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キャンディと薔薇の歌 プレゼント3

彼女に思い出を


彼女に思い出を
これまでの誕生日の中で、今回が一番忘れられない思い出になるだろうか?
セノ:
…寝坊でもしたのか?
ティナリ:
いや…そんなこと、今まで一度もなかったし…
キャンディス:
来る途中ですれ違った可能性は…
パイモン:
よう!…って、あれ?なんでみんな、心配そうな顔してるんだ?
キャンディス:
ニィロウさんがまだ来ていないのです。
パイモン:
え?ただの遅刻じゃないのか?
ティナリ:
それが、ちょっとおかしいんだ。ニィロウはいつも早めに来てた。それに、セノがさっきグランドバザールに寄って彼女に声をかけようとした時…
セノ:
もうとっくに出かけたと言われた。
パイモン:
で、セノは着いたのに、ニィロウはまだ着いてないってわけか。
キャンディス:
はい。だから心配しているのです…
旅人:
例のキャラバンの状況は?
セノ:
あの日、「危険物」を輸送するキャラバンを尋問したんだが…
セノ:
貨物がすべて奪われた以上、物的証拠は何もない。それにこの件に関しては、あいつらも被害者だからな…
セノ:
キャラバンは確かに怪しいが、盗まれた貨物を取り戻すまでは、保護という名目で監視を続けるしかない。
セノ:
宝石についても、売り手と連絡がついた。もう一つの宝石は、砂漠で若い男が買っていったそうだ。
ティナリ:
とにかく状況をまとめると——危険物ともう一つの宝石の行方は分からず、ニィロウがどこに行ったのかも分からない、ということだね。
パイモン:
でも、なんでニィロウが巻き込まれたんだ?
ティナリ:
三つの出来事に繋がりがあるかどうかはまだ分からないけどね。ただ、その方向で仮説を立てるなら…ニィロウの「花神の舞」は、花神誕祭の重要なプログラムだから…
ティナリ:
もし相手の目的が花神誕祭をめちゃくちゃにすることなら、ニィロウがターゲットになる可能性は高い。
セノ:
……
セノ:
旅人、キャンディス、さっそく痕跡を辿ろう。
セノ:
ティナリはパルディスディアイに残って、他のやつが来たら、状況を説明してやってくれ。
ティナリ:
うん、単に急ぎの用事ができちゃったって可能性もあるしね。ここで待ってるよ。
パイモン:
ズバイル!
シェイクズバイル:
君たち、どうしたんだ?
パイモン:
ニィロウがどこに行ったかわかるか?
シェイクズバイル:
ニィロウ?今日は友達の手伝いに行くと言って、早くに出かけたが。
セノ:
一人でか?どの門から出たか、見なかったか。
シェイクズバイル:
ああ、一人だったぞ。そうだな…確か北門だったはずだ。
セノ:
…パルディスディアイとは真逆の方向だな。
シェイクズバイル:
何かあったのか?こんな肝心な時に冗談じゃないぞ。
セノ:
ズバイルさん、もしニィロウがグランドバザールに戻ったら、パルディスディアイの者に伝えてくれないか?
シェイクズバイル:
ああ…まあ手が離せない用事ができただけだと思うんだが。とにかく早く向かってくれ。解決したら俺にも知らせてくれるか。
セノ:
ああ、必ず。
セノ:
さあ、行こう。北門を出て誰かに聞いてみよう。
セノ:
ネヴィダ。今朝、ニィロウを見かけなかったか?
ネヴィダ:
ニィロウさんですか?綺麗な服を着て街の外に行くのをみましたけど。
パイモン:
街の外?
ネヴィダ:
ええ、あちらのほうです。
セノ:
後を追いかけてるやつはいなかったか?ニィロウの様子はどうだった?
ネヴィダ:
いえ…私が見かけたときは一人でしたよ。挨拶もしてくれて、とても元気でした。
セノ:
分かった。情報提供ありがとう。
セノ:
ちょっといいか。今朝、ズバイルシアターのニィロウが街を出るのを見かけなかったか?
城門守衛:
セノさん、お疲れ様です!ニィロウさんなら、街を出て橋を渡ってましたよ。橋の向こうで、男の人と待ち合わせしてたみたいで。
パイモン:
まさか、砂漠で宝石を買ったってやつじゃないよな!
セノ:
男の顔は見たか?
城門守衛:
すみません、さすがに遠すぎて…
セノ:
…そうか。もしニィロウが戻ってきたら、パルディスディアイに行って俺を探すように伝えてくれ。
城門守衛:
かしこまりました!
セノ:
引き続き進もう。
パイモン:
手がかりが途切れちゃったな…もう聞く相手もいないぞ。
キャンディス:
足跡がいくつあるようですが、追ってみますか?
セノ:
いや、足跡が多すぎて、方向を間違えてしまう可能性がある。そうだな…
旅人:
(…!あれは…)
旅人:
ちょっとごめん。
セノ:
ああ、俺たちはここで痕跡を分析しておく。
キャンディス:
もし何か分かったら、すぐに知らせてくださいね。
パイモン:
アランサカ!おまえ、アランサカだよな?
アランサカ:
…わっ!き…金色のいいナラ!ボク…隠れないと!
パイモン:
えっ?なんで隠れるんだよ?オイラたち、友達だろ?
アランサカ:
友達…ボクと金色のナラは確かに友達だけど…アランパスは、勝手に喋っちゃダメだって言った…
パイモン:
えっ?なんでだよ?
アランサカ:
ボクが口を滑らせるんじゃないかって…
アランサカ:
うぅ!ボク、これ以上は言えないよ!
パイモン:
口を滑らせる、な…それより、アランサカは女の子がここを通るのを見なかったか?
アランサカ:
赤くて、パティサラみたいに美しいナラのこと?ボク、見たよ。
パイモン:
本当か!そいつ、どこに行った?
アランサカ:
もう一人の知らないナラと一緒に、ごちゃごちゃした石のほうへ行ったよ。
パイモン:
ごちゃごちゃした石?
旅人:
アシュヴァッタ神殿の近くにある廃墟かな…
パイモン:
なるほど!ありがとな、アランサカ!
アランサカ:
ううん、金色のいいナラを助けたかったから。金色のいいナラも昔、ボクを助けてくれた。
パイモン:
そういや、さっきの口を滑らせるとかっていうのは…
アランサカ:
うぅ!ボク何も知らない!何も言えないよ!
パイモン:
あっ!アランサカのやつ、行っちゃったぞ…
パイモン:
とりあえず、セノとキャンディスに情報を伝えようぜ。
セノ:
…アシュヴァッタ神殿の方向へ?
キャンディス:
地面の痕跡が示しているのと同じですね。
セノ:
どうやって分かったんだ?
パイモン:
えっと…友達からちょっとヒントをもらったんだ。信頼できる情報だってことは保証するぞ。
セノ:
…ああ、信じるよ。
キャンディス:
それでは出発しましょう。無事…つっ…!はぁ…
セノ:
また「ビジョン」を見たのか?
キャンディス:
はい…でも、今回はぼんやりとした声しか…
旅人:
どんな声?
キャンディス:
二人の会話のようでした…「気付かれるかも」とか、「痕跡を辿って追ってくるはず」とか…
セノ:
ニィロウの声だったか?
キャンディス:
あまりにかすかで、そこまでは…
セノ:
ふむ…とりあえず廃墟のほうへ行ってみよう。「ビジョン」が見えたということは、進む方向は合っているのかもしれない。
セノ:
たぶんこの辺りだろう。
パイモン:
うーん…この辺ってよく宝盗団が出てくるんだよなあ…危ない目に遭ってたりしないよな?
キャンディス:
…!あそこ!
パイモン:
わっ、ニィロウだ!本当にニィロウだぞ…!おーい、ニィロウ——!
セノ:
遠すぎて聞こえないようだ。
パイモン:
あっちに行こうぜ!
セトス:
こんな遠くまで来ることになるとはね…
ニィロウ:
そろそろ着くのかな…
パイモン:
ニィロウ——!
ニィロウ:
えっ?
パイモン:
ニィロウ!来てやったぞ!悪いやつに…あれ?
セトス:
おや?「悪いやつ」っていうのは…僕のことかな?
セノ:
なぜお前が…
セトス:
僕がどうかした?
ニィロウ:
みんな、どうしてここに?
パイモン:
なんでみんな質問ばっかしてるんだよ?って…オイラも今しちゃったけど…
ソルシュ:
騒がしいわネ!静かな場所で練習することもかなわないワケ?
パイモン:
ソルシュ!?
旅人:
久しぶり!
ソルシュ:
我が「謁賛主」!と、白フラ!
セノ:
お前ら、この赤フライムと知り合いなのか?
ソルシュ:
ちょっと、誰が赤フラヨ!このソルシュは高貴なる花霊!霊光の勇者なんだカラ!
パイモン:
えっと…こいつは甘露花海で知り合った花霊だ。話し方はちょっと変だけど、いいやつだぞ。
キャンディス:
あれ?セトスさんが身に付けているのは…
セトス:
えっ?この「ウジャトの目」の欠片のことかい?
パイモン:
ええ!もう一つの宝石を買ったのはおまえだったのか?
セノ:
「ウジャトの目」…そして「花霊」…本で読んだことがあるような…
セトス:
じゃあ、事の経緯はもう分かったのかい?
セノ:
今はなぞかけをしてる場合じゃない。街のみんなだって、ニィロウのことを心配してるんだ。
ニィロウ:
えっ…?私?でも…みんなには伝言を残したでしょ。
パイモン:
伝言?なんの伝言だ…?
キャンディス:
そのようなものは受け取っていませんが…
ソルシュ:
あっ!?ラシュヌのやつ…また寝落ちしちゃったのネ!
パイモン:
えっと…その名前を聞いてわかった気がするぞ。
セノ:
ラシュヌって誰だ?
ニィロウ:
伝言を頼んだ花霊だよ。ただ…あの子はいつも気だるげだから…
パイモン:
ちょっと待て…色んなことが起こりすぎてよくわからないぞ。とりあえず整理しようぜ…まず、ニィロウはどうしてソルシュやセトスとここにいたんだ?
セトス:
それを説明するには…そうだな、ソルシュとの出会いから話そう。
ミヒル:
あいつらが来るヨ、ソルシュ。
ソルシュ:
ふん、欲張りなやつらだワ。この前、砂漠で騒ぎを起こしたのってあいつらよネ!
ラシュヌ:
すぅ…すぅ…
ソルシュ:
元気出しなサイ!あいつらを懲らしめてやらなくちゃ、安心して眠れないワ!
ラシュヌ:
すぅ…すぅ…
ソルシュ:
……
ミヒル:
じゃあソルシュ、あいつらが通ったら、いばらで閉じ込めてやるから、あとのことは任せたヨ…
ソルシュ:
ええ。こんなの楽勝ヨ!
ソルシュ:
うふふ…恐怖で震えるがいいワ!
ヤクプ:
……
ヒズィール:
うわ!なんだ!い…いばらが!
アルジ:
ボス!台車が動かない!
ヤクプ:
…えっ?
ソルシュ:
今ヨ!
ソルシュ:
ふふん、くたばりなサイ!
セトス:
その辺にしておいたらどうだい?
ソルシュ:
あら——?汝は何者?
セトス:
僕はセトス。散歩してたら騒がしい音が聞こえたから、好奇心で見に来たんだ。
セトス:
貨物は全部壊したみたいだし、この辺りで勘弁してあげたらどうだい?大騒ぎになったら収拾がつかなくなるからね。
ソルシュ:
ちっぽけな人間ヨ、私が誰だか知っているノ?
セトス:
高貴で偉大なる花霊よ——砂漠に君たちを知らない者はいない。まして、勇者ソルシュのことなんて、言うまでもないさ。
ソルシュ:
ほう?なかなか見る目があるようネ。まあ、今日はこの辺にしておきまショ。
ソルシュ:
でも——次にこのようなことが起きたら、この霊光の勇者は、砂漠の安寧を壊す悪党を許したりしないワ!
セトス:
その後、すっかりソルシュと仲良くなっちゃって、ソルシュにスメールシティを案内してあげたんだ。
パイモン:
おまえってほんと、誰とでもすぐに仲良くなれるんだな…
ソルシュ:
ええ!このガイドの仕事は高く評価してあげるワ。実は今回ここに来たのは、重要な責務があるからなノ!
パイモン:
責務?どんな責務だ?
ソルシュ:
通りすがりの者から、今はちょうどクラクサナリデビ様の生誕祭の時期なのだと聞いたワ。我ら花霊はクラクサナリデビ様の眷属だから、特別な贈り物を用意して差し上げたいのヨ。
ソルシュ:
ズルヴァーン先輩が色々考えた結果、花霊の勇者——つまり私が、数百年に渡って受け継がれてきた「花神の舞」を、クラクサナリデビ様に捧げることが決まった。
セトス:
来る途中で、花神の舞の人選はもう決まってるってソルシュに伝えたんだけど、彼女はニィロウさんに会いたいって聞かなくてさ。
ソルシュ:
ふん!会わないほうがマシだったワ。今の花神の舞が昔とこんなにも違うなんて!
パイモン:
まあ、ウン百年も受け継がれてきたわけだし…変わっちゃうのも無理ないよな…
ニィロウ:
でも、昔の花神の舞が見られるって聞いたから、ソルシュさんに教えてほしいって頼んだの。
ニィロウ:
だってこんな機会、滅多にないでしょう!今年の花神誕祭でこの特別なダンスを捧げれば、草神様も、お祭りに参加する人たちもきっとみんな喜んでくれると思う。
ソルシュ:
そういうコト。私もこの子がいい覚悟をしてるなと思ったから、静かな場所でダンスの練習に付き合ってあげようとしてたノ。
パイモン:
そういうことだったのか…
パイモン:
ずっと追いかけてきたけど、結局悪いやつなんてどこにもいないじゃないか!みんなナヒーダに自分なりの「サプライズ」を送りたかっただけってことか。
セトス:
待って待って、例のキャラバンのことを忘れないでよ。あいつらが一体何をしでかしたのか、まだ分からないんだからさ。
キャンディス:
砂漠を破壊する者…おそらく私利私欲のために、遺跡や墓を荒らす者でしょう。
セノ:
だからアアル村を通らない、こんな辺鄙な場所を選んだのか…もしお前に見つかれば…
キャンディス:
恐怖に震えるだけでは済ませませんから…昼間の太陽が懐かしくなるようにして差し上げますよ…
パイモン:
キャンディス、おまえ…急に怖いぞ…
セトス:
そういえばキャンディスさん、君はもう半分の「ウジャトの目」を身につけてるね。
パイモン:
そうそう、それって一体なんなんだ?
セノ:
キングデシェレトのアフマル様がクラクサナリデビのナヒーダ様に送ったプレゼントだ。
旅人:
(多分実際は、マハールッカデヴァータ…だよね?でも、世界樹の影響で今はもう…)
セトス:
その通りだ。君もその伝説のことを知ってるみたいだね。
セノ:
ちょっと記憶にあっただけだ。これまで、二つの宝石と伝説を関連付けようなどとは思いもしなかった。
セトス:
ああ、僕も最初はこの宝石がちょっと特別だと思っただけだった。それで商人から買って沈黙の殿に持ち帰った後、多くの文献を調べてようやく確信を得たんだ。
セトス:
——「初めての花神誕祭」が開かれた時…キングデシェレトのアフマル様と花神マリカッタ様はクラクサナリデビ様にサプライズを用意したという。
セトス:
道沿いにキャンディを残して、クラクサナリデビ様を宴会の場所へと導こうと考えたそうだ。
セトス:
不思議に思ったクラクサナリデビ様が湖のほとりまで来ると、弦の響く音が聞こえてきた。アフマル様が演奏してたんだ…そしてマリカッタ様は旋律に合わせてしなやかに踊ってたんだってさ。
セトス:
二柱の神様は、愛する草神様がこの偉大なる日に、誕生の喜びを感じられるようにと祈り、草神様に貴重なプレゼントを贈った…
セトス:
三柱が一緒に過ごしてきた素敵な時間を記念するために、マリカッタ様は雨林を守る「霊光」を、アフマル様は「ウジャトの目」をプレゼントしたという。
セノ:
しかしカーンルイアの災厄の後、「ウジャトの目」は失われ、黄砂に埋もれていった。
ソルシュ:
「霊光」はクラクサナリデビ様によって神鳥に造りかえられ、生と死の世界を守り続けた…いつしかそれが散らばって、私たち花霊になるマデ。
パイモン:
つまりキャンディスが見たのは、「ウジャトの目」に記録されたビジョンだったってことか?
セトス:
初めて手に入れた時は僕も驚いたよ。こんなに時間が経ってもなお、伝説の「ウジャトの目」は見たものを記録し続けてるのかってね。
セトス:
その力は特別で、アフマルの民、つまり「キングデシェレトの末裔」だけがこれと共鳴できる。
セトス:
もう壊れてるけど、今もこの中のどこかに過去のビジョンは残ってるんだ。
キャンディス:
(もしかしてこの前ぼんやりと聞こえた言葉は、アフマル様や花神様のものだったのでしょうか…)
キャンディス:
「ウジャトの目」の二つの欠片を、あなたはどうしたいですか?
セトス:
キャンディスさんが許してくれるなら、二つとも沈黙の殿に持ち帰って保管したい。
キャンディス:
ええ、賛成です。
ソルシュ:
それはクラクサナリデビ様のものなワケだけど、返すつもりはないノ?
旅人:
(……)
キャンディス:
それはやめておいたほうがよいと思います…
キャンディス:
草神様が覚えているかどうかはさておき、砕けた思い出には、今や悲しみしか残っていないかもしれません…
旅人:
(悲しい過去の出来事…ナヒーダの友人として、俺も彼女に誕生日に悲しい思いをしてほしくない…)
ソルシュ:
あなたたちの意図はまだ完全には理解できてないけど…それがあなたたちと我が「謁賛主」の決定だというのなら、何も言わないワ。
ソルシュ:
それよりさっきからだらだらと喋ってばかりで、これじゃ全然「花神の舞」を教えてあげられないじゃナイ!
パイモン:
それもそうだな。なにもないって分かったわけだし、帰ってみんなの心配を解消してやろうぜ。
セノ:
俺も他のマハマトラたちに、あのキャラバンの犯罪の証拠を徹底的に調べるよう伝えておく。もし悪事を働いているなら、絶対に許さない。
セトス:
僕はここに残るよ。この辺は魔物が結構多いし、護衛は一人でも多いほうがいいだろ?
ニィロウ:
みんなを心配させちゃってごめんね。ダンスを覚えたら、戻ってみんなを手伝うよ。
ソルシュ:
よ~く見てなサイ!目をそらさないでヨ!しっかり私のステップについて来なサイ!
ニィロウ:
はい!ソルシュ先生!
ディシア:
おっ!やっと戻って来たか!もう少しで傭兵の仲間たちを呼ぶところだったぜ!
コレイ:
どうだった?
パイモン:
大丈夫だ。なにもなかったぞ!
ティナリ:
…ふぅ、そういうことだったんだね。何事もなくてよかったよ。
パイモン:
そっちはどうだ?サプライズの準備は順調に進んでるか?
ティナリ:
カーヴェは設計図を渡しに来た後、寝に帰ったよ。あの様子じゃ、たぶん昨日は徹夜したのかも。
ディシア:
あんたたちがいない間に、キャンディタワーの枠組みを作ったぞ。
ドニアザード:
念のため、後でもう一度確認するわ。さっきはあなたたちのことを心配しながら作っていたから…
ティナリ:
とにかく、あとちょっとだ。みんなで力を合わせれば、すぐに終わるよ。
パイモン:
よかった!フロート車のパレードに間に合いそうだな!
ティナリ:
あっ、パレードと言えば…旅人、一つお願いしてもいい?
ティナリ:
教令院が各学院の代表者に、パレード当日の「花の騎士」を選ぶよう言ってきたんだ。
ティナリ:
で…話し合った結果、君が適任だってことになったんだけど、どうかな?
旅人:
喜んで。
ティナリ:
よかった。君は草神様の友達で、スメールを救った英雄でもあるからね。だからみんなは君が適任だと思ったんだろう。
ディシア:
よろしく頼むぜ!
コレイ:
あんまりプレッシャーをかけないでやってくれ。
ディシア:
そういや、キャンディスもパレードに参加するんだよな?確か…演奏って言ってたか?
キャンディス:
ええ、ニィロウさんのダンスの伴奏を。
パイモン:
おお!オイラ、まだキャンディスの演奏を聞いたことがないぞ!
キャンディス:
ふふ…お気に召したら、いつでもアアル村に来てください。眠りにつくまで演奏して差し上げますよ。
旅人:
必ず行くよ。
ドニアザード:
そうだ、私からも一つお願いしていいかしら?
ドニアザード:
草神様のフロート車の装飾品を作ったんだけど、スラサタンナ聖処に持っていって、フロート車を飾りつけてもらえない?
ドニアザード:
花の騎士がフロート車を飾りつければ、儀式感もより増すと思うの。
旅人:
分かった。
パイモン:
へへっ、そんなの楽勝だぜ。オイラたちに任せろ!
みんなは期待を胸に、役割分担通り真面目に作業を始めた…
あっという間に夜が訪れ、みんな帰っていった…
パイモン:
これでいいんだな?あとは明日の朝のパレードを待つだけだ!
旅人:
明日まで待つ。
ナヒーダ:
……
ナヒーダ:
(…最近、みんなが私を避けている気がする。まるで木のうろに住むリスが、秋になると何かを隠し始めるみたいに。)
ナヒーダ:
(——いいえ、パレードが終わったら、素直にみんなに聞いてみましょう!)
ナヒーダ:
(誕生日…この特別な日には、素敵なフロート車と美味しいキャンディがある。そして…)
ナヒーダ:
え…!
旅人:
お待たせしました、我が女神。
ナヒーダ:
ええ!私の騎士よ——出発しましょう!
旅人:
(準備も終わったし、明日のパレードまで待とうかな?)
カーヴェ:
「誕生日サプライズ」が無事成功したことを祝って…
カーヴェ:
乾杯——!
ファルザン:
やはり——ワシの眼に狂いはなかった!
ファルザン:
カーヴェ、お前は建築の天才じゃな!
カーヴェ:
えっと、せ…先輩、飲みすぎですよ…
ティナリ:
キャンディタワーがフロート車にぶつかったのを見てから、ファルザン先輩はずっと興奮してるんだ。実は、さっきから何杯も飲んでるんだよ。
ディシア:
それくらいイイじゃないか!せっかくの祭りなんだから、思い切って楽しまないとな!
ディシア:
そういえばキャンディス…楽器、うますぎだろ!どうして普段からもっと演奏してくれないんだ?
キャンディス:
ありがとうございます。たいていは、夜に見張りの仕事が落ち着いたとき、星空を眺めながら弾いているんです。
ニィロウ:
星がうらやましいな…
キャンディス:
でもお祭りの注目ポイントは私の演奏などではなく、ニィロウさんの踊りでしょう?
ニィロウ:
え?きゅ、急にそんな…
アルハイゼン:
なるほど、「ウジャトの目」は沈黙の殿で預かったのか。
セトス:
研究のために貸してあげようか?
アルハイゼン:
いや、いい——そういった品は歴史を示すものに過ぎない。象徴となる過去が明らかになった今、ただの物品に戻ったんだ。
カーヴェ:
へえ?君なら珍しがるかと思ったけど。名前からするに、きっとすごくキレイな宝石なんだろ。一目見といて損はないんじゃないのか。
アルハイゼン:
一目見るにはわざわざ沈黙の殿まで行かないといけない。些か遠い。
カーヴェ:
もうちょっと外を出歩いてもいいんじゃないのか?
アルハイゼン:
もし宝石の鑑定や認証でそれを教令院に持ってくることがあるなら、ついでに見てみてもいいが。
セノ:
そういえば、どれくらいの価値があるのか気になるな。
セトス:
いい質問だね。考えたこともなかったよ…古代の王宮の城壁を見ても、急に一ブロック外して価値をはかったりしないだろ?
カーヴェ:
うーん…うちの学院のやつらならやりかねないな…最近の後輩たちはみんな好奇心旺盛らしいぞ。
アルハイゼン:
もし本当にそういうブロックがあったら、報告書を書いて俺の執務室に届けてくれ。
カーヴェ:
はっ?そんなことまで君に報告しなくちゃいけないのか?
アルハイゼン:
いや?ただそうしてくれれば、ブロックが届いたらすぐに分かるから、一目見に行ける。
カーヴェ:
聞いた僕が馬鹿だった…うかつに返事をするもんじゃないな…
ティナリ:
報告書をリマインド代わりにするのか。なかなかいいアイデアだね。
セノ:
リマインドと言えば——俺は感じた!友よ、神聖なる刻が訪れようとしている。
セトス:
そうかい?僕は何も感じなかったけど。ヘルマヌビスが君だけに呼びかけたってことかな?
セノ:
今こそ、七聖…
ティナリ:
コレイが呼んでるみたいだから、先に失礼するよ。
セトス:
はぁ…カードゲーム、またカードゲームか…コレイ、僕のことも呼んでくれないかな?
ナヒーダ:
みんな、楽しそうね。
旅人:
ナヒーダは楽しんでる?
ナヒーダ:
ええ!一生の中で一番忘れられない誕生日になったわ!
ソルシュ:
草神様の命は長いものデスのに、今結論を出すのは早すぎませんカ?
ナヒーダ:
そんなことないわ。その瞬間に、「ああ、これは絶対に忘れられない思い出になる」って——分かることはある。
ナヒーダ:
あなたはソルシュと言うのね?あなたとお友達は、スメールシティに引っ越すことは考えていないのかしら。
ソルシュ:
それは…お気持ちだけありがたくいただきマス、草神様。私たち花霊には己の責務がありますカラ…それに私たちにとって、街は騒がしすぎマス。
ナヒーダ:
そうなの?でも…人々と一緒に過ごしていれば、面白いこともあると気付くはずよ。
ソルシュ:
はい…私もそう思いマス。「謁賛主」や白フラと過ごした日々を、よく思い出すのデス。
パイモン:
おお、本当か?へへ、嬉しいぜ!
パイモン:
そう考えると、今回の花神誕祭じゃ、みんなに「サプライズ」があったんだな!
パイモン:
特にナヒーダがアランナラを呼び出したときは、オイラほんとにびっくりしたぞ!
ナヒーダ:
気に入ってくれてよかったわ。あなたたちに気付かれないようにしてねって、あの子たちに念を押したの。
パイモン:
それでアランサカに会ったとき、あんなに慌ててたんだな。口が滑るってこのことだったのか!
パイモン:
でもスメールのみんなは、あれがナヒーダが贈った夢だと思ってるぞ。
ナヒーダ:
夢ね…
パイモン:
ナヒーダ?
ナヒーダ:
いいえ、何でもないわ。そうね…私たち、夢の中にいるようなものなのかも…
旅人:
(……)
旅人:
だったらこの「夢」を覚えておこう!
ナヒーダ:
えっ?
旅人:
(アフマルも、きっとそう思って「ウジャトの目」を贈ったんだと思う…)
旅人:
(「ウジャトの目」には及ばないけど…俺たちにだって時間を止める方法はある。)
ナヒーダ:
でも…どうすれば…
旅人:
(へへ…)
カーヴェ:
はいはい、みんな集まってくれ。左側の人たち、もうちょっと寄って!
ファルザン:
…ワシの靴を踏んでおるのは誰だ!
コレイ:
うぅ!すみません、先輩…あたしだ…ちょっと人が多すぎて…
ソルシュ:
白フラ!ここは花霊専用の特別席ヨ!
パイモン:
フン!こいつの隣で浮いていいのはオイラだけだぞ!
ナヒーダ:
なるほど、「写真」ね?ふふっ…本当に不思議な考え方をするのね。
旅人:
これからは写真を見るたびに…
ナヒーダ:
そんなことを「経験」したことはないけど…あなたを信じるわ。
ナヒーダ:
この瞬間が、私たちのために止まってくれることを。
ティナリ:
カーヴェも来て!
カーヴェ:
ああ、ちょっとタイマーを設置するから…よし!
カーヴェ:
三…二…一!
コレイ:
誕生日おめでとう——!
旅人:
フロート車をもう少し眺めよう。
ティナリ:
僕が残るから、安心して行ってきて。
シェイクズバイル:
事は一刻を争う。早く行って来てくれ。
キャンディス:
痕跡を見る限り、左へ行ったようですね…
セノ:
足跡が多すぎる。もう一度確認してみよう。
ソルシュ:
いい?——こう…そしてこうヨ…
ニィロウ:
こうして…こう…
セトス:
行ってあげて。僕がついてるからさ。
ラシュヌ:
むにゃ…ニィロウ…来ない…すぅ…
ラシュヌ:
ニィロウが…踊る…すぴー…