arrow_back 原神 クエスト
栄華のバトルアリーナ 第一幕

竜の仲間のために


竜の仲間のために
ちょうど時間もあるし、「こだまの子」に行ってみよう。
パイモン:
あれ?あそこ、人が集まってるな。なにかあったのか?
パイモン:
見に行ってみようぜ!
パカル:
先生、こいつは…助かるか?
イファ:
心配するな、きょうだい。今方法を考えてる。
イファ:
ミレイって言ったか?本当に大したやつだな。痛かったろうに、唸り声一つ上げなかったなんて——こいつは戦場に出てたのか?
パカル:
ああ。こんなに幼いテペトル竜を戦場に行かせるなんてとんでもないことだが、こいつがどうしても聞かなくてな。いつも、ちょっと目を離した隙に、戦いの最前線に行ってしまうんだ。
パカル:
力こそ強くないが、利口なやつだ。いつも魔物たちを振り回してた。
パカル:
戦後、「戦士の勲章」を与えたところだったんだが…まさか、こんなことになるとはな。ここ数日で一気に弱って、昏睡状態に入ることもしばしばだ。
イファ:
幼いながらも百戦錬磨のベテラン戦士だったわけだな。なるほど——
ミレイ:
キュ…
パイモン:
カチーナ、なにがあったんだ?
カチーナ:
旅人さん、パイモンちゃん!久しぶりだね。
カチーナ:
実は…部族にテペトル仔竜の「ミレイ」って子がいるんだけど、どんどん衰弱してきてるの。今、イファお兄さんに診てもらってるんだ。
カチーナ:
みんな、すごく心配してる。ミレイの幼馴染のナイヤンも…
ティヤカ:
山でうちの子が迷子になった時、この子が連れ戻してくれたのよ。
ヨレファ:
戦争を乗り越えたばかりなのに、やっとのことで平和を手にしたと思ったら、こんなことが起こるなんて…
カクーク:
心配するな、きょうだい。何とかなるさ。
旅人:
君は…
パイモン:
あっ!竜医のとこの「真似っ子ちび竜」じゃないか!
カクーク:
なにデタラメ言ってんだ?
パイモン:
ってことは、おまえの言ってた「イファお兄さん」って——
イファ:
「親御さん」たち、安心してくれ。問題は大体分かった。
イファ:
こいつは今までの戦いで素晴らしい勇気を見せてくれた。でも、身体はまだ小さな仔竜だ…大量の燃素を消費して、疲れ果てたんだ。
イファ:
体内に珍しい「病変」が発生してる。初期症状が軽くて気づかなかったが、すでにかなり進行しちまってるらしい。
パカル:
つまり、戦いで得た病の症状が、今になって出てきたってことか?
イファ:
ああ。ずっと無理してたのかもな…仲間を心配させたくなかったんだろう。
ナイヤン:
キュ…キュ…!
ミレイ:
キュ…
カチーナ:
イファお兄さん、何か方法はあるんでしょ?お願い、ミレイを助けて!
イファ:
こんなに珍しい病気じゃ、俺も特効薬は持ってない。
イファ:
ただ、いい知らせがある。勉強中の頃、似たような病気の記録を見たんだ。そのウォーベンには、欠かせない「材料」が二つあると書かれてた。
イファ:
一つ目は「海風草」——多年草だ。育つ環境こそ選ばないが、数はとても少ない。
イファ:
二つ目は…俺にもよく分からないが、「聖火の結晶」という名前のものだ。それ以外の情報はなかった。
パイモン:
聖火って…聖火競技場で燃えてるあれのことか?
カチーナ:
ムアラニちゃんと一緒に帰火聖夜の巡礼に参加した時、団体試合で「角逐の火」をたくさん集めたけど…
カチーナ:
聖火の「火花」だって言われるだけあって、持ってるとすごく暖かかった。「聖火の結晶」も…似たようなものなのかな?
イファ:
名前からして、もっと稀で、純度の高い聖火だろうな。
パイモン:
そんなもの、本当にあるのか?ナタに来てから一度も見たことないぞ。
パカル:
…実在する。
カチーナ:
えっ!?
カチーナ:
そうなの、パカルおじさん?
パカル:
噂でしか聞いたことはないが——昔々、ナタには特別な「聖火の結晶」を生み出す方法があったそうだ。
パカル:
詳しくは知らないが、他の族長なら何か知っているかもしれない…相談しに行ってみるか。
パカル:
ありがとう、イファ。診てもらえて本当に助かった。もうちょっとついててやれるか?
イファ:
もちろん、いい知らせが来るまで待つさ。
パカル:
よかった。みんな、とりあえず解散しよう。ここにゾロゾロいたんじゃ、ミレイの安静の邪魔になるかもしれない。
パカル:
何か情報が入ったら、すぐに知らせる。早く元気になってくれればいいんだが。
イファ:
初めまして、きょうだい。
イファ:
ハハッ、そう固くならないでくれ。
イファ:
俺はイファ、花翼の集の竜医だ。こいつは助手のカクーク、人間の言葉を真似るのが好きなんだ。
パイモン:
オイラたちは…
イファ:
旅人とパイモンだろ?ナタにあんたらを知らないやつなんざいないさ。俺も噂には聞いてる。
イファ:
勇気、知恵、実力…あんたらはそのすべてを持ってる。今まで俺が出会った中で一番立派な英雄だ。
パイモン:
へへっ、そう言われるとなんだか照れちゃうぜ。
イファ:
戦時中はずっと負傷した竜を治療してたからな、戦う機会がなかったんだ。
旅人:
おかげでたくさんの竜が助かった。
イファ:
あったかい言葉をありがとうな、きょうだい。
カチーナ:
イファお兄さんの診療所にはずっと長ーい列ができてて、カクークちゃんもバタバタしてたんだよ。
カクーク:
やれやれ!
イファ:
戦ってる時ってのは、毎日新しい負傷者が出るもんだからな。
イファ:
アビスはとても狡猾で、すぐ部族の弱みに付け込んでくる。仕事中に倒れた医者も少なくない…
イファ:
最近は新人にさっさと成長してもらえるよう、講義もやってるんだ。ただ、医学は複雑だからな…一人前の医者になるには、いろんな試練を乗り越えないと。
旅人:
大変そうだね…
イファ:
どれだけ学問ができても、難しい病気と直面することもある。ミレイの病気みたいに、名前すらないほど珍しいやつだってあるしな。
イファ:
ガキの頃、親父に勉強させられてなかったら、俺も保守的な治療しか提案できなかっただろう。学問ってのは深いもんだな、きょうだい。
パイモン:
えっ、イファのお父さんも医者なのか?
イファ:
ああ、うちの医術は代々受け継いできたもんだ。親父は俺を医者にするために、薬草とかの知識を教え込んだ——覚えられない時は箒でバン!だ。
イファ:
どの代から竜医をやってるのかは定かじゃないな。
イファ:
親父は「罪悪感から生まれた医術」とか言ってたけど——とにかく重要なのは、それが役に立つってことだ。
パイモン:
罪悪感?普通、悪いことをしたから罪悪感が生まれるんだよな。ちょっと変な気がするぞ。
イファ:
俺にもサッパリだが、もう確かめようがない。親父も死んじまったしな。まあ大方、医者として患者を助けてやれなかった時に生まれる罪悪感なんだろう。俺もそういう経験はある。
イファ:
だから今回も、ミレイの病気を治せるよう尽くすのみだ。俺の知る限り、この病気はまだ治療された記録がない。初めての治療例になるかもしれないぞ。
旅人:
頑張って、きょうだい。
イファ:
ああ、信じてくれ、きょうだい。
しばらくおしゃべりをした…
イファ:
ん?族長たちが戻ったらしいな。おしゃべりはここまでにして、収穫を聞かせてもらおう。
ワイナ:
前回来た時は、ユーちゃんと元気にじゃれ合ってたのに…あまりにも急すぎる。
ビラム:
病気というのはそういうものだ。一夜にしてすべてが崩れるケースも少なくない。
ムトタ:
戦争中に病気になったというが…ここまで持ちこたえて、偉かったな。
アミナ:
ちび、大丈夫?つらいね…
アカトル:
こんな幼い子を戦わせていたなんて、オレたち大人にも責任がある…
パイモン:
おおっ、六部族の族長が集まってるなんて、珍しいな。
ワイナ:
ハハッ、今までは確かに自分の部族のことで手一杯で、あまり集まってなかったけど…
ワイナ:
最近は休日に会食するのが当たり前になってるんだ。驚くことはないさ。
アカトル:
会食?飯をたかりに来てるだけだろう?毎回オレのとこに集まっておいて、よく言う。
ワイナ:
君の手料理が美味しすぎるからだろう?私たちの腕は、君も知っての通りなわけで…コホン、本題に入ろう。
ムトタ:
イファ、事情はもう聞いている。今回は君がいてくれて助かった。
ムトタ:
ミレイは他のテペトル竜と一緒に花翼の集の物資運搬をよく手伝ってくれていたから、あの子のことはみんな、他人事じゃない。
イファ:
家で見た記録にちょうどこの病気のことが載ってたんだが、治療に必要な「聖火の結晶」について…何も分からないんだ。
アミナ:
わたしも初耳だけど…聖火に他の「形」があるの?
ビラム:
ああ。この目で見たわけではないが、確かにそういう記録があるな。
ビラム:
遥か昔のナタでは、「帰火聖夜の巡礼」以外にも、聖火を生み出す方法がもう一つあったそうだ。「栄華の演武」といってな…
ビラム:
六部族の間の戦闘演習だった。帰火聖夜の巡礼よりも、栄華の演武のほうが戦況が激しく、時により純粋な聖火を生み出したという。
カチーナ:
聖火の結晶!?
イファ:
そんな演習があったのか?初めて聞いたが…
ビラム:
無理もない。栄華の演武はもう何百年も開催されていないのだからね。
旅人:
何か事情でもあるの?
ビラム:
最後に開催された時、何かあったらしい。あまりにも昔のことで、詳しいことは分からないが。
ビラム:
現実的だと思われる説は、「聖火の結晶」にただならぬ力があり、戦士たちの力を強化できると、人々は信じていたが…
ビラム:
結局そこまでの力を持たないと分かった、というものだ。数少ない特別な場合を除いて、「聖火の結晶」はかけがえのないものじゃない。普通の聖火とさほど変わらないんだ。
ビラム:
帰火聖夜の巡礼でも十分な聖火が生み出されていたから、栄華の演武は不要となり、二度と語られなくなった。
イファ:
なるほど。つまり、ミレイを助けるには、栄華の演武をやるしかないってことだな。六部族が参加するってのは、大変そうだが…
ワイナ:
「面倒事」だなんて思わないさ。
ワイナ:
六部族の参加が必要とは言うが、全員が参加しなきゃいけないわけでもない。手が空いてる戦士たちに、手合わせをしてもらえばいいんだ。
ワイナ:
戦争が終わって、帰火聖夜の巡礼に競技や鍛錬の意味が加わった。戦士たちの腕を鈍らせないためにも、武芸を交流する新たな舞台は必要だろ?
ムトタ:
平和な時代でも、完全に気を抜くわけにはいかないということか。そう考えると、栄華の演武は確かに必要かもしれないな。
アカトル:
オレも賛成だ。「最強の部族を決める」ってのは悪くない。燃えてきたぞ。
ビラム:
異論はない。
アミナ:
戻ったらみんなと相談してみる。参加したいって人がいっぱいいるかも。
アミナ:
他の人は分からないけど、ムアラニなんか、きっと来るよ。そういう賑やかな大会が大好きだからね。
ワイナ:
パカルはもちろん賛成だね?よし、満場一致だ。
パイモン:
やったぜ!
パカル:
みんな…ありがとう。
ワイナ:
じゃあ、まずは各自部族に戻って、応募してくれる人がどれくらいいるか探ってみよう。人数が多ければ大規模に、少なければ、簡易的にやろう。
ムトタ:
ああ、大会ならルールも大事だ。無法な戦いは単なる暴力でしかないからね。そういうのは、もう見たくない。
ビラム:
詳細なルール決めは私に任せてくれ。後で談議室で落ち合おう。この件には炎神様の許可も必要だ。
アミナ:
そうだ、ミレイを治すには、海風草も必要だよね?わたしたちは栄華の演武で忙しくなりそうだけど、誰が集めてくる?
イファ:
それなら大丈夫だ。ここには俺たち以外にも、ミレイの「友達」が来てるからな。
ムトタ:
それは…この竜たちのことかい?ずいぶん友達が多いんだね。
イファ:
カクーク、手伝ってくれるか聞いてくれないか?
カクーク:
安心しろ、きょうだい。大丈夫だ、きょうだい。
ワイナ:
人語を解する竜がいて本当によかったね。羨ましいよ。
アカトル:
じゃ、とりあえず解散でいいか?
ムトタ:
ああ、また後で。
ムトタ:
イファ、一緒に集落に戻ろう。竜たちに海風草の見分け方を教えてやるんだ。
アミナ:
じゃあね、ちび。またお見舞いに来るよ。
パイモン:
すっごい行動力だな…
パイモン:
さすが部族の族長たち。決めてから実行に移すまでが早いぜ。
旅人:
パイモンなら「また明日」だもんね。
パイモン:
へへっ、オイラにはおまえがいるからな。先延ばしにしてれば、いつか解決してくれるって学んじゃったんだ。
カクーク:
おいおいきょうだい、マジかよ!
カチーナ:
カクークちゃんも呆れてるよ…
パカル:
この件をみんなにも伝えよう。カチーナも参加してみないか?
カチーナ:
さ、参加してみる!
パカル:
じゃあ、ついて来てくれ。旅人、パイモン、後で談議室で合流しよう。
パイモン:
おう、またな!
パイモン:
順調そうだな!助けられそうでよかったぜ。
ミレイ:
キュ…
パイモン:
あれ、気が付いたのか?もうちょっと寝てなくて大丈夫か?
ミレイ:
キュキュ…
パイモン:
えっ?もしかして、おなかが空いてるのか?
パイモン:
カクーク!おーい、ちょっと通訳してくれよ——
パイモン:
もうどっか行っちゃったのか!うーん…なんだかこいつ、そわそわしてるみたいだぞ。一体なにが言いたいんだ?
ミレイ:
ふぅ…ゴホゴホ…
ナイヤン:
ミレイ、大丈夫?なんか食べる?
ナイヤン:
く、果物…採ってこようか?
ミレイ:
ありがとう、ナイヤン。大丈夫だよ…
旅人:
ミレイ、ナイヤン。
ナイヤン:
あれ、あなたは…?
ナイヤン:
見たことない顔ね。あなたもミレイのお見舞いに来てくれたの?
旅人:
うん。ミレイに安心してほしくて。人間の友達はきっと治してくれるよって伝えに来たんだ。
旅人:
十分な海風草と聖火の結晶を集められるまで、そうかからないはず。もうちょっと我慢すればすっかりよくなるよ。
ミレイ:
聖火の結晶…ゲホッ、ゴホッ。
ナイヤン:
ミレイ…
ミレイ:
それが心配なんだ。優しい人間は知らないかもしれないけど、聖火の結晶はとても危険で悪いものだから。
旅人:
悪いもの?
ミレイ:
うん。人を惑わせて、友達同士を敵に変えちゃうんだよ。気を付けないと…
旅人:
(ミレイはさらに何かを言おうとして、すぐに気を失った。)
旅人:
(「人を惑わす」?族長たちはそんなこと言ってなかったけど。もしかして、聖火の結晶には誰も知らないリスクがあるの?)
旅人:
(いや、それより…あの族長たちですら知らないことを、ミレイとナイヤンはどうやって知ったんだろう?)
旅人:
ナイヤンたちはどこで聖火の結晶が危険だって知ったの?
ナイヤン:
大きな魔物たちと戦ってた時、謎のクク竜と友達になったんだけど、その子が教えてくれたの。
ナイヤン:
ミレイが初めて気を失った時、みんなすごく焦ってたんだけど…
アントゥ:
またその病気か…海風草と聖火の結晶さえあればなあ…
アントゥ:
ただ、聖火の結晶は人を惑わせて、友達だったみんなを敵同士に変えてしまうんだ。どうしよう…
旅人:
クク竜の友達?その子は一体どこでそんな情報を?
ナイヤン:
さあ。いつもよく分からないことを言ってたから、一緒に遊ぶ子もあんまりいなかったし、人間の友達もいないみたいだった…
ナイヤン:
でも、何回も助けてくれたから、仲良しだったのよ。嘘はついてないと思う。
ナイヤン:
ミレイには早く元気になってほしいけど、もし聖火の結晶がそんなに危険なものなら…きっとミレイもそんな風には助けてほしくないわ。
旅人:
俺がいるから安心して。
旅人:
人間の友達には気を付けるように言うから、ミレイにもそう伝えておいて。心配しないで、ちゃんと安静にしててって。
ナイヤン:
ホントに?ありがとう!
旅人:
(謎は深まる一方だ。マーヴィカと六部族の族長がいれば、きっと大丈夫だとは思うけど…やっぱり機会を見つけて、マーヴィカと話してみよう。)
マーヴィカ:
提案書は読ませてもらった。悪くないな。
マーヴィカ:
たとえミレイの件がなくとも、栄華の演武を行うことには意義がある。志願者は多いか?
ワイナ:
はい、予想よりもずっと。
ムトタ:
戦士たちの参加意欲は高く、応募に出遅れた者が受付を囲んで抗議していたほどです。結局、特別に参加者枠を増やしましたが。
ビラム:
人数が多いため、本番試合と模擬試合を分けて行うことにしました。模擬試合は三部族対三部族の乱闘ですが、本番試合は一対一で行われます。
ビラム:
模擬試合の参加者枠は抑えるつもりです。乱闘では事故が起こりやすいですし、参加者が少なければ、怪我人が出てもすぐに治療を施せますから。
マーヴィカ:
…ふむ、よく考えられているな。私も賛成だ。費用についてはこちらに任せてくれ。
パカル:
ありがとうございます。
マーヴィカ:
その試合はどこで行うつもりだ?あとで下見をしてくる。それと私は参加を控えておこう——そのほうが皆も心置きなく楽しめるからな。
パカル:
メイン会場は聖火競技場付近に、試合会場は各集落の周辺に設ける予定です。
マーヴィカ:
ああ、分かった。私から聞きたいことは以上だ。さ、君たちも忙しいのだろう?戻るといい、ご苦労だったな。
アミナ:
それでは、会場の設営を手配して来ますので、お先に失礼します。
アカトル:
旅人、パイモン…頑張ってくれ。
パイモン:
えっ?頑張るって、なにを?
マーヴィカ:
久しぶりだな。君たちも栄華の演武の件で来たのか?
パイモン:
そうだぞ。順調に進んでるみたいだな。
マーヴィカ:
栄華の演武…なんとも懐かしい名だ。昔、父から聞いた名だが、父も祖父から聞いたと言っていた。
パイモン:
ってことは、最後に栄華の演武が行われたのは、五百年前…いや、五百年以上前ってことか?
パイモン:
そう言われると、なんか実感が湧かないよな。オイラたちのやろうとしてることが、そんな昔のことだなんて!
マーヴィカ:
ああ、だがきっと成功する。そんな予感がするんだ。安心してくれ。
マーヴィカ:
なぜそのようなことを?
旅人:
聖火の結晶が人を惑わすって噂が…
マーヴィカ:
ふむ…そんな噂は聞いたことがないな。そもそも論理的に考えて、あり得ないはずだ。
マーヴィカ:
反魂の詩のルールは長らくナタを守ってきた。このルールを動かすための燃料が聖火であり、ナタは長きにわたり聖火を使ってきている。その間、異常が見られたことはない。
マーヴィカ:
聖火の結晶とは、あくまで別の形をした聖火だ。それがどうやって「人を惑わす」のか想像もできない。
旅人:
確かに。
マーヴィカ:
大丈夫だ。たとえ本当に邪悪な力があったとしても、今のナタに波風を立てることはできない。この私がいるからな。
マーヴィカ:
今は栄華の演武を無事開催することだけを考えよう。十分な聖火を集め、テペトル仔竜を助けてやらなければ。
パイモン:
へへっ、マーヴィカがいてくれると、やっぱり安心だよな。
マーヴィカ:
だが、私にも力になれないことはある。
マーヴィカ:
先ほどから、外で君たちを待っている人がいるようだ。
パイモン:
えっ?誰だ?
マーヴィカ:
会えば分かる…行ってあげるといい。あまり待たせるのも悪い。
パイモン:
ここが拠点だな。ルールによれば、相手の拠点を連続で三個奪ったらこっちの勝ちらしいぞ!
旅人:
作戦について話そう。
アハウ:
フフン、偉大なる聖龍クフル・アハウ様にかかれば、何もかも消し炭だ!
キィニチ:
作戦を邪魔したら、大会が終わるまで閉じ込めてやるからな。
アハウ:
チッ…ケチんぼが!
ムアラニ:
へへっ、このチームなら、流れのままに戦えば大丈夫だよね?
キィニチ:
ああ、気心の知れた俺たちなら、きっとうまく連携が取れるだろう。だが、それでも気は抜かない方がいい。
キィニチ:
この辺りには崖が多くて、死角が多い。相手は高いところから襲ってくるかもしれない。
ムアラニ:
それじゃ、水路で行こー!
ムアラニ:
見て、あの旗。豊穣の邦の拠点だよね?
ムアラニ:
水路でサッと近づいて、一気に拠点を占領してから高い場所を目指しましょ!
キィニチ:
ああ、賛成だ。
カチーナ:
うん、ムアラニちゃんの判断を信じるよ。
ムアラニ:
よっしゃ!あたしと「ざぶざぶサメくん」の出番だね!
ムアラニ:
あたしが先陣を切るから、みんなついて来て!
ムアラニ:
やっと来てくれた!
イアンサ:
旅人、パイモン、実は——
ムアラニ:
待って待って!あたしが一番乗りなんだから!
パイモン:
ど、どうしたんだよ、みんな揃って。
カチーナ:
実は…
ムアラニ:
コホンッ、栄華の演武がもうすぐ始まるでしょ?入りたい部族とか、決まってる?ないなら「流泉の衆」に来てよ?
パイモン:
えっ?ええ——!!
パイモン:
オイラたちも参加していいのか?
キィニチ:
帰火聖夜の巡礼と違って、栄華の演武はずっと開催されてない。だから俺たちは新しいルールを作ろうと思ってる。
オロルン:
族長も賛成してくれた。でも…参加するかどうか、どの部族に入るかは、君たち次第だ…
チャスカ:
ナタを救った英雄であるお前を引き入れられれば、部族の士気が上がるから、今はお前を仲間にすることが部族にとっての最優先事項なんだ。
パイモン:
なるほど!アカトルの「頑張ってくれ」って、そういう意味だったのか…こうなるって分かってたんだな!
ムアラニ:
ふふん、そんなことより、あたしはちゃんと「誠意」を持ってきたよ。
ムアラニ:
ほらほら——温泉への豪華招待券!それにうちのお店からのプレゼント!
パイモン:
温泉か!バカンスにぴったりだな!
キィニチ:
懸木の民に来てくれれば、バーベキューパーティーを開いてやる。食材は最高級の肉で、食べ放題だ。
アハウ:
今すぐ加入すりゃ、偉大なる聖龍クフル・アハウの子分にしてやるぞ!
キィニチ:
それはいらん。
アハウ:
キィニチ——このヤロー!
パイモン:
焼肉食べ放題…じゅるり…
イアンサ:
豊穣の邦に入ってくれれば、一年分のトレーニング指導と食事計画を提供する。もっと強くなれるぞ。
パイモン:
うぅ…トレーニングはしたくないけど、強くなれるのはいいな…!
オロルン:
僕は採れたての野菜しか提供できないが…でも、本当に美味しいぞ。
パイモン:
食べたいな!
チャスカ:
飛行レッスンに興味はないか?それか、私が空に連れてってやろう。
パイモン:
オイラは自分で飛べるけど、こいつと一緒に飛べるって考えると、それも悪くないかもな。
カチーナ:
わ、わたし、ちび竜ビスケット焼けるよ。それからグレインチップスも!
パイモン:
ううぅ、それも食べたい…決められないぞ。
パイモン:
報酬が魅力的なのもそうだけど、「一つの部族にしたら、他のやつに申し訳ない」って感じがするし…
パイモン:
おまえに任せたぞ。どうせ、もう決まってるんだろ?
パイモン:
ええ、それはさすがに無理だろ…
キィニチ:
いや、実はそれも悪くない考えだ。少なくとも模擬試合は問題なく行える。
キィニチ:
模擬試合は三対三だから、前半と後半で一回ずつ手伝ってもらえば公平だ。
オロルン:
なるほど、その手があったか。
パイモン:
本当か?じゃあ、さっき言ってた報酬は…ぐへへ…
ムアラニ:
少なくともあたしはちゃんと「誠意」を示すよ。楽しいことが一番大事だもんね!
キィニチ:
じゃあ、これで決まりだな?前半の模擬試合では懸木の民、流泉の衆、こだまの子と一緒に他の三部族と戦ってもらう。
ムアラニ:
へへっ、また肩を並べて一緒に戦えるんだね。あたしたちのチームならきっと無敵だよ!
キィニチ:
そろそろだ。準備を終わらせて向かおう。
イアンサ:
やっぱり水路で来たな。流泉の衆らしいぜ。
ムアラニ:
あれ?行動パターン、読まれちゃった?
キィニチ:
仕方ない、正面から突破しよう。
カチーナ:
準備オッケーだよ!
イアンサ:
さあ、思う存分戦おう!
オロルン:
じいちゃん、来てくれたんだな。
オロルン:
あんまり遅くなってしまうと、野菜たちも喉が渇いてしまう…
ムアラニ:
すぐ終わらせるから安心して!
ムアラニ:
よし、謎煙の主の拠点も、無事攻略完了!
カチーナ:
見て。あそこの山に、花翼の集の旗があるよ。
パイモン:
うわっ、お待ちかねって感じだな。
キィニチ:
ああ。向こうは高い場所にいるから、機動力もある。俺たちの今の戦力じゃ、強行突破は難しいだろう。
シロネン:
もしかして、ちょうどいいところに来た?
パイモン:
おおっ、シロネンも来てくれたのか!
シロネン:
はいはい、挨拶は戦いが終わってからにしよ。
キィニチ:
助っ人が来たから、二手に分かれられるな。
シロネン:
うん、ウチは正面から突破して、相手を消耗させるよ。
シロネン:
あんたたちは別ルートから上に行って、本拠地に入って。
ムアラニ:
へへっ、これならきっと勝てるね!
チャスカ:
ほう?防衛を突破されるとは。
チャスカ:
だがまだ始まったばかりだ。気をつけろ。
カチーナ:
絶対に負けないよ!
キィニチ:
ああ。一緒に戦おう。
ムアラニ:
よーしっ、お互い思う存分戦おう!
カチーナ:
勝ったの?よかった…
ムアラニ:
へへっ。やっぱりあたしたちって、最高のチームだね!
キィニチ:
ああ。爽快な戦いだった。
シロネン:
山の中腹でクク竜騎士と戦ってたら、すぐ本拠地が落ちたって知らせが来たよ。
シロネン:
やるじゃん!
パイモン:
そうだぞ。オイラたちだけだったら、ここまで来るのもやっとって感じだったぜ。
シロネン:
聖火の結晶は?誰か手に入れた?
ムアラニ:
いくつか拾ったけど、グレインチップスくらいの大きさしかなかった。帰り道、謎煙の主のスタッフに渡したよ。
シトラリ:
ええ、確かに受け取ったわ。
パイモン:
シトラリ!おまえも栄華の演武に参加しに来たのか?
シトラリ:
試合で使われる儀式の道具はワタシが発明したんだから、来ないワケにはいかないでしょ?
シトラリ:
ワタシを見るなり、スタッフが聖火の結晶を渡してくれたの。
シトラリ:
数えてみたケド、このペースなら、大会が終わるまでに十分な聖火の結晶を集められそうよ。
ムアラニ:
よかった!
旅人:
(シトラリも聖火の結晶に異常は感じてないみたい。やっぱり俺の考えすぎなのかな?)
ムアラニ:
順調っぽいし、夜はみんなで温泉に行かない?
シロネン:
いいんじゃん?働いた後の休憩時間は、存分に楽しむっきゃないっしょ。
カチーナ:
じゃあ、みんなで一緒に行こう?ぐるぐるコマちゃんに乗って案内してあげるよ。
シロネン:
ゴメン、ウチはまだ依頼がいくつか残ってるから、一旦戻るわ。夜に流泉の衆で合流しよ。
ムアラニ:
あたしもお店があるし、お菓子も買ってこないとだから。みんな、また夜にね!
キィニチ:
俺はちょっと遅くなるかもしれない。みんな集まったら先に始めててくれ。
パイモン:
へへっ、オイラ待ちきれないぞ!
カチーナ:
そ、そっか…!
カチーナ:
じゃあ、わたしも帰るよ。また夜にね。
ムアラニ:
みんなもう集まってるから、早く来て!
ムアラニ:
ほら、更衣室に案内してあげる。
ムアラニ:
場所、覚えてる?初めて来たときもあたしが案内したよね。
ムアラニ:
あっという間に時間が経っちゃったね——あっ、こんな話は後にしよっか!さ、行こ!
見覚えのある場所で服を着替えた…
ムアラニ:
ふー!パーティー開始!
アハウ:
愉快爽快!これからはこの温泉に偉大なる聖龍の名を冠するとしよう!
パイモン:
疲れが一気に吹き飛んだぞ。毎日温泉に入れたらいいのにな。
カチーナ:
シロネンお姉さんは温泉に入らないの?
シロネン:
お湯の中にいるより、このほうが好きだから。
キィニチ:
…最後の一品は、「山と海と空」だ。
パイモン:
お、いい匂いがするぞ!
パイモン:
待ってくれ、温泉よりもご飯のほうが大事だぞ!!今行くぜ!
アハウ:
ハハッ!くらえ!キィニチめ、オレの力を思い知ったか!
ムアラニ:
ちょっと、アハウ!水がこっちまで飛んできたんだけど!
シロネン:
ふぅ…
パイモン:
美味しい!旅人も食べてみろ!
カチーナ:
……
ムアラニ:
カチーナちゃん——どうしたの?「ちび竜ビスケット」を焼いたんだよ。一緒に食べようよ?
カチーナ:
あっ…う、うん!今行くよ!
アハウ:
クッソ、キィニチめ!放せ——!!
パーティーは賑やかな雰囲気の中、終わりを迎えた。その後、皆は帰っていった…
ムアラニ:
ふぅ…後片付け、手伝ってくれてありがと。
パイモン:
気にするなって。オイラたちも楽しんだしな!
ムアラニ:
君たちがいてくれると、いつもより賑やかになるよ。ホント、ありがとね。
ムアラニ:
そうだ、さっきご飯を食べたとき、カチーナちゃん、何か思い悩んでたみたいだけど…
ムアラニ:
変だなあ。いつもは悩み事があったら、あたしに相談してくれるのに。
ムアラニ:
いつもとは違う感じの悩みなのかな…ねえ、ちょっと聞いてみてくれない?
パイモン:
任せてくれ!今度、こっそり聞いてみるぜ。
パイモン:
力になれることなら、全力で助けてやるぞ!
ムアラニ:
それなら安心だね。
ムアラニ:
じゃあ、あたしも帰るよ。また遊びに来てよね。
パイモン:
おう、じゃあ、またな!
ミレイ:
……
ナイヤン:
……
マーヴィカ:
新たな大会、新たな鍛錬…新しい物語が幕を開けるかもしれないな。