arrow_back 原神 クエスト
第四章 第四幕
胎動を諭す終焉の刻
待ち望んでいた休日がついに訪れた。情報収集に絶好の日であることは間違いない。あなたとパイモンは計画通りに行動し、メロピデ要塞の中で手がかりを探す…
パイモンと会話する
パイモン:
う~ん…もう朝か、まだ眠たいぞ。昨日の夜はいろいろあって大変だったな。
パイモン:
あれ、待った…そこにあるのって、まさか…
パイモン:
リネのカードだ!
パイモン:
なにが書いてあるんだろ…オイラが読んでみるな。
パイモン:
「きっとまだ知らないよね?今日は月に一度の『自由日』なんだ。だから、みんな働かなくていい。調査するにはピッタリの日だ。」
パイモン:
「ずっと連絡してなかったけど、そっちは何か進展あったかい?昼食の前に生産エリアのいつものところで落ち合おう。新しい情報を掴んだんだ。」
パイモン:
おお、ラッキー!今日はもともと休みだったみたいだぜ。
パイモン:
それにリネも調査がうまくいってるらしいぞ。いったい、どんな情報を掴んだんだろうな…
パイモン:
待ち合わせの時間までまだあるし、ここの人たちにもう少し話を聞いてみようぜ!
自由に調査する
パイモン:
おっ、あそこでおしゃべりしてる人たちがいるぞ。近くに行って聞いてみようぜ。
少し離れたところに一緒に座った…
落ち込んだ顔の囚人:
俺に言わせりゃ、上の連中はみんな貴族みたいに気取ってやがる。俺たち野良犬のことなんざ、誰も気にしちゃいないだろ?
獰猛な顔の囚人:
待て待て、私は野良犬じゃないぞ。私まで一緒にしないでくれ!
落ち込んだ顔の囚人:
そう慌てて否定すんなって。ここに入ったからには、みんな同じなんだからよ!刑期を終えてここを離れても、ロクな暮らしはできないって聞いたぜ。クサい飯を食ってきた連中が、普通のやつらと同じように生きられると思うか?
獰猛な顔の囚人:
…ふん、私は信じないからな。
落ち込んだ顔の囚人:
いっそ、この世界がいつか洪水に飲まれて、全員一からやり直すことになったらいいのに。
獰猛な顔の囚人:
おいおい、突拍子もないことを言うな!それに、外には私の家族がいるんだぞ!まったく、縁起でもない。
獰猛な顔の囚人:
いいか、確かに上は良くないところだ。けど、ずっとここにいられないわけでもない。聞いた話によると、刑期を終えてもここで働けるらしい。それだって、立派な生きる道だろ?
獰猛な顔の囚人:
水の上の世界とはオサラバってわけさ!ハハッ!
落ち込んだ顔の囚人:
…ったく、その自信はどっから湧いてくるんだ…そもそも、お前みたいなやつを雇ってくれんのかよ?何の取柄もないってのに…
パイモン:
う~ん…こいつら、「水の上」の世界にかなり不満を持ってるみたいだな…
パイモン:
そういえば、「水の上」「水の下」って言い方、地上じゃ聞かなかったよな。メロピデ要塞の囚人しか使わない言葉なのかな?
パイモン:
それもそうだな。
自由に調査する
パイモン:
おっ、あそこにも人がいるぞ。近づいて聞いてみようぜ!
パイモンは興奮しながら前に出た…
???:
だから、そういうことは元々…待った、君たち誰だ?急に近づいてきて、何を考えてる?
パイモン:
わっ、ごめん!もしかして…人に聞かれちゃまずい話でもしてたのか?
???:
なんだ、ははははっ、ただの馴れ馴れしいやつか。
???:
おい、こいつらが加わってもいいみたいな雰囲気を出すなって!ふん…まあいい、別に馴れ馴れしいやつは嫌いじゃない。良かったな。
旅人:
二人とも、いい人!
???:
はははっ、クスト、聞いたか?俺たちがいい人だってよ。
クスト:
で、その顔から察するに、何か聞きたい情報でもあるのか?おっと…だが、その前に僕は君たち二人のことを知ってるぞ…偶然にもな。
パイモン:
えっ?オイラたちって、そんなに有名なのか?
クスト:
あの公爵が直々に案内を買って出る人なんて、そういないからな。ここにいるやつらはみんな、多かれ少なかれ情報を集めてた。それで、君たちは何をやらかしたんだ?
パイモン:
あはは…えっと、ちょっとしたミスを…
???:
ちょっとしたミスか…ふっ、気に入ったよ、その言い方。このグループは、ポジティブなやつをいつでも歓迎してる。君たちは他のやつらと違うようだ。
パイモン:
グループ?
クスト:
僕はクスト、こいつはラヴェリューヌ——人は僕らのことをボム·ブラザーズと呼ぶ。ああ、もちろん、これは爆弾をいじるのが好きって意味ではなく、僕らの情報がいつも「爆発」するようなものだからだ。
パイモン:
ただのゴシップをそれっぽく言ってるだけだろ…
クスト:
それは違う。情報を知ることで、ここでの生活はより良くなるからな。例えば、誰と誰が手を組んでいて、誰々にはどんな噂があるのか…それから、群れに馴染めていないやつのことも…知りたくないか?
クスト:
まあ、待て…これはどれも金になる情報だ。僕の情報をシェアするにふさわしい存在だということを…君たちは証明できるか?
ラヴェリューヌ:
クストはこういうやつでな。何か上手いこと言って「証明」してくれ。
ラヴェリューヌは声を抑えてあなたたちにヒントをくれた…
ラヴェリューヌ:
サービス食のことを言え。それで大丈夫だから!
旅人:
最近、素敵なサービス食をいただいた!
パイモン:
そうそう!昨日のあれは特によかったよな。今思い出してもヨダレが出てくるぜ!
クスト:
…そうか。ふふっ、実を言うと、ここ最近のサービス食は僕のおかげでもあるんだ。何しろ、厨房で半月も手伝いをしてたからな。
パイモン:
おおっ!——ってことは、あのめちゃんこ美味いステーキもおまえが作ったのか?すごいぞ、まさかプロの料理人なんじゃないか?
クスト:
…ふ、ふふっ、その通り、僕はプロでね。以前、料理を学んでいたことがある!
クスト:
ふむ、ここまで言われたら仕方ない。僕の作った料理が好きだというのなら…君たちはもう半分同志。いいか、これから言う情報は、メロピデ要塞の現状を見極めるのに役立つものだと肝に銘じておけ。
旅人:
(ラヴェリューヌが目配せしてる?口の動きを見るに…「クストを怒らないでやってくれ、彼はいい人だから」…と言っているようだ。)
クスト:
メロピデ要塞内部の勢力は実に入り組んでる。ここで起こることは、基本的に水の上のやつらも干渉しない。みんな野良犬みたいなもんさ。
クスト:
そして、最も怒らせてはいけない人物が——「公爵」リオセスリ…まあ、君たちはもう会っているな。彼は、君が思ってる以上に情報に精通してる。彼が相手をしない時、その大半はあえて見過ごしているだけで、何も知らないわけじゃない。
ラヴェリューヌ:
公爵に認められたやつは、医務室に行く時も優遇されるほどだ。
クスト:
ああ、それってジュリエのことだろ?気に食わないやつだよ、まったく。あんなにしょっちゅう医務室に行くなんて、おかしくないか?たぶん、仮病を使って労働をサボってるんだと思うぜ。
ラヴェリューヌ:
ジュリエはここに来る前、フォンテーヌ科学院の優れた人材だったんだ…
クスト:
天に昇れるやつだろうと、重力に逆らえるやつだろうと、メロピデ要塞に来たからには囚われの身でしかないってのに。
旅人:
(なるほど…クストによると、ジュリエという人が頻繁に医務室を出入りしてるみたい。覚えておこう。)
クスト:
そういえば、この間ジュリエとルールヴィが一緒に廊下を歩いてるところを見た。どうやら図書館で言い合いになって、最後は殴り合いになったらしいぞ?ジュリエもひどいやつだよな。
ラヴェリューヌ:
あいつが女を殴るなんて…いや、まさか…
クスト:
でも、あのルールヴィもまともじゃない。いつも口うるさくて、男とケンカばっかりだ。いっつも医務室に行ってる姿を見る…
クスト:
……
ラヴェリューヌ:
…なあ、思ったんだけど…
クスト:
…まさか…あそこでこっそりデートしてるとでも言うつもりか?どう考えてもありえないだろ…
ラヴェリューヌ:
まあ、あの時はルールヴィもジュリエをボコボコにしてたらしいし…さすがに考えすぎか。
旅人:
(ジュリエと言い合いになったルールヴィという女性も、よく医務室に出入りしてる…よし、覚えた。)
自由に調査する
「鉄拳闘技場」の近くで、ある人があなたたちを呼び止めた…
バヴィリエ:
おい!そこの兄ちゃん!
旅人:
俺?
バヴィリエ:
そうそう、君だ!なあ、カードゲームは好きか?あれだあれ、七聖召喚ってやつだ!
パイモン:
カードゲーム好きって、ミントみたいにどこにでも生えてるよな。
バヴィリエ:
なに言ってんだ。七聖召喚をやる人がいるのなんて当たり前だろ。ほら、一勝負どうだ?
旅人:
いや、まだ用事がある。
バヴィリエ:
そっか、まあ無理にとは言わないさ。
パイモン:
おまえ、ずっとここでカードゲームの相手を探してるのか?ここって、戦う場所なのに?
バヴィリエ:
ははっ、拳だろうとカードだろうと、同じ勝負だ。違いはない。
バヴィリエ:
メロピデ要塞には、カードプレイヤーがかなりいてな。たまたま君を見かけて、他の国から来た人ならプレイしたこともあるだろうと思って、声をかけたんだ。
旅人:
少しおしゃべりしない?
バヴィリエ:
ああ、いいぞ。
パイモン:
じゃあ、ここの先輩として、なにか先輩っぽいところを見せてくれよ!例えば…オイラたちみたいな新入りに、監獄のことを紹介するとか!
バヴィリエ:
なんだ、てっきり君たちは情報なんて集め終わったのかと思ったよ。分かった、何が聞きたい?
パイモン:
おまえが選んでくれ。聞いたことのある内容だったら言うから。
バヴィリエ:
なら、変な噂のことは聞いたことあるか?
旅人:
聞いた。
バヴィリエ:
じゃあ…隅っこでよく世間話をしている人がいるのは?
バヴィリエ:
そうか、もう会ってるんだな。はははっ、あの二人は面白いぞ、何でも気にかけて、何でも噂にする。彼らほどしょうもない人は見たことがない。
バヴィリエ:
二人は昔、外でシェフとバーテンダーをしてたそうだ…知ってると思うが、バーテンダーはよく客と世間話をする。シェフも料理をしない時にはその輪に加わる。
パイモン:
他にはなにかあるか?
バヴィリエ:
うーん…そうだな、ここはとっておきの情報を披露してやるか…
バヴィリエ:
公爵が昔…ここメロピデ要塞の囚人だったことは知ってるか?
パイモン:
えっ!そうなのか!?
バヴィリエ:
ああ、公爵もかつては俺らの一員だったのさ。罪を犯してここに追放され…その後、どういうわけかここのトップになった。
バヴィリエ:
ただの囚人からメロピデ要塞のトップにだなんて…正直なところ、少しばかり敬服しててね。
旅人:
そういえば、「禁域」って知ってる?
バヴィリエ:
「禁域」?誰かが作った言葉みたいだが、聞き覚えはないな。誰から聞いたんだ?
パイモン:
いろんなとこで聞いたんだけど、どれも噂ってだけで…知らないなら気にしないでくれ。他になにか情報はあるか?
バヴィリエ:
他には…う~ん、もう思い当たるものはないな。また面白いことがあれば君たちに教えよう!ただし、カードゲームに付き合ってくれるならな、ははっ!
生産エリアでリネを探す
リネ:
……
リネ:
……!
旅人:
……
リネと合図を交わし、少し離れた静かなところに行った…
リネ:
その様子からして、調査は順調って感じ?
旅人:
まあまあかな。
パイモン:
こういう時は謙遜しないで、情報をたくさん聞き出せたことを認めたほうがいいと思うぞ?
リネ:
あははっ、さすが君たちだね。それじゃ、それを聞かせてもらおうかな。
これまでに手に入れた情報をまとめて、リネに話した…
リネ:
…まさか、そんなことがね。メロピデ要塞の噂を信じちゃいけないみたいだ。「公子」様が失踪したのは、恐らくここを離れる方法を見つけたからだろうね。
リネ:
さすがは執行官、想像以上に腕の立つお方だ。
リネ:
けど、これだけじゃ「お父様」に報告するのには不十分…「公子」様の行方を知る必要がある。
リネ:
「お父様」から聞いたんだ。「公子」様は休暇中ではあるけど、自分の「計画」を持ってるって。今回の失踪が、個人的な目的と関係してる可能性もあるだろうね…
旅人:
当面の急務は彼を追うこと。
パイモン:
タルタリヤがいなくなった場所はもう水に沈んでた。だから、ダイビングが得意なやつを探して、捜索してもらう必要があるんだよな。
リネ:
話がそこまで進んでるのなら、もう言わなくても分かるよ。この仕事はフレミネが適任みたいだね。
パイモン:
おう!で、あいつは今どこにいるんだ?
リネ:
彼は今日仕事で忙しいんだ。それに、大人数で集まってると人目を引いてしまう。あとで僕から知らせておくよ。
リネ:
どういたしまして。協力すると言った以上、僕たちは君を失望させはしないから。
リネ:
それにしても…あのリオセスリのテリトリーで、よくこれだけの情報を聞き出せたものだ。ちょっと感心したよ。
パイモン:
へへっ、オイラたち、聞き込みは得意だからな。
リネ:
…えーっと、まずフレミネに同じ道を辿ってもらって、「公子」様の手がかりを探してもらう…
リネ:
その道を使うには、パイプ清浄日を狙わなければいけない。早くて六日後か…そこから、さらに二、三日はかかるはずだね。
パイモン:
そこまで計算できるのかよ!?
リネ:
長いこと一緒に仕事してると、お互いの実力が分かってくるもんだからね。
リネ:
旅人、九日後にまたここで会おう。そうすれば、フレミネの行動に合わせてちょうど合流できるはずだよ。
旅人:
分かった。
リネ:
でもひとつ、君に頼みたいことがあるんだ。
リネ:
「公子」様の調査については、結果を待つだけでいいけど…「禁域」のほうは調査を進める必要がある…
リネ:
フレミネは変装が苦手だし、リネットも他のエリアで禁域について聞き回ってる。僕はこれから、フレミネのための行動計画を練らなきゃいけない…というわけで、これは君にしか頼めないんだ。
パイモン:
なんだ?難しいことなのか?
リネ:
簡単、とは言えないけど…大丈夫、君ならできるはずだよ。
リネ:
いい?君には何かしらの理由を見つけて、医務室に忍び込んでもらいたい。そして、そこの状況を調査してきてほしいんだ。
リネ:
怪しい動きをしてる人たちが、よく医務室に集まるって言ってたでしょ?あそこには、僕たちが追ってる秘密が隠されてるかもしれない。君は看護師長と面識があるし、そう警戒もされないはずだ。
リネ:
医務室の構造や内部の状況をよく調べて、あらゆる手がかりを頭の中に入れてきてほしい。その後、それを僕に教えて。
リネ:
でも、あまり無茶はしないように。安全第一でね?
リネ:
あっ、ごめん、いつものクセでつい…弟に言ってるみたいになっちゃったね。
パイモン:
へへっ、別に悪いことじゃないって!そうだろ?
旅人:
俺のほうがお兄さんかもよ?
パイモン:
それじゃ、次の行動に移るために、オイラたちもさっそく準備するか!
リネ:
うん、ここでいったん別れよう。九日後、また会うことを忘れないでね。それじゃ、気を付けて。
医務室に行く
パイモンと計画を練った後、あなたは何の気もなしに歩いているふりをして、ゆっくりと医務室に近づいた…
パイモン:
おまえはここでじっとしてろ。オイラが覗いてくるから!
パイモン:
えーと…どれどれ…中に誰かいるみたいだ。一人じゃないぞ…
旅人:
何を話してるかを聞いてみよう。
パイモンと一緒に隅っこに隠れて耳をすまし、医務室の話し声を盗み聞きした。
誰かが話しているようだが、断片的にしか聞こえない…
???:
…ええ…私は…と思います。
???:
…ダメ…わけじゃない…
???:
そう…それじゃ…時間…
パイモン:
よく聞こえないな…やっぱり、正々堂々真っ正面から探りを入れようぜ。よし、準備ができたら入るぞ!
頷いて深く息を吸い込んだ後、カバンの奥から薬剤を取り出して、そのヒドい匂いを思いっきり吸い込んだ。
それはパイモンと旅の途中、錬金術に失敗した時の産物だ。いずれにせよ、それを嗅いだ代償はすぐさま吐き気となって現れた…
旅人:
うっ…おぇ…
薬剤を嗅いだ後、それをパイモンに隠してもらい、青ざめた顔でよろよろと医務室に入った。
医務室に入って情報を手に入れる
パイモン:
だ、誰かー、助けてくれぇ!こ、こいつ…こいつが倒れちゃったぞー!
???:
えっ!おい、大丈夫か?
シグウィン:
まあ、どうしたのよ?ほら、慌てず、何があったのかゆっくり話して。
パイモン:
こいつ、急にお腹が痛い、気持ち悪いって言って地面に倒れて、そのまま立てなくなっちゃったんだ…オ、オイラ、どうしたらいいのかわかんなくて…
パイモン:
手足が冷たいし、指先もピクピクしてる。それに顔色も…なにかの中毒とかじゃないよな…?
シグウィン:
診てみるから、まずは横になりましょう。
旅人:
うぅ…お腹が痛い…
シグウィン:
心配しないで。ベッドまで無事に連れて行くから。ほら、ウチの肩に手を置いて、ゆっくり歩いて…
パイモン:
ううぅ…しっかりしろぉ!
シグウィンに支えられ、あなたはベッドで横になった…
旅人:
…ごめん、ありがとう。
シグウィン:
大丈夫、患者さんがごめんなんて言わないの。今から簡単な診察を始めるから、力を抜いてね。
旅人:
(シグウィンが聴診器を取り出して、診察を始めた…彼女を誤魔化せるほど、俺の体調が良くないことを祈ろう…)
シグウィン:
…うん…なるほど、分かった。
シグウィン:
ざっと診たけど、命に別状はないから安心して。最悪のケースは心配しなくて大丈夫なのよ。
パイモン:
え?そ、そっか…あっ…でも…
シグウィン:
さ、続けて診察するね。はい、リラックスして、深呼吸を——
旅人:
(シグウィンの手が俺のお腹を触ってる…元素力も使ってるみたい?だんだん、彼女の顔に安堵の色が浮かんでいってる…)
シグウィン:
うん、臓器にも大きな損傷はないのよ。ここを押すと痛む?
旅人:
ま、まあ…そこそこ。
シグウィン:
ここは?
旅人:
うっ、少し痛い…
シグウィン:
えっ?ここが痛むはずないのに…おかしい…
旅人:
(まずい、やりすぎたかも?)
シグウィン:
う~ん…ここは?痛む?
旅人:
大丈夫、あんまり痛くない。
シグウィン:
ああ…分かった、そういうことね。
シグウィン:
たぶん、お腹を壊しただけよ。ヒドイものじゃないけど、そのピークが来たせいですごく痛かったのね。
パイモン:
お、おお…そうなのか…大したことなくてよかったぜ。
シグウィン:
うーん…最近、他の囚人も食事に問題があるって言ってたのよ。このことは早く、シェフのウォルジーさんに報告しないと。
シグウィン:
とりあえず、大事じゃなくて良かった。あまり心配しなくていいからね。あと二、三日もすれば良くなるはずよ。ひとまずここで休んでて、ウチは薬を取ってくるから。
シグウィン:
ルールヴィさん、ウチがいない間、この新しい患者さんのことを見ててくれる?
ルールヴィ:
分かりました。
パイモン:
あっ、看護師長のやつ、ぴょんぴょんしながら行っちゃったぞ…
シグウィンが医務室を離れた…
旅人:
(今回の潜入作戦、思ったよりスムーズにいってよかった。次は…部屋にいる二人だけど…)
旅人:
(シグウィンはさっき、あの女の人を「ルールヴィ」って呼んでた。噂で聞いた医務室の常連みたい。なら、あっちの男の人はもしかして…ジュリエ?)
ルールヴィ:
こんにちは、気分はどうですか?
旅人:
あまり良くない…
旅人:
(じろじろ見るのはよそう、怪しまれる…隣の男の人も気づいた。こっちを見てる。)
パイモン:
こいつ、お腹がすごく痛かったみたいなんだ。ここまでフラフラだったし、オイラも心配で…
ルールヴィ:
シグウィンさんが問題ないと言ったから、もう心配しなくて大丈夫ですよ。彼女はここで一番の医療スタッフですから。
パイモン:
でも見た感じ…その医療スタッフって、あいつ一人みたいだけど…
ジュリエ:
まあ、確かにそうだな。
ルールヴィ:
「確かにそう」?それは、あくまで表面上の話です。メロピデ要塞を擁護するつもりはないですけど、ここに閉じ込められている人は全員が無能というわけではありません。
ルールヴィ:
罪を犯していてもここにいる人たちの中には、医術の心得がいくらかある人もいて、シグウィンさんの代わりに診察を手伝うこともあるんです。
ジュリエ:
分かった分かった、君の言う通りだよ。ただ、それをわざわざ患者さんの前で言う必要はないと思うけど…君だって、まだ体調が良くなってないんだろう?なのに、ずいぶんと元気そうだ。
ルールヴィ:
ええと…そ、そうですね。コホンッ…すみません、ついムキになってしまいました。
パイモン:
おまえらも体調が悪いのか?
ジュリエ:
ああ、持病でね…どれも慢性的な疾患だ。僕は定期的な検診で、ついでに看護師長が処方した薬を受け取りに来た。こっちのお嬢さんは…
ジュリエ:
医学を少しかじってるからか、ここの看護師長の右腕になった気でいるのかもな、ははっ。
ルールヴィ:
もっと言葉を選んでもらえますか、ジュリエ。私が動悸をよく起こすのはあなたのせいだってこと、忘れてないでしょうね!
パイモン:
あわわ…ケンカしないでくれ!二人とも、落ち着いて話そうぜ…
旅人:
(ジュリエとルールヴィはかなり仲が悪いみたい。たまたま薬を受け取りに二人とも医務室に来たようだ。)
旅人:
(…この二人のことは置いておくとして、医務室には特に不審な点はない。机の上に並べられてる書類はすべてカルテのように見える。箱は…まだしばらく調べられそうにない。)
旅人:
(壁にも飾りはないし…ん?あの床にあるのって、仕切り板?)
箱の後ろに仕切り板があることに気付いた。一見目立たないが、よく見ると、なんとなく違和感がある…
パイモン:
ああ——もうっ!いい加減、ケンカはやめろって!どうせみんなそのうち釈放されるんだから、そんなことで言い争ってもしょうがないだろ。
ルールヴィ:
でも…
ジュリエ:
はっ、釈放されるだって?そんなのまだ先の話だ!それに仮に出たとしても、僕たちみたいなのが元の生活を送れるかなんて、誰にも分からないってのに。
旅人:
(部屋の床下にスペースがあるのは別におかしいことじゃない。けど…冒険者としての勘が、ここに仕切り板があるのは少し引っかかると言ってる。)
旅人:
(下に何か隠されてるとか?)
ルールヴィ:
こんなくだらない話はここまでにしましょう。それから、しばらくここであなたに会わないことを祈ってます、ジュリエ!
ジュリエ:
それはこっちのセリフだ、お嬢さん。ちょうど僕も十分休めたところだ。ここは騒がしいし、そろそろ戻らせてもらう。じゃあな。
ジュリエが離れた…
パイモン:
あいつ、かったるそうに出て行ったな…
ルールヴィ:
ふん、彼はいつもそうなんです。
ルールヴィ:
すみません、こんなみっともないところを見せてしまって。私はルールヴィ。あいつは…ジュリエ。あなたたちが、あんな変人の相手をすることがないといいのですが…
パイモン:
おまえ、あいつのことが本当に嫌いみたいだな。
ルールヴィ:
当然です!ああいう思い上がっていて、毎日変な研究のことばかり考えてるやつ、誰も好きにならないでしょう!?…はぁ、彼の話はやめましょう。
ルールヴィ:
私はもうしばらくあなたに付き添います…シグウィンさんはすぐ戻ってくるでしょうし、薬を飲めばきっと良くなりますよ。
旅人:
ありがとう、気を遣ってくれて。
ルールヴィ:
いえ…大したことじゃありません。
シグウィンが医務室に戻った…
シグウィン:
ただいま。キミたち、ちゃんと休んでた?
ルールヴィ:
シグウィンさん、お疲れ様です。
シグウィン:
ゆっくり休めたかしら?ベッドから降りて、走り回ったりしてない?さあ、二日分の錠剤よ。一錠飲んだら、またしばらく横になって。
シグウィンから貰った腹痛に効く薬を飲んだ。
シグウィン:
そうだ。ルールヴィさん、さっきは急いで離れちゃったけど、何色の薬を飲めばいいか話したのを覚えてる?
ルールヴィの目が一瞬泳いだ。
ルールヴィ:
ええ、覚えてますよ。黄色でしたよね。
旅人:
(…俺たちが来る前、そんな話をしてたかな?どうして覚えてないんだろう?)
シグウィン:
そう…分かった。はい、これがキミの分なのよ。今晩は薬を飲んで早く寝て、いい夢を見てちょうだい。
ルールヴィ:
はい、では失礼します。旅人も早く良くなるといいですね。
旅人:
ありがとう。
パイモン:
おう、またな!
シグウィン:
旅人よね?カルテを書くから、いろいろ確認させてちょうだい。
パイモン:
あっ、さっきの二人がうるさかったから、もう少しこいつを休ませてやってくれないか?代わりにオイラが答えるから。
シグウィン:
ええ、分かった。症状は腹痛で、吐き気も催してたけど、他にツラいところはあったかしら?
パイモン:
う~ん…それ以外にはなかったな。
シグウィン:
そう。
パイモン:
薬を飲む以外に、他にしておいたほうがいいことはあるか?
シグウィン:
彼はもともと健康体だし、薬を飲めばきっとすぐ良くなるはずよ。その間は軽い食事だけにして、夜更かししなければ大丈夫。
パイモン:
任せろ!オイラが責任を持って見ててやる!
旅人:
(シグウィンがこっちを見てる…言われた通り、まずは寝よう。)
パイモン:
あれ?寝るのか…まあ、いっか。ゆっくり休めよ。
医務室のベッドに横になると、長時間の調査と労働で溜まった疲れがどっと押し寄せてきた。
…パイモンとシグウィンの話し声が、ぼんやりと聞こえてきた。
パイモン:
おう、オイラたち色んなところを旅してきたんだ。あいつはああ見えて、誰よりも頼りになるやつなんだぞ!
シグウィン:
そうなのね。じゃあ、キミたちは最高の仲間同士ってところかしら。心配しないで、彼は良くなるから。
…仲間——この言葉が安らぎを与えてくれる。緊張がほぐれ、夢の中へと落ちていった。
シグウィン:
…あっ、起きたのね。
パイモン:
気分はどうだ?おまえ、ずいぶんぐっすり寝てたな。オイラたち、ずっとそばにいたんだぞ。
旅人:
だいぶ良くなった。ありがとう。
シグウィン:
そう。安心して、もう帰っても大丈夫だから。定期的に薬を飲むのと、食事は軽めにすることを忘れないでね。
パイモン:
おう!ありがとな、看護師長!
居房エリアに戻る
パイモン:
おまえ、よくあの状況で眠れるよな。寝言までつぶやいて…こっちはヒヤヒヤしたんだからな!
旅人:
言っちゃいけないこと言ってた?
パイモン:
それはなかったけど…おまえずっと「パイモン、焼き魚を取らないで」とか、「仙跳牆をそこに置いて」とか、デタラメなことばっかつぶやいてたぞ。
パイモン:
おまえが寝てる間、オイラずっとあの看護師長と話してたんだけど、すごい素直なやつだし、部屋に怪しいところもなかったぜ…ひょっとしてオイラたち、調査する方向を間違えたんじゃないか?
旅人:
(…本当にそうだろうか?何か引っかかるところがある気がするけど…)
旅人:
(あの床にあった仕切り板…それにシグウィンがルールヴィにした質問。俺が医務室に入る前、彼らは本当に薬の話をしてた?)
旅人:
(それから、ルールヴィとジュリエの口ゲンカだけど…あれは本心?それとも芝居?)
旅人:
パイモン、俺が思うに——
パイモン:
——おお、よくそんな些細な点に気づけるな…とりあえず、その情報をリネに伝えよう。
それから数日、パイモンと一緒に規則に従って自分の持ち場で労働をした。その間、隙を見つけては不審に思った部分を紙にまとめていく。
その紙を忙しそうに働いているリネットに、すれ違いざまに渡した。彼女は無表情で、あなたには目もくれず、完璧な素振りでそれを受け取った。
そして、ついに九日目が訪れた…
約束の日が来た。あなたとパイモンは再び生産エリアへ向かう。そこでリネが待っている。
生産エリアでリネを探す
パイモン:
……!
パイモンはリネに場所を変えるよう、あごで指し示した。
リネ:
……
理解したリネがあなたたちの後ろをついてきたので、少し離れたところまで行った。
リネ:
ここ数日、トラブルには遭わなかった?
パイモン:
オイラたち、スケジュールどおりに労働と生活をしてるから、特にこれといってなかったぞ。
リネ:
うん、ならよかった。つまり、医務室への潜入も疑われなかったってことだ。
リネ:
君たちからのメッセージは読んだよ。フレミネも二日前に無事パイプを通って外に出た。それから昨夜、リネットには計画どおり仮病を使って、医務室に忍び込んでもらってる。
パイモン:
あいつも医務室に?
リネ:
前回、君たちに下見をしてもらったのは、すでに追加分の仕事だったからね。率直に言って、フレミネの力を借りるのと引き換えだったとしても、十分すぎるほどよくやってくれたよ。
リネ:
人目がある拠点への潜入は、一度きりの調査とは違う。同じ人を可能な限り使わないようにし、一人ひとりの疑いをできるだけ最小限にすることが大切だ。
リネ:
リネットも、僕たちのために君が最初の一歩を踏み出してくれたことを認めてる。あとのことは、リネットが処理するから安心して。
パイモン:
リネット…上手くいくといいな…
リネ:
さて…フレミネが戻ってくる前に、一緒にリネットの様子を見に行こう。上手くいってれば、もう調査はほぼ終わってるはずだ。
パイモン:
この時間に行って大丈夫なのか?
リネ:
僕が観察したところ、看護師長のシグウィンは昼食前の約三十分、医務室から離れる。リネットもそのタイミングを把握してるから、今行けばリスクはあまりないはずだよ。
旅人:
そういえば、そんな話を聞いたことある。
リネ:
それに僕はリネットのお兄ちゃんだ。お兄ちゃんが妹の体調を気遣うのは何も不自然じゃない、でしょ?
パイモン:
よし。そうと決まれば、さっそく行こうぜ!
こっそり医務室に行く
リネ:
失礼します、リネットはいますか?
リネ:
……
リネ:
あれ…リネット?
リネは辺りを見回したが、リネットの姿が見当たらなかった。
パイモン:
看護師長は…いないみたいだな。でも、リネットもいないぞ?
リネ:
…そんなはずない…リネットは軽率な行動をめったに取らないんだ。それに、もし予定を急遽変更することになっても、必ず何らかの方法で僕に伝えることになってる。
リネ:
もしかしたら…
パイモン:
けど、一時的に離れただけかもしれないだろ?とりあえず、ここで手がかりを探しながら、少し待ってみようぜ。
リネ:
ああ。
医務室で手がかりを探す
机からいくつかの本と資料を見つけた…
パイモン:
本がいくつかあるな。それにカルテっぽい書類もなん枚か…
パイモン:
えーっと…『ディープケア』、『患者を喜ばせる方法』、『感情の裏にある原因をシンプルに理解する』、『笑いの意味』…
パイモン:
なんか面白そうな本だな。看護師長って、こういうのを読むのか。
パイモン:
他人の意図や気持ちを理解するのに役立つ本もあるけど…これってあいつがメリュジーヌだからか?それとも、患者の心を理解する必要があるってことかな?
リネ:
看護の仕事をする上で、そういったのも必要なことだから不思議じゃないと思うよ。
医務室で手がかりを探す
隠された仕切り板を見つけた…
パイモン:
あっ、これって前も見たよな。
リネ:
ふむ…カモフラージュが下手ってわけじゃないけど、少し不自然な感じがするね。
リネが床の仕切り板に近づいて、軽く数か所叩いてみた…
リネ:
仕切り板の裏側は空洞になってる。このサイズからして、分解しないと入れないものじゃない。おそらく、どこかに仕掛けがあるはずだ。
リネ:
まさかリネットは、ここに入ったとか?いや、ありえない…リネットはこういう状況で勝手な行動を取らないし、きっと先に僕に連絡するはず。
リネ:
……
リネ:
他に手がかりがないか見てみよう。落ち着いて…まずは周囲を見て回るんだ。
旅人:
(リネの表情が…明らかに焦ってる…「落ち着いて」は、無意識に自分に言った言葉なのかもしれない。)
医務室で手がかりを探す
医務室のベッドを調べた…
リネ:
人が寝ていた形跡のあるベッドは一つだけ…それ以外は整えられてる。
パイモン:
それって、リネットが横になったベッドだろ?仮病を使ってここに来たわけだし。
リネ:
ああ、片頭痛がひどいっていうのを口実にね。通常であれば、看護師長はリネットを横にさせて、薬を取りに行くはず。
旅人:
…ベッドが整えられてない…
リネ:
リネットが横になってからこのベッドを離れるまで、看護師長は戻ってきていないってことだね。あるいは…看護師長はベッドを整える気がなかったのか。
旅人:
(まずい…だんだん嫌な予感がしてくる…)
リネ:
……
落ちているカードを確認する
パイモン:
おい!見ろ、なんか紙切れが落ちてるぞ!
リネ:
紙切れ?
パイモン:
えっと、文字が書いてあるな…あれ?これって…
パイモン:
「あんたらの習慣に則り、ここはカードや紙切れで情報のやり取りをしよう。これは一種の挨拶のようなものだ。」
リネ:
これは…!
パイモン:
あれ…でも、これしか書いてないぞ…?
旅人:
裏返してみて。
パイモン:
裏?…あっ、これ…
リネ:
見せて!
リネが急いで紙切れを確認した…
リネ:
……!
パイモン:
急に顔色が悪くなったけど、どうしたんだ…オ、オイラにも見せてくれ…
パイモン:
「さあ、ファデュイのメンバーであるリネットちゃんが、今どこにいるのか当ててみるといい」…
パイモン:
…まさか…リネットはもう…
リネ:
…リオセスリのやつ…まさか、わざと医務室に誘い込んで、僕たちをはめたんじゃ…
パイモン:
でも、そうなると…あいつは最初からオイラたちの目的を知ってたってことになるよな?でもオイラたちが前回ここに来た時は、なにも危ないことなんてなかったぞ。その後も特になんもなかったし…
旅人:
どうして、二回目で動いたの?
リネ:
…そう、そこが問題だ。リオセスリは…あいつは明確な目標がないと動かない。つまりあいつは、最初から君のことを警戒していなかったことになる。
リネ:
旅人、君と僕たちの立場は違う。君はヌヴィレットさんの使者であって、彼とは対立関係にない。それに引き換え、僕たちは…
リネ:
それは僕も聞きたいね。どうしてリネットだけ…
リネ:
落ち着け、考えるんだ…冷静にならないと…これは前とは状況が違う。
リネ:
……
リネ:
そうか…君の言う通りだ…待った、まさか…
リネ:
…フレミネが無事にメロピデ要塞を出られたのも、リオセスリがわざと見逃したから?
パイモン:
でも、フレミネがここを離れて、公爵になんのメリットがあるんだよ?
旅人:
…そうか。
旅人:
リネットとフレミネを意図的に除外した。
リネ:
…あいつ、挑戦状を叩きつけてるんだ。僕への挑発ってやつだよ。間違いない。
リネ:
くそっ、フレミネを外に出すべきじゃなかった!パイプから送り出す時、ちょっとした細工で看守を回避できたのは、運がよかったわけじゃなかったんだ…
リネ:
もし、リオセスリが意図的にフレミネを逃がしたのなら…フレミネは今、危険な目に遭ってるかもしれない。
パイモン:
リネが少しパニックになってる…何か言わないと!
旅人:
リネ、落ち着いて!
パイモン:
自分を責めるなよ、リネ。オイラたちがタルタリヤのことを言わなかったら、フレミネがここから離れることはなかったわけだし…責めるならオイラたちを責めてくれ…
リネ:
いや、今回の行動の責任者は僕だ。小隊のリーダーである僕が…二人を守れなかったのが悪い。
リネ:
…リオセスリに会いに行く。
パイモン:
ヤ、ヤケになるなって!おい、おまえもなんか言ってくれよ!
リネ:
リネットがまた誰かに攫われるなんて、僕には耐えられない…
リネ:
行かないと!リネットとフレミネを取り戻す方法を、僕が見つけるんだ!
パイモン:
おい、リネが行っちゃったぞ!はやく追いかけよう!
リネが医務室から飛び出した。急いで彼を追いかけたが、後ろの視線には気づかなかった…
シグウィン:
……
九日前、あなたがパイモンが医務室に潜入するための計画を練っていた頃…
ルールヴィ:
ええ、私はこの点について変える余地があると思います。
ジュリエ:
…ダメっていうわけじゃないが、何度もテストする必要がある。
シグウィン:
そう…分かった。それじゃ時間には注意してね。
シグウィン:
……!
ルールヴィ:
誰かいる…?
シグウィン:
物を隠して。
シグウィン:
…外で誰かが盗み聞きしてるみたいね。部屋から声が聞こえなくなったら、すぐ中に入ってくるはずよ。
三人はものを片付け、何事もなかったかのように振る舞った…
パイモン:
だ、誰かー、助けてくれぇ!こ、こいつ…こいつが倒れちゃったぞー!
ジュリエ:
えっ!おい、大丈夫か?
シグウィン:
(…あの二人ね。やっぱり彼らの嗅覚は鋭い…ここまで辿り着けるなんて。)
シグウィン:
(本当に良かった。ウチ、お利口な人は好きよ。あと、複雑なことなんてまったく分からないキャラを演じるのも好き。「人に信頼される」って感じがたまらないから…)
シグウィン:
まあ、どうしたのよ?ほら、慌てず、何があったのかゆっくり話して。
あなたたちが消えた方向を見つめながら、シグウィンは回想を終わらせた…
シグウィン:
人の表情を読めると、何かと役に立つの。
「公爵」の執務室に行く
リネ:
リオセスリ!出てこい!
リオセスリ:
やれやれ…ここは一応、公務を執り行う場なんだ。もう少し風紀ってもんを気にしてもらえないかな?
リネ:
リネットはどうした?
リオセスリ:
ああ、彼女なら医務室で会ったぞ。片頭痛がするって言うから、お茶を振る舞ってやった。ちょうど頭痛に効くお茶を持っていてな。
リネ:
ふざけるな!リネットとフレミネをどこにやった?
リオセスリ:
聞いた話によると、あんたらのショーはそりゃあもう素晴らしいんだろ?リネットちゃんなんか、水槽から一瞬で別のところに移動するって。
リオセスリ:
いま振り返ったら、彼女がそこに立ってるかもな?
リネ:
(…振り返らせようとしてる?いや、僕を襲うつもりはないはず。人質は彼の手の中にあるし、こうして雑談を続けるってことはリネットもおそらく死んでいない。)
リネ:
…君は僕たちが医務室を調査してるって知ってたんだろ?旅人があそこに疑いの目を向けるよう仕組んで、僕たちに調査させるよう誘導した。それで、リネットを攫うための隙を作ったんだ。
リオセスリ:
……
リネ:
フレミネの脱獄…いや、「公子」様さえも君は止めなかった。君はわざとあの方を逃がすことで、ファデュイのスパイを取り除こうとしたんだろう?
リオセスリ:
そんなことをする必要はない。メロピデ要塞はいい場所だ。ほとんどの人はここでの暮らしを楽しんでる…何かを企んでるやつ以外はな。その点、あんたらは分かりやすかった。
リネ:
君はスパイを排除した上で、「公子」様が失踪したという情報を流したんだ。だから、「お父様」は僕たちをここに送ることになった。フレミネも君に捕まってるんじゃないかい?そこまでの手腕を持ちながら、どうして人質なんかを取るんだ?
リオセスリ:
一つ訂正させてもらおう。リネットちゃんは俺が預かってるが、フレミネくんはいない。
リネ:
いない?…じゃあ、目的はいったい…
すぐにあなたとパイモンがやってきた…
パイモン:
リネ!
リオセスリ:
おっと、ちょうどいいところに…人も揃ったし、これで何度も説明しなくて済む。協力に感謝しよう。
旅人:
リネットとフレミネはどこ?
リオセスリ:
熱心なことだ、旅人。残念だが、俺のところにいるのはお茶を飲んでるリネットちゃんだけでな。
リオセスリ:
あんたらの約束では、フレミネくんは今日帰ってくるはずだったんだろ?けど、今になっても姿を見せない…かといって、俺のところにもいない…さて、どこにいると思う?
リネ:
君、まさか…
リネ:
フレミネが海から戻れないよう何かしたんじゃ…!
リオセスリ:
中と外を繋げるメロピデ要塞の扉を閉めただけさ。
パイモン:
でもフレミネはダイビングが得意なんだし…きっと大丈夫だろ?
リネ:
いや、僕たちはまだここにいる。フレミネはきっとなんとかして戻ってこようとするはずだ。地上に戻ったなんて考えにくい。
リオセスリ:
俺がなぜこんなことをしたと思う?それは、あんたと話をするためだ。俺の知る限り、リネくんは高名な魔術師だからな。有名人と交渉するには、それなりの手札を用意しないといけない。
リオセスリ:
それに、あんたがリネットちゃんに言ってたことを覚えてる。仕事においてもプライベートにおいても、「メロピデ要塞の主」に会ってみたい…そうだろ?
リネ:
…僕たちが監獄に入る前から目をつけてたってわけか…
リオセスリ:
部下がたまたま耳にしただけさ。さて…そろそろハッキリ言わせてもらうとしよう。
リオセスリ:
あんたらとの「お遊び」は結構楽しめた。だから、目をつむってやろうとも考えたんだが…「禁域」に侵入しようとしてるのなら、話は別だ。
リオセスリ:
リネくん、あんたは今、不利な状況にある。リネットちゃんは俺のところにいるし、フレミネくんもまだ海の中。こちらが扉を開けなければ、彼はいずれ大変なことになる。
リオセスリ:
そこでだ…二人の安全と引き換えに、リネくんに一つだけ頼みたい。あんたの上司に連絡してくれ。できれば、彼女をお茶に誘えると一番いい。
リネ:
「お父様」に?ふん、どうして「お父様」がそれに応じなきゃならないんだい?
リオセスリ:
可愛い我が子たちがこっちの手にあるからさ。三者面談に参加してもらうには、十分な理由だと思うが…
リオセスリ:
あんたら壁炉の家の人間は、家族みたいに仲がいいって聞いてるよ。たぶん、応じてくれるだろう。
リネ:
「お父様」はなんで僕たちに、メロピデ要塞のことを処理させてると思う?ここはほぼ無法地帯だ。尊い執行官である「お父様」が、自ら来るなんてことは絶対にない。
リオセスリ:
なるほど、ここがお気に召さないというわけか。いい茶葉をたくさん集めてるんだがな。ヌヴィレットさんやフリーナ様にも、結構プレゼントしてる。
リネ:
…君たちだけで、「お父様」を傷つけられるとでも?僕にどんな圧力をかけようと、僕たちを利用して「お父様」を脅迫するなんてこと絶対に許さない。
リオセスリ:
あんたら、本当に頭が固いんだな。ただ「お父様」と会って話がしたいだけなのに。彼女だって、メロピデ要塞の秘密を知りたがってるんだろ?
リオセスリ:
リネくん、もう一度チャンスをやろう——「召使」をここに招待するか、あるいは…
リネ:
……
パイモン:
リネ…
旅人:
なんで、そうまでして…?
リオセスリ:
そうまでして、だって?はっ、当たり前のことだと思うが?はじめにメロピデ要塞に近づいてきたのは、ファデュイのほうじゃないか。
リオセスリ:
スパイを排除したのは警告のためだったが、それでもあんたらは引かなかった。だからこうして、あんたらのボスと直接交渉したいと思ってるんだ。
リオセスリ:
リネットちゃんは自ら進んで俺の視界に入ってきたし、フレミネくんの脱獄も自発的なものだった。誰がどう見ても俺の責任じゃない、だろ?
リネ:
…僕は…僕たちのせいで「お父様」を…
リオセスリ:
6、5…
リネ:
待って、僕は…
リオセスリ:
…2、1。
リオセスリ:
タイムオーバー。残念だ、リネくん。
パイモン:
ま、待てって!
リオセスリ:
交渉決裂だ。お引き取り願おうか、紳士淑女の皆さん。俺はアフタヌーンティーを楽しまなければ。
リネ:
……
旅人:
待って、もうちょっと話し合わない?
パイモン:
そ、そうだ!オイラたちと話すのはどうだ?リネと話す気がないなら、オイラたちと話そうぜ?
リオセスリ:
あんたら、何のトラブルもなく過ごせてきたのは、ヌヴィレットさんのおかげだって分かってるだろ?あの人の依頼でここまで降りてきたんだ。俺もできるだけ邪魔しないようにしてきた。
リオセスリ:
だが、それは別にあんたらが好き勝手するための免罪符じゃない。狭いところには、狭いところなりのポリシーがある。
リオセスリ:
……
リオセスリ:
確かに、実力を持つ者にはもっと敬意を払うべきだな…こうしよう。俺のテリトリーでずいぶんと走り回ってきたんだろう?その調査の成果を見せてくれ。
リオセスリ:
三つだ。三つの質問に正解したら、あんたの要求を呑もう。
リオセスリ:
では、第一問——生産エリアの「隠しルール」についてだ…三日連続で労働をしてはいけない。その裏にある真相は?
旅人:
(まさか「隠しルール」に関する質問をしてくるなんて…確かこれは、三日連続で労働すると、三日目のお昼のサービス食で「不気味な肉」が出てくるというものだった。)
旅人:
(幸い、この件は以前詳しく調べた。手がかりを振り返ってみよう…答えはその中にあるはず。)
あなたは手がかりから真相を導き出した…
パイモン:
なるほど…わかったぞ。そういうことだったのか。
パイモンはどこからかメガネを出して、答えを整理し始めた…
パイモン:
生産エリアの「隠しルール」は…三日連続で労働をしちゃいけないってものだ。もし破れば、三日目のお昼のサービス食に「不気味な肉」が出てくる。
パイモン:
最初はこの肉が失踪した人と関係してるんじゃないかって思ったけど、実際は…看護師長のシグウィンが用意したものなんじゃないか。
パイモン:
シグウィンはよく生産エリアに行って、労働者の体調を観察してる。三日連続で働いて疲れが溜まってるやつがいたら、シグウィンはそれに気付くんだ。
パイモン:
で、あいつは親切心と看護師長としての責任感から、お昼ごはんの前に特別許可食堂に行って料理をする。そして、疲れた人のために「追加の一品」を作ってるんだ。
パイモン:
この「サプライズ」は良かれと思ってやってることで、シグウィンはみんなにバレたくないと考えてる。けど…
パイモン:
…メリュジーヌっていう種族は、世界の感じ方も美的センスも人間と大きく違う。
パイモン:
そのせいで、特別であるはずのサービス食も、受け取った人からするとただただ不気味なものに見えてしまった——だから、そこに込められた「心」をまったく感じられなかったってわけだ。
パイモン:
オイラのこの回答、どうだ?
リオセスリ:
ほう、なるほど、悪くない。シグウィン看護師長のことに気づいた上に、その意図も見抜いた。看護師長の人間に対する愛が無駄にならなかったというわけだ。
リオセスリ:
さて、二問目は…
リオセスリ:
鉄拳闘技場の「隠しルール」についてだ…両方の選手の投票券を同時に買ってはいけない。その裏にある真相は?
旅人:
(鉄拳闘技場の「隠しルール」は、両方の選手の投票券を同時に買うと、翌日「不気味な血の色の液体」が入った荷物が届くというものだった…)
旅人:
(この件についてもしっかり調査してある。把握してる手がかりを基に、真相を探ってみよう…)
あなたは再び手がかりから真相を導き出した…
パイモン:
よし、わかったぞ。これも別に怖いものじゃないな。
パイモン:
鉄拳闘技場の「隠しルール」は…両方の選手の投票券を同時に買っちゃいけないってものだ。もし買うと、次の日に「不気味な血の色の液体」が入った荷物が届くことになる。
パイモン:
ビンに入った液体をはじめて見た時、思わずそれを失踪した選手と結びつけて怖くなったけど…
パイモン:
実際は名前もパッケージも決まってない、フォンタ社の新商品サンプルだったんじゃないか?
パイモン:
血みたいな飲み物…どうりで開発者たちの間で疑問の声が上がったわけだぜ…
パイモン:
だから、フォンタ社のやつらはまず試飲をしてもらって、人々の反応を見ることにした。
パイモン:
そいつらはメロピデ要塞に来ると、闘技大会と協賛したんだ。で、その機会を利用して販促を考えた。けど、ある壁にぶつかってしまう…それが公爵だ。
パイモン:
メロピデ要塞において特別許可券は貴重なもの…だから、公爵はその価値を知らない愚か者しかフォンタ社の飲み物を買わないと考えた。
パイモン:
そして、闘技大会で両方の選手の投票券を買う人は、明らかにその条件に合う「愚か者」ってわけだ。
リオセスリ:
その件をそこまで調べ上げるとはな…あんたらの実力を認めざるを得ないようだ。
リオセスリ:
だが、あんたらの話を聞く限り、そのフォンタ社の販売促進員はいささかおしゃべりらしい。彼らとの協力を見直したほうがいいな。
リオセスリ:
それじゃあ最後——三つ目の質問だ…医務室にいる患者たちと俺の看護師長、彼らは一体どんな秘密を隠している?
リネ:
僕たちはそれの調査中だったんだ。真相を知るはずない!それが分かってて、おちょくってるんだろう!最初から助ける気なんてなかったんじゃないか!
旅人:
リネ!
リネ:
報いを受けろ!
リオセスリ:
……!
リネは顧みずにリオセスリに襲い掛かったが、不意の射撃に撃たれた…
リネ:
くっ!
パイモン:
リネ!大丈夫か!?
リオセスリ:
危ない、危ない。看護師長の銃のおかげで助かった。
リネが力を振り絞って振り返ってみると、そこには銃を持ったシグウィンの姿があった…
シグウィン:
なんてことないよ、公爵。
パイモン:
看護師長!?
シグウィン:
この銃はおもちゃに見えるけど、ちゃんと使えるのよ。
リネ:
シグ…ウィン…君…
旅人:
どうして庇うの?
シグウィン:
勘違いしてるみたいね。ウチはメロピデ要塞の一員だから、メロピデ要塞を守るのがウチの責務なの。
シグウィン:
最初、ヌヴィレットさんがウチをメロピデ要塞に派遣した時、あの方はこう言ってた——ウチの仕事は、ここの人たちの面倒を見ることだって。ウチはただ使命を遂行しただけなのよ。
パイモン:
その理屈ならリネたちだって囚人で、ここの一員だろ?なんであいつらの面倒は見ないんだよ!
シグウィン:
でも、ウチはちゃんとヌヴィレットさんの言いつけ通り、彼らを守ってたのよ。じゃなきゃ、もっと違う結果になってたもの。
シグウィン:
それは公爵も認めてくれるはず。ね?公爵?
リオセスリ:
…はぁ、看護師長、あと数分は待ってくれてもよかったんじゃないか?
シグウィン:
どうせ、もうそろそろ時間でしょ。公爵ってば、たまに困ったことをするんだから。ウチはただ、ちゃんと公爵とお話がしたかっただけなのに。
パイモン:
なに言ってんだ?なんの時間だよ?
リネ:
二人を解放してくれ…その代わり僕を…
リオセスリ:
感動的だな。もう一分くらい見とくか?
シグウィン:
もうやめてあげなさいよ。
リオセスリ:
まあ、そう急かすな。もうじき、お客さんが二人到着する。
リオセスリ:
まずはお茶を飲ませてくれ。看護師長、リネットちゃんのことは任せた。
リネ:
な…何をする気だ!?
シグウィン:
足音が…近づいてきた。
ドアが勢いよく開けられると、見知った顔が部屋に入ってきた。
クロリンデ:
ちょっと退いてくれ。
突然、気を失ったフレミネを抱えたクロリンデが執務室に入ってきて、彼を地面に寝かせた…
リオセスリ:
おいおい、クロリンデさん…扉が壊れるだろ。
リネ:
フレミネ?フレミネ!
パイモン:
どういうことだ?なんでクロリンデがここに?
クロリンデ:
仕事だ。
シグウィン:
リネさん、さっきは撃ってしまってごめんなさい。麻酔の効果はもうすぐ切れるはずだけど、あんまり無理しないでね。
リネ:
…フレミネの身に何があったんだ?海に行ったはずなのに。なんで、こんな…こんな状態に…
旅人:
この症状はまさか…
シグウィン:
顔が赤く、脈が速くなってる。原始胎海の水を摂取した時の症状ね。
リネ:
何だって?
シグウィン:
ちょっと下がってて、フレミネさんをもっとよく診るから。他のことは頼むね、公爵。
リオセスリ:
詳しいことはクロリンデさんとの話を終えて、あんたらがフレミネくんをいるべき場所に送ってからにしよう。
周囲の人たちの状況を調べる
シグウィンがフレミネの状況を検査している…
リネ:
……
旅人:
(リネは少し顔を曇らせてる。シグウィンがフレミネに触れるのを望んでないみたい。でも、止める気配もない…フレミネは確かにもっと診てもらう必要がある。)
旅人:
(シグウィンは、フレミネの容態を真剣に確認してる。深刻な表情をしてないから、良い知らせを聞けそう。フレミネが無事でありますように。)
リネ:
…容態は?
シグウィン:
フレミネさんの症状は、短時間のうちに胎海の水を過度に摂取したせいで引き起こされたものね。でも命に別状はないのよ。
シグウィン:
もちろん、しばらく経過観察を続けたほうがいい。とにかく、このまま少し休ませて、落ち着いてきたら医務室に移しましょう。
シグウィン:
…ごめん、医務室にはもう行きたくないよね。けど、医療設備のある部屋はあそこだけなの。だから、仕方なくって。
リネ:
……
リネ:
メロピデ要塞から脱出した後、どうして胎海の水を摂取することに?どういった経緯が…?
シグウィン:
フレミネさんをちょっと見ててもらえる?薬品と呼吸器を取ってくるから。それと、リネットさんを連れてくるね。
リネ:
リネットはどこに?無事なんだね?
シグウィン:
彼女は麻酔を打たれて、空き部屋で寝てるだけよ。そろそろ起きる頃だと思う。信じてもらえないかもしれないけど、ウチと公爵は本当にお茶とお菓子を用意してたの。
旅人:
(リネのこわばっていた表情が少し緩んだ。どうやら、シグウィンの言葉を信じたみたい。)
周囲の人たちの状況を調べる
クロリンデはリオセスリと会話している…
クロリンデ:
何、その顔は?十分早く戻ってきたと思うけど。
リオセスリ:
いやいや、時間通りだなと感心してただけさ。もう少し遅かったら、看護師長はリネくんにもう一発撃たなければならなかったからな。
リオセスリ:
で、外の状況は?
クロリンデ:
水質が変わった。予想とほぼ同じで、原始胎海の水の濃度が明らかに上昇してる。
クロリンデ:
私みたいに短時間なら平気だけど、長く水中にいると、あんな風になってしまう。
リオセスリ:
彼を見つけた場所は?
クロリンデ:
パイプの突き当たりにある廃棄エリア。水の中に入ってから、少し離れたところだった。
リオセスリ:
思っていたより近いな。フレミネくんは早い段階で異常に気づいて、引き返したんだろう。
クロリンデ:
扉を閉じたのは正解だった。もう一人ここから出ていたら、助けられなかったかもしれない。
リオセスリ:
こっちは善意でやったって言ったのに、誰も信じてくれなかったんだぜ?
クロリンデ:
ヌヴィレット様なら信じてくれたかもしれない。あの人はどう見てもマイナスな状況から、好意的な動機を導き出せるから。
リオセスリ:
はぁ、もういい。
リオセスリ:
紅茶でもどうだ?
クロリンデ:
私は不要だ。自分が飲みたいなら、そう言えばいい。
リオセスリ:
はいはい。俺はお茶を飲むが、あんたもついでに一杯どうだ?
クロリンデ:
…付き合ってもいい。ところで、タオルはある?髪を拭きたいんだ。
リネと会話する
パイモン:
リネ、大丈夫か?
リネ:
…大丈夫、だと思う。みんなここにいるから、僕は大丈夫。
パイモン:
どこか具合が悪いところは?
リネ:
手足に力が入らない。たぶん麻酔の影響が残ってるんだろうね。心配しないで。
シグウィン:
みんな、ただいま。
リネット:
お兄ちゃん!旅人、パイモン!
リネットが気を失っているフレミネを見た…
リネット:
…フレミネ?フレミネは…
シグウィン:
無事よ。ちょっと起こすのを手伝って。
リネとリネットはフレミネを起こし、シグウィンが持ってきた薬を飲ませた。
フレミネ:
…ぅ…ん…
リネ:
呼吸が落ち着いてきた。
シグウィン:
手を貸して、フレミネさんを医務室まで運んでくれる?
リネ:
僕がやるよ。リネット、一緒に行こう。
リネット:
うん。
シグウィン:
旅人、キミも心配そうだけど、一緒に来る?
旅人:
そうする。
パイモン:
公爵とクロリンデがいなくなってるな…
シグウィン:
たぶん、お茶でもしてるのね。あとで公爵が本当のことを必ず説明してくれるはずよ。クロリンデさんも海から戻ったばかりだから、ちょっと休ませてあげましょう。
旅人:
(クロリンデがフレミネを助けた。しかも、海から…いったい何が?)
フレミネと共に医務室に戻る
フレミネ:
…うっ…ケホ、ケホッ!
リネ:
目が覚めた?フレミネ、具合はどう?
フレミネ:
…リネ…リネット…
リネット:
うん、みんなここにいるよ。
フレミネ:
ここは…どこ…
シグウィン:
メロピデ要塞の医務室なのよ。フレミネさん、もう危険な状態はほぼ脱したから安心して。
パイモン:
気分はどうだ?ツラかったら無理するなよ!
フレミネ:
旅人にパイモン…久しぶり。
フレミネ:
そうだ…海水!海水に問題が!
リネ:
慌てないで、その話は体調が良くなってからにしよう。
フレミネ:
ううん、聞いて。とても、とても危険な状況なんだ!海水に胎海の水が混ざってる。原因はまだ分からないけど…あの水には絶対に触れないで。
旅人:
パイプに入ってから何があったの?
フレミネ:
…パイプ…
フレミネ:
…そうだ、パイプ。思い出した。
未知のエリアを探索する
フレミネがパイプに入った後のことを話す…
フレミネ:
よし、入れた。うん…雰囲気からして、ずいぶん長いこと使われてないみたい。ここはもう廃棄されてるのかな。
フレミネ:
「公子」様はどこに…
水中に潜り、調査を続ける
フレミネ:
(待って、なにこれ…うぐっ!苦しい…)
フレミネが海水の異変に気付く…
フレミネ:
(心臓がドクドクいってる。呼吸もだんだん苦しくなってきた。これ…どういうこと?)
フレミネ:
(ダメだ。戻らなきゃ。みんな、この状況を知らない!今すぐ引き返せば、まだ間に合う…)
急いで岸に戻る
フレミネ:
(倒れちゃ…ダメ…くっ…)
フレミネ:
(まずい、状況がどんどん悪くなってく…水の中で意識を失うわけには…)
フレミネ:
(ぼく…踏ん張らないと…)
フレミネの意識が暗闇に落ちていった…
リネと会話する
リネ:
…つまり、手がかりは途切れて、「公子」様の行方もそこで掴めなくなった。でもその辺りに、出入りできるところはなかったと…
フレミネ:
そう。ぼく、必死に泳いで引き返したんだ。けど、あと少しで元の場所に戻れるってところで、どうしても力が出なくなって…その後、たぶん気絶したんだと思う。起きたらここにいた。
パイモン:
クロリンデがおまえを助けたんだぜ。でも、オイラたちもどういう経緯であいつがメロピデ要塞に来て、水中からおまえを助けたのかは知らなくって…
フレミネ:
…クロリンデさんが…お礼を言わなきゃ。
リネット:
もう少し休んでから行ったほうがいい。フレミネの身体はまだ万全じゃないんだから。
シグウィン:
クロリンデさんは、お客さんとしてあと数日ここにいるはずよ。リネットさんの言う通り、急ぐ必要はないから大丈夫。
リネ:
お客さんって…リオセスリのお客さんってこと?
シグウィン:
えっと、この件については、ウチじゃなくて公爵に直接聞いたほうがいいかな。あの人ならきっとウチよりうまく説明できるから…
旅人:
分かった。探しに行く。
パイモン:
そうだな。そろそろあいつには、ハッキリ説明してもらわないと!リネも一緒に来るだろ?
リネ:
……
リネ:
いや、君たちだけで行ってきてくれるかな?僕はまだ、しばらくここを離れたくない。
リネット:
お兄ちゃん…
リネ:
…今は安全だって頭では分かってるけど、離れられないよ。リネットもフレミネも危険な目に遭ったばかりなんだから。
リネット:
うん、分かった。じゃあ、しばらくこのまま一緒に。
シグウィン:
なら、医務室はキミたちに任せていいかしら。ウチは旅人とちょっと出かけてくるね。しばらくは、誰もキミたちの邪魔をする人は来ないはずよ。
フレミネ:
ありがとう。
リオセスリはメロピデ要塞のすべての秘密を握っている。あなたたちは彼に直接質問して、現状を把握するつもりだ。
リオセスリと会話する
シグウィン:
今、いいかしら?
リオセスリ:
ああ、どうやらフレミネくんの容態は落ち着いたようだ。
シグウィン:
もちろん、じゃなきゃ医務室を離れたりしないのよ。
リオセスリ:
で、そっちの二人が来るのは想定してたんだが、看護師長は何しに?
シグウィン:
クロリンデさんの様子を見に来たの。具合はどう?
クロリンデ:
ああ、特に問題はない。
シグウィン:
できれば、一度診察させて。すぐ終わるから、このあと数分だけ時間をもらってもいい?
クロリンデ:
分かった、感謝する。じゃあ、私は先に——
クロリンデはシグウィンと一緒に執務室を出た…
パイモン:
そろそろ弁解してくれるよな?
リオセスリ:
くくっ、弁解?その言い方は気に入らないな。「説明」ってことでどうだい?
旅人:
詳しく聞かせて。
リオセスリ:
だが、どこから話したものか…ああ、あんたらが最も知りたいことからにしよう。さあ、質問してくれ。
パイモン:
おう…じゃあ聞かせてもらうぞ。おまえは、最初からリネたちの目的を知ってたのか?
リオセスリ:
いいや、彼らがファデュイに所属し、「召使」の命令でメロピデ要塞に潜入したことしか知らなかった。具体的な目的は、あんたらの行動が進むにつれて見えてきたんだ。
パイモン:
目的も知らなかったのに、わざわざ警戒してたのか?
リオセスリ:
彼らが現れた理由は決していいもんじゃない——俺はこういうのに鼻が利いてな。
旅人:
どうして、彼らの行動を止めなかったの?
リオセスリ:
最初は、「公子」がなぜ失踪したのか調べるのが目的だと思ってたからな。
リオセスリ:
リネくんは、俺が彼を逃がしたと考えていたようだが…俺らは彼の行動を止めもしなければ、容認もしていなかったというのが正しい。「公子」は自ずと協力者を見つけて、自然と離れていったのさ。
リオセスリ:
スネージナヤの執行官がフォンテーヌで失踪したとなれば、きっと「召使」はそれをネタにするだろう。
リオセスリ:
俺も、あの執行官がどこに行ったのかちょうど気になっていた。どっちみち調べる必要があるのなら、ファデュイの人間に調べてもらったほうが得だろ?俺はただ、結果を待てばいいんだからな。
パイモン:
漁夫の利、ってわけか…
リオセスリ:
別に構わないだろ?まあ、その後の状況が変わったのは少し残念だったが…おそらく、フレミネくんからも聞いてるはずだ——メロピデ要塞周辺の海水に変化が起きてるとな。
リオセスリ:
「禁域」こそが、リネくんのもともとの調査目的。ここに来てから、あんたらもそれに巻き込まれることになった。だから、あんたらの身の安全とメロピデ要塞のトラブルを未然に防ぐため、俺も手を出し始めたってわけさ。
パイモン:
おまえが昔、犯罪者だったって噂は本当なのか?
リオセスリ:
何を言ってる?俺はメロピデ要塞の管理者であって、ずっとここにいる。服役するのと何ら変わりないだろ?ただここの者たちが、俺に服従してるだけだ。
パイモン:
そういえば、クロリンデは誰が呼んだんだ?
リオセスリ:
もちろん、俺だ。金を出して、彼女にメロピデ要塞まで出張に来てもらった。
リオセスリ:
クロリンデさんは決闘代理人——つまり、第三の勢力だ。今後起こり得る危機をどうにかするには、ずば抜けた実力を持った助っ人が必要だったんでな。
パイモン:
例えば、フレミネを助けるとかか?
リオセスリ:
ああ、そう理解してくれていい。フレミネくんは確かに優秀だ。あんなに劣悪な条件じゃなければ、今ごろ失踪した人に追いついてただろう。
リオセスリ:
それはあんたには関係ない。ヌヴィレットさんの依頼も、「公子」の行方を掴むことだけだったはずだ。
リオセスリ:
俺は、「禁域」が「公子」の失踪と関係ないことだけを証明すればいい。これに関しちゃ、フレミネくんはまさにその証人だろう。
パイモン:
けど、オイラたちの調査はもう医務室まで進んでたんだ。それに、おまえもさっきあれこれ質問しただろ…なのにオイラたちの最後の質問にはまだ答えてないぞ。
リオセスリ:
おっと、悪い。そんなに答えが気になっていたとは…
パイモン:
そりゃそうだろ!
リオセスリ:
たとえ、目を背けたくなるような真実であってもか?
旅人:
…うん。
リオセスリ:
ついて来い。
リオセスリについて行く
ギミックが起動され、床から螺旋階段が現れた…
パイモン:
こんなところに隠し扉があったのか!?しかも地下室まであるぞ!よくこんなの隠してたな。
リオセスリ:
ここはメロピデ要塞だ。それを忘れてもらっちゃ困る。
リオセスリと会話する
パイモン:
ここが「禁域」か?こんな奥まったところに隠してあるのに…見た感じ、特別なところはないな。
旅人:
あれは…
巨大な扉が目の前に現れる…
パイモン:
すごいデカい扉だぞ!
リオセスリ:
これと似た扉が合計で三つある。通常であれば、誰も足を踏み入れられない区域だ…俺以外はな。その名の通り、まさに「禁域」ってわけさ。
リオセスリ:
だがあんたらはきっと、ここの情報をファデュイの子たちにも共有するんだろうな。
パイモン:
まあ、確かに隠そうとは思ってないけど…
リオセスリ:
ふっ、そうすべきかどうかは、ここを見てから決めるといい。
探索を続ける
パイモン:
横にスイッチがあるぞ。
リオセスリ:
下がっていろ。
リオセスリがスイッチを操作した…
パイモン:
うわぁ…一つひとつ上がっていったぞ…
旅人:
部屋の真ん中にあるのは?
リオセスリ:
近づいてみるといい。
リオセスリと共に先へ進んで探索する
旅人:
(この部屋、空間が開けている割に何も置いてない。ただでさえ奇妙な感じなのに、部屋の真ん中には何かの装置がある。まるで巨大なゲートみたいだ。)
リオセスリ:
メロピデ要塞の管理を引き受けてから、俺はずっと不思議に思っていた。このゲートの裏には、いったい何があるのか…もちろん、考えなしに開けるのは賢明な行動じゃない。だが、この裏に隠された謎を解き明かさないのは、リスクを放置してるのと同じだ。
リオセスリ:
ここが俺の管理下になってから今まで、このゲートのメーターが動いたことはなかった。それがここ一年で、その針が静かに回り始めてる。おそらく、何らかのデータに僅かな変化が生じたんだろう。
リオセスリ:
普段なら見逃してたが、その時はちょうど暇だったんでな。少しばかり時間をかけて調べてみた。あんたらは、これが何のデータだと思う?
リオセスリ:
ああ、合理的な推測だ。俺もそう考えていた…だがな、そんなありきたりなもんじゃない。
リオセスリ:
温度は気候の変化によって簡単に変わるもんだ。つまり、温度よりも水圧のほうが可能性は高い。だから、俺は試しに外部から圧力を加えてみた。だが、それに変化はなかった。
リオセスリ:
そこで俺は別の可能性に思い至った。原始胎海の水と関係があるんじゃないか、ってな。その予想を基に、俺はある準備を始めた。
リオセスリ:
このメーターの針は、ここ二日でまた動き始めてる。そして、あの潜水士が帰ってきた時の症状を見て、俺は確信した——これは原始胎海の水の濃度を測るものだとな。
パイモン:
濃度!?でも、ここって海底だぞ…!
リオセスリ:
問題はそこだ。俺たちは海底にいるが、海水は静かに変化しつつある。胎海の水が混ざり、その濃度が徐々に上がってきてるんだ。
旅人:
…胎海の水が海に漏れ続けてるってこと?
リオセスリ:
ああ、その可能性が高い。
パイモン:
でも、オイラたち…いや、ヌヴィレットたちだって原始胎海がどこにあるのか知らないんだぞ。いったい胎海の水はどこから…
パイモン:
あっ!
リオセスリ:
どうやら気づいたようだ。
リオセスリ:
まさにその通りさ。このゲートの向こうには原始胎海があると、俺は考えてる。何らかの理由で、ゲートの裏に存在する胎海の水が大幅に上昇してるんだろう。で、俺らのところまで迫りつつある。
リオセスリ:
現在、メーターは赤だ。ゲートはまだ存在しちゃいるが、胎海の水の一部が海底から漏れ出て、海水に混ざり始めてる。
リオセスリ:
…このままだと、いずれ下の水をせき止めることができなくなるだろう。
リオセスリ:
ああ、胎海の水は原始胎海に由来するものだと、フォンテーヌの伝説では語られてる。もしここが決壊すれば、フォンテーヌに住むやつらは全員、たった一夜にして水になるだろう。
パイモン:
でも、妙じゃないか?なんでメロピデ要塞は、原始胎海のゲートの真上に建てられたんだ?ここって誰が作ったんだろう…?
リオセスリ:
その顔を見るに、難しく考えてるようだな。だが実際のところ、事実はあんたが想像してるもんより単純かもしれない。
リオセスリ:
俺がこのことに気づくまで、禁域の秘密を知る者はフォンテーヌにいなかった…ただ、それだけだ。
リオセスリ:
メロピデ要塞には本当の意味での創設者がいない。今から話す噂も、昔ここに集まったやつらが残したもんだ。
リオセスリ:
先代水神のエゲリアがまだその座にいた頃、罪を犯したフォンテーヌ人は追放されるのが慣例だった。人々は狼の群れから仲間を駆逐するかのように、犯罪者を追い出した。
リオセスリ:
犯罪者は、何の同情も得られない…これが普通だ。荒れ果てた海辺に追放され、苦難や寒さ、痛みを味わうことになる。
リオセスリ:
だが一部の人間は悔い改め、天に祈りながら自分にできることはないかと水神に聞いた。水神は彼らの渇望に憐れみを覚え、こう言ったらしい——「海の底で私の秘密を守ってくれ」と。
リオセスリ:
彼らは水神の力を借り、海の底に集った。そして、協力して築き上げたのがこの要塞だ。彼らはここに住み着き、徐々に多くの人を受け入れていった。
リオセスリ:
追放者が増えていくにつれ、より多くの者が彼らと同じ道を歩んだ。そして最初のメンバーたちは死ぬ前に、当時まだ完成していなかったメロピデ要塞を他の追放者に託したという。
リオセスリ:
先代水神は遠く離れたところから力を貸し、そのおかげもあって追放者たちの要塞はより大きなものとなった。海の底にあり、太陽から遠く離れたメロピデ要塞——そこは罪人たちにとって、唯一の安息の地となった。
リオセスリ:
だからここの人間は、メロピデ要塞を監獄とは呼ばない。彼らは信じてるんだ。自分たちは今、罪を償っている…その償いを終えたら、再び自由になれるとな。
リオセスリ:
だが、後にそいつらは気づく…メロピデ要塞は孤独の地なのだと。彼らはここの生活に染まっていき、水の上の世界とは徐々に疎遠になっていった。
リオセスリ:
刑期を終えた後、ここを去らずに残るものもいる。残った者はこの地で閑職に就くと、その枯れた魂が太古の秘密と共に消えていくことに身を任せた。
リオセスリ:
…数百年が過ぎ、メロピデ要塞が何のために建造されたのかを知る者はもう少ない。ここは遥か昔から存在し、犯罪者が流れ着く場所だと、人々はそうとだけ考えてる。
リオセスリ:
たまに年を取った研究者が罪を犯し、ここで余生を過ごすことがある。俺はある年老いた歴史学者からこういった話を聞いてきた。だが、他のやつはこの話をあの学者の妄想だと思ってる。
パイモン:
でも、おまえは確信してるんだな。その話は、すべて真実だってことを…
リオセスリ:
ああ。もしいつかこのゲートが決壊すれば、あの予言のようにすべての人が水に溶けるだろう。
旅人:
君は予言を信じてるの?
リオセスリ:
どちらかと言えば、俺はそれほど信じちゃいない。だが残念ながら、すべてのことが予言の内容と重なってる。
リオセスリ:
予言ってのは厄介なもんだ。耳にしただけで、一度目の恐怖を叩きつけられる。そして、その兆しが現れれば二度目の恐怖を…それが現実となれば三度目だ。
旅人:
ここのトップとして、君はどうする気?
リオセスリ:
場所を変えよう。あるものを見せてやる。
執務室に戻る
リオセスリ:
ここだ。
ジュリエ:
公爵!ちょうどいいところにいらっしゃいました。最新のデータはすでに…
ルールヴィ:
待ってください、ジュリエ。他の人が!
パイモン:
あれ?ジュリエとルールヴィ?
リオセスリ:
慌てるな。この二人はもう俺らの計画を知ってる。
ルールヴィ:
何ですって?誰にも計画を漏らしてはいけないと、おっしゃっていましたよね?
ジュリエ:
そうですよ。それに、この人たちは信用できるんですか?
リオセスリ:
結果はもう目に見えてるだろ?この二人はあんたらが思ってる以上に情報を知ってる。
ジュリエ:
…分かりました。あなたがそこまでおっしゃるのなら。
ルールヴィ:
…そうですね。二人から悪意は感じませんし…たぶん信じてもいいのでしょう。
リオセスリ:
さて、改めて紹介しよう。こいつはジュリエくん、フォンテーヌ科学院で最高位の研究員の一人だ。昔はエドウィンくんのもとで働いてた。あんたら、エドウィンくんのことは知ってるか?
リオセスリ:
そりゃよかった。説明する手間が省けた。
リオセスリ:
彼の専攻はアルケウムと重力機械だ。ジュリエくんはその助手で、関連技術が頭に入ってる。俺はジュリエくんを技術顧問として雇ってるんだ。
パイモン:
ま…まさか、メロピデ要塞を吹っ飛ばすつもりか?
リオセスリ:
ほう…そりゃ魅力的な言葉だな。つい想像したくなる。
ジュリエ:
僕も、ちょっと心が動きかけたかも…
ルールヴィ:
皆さん、変なことを考えないように!
リオセスリ:
この真面目なのがルールヴィさん。同じく俺が雇った技術顧問だ。偶然にも、ジュリエくんはエドウィンくんの助手で、そして彼女は元々ジュリエくんの助手だった。
パイモン:
そんなことってあるか?
旅人:
どういう意図が?
リオセスリ:
見ろ、やっぱりみんなそれを聞く。あんたら、実は仕事を理由に逢い引きしたいだけなんじゃないか?
ルールヴィ:
なっ…公爵、逢い引きだなんてありえません!
ジュリエ:
そうです!僕がとち狂わない限り!
リオセスリ:
ああ、ああ、分かった。今のは聞かなかったことにしてくれ。
リオセスリ:
さっ、二人とも付いてこい。
ギミックが起動され、ゲートが一つずつ上がっていった…
パイモン:
わっ、また上に開く扉だぞ!
リオセスリ:
そう褒めるな。メロピデ要塞に対して、いらん自負が生まれてくる。
パイモン:
へへっ…だって、本当にすごいと思ったから。
旅人:
ここは普通の部屋?
リオセスリ:
では、もう少し手品を——
ガラスの向こうの景色が段々はっきりし始め、遠くから巨大な船が見えてきた…
リオセスリ:
披露しよう。
旅人:
これは…!?
パイモン:
これって…船か?かなりデカいぞ…
パイモン:
それに、ここって見たことない生産エリアだよな…いったいどうなってるんだ?
リオセスリ:
あんたらは、フォンテーヌの歴史についてどれくらい知ってる?
パイモン:
えっと…あんまりよく知らないな…
リオセスリ:
となると、レムリアの物語も知らないだろうな。ざっくり話そう——古代フォンテーヌはレムリア王朝の統治を受けていた。
リオセスリ:
言い伝えによると、レムリアの帝王レムスは天啓を受け、金の蜂に化身した予言者シビラを訪ねた。レムスは金の蜂と大船フォルトゥナ号と共に、海上に自分の国を建てたという。
リオセスリ:
彼はその国をレムリアと名付け、フォルトゥナ号に乗って新たな島や部落を探し回った。そして、その者たちに帝国の統治下に入るよう呼びかけた。
パイモン:
その物語にも船が出てくるんだな…
リオセスリ:
ああ、水と関連する場所なら船は必ず出てくるもんだ。人々は船が希望へと導いてくれると信じてる。
パイモン:
じゃあ、おまえも信じてるのか?
リオセスリ:
俺は半々ってところだ。だが、あんたも知っての通り、俺は工場一つを動かせるほどの材料と技術、人材を持ってる。試してみても損はないさ。
リオセスリ:
あのゲートの下に胎海があるかもしれないと思い至った時から、俺はこの考えを持つようになった。
パイモン:
つまり、その伝説のフォルトゥナ号に影響されたってことか?
リオセスリ:
天災を目前にして、フォンテーヌ人にはこういった手段が必要だからな。
リオセスリ:
もしここの囚人どもが、この巨大な船の裏にある真実を知ったらどうなると思う?本物の災いが訪れる前に、メロピデ要塞で暴動が起きて壊滅するだろう。
リオセスリ:
管理者である俺が、そんな考えなしの行動など認めるはずもない。
リオセスリ:
さて、ずいぶんと会話も弾んだことだ。お茶を三杯は飲まないとな。他に聞きたいことはあるか?
リオセスリ:
どうやらないようだ。では、外まで送るとしよう。
リオセスリと会話する
リオセスリ:
さて、見送りはここまでにしよう。
パイモン:
おう!えっと…ありがとな。
リオセスリ:
礼はいい。だが覚えておけ、情報を共有するかどうかはあんた次第だ。これからあんたが取る行動は、あいつらに影響を及ぼす可能性が高い。
旅人:
(つまり、俺がメロピデ要塞の秘密を伝えるかどうかで、リネたちが次に取る行動は決まるということ。)
旅人:
(…もし真相をリネに伝える場合、争っている場合じゃないことを彼に理解してもらう必要がある。)
パイモン:
おう、その辺はちゃんと考えるつもりだぞ!
旅人:
うん、そうする。
リオセスリ:
ああ、これからの展開を楽しませてもらうとしよう。
すべてが落ち着いたと思われた矢先、未知の災厄が忍び寄る…
医務室に戻る
パイモン:
戻ったぞー!
リネット:
おかえり、お茶いる?
パイモン:
おまえもあの公爵と一緒かよ。いつもお茶ばっかり飲んで…
リネット:
お茶といえばだけど、ついさっきあることを思い出した。
リネット:
麻酔が効いてた間、うっすらとだけど近くで人が話してるのが聞こえたの。茶葉、お茶の水、あとティーカップとかの話をしてた…
リネ:
…リオセスリとシグウィンだろうね。
リネット:
男の人と女の人がひとりずつだったから、たぶんそうかも。でも、その人たち…本当にずっとお茶の話だけをしてた。
フレミネ:
ここの人、ちょっとなに考えてるのか理解できないかも…
リネ:
旅人、パイモン、真相はもう聞き出せたんでしょ?
パイモン:
おう、公爵が全部説明してくれたぜ。
リネ:
ふむふむ…じゃあ、答え合わせをしてもいいかい?
リネ:
ああ、少し休んだおかげでだいぶ楽になったよ。
リネット:
…近くに誰もいないし、シグウィンさんも他のことで忙しいみたい。このままここで話そう。
リネ:
よし、じゃあまずは僕から大胆な仮説を話すよ。あの後、僕も自問してみたんだ——三つほどね。
リネ:
まず一つ、なぜフレミネは胎海の影響を受けたのか?その原因は彼が水中に潜ったからだ。言い伝えから原始胎海の場所は特定できないけど…僕の推測によれば、このメロピデ要塞の近くにあるんだと思う。
パイモン:
おおっ、すごいな!さっそくかなり当たってるぞ!
フレミネ:
さすがリネ。
リネ:
二つ、リオセスリの態度が急変した点について。最初は見て見ぬふりをしていたのに、どうして急に牙を剝いたのか?
リネ:
この問題は、かなり時間をかけて考えることになった。仮にリオセスリは最初からファデュイに目をつけていたとする。彼が僕たちを野放しにしていたのは、おそらく「公子」様を見つけさせようとしたからだろう。
リネ:
しかも、メロピデ要塞はフォンテーヌの法廷に属していない。つまり、ヌヴィレットさんに報告する必要もないってことだ。リオセスリは、いわゆる無法地帯の王と言っても過言じゃない。
リネ:
メロピデ要塞側が「公子」様の失踪に関与していなければ、「お父様」はフォンテーヌ政府側に異議を申し立てることになる。こうして両者が膠着状態になれば、彼はその間にできた隙を泳ぐことができるってわけさ。
リネ:
つまり、彼には何か成し遂げたい目的があるんじゃないかな…おそらく、医務室の秘密と関係してるんだろう。でも、それが一体何なのかについては、皆目見当もつかない。
旅人:
十分すごいと思う。
パイモン:
おまえって、ほんと頭がいいんだな!
リネ:
ははっ、ありがとう。さて、次が最後の自問だ。
リネ:
もしリオセスリに計画が存在するとしたら、それは何なのか?現在、僕が把握できてるのは、その計画が海水の変化と関係してる可能性があるということだけ。そのためにクロリンデさんまで呼んだんじゃないかな。
リネ:
…でも、これだけじゃ足りない。医務室の仕切り板の裏には秘密の通路が隠されているかもしれないし、もしそうなら彼のテリトリーには普通の人じゃ目にできないものがあるっていうことだ。あの手にはまだ駒が握られていて、「お父様」と交渉することも考えてる。
リネ:
情報が足りな過ぎて、あまりに予測の立てようがない。でも、君が僕の疑問を解いてくれるはずだ。
よく考えた後、リオセスリから聞いた情報をリネたちに伝えた。
同時に、災いがいつ訪れてもおかしくない今、争っている場合ではないことと慎重に行動して欲しいということも強調した。
フレミネ:
…まさか、それが真実だなんて…
リネット:
洪水が…予言通りにすべてを呑み込む…
リネ:
じゃあ、リオセスリが「お父様」との面会を望んだのも、この危機を防ぐためだったってこと?
リネ:
僕がこう言ったのは覚えてるかな?「お父様」は壁炉の家を本拠地として扱ってるから、問題の解決をずっと望んでるって。でも、どうしてリオセスリがそのことを知ってたんだろう?
リネット:
それか、リオセスリもこれを知ってたわけじゃなくて、ただ「お父様」を説得したかっただけなのかも?だから、「交渉」を持ちかけた可能性もある。
リネ:
…そうだね、筋は通ってる。君が心配してることはちゃんと分かってるから安心して。この情報は何としてでも「お父様」に伝えるよ。何があっても、僕たちは君の味方だから。
リネ:
君とパイモンには、十分すぎるほど助けてもらってる。君の存在なしには、僕たちはここに立つことすらできなかっただろう。
リネ:
今後助けが必要な時は、いつでも壁炉の家に来てくれていいからね。
リネ:
君たちにその気がなくても、これだけ一緒に過ごしてきたんだ。僕たち三人にとって…君たちはもはや、家族同然さ。
フレミネ:
ぼくも…とても感謝してる。
リネット:
大事な時にお兄ちゃんを守ってくれてありがとう——それに、重要な秘密を共有してくれたことも。教えてくれるとは思ってなかったから。
パイモン:
でへへ、急にそんなムズがゆいこと言うなよ。
パイモン:
(ぐぅぅぅ…)
旅人:
何の音?
パイモン:
えっと…オ、オイラ、お腹が減ったぞ…
フレミネ:
きっと疲れてるよね。はやく何か食べたほうがいい。
パイモン:
おう、じゃあ先に行ってるな!
食堂に行く
放送:
皆さん、夕食のお時間です。サービス食を受け取りに来てください。
パイモン:
ほらほら、オイラたちもはやく取りに行こうぜ~!
シグウィン:
あっ、旅人、パイモンちゃん!こっちこっち!
パイモン:
看護師長、おまえもごはんか?
シグウィン:
ええ、ついでにクロリンデさんのために晩御飯を用意してるの。
シグウィンの目線を辿ると、さほど遠くないところに座っているクロリンデを見つけた…
パイモン:
ほんとだ。あいつがメロピデ要塞の食堂に座ってるなんて…
シグウィン:
キミたちは何が食べたい?
旅人:
えっ!?選んでいいの?
シグウィン:
ええ。今日はウチが決めるってシェフのウォルジーさんに言ってあるから、何でも食べたいもの注文してちょうだい。
パイモン:
オイラもオイラも~!
シグウィン:
はいはい、任せて。
少しして、シグウィンに頼んだメニューが届いた。普段の運頼みとは違って、今日の弁当箱には美味しいものしか入っていない。
さらに、シグウィンは飲み物まで持って来てくれた。味は変わっているが、栄養たっぷりらしい…彼女が言うには、公爵もこれが好きでよく飲んでいるとか…しかし、自分とパイモンはそれを信じなかった。
…ミルクセーキの味はひどいものだったが、逆に安心感を覚えることができた。
パイモン:
ぷはぁ——!すごくおいしかったぞ!
パイモン:
がっつり食べたな!毎日こんくらい食べたいぜ、へへっ!
シグウィン:
お腹いっぱいになった?味はどうだったかしら?
パイモン:
おいしかったぞ!
シグウィン:
ええ、キミたちの喜ぶ顔を見れて、ウチも嬉しいのよ。ほら、今の表情…ここの筋肉が動いてるから、とてもリラックスしてる証拠ね。
パイモン:
看護師長は患者のためにそういうのを研究してるのか?それとも、人間を理解するためにやってるのか?
シグウィン:
どっちもね。ウチってメリュジーヌでしょ。人間といろんなとこが違うの。だから、ここでみんなの面倒をよく見るためにも、キミたちが考えてることを知らないといけないのよ。
パイモン:
本当に面倒見がいいんだな。こんなに背が小っちゃいのに、振る舞いはお姉さんみたいだぞ。
シグウィン:
本当?ウチのこと、お姉さんだと思ってくれるの?ふふっ、よかった。
パイモン:
そうだ。前におまえが公爵の執務室にいた時、リネたちを守ってたって言ってたけど、それってなんのことだったんだ?
シグウィン:
ああ、それね。ウチはただ、あの子供たちを気にかけてほしいって公爵にお願いしただけよ。特にあの潜水士の子をね。水質が妙だって聞いたから、心配で…
シグウィン:
幸い、クロリンデさんの見事な手腕のおかげで、あの子を無事に助けることができた。クロリンデさんがあそこを離れた後、公爵がわざとパイプを封鎖したのも、リネさんが衝動に駆られて追いかけるのを防ぐためだったのよ。
シグウィン:
あの道って行き止まりだけど、それでも誰も近づかないように数人の看守にずっと見張らせていたの。それからクロリンデさんが戻ってきた時、すぐに扉を開けられるようにね。
シグウィン:
ウチも、ずっとリネさんの様子に気にかけていたんだから。プレッシャーをかけながら、トラブルに巻き込まれないようにしていたの。
パイモン:
本当に抜かりないんだな。
シグウィン:
まあ、これがメロピデ要塞のやり方と言ったところかしら。少なくとも、公爵が着任してからはずっとこんな感じね。
シグウィン:
はぁ、ヌヴィレットさんももっとここに来てくれたらいいのに。そうすれば、きっとこの場所を好きになってくれると思う。だって…暗くて、ごちゃごちゃしているでしょ?
旅人:
(その理屈だと、好きになる要素がないような…どちらかというと、ヌヴィレットは執務室に座ってるほうが似合うと思う…)
シグウィン:
今夜はゆっくり休んでね。みんなお疲れさまなのよ。
居房エリアに戻って休む
パイモン:
ふぅ…一気にいろんなことがあったから、気を抜いたらどっと疲れてきたぞ…
パイモン:
オイラ、すごく眠くなってきた…おまえも疲れてるんじゃないか…
旅人:
確かに、少し眠くなってきた。
パイモン:
…ふぁあ…むにゃ、むにゃ…
旅人:
(パイモンってば、あっという間に寝ちゃった。)
パイモン:
むにゃ…おいしい、もう一杯…こいつのおごりで!
旅人:
(おやすみ。)
夢と現実のはざまに、どうやら遠くのざわめきを聞いたようだ…
群衆:
どけ!どけっつってんだろ!
群衆:
何があった?なんで逃げてんだよ?
群衆:
知らんが、何かトラブルがあったらしい。——ったく、俺に聞かないでくれ…
パイモン:
うぅん…?なんだよ…オイラ…まだ眠いのに…
旅人:
(——っ!?なんの音…?)
旅人:
パイモン、起きて!外に出よう!
外に行って状況を確認する
パイモン:
なにがあったんだ?なんで急にこんな騒ぎになってんだよ…なあ!おまえたち、どうしたんだ?
慌てている囚人:
説明してる暇なんてない!じゃあなッ!
パイモン:
え?あっ、おい!
パイモン:
どいつもこいつも、オイラたちに構ってる暇がないみたいだぞ…なんなんだ!?
クスト:
やっと見つけた。こっちに来い!
ラヴェリューヌ:
ふぅ、よかった。
パイモン:
クスト?ラヴェリューヌ?なにがあったのか知ってるのか?
クスト:
もちろん、君たち二人を探すためにわざわざ来てやったんだからな。何やら少しトラブルが起きてるらしい。できるだけここから離れて、外に逃げろって公爵に言われてる!
クスト:
ラヴェリューヌが、君たち二人は来たばかりの新人だし、誰にも気にかけられず、そのまま忘れられるんじゃないかって言うんだよ。ほら、よくあるだろ?逃げたあとに人数を確認したら、一人か二人足りないってこと…
ラヴェリューヌ:
ん?そんなこと言った覚えは…むしろ、それはそっちが…
クスト:
よ、余計なこと言うな!
ラヴェリューヌ:
はいはい。とりあえず、俺たちについて来てくれ。
旅人:
公爵が「外へ」逃げるようにって?
ラヴェリューヌ:
そう。できるだけ上に行けって言われてる。
旅人:
(つまり、下層部で何か問題が起きてるってことになる…メロピデ要塞の一番下にあるのは、あのゲートのはず!)
パイモン:
まずいんじゃないか!まさかあれが!
クスト:
えっ?おい!どこに行くつもりだ?
パイモン:
公爵に用事があるんだ!おまえたちは先に行っててくれ!オイラたちのことは心配しなくていいぞ!
ラヴェリューヌ:
お、おい!…気を付けろよ!
禁域に行く
movie
あなたとパイモンは禁域に駆け込んだ。目の前に見えるのは、身構えた様子の監獄長と決闘代理人の後ろ姿だった。
禁域の突き当りでは、巨大なゲートが絶えず震えており、メーターの数値は閾値近くで戦慄するかのように揺れている。
一瞬にして、ゲートの四つの角が水に突破され、強い水流によって封鎖が弾け飛んだ。奔流が噴水のように部屋へ流れ込んでくる。
リオセスリは拳風で、噴き出る海水を凍らせた。しかし、所詮は一時しのぎであり、さらに多くの水が氷を直撃し、時間稼ぎの戦術に限界があることを察したリオセスリは、外に飛び出した。
ゲートの外では、クロリンデがあなたたちの前に立ち、約束通りリオセスリが逃げると同時に扉の制御装置を撃った。
溢れ出る海水を阻止するために、三つのゲートが順次閉じていき、間一髪で監獄長も滑り込んで脱出に成功する。
いつ破られてもおかしくないゲートを見て、危機を脱するために、地上のヌヴィレットを呼んでくるよう、リオセスリはあなたたちに頼んだ。
対して、彼とクロリンデはこの場に残り、最後の砦となった…
ヌヴィレットと会話する
慌てて水の上へと戻ってすぐに、ヌヴィレットと出くわした…
パイモン:
ヌヴィレット!?なんでここにいるんだ!?
ヌヴィレット:
旅人、今すぐ歌劇場に向かってほしい。
ヌヴィレット:
もうじき、フリーナがそこで「召使」に会う。どうかフリーナを守ってくれ。くれぐれも、彼女を「召使」と長く二人きりにさせてはいけない。
旅人:
分かった。でも後で説明して。
ヌヴィレット:
ああ、必ず。心から感謝する。
歌劇場に行く
パイモン:
見ろ!ファデュイとパレ·メルモニアの人たちがいるぞ!フリーナと「召使」ももう来てるんじゃないか?オイラたちも急ごう!
受付係:
お二人が旅人さんとパイモンさんでしょうか?ヌヴィレット様から話は聞いております。こちらへどうぞ。
受付係:
ヌヴィレット様から既にお聞きになっていると思いますが、ここから先は武力行使に適さない場です。ですがそれでもできる限り、フリーナ様の安全を守るようご尽力ください。
旅人:
最善を尽くす。
フリーナのそばにいる
あなたとパイモンが入ってくるのを見て、フリーナは喜びを抑えきれずに立ち上がった。
「召使」:
ほう、フリーナ殿がおっしゃっていた貴賓は君たち二人だったのか。
フリーナ:
もちろん。二人はこの場に不可欠な存在だからね?デザートを並べた僕のテーブルの前に、客人が二人もいないなんてありえない。それだとあまりに寂しすぎて、僕の身分には不釣り合いだ。
「召使」:
お会いできて光栄だ、旅人。ご高名をかねてから伺っているよ。私はファデュイ執行官「召使」。
旅人:
(この人が「召使」——壁炉の家のリーダーで、リネたちの「お父様」…一筋縄じゃいかなそう。)
フリーナ:
キミたちの席はもう用意してあるよ。さあ、僕の隣にかけるといい。
「召使」:
私とフリーナ殿の習慣について、きっと二人はまだ知らないだろう。実はつい最近、約束をしたんだ。時間があったら、一緒にお茶を楽しもうとね。
「召使」:
ほら、これはフリーナ殿が大変気に入っているケーキだ。毎日限定で十六個しか販売されず、タイミングを逃せばすぐに売り切れてしまう。旅人とパイモンもぜひ召し上がってみてくれ。
旅人:
(彼女の表情はまだ友好的と言える。でも、このまま簡単にはいかないはず…「召使」の手腕は油断ならない。気を付けないと。)
フリーナ:
旅人、ケーキはどうだった?
「召使」:
そうか。なら私も安心した。やはり「公子」の言う通りのようだ。君の好みは、私とフリーナ殿と大して変わらない。
旅人:
(違う、タルタリヤがそんなことを言うはずがない。)
「召使」:
最近、彼はどう過ごしているのか…ここにいる皆も知っているだろう?「公子」が失踪したということをね。まったく心配で仕方がない。彼が泳ぎに長けているといいんだが。
旅人:
彼の実力を信じる。
フリーナ:
え、えっと…そういうことなら、僕からも一言付け加えよう。その者の武芸は、まあ悪くないものだ、うん。
旅人:
(フリーナはちょっと緊張してるみたい。彼女と「召使」の間には、きっと何かがあったはず。)
「召使」:
おや、フリーナ殿も彼の武芸について存じているようだね?ああ、そうだ、忘れていた。彼はまさに君の目の前で、最高審判官ヌヴィレット殿に裁かれたんだった。
「召使」:
私の同僚は他所でも通用するくらいの腕前なんだが、まさかああいった人物を相手にするとは思わなかっただろう…ヌヴィレット殿の手際には、まさに感服せざるを得ない。
旅人:
タルタリヤの情報ならもう調べてある。
「召使」:
そうだろうな。君であれば、確かに調べられるだろう。
フリーナ:
えっと、そこはもっと喜ぶところなんじゃないか?
「召使」:
もちろん喜ばしいことではあるが、些か残念なのだよ。この情報をもう少し早く聞けていれば、私ももっと喜んでいただろう。だが、「公子」が失踪してから、既に長い時間が経っている。
フリーナの表情からは、微かな不安が伺える…
フリーナ:
……
パイモン:
えっと…あっ、でも、タルタリヤはまだ生きてるからな!そこについては安心していいぞ!
「召使」:
おや?どうして、そんな確証を持てる?
パイモン:
だって…だってオイラたち、あいつがメロピデ要塞を離れた手がかりを見つけたんだ!
「召使」:
その手がかりは、どこへ向かった?
パイモン:
えっと…
旅人:
(まずい、パイモンの話には大きな穴がある…)
「召使」:
メロピデ要塞は水中に位置している。正門から堂々と出ない限り、水路を使って脱獄することになるはずだ。彼が無事に海底から離れられた証拠を見つけたというのか?
旅人:
…確かにまだない。
旅人:
でも、不幸に見舞われた証拠もない。
「召使」:
ほう、それはいいことだ。つい先日、彼の妹のトーニャからここフォンテーヌに手紙が届いた。残念ながら、彼はいなかったため私が代わりに受け取ることになったが…
「召使」:
そうだ、教えてほしい。彼が普段、どんなふうに返信しているのか…「拝啓、親愛なるトーニャ、俺は今歌劇場の前で街の景色を堪能してる」——こんな感じでいいのだろうか?
旅人:
(圧力をずっとかけてきてる。彼女と言葉の応酬で勝てる自信はない…けど、フリーナに対する圧力をこっちに移すことはできるはず。)
旅人:
その書き方なら大丈夫だと思う。
フリーナ:
手紙というのはある程度の型があるものだ。内容さえ正しければ、どんな書式で、どんな言葉を使っても…ん?
フリーナは信じられないというような表情で盃の揺れている水面を見つめる…
フリーナ:
……
パイモン:
あれ?カップの中身が揺れてるぞ…?
「召使」:
……
「召使」:
これもきっとある種の予兆だろう。フリーナ殿。
フリーナ:
へっ!?えっと、その言い方、よく理解できないんだが…
「召使」:
——予言が次の段階に入ったんじゃないか?
フリーナ:
……
movie
その頃…
ヌヴィレットは禁域の深くに辿り着いていた。
クロリンデとリオセスリは依然としてここを守っており、ゲートはすでにそびえ立つ氷の壁となっている。
ヌヴィレットは歩みを進め、下がるよう二人に合図する。
何故ヌヴィレットがこのような状況に対処できようかとリオセスリは軽く揶揄しつつ、そのままクロリンデと一緒に去っていった。
危険な環境に、一人残されたヌヴィレット。彼は氷の壁の前まで進み、顔を上げて分厚い氷を眺める。
やがて亀裂の音が絶えず響き始め、氷の壁にひびが入る。
次の瞬間、凶獣のような海水が封印を突破して湧き出し、一瞬にしてヌヴィレットを呑み込んだ…
しかしヌヴィレットは平然として水の中に立ち、右手を水平に伸ばし、手のひらに波紋が躍動させる。すると、周りの胎海の水が一瞬止まった。
「予言の日は、いつか訪れるかもしれない…だが今ではない。」
ヌヴィレットはゆっくりと前へ歩む。彼の言葉通り、胎海の水は抑えられたかのように元の方向へ戻って行き、壊れたゲートの向こうへと引き下がった。
ヌヴィレットは再度手を動かし、ゲートに封印を施す。
水元素力は潮のように満ちていき、やがて安定した状態に戻る。立ち騒いでいた胎海の水も、こうしてしばらくの平静を取り戻したのだった…
今の状況を知る
クロリンデ:
どうやら、中の問題は解決したようだ。
リオセスリ:
つまり、俺らもしばらくは大丈夫ってことだな?
ヌヴィレット:
ああ、しばらくは。
リオセスリ:
今回の賭けは俺の勝ちってわけだ。さて、景品をもらおうか?
クロリンデ:
確かに、あなたの言った通りだった。
ヌヴィレット:
賭けをしたのか?
リオセスリ:
あんたが一人で来るか、大勢を引き連れて来るかな。一人で来るはずないって、クロリンデさんは思ってたのさ。
クロリンデ:
立場上、そうあるべきだと思った。けど、この件の機密レベルは私の予想を上回っていたようだ。
リオセスリ:
あんたもそろそろ機密性の高い仕事に慣れてきたじゃないか。法廷ってのは、そういう場所だからな。
ヌヴィレット:
それで…賭けに負けた者は何を渡すのだ?茶葉か?
クロリンデ:
公爵の執務室に茶葉などいくらでもあります。法典を贈ったほうが有意義なはずです。
リオセスリ:
なんだ、俺の法意識が低いと皮肉ってるわけじゃないよな?
クロリンデ:
公爵は、メロピデ要塞を法の及ばない場所として扱ってはいなかったと思うが?
ヌヴィレット:
ここには法典に興味を持つ者など、あまりいないと思っていたが…
リオセスリ:
はっ、さっきの話は冗談に決まってるだろ。
ヌヴィレットは何かを考えているようだ…
リオセスリ:
で、水の上にはまだトラブルが残ってるのか?
クロリンデ:
急務があるのでしたら、先にお戻りください。あなたがパレ·メルモニアを長く離れられないことは、我々も承知していますから。
ヌヴィレット:
…ああ。
ヌヴィレット:
(向こうも順調だといいのだが。)
引き続きお茶会に参加する
一方、「召使」とのお茶会もまだ続いていた…
「召使」:
ふっ…いいだろう、おままごとはここまでだ。
「召使」:
フリーナ殿…神として、先ほどの事象が何なのかを完全に把握していることだろう。それとも、それはあくまで私の憶測にすぎないのかな?君のその表情を見るに、私の考えが間違っているのではと疑ってしまうのだが?
フリーナ:
…何が言いたい?
「召使」:
この期に及んで、外交的な立場で話す必要もないだろう。フォンテーヌ人の一人として言わせてもらう——予言にある内容が少しずつ現実になってきている今、それについて最も把握しているのは君だ。
「召使」:
…にも関わらず、君はここで呑気にお茶を飲み、ケーキを楽しんでいる。まるで、ガーデンの中に虫が数匹迷い込んだくらいにしか考えていない。このままで、本当にいいのか?
「召使」:
予言は、すべての人の頭上に吊られている剣だ。あらゆる勢力が災いを防ぐ方法や、自分を救う方法を模索している。壁炉の家の孤児たちでさえ、この故郷を救おうと尽力しているのだ。
「召使」:
それなのに君は?魔神フォカロルス、君は終始なんの動きも見せない。驚くほど悠長に構えている。
フリーナ:
違う…僕は予言を軽じたことも、悠長に構えていたこともない。今の発言を撤回しろ!神に対して勝手な憶測をするなど、不敬極まりないぞ!
「召使」:
いや、私一人だけではない。フォンテーヌに住まう数多の民たちが、同じ疑問を抱いているはずだ。
「召使」:
水の神よ。君はどのようにして彼らを救い、私たちを救うつもりだ?君が庇護すべき民たちは、如何にしてこのじき沈んでしまう土地で生きればいい?
フリーナ:
僕は、もちろん方法を用意してる。これまでずっと、そのために努力してきた…僕のことは軽視してもいいが、僕を否定する資格などキミにはない!
フリーナ:
フォンテーヌは必ず救われる。今はまだ…どんな未来になるかは見えないけど、このまま続けていけば、僕は誰にも恥じることなく胸を張れる!
旅人:
(フリーナの様子がいつもと違う。真剣な面持ちで反論してる…芝居とかじゃなくて、今回は本気みたい。)
「召使」:
ならば問おう。フリーナ殿が言う努力とは?それはどこで見られる?
フリーナ:
…僕は…
旅人:
(…何もない?それとも言えないとか?さっきまでの勢いが急になくなった?)
フリーナ:
…予言と同じく、すべてはその時が訪れれば開示される。キミはただ、それらが見えていないだけに過ぎない。
「召使」:
なるほど、さすがは神だ。その努力とやらが、私たち凡人には見えないものだとは。
「召使」:
では、僭越ながら質問の仕方を変えさせてもらおう。フリーナ殿、開示できる部分だけを私たちに教えてもらうことはできるだろうか。例えば…そう、この災いに対する措置とか。
フリーナ:
えっと…措置は…
「召使」:
その表情から察するに、まさかこれも言えないと?
フリーナ:
…措置も秘密にすべき内容だ。
「召使」:
では、少しヒントをあげよう。君たちの「諭示裁定カーディナル」は、いったい何のためにあるものなのか?
「召使」:
今まで蓄積してきた膨大な「律償混合エネルギー」は、何に使うつもりだ?
フリーナ:
「諭示裁定カーディナル」?そ…それはただ見ての通り…
「召使」:
ふん、君もよく理解していないと、そういうことかな?私の推測が正しければ、ある計画を企てている者がいる。ただ残念ながら、それは君ではないようだ——フリーナ殿。
「召使」:
リネが歌劇場にいた時、ほんの少し「諭示機」に近づいただけで、大量の律償混合エネルギーが付着した。それで、このことに気付いてね。
「召使」:
この件も君とは無関係となると…水神様ともあろうお方が、まさか本当に何もしていないわけじゃないだろうね?
「召使」:
おっと、なるほど、そういうことか…最高審判官のヌヴィレット殿がお茶会に出席していないのを見るに、彼はフリーナ殿に命じられて、何かトラブルの処理をしているのだろう。
フリーナ:
あっ、そ、そうだとも!そういうことさ!このことは内密にしてくれ。
「召使」:
それは無論。だが、最高審判官殿が傍にいないとなると、フリーナ殿もさぞかし自信を失うようだ。
「召使」:
さて、話はここまでにしよう。まだケーキが少し残っている。そちらの皆さんで召し上がってくれ。
旅人:
(どれも俺が介入できない話題だった…ヌヴィレットが何をしているのかさえ、俺には分からない。)
旅人:
(彼はおそらく、メロピデ要塞の最下層で起きてる原始胎海の問題を対応しに行ったはずだけど…でも、それって彼に処理できるレベルのことなのかな?)
旅人:
(フリーナの話は、果たしてどこまで本当だったのか…)
「召使」:
旅人、先日最高審判官殿に面倒な仕事を任せられたと聞いている。どうぞ、ケーキをもう一つ取ってくれ。苦労した者は、報酬と感謝を受けるべきだからね。
「召使」:
パイモンも、さあ。
パイモン:
えっと…ありがとな、じゃあ遠慮なく…
「召使」が話題を変え、他愛のない話を始めた。場の空気はだいぶ和らいだが、先ほどまでの重圧が皆の心を曇らせた。
パイモン:
ふぅ!食べた食べた!やっぱりケーキは最高だな!
フリーナ:
ふふん、この僕のテーブルに載るデザートはどれも一級品だからね。あっそうだ、「召使」が美味しいケーキを持って来てくれたことにも感謝しないと。
「召使」:
礼は結構。ここにいる皆さんに味わってもらえるのは、ケーキにとっても本望だろうからね。私はただフリーナ殿の好みに合わせて、一緒にお茶を飲みながらお喋りできるチャンスを用意したに過ぎない。
「召使」:
さて、もういい時間だ。今日のお茶会もそろそろお開きにするのはどうかな?私はまだ用事があるので、先に失礼させてもらおう。
フリーナ:
よかろう、ではお開きだ。
「召使」:
旅人、もしよければ私をそこまで送ってくれないだろうか?最後の数分間で、少し「公子」の話がしたい。
旅人:
…分かった。
パイモン:
オイラも一緒に行くぞ!
召使と共に出口に行く
「召使」:
付き合ってくれて感謝する。まあ「公子」はただの口実で、君たちと彼の間に何があったかなんて興味はないんだが。
パイモン:
やっぱりな、そうだと思ったぞ!
旅人:
それで、何の話がしたいの?
「召使」:
前回、君が壁炉の家の子供たちを救ってくれたことだ。彼らの「父」として礼を言わせてもらう。
旅人:
他に話したいことは?
「召使」:
公式な場では公式な話題を…逆にそうでなければ、公式な話題は避けるべきだ。話はそれだけさ。
「召使」:
メロピデ要塞から戻ってきたばかりだと聞いてる。なにもそう気を張らないでくれ。君から情報を聞き出そうとしているわけじゃない。あそこにはリネ、リネット、それにフレミネがいる。私は子供たちの能力と判断を信じているからね。
パイモン:
おう、あいつらすごく頑張ってたぞ。邪魔をしてくるやつには全力であらがってな!特にリネのやつが…
「召使」:
リオセスリだろう。あれが手強いのは知っている。だが、リネは強がりでね。他の者に頼ることをもっと学んで欲しい——例えば、この私とかをね。
「召使」:
ただの世間話だと思って答えてくれ。フリーナ殿について、どう思う?
旅人:
……
「召使」:
君は争いの外にいて、フォンテーヌで最も自由であり、何者にも縛られていない。私の視点から教えてやろう。
「召使」はあなたに自分の目から見た事件の経緯を説明した…
ファデュイの士官:
…以上が此度の審判の顛末です。「公子」様は有罪判決を下された後、そのままメロピデ要塞へと押送されました。
「召使」:
休暇を過ごしていたはずなんだがな?これほどの面倒事を残しておいて、羞恥心というものがまったくないのか?
ファデュイの士官:
そ…その…
「召使」:
まあいい。まったく無意味なわけでもない。
「召使」:
ある人物に会いに行こう。
ファデュイの士官:
手配いたしましょうか?
「召使」:
いや、必要ない。私が直々に動く。
「召使」:
(水神フリーナ殿に会う必要がある。彼女こそフォンテーヌの中核を担う存在。しかし面白いことに、彼女は神というよりも「スター」に近い存在と言える。)
変装した「召使」が、野良猫と遊んでいるフリーナに近づく…
フリーナ:
おや?おチビちゃん、こっちにおいで!
野良猫:
にゃ!
フリーナ:
逃げた!?むぅ、待て!
「召使」:
(私の目標は、あくまで神の心の場所を特定すること。だが、まさかフリーナ殿にこうも簡単に近づくことができるとは。あまりにあっけなさ過ぎて疑いたくなる…)
「召使」:
(無防備であればあるほど、それはエサである可能性が高い。だが、エサに手を出した人を責めることはできない。なぜなら、エサは釣り針に掛けられた瞬間、犠牲になる運命からもう逃れられないのだから。)
フリーナは抵抗するすべもなく、慌てながら尻餅をついた…
フリーナ:
うわっ!
「召使」:
(事実はまさに、私が手を出す直前にしていた予想と同じ——水神は神の心を持っていない…)
「召使」:
(それに加え、彼女はどうにも神には見えない…その身には、何らかの呪いの気配がある。)
フリーナ:
キミは誰?な、何をする気だ…殺さないで、お願いだから…
「召使」:
(この瞳に宿る恐怖は決して嘘ではない。エサではないことが、これでほぼ確定した。彼女に手を下す意味は失くなったようだ。)
「召使」:
……
「召使」:
(私は難なく現場から離れられた。誰も私を探さなかったし、ましてや私が水神フォカロルスを襲撃したと告発する者もいなかった。フリーナ殿は、この件を他人に伝える度胸すらなかったのではないだろうか。)
「召使」:
(しばらくすると、案の定スパイから情報が入った。フリーナ殿は邸宅に戻った後、声を抑えながらすすり泣いていたそうだ。彼女はとても怖がっており、一晩中眠ることもできず、ケーキさえも喉を通らなかったという。)
「召使」:
(疑う余地もない…フリーナ殿は何か問題を抱えている。私はある一つの推測を立てた——もしかすると、真の水神は彼女ではなく、最高審判官のヌヴィレット殿なのではないかと。)
「召使」:
(私には神の心を見つける使命がある。もしその推測が正しければ、神の心はヌヴィレット殿のところにある可能性が高い。それか、一般人では近づくことが許されない場所に隠されているか…)
「召使」がリネたちを召集した…
リネ:
「お父様」!
「召使」:
ああ、子供たちか。
リネ:
メロピデ要塞から情報が届きました。「公子」…「公子」様が失踪したとのことです。また、メロピデ要塞に潜伏していた者と、買収していた看守との連絡が途絶えました…
「召使」:
…例のリオセスリという者がやったのだろう。
リネット:
おそらく、そうだと思います。
「召使」:
執行官一人の価値は、往々にして高いものだ…それも想像以上にな。これでフォンテーヌ側には外交的な責任問題を突きつけられる。実にいい機会を得た。
「召使」:
水神フリーナ殿と最高審判官ヌヴィレット殿に会おう。面会の手配を。
「召使」:
それからリネ、リネット、フレミネ。君たち三人にはやってもらいたいことがある。
三人が口を揃えて言う:
はいっ!
「召使」:
(「公子」タルタリヤの失踪は計画外のものだったが、突破口となる。こちらの正当性を訴えた後、私は計画を進めるための布石として譲歩しよう。そして、フリーナ殿とヌヴィレット殿に探りを入れる。)
「召使」:
(流れは完全に壁炉の家にある。メロピデ要塞の調査に私が行こうとするのはただのブラフ。本当に情報を集めるのはリネたちだ。)
召使と会話する
「召使」:
その後のことは君も知っているはずだ。君はリネたちとも交友がある…隠すつもりはない。
パイモン:
お、おまえ、水神を襲ったのか!?
「召使」:
どれだけ大声で叫んでも、それが公になることはない。フリーナ殿でさえ、何事もなかったかのように振る舞っているのだからな。
パイモン:
うっ…そ、そうか…
「召使」:
私はフリーナ殿と二回お茶を飲んだ。正直、フォンテーヌの上層は想像よりも複雑らしい。以前はあのヌヴィレット殿こそが水神だと予想していたが…今となっては、それも違う気がする。
旅人:
どうやってそれを判断したの?
「召使」:
私は氷の女皇に付き従っている。神のあるべき姿を知っているんだ。だがヌヴィレット殿といい、フリーナ殿といい、どちらも何かが欠けている。あれが神だとは、到底想像できない。
「召使」:
これは単に私個人の感覚に過ぎないが…大半の場合、感覚というのには理由がないものだ。
「召使」:
情報を扱う者だというのに、故郷の神が誰なのかさえ分からないなど、実に笑える。
「召使」:
フォンテーヌは特別だと思わないか?まだ多くのことが水面下にありながら、こうして災難が迫りつつある。フォンテーヌ人が生き延びるには、おそらく自分たちでそのすべを考えるしかないのだろう。
「召使」:
結局のところ、生きていることでチャンスは訪れる。今後もし必要な時が訪れれば、君と協力関係を結ぶことだって辞さない。
「召使」:
すぐに答えを出さなくても大丈夫だ。なにせ、事態はここから先まだ変わる予感がする。君の名前はよく「大義」と結びつくことが多い…いずれ共に手を組む日が来るはずだ。
ヌヴィレットが遠くからやってきた…
旅人:
…ヌヴィレット?
「召使」:
ふむ、こんなに早く戻ってくるとはな。色々と話したいこともあるだろう…私はこれで失礼させてもらうよ。
「召使」がゆっくりと離れた…
ヌヴィレット:
……
パイモン:
ヌヴィレット、問題は解決したのか?
ヌヴィレット:
ああ、現段階ではな。だが長期的に見て、この問題は非常に厄介だ。フォンテーヌがいずれ予言にある光景に直面するのではないかと、憂慮に堪えない…
ヌヴィレット:
フリーナを守ってくれたこと、感謝する。
旅人:
下はどうなってるの?
ヌヴィレット:
ふむ…簡単に言えば、私が力を使って胎海の水を押し退け、あのゲートを再び封印した。
旅人:
こっちではこんなことがあった…
茶会で起きたことをヌヴィレットに話した…
ヌヴィレット:
…やはり「召使」がフリーナに圧力をかけたか。明らかに探りを入れているようだが、その動機は私にも分からない。
旅人:
いくつか質問してもいい?
ヌヴィレット:
聞こう。
パイモン:
お、おまえが水神ってことはないよな!?あっ、いや、適当に言ってみただけだけど…
ヌヴィレット:
……
パイモン:
言えないのか?うーん…じゃあ、他の話題にするか。別に無理に聞き出すつもりはないし。はは…おまえたちってほんと変わってるよな…
ヌヴィレット:
その「おまえたち」が私とフリーナを指すとして…君たちが何を想像しているかは分からぬが、私と彼女では様々な点において立場がまったく異なる。
ヌヴィレット:
ああ、メロピデ要塞は歴史が長い。あそこには、数多くの苦しみと痛みが存在する。
ヌヴィレット:
…そして今、災難が訪れようとしている…なんと嘆かわしいことか。
パイモン:
ん?なんで急に雨が…?
旅人:
(さっきまで晴れてたのに、急に空が雨雲に覆われるなんて…どんどん雨足が強くなってる。今にも土砂降りになりそう。)
旅人:
(…雨が降る前、ヌヴィレットは「嘆かわしい」って言ってたけど…)
旅人:
(あの童謡…それにフレミネが前に言ってたこと…「フォンテーヌにはかつて水の龍王がいた。その水龍が涙を流すと、空から雨が降る」)
旅人:
ヌヴィレット、まさか…
ヌヴィレット:
…おそらく、君の思った通りだろう。
パイモン:
なんだなんだ?
旅人:
…ヌヴィレットは水の龍王。
パイモン:
水…ん?
パイモン:
えーーーっ!?
ヌヴィレット:
そう驚かないでくれ…
フリーナ:
……
ヌヴィレット:
…フリーナ?
フリーナは遠くからこっそりあなたたちを一瞥すると、足早に去って行った…
フリーナ:
……
パイモン:
…!ヌヴィレット!聞こえてるか?
ヌヴィレット:
ああ、すまない。
パイモン:
オイラたち、当てずっぽうで言ったんだけど…まさか当たってたのか?な、なんか言ってくれよ…
ヌヴィレット:
君たちの推測は正しい。だが、どうか内密にしてくれると助かる。
パイモン:
お、おう!任せろ、絶対に誰にも言わないぜ!
パイモン:
でも、実はまだ一つ聞きたいことがあるんだ…
ヌヴィレット:
ああ、言ってみるといい。
パイモン:
おまえは水元素の龍王として、メロピデ要塞の胎海の水を押し退けたんだよな…
パイモン:
フォンテーヌの予言も海水と関係があるんなら、おまえの力でその危機を解決できないのか?
ヌヴィレット:
現在、私を含むすべての元素龍は、「完全」な状態ではない。
ヌヴィレット:
話によると、「最古の僭主」がテイワットに降臨した際、龍の力を一部奪ったという。今の七神の権能は、その「奪った」力によるものだ。
パイモン:
龍には七つの元素があって、神にも七つの元素がある…
ヌヴィレット:
あの時代を経験した先代の水の龍王は、遥か昔に身罷られた。私はその後継者だが、それら古き歴史についてはあまり知らないのだ。
ヌヴィレット:
神の消失によって元素を操る権能が返還される——そのようなことが起こらない限り、私も何もできないだろう。
ヌヴィレット:
現状からして、他の方法で予言に対抗することをお勧めしよう。
パイモン:
おまえでも解決できないってことか…
ヌヴィレット:
ところで、私はこれから少し急ぎの用事を片付けなければならない。もしまだ聞きたいことがあるのなら、また別の機会を見つけてそれらにまつわる古い話を語ろう…
パイモン:
おう。オイラたちもちょうど行きたい場所があるんだ。旅人、メロピデ要塞に戻ろうぜ?オイラ、ちょっと心配なんだ…
パイモン:
じゃあ、また今度な!
ヌヴィレット:
ああ、達者でな。
危機は一時的に去った。あなたたちはメロピデ要塞に戻って、人々の状況を確認しようとしている。
監獄に戻ってみんなの状況を調べる
パイモン:
看護師長~!
シグウィン:
旅人、パイモンちゃん、戻ったのね!
シグウィン:
大丈夫?ケガしてない?
旅人:
安心して、大丈夫だから。
パイモン:
おう、ピンピンしてるぞ!おまえたちは?あれだけ大騒ぎだったんだから、どこもかしこもメチャクチャになってるだろ?大きな問題はなかったか?
シグウィン:
ケガをした人が少しいるけど、全体的に見ると大したことはないのよ。ヌヴィレットさんがここに来てくれたおかげね。一時的にだけど、危機を抑えることができたみたい。
シグウィン:
キミたちも、助けてくれてありがとう。
パイモン:
でもヌヴィレットのやつ、なんで自分の力が必要だってわかったんだ?
シグウィン:
ヌヴィレットさんは水元素と強く共鳴できるから。増水した海から巨大な波紋を感じ取ったんだと思う。
シグウィン:
囚人たちの手当てをしてた時、あのボム·ブラザーズから聞いたんだけど、危険も顧みずに下層部へ走って行ったんだって?こうしてキミたちが無事なのを確認できて、ようやく一安心できそう。
シグウィン:
もし急いでなかったら、ここに泊まっていってちょうだい。
シグウィン:
何か食べたいものがあれば、いつでもウチに言ってね。ウォルジーさんに用意してもらうから。疲れた時は、医務室で自由に休んでちょうだい。
シグウィン:
ちょうどウチもキミたちの顔の筋肉をもっと観察したかったの。キミたちの楽しそうな笑顔ってとても魅力的で、すごく素敵なのよ。ウチ、それをもっと見ていたくって。
監獄に戻ってみんなの状況を調べる
リネ:
さっ、このカードのマークを当ててみて?
フレミネ:
えっと…威張る猫かな?
リネット:
あっ、二人とも来てくれたんだ。
リネ:
旅人、パイモン!
フレミネ:
こんにちは。
パイモン:
おう、フレミネもだいぶ良くなったみたいだな。
フレミネ:
うん、みんなのおかげで。
フレミネ:
その!ぼ…ぼく、勇気を出してクロリンデさんにお礼を言ったよ!
パイモン:
おお!あいつ、どんな反応してた?
フレミネ:
その、大丈夫って言われた…人を助けるのをあんまり大したことだと思ってないみたい。何か恩返しをしようとも思ったけど、お返しはいらないって。
リネット:
フレミネに余計な気を使わせたくないんだと思う。そんなに気にする必要はないわ。
フレミネ:
そっか…
パイモン:
そうだ!オイラたち歌劇場に行ったんだけど、そこで「召使」に会ったぞ!
リネ:
「お父様」に?何か言われた?
パイモン:
意味深なことを言われたな…いずれ共に手を組む日が来るはずだって。
旅人:
ちょっと意外だった。
リネ:
「お父様」の君たちに対する態度は、僕たちが予想してたものよりも友好的だったみたいだね…よかった。
リネ:
旅人、「お父様」を信じてほしい。「お父様」には「お父様」なりの責務がある。必要な時が訪れれば、惜しみなく力を貸してくれるから。その中には、もちろん君も含まれてるはずだ。
リネット:
うん、「お父様」はとてもすごいお方だから、信頼して。
パイモン:
あっ、そういえば、「召使」がリネのことを強がりだって言ってたぞ。「他の者に頼ることをもっと学んでほしい」ってさ。
リネ:
あはは…その通りだね。
フレミネ:
うん、「お父様」が言いそうなこと…
リネ:
ちょっと!
リネット:
しばらく、ここに残るの?
パイモン:
たぶん、そうなると思うぞ。
リネット:
よかった。一緒にお茶会ができる。
パイモン:
おっ、いいな!じゃあオイラ、ケーキをもっと食べたいぞ!
リネット:
「もっと」ってことは、上でも美味しいケーキを食べてきたんだ。そう、良かったね。
リネット:
次は私たちと一緒に、お茶を味わいながらデザートを食べましょう。
監獄に戻ってみんなの状況を調べる
クスト:
ん?君たち…どうして戻ってきたんだ?
パイモン:
クスト!ラヴェリューヌ!
ラヴェリューヌ:
おいおい、まさかまた捕まったわけじゃないよな?
パイモン:
えっ?そういうわけじゃないけど。
クスト:
くそ!あの騒ぎに乗じて逃げたかと思ったのに。数少ない脱獄者の一人かと思ってたが、まさか…そもそも逃げてなかったのか?
パイモン:
あはは…悪いな、オイラたちちょっと用事があって…
ラヴェリューヌ:
まあまあ、そんなことより無事で何よりだ。こいつな、ずっと二人のことを心配してたんだぞ。
クスト:
僕だけじゃないだろ?君だって、同じだったじゃないか!
ラヴェリューヌ:
ははっ、そうだな。
ラヴェリューヌ:
ここ数日、厨房の手伝いを俺もしてるんだ。さっきクストと一緒に働いてた時、こいつニンジン相手にぶつぶつ言っててな。「あの二人、大丈夫なのか?まだ生きてるよな?」ってさ。
ラヴェリューヌ:
そういう時は、いつも「大丈夫だ。きっとどこかで何か飲みながら、景色でも堪能してるに違いない。」って返事してやってる。
クスト:
ふん!同じ監獄で過ごしてるんだ…気にかけてやるのは別に普通のことだろ?それにこいつら、僕の話を聞くのが大好きだったしな…
パイモン:
この二人…思ったよりずっと親切で面倒見がいいんだな…
クスト:
…へへっ、二人とも、今度たらふく食いに来てくれよ!
監獄に戻ってみんなの状況を調べる
ルールヴィ:
ジュリエ!看護師長から聞いたけど、お昼ご飯を食べてないんですって?
ジュリエ:
ん?ああ、仕事が忙しくてうっかり忘れてた。
ルールヴィ:
もう、いくら忙しいからって…あれ?あなたたち!
パイモン:
ジュリエ、ルールヴィ、無事だったか?
ジュリエ:
ああ、ここ最近はかなりバタバタしてるけどね。君たちは大丈夫だった?
旅人:
ありがとう、俺たちも大丈夫。
パイモン:
おまえたちは?まだ医務室の秘密通路の先にある、あの巨大な船の研究をしてるのか?
ルールヴィ:
ええ。でも、この秘密を知っているのは私たちだけですから、絶対に他言無用ですよ。
ジュリエ:
医務室が混んでる時はとても面倒だが…まあ、それでも公爵の執務室を通るよりマシさ。
ルールヴィ:
あなたがよく医務室でサボっているのも事実ですけどね。
ジュリエ:
君だって、しょっちゅういるだろう?
パイモン:
おまえたち船作りなんか口実で、本当は一緒にいたいだけなんじゃないのか…
ジュリエ&ルールヴィ:
ありえない!(ありえません!)
リオセスリと会話する
リオセスリ:
シャバに出た囚人がまた戻って来るとはな?どういう風の吹き回しだ?
パイモン:
メロピデ要塞の状況を確認しに来たんだ!大丈夫そうか?
リオセスリ:
大した問題はない。ヌヴィレットさんが厄介な問題をいくつか解決してくれた。
パイモン:
そんなにすごいんなら、あいつにここに残ってもらうよう説得すればよかったんじゃないか?
リオセスリ:
ほう、そいつはナイスアイディアだな。一つの水溜まりのために法廷全体を捨てるよう、最高審判官を一緒に説得しようじゃないか。
旅人:
それはさすがに…
リオセスリ:
慌ただしく降りてきた挙げ句、お茶を一口も飲まずに帰っていった。まあ、看護師長からのプレゼントだけは受け取ったみたいだが。
パイモン:
本当に忙しいんだな。
リオセスリ:
それとクロリンデさんも帰った。同様に看護師長のプレゼントを持ってな。
パイモン:
プレゼントってミルクセーキか?
リオセスリ:
ヌヴィレットさんのはそうだ。クロリンデさんに渡してたのはリップクリームだったな。
パイモン:
えっ?ずいぶん違うんだな!
リオセスリ:
クロリンデさんはヌヴィレットさんほど忙しくない上に、健康を維持できてるのが理由だろう。それに、看護師長はレディに美容品をプレゼントするのが好きだしな。
リオセスリ:
そうだ、あんたらへのプレゼントもある。
パイモン:
看護師長からか?
リオセスリ:
いや、俺からだ。
リオセスリ:
メロピデ要塞での仕事を終えたからには、いつでも水の上に戻れる。だが、あんたらが使ってたあの牢屋は、刑期が終わるまで好きに使ってくれて構わない。
パイモン:
本当にいいのか?じゃあ、まだまだ住んでもいいってことだよな!
旅人:
食事は付く?
リオセスリ:
ああ、あんたらには食堂を無料で開放しよう。
パイモン:
へへっ、やったぜ!
リオセスリ:
刑期が終わる日になったら、俺のところまで手続きしに来るのを忘れるなよ。
居房エリアに戻って休む
パイモン:
またこの牢屋に戻って来たな。でも、オイラたちはもう囚人じゃないし、気分もちょっと違ってくるよな?
旅人:
なんだか胸を張れるような気がする。
パイモン:
そうだな。でも実際のところ、オイラたちってそもそも悪いことしてないし、いつだって胸を張っていいと思うぞ。
旅人:
再び自由を手に入れた気がする。
パイモン:
おう!自由な感じって、本当に特別だよな。
旅人:
パイモンも何か言いたいんじゃない?
パイモン:
えっ?なんでわかったんだ?
旅人:
だって、いつもはすぐ寝ちゃうから。
パイモン:
そんなことないぞ!ふん…オイラが言いたいのはな、オイラたち二人って、実は結構すごいんじゃないかってことだ。
パイモン:
ほら、オイラたちって一緒にたくさんの場所を旅して、いろんなやつらと知り合ってきただろ。旅の中で…どんどん新しい友達を増やしながらな。
パイモン:
それに、この世界には数え切れないほど問題があるのに、オイラたちはたった二人で、そういうのをずっと解決してきた…これってすごいことじゃないか?
旅人:
俺たちが最高の冒険者だからだよ。
パイモン:
オイラもカウントしてくれるのか?冒険者はおまえだけだろ?
旅人:
ガイドも冒険者のうちに入る。
パイモン:
じゃあ、今度キャサリンに会ったら、オイラも冒険の証をもらわないとだな!へへっ、冒険者パイモンだぜ!
パイモン:
考えるだけで嬉しくなってきたぞ…じゃあ、オイラは寝るから、おまえもはやく寝ろよ。
パイモン:
前にここで寝た時は、目が覚めたら外が大騒ぎになってたんだよな…胎海の水が上がってくるなんて、正直かなり怖かったぞ…
パイモン:
今回は、さすがになんもないよな?
旅人:
ないと思う。安心して寝てていいよ。
パイモン:
おう!じゃあ、おやすみ。
旅人:
おやすみ、パイモン。
movie
くたびれ果てていたからか、すぐ深い眠りについた。
暗闇の中で、そばにある「神の目」が微かな光を放つ。
果てしなく深い海の中で、「公子」はゆっくりと目を開いた。意識がはっきりするにつれ、彼は驚いて目の前の巨大な影を見る…
空を覆わんばかりの巨鯨は、深海へと注がれる光を阻み、すべてが再び暗闇に還った。