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陽夏!悪龍?童話の王国!2ページ目
星空を翔けた者たち
임무 목록
「それは『預言の崖』に降臨した…」\n\nそして、後世にこのような叙事詩が残された——\n勇者は軽快に崖を飛び越え、巧みに難関を突破した。その腕で雨を呼び、憂いの雲を散らせば、木が生えて花を咲かせた。\n\n書籍の横の注釈——おい、森の中の酒場がどれだけ賑やかな場所なのか、記し忘れてるぞ。\n注釈の下の注釈——ところで、あそこの酒は美味しいと思うか?私は変な味がすると思うんだが…\n注釈の下の注釈の下の注釈——それは誰かが君のグラスに…(後ろの文字は消されている)
アーモンド:
…起きろ、セドゥ!列車を出迎える時間だぞ。困った怠け者だな!
セドゥ:
いやあ…出迎えってどうやるんでしたっけ?もうちょっと寝たら思い出すかも…
アーモンド:
下手な芝居はよせ、褪色症などとっくに治っておるくせに。昨日酒場で一番飲んでおったのは誰だ?あの魔水は海にでも流れたか?
セドゥ:
いやあ…見間違いですって。昨日のは私じゃありませんよ…
アーモンド:
もうよい!褪色しておった時は私が誰かも分からんようだったが、今ははっきり目覚めておるではないか!さあ、起きろ。すぐにご一行がいらっしゃるぞ!
セドゥ:
…起きます、起きますってば…海上列車ももうすぐ着きますしね。
アーモンド:
ふんっ、それ以上怠けていると紙にカビが生えるぞ。
パイモン:
よう!調子はどうだ?
アーモンド:
…!勇者殿と精霊殿…それに妖精殿まで!もうお越しだったのですね。これはまた…お見苦しいところをお見せしてしまいましたな…
パイモン:
いいってば。気持ちはよくわかるぜ。朝、ぬくぬくした布団から出たくないって思うのはみんな同じだよな。
ニィロウ:
海上列車はオルビット城から来るの?
アーモンド:
ええ、そして列車は乗務員がおらねば運行できません。祝福の森の住民には、操作が少々複雑すぎますからな。
パイモン:
へえ?城の住民も折り紙の動物なのかと思ってたぜ。
アーモンド:
もちろん、そういう者もおります。城はよそから来た客人にも寛容ですからな。しかしあそこの住民は、我々とは少し違います。
アーモンド:
おっと、列車が来ましたぞ。これでお分かりになるでしょう…
ホイール:
初めまして、ホイールです。この「海上列車」の乗務員を務めております。列車をお呼びになりましたか?
パイモン:
つ…積み木の小人だぞ!
アーモンド:
ええ。勇者と祝福の森の妖精殿を、オルビット城まで乗せていってくだされ。
ホイール:
勇…勇者と妖精殿…!?それはまさか、あの預言に出てくる?
ホイール:
そ…それならそうと言ってくだされば。ああ、もっと豪華な車両で来ればよかった…今すぐ換えて参ります!
ニィロウ:
気にしないで、ホイールさん。それより早くオルビット城に行きたいんだ。観光はまたの機会にして、これからの海の旅をあなたに任せたいな。
ホイール:
はい…もちろん!光栄です!
ホイール:
では皆さん、お好きな席へどうぞ。どの席でも、シムランカで最も美しい景色がご覧になれますよ。
綺良々:
むふふっ…朝ごはん…
パイモン:
ん?いま誰か喋ったか?
旅人:
いや…
ニィロウ:
私もしゃべってない…
綺良々:
朝ごはん…逃げにゃいで…
ニィロウ:
…列車の中から聞こえてくるみたいだね。
綺良々:
ふふっ…お魚…鶏モモ…つかまえた…
パイモン:
あれ…綺良々じゃないか!
旅人:
自分のしっぽを食べてる…
綺良々:
むにゃむにゃ…
ニィロウ:
友だち?
パイモン:
ああ、ニィロウに紹介してやらないとな。こいつは…じゃなくて!それはこいつを起こしてからにしようぜ!
綺良々:
にゃ…うるさいなあ…あれ?もう朝…?
旅人:
おはようにゃ。
綺良々:
おはよ…あれ…?んんっ!!?きき…きみたち!旅人とパイモン!?
綺良々:
あー…よかったあ!ほんとによかったあ!昨日の出来事は夢だったのかぁ。あははっ、すっごいリアルな夢だったなあ。積み木の小人が喋ったりして…
ホイール:
あの…お客様、車内での寝泊まりはお控えいただけると…
綺良々:
にゃ!?夢じゃなかったにゃ…!!!
パイモン:
綺良々、落ち着けって。オイラたちも昨日、このシムランカって世界に来たんだ…
綺良々:
へえ、シムランカ…そんな名前だったんだ。昨日は積み木の小人がオルビット城って呼んでるトコの周りをひたすらうろついて、帰る方法を探してたんだ。
綺良々:
稲妻のおっきな妖怪を怒らせて、お腹の中に呑みこまれちゃったのかと思っちゃった…
ニィロウ:
綺良々さんは稲妻の人?
パイモン:
えっと…半分正解だな。そんじゃあらためて紹介するぞ。こいつは綺良々、稲妻の「狛荷屋」って配達会社で配達員をしてる猫又だ。
ニィロウ:
あ、初めまして。ニィロウだよ。スメールのグランドバザールにあるズバイルシアターっていう劇団のメンバーで、今は…祝福の森で妖精をやってるの。
綺良々:
ニィロウさん!うわぁ…スメールに配達に行く時に、お噂はかねがね。ステージも観に行ったけど、ダンスが最高だったよ!でも、森の妖精って…?
パイモン:
シムランカの世界ではそういう身分ってだけだよ。それはそうと、その服…
綺良々:
わたしも昨日から変だと思ってたんだ!目が覚めたら、この服を着てて。
パイモン:
じゃあ、お前の身分は…
綺良々:
それってマジックアシスタントのリネットさんみたいだね。
ニィロウ:
ここに来る前、得体の知れない声に話しかけられた覚えはないかな?
綺良々:
声…ええと…確かに聞いた気がする。でもその時は焦ってしっぽまで結んじゃって…話の内容はほとんど忘れちゃった。あははっ…
シナグリ:
あああ…あの、お話し中のところすみません…
シナグリ:
そそそ…その「猫又」のお友達さん…ふとっちょネズミを食べたりしませんよね…?
クラッカー:
カエルを…捕まえたりとかも…
綺良々:
ええっ、そんな心配してたの。わたしがそんなことするように見える?外で食べ物に困った時に、何匹か食べるくらいだよ~。そういえば、お腹が空いてきたな…
クラッカー:
…!
セドゥ:
…!
アーモンド:
オッホン!お前たち、勇者殿のご友人をそんな目で見てよいとでも思っておるのか?
アーモンド:
猫に怯えるのは我々の本能だが、この長ぐつをはいた猫又嬢は我々を傷つけたりはなさらぬ!
セドゥ:
そんなこという割に…一番腰が引けてますよね。
綺良々:
やだなぁ、ほんとに心配しなくて大丈夫なのに。昨日城で折り紙の小動物に会った時も、壊しちゃうのが怖くて爪も出さなかったんだよ。
綺良々:
それにきみたちおいしそうじゃないし。段ボールより咬みにくそう…あ、いやいや、おいしそうだとしても食べたりしないから!
アーモンド:
…いや…これは失礼。我々もつい、体が反応してしまいましてな。
ホイール:
お客様、あの…そろそろ出発時間が迫っておりまして…
パイモン:
お喋りに夢中になってたら、もうそんな時間か?それじゃあ急いで乗ろうぜ。綺良々も一緒に来るか?
綺良々:
うん。次の駅まで乗ってくよ。城の周りで気になる場所があったんだ。今日、じっくり探索してみようかと思って。
アーモンド:
では最後に…祝福の森の住民を代表して、皆さんのご協力に改めて感謝申し上げますぞ。
アーモンド:
勇者殿、妖精殿、それに長ぐつをはいた猫又嬢…運命の女神があなた方のそばで、旅路をお守りくださいますように。
アーモンド:
すべてが解決した暁には、また祝福の森にお戻りくだされ。
パイモン:
おう!約束するぜ!
ニィロウ:
アーモンド長老も、お元気で。
ホイール:
到着しました、あそこがオルビット城です。まっすぐ進んでギアリフトにお乗りになれば、お城の広場に行けますよ。この度はご乗車ありがとうございました。
ニィロウ:
おかげさまで快適な旅だったよ。ありがとう。
綺良々:
うんうん、車内も広々としてて、ぐっすり眠れたよ。また来るね!
ホイール:
…えっと…気に入ってもらってよかったです…
パイモン:
で、これからどうする?綺良々が気になってる場所ってこの近くか?
綺良々:
うん。昨日ぐるっと一周してみたんだけど、この辺がどうも怪しいから調べてみようと思って。
ニィロウ:
一緒に行こうか?
綺良々:
ううん、先にオルビット城に行ってて。あそこならきっとこの世界の手がかりが色々見つかると思う。
綺良々:
私はやっぱりここが気になるから——昨日は屋根を伝って見回ったんだ。
綺良々:
ふふっ…知ってるでしょ。わたし、分からないことがあると、爪に石が挟まったみたいに何をしてても気になってしょうがなくなっちゃうんだよね。
綺良々:
安心して。きみたちが大変な時はすぐ駆けつけるから。「狛荷屋」金等級配達員のスピードを甘く見ないでよね!
パイモン:
わかったぞ。そこまで言うなら、先に城を見てくるぜ。
旅人:
綺良々も気をつけて。
綺良々:
うん!大丈夫大丈夫、わたしは妖怪なんだから。
ブレフォン:
助けて——たすけ…ああ!預言の女神よ、感謝します…そこの方々!助けていただけませんか?
パイモン:
いったいなにがあったんだ?なんで宙に浮いてるんだ…?
ブレフォン:
浮いている方が、落ちて木のブロックになるよりはマシですから。あれほど気をつけろと言ったのに…いや、今はそんなことを言っている場合じゃありません。
ブレフォン:
すみませんが、あそこのゼンマイを巻いてくださいませんか。あとで詳しくご説明しますから。
ブレシュ:
ああ…ありがとうございます…
パイモン:
さっきのはなんだったんだ?時間が逆戻りしたみたいだったぞ。
ブレフォン:
預言の女神の魔法をご覧になったのは初めてですか?それなら、時間が戻ったと誤解するのも仕方がないかもしれませんね…
ブレフォン:
簡単に言えば、これは万物の軌道を司る預言の女神がオルビットに下された贈り物です。これがあれば、人生の軌道を外れた市民を元に戻せるのです…
ニィロウ:
人生の軌道…まさかオルビットではそれが生まれながらにして決まってるの?
ブレフォン:
悪いことのように仰いますけど…
ブレシュ:
補足させてもらうと、オルビットの民にも当然自分の生き方があります。僕だって毎朝、オリーブオイルかゴマ油のどちらでパックするか、自分で決めてますしね。
ブレシュ:
でも、さっきみたいに落っこちて木のブロックになりそうな時などは、魔法が発動するんです。
パイモン:
つまり、おまえたちの命や安全を守る魔法…ってことか?
ブレフォン:
例外はあるものの、概ねそのように理解してくださって問題ないと思います。
ニィロウ:
とにかく、あなたたちが無事でよかったよ。
ブレシュ:
皆さんはオルビットに向かわれるのですか?
パイモン:
そうだ。「ギアリフト」っていうやつにどこで乗れるか知ってるか?
ブレシュ:
ああ、それならそこの鍵のささった台のことですよ。
パイモン:
え?あれが…ほんとにオイラたちを運んでくれるのか?
ブレフォン:
ご安心を。オルビットの街はほぼギアと軌道で構成されているうえ、預言の女神の加護を受けているのです。
ブレフォン:
つまりその軌道は固定されていて、前進と書かれた車が後退することはあり得ません。
パイモン:
フォンテーヌのクロックワーク玩具みたいだな。
ニィロウ:
もしかして、小人が踊るオルゴールみたいなもののこと?たしか、スメールの商人のところでも見たよ。
パイモン:
そうそう。とにかく、急に脱線したりしないなら安心だな。行こうぜ。
パイモン:
わあ、すっごく賑やかな街だな!さすが王様の住んでるところって感じだ!
ニィロウ:
次はお城のてっぺんに行って、預言の女神の神託を受けないと。私たちが城の奥へ向かうのを、王様が気になさらないといいけど…
積み木衛兵:
国王陛下のおなーりー!
パイモン:
え?王様?なんでこんな時に…まずいぞ。オイラたちが城に入るって聞いて、怒ったのかも…
積み木衛兵:
静粛に!
積み木衛兵:
オルビット城の支配者であり、秩序と星々の守護者でもある、流星のもとに降臨されし我らが国王陛下のお出ましである——
パイモン:
肩書が長いな…
ナヴィア:
遠くからようこそ!
ナヴィア:
あんたたちの功績は聞いたよ。「森に甘き蜜をもたらす妖精」と預言の…あれ?
パイモン:
ナ…ナヴィア?
積み木衛兵:
国王陛下のお名前を口にするとは、何と無礼な!
ナヴィア:
ははっ、さすがあたしの相棒だね。アドリブうますぎ!
ナヴィア:
はいはい、みんな肩の力を抜いて。紹介させて、こちらは旅人と「最高の仲間」パイモンよ!
積み木衛兵:
国王陛下のご友人でしたか?それは…大変失礼いたしました。非礼をお許しください。
ナヴィア:
こほんっ…!さて、歓迎の儀も終わったことだし、みんな持ち場に戻って。お客様の相手はあたしがするから。
積み木衛兵:
はっ!
旅人:
この上なき幸せ…
ナヴィア:
やめてよ、かしこまっちゃって。で、どうやってここに来たの?
パイモン:
それはこっちのセリフだぞ。なんでここの王様になって、王冠までかぶってるんだよ…いや、わかったぞ…「目が覚めたらこうなってた」だろ?
ナヴィア:
よくわかってるじゃない?あと、こうも言われたかな——「オルビット城の国王となり、この街を救え」って。
ニィロウ:
私も似たようなことを言われたよ。
ナヴィア:
そうそう——こちらが祝福の森の妖精さん?
パイモン:
ああ、こいつはスメールの旅で知り合った友達のニィロウだ。
ナヴィア:
初めまして、ニィロウさん。あたしはナヴィア。棘薔薇の会の会長よ。フォンテーヌを旅する時は、ポワソン町にも遊びに来てちょうだい!
パイモン:
おまえはほんとにのんびり屋だな…この世界から出られるかどうかもわからないのに…
ナヴィア:
なにが心配なの?これより難しい問題をみんなで解決したことだってあるでしょ?これくらい、全然どうってことないって。
ナヴィア:
それに人生にはサプライズがつきものよ。楽しまなきゃ損なんだから!
ニィロウ:
ナヴィアさんはポジティブなんだね。
ナヴィア:
そう言ってもらえて嬉しいよ。預言の「勇者」と「妖精」があんたたちだって知って、あたしもほっとした。あたしたちってもう「預言」には慣れっこだと思わない?
パイモン:
「預言」といえば、オルビットの街はなにかヤバいことになってるのか?まさか、ここもあの怖い悪龍に破壊されたとか?
ナヴィア:
そのまさかよ。ちょっと前に、どういうわけか悪龍が街の空に浮かぶ星に目をつけて、いきなり飛んできてそれを奪ったの。
ナヴィア:
幸い衛兵が即座に対応して、星を巣穴に持ち帰られずにすんだけど…悪龍の手がゆるんだ時に、星が街のあちこちに散らばってしまった…
ナヴィア:
一つ回収して、残りを捜してたところにあんたたちが来たってわけ。で、そっちは何しにここへ来たの?
パイモン:
えっと、実は…
ナヴィア:
なるほど。「預言の女神」の神託ね…
ニィロウ:
ナヴィアさんは何か知ってる?
ナヴィア:
女神の彫像なら城のてっぺんにあるよ。案内したげる。
ナヴィア:
まあここの住民の話だと、もう随分前から新しい「神託」は下されてないみたいだけど。
パイモン:
どういうことだ?アーモンド長老はこないだも女神の預言を聞いてたぞ?
ナヴィア:
ああ、多分「シムランカの勇者」に関する預言だからでしょ。それなら、ずっと前から存在してたはずよ。
ナヴィア:
最近になってみんな気づいたの…「平和の再来」の後の事について女神様に尋ねても、何の返事も返ってこないってことにね。
ニィロウ:
そっか…
ナヴィア:
あんたたちも試したいならやってみたら。ついでに侵入者も倒してってよ。
パイモン:
…侵入者?ここって、悪龍以外にもなんか問題があるのか?
ナヴィア:
うん。祝福の森と同じで、ここの住民にも「異常」が現れ始めてる。「預言の女神の贈り物」って知ってるでしょ?
ニィロウ:
積み木の小人を守る魔法なら、私たちも見たよ。
ナヴィア:
そう、それよ。最近は街でトラブルが続出してるからか、もっと深いワケがあるのか…とにかく、魔法が頻繁に発動するようになったのよ。
ナヴィア:
みんな、その場に固定されたまま身動きが取れなくなったり、何かのループにはまったみたいに何度も同じことを繰り返したり。
ニィロウ:
クロックワークのおもちゃに例えると…レールが劣化したり、ギアがずれたり…みたいな?
ナヴィア:
そうそう、そういう感じ。
ナヴィア:
その隙を狙って、野外の魔物が街に入りこんでしまったの。
パイモン:
ええ?でもこの辺には魔物の影も形もないぞ。
ナヴィア:
それはあたしが数日かけてほとんど一掃したからよ。残りも基本は城に閉じこめるか、街の外に追い払った。
パイモン:
ま、待てよ…じゃあ、いまオルビットじゃ魔法に異常が起きてるうえ、龍が空の星をひっぺがしちゃって、城には魔物が大勢閉じ込められてるのか…
パイモン:
祝福の森よりも問題が山積みだな…
ニィロウ:
あとの二つの問題はまだいいけど、みんなを拘束する魔法は…どうしたらいいのかな…
ナヴィア:
そこについては預言の女神も早くから準備してたみたいよ。大昔に女神様が残した預言があるの——
ナヴィア:
「…星空に繋がるギアを動かすのだ。その時わしは舞い、皆の足元に続く軌道を千の星に還すだろう。」
パイモン:
ん?「軌道」は預言の女神がオルビットに授けた贈り物のはずだろ?でも、それって贈り物を回収するって意味に聞こえるぞ?
ナヴィア:
文字通り受け取ると、そうね。だから一部の国民は不安から、預言のギアを回すのに反対してる。預言の女神の加護を失いたくないから…
ニィロウ:
でもこのまま問題を先延ばしにするのもよくないよね…
ナヴィア:
そうなのよね。みんなもそれは分かってると思う…ただ一歩踏み出すのが怖くて、他の解決方法に期待してるだけで。
ナヴィア:
妨害を無視して、あたしたちでゼンマイを巻いてもいいけど…
旅人:
国民の気持ちを考えると…
ナヴィア:
そう!さすが相棒。よく分かってるのね!
ナヴィア:
できれば全員に理解してもらいたいんだ。だってオルビットの未来は、国民が決めるべきでしょ。
パイモン:
へえ!賢い王様っぽい発言だな。
ナヴィア:
あたしも一応、棘薔薇の会のボスだからね。王様になるのは初めてだけど、まぁ大体似たようなもんでしょ。
ナヴィア:
というわけで…旅人、パイモン、それにニィロウさん。ちょっと手を貸してくれない?
ナヴィア:
あんたたちがいれば、街の問題もすんなり解決できるはず。
旅人:
任せて、ボス。
ナヴィア:
サンキュ!持つべきものは相棒ね。
パイモン:
まったく、水くさいな。そんなこと聞くまでもないだろ。
ニィロウ:
私にも手伝わせて。このきれいな街を祝福の森と同じように、少しでも早く復活させたいの。
ナヴィア:
ははっ、よかった!オルビット城の国王として、皆にお礼を言うよ!
ナヴィア:
じゃあ案内するから、まずは城のてっぺんにある女神像のとこに行きましょ。しっかりついて来てよ、この国王陛下の城は超巨大なんだから!
パイモン:
ん?これは?
ナヴィア:
あれ?あたしが見つけた星よ。衛兵に預言の女神のそばに置いておいてって頼んだのに…まさか上の方で異変でもあったのかしら?
ナヴィア:
とにかく急ぎましょ。
モンタナ:
くそっ…動けない…
ナヴィア:
何があったの?
モンタナ:
国王陛下!先ほど…過激な保守派の急襲を受けました。星を星の庭に捨てられ、「神託の柱」の魔線まで奪われてしまいました…
モンタナ:
ただそいつを捕まえようとした瞬間、預言の女神の魔法が突然発動してしまいまして…
オリビエ:
許さないぞ…!星空を動かすギアには指一本触れさせないからな…!
パイモン:
「神託の柱」ってなんなんだ?
ナヴィア:
神託を乞うための道具よ。その話は後にしましょ、まずはみんなを助けなきゃ!
パイモン:
おい、逃げたぞ!
モンタナ:
待てー!
ナヴィア:
ストップ!追わなくていい。
モンタナ:
ですが…国王陛下…!
ナヴィア:
捕まえても現状は変わらないし、みんなの恐怖心はぬぐえない。かえって反発が強くなるだけよ。
モンタナ:
…承知しました、陛下。
モンタナ:
あの、こちらが先ほどの保守派から取り返した「神託の柱」の魔線です。陛下、いかがいたしましょう…
ナヴィア:
ああ、それはそこの旅人に渡して。預言の女神に聞きたいことがあるみたいだから。
モンタナ:
かしこまりました。
パイモン:
えと…これはどう使うんだ?
ナヴィア:
ほら、あそこに神託の柱が何本かあるでしょ?あれを特定の形に繋げれば、預言の女神が祈りに応えてくれるのよ。
パイモン:
なるほどな。じゃあ、早速やってみようぜ!
ニィロウ:
…できた!
魔女B:
……
魔女B:
…おまえが探し求めているのは何の軌道だい?シムランカの民よ。
魔女B:
……
ニィロウ:
ナヴィアさんの言ってた通り、未来のことは教えてくれなかったね…
パイモン:
まあいっか…また手探りで進むしかないな。
旅人:
星空のギアを動かしたいなら…
ナヴィア:
星空を復元するために、散らばった星を元の位置に戻さないとね。えっと、いくつあるんだったかしら…
ナヴィア:
うん!来る時に集めた分を合わせれば、これで全部ね。空に星を浮かべに行きましょ!
パイモン:
空って…?どうやって行くんだ?
ナヴィア:
ふふん、あたしの用意した「空中列車」で行くに決まってるでしょ!
パイモン:
えっ!この列車、飛ぶのか?
ナヴィア:
この世界には「海上列車」だってあるんだから、「空中列車」があっても別に不思議じゃないでしょ?
パイモン:
「海上列車」は足元にレールがあるだろ!
ナヴィア:
大丈夫よ、この列車は預言の女神の祝福を受けてるんだから。元々、この街の星空を守るためにあるものなの。
ナヴィア:
一生懸命引っ張り出してきたのよ…もう百年以上も使われてなかったみたい。
パイモン:
百年以上もかよ!?ほんとに落っこちないんだろうな…?預言の女神の魔法だって故障中だっていうし…
ナヴィア:
うーん…でも他に方法はないでしょ?パイモンが飛んでって星を戻してくれる?
パイモン:
高すぎて届かないぞ!…そうだ、ニィロウは魔法をマスターしたんだろ?この列車が信頼できるか、なんか感じたりしないか?
ニィロウ:
やってみるよ…んー…確かに魔法の気配はするね。でも、祝福の森のとはちょっと違う…はっきりとは言えないけど…
パイモン:
そっか…じゃあ、乗ってみるしかないか…
ナヴィア:
そういうこと。あたしは行くけど、ニィロウさんはどうする?
ニィロウ:
私はここでみんなの帰りを待ってるよ。そうすれば問題が起きた時、すぐ応援に駆けつけられるしね。
パイモン:
それもそうだな。万が一列車が故障したら、おっきなツルを折って迎えにきてもらおうぜ!ツルが無理なら、ヤマガラでもいいぞ!
ナヴィア:
どう?星はそろった?
ナヴィア:
星空を復元するために、散らばった星を元の位置に戻さないとね。でも、まだ星がいくつか足りない…
ニィロウ:
じゃあこれまでの経験を活かして、できることから始めない?あ、でも街は広すぎるかな…
ナヴィア:
その点は心配無用よ。星の目撃情報をもとに墜落地点をまとめてみたの。ほら、マークもつけてある。
ナヴィア:
申し訳ないんだけど、行ってきてくれる?あたし、まだ準備しないといけないことがあるのよね。
パイモン:
任せろ!すぐ戻ってくるぜ。
ナヴィア:
うん。残りの四つが全部そろったら、ここに戻ってきてちょうだい。
ニィロウ:
無事を祈ってるよ。あれ…ヤマガラって…こう折るのであってたっけ…?
ナヴィア:
仕事が速い!じゃあ空に星を浮かべに行きましょ!
ニィロウ:
お疲れ。うまくいったみたいだね。
ナヴィア:
うん!それにすっごく刺激的だった。ニィロウさんも今度やってみなよ!
ニィロウ:
え?私はいいかな…
モンタナ:
止まれ!何をするつもりだ!?
オリビエ:
邪魔すんな!
ナヴィア:
何があったの?
モンタナ:
陛下、この者たちが…
オリビエ:
そこを通せ!
モンタナ:
下がれ!
ナヴィア:
大丈夫だから、通してあげて。
オリビエ:
……
オリビエ:
国王…陛下。星空のギアを回すのはやめてもらえないか?
ナヴィア:
それはどうして?
オリビエ:
…ご存じの通り、「預言の女神の贈り物」は俺たちにとってすごく大事なものだ。俺たちの命を守り、傷つかないようにしてくれるんだからな。
ビゼルト:
仲間の中には…それを失う覚悟ができていない者もいるのです…
ナヴィア:
そっか、分かった。
ビゼルト:
え?そ…それはつまり…
ナヴィア:
あんたたちの覚悟が決まるまで、ギアは回さない。
オリビエ:
…え?
ナヴィア:
前にも言ったけど、オルビットの未来は国民が決めるべきだから。
ビゼルト:
……
ナヴィア:
でも、教えて。この状況をどうやって打破するつもり?
オリビエ:
身動きがとれなくなってしまった人たちを救って、その背後にある原因を探るつもりだ!
ナヴィア:
現時点で手がかりは?
ビゼルト:
…残念ながら、まだありません。
オリビエ:
おい、お前…!
ビゼルト:
事実を述べたまでのこと…
ナヴィア:
あんたたちの周りにも身動きのとれない人がいるんだね?
オリビエ:
……
ナヴィア:
…心配なのはよく分かる。でもこれ以上グズグズしてたら状況は悪化して、拘束魔法にかかる人が増えるかもしれないよ。
オリビエ:
でもギアを動かしたら、「軌道」が全部消えちまう!
ナヴィア:
その一歩を踏み出すのがすごく難しいのは分かる。でも、預言の女神がなんでそんな決断を下したのか、考えたことある?
ビゼルト:
え…?
ナヴィア:
「贈り物」を回収しようとしたり、未来に関する預言をしなくなったり…一体どうしてなのかしら?
オリビエ:
女神が俺たちを見捨てたと言いたいのか…
ナヴィア:
ううん。その逆だと思うよ。
オリビエ:
…どういう意味だ?
ナヴィア:
女神様はこの世界やシムランカの民を愛してる。だからあんたたちには自分で自分の道を選んでほしかったのよ。
ビゼルト:
……
ナヴィア:
親ならみんな、子供に楽しく平穏な一生を送ってほしいと願ってるはず…でも過保護になりすぎると逆効果よ。
ナヴィア:
親鳥が小鳥をずっと背負ってたら、小鳥はいつまで経っても飛べないでしょ。きっと、預言の女神もいつか手放さなきゃならない日が来ると知ってたのよ。
ナヴィア:
子どもに自分で判断や選択をさせて、その結果に責任を持たせる…それでこそ、子供は独立できる。両親がそばにいなくても、人生を自分で歩いていける。
ビゼルト:
…しかし長年、預言の女神のお力を借りて暮らしてきたものですから…今さら自分の力で歩けるかどうか。
ナヴィア:
何言ってるの?もう十分よくやってるじゃない。
ビゼルト:
え…?
ナヴィア:
危機に立ち向かおうと自分で判断して、衛兵の制止も振り切ってここまで来た。それってすごく勇気がいることでしょ。
ビゼルト:
でも…それは恐怖心からであって…
ナヴィア:
出発点が何であれ、自分の道を選ぶ力があるってことは証明できたってことよ。それで十分じゃない。
ビゼルト:
……
ビゼルト:
…友よ、陛下のおっしゃる通りです。そろそろ我々は、恐怖心に向き合うべきなのかもしれない。
オリビエ:
…何?でも…!
ビゼルト:
…もう尻込みしていてはなりません!あなたも自分が恐怖心から何をしでかしたか分かっているのでしょう…?預言の女神様が創造された星をここから投げ捨てたのですよ。
オリビエ:
……
ビゼルト:
あなただって以前は女神様の熱烈な信奉者だったではありませんか。国王陛下のおっしゃる通りです。預言の女神は…私たちを見捨ててなどおられない。もう一度女神様を信じてみましょう…
オリビエ:
……
オリビエ:
…も、もういい!お前らの好きにしろ!
パイモン:
あ…行っちゃった…
ビゼルト:
申し訳ありません…ああいう奴なのです…無礼をどうか許してやってください…
ニィロウ:
でも…女神の預言を受け入れてくれたみたいだったよね?
ビゼルト:
そう思います。口には出しませんが…
ビゼルト:
国王陛下、星空のギアを回してください。
ナヴィア:
「贈り物を失う」決心はついたの?
ビゼルト:
はい。しかし贈り物を失う代わりに…あなた様から勇気をいただきましたから。
ナヴィア:
へへっ、了解。あんたたち、いい決断をしたね!
ナヴィア:
じゃあみんな、あたしと一緒に街の星空を回そう!
ニィロウ:
軌道上の星は音符だったんだね。
パイモン:
オルビットの街全体が、おっきなオルゴールだったのか!
ビゼルト:
……
ナヴィア:
気分はどう?
ビゼルト:
…困惑と恐れは少しありますが、足元はなぜか軽くなった気がします。いえ…心が軽くなったのでしょう。
ナヴィア:
これからどうするか決めた?
ビゼルト:
実は…まだ…とりあえず、頑固者の友達を説得しに行くとしましょうかね…
ナヴィア:
一つ提案!どうしていいか分かんない時は、身近な人をサポートするとこから始めてみたら?
ビゼルト:
…つまり、魔法に拘束されている人のことでしょうか?
ナヴィア:
そうじゃなくて、助けが必要な全員!道を探してる人を手助けするうちに、少しずつ自分の道も見えてくる…あたしの経験則よ。
ビゼルト:
…国王陛下のご経験ですか?
ナヴィア:
うん…そうだ、人助けするにはそれをまとめる組織がなくちゃ。かっこいい組織名なら…「棘薔薇の会」はどう?
ビゼルト:
え…棘薔薇の会ですか?
ナヴィア:
正確には「棘薔薇の会シムランカ支部」!いい名前でしょ!
パイモン:
他の世界にまで業務を展開する気かよ!
ビゼルト:
棘薔薇の会…ははっ、いい名前ですね。国王陛下のおっしゃる通りにいたしましょう!
ナヴィア:
じゃあシムランカ支部の支部長になってよ。あたしと勇者が悪龍討伐に行ってる間、衛兵隊と一緒に住民を支えてあげて。
モンタナ:
え?悪龍討伐ですか?それは…絶対になりません、陛下!
ビゼルト:
隊長の言う通りです!絶対におやめください、陛下!
パイモン:
急に一致団結したな…
ビゼルト:
陛下はご存知ないかもしれませんが…あの巨龍は、ある日突然積み木鉱山からぬっと現れて、世界の果てをバラバラにしたんです。
ビゼルト:
その後やつは口から謎の霧を吐いて島を包み込みました。あの霧がどういうものなのか、誰も知りません…島がどんな風に変わってしまっているのかも…
モンタナ:
国王陛下がお越しになる前、我々は悪龍討伐のために多数の兵を派遣しました。ですが…生きて帰還した者は一人もおりません…
パイモン:
そんなに怖いやつなのか…
ナヴィア:
それならますます行かないと。閉じ込められた兵士が、助けを待ってるかもでしょ!
ニィロウ:
陛下の言う通りだよ。この世界の災難を黙って見過ごすわけにはいかない。
モンタナ:
……
モンタナ:
分かりました。陛下とご一緒した時間はわずか二日ですが、言い出したら聞かないお方だというのは承知しております。
ナヴィア:
ははっ、中々ひとを見る目があるじゃない。
パイモン:
褒めてないけどな…
モンタナ:
そういうことであれば、もうお邪魔はいたしません。世界の果てに通じる道はたった一つ。「海上列車」にお乗りください。
ニィロウ:
ここに来た時と同じように、レールが敷いてあるの?
モンタナ:
はい、元々は積み木鉱山の鉱員の送迎用に作ったものでしたが、巨龍が出現した後は廃線になっていました。
モンタナ:
明朝、街の裏門にあるホームで乗務員がお待ちしています。今度の冒険はとてつもなく危険です…国王陛下、そしてご友人の皆さま、くれぐれもお気をつけて…
ナヴィア:
ありがとう。留守中、オルビットの街をよろしくね。
モンタナ:
はい、陛下!
ビゼルト:
はい、陛下。
ナヴィア:
へへっ、次会う時は「ボス」って呼んでちょうだい!それが棘薔薇の会のルールだし、そう呼ばれる方があたしもしっくりくるから。
パイモン:
じゃあ、あとは明日を待つのみだな。海を越えて世界の果てで悪龍討伐!だろ?
パイモン:
ふぅ…今度の冒険はめちゃくちゃ大変だな。伝説の勇者ってこんなに疲れるもんなのか?
ニィロウ:
でもきれいな景色がいっぱい見れるし、友達とおもしろい経験ができるよ。
ナヴィア:
これが勇者と悪龍の物語だったとしたら、ニィロウさんは魔法使いの精霊ってとこかしら。あたしは…まさか前線に突撃する戦士?
パイモン:
確かにイメージにぴったりだな…
パイモン:
とにかく!今日は思いきり食べるぜ!世界の果ては腹いっぱいになる場所じゃなさそうだしな。龍に食われるにしても、ひもじいまま呑み込まれるなんて嫌だぞ!
ニィロウ:
あれ?でも、祝福の森の折り紙の動物が飲むのは魔水だったよね。じゃあ、オルビット城の積み木の小人が食べるのは…
ナヴィア:
植物油に木屑を合わせたものみたいよ。
パイモン:
なんでそうなるんだよ——!