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空月の歌 第一幕

白銀の浪と蒼林の舞


月が昇る地
月光が道を照らし、ナド・クライ——冒険者と流浪者の「楽園」に導かれた…
いざ、新たな旅へ!
パイモン:
待たせたな、イネファ!
イネファ:
こんにちは。気象を分析したところ、これから数日は晴天が続きます。船旅には最適の天候と言えるでしょう。いつでも出発できます。
旅人:
じゃあ、行こっか。
パイモン:
今回もこれまでみたいに、誰にも挨拶せずに行っちゃうのか?
パイモン:
へへっ、実はここに来る途中、ちょうど知り合いに会ってさ——
ムアラニ:
送別会もなしに行っちゃうなんて許さないからね!
カチーナ:
そうだよ。もう師匠のために準備だってできてるんだから!
アハウ:
まだこの偉大なる聖龍に供物を捧げてねぇだろ!このまま行かせるわけにはいかねぇぜ!
旅人:
ま、またつかまった!?
キィニチ:
お前がもうすぐナド・クライに行くと聞いてな。パイモンに出発の日を前もって教えてくれと頼んでおいたんだ。
旅人:
…パイモンの仕業だったんだ。
パイモン:
まぁまぁ…へへへ。なにも言わずに行っちゃう悪いクセは、そろそろ直すべきだと思うぞ。
ムアラニ:
そこまで時間は取らないからさ!みんな待ってるよ。チャスカにイアンサ、オロルンたちもみーんないるんだから!炎神様だって来てるんだよ!
カチーナ:
イネファも一緒に行こう。シロネンお姉さんがプレゼントを用意してるんだって。
イネファ:
ぜひご一緒させていただきます。シロネンさんは私に効くマッサージを熟知されておりますので、彼女に対する印象は非常に高スコアとなっています。
パイモン:
ロボットもマッサージが好きなんだな。いや…それともシロネンがあまりにロボットを知り尽くしてるのか?
キィニチ:
なら、ここで立ち話を続けるのもなんだな。さっそく会場に行くとしよう。
パイモン:
いぇーい!パーティーだ~!
誰にも気づかれない隅っこで、二つの瞳がここでの出来事をひそかに窺っている…
???:
……
ナド・クライへ向かう
???:
どうしたの?
???:
…あの者たちが出発したようです。
???:
ふふっ…ワタシの「演算」通りね。
???:
今回はワタシ自ら、この「変数」と会うことにするわ。
パイモン:
…毎回、次の国へ向かう途中に「あぁ、ここから別の国に入るんだなぁ」って思う瞬間があるんだけど——
パイモン:
今回の「その瞬間」は、バッグにある最後のちび竜ビスケットを食べ終わった時だったな。あーあ、もっと送別会のナタグルメをお持ち帰りしとけばよかったぜ。
イネファ:
つまり、パイモンさんは二分四十秒前のあの座標を「ナド・クライとナタの境界線」と定義したということでしょうか?これは私の所持している公式データとは一致しません。
パイモン:
気持ちの話だぞ…おまえはどうだ?いつ「境界線」を感じる?
パイモン:
おお!たしかにそれもあるな!
パイモン:
イネファはどうだ?あっ…イネファはナド・クライから来てるから逆か。イネファがナタに来たとき、いつ「境界線」を感じた?
イネファ:
そうですね…私のレーダーが「月」を感知できなくなった瞬間かもしれません。
パイモン:
月?空にある、あの月のことか?
イネファ:
いえ、私が言っているのは…あっ、パイモンさん、旅人さん、着きましたよ。
パイモン:
おお~!
イネファ:
ナド・クライへようこそいらっしゃいました。
パイモン:
今見えてるのが、イネファが来る途中で話してくれた「ナシャタウン」だよな?
旅人:
(…あれ?)
イネファ:
そうです。ナド・クライで最も賑やかな商業地でもあります。
旅人:
(……!ここって、まさか…!)
パイモン:
へへっ、じゃあここにもきっとご当地ものが…
パイモン:
あれ?どうしたんだ?
旅人:
パイモン…
旅人:
ここは、俺と蛍がテイワットに降り立った時…宇宙船が不時着した場所だ…
パイモン:
ええっ!?
パイモン:
ほ…本当か?そんな大事なこと、なんでずっと黙ってたんだよ!
旅人:
…あの時の記憶はぼんやりしてて…蛍が俺を起こして、宇宙船から出たことしか覚えてないんだ…
旅人:
でも、この土地に足を踏み入れた瞬間、何か…力を感じた。まるで、記憶の中にある…
イネファ:
「クーヴァキ」、ですか?
パイモン:
なんだそれ?
イネファ:
貴方の感じた力は、この地の人々にクーヴァキと呼ばれるものかもしれません。これはナド・クライにある特殊な力で、純粋な原始の元素力となります。
旅人:
「燃素」みたいなもの?
イネファ:
はい。私のデータベースの中に、類似する概念として「原始胎海」も登録されています。
イネファ:
「現在空にある月は、遥か昔にナド・クライから昇った」という伝承があります。
イネファ:
現代のナド・クライの地質研究と隕石調査の結果でも、その説は一定の裏付けを得ています。
パイモン:
さっき言ってた「月を感知」っていうのも、そのクーヴァキのことを指してたのか?
旅人:
(たしかに…燃素の感覚と似てるけど、少し違う。もしかして、二つとも夜神が言ってた「光界の力」なのかもしれない…)
旅人:
(でも、この感覚…やっぱり記憶の奥底にある、初めてテイワットに着いた時に感じた力と同じみたいだ。)
パイモン:
じゃあ、ここでおまえの宇宙船が見つかるかもしれない、ってことだよな?どこに不時着したか覚えてるか?
旅人:
たしか…どこかの浜辺だった気が…
イネファ:
ナド・クライは海に囲まれていますので、浜辺は数えきれないほどあります。
旅人:
他にも…山があったような…
イネファ:
ええと…これでは正確に特定できそうにありません。
パイモン:
まあ、思い出せないのも無理ないよな…だいぶ昔の話なんだし。
パイモン:
だったらこれまで通り、旅をしながら探そうぜ!オイラがずっとそばにいてやるから安心しろ!
イネファ:
私にも手伝わせてください。
旅人:
ありがとう…
パイモン:
えへへ!宇宙船がナド・クライにあるってわかっただけでも、大きな一歩だぞ!
イネファ:
「境界線」を越えたようにですか?
パイモン:
そうそう!イネファは理解が早いな!
旅人:
(俺と蛍の宇宙船を見つけられたら、宇宙船のログを確認できるかもしれない…)
旅人:
(やっとあの時、何があったのか分かる…答えはこの地にあるんだ…)
パイモン:
コホン!じゃあ「最高のガイド」として、あらためて——
パイモン:
ナド・クライに到着だー!
ナシャタウンに入る
パイモン:
「宇宙船探し」の依頼を出したり、ナド・クライの情報をもっと集めたりするなら、やっぱ冒険者協会に行くべきだよな!
イネファ:
冒険者協会はナシャタウンにあります。この道に沿って進めば大丈夫です。
パイモン:
ん?なんだあれ?
パイモン:
空中にふわふわ浮かんでて、「仙霊」によく似てるけど…
イネファ:
あれはナド・クライにしかいない「月霊」というものです。
パイモン:
月霊?月と関係あるのか?
イネファ:
はい。「霜月の子」と呼ばれるこの地の原住民によれば、月霊は月神の眷属であり、月に照らされた人々を重要なものの元へと導くとされています。
パイモン:
月神?ここの人たちは氷の女皇を信仰してるんじゃないのか?
イネファ:
ナド・クライはスネージナヤの辺境にあるため、独自の信仰を持っております。私が先ほど話した通り、この土地は月と深くかかわっているのです。
イネファ:
そして、霜月の子の信仰の起源は、天の使い文明の時代まで遡ります。私のデータベースによると、当時はまだ「俗世の七執政」すら存在しなかったようです。
パイモン:
おお!つまり、その人たちは魔神戦争よりも前から神を信仰してたってことか?
イネファ:
はい。これから様々な神像を目にすることになると思いますが、それらもすべてここの霜月の子たちの手によるものです。
パイモン:
あっ!行っちゃうぞ!
イネファ:
ついていくことを推奨します。月霊と出会える確率はわずか数パーセントとされており、人々からは幸運の象徴として扱われていますので。
イネファと会話する
パイモン:
これは…観光ガイド?本当に重要なものの元へ導いてくれるんだな!
イネファ:
行きたいところはありますか?
パイモン:
どこも面白そうだし、時間さえあれば全部まわってみたいけど…
イネファ:
…ルート変更中。
イネファ:
更新完了。この道に沿って進むと、景色のいい場所に出られます。そこから冒険者協会や各店舗の位置も把握できます。
パイモン:
お、おお…なんかイネファにオイラの仕事を全部持ってかれそうな気がするぞ。もしかしてオイラ、ガイドの座を奪われる大ピンチってやつか?
イネファの案内の下、ナシャタウンについて知る
パイモン:
おおっ!ナシャタウンってすっごく広いんだな!なんかオイラが思ってたのとちょっと違うぞ。
イネファ:
具体的にどのように異なるのでしょう?
パイモン:
ずっとナド・クライは冒険者の「楽園」だって聞いてたからさ、もっと…かわいい?感じなのかと思ってたぜ。
イネファ:
ナド・クライには確かにそう呼ばれていた時代もあります。ですが、それは妖精の時代の話です。フェイ
イネファ:
その時代の英雄譚は今でも語り継がれています。特に有名なのが「ランプのフェイ」の物語です。
イネファ:
このフェイはナド・クライのために力を尽くしました。現在のライトキーパーたちがランプを手に巡回するのも、そのフェイを偲んでいる側面があると言われています。しかし…
パイモン:
しかし…?
イネファ:
ナド・クライは後に大規模なアビスの災害を受け、不毛の地となっていた時期があるのです。
イネファ:
ランプのフェイは愛する地の悲惨な状況に心を痛め、自分の灯を消してしまいました…まるで、アビスに希望を吹き消されるかのように。
イネファ:
現在皆さんがここを「楽園」と呼ぶのは、願望、または冗談のようなニュアンスが含まれているのかもしれません。
パイモン:
冗談?
イネファ:
ここには公的な行政機関がありません。理論上、ここでは何をしてもいいですし、誰になってもいいのです。
イネファ:
冒険者協会はあちら——ナシャタウンの中央広場にあります。そして向こうに行くと酒場「フラッグシップ」があります。
パイモン:
ん?あのでっかくて高い建物はなんだ?
イネファ:
あれはアイノの作った「ドッカン・クーヴァキレーザー砲」です。ナシャタウンのワイルドハント災害レベルが一定以上になると起動します。
イネファ:
先ほどスキャンしてみたところ…レーザー砲は現在故障しているようです。おそらく最近、一度発射されたのでしょう。
パイモン:
ワイルドハントって…前におまえが言ってた、ナド・クライ特有のアビスの災害だよな?
イネファ:
ワイルドハントに関する記録は数百年前まで遡ることができますが、発生の時期や場所には一貫性がありません。また、かつては大人が子供を脅かすために使うおとぎ話にすぎませんでした。
イネファ:
「もし言うことを聞かないと、ワイルドハントに連れていかれちゃうぞ!ほら、霧の向こうから連れ去られてしまった女の人の声が聞こえるだろう?」と。
パイモン:
本当にそんな声が聞こえるのか?
イネファ:
私はワイルドハントを目撃した経験が少ないため、統計的に分析するのは困難です。
イネファ:
しかし、その当時語られていたワイルドハントは、霧の中に女性の亡霊が見えるといった程度のものでした。それが後に、アビスの魔物が襲い来る災害となったのです。
パイモン:
そう考えるとアイノってすごいな!イネファを直しただけじゃなくて、あんなでっかくてスゴい大砲まで作るんだから!
イネファ:
そう、アイノはすごいのです。
イネファ:
スケジュールによると、そろそろお二人をフラッグシップへ案内する時間です。
パイモン:
よし、行こう!あんまファルカを待たせるのも悪いしな!あいつがこの時間、酒場にいるかどうかはわからないけど…
パイモン:
それもそうだな。
「フラッグシップ」に入る
イネファ:
ここがフラッグシップです。
パイモン:
ファルカが手紙に書いてた場所って、たぶんここでいいんだよな?どれどれ…ファルカは…
イネファ:
…一致する人物は見つかりません。
パイモン:
いないのか…まあいっか。オイラたちも別に今日ナド・クライに着くって手紙で伝えてなかったし。
パイモン:
とりあえず、店長に聞いてみようぜ。他の人の話じゃ、大団長の酒豪っぷりは一度見たら忘れられないレベルみたいだしな。店長もきっと覚えてるはずだぞ。
バーテンダーと会話する
デミアン:
おや?イネファじゃありませんか。
イネファ:
こんにちは、デミアンさん。
パイモン:
知り合いなのか?
デミアン:
もちろんですよ。イネファはフラッグシップの常連ですから。
パイモン:
ロボットもお酒を飲んだりするんだな?
イネファ:
いいえ。アルコールのエネルギー転化率は極めて低い上、不純物が多すぎます。ですが、ここのベリーとお肉のソテーには9.12点をつけられます。それにアイノも大好きなんです。
デミアン:
あなたがナタに行っている間、ファルカは毎日、その料理をアイノのためにお持ち帰りしていましたよ。
パイモン:
きっとファルカは、アイノがイネファを心配してろくにご飯を食べられないんじゃないかって思ったんだろうな。
デミアン:
ええと…実はイネファが出発した後、アイノは普段制限されているお菓子を、ここぞとばかり大量に食べるようになったので…それを見かねたファルカが、このままでは栄養が偏ると判断しまして…
イネファ:
……
デミアン:
あっはっは…少々喋りすぎてしまったようですね。ナタから戻ったということは、そちらにいらっしゃるのが、ファルカの言っていた旅人とパイモンでしょうか?
パイモン:
おう!そうだぞ!
パイモン:
そういえば、ファルカのことをよく知ってるみたいだな?
デミアン:
ええ、そりゃあもちろん!彼はここで唯一「ルーレットカクテル」を十ラウンド耐えられる人ですから。
パイモン:
ファルカって、ここでそんな有名になってるんだな?有名になった理由は、ちっとも予想外じゃないけど…
旅人:
どこにいるか分かる?
デミアン:
たしか…アームスヴァルトニル湖のあたりにいるかと。ここからですと、少し距離があります。
パイモン:
ええと、それってどこにあるんだ?
デミアン:
ナド・クライの北側にある湖ですよ。そちらで何か事件があったらしく、部下を連れて向かったそうです。
パイモン:
ええーっ?行き違いかよ…
デミアン:
はっはっは、あなたならそう思うに違いないとファルカは言っていましたよ。そして、あなたに旅を楽しんでもらえるよう、必ず引き留めるようにとも頼まれました。そこのことは気にせず任せておけば大丈夫、とのことです。
パイモン:
うーん…そう言うなら、お言葉に甘えようぜ。あの大団長のことだし、オイラもきっと大丈夫だと思うぞ!
デミアン:
ええ、そのほうがいいでしょう。それに、彼は前払いでお二人のために一番いい部屋を予約したんです。すでに部屋の用意もできていますよ。
パイモン:
わぁ!太っ腹だな!へへっ、まだ会ったことないけど、ファルカとは仲良くできる気がするぜ!
デミアン:
ああ、そうだ…イネファにはベリーとお肉のソテーを渡すよう言われてました。こちらも代金は受け取ってあります。
イネファ:
ありがとうございます。
デミアン:
こちらこそ。ご満足いただけたようで何よりです。
イネファ:
旅人さん、パイモンさん、お二人はひとまず荷物をお部屋に置いてきてください。その間に、以前アイノに頼まれたパーツの買い出しに行ってこようと思います。
パイモン:
おう!観光ガイドも持ってるし、荷物を置いたらオイラたちだけでちょっと見てまわってみるぜ!集合するのはそのあとにしよう!
イネファ:
私がガイドしなくても大丈夫ですか?
パイモン:
大丈夫だぞ!道はだいたい覚えたからな。迷子にはならないぜ。
イネファ:
助かります。これで全体の予定時間を約三十パーセント短縮でき、アイノと会える時間も四十五分ほど早めることができます。
パイモン:
そっか、早く会いたいもんな。よし、じゃあお互い用事をちゃちゃっと済ませちゃおうぜ!
部屋に入る
パイモン:
へへっ、食事と宿の面倒を見てもらえるなんてラッキーだな。
パイモン:
でも、ここがフラッグシップで一番いい部屋なのか?広いっちゃ広いけど、ちょっと古い気もするぞ…ナシャタウンの他の建物もこんな感じだったよな?
パイモン:
ナド・クライの歴史的な背景が理由って言いたいのか?たしかに…でも、当時の災いって、具体的にどんなのだったんだろうな?
パイモン:
オイラたちもベリーとお肉のソテーってやつを注文してみないか?ずっと話を聞いてて、食べたくなってきちゃったぞ。
パイモン:
わっ!ごめん、オイラがよそ見してたから…
???:
いえ、謝るのは僕のほうですよ。廊下に立ち止まって、考えに耽るべきじゃありませんでした。
パイモン:
ん?もしかしておまえ、オイラたちの隣の部屋に泊まってるのか?
フリンズ:
鋭いですね。そうだ、自己紹介を——僕の名はキリル・チュードミロヴィッチ・フリンズ。フリンズとお呼びください。
パイモン:
ずいぶん長い名前だな…
フリンズ:
そうでしょうか?昔のスネージナヤであれば、これくらい珍しくありませんよ。お二人がナド・クライに来たのは旅行か何かで?
パイモン:
おう!オイラはパイモンで、こっちは旅人だ!今までいろんな国を旅してきて、今日ナド・クライに着いたばっかなんだ。
旅人:
こんにちは。
フリンズ:
多くの国を巡ってきた旅人ですか。お会いできて光栄です。
パイモン:
おまえもここには旅で来たのか?
フリンズ:
そうですね…できれば僕も旅という名の休息を享受したいところですが…生憎、ここに泊まるのは一晩だけなんですよ。
パイモン:
じゃあ、仕事か?
フリンズ:
そんなところです。僕はナド・クライの「ライトキーパー」——普段は北の墓地で見張りをしています。今日こちらに来たのは、このランプを修理するためなんです。
旅人:
(……)
旅人:
(このランプ…なんだか変な感じがする…)
パイモン:
ぼ…墓地?
フリンズ:
驚かれるのも無理はありません。墓碑や腐植土と一緒に過ごす生活というのは、一般人からしたら想像しづらいでしょうから。
フリンズ:
ですが、ワイルドハントの災禍はいつもアビスに汚染された魂と共に現れます。これを知れば、僕たちが墓地の見張りをしているのにもご納得いただけるでしょう。
パイモン:
アビスに対抗するための仕事なのか…すごく大変そうだな?
フリンズ:
お気遣い感謝します。ただこの仕事にはもう慣れましたし、僕にとっては天職です。賑やかな街中より、静かな墓地のほうが落ち着きますから。
パイモン:
その気持ち、ちょっぴりわかるけど、墓地に住むのはやっぱり…オイラだったら夜ぜったい寝れなくなっちゃうぞ。
フリンズ:
ああ、そこに関してはご安心ください。墓地の亡霊はめったに喋りません。むしろこちらから話しかけてみると、生きている人間よりも面白いことがよく分かります。
パイモン:
え…?
旅人:
え…?
フリンズ:
おや、つい長話してしまいましたね。どうやら、お二人とは気が合うようです。
フリンズ:
ただ、そろそろ時間ですので、ここで失礼させていただきます。ライトキーパーがランプを失うのは、旅人が地図を失うことと同じくらい致命的ですから。
パイモン:
あ、ああ…じゃあな!
フリンズ:
ええ。もし機会があれば、またお話ししましょう。
フリンズ:
いつでも僕のお墓にお越しください。ああ…僕のお墓というのは、僕の見張っている墓地という意味です。あなた方が来てくだされば、あそこもさぞ賑わうことでしょう。
パイモン:
お…おう…行けたら行くぞ…
フリンズ:
ではライトキーパーの言葉でお別れさせていただきます——またお墓の中で会いましょう。
パイモン:
ふぅ…変わったやつだったな…
パイモン:
すごく丁寧で、まるで貴族みたいな振る舞いだったけど…ずっとお墓の近くで暮らしてるからか、ちょっと不気味だったというか…
旅人:
あのランプ、なんか変じゃなかった?
パイモン:
ランプ?別に?壊れてたからじゃないか?
旅人:
中に何かいた気がする…
パイモン:
おまえ、そういうのに敏感だもんな。気になるなら、今度会ったときに聞いてみたらいいと思うぞ。
旅人:
だね。今度お墓の中で会ったときにでも。
パイモン:
おまえまでそういう不気味なこと言うなよ!
「フラッグシップ」を離れる
パイモン:
ああっ!大事なことを忘れてたぞ!
旅人:
どうしたの?
パイモン:
ベリーとお肉のソテーを食べるって話だっただろ!
旅人:
その記憶、お墓に置いてきちゃってた…
パイモン:
でも今からフラッグシップに戻るのもなぁ…
???:
今日の恵みを受け取るがよい。昼も夜も、月の神の恩寵があらんことを。
パイモン:
ん?なんだあれ?
旅人:
食べ物を配ってるみたいだね。
パイモン:
無料でか?わぁ…優しいなぁ!
パイモン:
オイラたちも貰おうぜ!さっきからナド・クライのごはんの味が気になってたんだ!
???:
遠方より訪れた旅人よ、月明かりがそなたたちの旅路を照らさんことを。
パイモン:
えっ?なんでオイラたちが旅をしてるってわかったんだ?
???:
先ほどから空を舞う鳥たちが、お二人の旅の軌跡をささやいていた。ただならぬ客人なのだろう。
パイモン:
空を舞う鳥?
???:
申し訳ない、他者から聞いた言葉で、我々の出会いを飾るべきではなかったな。きっと私が何者か気になっておることだろう。
ラウマ:
私はラウマ——霜月の子の「詠月使」だ。この地の信徒や過客たちと同じように、そなたたちも今日の恵みを受け取るとよい。
パイモン:
やったぁ!オイラはパイモンで、こいつは旅人だ。ありがとな!オイラとこいつで二人分もらえるか?
旅人:
ありがとう。
ラウマ:
気にすることはない。これは我々が朝露と共に摘み取った最上の馳走。これで少しでも心が弾んでくれるのなら、こちらとしても嬉しい限りだ。
パイモン:
最上の馳走?わぁ…!でも、なんで自分たちで食べないんだ?
ラウマ:
ふふっ…「最初に摘んだ稀なる果実は、月の祭壇に捧げよ。此れは神への供物ではなく、迷える狩人へ残す灯火。何故なら飢える者の刃は何よりも鋭く、闇夜に惑わされ易いのだから。」
ラウマ:
我々霜月の子は月神を信仰しておる。善き心と崇高な行いこそが、民を闇夜より導く光だと信じておるのだ。
ラウマ:
欲に駆られた傲慢な愚者たちが、ナド・クライへとやって来た。今こそ人々が美徳を以って結束すべき時。
オグニェン:
おっと、誰かと思えば「お優しい」霜月の子じゃねぇか。俺たちにも分けてくれよ。
オイヴァ:
もちろん、一人につき二人分な。腹が減って死にそうなんだ。
ウィルミナ:
ファデュイ…我々の神像にあのようなことをしておいて…
ラウマ:
ウィルミナ、今日の恵みを彼らに。
オグニェン:
おい、聞いてんのか?さっさと一番いいやつをよこせ。
ウィルミナ:
ですが詠月使様、この者たちは…
ラウマ:
受け取るといい。ただし、この言葉を胸に刻むことだ——「善意は、愚者のために灯される最初の光である。」
オイヴァ:
ああん?
ラウマ:
まだ続きがある。「それでもなお月の清らかな光に背を向けるのであれば、霜刃を以って月影の形を刻み示そう。」
オグニェン:
…なに言ってやがんだ!
オイヴァ:
おい、こいつ…
オグニェン:
フン、まぁいい。どうせファデュイがもうすぐお前たちをどうにかするからな。首を洗って待ってろ。
オグニェン:
…肉はねぇのか?ちっ、しけてんな。
パイモン:
なんだあいつら!
ウィルミナ:
はぁ…彼らが実験設計局なるものを作るために、妙なものをナド・クライに持ち込んで以来、私たちの穏やかな暮らしは壊されてしまいました。
ラウマ:
あの者たちの反応を見るに…ファデュイはそなたを知っておるようだな。
旅人:
ずっといがみ合ってきたからね。
パイモン:
おう!オイラたち、行く先々でファデュイと対立してるからな。たぶん、とっくにあいつらのブラックリストに載ってると思うぞ!
ラウマ:
そうか…霜月の子を代表して、感謝する。
旅人:
えっ?なんで感謝するの?
ラウマ:
ふふっ…もしあの者たちが手を出していたら、そなたは助けてくれていただろう?
ラウマ:
鳥や獣たちがささやく通り、お二人の訪れは実に喜ばしいもののようだ。月明かりが、流浪の旅を続けるその身を清めんことを祈ろう。
ラウマ:
我々の住まう地——霜月の里は、そなたたちをいつでも歓迎する。
ラウマ:
ああ、月明かりの下でまた逢おう。
パイモン:
おおっ!新鮮でさっぱりしてて、すっごくおいしいぞ!あのファデュイ、見る目ないんだな。
パイモン:
イネファの買い出しはまだ終わってないだろうし、冒険者協会にもまだ誰もいないみたいだ。次はどこに行く?
旅人:
観光ガイド通りにまわってみる?
パイモン:
おう!あの月霊の気持ちを無駄にしちゃいけないな!
パイモン:
どれどれ…よし、ルート決定!しゅっぱーつ!
パイモン:
ここは「ナッツ&ナット」!フルーツ屋さんだ!合成台もここにあるぞ!
パイモン:
ここは「スペランザ」!ガイドのおすすめに載ってるレストランだ。ホールの従業員は全員子供なんだってさ。
パイモン:
ここは「スプリング・ヴィレッジ」!ここの花はどれも金属で出来てて、永遠に枯れないらしいぞ!
パイモン:
ここは「ロッサム工房」!今後武器を作るときはここに来るといいぜ!
パイモン:
そんでここはたっか~い展望台だ!わぁ!見ろよ、遠くまで見渡せるぞ。
パイモン:
あっちが北だな。あれが…ファデュイが作ったものみたいだ。あっちが西で…あっ、ラウマが言ってた「霜月の子」が暮らしてるとこって、あの辺かな?
パイモン:
へへっ、どうだ!さっきはイネファに見せ場を全部持ってかれたけど、オイラもガイドとしてなかなかやるだろ!
パイモン:
おい!そこは素直に褒めるとこだろ!
パイモン:
あれ?なあ、冒険者協会に誰か来てるみたいだぞ。列ができてる。
パイモン:
これなら宇宙船のことについて聞けるかもな!それとも、まだ他に行ってみたいところはあるか?
パイモン:
おっ、どこだ?あっ…言われてみれば、オイラもなんか気になってきたぞ。まさか本当にオイラの思ってる通りじゃないよな…
パイモン:
とりあえず、冒険者協会とあの怪しいお店、どっちから先に行くかは任せるぜ!でも、あのお店に行ったら財布のひもはしっかり締めておけよ!
ナシャタウンを見て回る
ドリー:
うふふ、どーぞ。また何かあれば、このサングマハベイ様にご相談くださいまし!
パイモン:
あー…予感的中だぞ。
ドリー:
さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。当店の品はどれも本物…って、あらあら!どちら様かと思えば、私の大事な、大事なお得意様じゃありませんの!
ドリー:
うふふふふ、ええ。おかげさまで。
ドリー:
お二人ともひどいですわ。ナド・クライにいらっしゃるなら、事前に私に相談してくださればよかったのに!そうと分かっていれば、船の手配でぼったく…ではなく、喜んでお手伝いしましたのに!
パイモン:
言わなくて正解だったぞ…
ドリー:
あらまあ、ひどいですわね。私がどれほど良心的な商売をしているかはご存じでしょう?
パイモン:
そんなこと言われても、オイラたちだっておまえがナド・クライにお店を構えてるなんて知らなかったんだぞ。
ドリー:
優秀な商人は自分のために逃げ道をいくつも用意するものですわ。転ばぬ先の杖、取り立てからの隠れ家、ですわよ!
ドリー:
せっかくナド・クライにいらっしゃったのですから、お土産を買って行かれませんこと?うちには何でもありますわよ!スメールの名産品も取り揃えてありますわ。
パイモン:
まだ着いたばっかだし、お土産を買うのはずっと先の話だぞ!
ドリー:
おやおや、なかなか手ごわいですわね。さては…「これ」をお探しでしょうか?
パイモン:
「これ」ってなんだよ。おまえの帽子か?
ドリー:
違いますわよ!「情報」ですわ!サングマハベイ様のこの明晰な頭脳に詰まっている、ナド・クライの情報のことですわ!
ドリー:
さっすがお客様、お目が高い!何度も取引を重ねてきた仲ですし、今日は特別に出血大サービスですの!私の「とっておき」を教えて差し上げますわ!
パイモン:
おお!珍しく気前がいいな。
ドリー:
め…珍しくとはなんですの!人聞きが悪いですわね!…ま、いいですわ。
ドリー:
ナド・クライに来たときから、私はこう感じておりますの——ここはさまざまな勢力が入り乱れる、商機とリスクの共存する街だと。
ドリー:
少し前にファデュイが二つの「古月の遺骸」を落としてから、それがますますエスカレートしていますわ。騒動の匂いに誘われるよう、多くの人が続々とやってきましたの。ですが混乱が大きければ大きいほど、一攫千金のチャンスも膨らむというもの!
パイモン:
でもオイラたち金儲けが目的で来たわけじゃないぞ。
ドリー:
あら?違いましたの?てっきりあなたたちも、冒険者の「楽園」であるこの地の商機に惹かれて、やって来たものかと。
ドリー:
まあ、いいですわ。知りたいことは何ですの?
ドリー:
「霜月の子」?あの月を信仰してる人たちのことでしょうか?悪い人たちじゃありませんが、欲のない生活をしているため、まったくお金をむしり取れませんの。
ドリー:
ですが…ここだけの話、最近ファデュイとの関係がピリピリしていて、いつ衝突してもおかしくない状態みたいですわ。がっぽり儲けさせていただくのは、その時になってからでも遅くはありませんの。ぐふふ…
ドリー:
おっと、大切なことを言い忘れていましたわ。あなたたち、そのうちナド・クライの他の商人から「秘聞の館」という場所の噂を耳にするかもしれません。
ドリー:
ですが絶対、ぜーったい行かないでくださいまし!何があっても行ってはいけませんわ!
パイモン:
秘聞の館?そこってなにをするところなんだ?
ドリー:
ええと…い、色々な揉め事を解決する場所ですわ。ただ、あそこのオーナーはぼったくる上に態度まで悪いんですの!このサングマハベイ様のほうが百万倍も親切ですわ!
パイモン:
もしかして、カモを取られたくなくて、行かせないようにしてるんじゃないよな?
ドリー:
(まっ…!このちびっこ、いつの間にこんな鋭くなったんですの?逃がさないよう、わざわざ色んな情報を教えたといいますのに…)
ドリー:
そ、そんなわけありませんわ!私はただお二人の財布を狙って…じゃなく!お二人の財布を案じているだけですわ!
パイモン:
どんどんボロが出てくるぞ…
ドリー:
もういいですわ。市場競争とは過酷なもの。ヘンに取り繕うのはやめにしましょう。
ドリー:
ですが、あのオーナーのことについてはどれも事実ですの!私の中の「ナド・クライで最も関わってはいけない人物ランキング」のトップスリーに入っているんですのよ!「最も恩を売りたい人物ランキング」のトップスリーにも入っていますけど。
パイモン:
そんなにやばいのか?なんかもう、同業者の悪口を言ってるようにしか聞こえないけど…
ドリー:
信じないのであれば、どうぞご自身の目で確かめてきてくださいまし。同じスメール出身でも、彼女と比べれば私がいかに良心的かお分かりになるはずですわ。その良心だけで、アルカサルザライパレスが三つは建ちますのよ!
ドリー:
その時になってサングマハベイ様の言葉を思い出しても、もう手遅れですからね?
ナシャタウンを見て回る
パイモン:
もう並んでる人はいないみたいだな。よかった!キャサリンに一言挨拶しようぜ!
パイモン:
キャサリン!また会ったな!
キャサリン?:
ふん、実に滑稽ね…
パイモン:
えっ?
キャサリン?:
俗世の者は肉体に縛られているがために、いつまでも世界の真実に辿り着けない——それは知っていたけれど…これほど愚かな場面に出くわすのは初めてだわ。
パイモン:
えっ…ひ、人違いか?たしかにキャサリンより少し小柄だし、言葉遣いもちょっと…
「傀儡」:
チッ…無知はまだ許せるけれど、自分が造った存在と比べられるのは創造主として我慢ならないわね。
「傀儡」:
よく見なさい。アナタたちの前にいるのはファデュイ執行官第七位——「傀儡」よ。
パイモン:
執行官!?
旅人:
(つまりキャサリンは全部「傀儡」が造ったものってこと?じゃあ、俺たちの行動は、すべてファデュイに筒抜けだった?)
旅人:
(でも、冒険者協会そのものが悪さをしてるわけじゃないし、キャサリンにはいつも助けられてる…警戒は必要だけど、今まで通り変わらず接しよう…)
「傀儡」:
ふん…今日は礼儀として、警告をしに来てあげたの。
「傀儡」:
アナタたちはすでに一度、あのロボットの件でワタシの計画を妨げたわ。まあ、あれは所詮お遊びだったから気にもしていないけれど…
「傀儡」:
ナド・クライではファデュイの邪魔をしないことね。次からは礼儀とか関係なくやらせてもらうから。
パイモン:
よくもそんなこと言えるな!先にナド・クライで悪さを始めたのはファデュイのほうだろ!
「傀儡」:
何か誤解しているんじゃない?ナド・クライが「何者にも管理されていない」からといって、「管理されるべきではない」という意味にはならないわ。ファデュイはここで新たな秩序を築こうとしているだけよ。
パイモン:
誰が信じるかよ、そんなこと!あんなでっかくて妙な実験設計局なんてもの作っておいて、怪しいことしてないわけないだろ!
「傀儡」:
ふん…とにかく、言いたいことはそれだけよ。次の一手がどう打たれるか…その限られた容量のオツムで、せいぜい「演算」することね。
「傀儡」:
最後に、淑女の礼儀として、アナタたちが望んでいる言葉をあげるわ——
「傀儡」:
…星と深淵を目指せ。ファデュイの領域——ナド・クライへようこそ。
パイモン:
ぐぅぅ…あったまきた!なんなんだよあいつ、偉そうに!
パイモン:
でも、ファデュイの執行官がわざわざオイラたちを出迎えたってことは…
旅人:
俺たちの動きを常に見てる、ってこと…
パイモン:
そういうことになるな…今後はなにをするにも気をつけないと。くっそー!監視されてるなんて、気分が悪いぞ!
パイモン:
あっ、本物のキャサリンが帰ってきた!
キャサリン:
星と深淵を目指せ。ようこそ、冒険者協会へ。
キャサリン:
何かお困りですか?私にできることがあれば、なんでもお手伝いしますよ。
パイモン:
うわーん!やっぱキャサリンが一番だぞ!もうどこにも行くなよ!
キャサリン:
ええと…?
イネファと合流する
パイモン:
イネファ!
イネファ:
こんにちは。ちょうどお二人の位置を特定しようと思っていたところです。
パイモン:
アイノのおつかいはもう終わったのか?
イネファ:
はい、完了しました。そちらはいかがですか?私の案内が必要な場所はありますか?
パイモン:
一応、ひと段落ついたぜ。行きたいところは全部まわったから、今は集めた情報を整理しようと思ってたとこだ。
イネファ:
では、宇宙船の件に進展はありましたか?
パイモン:
いや…さっきキャサリンにも聞いてみたけど、やっぱり宇宙船については知らないみたいだった。
イネファ:
あまりにも昔の話だからかもしれません。それにナド・クライは経済的に豊かな地域とは言えませんので、そういった類の物はすでに解体され、スクラップとして再利用されている可能性も否めません…
パイモン:
うぅ…
イネファ:
そうですよね。では、アイノに聞いてみるというのはいかがでしょう?
イネファ:
古龍時代のテクノロジーを搭載した私を見つけたように、ナド・クライで何か変わったものがあれば、すでに彼女の手に渡っていても不思議ではありません。
パイモン:
おう、それがよさそうだな!イネファの話にいっつも出てくる「天才機械技師」に、オイラたちもずっと会ってみたかったし!
イネファ:
かしこまりました。それでは、ご案内させていただきます。本来の予定より三十四分早く、カチャカチャ・クルムカケ工房に到着する見込みです。
ナシャタウンから離れる
パイモン:
あっ!動物が捕まってるぞ。助けてあげようぜ!
パイモン:
あれ?反応がないな…どうなってるんだ。
イネファ:
ナド・クライはクーヴァキに満ちた土地です。その影響で、ここに棲む多くの動植物は、クーヴァキの満ち引きに応じて変化する性質を備えています。この動物は少々油断してしまったのでしょう。
パイモン:
つまり、クーヴァキを使えば助けられるってことか?じゃあ、ここはおまえたちに任せたぞ!
パイモン:
怖くないぞ~すぐ自由になれるからな。
「カチャカチャ・クルムカケ工房」に向かう
イネファ:
こちらが私とアイノの家です。
パイモン:
わぁ…見たことない機械でいっぱいだ。しかも、小さなロボットもたくさんいるぞ。全部アイノが作ったのか?
イネファ:
はい。私が離れてから「部下」がまた三体増えたようですね。
パイモン:
長いこと離れてたから、アイノもきっとイネファに会いたがってるだろうな。
イネファ:
私も早く会って、今の姿を見せたいです。
パイモン:
おう!じゃあ早く入ろうぜ!
アイノに「宇宙船」のことを聞く
イネファ:
アイノ、ただいま戻りました。
アイノ:
……!
アイノ:
にねふぁ?…ももっふぁよりはやふぁったね?
イネファ:
うん?
アイノ:
…んく!イ、イネファ!思ったより早かったね!アイノの予想より…えーと、三十分くらい?早い!
イネファ:
事が順調に進んだため、時間を短縮できたのです。ですので…
イネファ:
……
イネファ:
アイノ、こちらを向いてもらえますか?
アイノ:
……!
イネファ:
アイノ?
アイノ:
ちゃ…ちゃんといい子にしてたよ!
パイモン:
口の周りがチョコでべったりだぞ…
イネファ:
…アイノ。私がいない間、お菓子の摂取量を守っていましたか?
アイノ:
も…もっちろん!一日にケーキ1つと、クルムカケ1パックと、チョコレート1袋まで、でしょ?
イネファ:
一日にケーキ1つ「か」、クルムカケ1パック「か」、チョコレート1袋まで、ですよ。
アイノ:
あ、あれー…
イネファ:
ストックしておいたお菓子を食べ終わったのはいつですか?
アイノ:
今日…
イネファ:
スキャンします。
アイノ:
先週の今日…
イネファ:
それで、自分で一週間分を買い足したのですね?
アイノ:
二週間分、買い足した…
イネファ:
……
パイモン:
この家の主従関係…オイラが想像してたのとまったく逆だぞ。
イネファ:
計算結果を出力します——これから四週間、アイノのお菓子の摂取許容量は…ゼロです。
アイノ:
ええっ!そんなぁ!イネファのばかばかーっ!
イネファ:
約束を守らなかったのですから、当然の結果です。
アイノ:
ぶええええーーー!やだやだ!いーやーだー!!
アイノ:
毎日ちょっと多めに食べただけだよ!ほんのちょっとだけ!
イネファ:
ちょっと、ではありません…
アイノ:
知らないもん!あと三十分以内に片付けようと思ってたのに!なんでバレちゃうの!
アイノ:
アイノを心配させないよう…早めに戻ってくるって言ってたのに…
イネファ:
……
アイノ:
ずっと帰ってこないんだもん…だから心配で、つい…
パイモン:
……
イネファ:
アイノ…
イネファ:
ずっと待たせてしまってごめんなさい。ただいま…
アイノ:
うん…おかえり…
パイモン:
うぅ…
アイノ:
だから…お菓子はいつも通り食べてもいい?
イネファ:
ダメです。
アイノ:
あう…
イネファ:
ですが、私が遅れてしまった責任もありますので…今回だけですよ、アイノ。
アイノ:
ありがとうイネファ!さいこー!
イネファ:
アイノ、紹介させてください。こちらのお二人は——
アイノ:
栄誉騎士とパイモンでしょ!知ってるよ!ファルカおじさんがよく話してたからね!
パイモン:
よろしくな!オイラたちもイネファからアイノの話は聞いてたぞ。
アイノ:
ほんと?イネファ、そんな風に言ってくれてたの?
アイノ:
フフン、まったくもってその通りだよ!
アイノ:
あっ、そうだ!ファルカおじさんを探してるんだよね!何日か前に「ちょっくら用事ができたから、数日留守にする」って伝言を頼まれたよ。
パイモン:
おう!それならフラッグシップでも聞いたぞ。なにしに行くかは言ってたか?
アイノ:
ううん。おもてなししてやってくれ、としか言われてないよ。あっ!おもてなししなきゃ!座って座って!
アイノ:
何かしてほしいことはある?アイノ、この家の大黒柱だからなんでも言って!
パイモン:
(…さっきお菓子欲しさに騒いでた時点で、大黒柱の威厳なんてなくなってるけどな…)
アイノ:
…うん?
アイノ:
テイワットの外から来た宇宙船…
パイモン:
どうだ?なにか知らないか?
アイノ:
知らないよ!
パイモン:
えっ?本当か?
アイノ:
本当だよ。そんなの影も形も見たことない。
アイノ:
この「知らない」っていうのは、世界の外からやってきたテクノロジーなんて、ナド・クライで一度も見たことないって意味だからね。今も、そして過去に作られた機械の中にもね。
パイモン:
ええと?
イネファ:
つまり、貴方の宇宙船が解体されたり、他の機械に利用されたりしている可能性はないということです。
パイモン:
そういうことか!
アイノ:
うん!この街にある面白そうなものは一通りバラしてみたけど、特別な部品なんて見なかったよ。
アイノ:
キミたちの宇宙船は、誰も知らないところに落っこちたか、誰かがこっそり隠してるかのどっちかだね。
パイモン:
誰がそんなことを…?
アイノ:
さあ?そのうち使おうと思ってる人じゃないかな?アイノがお菓子を隠してるみたいに…
イネファ:
……
アイノ:
え、ええと…と、とにかく知らないよ!
アイノ:
しかも、すっごく昔の話なんでしょ?何か知ってる人がいるとしたら、あの「霜月の子」ぐらいじゃないかな?
パイモン:
「霜月の子」が?
アイノ:
ん?知らないの?イネファから儀式の話とか聞いてない?
イネファ:
道中、霜月の子の風習や歴史について語る機会はあまりありませんでした。
パイモン:
その儀式って?
アイノ:
アイノもこの目で見たわけじゃなくて、話に聞いただけなんだけど——
アイノ:
霜月の子の詠月使は代々、そこに古くから伝わる「聖物」を使うことで、歴史の真実を見ることができるんだって。
アイノ:
詳しくは知らないよ。こういう機械や科学で説明できないことって、よくわかんないし!だからアイノは苦手なんだ!
パイモン:
霜月の子のところに行ってみるしかないみたいだな。
アイノ:
えっ?行っちゃうの?もうちょっと遊んでってよ。
イネファ:
アイノ、今日はもう遅いですし、お二人はヒーシ島に向かわなければなりません。ずっと引き留めておくわけにはいきませんよ。
アイノ:
うぅ…わかったよ。
パイモン:
へへっ、心配すんな!絶対また遊びに来るから!
アイノ:
ほんと?約束だよ!
アイノ:
やったぁ!いつでも来てね!
イネファ:
今日はアイノの世話を優先しますので、申し訳ありませんが私はご一緒できません。
パイモン:
おう!迷子になったりしないから安心しろ!
イネファ:
はい。それに…アイノが作ってくれた「チャージベッド」を早く使いたくてうずうずしておりまして。
「霜月の里」に行く
パイモン:
イネファとアイノの生活って、見ててなんだかほっこりしたな!
旅人:
本当の「家族」だったね。
パイモン:
おう!またちょくちょく遊びに行こうぜ!
パイモン:
いつの間にかもう霜月の子が暮らしてるエリアに入ったみたいだな。景色も雰囲気もガラッと変わったぞ。
パイモン:
花びらが飛んできたと思ったら…どうなってるんだ?
月霊?:
……?
パイモン:
こいつ…月霊か?オイラたちが前に会ったやつと全然違うけど。
月霊?:
……
パイモン:
こんにちは!おまえの名前は?
月霊?:
……?
パイモン:
うーん…喋れないみたいだ。
月霊?:
……
パイモン:
わかんないな…特になにもないなら、もう行っちゃうぞ。
パイモン:
…ついてきた。
パイモン:
ほら、オイラたちは忙しいから、遊びたいなら別の人と遊んでくれ。
月霊?:
……
旅人:
あーあ、パイモンが邪険に扱うから…
パイモン:
うっ!オイラを悪者みたいに言うなよ!
パイモン:
なにがしたいのかわからなかったから、仕方ないだろ…うぅ、次に会ったときは優しくするぞ。
パイモン:
ちょうど霜月の子のラウマに会いに行くし、ついでになんだったのか聞いてみようぜ。
「霜月の里」に行く
パイモン:
おっ、ラウマだ!さっそく詠月使に会えたな。
ラウマ:
傷を見せてみなさい…ふむ、今後はもっと気を付けるのだ。どれだけ急いでいても、安全を疎かにしてはならぬ。
ラウマ:
おや、おまえたちも来たのか。今日は何をしていたのだ?
ラウマ:
なに…?先ほどナシャタウンで悪さをしていたファデュイの二人を懲らしめた…?おまえの「アレ」をあの者たちの食事に落としたと?
ラウマ:
…いたずらが過ぎるぞ。そのようなことをしてはならぬ。
長羽トキ:
~♪
ラウマ:
バレてはいない?はぁ…そういう問題ではない。次からはそのようなことをしてはならぬぞ…
ラウマ:
もしやるとしても、必ず仲間と共に行くのだ。おまえだけではバレたときに逃げ切れぬかもしれない。
パイモン:
よう、ラウマ!オイラたちのこと、覚えてるか?
ラウマ:
おや、旅人とパイモンではないか。ヒーシ島へようこそ。
ラウマ:
何を言う。霜月の子は善き心を抱く者をいつでも歓迎する。
パイモン:
さっきは動物と喋ってたのか?
ラウマ:
ああ。霜月の子は特別な血を受け継いでおってな。自然界にある万物と心を通わせる者が時折生まれるのだ。
ラウマ:
ん?今なんと言った…?そうか。
ラウマ:
この子が、植物に囚われていたところをそなたたちに助けられたと言っておる。その感謝をしたいそうだ。
パイモン:
当然のことをしたまでだぜ!
ラウマ:
もしよければ、このあと霜月の里で夕餉を共にせぬか?その善き心にささやかながら礼がしたい。
パイモン:
やったぁ!じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうぜ。ちょうどおまえに聞きたいこともあったしな。
旅人:
この神像…
ラウマ:
おや?「クータル月の少女」の歴史に興味があるのか?
パイモン:
クータル?
ラウマ:
ああ。我々が信仰する月の神であり、我々を導く月の少女——クータルだ。
パイモン:
なんだかナシャタウンの神像とはちょっと違うな…なんていうか…こっちのほうが…
ラウマ:
自然。
パイモン:
おう、ここに馴染んでる気がするぞ。
ラウマ:
その理由は…ナド・クライに来たファデュイが、我々の神像を勝手にいじっておるからだ。
ラウマ:
この地にある神像は、数百年前にここに移住した霜月の子が、高純度の月魂石を用いて彫ったものになる。
ラウマ:
月魂石は非常に貴重なもので、クーヴァキに満ちた鉱石だ。おそらく、ファデュイはそこに目を付けたのだろう。
ラウマ:
我々も必死に抵抗したものの…今ではこの神像だけが本来の姿を留めておる。
パイモン:
しかもあいつら、空にあった古月の遺骸まで落としたんだよな。
ラウマ:
ああ。最も大きな古月の遺骸が二つ、ナド・クライに墜落した。一つはこのヒーシ島に、もう一つはパハ島に。
ラウマ:
ファデュイはパハ島の欠片に実験設計局を建設した。そして、ここに落ちた欠片も狙っておる。
月霊?:
……!
パイモン:
うわぁ!またこいつか。
ラウマ:
これは…
パイモン:
ああ、オイラたちも気になっててさ。この月霊、急に花の中から出てきたんだ。まだついてきてたんだな。
ラウマ:
これは普通の月霊ではない。ルオンノタル——月神の祝福を受けて生まれた存在だ。
ルオンノタル:
……
パイモン:
こいつの言ってること、ラウマはわかるか?オイラたちになんでついて来るのかよくわかってなくて。
ラウマ:
…残念だが、私も言葉までは。
ラウマ:
神の祝福は長い時を経た後、ふとルオンノタルへと姿を変えることがあるという。お二人はまさにその瞬間を目撃したのだろう。
パイモン:
そうだったのか…
ラウマ:
ルオンノタルは幸運をもたらすと伝えられておる。気に入られておるのなら、傍に置いてやるといい。
パイモン:
本当か?へへっ、じゃあお宝を探すのを手伝ってくれよ!よろしくな!
ルオンノタル:
……?
ラウマ:
ふむ…日が暮れていく…
ラウマ:
もし月の歴史に興味があるのなら、私がいろいろと教えてあげよう——里で月華の贈り物を楽しんでもらいながらな。
ラウマについて行く
ウィルミナ:
ラウマ様、おかえりなさいませ。
ラウマ:
ウィルミナ、旅人とパイモンが来てくれた。お二人に馳走を振る舞いたい。準備をお願いできるか?
ウィルミナ:
はい、かしこまりました。
パイモン:
わぁ、みんなラウマにかしこまってるぞ。もしかして、ラウマってここのすごいやつなのか?
ラウマ:
私はただ、皆に神託を伝える詠月使に過ぎぬ…何も特別なところはないのだが。
ウィルミナ:
それはご謙遜です!詠月使は霜月の子の中で最も位の高いお方。ラウマ様は私たちの誇るべき指導者です。
ラウマ:
ウィルミナ…
ウィルミナ:
二人分のお食事ですね。用意させますので少々お待ちください。
パイモン:
おまえ、そんなにすごかったのか!
ラウマ:
いや、ただ血筋や生まれ持った力が際立っておるというだけで、誇れるような功績は何もない。
ラウマ:
さあ、お二人とも、こちらへ。
ラウマの書庫に行く
ラウマ:
私はずっと「霜月の子」と「月」の歴史を繋ぎ合わせてきた。
パイモン:
月の歴史?
ラウマ:
ああ。我々霜月の子はかつて栄華を誇った黄金の国——ヒュペルボレイアの末裔だ。その繁栄はすでに消え去ったが、我々の中には今もなお、その記憶が受け継がれておる。
ラウマ:
遥か昔、テイワットには三つの月があった。伝説によれば、それらはこの星の原初の主によって創られ、テイワットの安寧を空から見守っていたという。
ラウマ:
最初に誕生したのが、三つの月の中で最も大きな「恒月」。その強大なクーヴァキの力により、海に潮の満ち引きが生まれたと伝えられておる。
ラウマ:
次に誕生したのが「霜月」。大きさは「恒月」に及ばぬが、三つの月の中で最も明るく輝く月であり、夜を照らしていたのはこの「霜月」だった。
ラウマ:
そして、最後が「虹月」。この月は二人の姉に比べて小さく、放つ光もかすかだったが、時折見せる光の輪が息を呑むほど神秘的であった。
パイモン:
わぁ…そんなに長い歴史があるんだな…その後、月たちはどうなったんだ?
ラウマ:
それからのことは…広く知られておる通りだ——月の三女神は「降臨者」による戦争で命を落とし…「霜月」以外の二つの月はそれぞれ砕けてしまった。
パイモン:
それで空には古月の遺骸があったのか…
ラウマ:
ああ。ナド・クライには特殊なクーヴァキがある。それ故、月が砕けた後、ほとんどの欠片がこの地に降り注いだ。
ラウマ:
そして今回、ファデュイが空より落としたのが「恒月」の欠片となる。
パイモン:
あれ?砕けた月は二つなんだよな?じゃあ「虹月」の欠片はどこいったんだ?
ラウマ:
「虹月」の遺骸は、これまで一度も観測されておらぬ。あの戦争の後、不思議なことに忽然と姿を消してしまったのだ。もしかすると、小さすぎたが故に、欠片も残さずに塵となってしまったのかもしれぬな。
旅人:
(三つの月…当時のカーンルイアの「赤月」は…一体どの月と関係してるんだろう…)
ラウマ:
三つの月の時代はすでに遠い過去のことだ。しかし霜月の子の間では、長きにわたり月神の帰還に関する予言が伝えられておる。
ラウマ:
そして、その予言は現実のものとなった。しかし…
カプイ:
ラウマ様!ラウマ様はいらっしゃいますか!?
ラウマ:
…カプイ?どうした?
カプイ:
娘のカアリナの病気が…急変して…
ラウマ:
……!すぐにゆこう!
病気になった子供を確認する
カアリナ:
うぅ…
ラウマ:
……
ラウマ:
クーヴァキへの適応障害が再発しておる…前回の治療の後、言った通りナシャタウンの医者に協力を仰いだか?
カプイ:
い、いえ…あの医者たちはスネージナヤから来た「よそ者」じゃないですか。私たちの住むところを侵略してきた人たちと同じ場所から来たやつらなんか、とても信用できません…
ラウマ:
すべてのよそ者が敵とは限らぬ。彼らは遥か昔からこのような症状と付き合ってきた。豊富な経験を持っておる。
カプイ:
ですが霜月の子は、よそ者に月を破壊されたことを教訓として覚えておくべきではないでしょうか?月神クータルがきっと我々の信仰に応えてくれるはずです…
ラウマ:
クータルはもう…はぁ…今は議論しておる場合ではないな…
ラウマ:
「…迷える子よ、寒夜の荒れ狂う吹雪でさえ、そなたの心の銀焔を消すことはできぬ。霜月の慈恵を以って、凍土に埋もれる雛鳥を温めん…」
カアリナ:
ふぅ…
カプイ:
ああ…カアリナ…!月の神の恩寵があらんことを…
ラウマ:
……
ラウマ:
…よいか。毎日乾燥させたホワイトベリーを煎じて、その子に飲ませなさい。それで症状が和らぐだろう。
旅人:
(ラウマは自分の力を使って、この子を治療したのかな?)
ウィルミナ:
…ラウマ様。
ラウマ:
ウィルミナ、どうした?
ウィルミナ:
お食事の支度が整いました。
ラウマ:
…ああ、分かった。
ラウマ:
毛布をここに持ってこさせる。この子はここで一晩休ませよう。
カプイ:
はい…ありがとうございます、ラウマ様!
パイモン:
あの子、大丈夫なのか?
旅人:
何かできることはない?
パイモン:
オイラたちに手伝えることがあったら、遠慮なく言ってくれよ!
ラウマ:
お二人の善意に感謝する。だがカアリナならしばらく大丈夫だ。一日もすれば落ち着く。
旅人:
(でも、さっきの様子を見た感じ…あれは応急処置をしただけな気がする…)
旅人:
(きっと、あの母親の前では…深い事情まで話せなかったのかも…)
ラウマ:
案ずることはない。ひとまず夕餉を共にしよう。聞きたいことがあるのであろう?
ウィルミナ:
……
旅人:
一緒に来ないの?
ウィルミナ:
あ…すみません。ちょっと考え事をしていまして…
パイモン:
考え事?
ウィルミナ:
ええ…ラウマ様は詠月使として本当に頼もしく、私たちがこうして穏やかに暮らせているのもあの方のおかげです…ですが、ラウマ様はあまりに多くを背負いすぎている気がして…
ウィルミナ:
旅人さん、パイモンさん。私はラウマ様が心配でたまらないのです。しかし霜月の子である私からでは、本人に直接それを言うことはなかなかできず…
ウィルミナ:
代わりにラウマ様を気にかけていただけないでしょうか?あなたたちをすごく信用していらっしゃるようですので。
ウィルミナ:
そのようなことをすれば…ラウマ様はかえってプレッシャーを感じてしまうのではないかと心配なのです。
ウィルミナ:
時折、ラウマ様の強さに心から敬意を抱くのですが…そのたびに、自分の無力さが情けなくて、嫌になるのです…
「霜月の子」と夕食をとる
パイモン:
ふぅー!お腹いっぱいだぜ!前にナシャタウンでもらったやつも十分おいしかったけど、霜月の子にはまだまだ隠されたご馳走があったんだな!
ラウマ:
それはよかった。このような質素なもてなしに満足してくれて感謝する。
パイモン:
もてなしてくれた側が感謝する必要なんてないぞ。すっごくおいしかったから安心してくれ!
オグニェン:
こんなまっずい飯、よく食えたもんだな。
オイヴァ:
さすが野蛮人ってとこか?
パイモン:
さっきナシャタウンで絡んできたファデュイ!なんでここに!
ラウマ:
申し訳ない。もしあの恵みがお二人の口に合わなかったのなら、今から夕餉を共にせぬか?
ラウマ:
そなたたちの食べ物に、異物が混入していた可能性も否めぬからな。
オグニェン:
はぁ?異物って何だよ?
ラウマ:
己を「文明人」と騙る者の無礼だ。
オイヴァ:
てめえ…!
旅人:
いい加減にして!
オイヴァ:
おっ?やんのか?いいぜ、ちょうど今…
オグニェン:
おい、待て。今回は用事があって来たんだろ。
ラウマ:
……
オグニェン:
上の命令で来た。霜月の子に最後の通達をするためにな。
オグニェン:
三日以内に聖物を引き渡し、クータルの行方を教えろ。さもなくば、ファデュイはスネージナヤ女皇の領土であるヒーシ島の「掃除」を始める。
ウィルミナ:
…なんて無礼な!私たち霜月の子は代々——
ラウマ:
何度も往復させるのは心苦しい故、今ここで返答しよう——霜月の子はファデュイに何ひとつ渡さぬ。
ラウマ:
そして、悪意を持って我々の土地に足を踏み入れる者には、その血で不可侵の境界線を刻むつもりだ。今すぐにでも。
オイヴァ:
フン、頑固な野蛮人どもが。
ラウマと会話する
オグニェン:
チッ…覚悟しとけ!その愚かな選択の代償を、ファデュイがすぐ貰いに来てやる!
パイモン:
おい!逃げるな!ふん、逃げ足だけは速いやつらだぜ。
ラウマ:
…今日は二度もお二人に不快な思いをさせてしまったな。
パイモン:
そんなこと言うなよ。オイラたちもあの上の力を盾にいばってるやつらが大っ嫌いだから。
パイモン:
それより「聖物」と「クータル」って言ってたけど…あいつら、いったいなにを考えてるんだ?
旅人:
聖物のことだけど…
パイモン:
そうだ、今聞くのも気が引けるけど…実はオイラたちもラウマに頼みたいことがあって…
ラウマ:
なるほど。そなたたちが知りたいことも聖物と関係しておるのだな。遠慮はいらぬ。お二人はあの無礼者と違い、月の下を堂々と歩める者だからな。
ラウマ:
霜月の子に手を差し伸べてくれたのだ。当然、その恩に報いねばならぬ。
ラウマ:
少し場所を変えよう。見せたいものがある。
ラウマについて行く
ラウマの案内で、「浴光の台地」に辿り着いた。巨大な「クータル」の神像が、静かに佇んでいる…
パイモン:
すごく立派だなぁ…
ラウマ:
クータルはおよそ五百年前、ここヒーシ島で生まれた。ある霜月の子の司祭が、その誕生の瞬間を目撃したという。
ラウマ:
彼女は、それが予言の中にある新たに誕生した月神であると悟り、その姿を心に刻み、静かに像を彫った。
ラウマ:
クータルの誕生後、その周りには多くの月霊が生まれたと伝えられておる。彼らは月光を紡いでベールとし、クータルに被せた。
ルオンノタル:
……!
パイモン:
おっ、こいつ自分のことだってわかってるみたいだぞ。
ラウマ:
やがて月霊たちはクータルの眷属として見なされるようになった。彼らが旅の者を宝箱へと導き笑顔にさせる行為は、その様子を月神に見せることで悲しみを払い、喜ばせたいという本能によるものとされておる。
ラウマ:
何しろ記録によれば、クータルはいつも寂しげな表情をして、遥か彼方に浮かぶ月を見上げておったようだからな。
旅人:
「クータル」の行方について…
ラウマ:
……
ラウマ:
私が生まれる前、クータルはすでにヒーシ島を離れていた。
ラウマ:
前任の詠月使によると、霜月の子の欲深さが月神の怒りに触れ、我々の元を去ったという…
パイモン:
それで、どこに行ったんだ?
ラウマ:
彼女の行方を知る者はおらぬ。しかし数ヶ月前、二つの古月の遺骸が空から落ちた後、ヒーシ島で彼女の姿が再び目撃された。
ラウマ:
それからすぐ、ファデュイが我々の暮らしをおびやかすようになったのだ。
ラウマ:
彼らいわく…我々の月神こそ、消息を絶っている執行官——「少女」コロンビーナなのだという。
パイモン:
「少女」だって!?たしかそいつって、ファデュイ執行官の第三位だよな!?
パイモン:
その正体が月神!?どうしてファデュイなんかに入ってるんだよ!
ラウマ:
これも私を悩ませる問題だ。だが他者の選択の理由など推し量れるものではない。神となればなおさらだ…
ラウマ:
それに…
ラウマ:
…ああ、すまない。また霜月の子の歴史について語ってしまった。そなたたちが知りたいのは聖物に関する情報だったな?
パイモン:
こうなってくるとどっちも気になるぞ…
ラウマ:
霜月の子は遥か昔から古月の遺骸を一つ保管してきた。我々がその内から感じる力は、他のどの月の欠片とも異なるものだ。
ラウマ:
代々の詠月使は、そこから神の力を感じ取ってきた。故に我々はその特殊な古月の遺骸を「月髄」と呼んでおる。
パイモン:
おまえがそれを使えば、過去の出来事を見られるって聞いたけど、本当か?
ラウマ:
過去について何か調べておるのか?
パイモン:
実は、こいつってテイワットの外から…あっ!
旅人:
(パイモン、言ってる途中で三つの月と「降臨者」の関係を思い出したみたい。でも…今は隠すべき時じゃない。)
ラウマ:
……
ラウマ:
ありがとう…そなたの告白は、我々霜月の子に対する信用の表れだ。
ラウマ:
だが残念ながら、いま私は月髄を使って歴史の霧を払うことができぬのだ。
ラウマ:
月髄は霜月の子にとって極めて重要な聖物となる。私でさえ、年に一度の「祈月の夜クーンルコウス」にしか取り出せぬ。
パイモン:
そうなのか…じゃあ、その祈月の夜まで、あとどれくらいあるんだ?
ラウマ:
今夜の潮汐を見るに…二ヶ月ほど先だろう。
パイモン:
えっ?毎年違う日にやってるのか?
ラウマ:
ああ。祈月の夜は月がテイワットに最も近づく日に行われる。
ラウマ:
なぜなら、その日はちょうどナド・クライのクーヴァキが最も高まる日でもあるのだ。それが秘所の封印を解く鍵となっておる。
パイモン:
そっか…じゃあ待つしかないんだな。
ラウマ:
早く答えを示してやれず、申し訳ない。
ラウマ:
だが詠月使として、その日が来たら力を貸すと約束しよう。
ラウマ:
なに、そなたたちがしてきたことはすべて報われるべきだろう。
パイモン:
ふわぁ…今日ナド・クライに着いたばっかなのに、いろいろあったな。
ラウマ:
……
ラウマ:
そなたは…「家族」とはどうあるべきだと思う?
旅人:
(……)
旅人:
(家族…蛍…)
ラウマ:
もし「家族」を傷つけてしまうような秘密を隠していたら、それでも正直に話すべきだろうか?
旅人:
(…秘密?隠し事はよくないけど…)
旅人:
俺だったら…
旅人:
(待った。蛍も…俺にたくさん隠し事をしてる…)
旅人:
(……)
ラウマ:
…すまない、変なことを聞いてしまったな…困らせてしまっただろう。
旅人:
…大丈夫。
ラウマ:
そなたのような特別な出自の者と出会うのは初めてだった故…つい聞いてしまったのだ。
ラウマ:
ふむ…もう遅いし、お二人も疲れただろう。今夜はヒーシ島に泊まっていかれてはどうだ?宿の手配はこちらでしよう。
パイモン:
あっ、それなら大丈夫だぞ!オイラたちフラッグシップに泊まってるんだ。もしなにかあったら、いつでもそこに来てくれ。
ラウマ:
ではそこまで送ろう。
パイモン:
大丈夫、大丈夫!けっこう歩かないとだし、ラウマも早く休んでくれ。オイラたちは散歩がてらのんびり帰るから。
ラウマ:
そうか。ならばお二人の邪魔をしないでおこう。そなたたちがナド・クライで過ごす最初の夜が静かで穏やかなものであることを祈っておる。
パイモン:
なあ、どう思う?ずいぶんいろんなことがあったけど…
パイモン:
でも、おまえの宇宙船の手がかりは手に入りそうだな。祈月の夜を待ちながら、ここについて知ってこうぜ!今までみたいにな。
パイモン:
ふわぁ~…オイラもう眠すぎてダメだ。もし飛べなくなったら、おぶってくれ!
旅人:
はいはい…
旅人:
(……)
旅人:
(家族…蛍は今…何してるんだろう…)

月下の再会
古い歌のように鳴り響くこの土地の秘密が、頭から離れない…ナド・クライの夜は、どんなメロディーを奏でてくれるだろうか…
「フラッグシップ」に戻って休む
パイモン:
むにゃ…むにゃ…
旅人:
(……)
旅人:
(ナド・クライ…この地には古い歴史がたくさん眠ってる…そして俺が初めてテイワットに来たときに降り立った場所でもある…)
旅人:
(ファデュイ…古月の遺骸について色々研究してるようだけど…霜月の子の月髄まで狙ってるみたい…)
旅人:
(それに「少女」…月の下で生まれた「クータル」…)
旅人:
(彼女はなぜ霜月の子を離れたのだろう?そして、どうして今ファデュイを離れたのか…)
旅人:
(ラウマも「家族」について気にしてるみたいだったし…)
旅人:
(蛍…あの時、俺たちの宇宙船に何があって…なんでテイワットに着陸したんだ…)
旅人:
(はぁ…頭の中がぐちゃぐちゃだ…眠れない…)
旅人:
(考えるのをやめて、とりあえず寝よう…)
パイモン:
むにゃむにゃ…へへ…おかわり…
旅人:
(……)
旅人:
(はぁ…どこでも横になれば寝られるパイモンが羨ましいよ…)
旅人:
(眠れそうにないし…ちょっと散歩してこよう…)
メッセージ:
「パイモン、ちょっと出かけて来る。もし起きたときに俺がいなくても心配しないで。すぐ戻るから。」
月の下で散歩する
旅人:
(どこかに行ったファルカ…もしかして「アビス」が絡んでるのかな?)
旅人:
(そういえば…ここの「ワイルドハント」って呼ばれるアビスの現象だけど、なんだかこれまで見てきたものとはどこか違う気がする…)
旅人:
(あれ?いつの間にこんなところまで来ちゃったんだろう…)
旅人:
(そろそろ戻らないと…ずっと帰らないでいたら、パイモンが心配しちゃうだろうし…)
???:
~♪~♪
旅人:
(ん?…歌声?)
ルオンノタル:
……!
旅人:
ついてきてたの?
旅人:
花…たしか、君が現れたときも、周りにこんな花が咲いてたよね…
ルオンノタル:
……
旅人:
(歌声のするほうへ行っちゃった…追いかけてみよう…)
洞窟に入る
???:
~♪~♪
旅人:
(あの女の子…霜月の子が彫った神像にそっくりだ…まさかあの子が…!)
???:
……
???:
誰か、そこにいるの?
旅人:
……!
???:
どうやって入ってきたの?
旅人:
……
旅人:
散歩してたら、歌声が聞こえてきて…それで来てみたんだ。邪魔しちゃったかな?ごめん…
ルオンノタル:
……
???:
月霊…この子がキミをここまで…
旅人:
(どうしよう…間違って彼女のプライベート空間に入っちゃったのかも…帰ったほうがいいよね…)
旅人:
(でも…聞きたいことがあるし…)
旅人:
…ねえ、君がみんなの言う「クータル」で、ファデュイ執行官の「少女」なの?
???:
…ファデュイ?
???:
キミが来たのはファデュイのため?
旅人:
(……!なに?花が…赤色に変わった!この血の気が引くような圧は…)
旅人:
誤解しないで!俺はファデュイのために動くつもりなんてないから。
旅人:
ただナド・クライや月に関して、いろいろ聞きたいだけなんだ!
???:
…月?
???:
……
???:
…目に見えるものを信じないで。本当に大事なものは、目に映らないから。
旅人:
(さっきまでの圧が消えた…一応、警戒を解いてくれたみたい…)
旅人:
それは…どういう意味?
???:
~♪~♪
旅人:
(答える気はない、ってことか…もう自分から口を開く気もなさそう。)
旅人:
(仕切り直そう…)
旅人:
こんにちは、俺はTraveler。テイワットの国々を旅してまわってるんだ。
???:
こんにちは。
旅人:
……
旅人:
(…それだけ?)
旅人:
(…会話のキャッチボールを知らないのか、それとも俺にまったく興味ないのか…)
旅人:
名前を教えてくれる?
???:
……
「少女」:
コロンビーナ…
旅人:
(やっぱり彼女だ…)
「少女」:
クータル、「少女」、月の神様…好きなように呼んで。
「少女」:
…自分が誰か、私にも分からないから。
旅人:
……
旅人:
(名前は誰かに貰うもの…でもラウマの話が本当なら、彼女は独りでテイワットに生まれてきた…だから…)
旅人:
じゃあ…コロンビーナ。
「少女」:
なに?
旅人:
(ファデュイのことを聞きたかったけど…さっきの反応を見るに…やっぱりやめといたほうがよさそう。)
ルオンノタル:
……
旅人:
この月霊——ルオンノタルは、君が誕生させたの?
「少女」:
おちびちゃん、おいで…
「少女」:
…祝福の証。でも、私のものじゃない。
旅人:
(もしかすると、ラウマの言ってた…遥か昔に祝福された存在なのかもしれない…)
「少女」:
みんな、私が何でもできて、いろいろやってきたと思ってるけど…そんなことない…
「少女」:
私はただ…
旅人:
(……)
旅人:
(上の空になっちゃった…)
旅人:
(謎は解けてないけど、このまま聞き出すのも難しそうだし…今日はタイミングが悪かったのかも…)
旅人:
じゃあ、そろそろ帰るよ。今日は急に邪魔しちゃってごめん…
「少女」:
……
旅人:
(帰ろう…)
ルオンノタル:
……!……!
旅人:
(ルオンノタル…まだ俺についてきたがってる?)
旅人:
コロンビーナ…その月霊…
「少女」:
え?…あ…もう行くの?
「少女」:
……
旅人:
(別れたくないのかな…ルオンノタルを気に入ってるみたいだし…)
「少女」:
ばいばい。
ルオンノタル:
……!
旅人:
じゃあね。
「少女」:
…気を付けて。月は嘘をつくから。
旅人:
えっ?それって、どういう…
「少女」:
~♪~♪
旅人:
(…聞くのは、また今度にしよう。)
散歩を続ける
旅人:
(まさか「少女」がヒーシ島にいたなんて…ルオンノタルがいなかったら、あの入り口を見つけられなかった…)
旅人:
(彼女の様子からして、外で起きてることにあまり関心がないみたい。ファデュイはなんで彼女のことを探してるんだろう…)
旅人:
(「月は嘘をつく」…この言葉の意味は?)
旅人:
えっ!?
旅人:
…蛍?
蛍:
……
旅人:
(なんで蛍がこんなところに?)
旅人:
(誰も連れてない…何かの計画で動いてるのかな?)
旅人:
…蛍!
#{M#蛍}{F#お兄ちゃん}に近づく
旅人:
…蛍!
蛍:
ああ、お兄ちゃん。
旅人:
(俺がここにいることに、あまり驚いてない…もしかしてナド・クライに来てることを知ってたのか?)
旅人:
なんでヒーシ島に蛍が?
蛍:
もし、私が霜月の子の聖物を探しに来た…って言ったらどうする?
旅人:
……!
旅人:
(蛍も月髄を求めてる?でも、蛍の立場はファデュイとは違う…そうなると…)
旅人:
もしかして…蛍もあの時のことが気になってるの?
蛍:
うん。
蛍:
私たちの過去、私たちがどうやってテイワットに来たのか、宇宙船がどうして不時着せざるを得なかったのか…いろいろ気になるところがあって。
旅人:
(蛍も知らなかったんだ。)
蛍:
でも、私は二ヶ月も待つ気はないよ。
旅人:
待って…!
蛍:
まだ、やらなきゃいけないことがあるの。
旅人:
(……!あっちはクータルの神像があるほうだ…)
#{M#蛍}{F#お兄ちゃん}についていく
旅人:
(蛍がここに来たのって、まさか…)
蛍:
……
旅人:
待って!
蛍:
なに?
旅人:
聖物は霜月の子のものだから…
蛍:
勝手に使って真相を探るべきじゃないって言いたいの?
旅人:
少なくとも、ちゃんと許可を貰うべきだよ…
蛍:
まだ知り合ったばかりの詠月使を、そこまで信用してるんだね?
旅人:
どういう意味?
蛍:
祈月の夜が訪れ、クーヴァキが最も高まった時にだけ封印が解かれる、そう言われたんでしょ?
旅人:
…聞いてたの?
蛍:
ほら。
旅人:
えっ…
蛍:
分かった?詠月使はお兄ちゃんに嘘をついてたんだよ。
蛍:
神像の台座に十分な力を注げば、いつでも封印は解けるの。
旅人:
(蛍が使ったのはアビスの力で、クーヴァキじゃない…それでも封印が解けた…)
旅人:
(アビスの力がクーヴァキを破って、封印を解いたってこと?)
旅人:
(つまり…蛍が言ったのはすべて本当で…ラウマは古い掟を破りたくなくてああ言った?)
旅人:
(いったい…誰を信じればいいんだ…?)
蛍:
自分の知ってることを全部話さないのが「隠し事」だっていうなら、なんでお兄ちゃんは私の隠し事ばかり気にして、他の人のは気にしないの?
旅人:
…違う。
蛍:
ん?
旅人:
蛍、勘違いしてるよ…
旅人:
これまではずっと気にしてたし、ずっと聞きたいと思ってた…何が蛍をそんな風に変えてしまったんだ、って。
旅人:
でもこの長い旅で、蛍の「わがまま」も許せるようになったんだ。
旅人:
俺は蛍を信じてる。一緒にいろんな世界を渡って、ずっとそばにいた蛍を。
旅人:
今は言いにくいことがあるんだとしても…旅をしながら待ってる。
旅人:
教えてくれるその日を、ね。
蛍:
お兄ちゃん…
旅人:
(こういうこと言うべきじゃなかったかもしれない…感情的になってるように聞こえたかな。)
旅人:
(でも、ずっと胸にしまっていた言葉だったから…)
蛍:
私があの月髄を使いたいのは、過去を見るためだけじゃないよ。
蛍:
月髄の中には、テイワットの本質に関する答えがあるの。
旅人:
!!
蛍:
自分の目で物語を見届けないと、すべての真実は見えてこない——私はずっとそう信じてきた。
蛍:
お兄ちゃん、私を信じてくれなくても構わないよ。でもお願い、邪魔だけはしないで。
蛍:
もしそれを心が拒むなら、今夜はここで会わなかったことにしよう。私をこのまま行かせてほしい。
旅人:
そんなこと言わないでよ…
蛍:
もしかしたら、私もこんな機会が来るのをずっと待ってたのかもしれない。
蛍:
たとえ、それが一夜限りの奇跡だったとしても…
旅人:
……!
旅人:
俺も…一緒に行くよ。
蛍:
いいの?
旅人:
うん。
蛍:
行こう…
旅人:
蛍…
蛍:
一緒に冒険するのは久しぶりだから、わくわくするね。
旅人:
ほんとう…?
蛍:
お兄ちゃんに嘘をつくわけないでしょ?
奥へ進む
蛍:
お兄ちゃん、クーヴァキの引き寄せあったり、反発したりする性質は知ってる?
蛍:
うん、よろしくね。
奥へ進む
蛍:
開けた場所だね…そろそろ戦闘かな?
蛍:
この程度?大したことないね…
旅人:
(こんな蛍の顔…見たことない…)
旅人:
(俺がそばにいない間に起きた出来事が、蛍をこんな風に変えてしまった?その一つひとつの積み重ねが、蛍を…)
蛍:
お兄ちゃん。
旅人:
えっ…あ、なに?
蛍:
なんでそんなに私のこと見てるの?お兄ちゃんもこいつらが弱すぎるって思うでしょ?
旅人:
……
旅人:
たぶん、試練がまだ始まったばかりだからだよ…
蛍:
そうだ。ちょっと思いついたんだけど…
蛍:
勝負してみない?お兄ちゃん。
蛍:
これまでの旅で、お兄ちゃんの腕が鈍ってないか確かめたいの。
旅人:
……
旅人:
いいよ。
旅人:
蛍には負けない。
#{M#蛍}{F#お兄ちゃん}と会話する
蛍:
普段の訓練を疎かにしてるの?それとも見張ってくれる人がいなかったから、気が抜けてた?
旅人:
そうじゃないよ。ただ…勝たせてあげようと思って!
蛍:
もう、口だけは達者になってるんだから。
旅人:
……
旅人:
(蛍と冗談を言い合うのも、ずいぶん久しぶりだ。懐かしい…)
蛍:
もう、そっちの勝ちでいいよ。
旅人:
最初から勝つ気なかったでしょ。
蛍:
こんなところで全力を出すのもおかしな話でしょ?
旅人:
……
旅人:
(蛍と冗談を言い合うのも、ずいぶん久しぶりだ。懐かしい…)
次の「試練」へ向かう
旅人:
ここは…
蛍:
魔物の気配はないね。
蛍:
見たところ、儀式をする場所みたい。けど、何かが欠けてる気がする。
旅人:
うん、この先の鏡みたいなものの中から、その欠けてるものを感じる。でも…
旅人:
…封印されてるみたいだ。
蛍:
クーヴァキは?
旅人:
反応ない。
旅人:
ここの封印…霜月の子の血筋と関係してるのかも。
蛍:
へえ、血筋ね…
旅人:
蛍?
蛍:
…私たちの血筋は誰にも負けないよ。
旅人:
…そう、だね。
蛍:
いろいろ試してみるから、お兄ちゃんは周りを調べてくれる?
旅人:
分かった。
蛍:
……
蛍:
お兄ちゃん!
旅人:
蛍!
蛍:
…見つけた。これを使えばいけるはず。
旅人:
よし、やってみよう。
蛍と息を合わせ、互いに助け合いながらギミックを解除し、次の試練の地へと続く道を切り開いた。
引き続き進む
蛍:
この先が最後の試練みたいだね。準備はいい?
旅人:
いつでもいけるよ。
旅人:
……
蛍:
どうしたの?
旅人:
蛍と一緒に冒険するのは楽しいけど…なんだか急に、全部幻なんじゃないかって思えてきて…
蛍:
時間が空きすぎたのかもね。
蛍:
テイワットで一緒に目覚めてから、こうして肩を並べて戦うのは二回目だね。
旅人:
……
旅人:
そうだったかな…
蛍:
お兄ちゃん、あの頃みたいに、剣を取って一緒に戦おう。
旅人:
蛍…
蛍:
これは奇跡が交わる夜。だから今は不安も悲しみもいらない。
蛍:
この冒険は、お兄ちゃんと私だけのものだよ。
#{M#蛍}{F#お兄ちゃん}と会話する
旅人:
よし、終わった!
蛍:
さっきの一撃、さすがだね。
旅人:
蛍が一緒に戦ってくれたから。それに蛍だってすごかったよ。
蛍:
前に言ってたけど…確かにもっと早く会いに来るべきだったと思う。せめて…
旅人:
こういう冒険をもっと一緒にすべきだった?
蛍:
うん、まあ。
蛍:
私を追わせるんじゃなくってね。
旅人:
あっ!これで謝ったことにしないでよね?
蛍:
もちろん。
蛍:
行こう。冒険の終点にある宝物を手に入れに。
「聖物」を保管する秘所に入る
旅人:
これが月髄…冒険の終点にある宝物…
蛍:
……
蛍:
お兄ちゃん、あれを持ってきて。あれは私の物なの。
旅人:
(……?蛍…何を言ってるんだ?また俺の見たことない蛍だ…)
蛍:
どうしたの、お兄ちゃん?ここまで一緒に来たのに、私のことを信じられない?
蛍:
お兄ちゃんだって、あのとき何があったか知りたいんでしょ?
旅人:
えっと…
蛍:
心配しないで。あとで私が知った答えをちゃんと教えてあげる。
蛍:
だから、取ってきてよ。
旅人:
……!
旅人:
…なんだ、この霧!?どこから?
旅人:
蛍!
蛍:
……
#{M#蛍}{F#お兄ちゃん}を探す
秘所の入口に戻ると、蛍の姿が消えていた。息が詰まるようなアビスの気配が迫ってくる…
旅人:
蛍!
旅人:
(あれ?ここは…)
旅人:
(……!アビスの気配!)
旅人:
(これは…ワイルドハント?俺たちが秘境に入った後に現れたのか?)
旅人:
……!
旅人:
蛍…!
フリンズ:
おや?どうしてこちらに?
旅人:
フリンズ…?
フリンズ:
ええ、午後にフラッグシップで一度お会いしましたね。覚えていてくださって光栄です。
旅人:
(蛍…いなくなっちゃった…)
フリンズ:
ここで何かお探しでしょうか?
旅人:
その…
旅人:
(あっ…霜月の子の秘所に入り込んで…聖物を探してたなんて…言えない…)
フリンズ:
…ワイルドハントの中心で、ですか?
旅人:
……
フリンズ:
ああ、別にそれに関してつつくつもりはありません。そう考えると、僕がやっていたことも似たようなことですから。
フリンズ:
正確には違います。ライトキーパーには夜回りの習慣がありまして、それでこの辺りを通りかかったんです。するとちょうどワイルドハントが発生していたため、職務を果たしていました。
フリンズ:
そういえば、先ほど急いで立ち去る人を見かけましたが、もしかしてお知り合いでしょうか?
旅人:
(……!蛍…)
旅人:
その人は…俺の一番大切な家族なんだ…
フリンズ:
……
フリンズ:
まだ夜回りが終わっていませんので、僕はそろそろ失礼いたします。
フリンズ:
夜のナド・クライは危険ですから、あなたも早く宿に戻るといいでしょう。
宿に戻って休む
旅人:
(ふぅ…ただの散歩だったのに、気になることが余計に増えちゃった…)
旅人:
(蛍…いったい何を考えてるんだろう…)
旅人:
(ん?これは…)
パイモンのメッセージ:
「目が覚めたらおまえがいなかったから、よく眠れるベリージュースを作っといたぞ。オイラのとっておきのレシピだ!帰ってきたら飲んでみてくれ。そしたらぐっすりだから!」
旅人:
……
旅人:
(パイモンの言う通り…今は寝よう。冒険はまだ続くんだから…)
パイモン:
ふわぁ~…!おはよう…あれ、もしかしてもうお昼か?
パイモン:
昨日はいつ戻ってきたんだ?ちゃんと眠れたか?
パイモン:
へへっ、ならよかったぜ。
パイモン:
で、どこまで散歩に行ったんだ?夜のナド・クライになにか面白いものあったか?
旅人:
信じられないほどたくさんね…
パイモン:
おお!じゃあ聞かせてくれ!
旅人:
(……)
パイモン:
うっ…その前になんか食べたほうがよさそうだな…
パイモン:
外で食べながら話そうぜ!
「フラッグシップ」のホールへ向かう
パイモン:
ふぅ!生き返るぜ…食事も宿代も、払ってもらえるなんて最高だな…よーし、ファルカとは一生友達でいるって決めたぞ!
ヨランタ:
ねえ、聞いた?
アハヴォ:
ん?何を?
ヨランタ:
霜月の子が大変なことになったみたいだよ。
旅人:
(ん…?)
アハヴォ:
えっ、どうしたんだ?
ヨランタ:
はぁ…ほんとあんたって周りのことに興味ないよね!
ヨランタ:
霜月の子の聖物が盗まれたんだって!
旅人:
…っ!ゲホゲホ…ゴホ…
パイモン:
お、おい!ゆっくり食べろよ…お腹が空いてるのはわかってるから、今日はおまえの分を取ったりしないぞ…
アハヴォ:
なんだって!?ファデュイの仕業か?
ヨランタ:
さあね。けど、ナシャタウンは今その話題で持ちきりだよ!
アハヴォ:
あの霜月の子の大祭司…詠月使はなんて言ってるんだ?
ヨランタ:
言うもなにも、その人が盗まれてることに気づいたのよ。
旅人:
(……)
ヨランタ:
それで、ヴォイニッチ商会に共同調査を依頼するため、朝早くからナシャタウンに来てるんだって。
パイモン:
おい、聞いたか?ラウマたちの聖物が盗まれたらしいぞ!
パイモン:
とんでもないやつがいたもんだぜ!きっとあの憎たらしいファデュイたちの仕業だな!
旅人:
(……)
旅人:
(ゆうべ、あの場所に入ったのは、俺と蛍だけだった…まさか、蛍が持っていった?)
パイモン:
おい、どうしたんだ?顔色が悪いぞ?
アハヴォ:
共同調査ねぇ…大して意味なさそうだけど…だってあいつら、儲け話とか報酬にしか興味ないだろ?
ヨランタ:
だよね。だから彼女、今度はあのなんでも解決できるっていう「秘聞の館」に行ったみたい!それもつい数分前に!
旅人:
!!
パイモン:
うわっ!びっくりした…今度はなんだよ…
パイモン:
へ?あ…おう!って、おい引っ張るなって!
「秘聞の館」に行く
パイモン:
お邪魔しまーす…
パイモン:
…あれ?誰もいないぞ?ついさっきラウマが来たって話だったのに…
黒猫:
にゃー…
パイモン:
いるのはこの…店番してる猫だけか?
パイモン:
ここで受付するのかな?
黒猫:
にゃ…
パイモン:
よくわかんないな…まさかラウマ専用の受付か?この猫がなにを言ってるかは、ラウマにしかわかんなそうだぞ…
黒猫:
にゃ…
パイモン:
あっ、部屋のほうに行ったぞ…
ラウマ:
…なぜ応じてくれぬ?
???:
…もう説明したはずだけど…おや?お客さんのようだ。
パイモン:
うわぁ!…なんだ、ここにいたんだな。
???:
何かご用で?
ラウマ:
旅人、パイモン…
???:
へえ?あんたの知り合い?
ラウマ:
ああ。お二人は昨日ヒーシ島を訪れ、夕餉を共にしたのだ。
ラウマ:
紹介しよう。こちらは秘聞の館のオーナー、ネフェル。
ネフェル:
初めまして。
ラウマ:
彼らは昨日ナド・クライに到着したばかりの旅の者で、鳥や獣たちに迎えられ、月の洗礼を受けた善良な方々だ。
旅人:
(……!)
ネフェル:
(ん…?ふふっ…こいつは面白い…)
旅人:
えっと…実は…
ネフェル:
紹介なんて必要ないよ、ラウマ。この二人は他国で名を馳せてる大英雄だからね。
ラウマ:
そうだったのか…?
旅人:
あ…その…
ネフェル:
あたしが情報屋だってのを忘れないことだ。ナド・クライの人たちは他国の情勢にあんま興味がないけど、秘聞の館は違う。
ネフェル:
アビスの危機に瀕したナタを救ったっていう話題の大英雄も、まさにこの二人のことさ。
旅人:
(うっ…褒められてこんなに胸が痛くなるなんて初めて…昨日の夜のこと、なおさら言い出しにくい…)
ラウマ:
そうであったか…霜月の子は普段閉じこもっておるからな、お二人のことを存じ上げなかった。どうかご容赦を…
パイモン:
へへっ、気にすんなって。そもそも言うつもりもなかったからな。オイラたちの称号とか功績とか話してたら、日が暮れても終わらないし!
旅人:
パイモン…!
パイモン:
どうしたんだ?…やっぱり具合が悪いのか?
ネフェル:
それで、二人は秘聞の館にどういったご用件で?
パイモン:
そうそう、さっきご飯を食べてるときに霜月の子の盗難事件について聞いてさ。それでこいつに連れてこられたんだ。
ネフェル:
(へえ…そういうこと…)
ネフェル:
なるほど、ラウマのことを案じて来たと。さすがは大英雄!卓越した実力のみならず、品格も備えてるようだ。
旅人:
(もうダメだ…)
ネフェル:
そういうことなら…ラウマ、あたしに一ついい考えがある。
ネフェル:
この経験豊富な大英雄に依頼をしてみたらどうだい?うちみたいな「小さな店」には荷が重そうだしね。
ラウマ:
「小さな店」には荷が重いか…ただ、受けたくないだけであろう…
ネフェル:
まあ、そう考えてくれていい。
パイモン:
依頼?
パイモン:
まさか霜月の子の聖物を取り返してほしいのか?
ラウマ:
ああ、その通りだ。
ラウマ:
これは詠月使としての責務であり、旅人の過去を探るという約束を果たすためでもある。
ラウマ:
しかし、ネフェルにいくら頼んでも断られるばかりでな。
ラウマ:
幸い、それでも月は変わらず秘聞の館の空へと昇るが…
ラウマ:
昼も夜も、月の恩寵があらんことを。
ネフェル:
…はいはい。
深呼吸をして、昨晩の出来事をすべて話した。次第に、周囲の空気も重苦しくなっていった…
パイモン:
……
ラウマ:
……
ネフェル:
(つまり…自分は聖物に触れてないから、妹が持ち去ったと考えてるのか…)
ラウマ:
ふむ…事の仔細は分かった。
旅人:
本当にごめんなさい…
ラウマ:
…霜月の子の秘所は、古くより世間に隠されておる。外部の人間が入ることを禁じておるのも、盗みを防ぐためだけではなく…
ラウマ:
その地には数々の試練があり、踏み入る者の資格を見極める役目も果たしておるからだ。そこに無断で侵入するのは、極めて危険なこと…
ラウマ:
あまり自分を責めなくてよい。あの試練を乗り越えたということは、そなたには聖物を目にする資格があるということだ。
ラウマ:
言い換えれば、月髄がそなたを認めたことになる。
旅人:
…怒ってないの?
ラウマ:
ああ。そなたはきっと私欲のために月髄を盗もうとは考えぬ。誠実な心の持ち主であるからな。
ラウマ:
先ほどの話にあった霧については…秘所が外敵を排除するために防御機構を作動させたのだろう。共に入った者の中に不純な動機を持つ者がいたか、あるいは…アビスが混じっていたか。
パイモン:
アビス?
ラウマ:
だからかもしれぬ。しかし、どのような経緯であろうと月髄は奪われてしまった…
ラウマ:
そなたのことは信じておる。故に、今の問題は変わらず聖物を取り戻すこと…
ネフェル:
ほら、言っただろう?その問題は必ず解決するってね。
ネフェル:
さて、この協力関係を祝う前に、一つ確認しておこう——聖物を持って行ったのは本当にあんたの妹なんだね?
パイモン:
えっ?だって、その時そこにいたのはこいつら二人だけなんだろ?
ネフェル:
どうだろうね…ほら、あんたの妹がアビスの力で封印を破ったのなら、他の人間も入れるようになったはずだろう?
ラウマ:
…確かに、その通りではあるな。
ネフェル:
それに今朝、ちょうど情報提供者からこんな話を聞いたんだ——
ネフェル:
今日、ファデュイが聖物の捜索命令を突如取り下げたらしい。
ラウマ:
なに…?
パイモン:
えっ?なんでだ?
ネフェル:
考えられるのは、朝目が覚めたら、急に聖物への興味を失っていたか、もしくは——
旅人:
すでに月髄を手に入れた…
ネフェル:
そういうこと。
旅人:
(いや…そんなはずない。蛍がファデュイと手を組むなんて…)
ネフェル:
妹がファデュイと手を組んでる可能性について考えてるんだね?
ネフェル:
だからさっき聞いたんだよ。本当に妹が聖物を持って行ったのかってね。
ネフェル:
それかこう聞こうか——あんたは本当に、自分の妹を知ってるのかい?
旅人:
(俺は…)
旅人:
(……)
旅人:
(ネフェルの言う通りだ…俺は蛍の目的を知らない…)
ラウマ:
つまり…ファデュイが月髄を持っている可能性が高いということか。
パイモン:
う~ん…じゃあ、今からあのなんとか実験設計局ってとこに行ってみるか?そうすれば全部わかるはずだろ?
ネフェル:
解決の糸口が見つかったようだね、おめでとう。どうやら今回、秘聞の館の出番はなさそうだ。
ネフェル:
長年の付き合いと、この大英雄の名に免じて、今回の相談料はタダにしとくよ、ラウマ。
ラウマ:
…本当に手を貸してくれぬのか?
ネフェル:
もう十分助けたと思うけど?
ラウマ:
ファデュイのあの実験設計局に潜入するには、そういったことに慣れた者の助けが必要だ。
ネフェル:
はぁ…誤解がないよう、もう一回説明しておこう——
ネフェル:
秘聞の館は、ナド・クライのどの勢力にも肩入れせず、常に中立を貫いてる。
ネフェル:
霜月の子の指導者のために実験設計局なんかに足を踏み入れれば、ファデュイの敵になったことを宣言するようなものだ。
ネフェル:
ファデュイの執行官があんたたちの土地に入るのを手伝ってほしいと頼んできたときも、あたしは断ってる。
ラウマ:
……
ラウマ:
…分かった。
ラウマ:
だが、最後に一つだけお願いがある。
ネフェル:
本当に最後だといいけどね。
ラウマ:
次にここの扉をくぐった者を、私たちの仲間になるよう説得してほしい。それが誰であろうと。
ネフェル:
……
ネフェル:
(この女、何を企んでるんだい…)
ネフェル:
そんな見境なしで大丈夫かい?もしそれがファデュイだったら?
ラウマ:
それでもよい。我々が実験設計局に潜入するのを伝えてくれて構わぬ。
ラウマ:
ほんの一言、軽く説得するだけでよい。それさえしてくれるのなら、もう何も望まぬと約束しよう。
ネフェル:
……
ラウマ:
どうだろうか?
ネフェル:
はいはい、その茶番に付き合ってあげるよ。
ネフェル:
あたしが直接手を出さない限り、秘聞の館の中立が崩れることもないしね…
???:
ただいま~
ネフェル:
……
???:
なあ、聞いてくれよ、今日本当にツイててさ!あの家出猫を探しに行かせただろ?どう頑張っても夜までかかるって言ってたけど——
???:
それがなんと!外に出た瞬間、長羽トキがあの家出猫をぶら下げて飛んできたんだ!しかも目の前で、猫を下ろしてくれてさ…
???:
おっと!商談中だったんだな…ごめん…すぐ出てくから。
ネフェル:
……
旅人:
(そのトキって…絶対ラウマが仕込んだやつ…)
ネフェル:
ヤフォダ…ちょっとこっちに。
ヤフォダ:
えっ…な、なに?どうしたんだ?あっ…どうも…
ネフェル:
あたしのかわいいヤフォダに一つお願いがあるんだ…
ヤフォダ:
(ひっ!今日の姐さんどうしたんだ?なんか不気味だな…あたい、なんかやらかしたっけ!?)
ネフェル:
こちらの「親愛なる依頼人」たちのために、ファデュイのクーヴァキ実験設計局に潜入してくれないかい?
ヤフォダ:
(どうなってんだ!!いつもだったら「おい、これをやれ」とか「あれをどうにかしろ」って言うのに…うぅ、鳥肌が!)
ヤフォダ:
(しかも…ファデュイの実験設計局!?そんなの命を捨てに行くようなもんだろ!)
ネフェル:
どう?ヤフォダ。
ヤフォダ:
えっ!?あ…その…
ヤフォダ:
(なにこの姐さん、おかしいって!どうしたらいいんだ…それとも、今回の依頼は特別難しいから気を遣ってくれてるとか?)
ヤフォダ:
(みんな期待した目でこっち見てる!もしかして…姐さんが用意した試練?なら、その期待は裏切れない…)
ネフェル:
ヤ・フォ・ダ?
ヤフォダ:
えっ!あたい…その…えーっと、じゃあ…お任せください?
パイモン:
本当か?本当にオイラたちを助けてくれるのか!
ヤフォダ:
え?あ…ああ…もちろん…そういうことになるかな…
パイモン:
良かった!ありがとな!
ラウマ:
霜月の子を代表して感謝しよう、ヤフォダさん。
ヤフォダ:
(ああー!!いったい何がどうなってんだよ!?)
ヤフォダ:
(なんでそんな呆れた顔してんだ?まさか、引き受けないほうが良かったのか!?)
ネフェル:
(はぁ…あれだけ各勢力との付き合い方を教えたはずなのに…)
ラウマ:
ネフェル…
ネフェル:
これで満足だろう。もう変な依頼は御免だよ。
ラウマ:
そなたの信条に反することをさせてしまった。この恩はしっかりとこの胸に刻んでおこう。
ネフェル:
ったく…あたしがさっき言ったこと、撤回させたいのかい?
ラウマ:
いや。私はただ、感謝を述べようと——
ラウマ:
ありがとう…
ネフェル:
……
ラウマ:
ヤフォダさん…潜入方法はそなたに一任する。詳細は場所を変えて話そう。
ヤフォダ:
えっ?ああ…うん…
ヤフォダ:
(あたい、いったい何に巻き込まれちゃったんだ…)
ネフェル:
そうだ、そうと決まれば…ヤフォダ——
ヤフォダ:
な、なんだ?
ネフェル:
クビだ。
ヤフォダ:
…へ?
ネフェル:
今、この瞬間からクビ。
ネフェル:
また秘聞の館に入りたければ、その三人の依頼を解決してからにしな。
ヤフォダ:
…は?
ネフェル:
何か問題でも?これならあたしにマージンを取られることもないし、あんたにとってもお得だろう?
ヤフォダ:
…だから、いったいどうなってんだーっ!!
「秘聞の館」を離れる
ヤフォダに事情を伝え、翌日の夜、実験設計局に潜入することになった…
パイモン:
ヤフォダ、大丈夫かな?さっきすっごく落ち込んでたみたいだけど…
ラウマ:
心を落ち着ける時間が必要なだけであろう。秘聞の館の腕は確かだ、心配はいらぬ。
ラウマ:
一日で準備を整えると言い切った自信からも、それが窺える。
ラウマ:
ヤフォダさんへのお詫びとして、今後も動物たちに呼びかけ、彼女の力になってもらうつもりだ…
ラウマ:
それと…正直に話してくれたこと、感謝しておる。私にとって、それはとても貴重なものだ。
旅人:
いや、俺の失敗だから…
ラウマ:
失敗?
ラウマ:
自分の家族を信じたことを失敗とは言わぬ。そう考えてしまうのはいささか異なるだろう。
ラウマ:
人は大なり小なり失敗をするもの。大事なのは、その結果とどう向き合うかだ。
ラウマ:
…そなたの誠実さに応えるためにも、伝えておきたいことがある…
パイモン:
ん?なんだ?
ラウマ:
これは月光と共に語る必要があるのだ。今晩、ヒーシ島まで来てもらえぬだろうか?
旅人:
いいよ。
パイモン:
なんだか大事なことみたいだな。確かにここは人も多いし、静かな場所で話したほうがよさそうだ。
ラウマ:
感謝する。それでは、また月の下で会おう。
ラウマと合流する
パイモン:
ラウマ!来たぞ。
パイモン:
あれ?お祈りしてるのか?
ラウマ:
ああ。…私は、生まれた時から部族の者たちにこのように言われてきた——「見よ、その瞳は月の潮のごとく、その角は月の刃のごとく、その血は水面に映る銀の月影のごとく…」
ラウマ:
そうして、物心ついた頃にはすでに「霜月の神の使い」、「月潮の聖女」と崇められてきたのだ…
ラウマ:
私が最初に覚えた言葉は霜月の祝詞で、最初に身に付けた所作は月を祀るためのものだった…
パイモン:
きっと、大変だったろうな…
ラウマ:
当時は他の生き方など知らず、ただそれが当たり前だと考えておった。
ラウマ:
霜月の子の血は今も受け継がれておるものの、ほとんど薄まっており、この角を持つ者も数えられるほどしかおらぬ。ましてやクーヴァキを感知できる者となればさらに少ない。
ラウマ:
しかし、私は…
パイモン:
わぁ…きれいな角だな…
ラウマ:
百年に一度の体質だと言われておる…月光やクーヴァキの潮の変化に極めて敏感で、幼い頃はそのせいで眠れぬこともあった。
パイモン:
そんな、辛かったろうな…
ラウマ:
他の者にとって、クーヴァキの変化は砂浜に優しく寄せる波のようなもので、すぐに慣れることができる。
ラウマ:
だが私の場合、天をも揺るがすほどの荒波となって、この身を打つのだ…
ラウマ:
もちろん年を重ねるにつれ、感覚と力を制御するすべを身に付け、徐々に苦しみも和らいでいった。
ラウマ:
だからこそ…私は「隠し事」をする道を選ばざるを得なかったのだ…
パイモン:
…隠し事?
ラウマ:
私が祈祷を覚えた頃、部族の者たちは月を指して、あれが「残された霜月」、「唯一の真実」であると言った…
ラウマ:
それを聞いて、反射的にこう尋ねてしまったのだ——「どうして?あそこからは何も感じないのに」と。
ラウマ:
その時は知らなかった——彼女たちには、本物の潮がどこから来ているのか見分ける力がないのだと。皆…天幕の外に隠された、あの「本物」の月を感知できぬということを。
旅人:
(……!)
旅人:
(もしかして「偽りの空」のことを言ってる?本当の「霜月」は…「偽りの空」の外にあるってこと?)
ラウマ:
「月は偽りである」…私はずっと前から、この結論に至っていた。
ラウマ:
だが、打ち明けられる相手がいなかったのだ。少なくとも、今この瞬間までは…
ラウマ:
「私が間違っておるのか?」「偽りなのは月か、それともこの感覚か?」…よくそのように自問しておる…
旅人:
(……)
ラウマ:
……!
ラウマ:
ありがとう…
ラウマ:
そなたが「降臨者」を名乗ったときから、このような予感があった——きっと真実を教えてくれるだろうと。
ラウマ:
今の言葉を聞いて…重くのしかかっていた荷が軽くなった気がする。
パイモン:
なんで誰にも話せなかったのか、なんとなくわかるぞ…数百年も続く信仰が、そう簡単に変わるはずないもんな。
ラウマ:
これが私の言った「隠し事」だ…
ラウマ:
あまりに多くのことを知ったが、それを部族の者たちには隠さなければならなかった。日々の祈りは、虚像を通して自分を慰めておるようなものだ…
旅人:
(なるほど。だからラウマはあの夜、俺にあんな質問をしたんだ…)
旅人:
(「もし『家族』を傷つけてしまうような秘密を隠していたら、それでも正直に話すべきだろうか?」)
ラウマ:
そなたはすでにクータルに会ったのだろう?
旅人:
…うん。
パイモン:
えっ?いつの間に!オイラ聞いてないぞ!?
旅人:
一人で散歩したあの夜に…
パイモン:
そうだったのか…
ラウマ:
あの方のことをどう感じた?
パイモン:
ふわっとした感じ?どういうことだ…?
ラウマ:
言いたいことは分かる。かの神は、自身のこと以外にあまり関心がないのだ。しかし…それもあの方のせいではない。
ラウマ:
ああ。古月の遺骸がナド・クライに落ちた直後、あの方と会った。
ラウマ:
霜月の子はあの方にとって何を意味するのか、そしてどうして去ったのか、そう尋ねたことがある。
パイモン:
なんて答えたんだ?
ラウマ:
それは直接聞いたほうがいいだろう。他者の言葉は、余計な誤解を生みかねない。
ラウマ:
…私は先ほど話したことを誰にも打ち明けられずにいたが、それでも家族がいて、霜月の子という家がある。
ラウマ:
しかし、あの月の下で生まれた少女は…もしかすると、そのいずれも持ち合わせていないのかもしれぬ…
ラウマ:
いや…本当は持っていたはずなのに、かつての霜月の子があの方を裏切ったのだ…
旅人:
(…前にあの子と会ったとき、時々空を見上げてた…空の向こうにある本物の月を見てたのかな?)
ラウマ:
今の霜月の子は誤った道を歩み続けておる。偽りの月を崇め、我々に応えることのない神に祈っておるのだ。
ラウマ:
私は、このすべてを変えたい…
ラウマ:
ファデュイが迫る今こそ、霜月の子は団結せねばならぬ…だがその契機はまだ…
カプイ:
ラウマ様!ラウマ様!
ラウマ:
カプイ…?まさか、カアリナの容態がまた悪化したのか?
ラウマ:
旅人、パイモン、すまない。続きはまたにしよう。
パイモン:
オイラたちも行くぞ!
カアリナの様子を確認する
カアリナ:
うぅ…
ラウマ:
……
カプイ:
…どうしてかしら?毎日、月神様に祈ってるのに、病気が良くならないなんて…
旅人:
(月神に祈りは通じない…さっきラウマが言ってた通り…)
ラウマ:
カプイ、少し席を外してくれぬか。治療をする。
カプイ:
……
パイモン:
オイラたちに手伝えることはあるか?
ラウマ:
ならばこの後、何が起きようとも驚かないでいてほしい。それともしあの母親が覗こうとしたら、止めてもらえるか…
旅人:
(……!なんでナイフを!?)
パイモン:
……!
カアリナの病気を治すため、ラウマは歯を食いしばり、鋭いナイフで手のひらを切った。銀色の血が滴り落ち、粉薬に落ちた…
ラウマ:
……
旅人:
(…銀色の血、それに…粉薬?)
ラウマ:
…どうか、このことは口外しないでくれ…
カアリナ:
……
パイモン:
カアリナのやつ、だいぶよくなったみたいだな。ラウマ、それって…
ラウマ:
これはナシャタウンの医師が処方した薬だ。そして私の血には、常人のクーヴァキを中和する作用がある。
旅人:
(ラウマの手…傷だらけだ…まさか、いつもこうやってこっそり治療してるのかな…)
ラウマ:
はぁ…またそなたたちに「隠し事」を知られてしまったな…
ラウマ:
カアリナの容態がここまで悪化する前に霜月の子の現状を変えるつもりだったのだが、どうやら…少し遅かったようだ…
旅人:
(人々に根付いた価値観を変えるのは、簡単なことじゃない…さっきの母親がいい例だ…)
ラウマ:
私の暮らしは…まるで月の裏側のように、誰にも知られることはないだろう。一方、人々は明るい月光による導きを必要としておる…
ラウマ:
もし、月の表と裏が入れ替わる日が訪れたら…人々は受け入れられるだろうか?
旅人:
(……)
旅人:
(どうして、こんな時に蛍を思い出すんだろう…蛍の暮らしにも「月の裏側」があるのかな…)
旅人:
(蛍なら…)
ラウマ:
…そう言ってもらえて、心強い。
パイモン:
もし霜月の子の力になれることがあれば、なんでも手伝うぞ!
ラウマ:
ああ、感謝する。だが目下の急務は、ファデュイから聖物を取り戻すことだ。
ラウマ:
私には分かる…皆に真実を告げる日はそう遠くないと。
霜月の里を出る
パイモン:
はぁ…まさかラウマにあんな悩みがあったなんてな…
ウィルミナ:
あっ!足元に気をつけてください!
パイモン:
うわっ!なんだ?びっくりしたぞ!
ウィルミナ:
よかった…そこに罠を仕掛けてまして、危うく掛かってしまうところでした…
パイモン:
罠?なんでこんなところに?
ウィルミナ:
大通りではないので。それに霜月の子の者なら一目で見破れますから。
旅人:
どうして罠なんか?
ウィルミナ:
そうですね…あなたたちはファデュイではありませんし、話してもいいでしょう。
ウィルミナ:
ラウマ様に頼まれたのです——ファデュイを足止めする罠を仕掛けるようにと。
パイモン:
あっ…そういえば、もうすぐ三日経つもんな…
ウィルミナ:
ええ…これで諦めてくれるといいのですが…
パイモン:
おまえもラウマと同じで、霜月の子のために頑張ってるんだな…
ウィルミナ:
……
ウィルミナ:
私は…
パイモン:
ん?どうしたんだ?
ウィルミナ:
いえ!何でもありません!ただ、本当にそれだけの価値があるのかなと思いまして…
パイモン:
どういう意味だ?
ウィルミナ:
霜月の子には、自分の信じる「真実」にしがみついて、変わろうとしない人が大勢います…
ウィルミナ:
そんな人たちのために、ラウマ様がそこまで尽くす必要があるのでしょうか…
ウィルミナ:
確かにそうですが…
ウィルミナ:
あ…こんなこと言うべきではありませんでしたね…今のは忘れてください!では!
パイモン:
お、おい…
ウィルミナ:
(はぁ…どうしてあんなことを言ったんだろう…いや、どうしてまだこんなことをやってるんだろう…)
ウィルミナ:
(…とにかく…これが霜月の子で過ごす最後の夜になるはず…)
パイモン:
行っちゃった…どうする?フラッグシップに帰って休むか?
旅人:
(……)
旅人:
まだ行きたい場所がある…
パイモン:
もしかして、例のふわっとした「少女」に会いに行くのか?
パイモン:
そいつの正体からして、強引な手段は通じなそうだよな。だったら…
旅人:
だったら?
パイモン:
美味いもんを持ってこうぜ!
パイモン:
腹の虫に逆らえるやつはいないからな。きっと喋ってくれるぞ!
旅人:
そんな簡単に行くかな?
パイモン:
まあ、ものは試しって言うだろ!それにこっちの誠意を見せるのは間違ってないと思うぜ。
パイモン:
そうだな…イネファが9.12点をつけた「ベリーとお肉のソテー」と、霜月の子の料理「ハーベスト・オブ・ザ・デイ」…それから、おまえの得意料理を作ろう。
パイモン:
肉も野菜もあるし、きっとどれかは気に入ってくれるはずだぞ!
霜月の里を出る
パイモン:
よし、食べ物の準備はバッチシだ。場所はここでいいんだよな?
パイモン:
なんだかお見舞いにでも来たみたいだ…ここは真面目モードで行くか…
「少女」と会う
「少女」:
~♪~♪
「少女」:
…ん?
「少女」:
キミは…誰だっけ…
旅人:
(一日しか経ってないのに忘れられるなんて…)
「少女」:
…前にキミの隣にいたのは、その生き物じゃなかった。
パイモン:
(「生き物」呼ばわりかよ!あ、いや…冷静に冷静に。)
パイモン:
ええと…は、はじめまして。オイラはパイモンで、こいつは旅人だ…
「少女」:
あ、そこにいたんだ。やっぱりキミのほうが可愛い。
パイモン:
(オイラ、あいつに負けたのか!?)
旅人:
コロンビーナ…
「少女」:
…なに?
旅人:
好きな食べ物はある?
「少女」:
それは…ご馳走してくれるってこと?それとも、お供え物?
パイモン:
えーっと…「ご馳走」のほうだな。遠慮すんな!旅人の手料理もあるぞ。食べてみてくれ!
「少女」:
……
パイモン:
(手を付けないけど、断る気もないみたいだ。なに考えてるんだろ?)
旅人:
(俺が言った意味、今なら分かるでしょ?)
「少女」:
何が聞きたい?
旅人:
!!
パイモン:
(おお、話が早いぜ!今のうちにいろいろ聞かなきゃ!)
旅人:
空にある月が偽物だって、知ってるんだよね?
「少女」:
空に月は一つしかない。ただ、それが見える人と見えない人がいるだけ。
旅人:
それは君にとって、何を意味するの?
「少女」:
……
「少女」:
物語の、失われた序章。
パイモン:
なんだって?
「少女」:
~♪~♪
パイモン:
んん?
パイモン:
(今のどういう意味だ?これ以上、教えてくれないつもりか?)
旅人:
その歌について教えてくれる?前も口ずさんでたよね…きっと、君にとって特別なものなんでしょ?
「少女」:
……
「少女」:
これは…私が生まれたときに唯一覚えてたもの。メロディーと、歌詞をいくつか覚えてる。物心つく前に聴いてた子守唄だと思う。
パイモン:
それを歌ってたのは誰なんだ?
「少女」:
分からない。
「少女」:
私には、この歌以外に何もなかった。
パイモン:
えっ?
「少女」:
あの時、私を見た霜月の子も同じ。持っていたのは希望だけ。
「少女」:
何が起きたのかも分からないまま、彼らは私を「神」と崇めた。それを拒む理由が私にはなかった。
「少女」:
だから、迷子になった二人の赤ん坊を交換するように…私は彼らの信仰を引き取り、彼らは私の人生を引き取った。
旅人:
……
「少女」:
けれど、その「引き取り」によって、私は物語の途中に放り込まれてしまった。それ以前の物語は間違った原稿に書かれ、本に綴じられることさえなかった。
「少女」:
その物語の空白が、霜月の子の心に欲と懐疑を生み、そして私はここが「家」ではないと知ったの。
旅人:
欲と懐疑?
「少女」:
「神様、どうか我々のために兵器を作り、外敵を追い払い、土地を拓いてください…」
「少女」:
「神様、どうか我々の痛みを消し去り、折れた手足を元通りにし、より強い力をお与えください…」
「少女」:
彼らは願い、私はそれに応え続けた。私が応えられなくなるまで…
「少女」:
助けを欲する人は神に願える。なら、助けを欲する神は誰に願えばいいのかな?
パイモン:
うっ…難しい問題だな…
「少女」:
あの時の霜月の子にとって、「信仰」は「事実」よりも重かった。
旅人:
(だから、彼女は霜月の子を離れたんだ…)
「少女」:
「現実」は、私の読めない文字で天空を書き換えた。改竄された言葉なんて見たくない。だから、見るのをやめたの。
「少女」:
そして、私の真の序章は月の上——この手の届かない場所で失われた。それはまるで、触れようとしても触れられない点字のよう。
パイモン:
そうだったのか…
「少女」:
うっ…
パイモン:
ど…どうしたんだ?
「少女」:
……
旅人:
(花が…白くなった?)
「少女」:
…もう行って…
パイモン:
行っちゃまずいだろ!おまえ、すごく調子悪そうだぞ。どうしたんだ?
旅人:
何か手伝おうか?
「少女」:
大丈夫…「答え」以外、キミたちにあげられる報酬はないから。
「少女」:
…これは二回目の「家出」の代償。
パイモン:
家出…
「少女」:
……
パイモン:
(あれ…料理を見てる?質問が多すぎて、お腹空いちゃったのか?)
「少女」:
まだ聞きたいことは残ってる?
「少女」:
「ご馳走」のお返しに答えてあげたいけど、ちょっと疲れたみたい。
パイモン:
ご、ごめんな!
「少女」:
ふぅ…「女皇」の言う通り、自由には代価がつきものね。
「少女」:
ファデュイをもう一つの家だと思えばいいって言われたけど…結局、そこも月神の力を欲するだけだった…
「少女」:
…悲しいことは、話したくない。
旅人:
(どうやら…ファデュイは月神という駒を手放したくないみたい。だから「少女」を連れ戻そうとしてるんだ…)
「少女」:
力をかなり消耗したけど、女皇と交わした約束は果たした。だから裏切りにはならない。
パイモン:
それでおまえはここで休んで、体力を回復させてるんだな?
「少女」:
そう。
パイモン:
じゃあ、この花は…?
「少女」:
ナド・クライに長く生息する花。だから、クーヴァキの変化にはとても敏感。
旅人:
(クーヴァキ…)
旅人:
(もしかして…「少女」が弱ってると白くなるのかもしれない。じゃあ、あのとき赤色だったのは「少女」が力を使った証?)
「少女」:
私も霜月の子が隠してる「あれ」を使おうとした。強い力を感じたから。
「少女」:
でも外に行くのは面倒…それに誰かに見られる…人前に出ないって、ラウマと約束したから…聖物がなくなった今ならなおさら。
パイモン:
ラウマ?ラウマとそんな約束をしたのか。
「少女」:
……
パイモン:
(また料理のほうに戻ったぞ!)
パイモン:
ま…まだクルムカケがあるから、デザートにどうだ!
「少女」:
ラウマは霜月の子を変えたいって言ってた。それを実現するために、なるべく私の姿を見られないようにしてほしいって。
「少女」:
私はそんなことよく分からないし、興味もない。でも、もともと他の人に会いたくなかったから頷いた。もし誰かがここに迷い込んだとしても、私のせいじゃない。
旅人:
(「少女」が人々の前に現れたら、今の霜月の子ならクータルが助けに来てくれたと思いそう…)
旅人:
(そう考えると…ラウマがそうさせたのにも納得がいく…)
「少女」:
ラウマ…あの「蒼樹の聖女」は、私が今まで見てきた霜月の子とは少し違う。
「少女」:
私の生い立ちを聞いて、彼女は当時の霜月の子の代わりに謝罪した。
パイモン:
あいつ、自分の暮らしを「月の裏側」のようだって言ってたぞ。
「少女」:
そう?私には、その逆に見えたけど…
「少女」:
彼女は力を抑え込んでる。その光はあまりに眩しくて、人々は目を逸らしてしまう。二度と自分のことを見てくれなくなることを恐れてるように感じた。
旅人:
(それって…かつてのクータルも眩しすぎて、誰にも「家族」にしてもらえなかったのと同じ…?)
旅人:
……
旅人:
じゃあ、今の君が欲しいものは?
「少女」:
……
「少女」:
私は月に戻りたい…私の物語が書かれた、あの家に…
「少女」:
これが…私の今の願い…
「少女」は空を見つめたまま、もう何も言わなかった。
パイモンと宿に戻り、今日起きたことを考えながら、明日の準備をした…

夜の影の中で
闇夜の中では不気味な霧が立ち昇り、危険な策謀が胎動する…
合流する場所に行く
パイモン:
あれ…なんでラウマ一人なんだ?ヤフォダのやつは?
ラウマ:
彼女はまだ見ておらぬ。
パイモン:
ええっ!?しょっぱなからドタキャンかよ?
ラウマ:
それはないだろう。確かに私とネフェルの間にいささか確執があるのは事実だ。しかし、それが今回の件に影響を与えるとは考えられぬ。
ラウマ:
聖物を見つけ出すのは私の責務で、この件によって、彼女もそれ相応の利益を得る。
ラウマ:
ナド・クライの人々は、秘聞の館が商機と利益を追い求めることをよく知っておる…まるで蜜の香りに誘われる蜂のようであるとな。
パイモン:
ネフェルのこと、よく知ってるんだな。
パイモン:
じゃあヤフォダのやつ、なにしてんだ…
ラウマ:
…おや?
ラウマ:
……
ラウマ:
もしかすると…私たちはヤフォダさんのことを誤解しておるのかもしれぬ。
パイモン:
誤解?
ラウマ:
秘聞の館の…元従業員であるヤフォダさんは、十分な専門性と職業倫理を兼ね備えておる。
???:
(……!)
パイモン:
ん?今のって…?
ラウマ:
良心の呵責、といったところか。
???:
うぎゃー!
パイモン:
うわっ!なんか落ちてきたぞ!
ヤフォダ:
あはは…お待たせ…
パイモン:
なんだよその登場の仕方!ん?もしかして、おまえずっと近くにいたのか?
ヤフォダ:
えっと…そ、そう!高いところから敵を偵察してたんだ!
ヤフォダ:
(くそっ…!このツノ女、一体どうやって見つけたんだ!)
ヤフォダ:
(はぁ…家を出るタイミングで、逃走用の煙幕が切れてることに気づくなんて…もし中でヤバいことになったらどうしよう!)
ヤフォダ:
(ワンチャン、雇い主がビビッて帰ってくれたら楽だな~とか思って隠れて見てたけど…揃いも揃って命知らずってどうなってんだ!ファデュイの恐ろしさを知らないのかよ!?)
ヤフォダ:
その…ごめん、みんな…実は今日、出るときになってすごく重要な備品が切れてることに気づいてさ…
パイモン:
えっ!じゃあ、どうすんだよ?
ヤフォダ:
へ、へへっ、選べるプランは二つだ!
ヤフォダ:
「青のプラン」は、みんなで今からナシャタウンに行って備品を補給する…まあ、こんな遅くまで店がやってるかは知らないけど…
ヤフォダ:
「赤のプラン」は、この場で解散して各自帰宅!ちなみにあたいんち、ここから歩いて10分なんだ!
ヤフォダ:
おすすめは赤のプラン!安全第一!ドロンッ!
パイモン:
逃げたら問題が解決しないだろ!
旅人:
どっちも選びたくない…
ヤフォダ:
両方ヤなのか?…じゃあ仕方ないなぁ。とっておきの「ヤフォダプラン」を出そう!
パイモン:
最初からそれを出せよ…
ヤフォダ:
これが「もったいぶる」ってやつさ!姐さんも同じようにこれで「奥の手」っぽさを演出するんだ。おバカなやつなんかは、これだけで「さすがだ」って褒めちぎってくる!
パイモン:
おまえ、いろんな人にケンカ売ってるけど大丈夫か…
ラウマ:
私はそなたの腕を信じておるぞ。人をたぶらかすような手段を使わずとも、実力で私たちの信頼と賞賛を勝ち取れるとな。
ヤフォダ:
(へえ~!このツノ女、見る目あるな…別のあだ名に変えてやっか。)
ヤフォダ:
えへへ…鹿ねえ…本当にそう思ってくれてんのか?
ラウマ:
ああ。
ヤフォダ:
すんばらしい雇い主様だ!もう今から上手くいく予感しかしない!
ヤフォダ:
いいか、「ヤフォダプラン」は工場の東側の貨物用通路から潜入するんだ!
ヤフォダ:
そこは目立たない上に、夜は警備も手薄。いざという時のために秘密道具も用意しておいた。
ヤフォダ:
あと不要なトラブルを避けるために、行動は全員一緒にだ。みんな、あたいにしっかりついてきてくれよ。
パイモン:
おお、なんだか急に頼もしく思えてきたぞ。
ヤフォダ:
おいおい、まさか「こいつ頼りにならなそうだな」とか思ってたのか!?
パイモン:
ちょ…ちょっとだけな。
ヤフォダ:
ぐぬぬ…!ふん、まあいい、許してやる。優秀なトレジャーハンターは、腕前を疑われたくらいじゃ、なんとも思わないからな…
ヤフォダ:
とりあえず、昨日の話し合いのおさらいをしとこう——
ヤフォダ:
今回、クーヴァキ実験設計局に潜入する目的は、ファデュイが盗んだ聖物を見つけて、それを取り戻すことだ。
ラウマ:
それと同時に、ファデュイが実験設計局を作った目的も調べる。ヒーシ島の古月の遺骸を狙っておらぬか気がかりなのでな…
ヤフォダ:
よし、確認は以上!準備ができたら、出発だ!
準備ができたらヤフォダと会話する
ヤフォダ:
準備ができたら、出発だ!
ヤフォダ:
よーし、サクッと終わらせよう!
ファデュイの実験設計局に潜入する
ヤフォダ:
やっぱりな。一番外側のドアだっていうのにもう磁気カード式のロックが使われてる——でもってここで、事前に用意しておいたカードの登場だ!
ヤフォダ:
(実際はくすねてきたもんだけど、細かい説明はいいよな?そもそも、あの人が勤務中に「フラッグシップ」で酔っぱらってたのが悪いんだし…)
パイモン:
おお!もしやそのカード、最高ランクの権限があるとか?
ヤフォダ:
もちろん!よく聞いてな——
ヤフォダ:
ファデュイ実験設計局183574番、最高権限…「見習い整備士」。
パイモン:
見習いが最高権限を持ってるわけないだろ!
ヤフォダ:
見習いを舐めるなよ!大海賊だって、最初は見習いから始めるんだからな!
ヤフォダ:
あの「見習い様」が気前よく譲ってくれたおかげで、あたいらは呑気にお喋りしながら、堂々と中に入れるんだ。忘れるなよ?
パイモン:
話をそらされた気がするぞ…
ヤフォダ:
ふふん、トレジャーハンターの生存術・その1——
ヤフォダ:
「あらゆるものを最大限活用せよ」だ!
適したルートを選択して潜入を続ける
ヤフォダ:
…なるほど。今、あたいの頭の中の電球がピカーンと光った!
パイモン:
なんかわかったのか?
ヤフォダ:
「青の電球」は左の道を行くように言ってる。ただ隠しルートだから、ちょっと回り道になるかもしれない。
ヤフォダ:
で、「赤の電球」は正面を進めって言ってる。こっちを選ぶと、おそらくチャージ中の守衛ロボを十数体倒さなきゃいけない…
ヤフォダ:
「警戒モード」から「訓練モード」に切り替えて、強さをいくらか下げることはできるけど、戦闘は避けられないだろうな。
パイモン:
「スリープモード」とかはないのか?
ヤフォダ:
このカードは「見習い整備士」だって言っただろ。だからそういうのにはまだ時間が必要なんだ。見習いを困らせないでやってくれ!
ヤフォダ:
(今はまだ入口に近いし、ロボットたちの強さを見れば、こいつらも諦めて帰るだろ…)
ヤフォダ:
コホン。あたいは「赤」をおすすめする。戦闘担当じゃない身からしたら、歩く距離は減ったほうがいいしな。
ラウマ:
やむを得ない場合を除いて、武力に頼るのは避けたほうがよいだろう。
旅人:
今回「ヤフォダプラン」はないの?
ヤフォダ:
「ヤフォダプラン」は——日が昇る前に急いで帰って寝ようだ!奥に行けば行くほど危険は増してく…今ならまだ引き返せるからな!
ヤフォダ:
あーあ、分かったよ。
ヤフォダ:
そうそう。絶対、偵察ユニットに見つからないようにな!
ヤフォダ:
どれどれ…お、あった!イネファから似たような技術を聞いたことある。まさか、あのポンコツに助けられる日が来るなんてな…
ヤフォダ:
こうやって端末を操作すれば、対応する偵察ユニットの位置を動かせるんだ。
ヤフォダ:
必要に応じて、これで道を切り開こう!おし、そろそろトレジャーハンターの生存術・その3を伝授する頃合いだな!
ヤフォダ:
「臨機応変に!」
パイモン:
「その2」はどこいったんだよ?
ヤフォダ:
ん?言ってなかったっけ?しまった、忘れてた!
ヤフォダ:
えーっと…その2も、その1と同じだ!
パイモン:
確かに「臨機応変」だな…
適したルートを選択して潜入を続ける
ヤフォダ:
シッ——誰かいる。
スニェヤナ:
ドアロックのプログラムは実行した?急いでちょうだい。貨物はもう全部移したから。
スィエーモミシル:
はい、完了しております。ロックも確認済みです。
ヤフォダ:
チッ、ついてないな…いつもは昼間に荷物の受け渡しを済ませて、夜は無人のはずなのに。よりによって夜勤がいるなんて…
ヤフォダ:
(雇い主たちもこんなに頑張ってんだし、撤退を提案するわけにはいかない…何とかしないと…くぅ~、頭をフル回転させろ!)
ヤフォダ:
…そうだ!上層に繋がる貨物通路があったはず!そっちに回ってみよう。
ヤフォダ:
ええと…あれ?真ん中の偵察ユニットをコントロールできない?二重で保険をかけてるのか…くっ…やられた!
ヤフォダ:
落ち着け…一つひとつ対策を練ってこう…まず向こうに行くには…
機械端末を操作し、貨物通路の入口へ向かう
パイモン:
どうすんだ?ここにも見張りがいるぞ。
ヤフォダ:
心配すんな。機械相手なら人間よりずっとやりやすい。行動パターンを予測できるからな。
ヤフォダ:
まずは安地を確認しよう…よし、あそこなら注意を引かずに済むはずだ…行こう。
ヤフォダ:
ここはあたいに任せてくれ…端末を使って、あいつらをどかすためのコマンドを送ってみる…
ヤフォダ:
安全確認に関する問題を十個も解けって!?冗談だろ!?
ヤフォダ:
そんなに期待してくれてんのか?くっ…じゃあ…がんばってみる…
ヤフォダ:
先に言っとくけど、不正解を選ぶと警報が鳴るかもしれない。分からない問題があったら、強制終了するから…
旅人:
うん、がんばって。
ヤフォダ:
(ふぅ…ヤフォダ、やったれ!)
ヤフォダ:
第一問「我らの旗は…」——うん、これは聞いたことある…
ヤフォダ:
第五問「実験設計局を統括する執行官の名前は…」——「サンドローネ」っと…
ヤフォダ:
んーと…この答えは「蒼星の聖勅」だな。姐さんの情報提供者が前に言ってた。
ヤフォダ:
最終問題「制限時間内に社員番号を入力」!?え、えーっと…183574…確認っと!
ヤフォダ:
全問正解…奇跡だな。
パイモン:
やるじゃんか、ヤフォダ!これでおまえも立派な「見習い整備士」だな!
ヤフォダ:
次の就職先ってこと?ははっ、ないない、ファデュイなんてごめんだね。
ヤフォダ:
コマンドを受け取ったロボットが別の場所に移動した。今のうちにここを通ろう。
端末に近づく
ヤフォダ:
まさか、クーヴァキのエネルギー供給を断ってるなんて…いくらなんでも用心深すぎる…
ヤフォダ:
緊急チャージでクーヴァキを送れれば、強制起動できるかもしれない。
パイモン:
緊急チャージ?強制起動?
ヤフォダ:
うーん…どう説明したらいいかな。たとえば…バケツの中の水を一気に池に流し込むような感じ?そしたら、アヒルちゃんがそこを泳げるようになる…みたいな?
ヤフォダ:
あーいや、やっぱアイノに聞いてくれ…
パイモン:
ってことは、バケツを探せばいいんだな?その説明、わかりやすいと思うぞ。子供っぽくて可愛いしな!
ヤフォダ:
最後の一言は余計だ!
ラウマ:
探しておったのはこれか?
ヤフォダ:
そうそう、それそれ。どこにあったんだ?
ラウマ:
先の戦闘でこれからクーヴァキを感じた。ロボットから供給された予備のエネルギーかもしれぬ。
ヤフォダ:
力があれば、いろんな問題を解決できるんだな…くそっ、なんであたいはこんなに弱いんだ!
ヤフォダ:
あっ、思わずつい…あはは、気にしないでくれ。
パイモン:
「バケツ」…「バケツ」…どこにあるんだ?
ラウマ:
ここ一帯でクーヴァキが比較的濃いのは…あそこだ。
ヤフォダ:
おおっ!鹿ねえって、そんなこともできるのか?すごいな!
ヤフォダ:
まずは、こいつらの頭についてる偵察ユニットを取り除こう!
ファデュイ実験設計局の上層へ向かう
パイモン:
ここ、ずいぶん暗いな…
ヤフォダ:
貨物用のコンテナの中だからな。こんな状況だし、贅沢は言ってらんないよ。
ヤフォダ:
ひゃわっ!な、なんだ、背中に何かが!?
ラウマ:
あっ…すまない、私の角だ…天井が低くてな、かがもうとした拍子に…
パイモン:
こういうとき、角があると不便だな…
???:
ガタンッ!
パイモン:
うわっ!なんだ!?
ヤフォダ:
(さっそくトラブル!?)
ヤフォダ:
コ…コホン。緊急チャージじゃ限界があるみたいだ。この高さまでしか送ってくれないっぽい。
ヤフォダ:
(気まず…これ、報酬を減らされるんじゃ…姐さんが決めたルールだと、ミスした分だけ給料から天引き…となると今回は…あ、いや、もうクビになってんだった…)
ラウマ:
動かなくなったようだ。
ヤフォダ:
が、外壁の通気ダクトを辿れば…その入口を見つけられるはずだ。安心しな、すべてあたいの…想定内だから!
通気ダクトに入る
ヤフォダ:
っ!?
???:
ダンッ!!
パイモン:
ヤフォダ!?なんでおまえだけそっちに!
ラウマ:
閉まる直前に飛び出したようだ…尋常ではない速さであった。さすがは秘聞の館の元従業員といったところか…
ヤフォダ:
ごめん!身体が反射的に動いて!あたいのせいじゃないんだ!
ヤフォダ:
とにかく、そこから動かないで。何とかするから…
ヤフォダ:
近くに端末があるな。ちょっと待っててくれ!
ヤフォダ:
…ええと、今ってあたいの声が聞こえてるか?
旅人:
うん、聞こえる。
ヤフォダ:
その通路は今セキュリティモードになってて、侵入を感知したから扉を閉じたみたいだ。
パイモン:
つまり、オイラたち捕まったってことか?
ヤフォダ:
どうにかできないか調べてみる…あっ、前方のレーザーに気を付けてくれ!
パイモン:
レーザー?
ラウマ:
……
パイモン:
レーザーって今のか…動かなくてよかったぞ…
ヤフォダ:
了解、そっちの状況は把握した!ちょっと待っててくれ…
ヤフォダ:
…ふぅ、やっと終わった。聞いてくれ、こっちから通路内部のクーヴァキの向きを調整できるようにした。
ヤフォダ:
その力をうまく利用すれば、レーザーを回避できるはずだ!
パイモン:
なるほど、なんとなくイメージできたぞ!
ヤフォダ:
でもこっからだと、あんたたちのいる場所を観察できない…どうしたらいいか教えてくれ、それに合わせるから。
通気ダクトを通り抜ける
パイモン:
反対側まで来れたぞ!さすがヤフォダだぜ!
パイモン:
でも扉は閉じたままだな…どうやって合流するんだ?
パイモン:
ヤフォダ——
ヤフォダ:
「確認しました。通路内に異常はありません。」「確認しました。」「確認しました。」「確認しました。」
ヤフォダ:
あーもう!しっかりしろ、このポンコツ!アホ端末!役立たずー!
ヤフォダ:
は?権限が足りないだって!?あんたに言われる筋合いはないっての!
ヤフォダ:
このっ!…~~~~っ!
ヤフォダ:
(臨機応変にだ…ヤフォダ。雇い主たちが自力でどうにかできたらいいけど、人に頼ってばっかじゃダメだ。あたいがなんとかしないと…)
ヤフォダ:
(落ち着け、冷静に…)
ヤフォダ:
(セキュリティモードを解除するには、上級整備士のカードを手に入れる必要がある。)
ヤフォダ:
(中央エリアに出入りできるのは上級整備士だけ…きっとスペアキーを植木鉢に隠すようなズボラなやつがここにだっているはず…)
ヤフォダ:
(制御室のどっかにカードのコピーがあるかもしれない!)
ヤフォダ:
(もし制御室に入れなくっても、外からどうにかできないかな?…そうだ、もし警備ロボを操れたら、カードを探すのに役立つかも!)
ヤフォダ:
ひとりぼっちで何にも持ってないのに、大した度胸だな、あたいって…
ヤフォダ:
ははっ、でもだからこそ、思い切った賭けに出れるんだ!だって、それしか道がないから!
ヤフォダ:
よし、「確認」っと!
ヤフォダ:
…あたい、もしや天才?
ヤフォダ:
よく見える!ラッキー!
ヤフォダ:
ま、待った!こいつ、警備ロボじゃない…?
ヤフォダ:
お掃除ロボット!?
権限カードを手に入れる
ヤフォダ:
どれどれ…
ヤフォダ:
あった!…ん?
タルヴィッキ:
もう、まだ終わってないの?床の掃除は?
ヤフォダ:
(カードが目の前にあるのに…!)
ヤフォダ:
(仕方ない。ここはガマン…)
仲間たちと合流する
パイモン:
ヤフォダ、大丈夫かな?
ヤフォダ:
(パイモン!?)
ラウマ:
「あらゆるものを最大限活用する」、そう言ったヤフォダさんを信じよう。ナド・クライを生き抜くすべに関しては、私たちよりも長けておるはずだ。
ヤフォダ:
(そこまで信用してくれてるなんて…)
パイモン:
でも、いつまでここで待てばいいんだ?下に行きたいけど、ファデュイに見つかるのは怖いし…
ヤフォダ:
部屋にいるあの二人のことかな?あいつらの注意をそらす方法があれば…
パイモン:
ん?今、音がしなかったか?
旅人:
ひとまず様子を見よう。
タルヴィッキ:
警報?何かあったのかしら?
プロホル:
確認しよう。
旅人:
今のうちに!
パイモン:
重要な場所っぽいのに、なんにもないな…
ヤフォダ:
ふぅ、おまたせ!
パイモン:
ヤフォダ、大丈夫だったか?
ヤフォダ:
へーきへーき!
ヤフォダ:
上級整備士のカードを手に入れたよ。さっきの警報は警備員を引き離すためにあたいが鳴らしたんだ。さ、急ごう!
ヤフォダ:
よし…操作できる!
ヤフォダ:
リフトに乗って降りよう。
潜入を続ける
パイモン:
誰もいないみたいだ。
ヤフォダ:
そりゃ好都合。入ってみよう!
ラウマ:
おそらく、ここはファデュイ特務隊の休憩室だろう。
ヤフォダ:
ん?端末が光ってる?
ヤフォダ:
……
ヤフォダ:
あはは…「好都合」っていうのは撤回だ…
パイモン:
どうしたんだ?
ヤフォダ:
さっきあたいが鳴らした警報だけど、警戒レベルの高いやつだったらしく、この休憩室にいた警備員が全員出動したみたいなんだけど…
パイモン:
だけど?
ヤフォダ:
連中、どうやら偽の警報だって気づいて引き返してるっぽい。あたいたち、このままじゃ袋のネズミだ!
ヤフォダ:
と、とにかく急ごう!調べたいことがあるなら、あたいが検索する。
ヤフォダ:
…「月髄より取り出したクーヴァキから推測するに…このエネルギーコアはかつての月の三女神と深い関係があるのかもしれない…」
ヤフォダ:
「そして、霜月の子が所蔵する聖物は、砕け散った『恒月』と何らかの関係がありそうだ…」
ラウマ:
……
ヤフォダ:
いや、そんなことより肝心の「月髄」はどこに隠してあるんだ!
ヤフォダ:
…「関連情報を閲覧する権限がありません。」
ヤフォダ:
「上級」でもダメなのか!?いったいどの権限ならいいんだよ!
旅人:
もう大丈夫…
ヤフォダ:
今の権限じゃ、これ以上の情報は見れなそうだ…
ラウマ:
しかし、ここまでの情報から推察するに、下の巨大空洞にさらなる研究成果が隠されておるのだろう…
ラウマ:
それに、下の水から何かを感じる…
パイモン:
もしファデュイが月髄を持ってるなら、同じように下に隠してるんだろうな。
ヤフォダ:
(うぅ…ここまで来ればゴールだと思ったのに、もっとヤバイところに行くのか…)
ヤフォダ:
(はぁ…あと少しだ、ヤフォダ!これが片付いたら、ご褒美に特大サイズのナド・クライ・ホットドッグを食べよう!)
下の階に行く
ヤフォダ:
このレバー、やけに目立ってるな…なあ、引いてみてくれよ。
パイモン:
最初に見つけたのはヤフォダだろ?
ヤフォダ:
あたいはあくまで案内役。今はあんたたちのために撤退ルートを探すことくらいしか役に立てないよ。
ヤフォダ:
(さすがに宝箱は期待しちゃいないけど…さて、鬼が出るか蛇が出るか…)
ヤフォダ:
(今回、煙幕は持ってきてないし…ここは生存術その2「石橋を叩いて渡る!」だ。)
旅人:
俺がやるよ。
???:
ゴォオオオ——!!
ヤフォダ:
な、なんだ…揺れてる!?
ヤフォダ:
あれは…
パイモン:
水の下に…さらに空間が?
ヤフォダ:
おいおい、マズいって…あたい、ファデュイのブラックリストに載っちゃうんじゃないか…
パイモン:
心配すんな、ヤフォダ!いっぱい手伝ってもらったし、もしいじめるやつがいたら、オイラたちが助けてやるぞ!
ヤフォダ:
……
ヤフォダ:
じょ…冗談だって!ファデュイごときにビビるわけないし!あたいは強いんだ!まだ出番がないってだけで…
ラウマ:
聖物はおそらく下に隠されておる。ヤフォダさん、そなたの仕事はここまでだ。
ラウマ:
協力に心から感謝する。この先はより危険が伴うだろう。同行はよい。
ヤフォダ:
……
ヤフォダ:
あたいも行く。
ヤフォダ:
仕事とか危険だからとか、もう関係ない…今さら引き返すのも寝覚めが悪いし、とにかくあたいも一緒に行く!
パイモン:
顔がちょっと赤いぞ?
ヤフォダ:
う、うう、うっさい!おい、そんなじっと見んな!い…行くぞ!
下の空間に入る
パイモン:
すっごく深いな…いったいここ、どこなんだ?
ラウマ:
……
ラウマ:
…私たちが今立っておるのは、ナド・クライにあるもう一つの「古月の遺骸」の上だ。
ラウマ:
(先ほど感じたクーヴァキの正体は、これだったのか…)
パイモン:
えっ!水の下に隠してたってことか!?こんなでかいのかよ!?
ヤフォダ:
……
パイモン:
ヤフォダ、さっきからだんまりだけど、どうしたんだ?
ヤフォダ:
えっ!?そ…そうか?あはは…何でもないから気にすんな…
ヤフォダ:
(まずい。上に戻る方法を考えてなかった!)
ヤフォダ:
(持ってるロープじゃ長さが足りない。こんだけの騒ぎを起こして見つかったら、タダじゃすまないぞ!)
金属の扉:
……
ヤフォダ:
ひぃっ…!
パイモン:
扉が開くぞ!まさかファデュイか!?
ヤフォダ:
(ああ!やっとここまで来れたってのに…稼いだモラも使えずにおしまいだなんて嫌すぎる!)
金属の扉:
……
ラウマ:
……
???:
…どういうこと?水の障壁が解除された?
ラウマ:
……!どうして…
ウィルミナ:
えっ!ラウマ様?それにあなたたちまで…
ラウマ:
ウィルミナ…どういうことだ?
ウィルミナ:
……
ウィルミナ:
これ以上…隠し通すのは無理そうですね…
パイモン:
なに言ってんだよ?
ウィルミナ:
予感はしていましたが…まさかこんなに早く来るとは思っていませんでした…ここに月髄はありませんので諦めてください。
ラウマ:
…ファデュイに入ったのか?
ウィルミナ:
…ええ、そうです。
ラウマ:
いつからだ…?
ウィルミナ:
嘘に塗れて生き続けるのが、もう耐えられなかったんです!
ラウマ:
……!
ウィルミナ:
最初、ファデュイはまったく取り合ってくれませんでした…でもある日、一人の執行官の目に留まり…機会をくれたんです…
ウィルミナと会話する
ウィルミナ:
はぁ…また見失ってしまった…
ウィルミナ:
(もし金髪の旅人が霜月の子を訪れたら、あとをつけるようにとあの執行官に言われたけど…)
ウィルミナ:
(…正直、上手くいく気がしない。とりあえず夜は動物の感覚が鋭くなるから、気を付けないと。じゃなきゃ、ラウマ様に気づかれてしまう…)
ウィルミナ:
(…本当にこれでいいんでしょうか?)
ウィルミナ:
(でも、もう後戻りはできない。届かない祈り…カプイの執拗な信仰…私は、そんな生き方したくない…)
ウィルミナ:
(ん?あれは…さっきの旅人!今度こそ見失わないようにしないと!)
ウィルミナ:
(隣にいるのは誰?雰囲気が似てるけど…クータルの神像のほうへ行ったわ…)
ウィルミナ:
(えっ…秘所が開いた!?そんな…封印されているはずなのに!?)
ウィルミナ:
…秘所の中には月髄がある…
ウィルミナ:
(まさか月髄を狙ってるの?早く報告しないと…)
ウィルミナ:
いや…
ウィルミナ:
(もしあの人たちが最後の部屋にたどり着いたら…ファデュイがずっと探している聖物を、私が横から奪えるかもしれない…)
ウィルミナ:
……
ウィルミナ:
(盗まれるぐらいなら…ファデュイに入るための道具にさせてもらう…)
ウィルミナと会話する
ラウマ:
……
ウィルミナ:
はい。あなたたちが最後に迷ってくれたおかげで、こちらも助かりました…
パイモン:
聖物をファデュイに渡したのはおまえだったのか…
パイモン:
でも…オイラたちと話してたとき、ラウマのことを心配してたよな?
ウィルミナ:
ええ。私と同じように、今の霜月の子の状況に絶望していると思ったからです。
ウィルミナ:
ラウマ様、私たちは共に育ちました。ですが、幼くして次の「詠月使」に選ばれたあなたには、選択の自由すら与えられなかった。
ウィルミナ:
あの子を治療していたとき、あなたの目に浮かんだ戸惑いを覚えています…その古い血筋に刻まれた信仰は枷でしかありません。あなたもそう思っているのでしょう?
ウィルミナ:
応えてくれない信仰に、どうして祈り続けることができるのですか?あなたがそこまでする価値はあるのですか?
ウィルミナ:
それとも…ただ与えられた「責任」に縛られているだけなのでしょうか?
ラウマ:
……
ラウマ:
霜月の子を離れた理由は、それですべてか?
ウィルミナ:
足りないとでも言うのですか!?
ラウマ:
…霜月の子が月に祈るのは、遠い昔に我々に命を授けてくれたことを感謝するためであり、その崇高な心を忘れぬためだ…
ラウマ:
だが、そなたが聞きたいのはそういうことではないだろう…確かに、私にはまだ言っておらぬことがある。
旅人:
(ラウマ…)
ウィルミナ:
やはり、あなたは詠月使になんてなりたくなかったんですね?
ラウマ:
いや、私が黙っていたことは——空に浮かぶ月が偽物だということだ。
ウィルミナ:
えっ…?どういうことです?
ヤフォダ:
(はぁ、何の話だかさっぱり…そもそも今ここで話さなきゃいけないことなのか?こんなことしてるうちに、もし執行官が来たらどうすんだ!さすがに太刀打ちできないだろ!)
ラウマ:
そなたが感じた私の苦痛は…この真実を隠してきたことによる苦痛だ。
ウィルミナ:
…もしそれが本当なら、霜月の子たちが信じないことも知っているはずです。どうして私と同じように離れなかったのですか?
ラウマ:
まだ分からぬのか?それがそなたと私の違い——私は霜月の子という家を大切にしたいのだ。
ウィルミナ:
……
ラウマ:
だからこそ、この苦痛を抱えてでも隠すことにした…だが、これは間違いだったようだ…
ラウマ:
「家族」には真実を知る権利がある。偽りの祈りで、そのすべてを維持させるべきではなかった…
ウィルミナ:
ふん…私が自分のことしか考えていないと、そう言いたいのですか?
ラウマ:
そなたが霜月の子を離れる決断をしたこと、それ自体は否定しない。誰にも止めることはできぬ…だが、決して「裏切り」という形で去るべきではなかった。
警告音:
……!
パイモン:
おい、バレちゃったみたいだぞ!
ヤフォダ:
(あーやっぱり!!どうすんだ…執行官なんか出てきたら終わりだぞ!そうなったらとにかく逃げないと…仕事よりも命が大事だ…)
ウィルミナ:
…あなたのことを誤解していたようです、ラウマ様。運命に抗えないだけだと思っていました。
ウィルミナ:
あなたは…素晴らしい「詠月使」です…
ウィルミナ:
ですが、あなたの言った通り…私はもうずっと前から、ヒーシ島を家だなんて思っていません…
ヤフォダ:
おいみんな、そろそろズラかろう!
ラウマ:
ウィルミナ…私が霜月の子を変えてゆく。新たな月が昇る時が、その始まりとなるだろう。
ウィルミナ:
ふふっ…私は見られそうにありませんけどね。
ウィルミナ:
ラウマ様、霜月の子を裏切った者はどのような処分を受けるのでしょう?
ラウマ:
……
ラウマ:
「…銀の刃でその角を切り落とされ、角を失った者は、光なき夜へと投げ込まれる。」
ウィルミナは刃物を握りしめ、激痛に堪えながら自分の双角を切り落とした。
ウィルミナ:
くっ…うぐっ…ああああっ!!
パイモン:
……!
ウィルミナ:
はぁ…はぁ…霜月の子の習わしに従うのもこれが最後…ラウマ様、これはあなたへの敬意の証です…
タルヴィッキ:
あそこよ!
パイモン:
ラウマ!
ラウマ:
……
ウィルミナ:
月髄は「傀儡」が持っています…スターダストビーチへ向かいました…
ウィルミナ:
勘違いなさらないでください。罪滅ぼしとかじゃありません…あなたに霜月の子を変えられるとは、思っていないからです…
スターダストビーチへ向かう
「傀儡」:
(…あら?警報…実験設計局から?)
「傀儡」:
ふーん…面白い。
「傀儡」:
アナタたち、仕事が一段落したらおもてなしの準備をしておいて。お客さんが来るかもしれないわ。
アールト:
承知しました!「傀儡」様。
「傀儡」:
ちょうど退屈していたところだし、興味深い方程式がいくつかあったから、検証させてもらおうかしら。
ヤフォダ:
その、ボス——雇い主様!ちょっとお待ちを!
ヤフォダ:
一度出直すのもありなんじゃないか?ええと、ナシャタウンはどっちだっけかな?…あっちだったか…ひぃっ!
「傀儡」:
ワタシの「演算」結果よりも少し早かったわね。ようこそ、お客さん。
ヤフォダ:
(あ、ああ…ほんとに「執行官」に出くわしちゃった!)
ラウマ:
「傀儡」…
パイモン:
やっぱりここにいた!霜月の子の聖物を返せ!
「傀儡」:
それって…あの角の生えた裏切り者から譲り受けた品のこと?
「傀儡」:
ふふ…簡単に手に入る戦利品は好みじゃないけれど、アナタたちがそれを追いかけて右往左往する姿を見るのは実に愉快ね。
ラウマ:
…今日は警告だけでは済まさぬ。
「傀儡」:
あら、怖い。もし「振動」機能が付いてたら、ネジがぽろぽろ落ちていたかもしれないわ。
「傀儡」:
それとも、ワタシの「ユーモア」の基準が高すぎて、アナタの「冗談」に気づけなかっただけかしら?
「傀儡」:
まさか、本気でワタシに勝てると思っているの?
「傀儡」:
さあ、まずは「オードブル」から始めましょうか。
旅人:
(……)
「傀儡」:
……
「傀儡」:
聞こえないの?おもてなしを…
パイモン:
ど…どういうことだ?
ラウマ:
…いけない!警戒を!
ラウマ:
「ワイルドハント」が来る!
みんなと会話する
パイモン:
…終わったのか?
ヤフォダ:
ふぅ…少なくとも「ライトキーパー」の手帳にはそう書いてあった…
ラウマ:
……?
ラウマ:
いや、警戒を緩めてはならぬ!
旅人:
(…どうなってるんだ?アビスの力がさっきより強くなってる…)
旅人:
(ナド・クライの「ワイルドハント」——目的はいったい…?)
旅人:
……!パイモン!ラウマ!ヤフォダ!
旅人:
(返事がない…早くみんなを見つけないと…)
声の出所を探す
蛍:
お兄ちゃん…!ここだよ!
旅人:
…!蛍!
蛍:
手を掴んで!
旅人:
……!
旅人:
……
蛍:
お兄ちゃん…!どうしたの!?
旅人:
…なんで…蛍がここに?
蛍:
…え?
ラウマ:
そなたは…「家族」とはどうあるべきだと思う?
旅人:
蛍…あの夜、なんで霜月の子の月髄を盗もうとしたの?
ラウマ:
…共に入った者の中に不純な動機を持つ者がいたか、あるいは…アビスが混じっていたか。
蛍:
そんなこと言ってる場合じゃないよ!
旅人:
答えて、蛍。
旅人:
(…そんなはずない…)
蛍:
テイワットで一緒に目覚めてから、こうして肩を並べて戦うのは二回目だね。
旅人:
……!違う…
蛍:
…お兄ちゃん?
蛍:
やっとのことで見つけた時、お兄ちゃんはまだ目覚めてもいなかった。スリープポッドの鍵も、ちゃんとお兄ちゃんのもとにあった。
旅人:
俺たちは…一緒に目覚めてない…
蛍:
何言ってるの?もう時間がないよ、お兄ちゃん!
旅人:
……
蛍:
お兄ちゃん、こっちを見て。
蛍:
私と一緒に冒険したくないの?
旅人:
……!
movie
昨夜の冒険が瞬時によみがえったが、あの温かな思い出も、致命的な矛盾を隠すことはできない…認めざるを得なかった——目の前にいる蛍の姿をした者は、偽りの幻影なのだと。ゆっくりと剣を構え、見知ったその顔に向けた。 一方、ラウマとヤフォダもワイルドハントの魔物たちを相手に激しい戦闘を続けており、戦況は膠着状態に陥っていた。 ラウマが古く神聖な呪文を唱えると、発生したクーヴァキが彼女のほうに集まってきた。やがてラウマは溜めた力を一気に解放した。すると、蒼緑の枝が黒い霧の中で成長し、魔物たちを浄化したのであった…
パイモン:
おーい!大丈夫か!
ヤフォダ:
ああ…もうおしまいかと思ったぞ…鹿ねえのおかげで助かった…
ラウマ:
…?旅人、大丈夫か?
旅人:
(……!)
旅人:
うん…
「傀儡」:
はぁ…どいつもこいつも…恥をかかせてくれるわね。あんなものに手こずって…
ヤフォダ:
(やばっ!執行官のこと、忘れてた!)
パイモン:
あっ…!あれ…月髄じゃないか!?でっかい機械の中に隠してたんだ!
パイモン:
でも…あの機械…
「傀儡」:
ちっ…機械なんかじゃない。「プロンニア」よ。
「傀儡」:
…あげるからさっさと消えなさい。
ラウマ:
……!
パイモン:
えっ?ほ…本当にくれるのか?
「傀儡」:
元々ワタシが探させたわけじゃないもの…欲しければ自分で奪いにいくことね。こんな陰気臭いもの、ワタシはごめんだわ…
旅人:
(つまり…別の「執行官」が「月髄」を欲しがってる?)
「傀儡」:
いつまで突っ立ってるつもり?ワタシの気が変わるのを待ってるの?もう一戦やってもいいわよ。ちょうど気がたってるから。
ラウマ:
…行こう。
ヤフォダ:
お、おう!あたいも賛成だ。
「傀儡」:
……
ヤフォダ:
はぁ…やっと終わった…今年一のスリリングな依頼だった…
ラウマ:
周りに…ファデュイは…もういないな…うっ…!
パイモン:
ラウマ!
旅人:
(たしかラウマは…普段は力を抑えてるって言ってた。もし全力を出せば…)
ラウマ:
大丈夫だ…しばらく本気で「月」に触れていなかった故…
フリンズ:
おや、近くでワイルドハントの気配がしましたが…もしかして、もう片付けましたか?
パイモン:
おまえは…フリンズだよな!
ヤフォダ:
(ああ…あのライトキーパーか。)
フリンズ:
たしか…あなたは「霜月の子」の「詠月使」ですよね?…ところで、その手に持っているのは…
ラウマ:
……
フリンズ:
ああ、誤解しないでください。最近ワイルドハントの跡を追っていたのですが、奴らの行動には何か目的があるんじゃないかと思うことがありまして。
フリンズ:
あなたが持っているものをみて、ある推測が浮かんだんです。
旅人:
(そういえばあの夜、蛍…いや、ワイルドハントも、俺を利用して月髄を手に入れようとしてたな…)
旅人:
(念のため、情報共有しておこう…)
パイモン:
フリンズ、今回の「ワイルドハント」、人の姿に化けてくるやつとかもいるから気をつけろよ。
フリンズ:
へえ?しかしそれならば——急に現れた僕をそう簡単に信じていいんですか?
パイモン:
……!
フリンズ:
…失礼。くだらない冗談でしたね。
フリンズ:
知らせてくれてありがとうございます。今回のワイルドハントはどうもこれまでとは違う気がしますね…さっそく本部に報告します。
フリンズ:
それでは、僕はこれで。
旅人:
(やっぱり…なんか変わった気配がする…)
ラウマ:
ふぅ…
旅人:
(ラウマ…?もしかして、ずっと彼を警戒してた?)
パイモン:
びっくりしたぜ…ナド・クライのライトキーパーって、みんなあんな感じなのか?
ヤフォダ:
あいつらの駐屯地って人里から離れたところにあるし、あまり人付き合いもないはずだ…それであんな風になったのかもな。
ラウマ:
いや、彼は違う…
パイモン:
え?なにが違うんだ?
ラウマ:
動物たちが言っておる。彼には近づけぬと…
「秘聞の館」に戻る
ネフェル:
お帰り。ちょうどお茶が入ったから、熱いうちにどうぞ。
ヤフォダ:
ネフェル姐さん!今日はとんでもない日だったんだぞ!もう無茶な依頼は受けないからな!
ネフェル:
何言ってんだい?あのワイルドハントもやり過ごしたんだから、もう怖いものなしだろう?
パイモン:
…なんで知ってるんだ?ああ、そっか…さすが秘聞の館、情報が早いな…
ヤフォダ:
あれ?姐さん…カップが一個足りないよ…もしかして…あたいが帰ってこれないと思ってたのか!?
ネフェル:
おっと、そんな風に思われるなんて心外だね。ウチのルールは知ってるだろう?——従業員はお茶を飲みたくなったら自分で淹れること。あんたのカップは棚にちゃんとあるよ。
ヤフォダ:
従業員…?じゃ…クビは取り消し…?
ネフェル:
約束しただろう?
ヤフォダ:
姐さん…!やっぱり姐さんは最高だー!
ラウマ:
……
ネフェル:
あんたは昔からそうだ。ものも手に入って、めでたしめでたしなのに…独り浮かない顔だね。
ラウマ:
ネフェル、前に言っておったクーヴァキ適応欠陥症の薬がほしいのだが。
ネフェル:
こんな夜中にどうやって探せっていうんだい?明日まで待ってくれ。
ラウマ:
今すぐ必要なのだ。
ネフェル:
……
ネフェル:
分かった、何とかしよう。でも、急ぎってことは「追加料金」だよ。
ラウマ:
ありがとう…
ネフェル:
…ん?あんた、なんか前と変わったね。
ラウマ:
いいほうに?それとも悪いほうに?
ネフェル:
ハハッ、そうだな——いいほうじゃないかい?今後あたしにひどいリクエストをして来ないならね。
ラウマ:
…旅人、パイモン。この二日間、いろいろあったが…そばにいてくれてありがとう。
パイモン:
気にすんなって。当たり前のことをしただけだ。
旅人:
「家族」が応援してることも忘れないで。
ラウマ:
ああ…今夜、皆に真実を伝えようと思う。
パイモン:
今夜?でももう…
ラウマ:
月が空高くあがっている…霜月の子にとって、最適な夜ではないだろうか?真実を知り、新たな夜明けを迎えるべきだ…
ラウマ:
心強い…ありがとう。
ラウマ:
だがその前に、もう一つ解決せねばならぬことがある…
パイモン:
あっ…「月髄」だな。
ラウマ:
先程の戦いで力を使い切ってしまった。過去の答えをすぐに探してあげられそうにない…
パイモン:
大丈夫だぞ。オイラたちはしばらくはナド・クライにいるし、まだ時間はあるからな。
ラウマ:
ありがとう。
ラウマ:
もう一つの問題は…この月髄を今後どうやって保管するかだ。
パイモン:
えっ?おまえんところの秘密の場所に戻さないのか?
ラウマ:
封印はすでに破られてしまっておる。一度潜入に成功したワイルドハントの者どもが、封印が修復された後も大人しくしておるとは考えられぬ…
パイモン:
たしかにそうだな…
ラウマ:
霜月の子の血筋が薄まる前は、特殊な状況で自らの体を容器にして保管した詠月使がいたが…
ラウマ:
本人の意志と能力に対する極度の試練であり…その詠月使でさえ、二日が限度だった…
ラウマ:
私の場合でも…せいぜい五日間だろう…
パイモン:
ええっ…自分の体を容器に?
ラウマ:
そう。熱した鉄の球を水の入った桶に入れるのと同じ。水がどこまで耐えられるかは、桶の容量次第…
ラウマ:
…何?
パイモン:
おぉ、そうだな!アビスにさえ強い耐性を持ってるわけだし、クーヴァキにも効果あるかもな。アビスよりはやばくないだろ?
ラウマ:
…そなたを信用しておらぬわけではないが…危険すぎる。
パイモン:
でも他に方法はないんだろ?試すだけ試してみるのはどうだ?
ラウマ:
……
ラウマ:
…分かった。傍におる故、何か異常を感じたらすぐに知らせてくれ。
旅人:
どうすればいいの?
ラウマ:
これを手に載せて——
ラウマ:
ここから放たれる力を感じ…想像するのだ。自分自身が湖面となり…星となり…月を包み込むイメージを持つ…
旅人:
(……)
パイモン:
うわっ…おぉっ!!か…体の中に入ってったぞ!
ラウマ:
どうだ?違和感はないか?
旅人:
…ぜんぜん。
旅人:
(ただ…「クーヴァキ」をもっとリアルに感じるようになった…)
旅人:
(目を閉じただけで…この世界の外の遥か遠くにあるものまで感じられる…なるほど…これが偽りの空の向こうにある「霜月」なのかな?)
ラウマ:
…不思議だ。余分な力の波動を感じられぬ。まるで…海に沈んだかのようだ…
ラウマ:
これなら「ワイルドハント」に気づかれる心配もないだろう…
パイモン:
…予想はしてたけど、おまえの体質ってほんとに不思議だな。
ネフェル:
…ん?あたし、何か見逃しちまったかい?
ラウマ:
うむ、「神業」をな。
ネフェル:
ふん、興味ないね。ほら、特効薬だ。今日はこれしかないが、また今度届けさせるよ。
ラウマ:
助かる。いつも世話になるな…
ネフェル:
…やめてくれよ。いまさら何水臭いこと言ってんだい。
ネフェル:
それで、あの時ワイルドハントで何があったんだい?当事者の口から聞きたい。
ネフェル:
ふーん…偽装する幻影か…確かに今までとはだいぶ違うね…
パイモン:
「月髄」のために二回も来てるんだ。明らかになにか目的があるぞ!
ネフェル:
それに、二回とも「ワイルドハント」を従えていたとなると…きっとその幻影は「ワイルドハント」と深い関係があるんだろう。
ラウマ:
真面目な顔…珍しいな。
ネフェル:
こんな遅い時間じゃ、頭が回らないからね。そんじゃ、あたしはこれで。今の問題はまた改めて考えるから——戸締りは頼んだよ。
ラウマ:
すまぬが、しばらく「月髄」を守っておいてくれるとありがたい。
ラウマ:
ナド・クライの「ワイルドハント」の問題が解決したら、「霜月の子」に返してくれ。
ラウマ:
無論だ。
ラウマ:
申し訳ないが、ヒーシ島に戻っていいだろうか。霜月の子に真実を伝えるために。
パイモン:
おう、オイラたちも一緒に行くぜ。心の中で応援することしかできないけど…
ラウマ:
それで十分だ…
ラウマと共にヒーシ島に戻る
マチェイ:
…何かあったんですか?
ヴァナモ:
分からないけど…「詠月使」様が、大事な知らせがあるって…
クネグンダ:
「聖物」、取り戻したんだってね。
ラウーハ:
さすがラウマ様じゃ…
ラウマ:
ふぅ…
旅人:
(思ったことを言えばいい。頑張って…)
ラウマ:
崇高なる「霜月の子」よ…月下の同胞たちよ…
ラウマ:
今ここに、真実を伝える……
ラウマ:
「古来より我々の血統を照らしていた美しき霜月は、今や天の外に隠れてしまった…」
旅人:
そう切り出したラウマは…心の中に隠していた真実を「霜月の子」に語り始めた…偽りの月、離れ去った神について…
ラウマ:
「クータルは月の中に生まれたが、それは我々が耕さず食し、織らずに衣を得て良いことを示してはいない…」
旅人:
話を聞き、目を瞠る人もいれば、何かを悟ったような人もいた…
ラウマ:
「…道は真実によって、我々自身の手によって切り拓くべきだ。」
パイモン:
…昨日の話を聞いた「霜月の子」たちはどうしてるんだろうな…
旅人:
心配で来たけど…
パイモン:
想像してたほど荒れてなかったよな。ラウマって、みんなに信頼されてるんだな。
パイモン:
あっ!ラウマだぞ!
ラウマ:
よく来てくれた…動物たちがそなたらの来訪を知らせてくれたのだ。
旅人:
その後はどう?
パイモン:
ショックのあまり、みんなの分の食事を一気に平らげちゃったやつとか、いないよな?
旅人:
パイモンじゃあるまいし…
パイモン:
場を和ませようとしてるだけじゃんか。
ラウマ:
ありがとう。
ラウマ:
一晩で新しい概念を受け入れさせ、変化を促すことなどできぬが…パイモンが言うような事態は起きていない。
ラウマ:
ただ…
パイモン:
た…ただなんだ?
ラウマ:
予想通り、「霜月の子」を去ると決めた者はいる…彼らにとって、信仰を失うことは家を失うことと同じなのだ。
ラウマ:
彼らの瞳に浮かんでいたのは…失意、無力感、戸惑い…
パイモン:
うぅ…
ラウマ:
だが、私は彼らの選択を尊重する。「霜月の子」の祝福と共に、どこまでも進んでゆけることを願っている。
ラウマ:
そして、いつの日かまた…同じ木の下で、物語を分かち合えればと思う。
旅人:
俺も願ってる…
ラウマ:
また一部の者は私のところへ来て、真実を告げたことへの感謝を述べていった…
ラウマ:
そして、以前は近寄りがたいと感じていた私の存在が…今は近く感じられるようになったと。まるで、友人や家族のように。
パイモン:
本当によかったな。ラウマの選択は間違ってないと思うぞ!
ラウマ:
ありがとう…
ラウマ:
…その——
ラウマ:
普段の私は…近寄りがたいのだろうか?
パイモン:
ま…まぁ、ラウマのことをあまり知らない人なら、ちょっとだけそう感じちゃうかもな?だって、みんなより背が高いだろ?鹿の角もあるし…
ラウマ:
そうか…
ラウマ:
困ったものだな。角は月の光を浴びるとさらに成長することもある…どうしようもないのだ…
ラウマ:
それなら、安心だ。
ラウマ:
「月髄」を取り込んでから不調はないか?
旅人:
うん、大丈夫。
ラウマ:
それならよかった。例の特殊な「ワイルドハント」については、二日後、ネフェルと対策を練ることにした。
ラウマ:
とりあえず今日は…ゆっくりしよう…
ラウマ:
「表の月」の下で過ごす感覚を、じっくり味わいたいものだ…