庭」と言えるかもしれません。ここはヘルマヌビスにとって、ある意味、帰る場所なのです。
ヘリシャフ:
この壮大な神殿をご覧ください。ああ、感嘆せざるを得ません。それに比べて私たちは、今まで投資の方向を誤ることが多く、本来造るべきものを造らず、時間を無駄にしてばかりでした。
トート:
何が時間の無駄だと言うのだ?
ヘリシャフ:
トート卿やソベク卿との付き合いは、多少なりとも時間の無駄と言える…
トート:
そう言うと思ったぞ。はぁ、勝手に言っておけ。
ヘリシャフ:
だが、この先も君たちと共に過ごすことを考えると、その無駄だったことにも意味があったように思える。
ナヒーダ:
沈黙の殿の首領であるセトスが戻ってきたら、ここに一時滞在する件について、ゆっくり話し合ってみるといいわ。
ナヒーダ:
でも沈黙の殿の面々の表情を見る限り、きっと盛大な歓迎を受けることでしょうね。
ナヒーダ:
ここは無数の知識が蓄えられた神聖な場所だもの、キングデシェレトの臣下がここに降臨するのも理にかなっているわ。
セノ:
ひとまず、一緒に食事でもどうだ?長年、新鮮な食べ物を口にしていないだろう?
トート:
おお、それはいいな。数百年も経ったから、砂漠の料理も随分と種類が増えたのではないか?
レイラ:
パーティーをするの?だったら、私も何か作るのを手伝うよ。それに、この前砂漠でトート様にいろいろと助けていただきましたし、ちゃんとお礼をさせてください。
トート:
おお!小娘、よく覚えていてくれたな。吾輩はとても嬉しいぞ。
ヘリシャフ:
歳月の流れと共に、人々がトキに抱く印象は、すっかり情に厚く、善良な良い魔神になったようだな。
ナヒーダ:
ヘリシャフはどんな魔神になりたいと思っているのかしら?
ヘリシャフ:
いえ、これといったものは。草神様はどうです?ご自身の未来に、どんな期待を抱いているのでしょう?
ナヒーダ:
私は…今の生活のままで十分よ。
ヘリシャフ:
恐れながら申し上げますが、アフマル様とは異なり、あなたは威厳と力で人々を従わせているわけではございません。そこには良い面も悪い面もあるかと存じますが、どうお考えでしょう?
ナヒーダ:
そうね。でも、威厳を振りかざすようなやり方は私に向いていないわ。それに、私とみんなの関係は、単なる神と民ではないのよ。
ヘリシャフ:
身分にこだわらない振る舞いのほうが、より多くの称賛を得られるのかもしれませんね。
ナヒーダ:
ええ。それに私は「みんなで品を持ち寄るパーティー」が好きなの。参加者が料理を一品ずつ用意して、みんなで美食を楽しむ。あなたたちも参加してみない?
セノ:
ああ。前回みんなでアビディアの森の近くでピクニックをした時は、かなり賑やかだった。ヘリシャフたちのことも考えて…次は砂漠にしよう。
ナヒーダ:
それだと、ティナリがたくさんの飲み水を背負うことになるんじゃないかしら?
セノ:
いえ、そこは俺が手伝いましょう。レイラも一緒にどうだ?
レイラ:
えっ?う、うん!
セノ:
もっと人を呼ぼう。そうすれば七聖…
トート:
他意はないが、知っての通り、吾輩たちは盤上ゲームが好きだ。
セノ:
なら…草神様はいかがでしょう?
ナヒーダ:
あなたと競うとなれば、必ず勝てる自信はないけれど、腕試しという気持ちで挑ませてもらうわ。
トート:
ソベクのやつはどうしていないんだ?セノのカードの相手にはあいつが適任なのだが。吾輩は盤上ゲームで愉しませてもらおう。
レイラ:
盤上ゲーム…どんなゲームをするのでしょうか?トート様、あの…その中には、占星術のヒントになるようなものは隠されていたりしますか?
トート:
おお!興味があるのか。沈黙の殿の首領が承諾したら、ヘルマヌビスの巣をあさって、盤上ゲームの教本を探してやろう。
アルハイゼンとカーヴェと会話する
カーヴェ:
スメールシティがあれほど大きな騒動に巻き込まれ、たくさんの家が戦いの影響を受けたとはいえ、まさかこれほどとは…
カーヴェ:
見ろ、この有り様。片付ける身にもなってくれ…どうやら教令院の下に住むのも、いいことばかりじゃないみたいだな。
アルハイゼン:
片付けに協力する誠意と努力は、俺も十分に見せているつもりだが。
カーヴェ:
協力?努力?ここは君の家だぞ、君が頑張るのは当たり前だろう!むしろ、僕のほうが手伝いの立場になるべきだ。
アルハイゼン:
君は自分の立場を「手伝い」だと思っているのか?それは驚きだ。
カーヴェ:
僕もここに住んでいる以上、片付ける義務があるって言いたいのか…まぁ、確かにその通りだが…いや、話をすり替えてないか?
カーヴェ:
はぁ、しかし…
アルハイゼン:
嵐が過ぎ去った後、屋根が吹き飛んでいるのはよくあることだ。
カーヴェ:
僕のほうが君よりこの家を大切にしているみたいで、なんだか癪だな。家がこんなことになっているのに、落ち込まないのか?
アルハイゼン:
面倒ではあるが、落ち込む必要はない。
カーヴェ:
ここは君が毎日暮らしている家だぞ。物が散乱して、絵が落ちて、ガラスは割れてる…そういうのを見て、何とも思わないのか?
アルハイゼン:
俺にとっては、どれも簡単に解決できる問題だ。
カーヴェ:
だからずっと言ってきたんだ…君と感情の話をするのは自分から首を絞めるようなものだって。はぁ、君は真の家を形作るのに、どれほどのこだわりを必要とするのか、まるで分かってない…
アルハイゼン:
聞く限りでは、これは君をずいぶんと苦しめているようだな。
カーヴェ:
家のことか?それとも絵のこと?
アルハイゼン:
感情の話をすることだ。
カーヴェ:
…まあ、そうだね。けど今は、そこまで細かく考えるつもりはない。
アルハイゼン:
一般的に、苦痛が日常化すれば、人は多少なりともその状態を変えようと試みるものだ。
カーヴェ:
……
カーヴェ:
でも、人生にはどうしても変えられない人や物事があって、無理をしても仕方ないんだ。それに…
カーヴェ:
…苦しみが時にアイデアの源になることもある。僕はたぶん…そういうものを必要としてしまう自分を、抑えられないんだろう…
アルハイゼン:
君がそう思えるならいいことだ。
カーヴェ:
なんだいその反応は?僕が今、芸術に関する至言を口にしたんだぞ。苦難は創造を育む、君も否定できないだろ。
アルハイゼン:
否定しているわけじゃない、嬉しく思っているんだ。分からないか?
カーヴェ:
何が嬉しいんだ?
アルハイゼン:
君がいつも、自分を納得させるに足る理由を見つけられることを嬉しく思っている。
カーヴェ:
君ってやつは…
アルハイゼン:
人の生活の多くは、問題を見つけ、その理由を探し求める道のりを指す。君の場合は特にそうだな。
アルハイゼン:
誰もが自分に都合のいい言い訳を見つけられるものではない。その点、君はずっと進歩している。
カーヴェ:
はっ、じゃあ君の進歩はどうなってるんだ?
アルハイゼン:
その箱を俺に渡せ。
カーヴェ:
えっ?ああ。
アルハイゼン:
これを俺の「前進」と見なしてもらって構わない。
カーヴェ:
なんだよそれは!
カーヴェ:
待った、今の箱って僕の物だよな…ああそうだ、棚から落ちたけど無事だったんだ。おい、アルハイゼン、その箱の中身は全部僕の絵の具とインクだ!
アルハイゼン:
君の寝室に置いとくか?
カーヴェ:
えっ?ああ、助かる…
カーヴェ:
(これのどこが進歩なんだ?こんなことで僕を丸め込もうとしているのか?いや、丸め込むっていうのも違うか…)
カーヴェ:
床にある本…めちゃくちゃだな。それにこれって、誰かさんが大切にしている絶版本じゃないか?砂埃を被ってるし、ページがいくつか外れちゃってるな…
カーヴェ:
修復してやるか。それからこれと、こっちも…
ドリーとネフェルと会話する
ドリー:
地元の駄獣に、輸入品!あらあら、もう爆売れ間違いなしの未来が見えますわ。モラ~、モラがざっくざくですの~!
ドリー:
んもぅ、もぉ…もぉ~~~!!
ネフェル:
あんたも知ってるだろ?そういう声が、牛みたいだってこと。
ドリー:
私は怒っておりますの!感じましたか?私の怒りを。
ネフェル:
おや、怖い怖い。サングマハベイ様、何かご用かい?
ドリー:
あ、あなた!私のことをキャンディスたちに全部話しましたわね?
ドリー:
そのせいで、彼女たちの私を見る目がすっかり変わってしまいましたの!
ネフェル:
いいことじゃないか?きっと彼女たちも、もっとあんたのことを好きになって、友達だと思ってくれるようになったはずだよ。
ドリー:
ですがそれは、私の秘密を同情に変えただけにすぎませんわ!今や彼女たちの目には、大商人の威厳も投資家の気迫も、これっぽっちも映っておりませんの!
ネフェル:
サングマハベイ様の暗黒時代はもう終わったんだ。今のうちに心の許せる友達を作るのも悪くないだろう?
ドリー:
お友達を作ると言えば、ネフェルは聖女様みたいな方がそんなにお好きなんですの?あっちの聖女にこっちの聖女と、いつの間にかお友達になって…あらあら、本当に本当に不思議ですわ。
ネフェル:
ただの巡り合わせだよ。好き嫌いは関係ないさ。
ドリー:
まあいいですわ。少なくとも一つはあなたのおっしゃる通りです。商人にとって、お友達を作ることはいつだって良いことですから。でも…
ドリー:
でも…ううっ、今回はだいぶ損をしてしまいましたわ!
ネフェル:
……
ドリー:
うぅ…何をジロジロ見ていますの?
ネフェル:
本当の涙か嘘泣きか、見てるのさ。
ネフェル:
サングマハベイ様は儲かったとき、目の真ん中から涙を流して、損したときは目尻から流すって聞いたけど、今はどっちだろうね?
ドリー:
あなたって本当に意地悪ですわね。もうお話ししませんわ。
カタユン:
ネフェル!よかった、ここにいたんですね。ずっと探していたんですよ。
ドリー:
あらあら?知恵の殿堂の図書館司書、カタユンさんではありませんの?何かお買い求めで?
カタユン:
いえ、ネフェルに面白い本を届けに来たんです。キングデシェレトの霊廟の入り口で待ち合わせの約束をしていたんですけど。あっ、これ、わたしが自費で買ったもので、貸し出し用の本じゃないですから。
ネフェル:
『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』…本当にそんなタイトルなんだね。
ドリー:
なっ!ここ、これはあの…
カタユン:
この本は一時期すごく話題になっていて、たくさんの人があらゆる手を使って借りようとしていました。本の中の登場人物の名前にはすべて丸が付けられていて、みんなそこに秘密が隠されていると思っていたんです。
ドリー:
その話はもうやめてください。とんでもない詐欺でしたわ。
ネフェル:
この本のことなら聞いたことあるね…でも大したことじゃなかったんだろう?で、真相は何だったんだい?
カタユン:
因論派のあなたが、わたしに真相を尋ねるんですか?わたしに言わせれば、真相なんてあの事件の中で一番どうでもいい部分ですよ。
カタユン:
この本を持ってきたのは、ここ数年、知恵の殿堂の蔵書の中で最もストーリー性のあるものだからです。小説そのものの出来については…あなた自身で確かめてみてください。
ドリー:
そんなものが、本当に面白いんですの?
カタユン:
サングマハベイ様はご存じないかもしれませんが、ネフェルはこういう評判が微妙な本を読むのが好きなんですよ。
ドリー:
もっとマシな本を読んだらいいですのに。
カタユン:
きっと、ひどい本の中にこそ面白い情報が隠されているからでしょうか?うーん、なんとも言えませんね。ネフェルは読書そのものより、本が巻き起こす話題が好きと言うべきでしょうか…
ネフェル:
情報屋らしいやり方だろう?
ネフェル:
なかなか面白そうだね、ありがとう。読み終わったら送り返すよ。
ネフェル:
あたしからも、あんたに渡したい物があるんだ。
カタユン:
…お香?
ネフェル:
前にあげた分はもう使い切ってるだろう?だからまた持ってきたよ。でも今回のはナド・クライ産で、前の香りとは違うやつだ。
カタユン:
実は…ええと…もったいなくて、前のは全然使えていないんです。
カタユン:
あ、でもこれはありがたくいただきます!これなら惜しまず使えそうですから。
ネフェル:
カタユン、あんたは相変わらずだね。
みんなと会話する
クラッカーの音:
パンッ——!
クラッカーの音:
パンッ——!
ティナリ:
コレイ、おめでとう!
ナフィス:
これまでの勉強が実を結び、晴れて見習い卒業か。おめでとう!
ザハハディ:
この子、本当に苦労しておったからね。いやあ、自分のことのように嬉しいよ。
ジュライセン:
成長したもんじゃ!これでもう立派なレンジャーじゃな!ははっ、次は教令院で役職をもらうのが目標じゃろうか。
コレイ:
みんな、ありがとう!これであたしも、正式なレンジャーだ。
コレイ:
ティナリ師匠、これまでずっと指導してくれて、そばで支えてくれて、本当にありがとう。セノさんにもお礼を言いたかったんだけどな…
ナフィス:
セノは沈黙の殿へ用事で行っているから、少し時間がかかるだろう。まあ、戻ってきたら、またみんなでパーティーをすればいいさ。
ティナリ:
先生、パーティーは少し先になりそうかな。これから予定があるからね。
ナフィス:
コレイ?まさか…まだ体調が?
コレイ:
ああ、いや、体調は問題ないよ。ただちょっと片付けないといけない用事があるんだ。
コレイ:
旅人とパイモンとの約束で、一度モンドに行くことになっててな。ティナリ師匠とセノさんも一緒に行くんだよ。
ナフィス:
なるほど。なら、みんなが戻ってきたらまた集まろう。その頃には、今よりも身体が良くなっていることを願うよ。
コレイ:
うん。あたしにも予感があるんだ、きっとそうなるって。
パイモンと会話する
数日後…
パイモン:
いつもの場所でひと眠りして、グランドバザールでたらふく食べて、ようやく元気になったぜ。
旅人:
パイモンって元気になるまで時間がかかるけど、方法は単純だよね。
パイモン:
オイラだってすごく大変だったんだぞ。ずっと街の中を飛び回って、あちこち手伝ってたからな。
旅人:
おつかれさま。
パイモン:
へへっ。まあ、いちばん頑張ったのはおまえだけどな。おまえがお腹いっぱい食べて、ぐっすり眠ってくれないと、オイラも安心できないぞ。
パイモン:
それにしても、この数日で街の復興もだいぶ進んだみたいだな。ナヒーダのほうがどうなってるのか気になるし、様子を見にいってみようぜ。
スラサタンナ聖処に行く
パイモン:
ナヒーダ!あっ、笠っちもいるな!
ナヒーダ:
旅人、パイモン。
旅人:
何を話してたの?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
僕の心と身体を気遣ってくれていたのさ。
パイモン:
そのことなら旅人から聞いたぞ。オイラたちすっごく心配してたんだけど…大丈夫か?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
そんな風に聞かれると、僕の具合がひどく悪いみたいじゃないか。実際は、君たちが思っているよりずっとマシだよ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ドットーレの意図さえ掴めれば、やつがもたらす悪影響は減らせる。僕はこの手のことが得意だからね。
ナヒーダ:
以前よりずっと前向きになったわね。ヴァフマナ学院に入るよう勧めたのは、正解だったみたい。あそこはやっぱりあなたに合っているのね。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
ほら、見てごらん。これがスメールの大きな特徴だ。何事も教育と学習に結びつけられる。
旅人:
実は俺も、君が前よりずっと良くなったって思ってたんだ。
ナヒーダ:
ドットーレがあなたに放った言葉は、マインドコントロールに近いものだったわ。幸い、あなたはもうその状態から抜け出せたみたいだけれど。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
この歳になって、まだ成長できるとはね…
ナヒーダ:
ある意味では、成長が遅かったとも言えるわね。私に言わせれば、それは単に言い方の問題であって、何を基準に測るかによるわ。
ナヒーダ:
人形としてなら、その年齢でもおかしくはないでしょう。でも、成長が遅いという言い方を選ぶのであれば、それはあなたが——自分を人間として見ているってことになるんじゃないかしら。
旅人:
とにかく、よかったね!
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
まあいい、何でもいいさ。とりあえず君たちの言いたいことは分かったよ。
旅人:
これからどうするの?
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
どうするって?まずは今の課程を終わらせて、それから考えるさ。
{REALNAME[ID(1)|HOSTONLY(true)]}:
さて、雑談はこのくらいにしよう。街にはまだ手伝いが必要だからね、ちょっと行ってくるよ。
パイモン:
笠っちの調子、思ってたより良いみたいでよかったぜ。
パイモン:
でも…ナヒーダ、おまえはもう大丈夫なのか?
ナヒーダ:
汚染された世界樹は炎の神の心によって燃やされ、七日七晩、火が消えることはなかったわ。世界樹はもう、地表より下の部分しか残っていない状態よ。
ナヒーダ:
今はアアルが、元々の世界樹の責務を担っているの。事態を迅速に収拾できたおかげで、テイワットの重要な情報の多くは保存できたわ。
旅人:
ナヒーダは、世界樹の影響を大きく受けるんだよね?それがなくなって…大丈夫なの?
ナヒーダ:
その点については安心してちょうだい。ニコさんが尋常ならざる力で、私と世界樹の繋がりを切り離し、アアルに移してくれたから。
パイモン:
天の使いって、そんなこともできるのか?
ナヒーダ:
ええ。それこそが天の使いたちの偉大なところね。花神ナブ・マリカッタも、かつて常人では成し得ないことを行ったそうよ。
ナヒーダ:
私から見れば、彼女がその後に成し遂げた数々の出来事も、常人には手の届かない境地にあるわ。彼女たちはみんな、面白くて偉大な天の使いなのよ。
旅人:
つまり、今のナヒーダの状態はひとまず安定してるっていうこと?
ナヒーダ:
ええ。アアルが新しい世界樹となり、私の存在の根幹もアアルと結びついたと思ってくれていいわ。
ナヒーダ:
スメールの知恵が最終的に、このような統一された形に集約されるなんて。運命と言うべきかしら、それとも偶然かしら?
パイモン:
なにはともあれ、おまえが無事でよかったぜ。
ナフィス:
草神様!ああ、よかった。旅人とパイモンも一緒だったんだね。
ナヒーダ:
ひどい慌てようね。どうしたのかしら?
ナフィス:
はい、ご報告しなければならないことがあります。先ほど、スネージナヤ側から手紙が届いたのです。
ナヒーダは、ナフィスが渡した手紙を読んだ…
ナヒーダ:
ファデュイ執行官「雄鶏」からの慰労の手紙ね。美辞麗句が並べられているわ。
ナヒーダ:
彼の言い分によれば、先日のナド・クライの動乱によってドットーレはすでに内部で弾劾処分を受けているとのことよ。彼の狂気じみた行動はあくまで個人のものであり、スネージナヤパレスの意向とは結びつけるべきではないと書いてあるわ。
ナフィス:
やはりそうか…予想通りです。
ナヒーダ:
ドットーレを阻止するために、スネージナヤ側も重い代償を払い、一人の執行官が命を落とした——
旅人:
……
ナヒーダ:
手紙にはこうも書いてあるわ。スネージナヤも責任を痛感しており、今後はスネージナヤの法律に従ってドットーレの元部下たちを処罰し、今回の騒動に関与した者の責任を追及すると。
ナヒーダ:
そして、スネージナヤからの援助金と物資も今輸送中で、それでスメールの復興を支援したいと考えている、とのことよ。
パイモン:
ふん、自分たちに都合のいいことばっかり書いてるぞ。
ナフィス:
確かにそうだが、この言い回しは外交の場で非常に有効だ。道理の面でも人道の面でも、全く隙がない。
ナヒーダ:
今回の災厄がスメールに与えた影響は甚大よ。たくさんのことを、私は心に刻んでおくわ。
ナヒーダ:
ドットーレの件については、ひとまず決着がついたと言えるでしょう。スネージナヤとはいつかまた関わるときが来るでしょうから、彼らには果たすべき責任を自覚して、一線を越えないでもらいたいものね。
ナヒーダ:
世界樹が燃やされ、運命にさらなる可能性が生まれたわ。私はそれを見守っていくつもりよ。
ナフィス:
こんな話はもうやめましょう。雑務が片付いたら、一緒にお食事をしませんか。みんなもお祝いをしたくて、草神様がいらっしゃるのを心待ちにしているんです。
ナヒーダ:
ええ。ドニアザードやセノ、ハイパシアたちもそう言っていたわ。もし人が多すぎるようなら、二回に分けてもいいわね。
ナフィス:
それは何よりです。では、メニューはなんにしましょうか?うーん…
ナヒーダ:
まさか、またトマトじゃないでしょうね?
ナフィス:
「また」とは?
ナヒーダ:
あなたの二人の親友はいつもトマトの話をしているでしょう。街を歩いていると、彼らが畑のそばで言い争っているのが聞こえてくることもあるわ。よく会っているあなたなら、もっと聞いているんじゃないかしら。
ナヒーダ:
トマト…この言葉には不思議な魔力があるわね。まるで風に舞う秋の駄獣の毛が、時々鼻先にまとわりついて離れないかのように。
ナフィス:
…ふむ…トマトで作る料理となると…いや、どうしてトマト縛りで考えているんだ、私は。
ナヒーダ:
ゆっくり考えて大丈夫よ。私と旅人、パイモンは行くところがあるから、その用事が終わるまで、たっぷり時間はあるわ。
ナフィス:
ナタに行くのですね?今回はご自身の体で会いに行かれるわけですし、長い道のりになるでしょう。
ナヒーダ:
ええ。でも必要なことよ。私は行かなくてはいけないわ。
ナヒーダ:
旅人、パイモン、準備ができたら出発しましょう。いいかしら?
旅人:
いつでもいいよ。
パイモン:
おう、オイラもだ!ついでに食べ物も買っていこうぜ!一緒に遠出する旅行ってことでな!
ナヒーダ:
ええ、とても楽しみね。
ナタの聖火競技場に行く
ナヒーダ:
ナタは本当に賑やかね。
パイモン:
すっごく明るくて、元気な国なんだぞ!
ナヒーダ:
ええ、見ていて分かるわ。あちこちで身体を動かしている人がいて、とても健康的ね。
マーヴィカ:
よく来たな、歓迎しよう。お腹は空いていないだろうか?何か食べ物を——
パイモン:
いやいや、大丈夫だぞ!ここに来るまでずっと食べてたからな。キノコの盛り合わせに、シャフリサブスシチュー、バターチキン、パティサラプリン…もうお腹いっぱいだ!
マーヴィカ:
おっと、料理の名前を挙げるのはそこまでにしてくれ。聞いているだけでお腹が空いてきてしまう。
ナヒーダ:
それなら、あとで食事の時間を取りましょう。そうすれば、みんなお腹が空いているときに、一緒に食べられるわ。
マーヴィカ:
ハハッ、じゃあどこか座れる場所を探そう。
マーヴィカと会話する
マーヴィカ:
実のところ、君たちが何のために来たかは、なんとなく察しがついている。
ナヒーダ:
マーヴィカは、それを何だと思っているのかしら?
マーヴィカ:
感謝を伝えるためだろう?
旅人:
うん。でも感謝だけじゃなくて、謝りたいこともあるんだ。
マーヴィカ:
炎の神の心が消えたことか?それなら、もう気づいている。
ナヒーダ:
世界樹の残骸の中を隈なく探したけれど、炎の神の心はどうしても見つからなかったの。灰になった痕跡すらなかったわ。
マーヴィカ:
ふむ、それは異様だな。だが、世界樹の消失がもたらす潜在的な影響は大きい。炎の神の心が消えたことも、ある種の運命の延長線上にあるのかもしれない。
マーヴィカ:
そのことを負い目に感じないでくれ。君が「譲ってほしい」と言ったとき、私も頷いただろう?
ナヒーダ:
感謝という言葉はとても面白いわ。私たちはよく些細なことでお礼を言うけれど、言い表せないほど大きな厚意を前にしたときも、やはり同じ言葉を使うのだから。
ナヒーダ:
語彙が乏しいわけではなく、本当に気持ちを伝えたいとき、言葉はシンプルで純粋なほうが、より深く響くのでしょうね。
マーヴィカ:
ああ、ナタの人々もよくシンプルな言葉を口にする。仲間、友情、協力…洗練された言い回しではないが、そこに込められた想いは本物だ。
ナヒーダ:
それはとてもいいことよ。そして知恵もまた、往々にして心の中に隠されているものなの。
マーヴィカ:
世界樹が消失したというのに、君の調子が悪くなさそうで安心したよ。
ナヒーダ:
処理しないといけないことはまだまだたくさんあるけれど、そういう細かい仕事に取り掛かる前に、マーヴィカと話しておきたいと思ったの。
旅人:
うん。お礼を言うのはもちろんだけど…マーヴィカに会うのって、なんだか「日向ぼっこ」してるみたいな気分になれるんだ。
マーヴィカ:
とても可愛らしい表現だな。気に入った。
マーヴィカ:
あまり重苦しい面会は好きではない。もし他に用がなければ、一緒に日向ぼっこでもしないか?今日は格別の快晴だ。
パイモン:
いいな!オイラ、ちょっと横になるぞ!
ナヒーダ:
ふぅ——
旅人:
じゃあ俺も、次の目的地へ向かう前に、少し横になろうかな。
マーヴィカ:
次はどこへ?
旅人:
モンド。
旅人:
コレイたちと一緒に、モンドへ行く約束をしてるんだ。
ナヒーダ:
ずっと前から、コレイの身体に残っている魔神の残滓は花神に由来するものだと薄々感じていたわ。でも私はこの秘密を心に秘め、誰にも言わないでいたの。
ナヒーダ:
その残滓は今のコレイに害を与えていないし、ただそこにあるだけ。それに、私は彼女から渇望を感じたから。
ナヒーダ:
普通の人生への渇望…そして、ようやく手に入れた今の幸せへの渇望。そんな彼女を前にして、私には秘密を守る責任があると思ったの。
旅人:
今の彼女なら、この問題と向き合えるはずだ。
マーヴィカ:
人と人が出会えば、温かな可能性が生まれるものだ。例えば、子供は皆いずれ大人になるが、特定の誰かの前では子供のままでいられるようにな。
パイモン:
おっ、それならナヒーダも、オイラの中じゃ時々子供みたいに見えるぞ。
ナヒーダ:
子供?なら、子供の友達も子供になるわね。
パイモン:
おう、それも悪くないよな。もう少ししたら、オイラたちは別の子供のところに行って、そいつの成長を見守ってやるんだ。
コレイ:
スクロースへ この手紙が届く頃、あたしはまだ忙しくしてると思う。でも、それはいいことで忙しいんだ。だって今のあたしは、もう見習いじゃなくて、正式なレンジャーになったから!
コレイ:
すごくかっこいいだろ?セノさんも「正式」って響きのほうが、「見習い」より強そうだって言ってた。でもすぐに、前も悪くなかったって付け加えてくれたけどな。
コレイ:
知ってるかもしれないけど、スメールで大変なことがあった。けど心配しないでくれ、もう全部解決したから。近いうちにモンドに行くから、時間があったら会わないか?
コレイ:
あたしの他にも何人か一緒で、スクロースも見覚えのある顔ぶれだ。前にあたしたちが集まったのは、いつかの風花祭だったよな。
みんなと会話する
二日後、モンド城の門前…
セノ:
ティナリ、あれは…
ティナリ:
待った!先に言わせてもらうよ。大マッハマシンでしょ、大マハマトラ。
セノ:
これが時の流れか。まさか、こうして先回りするようになるとは…変わったな、ティナリ!
コレイ:
師匠、ダジャレへの嗅覚が鋭くなったみたいだ!
セノ:
コレイ!まさに俺もそれを言おうとしていた!
ティナリ:
二人とも、頼むから勘弁してくれ…
パイモン:
おーい!
コレイ:
旅人、パイモン、時間ぴったりだな。
旅人:
少し待たせちゃったかな?
スクロース:
コレイ——!
コレイ:
スクロース!久しぶり、元気だったか?
スクロース:
うん、元気にしてたよ!コレイは?仕事は一段落したの?
コレイ:
まあ、大体な。そうそう、もらったジューサー、すごく使いやすかった。ファルザン先輩も気に入ってたよ!
スクロース:
本当?よかった。もっと詳しい試用レポートはある?どんな果物を使ったの?完成品の質はどうだった?
アルベド:
スクロース、もう少し落ち着いて聞いたほうがいいよ。
パイモン:
アルベド、おまえもいたんだな!
アルベド:
久しぶりだね、みんな。今回も前回と同じ感じで進めるのはどうかな?
セノ:
友よ、お前は決して期待を裏切らないな。
アルベド:
それじゃあ、今回の設定は?
ティナリ:
思い出させないでくれ。
セノ:
ああ、今回の設定は——正式レンジャーコレイと、その仲間たちだ。
ティナリ:
何だか、心がほっこりするのを売りにした物語みたいだね。
セノ:
俺たちはほっこりが売りだろう?『召喚王』にも、そんな名シーンがあった。
コレイ:
ほっこりだけじゃなくて、かっこよさもあたしたちの見どころから外せないな。うん、絶対に。
モンド図書館に行く
コレイたちと一緒に騎士団のみんなに挨拶した後、図書館へ向かった。そこにいたのは…
ニコ:
あら!もう着いたの?今ドドコの毛並みを整えているところだから、少し待っていてくれるかしら?
パイモン:
毛並みを?ドドコも定期的に整えなきゃいけないのか?
ニコ:
ええ。自分の好きなものは、ちゃんとお手入れしてあげないとね。
ニコ:
あたし、よく身内のためにこういう細々としたことを引き受けているの。だって、あたしは天の使いでしょう?天の使いはある意味、テイワットの「ガーディアン」みたいなものだからね。
パイモン:
おおっ、なるほど。なんだかすごそうだな…
ティナリ:
何をメモしてるの?
セノ:
かっこいいセリフをメモしているんだ。
アルベド:
カードの裏面のデザインに刻んでおこう。
セノ:
それだ!
ニコ:
コホン!やっぱりあたしのセリフは最高でしょう?
コレイ:
ニコさん…
ニコ:
コレイ、少し緊張しているみたいね。
コレイ:
考えてたんだ…ニコさんが言ってた、願いを叶える必要がある人って、誰なんだろうって。
ティナリ:
願い?
コレイ:
うん。友達の願いを叶えるために、全部終わったらモンドで会おうって言われたんだ。それにはあたしの力が必要らしくって。
セノ:
それは初耳だな。俺たちが知っているのは、お前たちがモンドで会う約束をしていることだけだった。魔神の残滓と関係があるんじゃないかと推測はしていたが。
ニコ:
ええ、あたしが言ったことはすべて本当よ。それに、その友達はもうあたしたちを待っているわ。
ニコ:
さあ、彼女に会いに行きましょう。
風立ちの地の大樹のところに行く
コレイ:
お前は…
リルパァール:
驚いたか?遠く離れた国の美しい大樹の下で、私のような女に会うとは思わなかったろう。
リルパァール:
ふふ、ジンニーのいる場所にはオアシスが生まれる…という言葉は、モンドでは通用しないようだ。ここは元から緑豊かだからな。
パイモン:
リルパァール!?どうしておまえがここにいるんだ?
リルパァール:
ニコと友達になってな、彼女にお願いしてここへ連れてきてもらったのだ。そして、コレイを呼んでもらった。
リルパァール:
さて、物語の前置きになるが、私にはある願いがある。それは何百年、何千年もの間、心の中で渦巻いていたものだ。もとはアフマルの嘘に過ぎなかったが、いま現実となった。
旅人:
まさか…
コレイ:
花神様に関係あることか?
リルパァール:
可愛いお嬢さん。女主人は、この世に残した最後の痕跡をあなたに託した。こうして会えたことを、本当に嬉しく思う。
リルパァール:
そしてあなたを見て…その心を覗き込ませてもらった。苦難を経験し、挫折に耐えてきたようだな。常人が味わう三倍もの苦痛がその身に降りかかり、あなたを強くした。
リルパァール:
だが私は、その背後にあるささやかな願いも見た。あなたはただ、本来あるべき平凡な人生を取り戻したいのだろう?
コレイ:
…うん。あたし自身のものじゃないすべてを、切り離したいんだ。
リルパァール:
では問おう、何をもって「自分自身のもの」とする?他人に刻まれた傷跡も、他人から与えられた愛や優しさも、あなたの一部ではないのか?
コレイ:
そうだな、ニコさんともその話をしたけど——
コレイ:
その時、自分の中の基準を見直すようにって教えてくれた。あたしは普通の人間として生きたいだけなんだ。それ以上のものはいらない。
リルパァール:
ふふ…花神の残骸から、何かを得たいとは思わないのか?
コレイ:
花神様はあたしに啓示を与えてくれた。それでもう十分だと思ってる。
リルパァール:
以前のあなたなら、それほど豊かな心を持つことはなかっただろう。束の間の生活が、良きものを与え、優しさを見出すことを教えたのだな…
リルパァール:
ああ、実に興味深い。あなたはナブ・マリカッタとはまるで違う。私の女主人ではない。
コレイ:
そ、それは当然だ…あたしはそんな偉大な存在じゃないからな。
リルパァール:
そして私はジンニー。私たちは花の女主人のために存在し、あの方を敬い、愛している。私の願いはもう一度あの方に会い、あの方のためにすべてを捧げることだ。
リルパァール:
コレイ、私の願いを叶えてくれないか?
コレイ:
でも…この残滓はそう簡単に取り出せるものじゃないだろ。そんなことして、お前は大丈夫なのか?
リルパァール:
それは二の次だ。まずは答えてほしい。この孤独で哀れな流浪の女の魂のために、何かしてくれる気はあるだろうか?
コレイ:
も…もちろん。
リルパァール:
だがあなたは私のことをまったく知らないだろう?物語を紐解いても、かつて数々の悪行を犯し、当然の報いを受けた悪女だということが分かるくらいだ。
リルパァール:
あなたは、自分の唇やまぶたが震えていることに気づいていながらも…それでも私のために動こうとしてくれている。運命はあなたに冷酷だったというのに、優しさを学べたのだな。
リルパァール:
可愛いお嬢さん、私もその優しさに報いるべきだろう。
ニコ:
リルパァール、本当にそれでいいの?
リルパァール:
もう一度、女主人に会いたいのだ。その一瞬のためなら、世界が灰になろうと、宇宙が燃え尽きようと…他のことなど、どうでもいい。
リルパァール:
そしてコレイ、あなたにささやかな贈り物をしよう。それで平凡な人になれる。
コレイ:
リルパァール、お前はどうなるんだ?
リルパァール:
私の願いは満たされ、幸福のうちに死ぬ。
コレイ:
そんな…!?
リルパァール:
長く果てしない命は、持たざる者には羨まれ、得た者には苦しみとなる。私の亡骸は黄砂のあちこちに散っていて、この魂が安らぎを得るのは難しいことだ。
リルパァール:
私の願いを叶えてくれるのなら、それらを私に渡してくれ。死にゆく者を死なせ、亡き者に安息を。ただ感謝するばかりだ。
ニコ:
コレイ、気負わなくていいわ。彼女の言っていることは…すべて事実よ。願いとは本来、真実の渇望から生まれるものなのだから。
コレイ:
それじゃまるで、リルパァールが残りの命を使って、あたしに良い未来を残してくれるみたいだ…
リルパァール:
そうではない。私たちは互いの未来を使って、互いの願いを叶えるだけ。これは崇高なことで、女性同士の美しくも密やかな取引だ。
コレイ:
……
コレイ:
分かった。それじゃあ…リルパァール、お願い。
リルパァール:
目を閉じ、そして魂を開放してくれ、コレイ。そこから我が主を抱きしめよう。
リルパァール:
降りしきる花の豪雨こそが、あなたの御手。まるで最初に戻るかのように…私はただ、我が主の恩寵にひれ伏しましょう。
リルパァール:
人はよく、忠誠とは美しくも苦痛を伴うものだと言うが、それは愚かな考えだ。私にとって忠誠とは、苦痛のない美しく純粋なもの。忠誠こそが、私の愛。
リルパァール:
…ありがとう。
パイモン:
リルパァール…消えちゃったのか?
魔瓶は静かに地面に落ち、そこにジンニーの気配はもうなかった。
旅人:
彼女は、花の祝福と共に去ったんだ。
ニコ:
コレイ、大丈夫かしら?
コレイ:
…大丈夫。それに…残滓が取り除かれて、気づいたけど…
コレイ:
あたしは、これまでのあたしと何も変わらない。
旅人:
……
ナヒーダ:
その残滓は今のコレイに害を与えていないし、ただそこにあるだけ。それに、私は彼女から渇望を感じたから。
旅人:
(コレイが望んでいたものは、もう彼女の元を訪れていたんだ。)
コレイ:
すごく元気だし、なんだか身体も軽い。だから心配しないでくれ。
ニコ:
なら、あたしの願いも叶ったわね。
コレイ:
「平凡」になることか?
ニコ:
あら、それはあたしの願いの一つに過ぎないわ。実は他にもいくつかあるの。たとえば、出会った人々を守り、その人たちを幸せにする…とかね。
コレイ:
じゃあ、あたしとリルパァールを合わせて、もう二回も願いが叶ったことになるな。あたしたち二人を守ってくれた。
ニコ:
ええ、あたしもとても嬉しいわ。
コレイ:
この件も、これでおしまいだ。
セノ:
この後はどうする?街に戻ったら、まず何がしたい?
コレイ:
あたし…
スクロース:
コレイ、アンバーさんを連れてきたよ!
アンバー:
ちょっと、コレイ!何か内緒の集まりをやってるって聞いたんだけど、どうしてわたし抜きで始めちゃったの?
コレイ:
えっ?あっ、違うんだ!た…ただ友達を見送ってただけで。
アンバー:
本当?それって誰?
コレイ:
昔のあたしだよ。
アンバー:
そうだったんだ…だからモンドに戻ってきたんだね?昔のコレイを知ってるわたしたちなら、それを確かめられるから。
コレイ:
ああ。昔のあたしは、もういない。空に向かって息を吹きかけたら、ピンク色の雲になって、そっと浮かんで消えていった。
スクロース:
もしかしたら…空の上では、試験管やフラスコを持った友達や、弓を持った友達が彼女を待ってるかもね?
パイモン:
もしそうなら、悪くないな!
コレイ:
ニコさんはどう思う?
ニコ:
そうね、きっとそうなるんじゃないかしら?
ニコ:
少なくともあたしに選ばせてくれるなら、そういう展開のほうが好きよ。
コレイ:
スクロース、あたしもうとっくに子供じゃないけど、この短い日々の中で、また少し大人になれたみたいだ。強くなって、何かを支えられるようになった気がする。
コレイ:
スクロースみたいな不思議な子なら、こんな友達のことを面白いと思ってくれるかな?植物みたいに、いつも生き生きと成長し続けるあたしのことを。
コレイ:
過去のあたしにお別れを言いに行くつもりだ。これが終わったら、きっと彼女はいなくなる。そう考えると、なんだか少し寂しさもあるよ。まさかずっと付き添ってくれた臆病なあたしが、いなくなる日が来るなんてな。
コレイ:
でも心のどこかで、震えるほど喜びを感じてるんだ。ずっとずっと前から、あたしはこの一歩を踏み出して、今の自分に向かって歩き出したかったから。