arrow_back 原神 クエスト
未完成のコメディ
モングラーヌ:
名前は。
モングラーヌ:
私はメロピデ要塞の受付係。みんなからはモングラーヌと呼ばれてる。はい、次はあなたの番。
パイモン:
えーっと、オイラはパイモン。こっちは旅人だぞ…
モングラーヌ:
旅人とパイモン…初めて聞く名前ね。ここにそんな人いたかしら?
旅人:
目の前にいるけど…
モングラーヌ:
ええ、見えてるわ。
モングラーヌ:
誰かが名簿の登録をサボったのね。ひとまず私が記入しておくわ。規則通りに表を記入しないやつには、代償を支払ってもらう…
モングラーヌ:
ああ、この件はあなたたちの責任じゃないから、気にしないで。
モングラーヌ:
規則を守って、きちんとお務めを果たせば、早めに出所できるかもしれないわね。ただ規定通り書類を作って、申請が通るのを辛抱強く待っていればそれでいいの。
旅人:
いや、そういう話をしたいんじゃなくて…
パイモン:
さっき手続きが終わったって言ったよな?展開が早すぎて、なんのことだかさっぱりだぞ…
パイモン:
これ、なんか絶対誤解されてるよな…
モングラーヌ:
再審を要求するなら、規定通り申請書に記入してね。でも、ちょうど受付期間が過ぎたところだから、次のチャンスまで待ってて。
モングラーヌ:
それ以外のことは…ダルシーに聞いて。その辺にいるから。新入りが自分と話したがってるって知ったら、きっと喜ぶわ。
ガルヴァーナ:
どうせ、ここの問題はすぐには解決しないのよ。だってあなたたちみたいなのが、次から次へと来るでしょう?クランツのバカが、さっさといい方法を考えてくれたら…
パイモン:
ちょっと待てよ、オイラたちは…
ガルヴァーナ:
はいはい、プログラムファイルの件なら、私に聞いてもムダ。責任者はモングラーヌだから、彼女に聞いてちょうだい。
ダルシー:
どうです?今からエティヌさんのところに行ってみませんか?
ダルシー:
新人さん?しかも二人も?やあやあ、メロピデ要塞へようこそ!ダルシーです。外では「プリティフェイス」って呼ばれてました。めちゃくちゃダサいですよね!
ダルシー:
そう思いません?だから自分で、かっこいいあだ名をつけることにしたんです。これからは「ダーティフェイス」ダルシーって呼んでください。クールでしょう?
パイモン:
じゃなくて、そんなことより、色々聞きたいことがあってさ…
ダルシー:
うんうん、そうですよね。新人さんは、色々分からなくて当然です。この「ダーティフェイス」ダルシーがお手伝いしましょう!
ダルシー:
何でも、どしどし質問してください!
旅人:
ここはどこ?
ダルシー:
ははっ、何も知らずに来たんですか?はーん、身なりからして、フォンテーヌ人ではなさそうですね?では、一から説明しましょう。
ダルシー:
メ·ロ·ピ·デ·要·塞、聞き取れました?ここはメロピデ要塞です。誰であろうと、ここでは規則正しい生活が送れます。暮らしは平穏そのもの。最高でしょう?
旅人:
聞きたいことは全部聞いた。
ダルシー:
分かりました。また質問があれば、遠慮なくどうぞ。「ダーティフェイス」ダルシーが、いつでもお手伝いします。
ダルシー:
とりあえず、エティヌさんのところに案内しますよ。彼は看守ですけど、思わず「よう兄弟」って声をかけたくなるような人なんです!
ダルシー:
前に私が鉄拳闘技場に出るぞって時なんか、こっそり「純潔の水」をくれたんですよ!結局、負けたんですけど…
ダルシー:
とにかく、ほんとにいい人なんです。何かあっても、彼に言えば万事解決。どうです?今すぐ会いに行きますか?
ダルシー:
お兄さん、それにかわいいお仲間さん。こんにちは!「ダーティフェイス」ダルシーが、いつでもお手伝いしますよ!
旅人:
「ダーティフェイス」?
ダルシー:
はい。「ダーティフェイス」ダルシーって呼んでください。外では昔、「プリティフェイス」って呼ばれてたんですけど…ダサすぎません?
ダルシー:
なんで、絶対「ダーティフェイス」ダルシーって呼んでくださいね…あ、これはただのカッコいいあだ名であって、顔は毎日ちゃんと洗ってますから。そんなに距離をとらないでください…
ダルシー:
残念ながら、鉄拳闘技の時間じゃありませんし…ふむ、そうですね…
ダルシー:
そうだ、口げんかでも見に行きます?最近、外出のことで色々もめてるんですよ。フォンテーヌ科学院の人って意外と口達者ですよね…
ダルシー:
そろそろ彼らが集まる頃なんじゃないかなーと…どうです?鉄拳闘技が始まるまでの暇つぶしに行ってみませんか?
ダルシー:
どうです?今からエティヌさんのところに行ってみませんか?
ダルシー:
エティヌさん、こんにちは。新しい友達を二人連れてきましたよ。
エティヌ:
新しい友達か…ちょっとタイミングが悪かったな。ほら、あそこでまた口げんかが始まった。
ジュヌビエーブ:
…スコアの付け方が科学的じゃありません。それに参加者をちゃんと見てなかったんですよね?そんな結果を誰が信じると思いますか?改めて評価し直すべきですよ。
ジュヌビエーブ:
競争なんだから、きちんと枠組みを整えて、公平なルールを適用してください。違反者の参加資格ははく奪すべきです。
レヴィ:
おーおー、ごもっとも。さすが損をしてきた人は違うね。
ジュヌビエーブ:
論文ねつ造の件なら何度も申し立てしましたし、現在も調査中です。それで私を攻撃しようとしたって、無駄ですから。
レヴィ:
あんたがそう言うのなら、そうなんだろ。まあ、真実を知るのはあんただけだけどな。
ダルシー:
あちゃー、またジュヌビエーブとレヴィですか。じゃあ、私の用事はまた今度ってことで、お先に失礼します…友達のこと、よろしくお願いしますね!
ダルシーはそそくさと立ち去った…
パイモン:
置いていかれちゃったぜ…案内するとか言っといてあれかよ?あんなガイド、ゼロ点だぞ!
ジュヌビエーブ:
看守さん。ルールに関する話し合いには、主催者である看守さんも当然参加すべきじゃないですか?
エティヌ:
あはは…ただの暇つぶしのゲームなのに。みんながここまで熱中して…本気でやってくれるとは思わなかったよ。
エティヌ:
そうだ、新しい参加者にゲームのルールを教えてあげて。
パイモン:
ふふん、オイラたちに勝てないゲームなんてないぜ!あれ、でもまだゲームの内容を知らないな…
ジュヌビエーブ:
話をそらさないでくださいよ!ゲームはもう中盤に入ったのに、まだ基本的なルールでさえ曖昧なんですよ。こんなの許せません。
旅人:
それで、一体何のゲームなの?
ジュヌビエーブ:
特別許可券ミリオネアです。
パイモン:
なんだそれ?初耳だぞ…
レヴィ:
だろうな。不良看守がオレたちを笑いものにするゲームさ。参加者は全員敗者だ。勝者が誰かは、お前らにも想像がつくだろ。
エティヌ:
いやいや、ゲーム中の活躍に応じて特別許可券を渡してるだろ?それにオレだって、一番多く特別許可券を獲得した勝者には、超レアな報酬を用意してるんだぞ。
エティヌ:
つまり、全員が勝者だ。ただ勝つ回数が多いか少ないかってだけさ。違うかい?
パイモン:
特別許可券よりレアな報酬か…なんだろうな?
エティヌ:
ダルシー流に言うと、「日向ぼっこのチャンス」ってやつかな?定期的に外で点検作業をするんだ。オレにはその担当者を決める権利がある。
エティヌ:
オレが好き嫌いで担当者を選んでたら、つまんないだろ?
エティヌ:
だからこその特別許可券ミリオネアなんだ。外出のチャンスが欲しい人は、自由に参加できる。期限内に一番多く特別許可券を獲得できた人が勝者だ。
エティヌ:
一人じゃ心もとなかったら、何人かでパーティーを組んでもいい。特別許可券の獲得手段は問わない。
ジュヌビエーブ:
ゲームなのに、ルールが曖昧すぎるんですよ。
エティヌ:
それも戦略の一部ってとこさ。フォンテーヌ科学院に似たような「ゲーム」はないのか?
ジュヌビエーブ:
……
エティヌ:
で、ダルシーの新しいお友達も参加してみるかい?
旅人:
悪いけど、優勝はもらった。
レヴィ:
後からでも追い上げは可能だが、特別な手でもないと普通は無理だろうな。そいつらは…エティヌ、ジュニア部門でも作ってやったらどうだ?
パイモン:
ジュニア部門…
パイモン:
おまえがどんなにすごいやつか知らないけどな、あんまりバカにしない方がいいぞ。オイラたちは海千山千の手練れなんだからな!たかがゲームだろ?そんなの朝飯ま——
ラノール:
違うよ、勝つのはわたしだもん。
パイモン:
あれ?本当に子供がいるぞ。しかもやけに自信満々だな…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんがそう言ってたもん。お兄ちゃんは嘘つかないよ。
ノワイユ:
おい、そこに集まって何してる?
ノワイユ:
エティヌ…またお前の仕業か。
エティヌ:
規則違反はしてないけど?みんなの労働意欲を高めたんだから、褒められたっていいくらいだ。
ノワイユ:
俺の言いたいことは分かっているくせに…自分の立場をわきまえろ。エティヌ、お前は看守だろう。威厳ある態度でそいつらを服従させるべきだ。
エティヌ:
オレにはオレのやり方がある。それよりノワイユ、ここに来てもう随分経つんだから、いい加減慣れろよ。
ノワイユ:
自堕落、怠惰…俺はここの秩序を回復するつもりでいる。まずはお前たちからだ。こんなとこに集まってないで、さっさと仕事に戻れ。
ノワイユ:
俺はエティヌみたいに甘くないぞ。秩序回復のためには、懲罰も辞さない。お前たちだって、どんな懲罰があるかなんざ知りたくはないだろう?
エティヌ:
おお、こわっ。オレも知らない懲罰があったりしないよな?
エティヌ:
…冗談だって。ここは広いんだから、くだらないゲームなんかに関わってないで、もっと他にやるべきことがあるんじゃないのかい?
ノワイユ:
余計なお世話だ。
ノワイユは立ち去り、
ジュヌビエーブとレヴィはそれぞれ仲間のもとへ戻った。
少女はいつの間にか姿を消していた…
エティヌ:
ふぅ…真面目なのはいいけど、何事も行き過ぎはよくないな。
エティヌ:
そうだ、うるさいやつもいなくなったことだし、ダルシーの新しいお友達たちも暇つぶしのゲームに参加してみるかい?
パイモン:
オイラたちを放って帰るようなやつは友達じゃないぞ。ダサいあだ名で呼んでやる!あの「プリティフェイス」ってやつは最低だぜ!
パイモン:
…あれ?いまいち攻撃力に欠けるな…
エティヌ:
ははっ、友達じゃないなら、何て呼べばいいんだ?
パイモン:
パイモンでいいぞ。こっちは旅人。そのゲームだけど…
旅人:
ちょっと考えさせて。
エティヌ:
了解。まあ、気が変わったらいつでも来てくれ。
パイモン:
なんだ、こんなとこにいたのか!
ラノール:
あ、さっきのお兄ちゃんだ。それに、えっと…小鳥さん?
パイモン:
小鳥?オイラのどこが小鳥なんだ…
パイモン:
それを言うなら、「可愛くさえずってるところ」だろ!
ラノール:
飛べるのに、小鳥さんじゃないなんて変なの。じゃあ悪龍?悪龍の赤ちゃん?
旅人:
がっつくとことか強欲なとこがそっくり…
パイモン:
全然似てないぞ!
パイモン:
えっと…とりあえず自己紹介しようぜ。こっちは旅人、オイラはパイモンだ。おまえは?なんて言うんだ?
ラノール:
わたしは…ラノール。旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃん、こっそり教えてくれない?あの…悪い魔法使いはいなくなった?
パイモン:
悪い魔法使い?
ラノール:
うん、黒い服を着てて、二股の杖を持ってる悪い魔法使いだよ。キャタピィお兄ちゃん、あいつに見つかったら大変なことになるって言ってた…
旅人:
どこだ、悪い魔法使い。勇者の剣を喰らえ!
パイモン:
ノリノリで演技しなくていいぞ…それって、オイラたちがさっき会ったやつか?
パイモン:
多分、看守のことだよな?エティヌかノワイユ、どっちだろう?
ラノール:
エティヌさんはいい魔法使いさんだよ。この間も帰ってきたとき、お花をくれたもん…わたしのスカートと同じ色のお花!
ラノール:
そのあとキャタピィお兄ちゃんが、本に挟んで押し花にするのを教えてくれたんだ。そしたら文字がいい匂いになって、「知識の香り」になるでしょ?
パイモン:
やっぱりノワイユか。
旅人:
エティヌも、あいつは面倒だって言ってた…
パイモン:
オイラもあの態度は気に入らないぞ…オイラたちのことなんか眼中にないって感じだったもんな。
パイモン:
とにかく、悪い魔法使いはもういないぜ。っていうか、ラノールはまだちっちゃいのに、なんでこんなとこにいるんだ?
ラノール:
わたしはずーっとここにいるの。なんでみんなそればっかり聞きたがるのかな。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんには、自分のおうちがないの?
旅人:
家族の集まる場所が家だよ。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんもそう言ってた。だからわたしにはもう一つ、知らないおうちがあるんだ。
パイモン:
ん?知らない場所なのに、家なんて呼べるのか?
ラノール:
うーん…知らない場所を家って言っちゃダメなの?難しいね…たぶん、キャタピィお兄ちゃんなら答えを知ってるかな。お兄ちゃんは物知りで、色んな物語を話してくれるんだよ。すごいんだから。
パイモン:
そのキャタピィお兄ちゃんってのは、おまえと同じくらいの子供なのか?
ラノール:
わたしより、うんと大きいよ。旅人お兄ちゃんや、悪い魔法使いよりもおっきいよ。
ラノール:
でも悪い魔法使いが怖いみたい。お兄ちゃんは剣をなくしちゃったけど、悪い魔法使いはすごい杖を持ってるから。だから悪い魔法使いが出てきたら、お兄ちゃんは隠れるんだよ。
パイモン:
(「キャタピィお兄ちゃん」って謎めいてるな…それにラノールはまだちっちゃいからか、自分のことをうまく説明できないみたいだ…その兄ちゃんならちゃんと話してくれるかな?)
旅人:
(会いに行ってみてもいいよ。)
パイモン:
オイラたちもキャタピィお兄ちゃんに会いたいぞ。ラノール、連れてってくれるか?
ラノール:
いいよ。でも…まだ帰るには早すぎる。悪い魔法使いがいない間に、探検したいんだ!お兄ちゃん、お姉ちゃんも来ない?
ラノール:
お兄ちゃん、お姉ちゃん、出発の準備はいい?
ラノール:
うわぁ!
クランツ:
すまない!大丈夫かい?
パイモン:
びっくりしたぞ!いったいなんだ?
ラノール:
悪い魔法使いの魔法だよ。光に照らされたら、捕まっちゃうの!
ガルヴァーヤ:
ラノール、それにそこのお二人さん、本当にごめんなさいね。サーチライトが故障してしまったのよ。修理屋の腕前が、口ほどにもないもので…
クランツ:
そんな大口は叩いていないぞ…
ラノール:
あ、魔法使いのお姉ちゃんだ。お姉ちゃんはいい魔法使いだよ。だから大丈夫。
ラノール:
でも、光がまぶしくて目が痛い…
ラノール:
ふぅ、探検はこれでおしまい。特別許可食堂がゴールだよ。
旅人:
つまり探検の〆にご飯を食べるんだね。
パイモン:
それって最高じゃないか!探検にはめちゃくちゃ体力を使うから、美食でエネルギーを補給しないとな。
ラノール:
でしょー。そういえば、パイモンみたいにちっちゃなお姉ちゃんは見たことない。シグウィンお姉ちゃんよりもチビだね…パイモンお姉ちゃんもたくさん食べたら、きっと大きくなれるよ。
パイモン:
オイラもそう思うぞ!
ラノール:
ねえ、旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんは特別許可券を持ってるの?
パイモン:
たぶん、ないよな…
旅人:
食事抜きかあ…ううっ。
ラノール:
そんなことないよ!ブランに言えば、サービス食をもらえるよ。
ラノール:
えっとね、ブランはあそこにいるクロックワーク·マシナリーだよ。壊れて使えなくなってたのを、ウォルジーおじさんが修理したんだって。
ラノール:
えっと、でもサービス食は1日1回って決まってるの。それに、なにが出てくるかはわからないから…おいしいラタトゥイユ·タッセスだったらいいのになあ。
パイモン:
なにが出てくるかわかんないのか?なんで好きなものを注文できないんだ?
ラノール:
タダだからだってウォルジーおじさんは言ってた。「サプライズとリスクは隣り合わせ」なんだって。リスクを負いたくなければ、特別許可券を出すしかないの。
ラノール:
どうする?旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも、特別許可食堂のサービス食を食べてみる?
パイモン:
うん、食べる食べる!オイラは自分の運を信じてるからな。それにタダ飯ってのはなんでもウマいもんだ。
ラノール:
ふぅ、探検はこれでおしまい。特別許可食堂がゴールだよ。
旅人:
つまり探検の〆にご飯を食べるんだね。
パイモン:
それって最高じゃないか!探検にはめちゃくちゃ体力を使うから、美食でエネルギーを補給しないとな。
ラノール:
でしょー。そういえば、パイモンみたいにちっちゃなお姉ちゃんは見たことない。シグウィンお姉ちゃんよりもチビだね…パイモンお姉ちゃんもたくさん食べたら、きっと大きくなれるよ。
パイモン:
オイラもそう思うぞ!
パイモン:
ブランのとこで運試しだ!今回はきっとご馳走にありつけるぞ!
ラノール:
うん!おいしいラタトゥイユ·タッセスだったらいいのになあ。
ラノール:
こんにちは、ブラン。
ブラン:
こんにちは。ご用件を承ります。
ブラン:
承知しました。
ブラン:
ごゆっくりどうぞ。
パイモン:
オイラにもくれ!
ブラン:
ごゆっくりどうぞ。
ラノール:
わたしにも一人前ちょうだい。
ブラン:
承知しました。ごゆっくりどうぞ。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃん、一緒に開けよう!せーのっ…
ラノール:
やったー!おいしいラタトゥイユ·タッセスだ。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんはなんだった?
旅人:
お鍋はどこ?自分で作らせて。
パイモン:
うわっ…なんでだよ、もう。食欲なくなったぞ…
ラノール:
どうして…当たりはわたしだけ?三人で分けっこしても、お腹いっぱいになるかな…
ラノール:
そうだ、おみくじもあるんだよ。旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんのおみくじは、どうだった?
パイモン:
えーっとな…「一時の幸運は一瞬で消えてしまいます。一生幸せでいるためにはコツコツ努力するしかありません」…なんか、よけいムカついてきたぞ!
パイモン:
旅人のは、なんて書いてあったんだ?
旅人:
「時にはこんなこともある——気にしないで!」
パイモン:
…そうは言っても!!
ラノール:
わたしのはね…「人生の不幸は病と同じ。心を許せる友達が良薬になるでしょう」だって。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんは一緒に探検した、心を許せる友達だよ。でもその友達がおいしくないご飯に当たっちゃった…
ラノール:
魔法使いのお姉ちゃんが、恩返しは大事だって言ってた。恩を仇で返すような人にはなるなって。だから、今度はわたしが旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんの「病」を治してあげる!
ラノール:
一緒に「ラグ&ボーンショップ」に行こ!
ラノール:
アルヴァードおじさん、こんにちは。
アルヴァード:
おっ、ヒバリちゃん。フォンタが欲しいのか?たくさん入荷したから、お友達もよかったらどうだ?
パイモン:
ここが「ラグ&ボーンショップ」か。
アルヴァード:
特別許可券さえあれば、濁水幻霊イチコロリみたいな家庭用品から、鉄拳闘技場で使える補助道具まで…
アルヴァード:
…老若男女に愛される「ラグ&ボーンショップ」では、何でも揃うぞ。
パイモン:
それはいらないだろ?
アルヴァード:
でも、特殊な商品は前もって予約が必要なんだ。運がよければ、ご所望の品が販売リストに載ってるってこともあるけど。
アルヴァード:
嗜好品の類いは、大体いつでもそろってるよ。それで、今日はフォンタを買いに来たのか?
ラノール:
えっと…このお店のものを、全部買い占めたいの。
アルヴァード:
そりゃいいけど、ちょっと待てよ…今回の入荷分はほぼ売り切れてる。残りは飲み物と食べ物だけだけど…それでも、特別許可券はたくさん必要だぞ。
パイモン:
え!?ほんとに大丈夫なのか?
ラノール:
どうして?特別許可券なら、キャタピィお兄ちゃんがいっぱいくれたから足りるはず。ここの飲み物や食べ物は全部おいしいよ。パイモンお姉ちゃんもきっと気に入るはず!
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんが言ってたの。特別許可券があれば、不公平を公平に変えられるって。さっき特別許可食堂で、わたしだけがおいしいラタトゥイユ·タッセスをもらったでしょ。それはすごく不公平だもん。
ラノール:
だから今度は特別許可券で、旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんにおいしいものを食べさせてあげるの。そうすれば公平でしょ?
旅人:
じゃあいただこうか。
ラノール:
うん、食べよう食べよう!
パイモン:
二人とも…それ、オイラが言おうと思ってたセリフ!
ラノール:
ずっとお腹が空いてたり、味気ないご飯を食べたりしてると、仕事の効率も下がって、気分も落ち込むってエティヌおじさんが言ってた。
ラノール:
このあとキャタピィお兄ちゃんに会うんだし、ご機嫌な方がいいもん。だから、おいしいものをいーっぱい食べたいんだ。
ラノール:
アルヴァードおじさん、よろしくね。
アルヴァード:
ハハッ、あいよ。毎度ありがとうな。
パイモン:
ラノールがそう言うなら…遠慮なく。
ラノール:
うん!パイモンお姉ちゃんもいっぱい食べてね。
ラノールと一緒にもりもり食べた…
食べ残したものは、パイモンがバッグに仕舞いこんだ…
パイモン:
ふぅ、満腹満腹。食べ過ぎて動けないぞ…あと、お腹いっぱいで眠くなってきた…
パイモン:
オイラたち、ここになにしに来たんだっけか…?
旅人:
忘れるのは、大事なことじゃないから。
パイモン:
あ、そういや!ラノールの言ってた「キャタピィお兄ちゃん」に会いに来たんだったぞ。
ラノール:
なら、さっそく会いに行こっか!でも、今キャタピィお兄ちゃんがいるかはわからないよ。いなくても、少し待てば帰ってくるかも。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃん、ただいま!
キャタピラー:
ラノール、お帰り。新しい友達ができたみたいだね。
ラノール:
うん!旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんだよ。あのね、パイモンお姉ちゃんは小さいけど飛べるんだよ。でもね、小鳥さんじゃないの。
ラノール:
仙霊でもなさそうだし…小さな純水精霊さんでもないよね?みんな見たことないから、わかんなくて当然だよね。
旅人:
パイモンはパイモンだよ。
パイモン:
おう、オイラはオイラだ。仙霊でも純水精霊でもないぞ…ってか、おまえが「キャタピィお兄ちゃん」なのか!?
旅人:
ラノールと同い年くらいに見える…
キャタピラー:
旅人、パイモン、ボクのことはキャタピラーと呼んでください。
パイモン:
お、おう…そんなにかしこまらなくてもいいぞ。なんか、調子狂うな…
キャタピラー:
ラノールの友達みたいですから、そうさせてもらいます。
パイモン:
あれ?「キャタピラー」って…どっかで聞いたような…
パイモン:
そうそう、サムドラ海岸で会った画家のジュリアンだぞ。旅人、覚えてないか?あいつが言ってた友達ってのは、ラノールのキャタピィお兄ちゃんだったんだ。
キャタピラー:
ジュリアンを知ってるんですか?本当にスメールに行ったんですね…元気でしたか?
パイモン:
それは…
スメールでジュリアンに会った経緯を説明した…
パイモン:
ジュリアンは、「見たままに描く能力」はキャタピラーからもらったって言ってたぞ…おまえってそんなすごい力があるのか?
キャタピラー:
ジュリアンがそんなことを?大げさというか何というか…
パイモン:
あれ?あの話、嘘だったのか?でもペッパーの絵はほんとに写真みたいだったぞ…色は変だったけどな!
キャタピラー:
それは彼の持って生まれた才能ですよ。ボクはただ彼に「確信」を持たせただけです。純粋な人ほど、そういう後押しが効きやすいんですよ。
パイモン:
純粋かあ…確かにあいつ、騙されやすそうだったもんな。
旅人:
不思議な鳥の卵…
キャタピラー:
食べ過ぎなければ、確かに体にはいいですよ。
キャタピラー:
まさか彼がそんな形で「確信」を超えていくとは思いませんでした。彼にとっては、それが理想的な結末だったんでしょうね。
パイモン:
ていうか…ラノールとキャタピラーはまだ子供だろ?保護者は一緒なのか?子供が二人でこんなとこにいるのっておかしいだろ…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんは子供じゃないもん。
キャタピラー:
ボクは子供ではありません。ボクがご覧のような姿になったのは…そうですね、病気だと思ってもらえばいいでしょう。
パイモン:
そうだったのか…
キャタピラー:
ここに来てもう随分経ちます。もちろんそれは、ボクの過去の行いが招いた結果。でもラノールの方は、もう少し複雑というか…
キャタピラー:
この子はここで生まれたんです。
パイモン:
へえ、ここって、メロピデ要塞でか?
ラノール:
パイモンお姉ちゃんって変なの。前にも言ったでしょ?ずっとここにいるんだって。
キャタピラー:
ラノールの母親のアグネスは元々病弱で、少し前に病気で亡くなったんです。
キャタピラー:
他人のプライバシーには干渉しない主義なので、親子のこともよくは知らなかったのですが…アグネスが天に召されて、ラノールの面倒を見る人がいなくなってしまった。
キャタピラー:
古い付き合いだからか、ラノールはボクになついていたんです。それでエティヌさんから、この子の世話を頼まれました。
パイモン:
そっか…でもそれなら、ラノールはここにいるべきじゃないんじゃないのか?別に罪も犯してないんだし。
キャタピラー:
その通り。ボクは臨時の保護者代理ですから、本来ならば血の繋がった親族が扶養すべきです。
キャタピラー:
幸いメロピデ要塞の外に、彼女の親族はいます。
パイモン:
ラノールが言ってた「知らないおうち」ってそういうコトだったのか…じゃあ、すぐにでも外の親戚に会えるのか?
キャタピラー:
それが…なかなか難しくて。少し時間がかかるかもしれません。
パイモン:
え?それはまたなんでだよ?
キャタピラー:
この子には身分証明書がないんです。アグネスもこんな事態は想定外だったんでしょう。ラノールを外に出す手続きは、本来彼女がすべきだったんですけど…
旅人:
さっき言ってた外にいる親族は?
キャタピラー:
アグネスが手紙を送っても、返事はなかったとエティヌさんから聞きました。その後も連絡はないようです。まあ、先方もこの状況を知れば、考えを改めてくれるかもしれませんが。
キャタピラー:
ボクはラノールを親族のもとに帰してあげたいんです。この子に会ってもなお考えを変えてもらえなかったら…その時はまた別の方法を考えます。
ラノール:
どうしてずっとここにいちゃいけないの?恐ろしい悪い魔法使いはいるけど、いい魔法使いだってキャタピィお兄ちゃんだっているじゃない。わたし…ここを離れたくない。
ラノール:
ママはここを出てから、二度と戻ってこなかった。
ラノール:
わたしもここを出たら、ママと同じように二度と戻ってこられない。そしたら一生キャタピィお兄ちゃんにも会えない…
パイモン:
アグネスがメロピデ要塞を出ていった?
旅人:
(ラノールは状況が理解できてないみたい。)
パイモン:
あー…
キャタピラー:
とにかく、ここは子供のいるようなところじゃない。陽の光が差さない場所じゃ、新芽は健康に育たないんだよ。
キャタピラー:
外に出るんだ、ラノール。ボクの物語だって、もう聞き飽きただろう。外には本物の世界があって、血のつながったキミの家族もいる。
キャタピラー:
怖がらなくていいよ。ボクが付き添ってあげるから。
ラノール:
うん…キャタピィお兄ちゃんは嘘つかないもんね。わたし、お兄ちゃんを信じる。
パイモン:
でも身分証明書もないのに、どうやってラノールを外に出すんだ?オイラたちになにか手伝えることはあるか?
旅人:
闇ルートは?秘密の通路とか?
キャタピラー:
それもあることにはありますけど、危険すぎます。違法すれすれのところを狙った方がいいですね。
パイモン:
へえ?どんなルートだよ?
キャタピラー:
エティヌさんが定期的に何人かを要塞の外での作業に連れて行くんです。その機会を狙って、ラノールを親族のもとに送り届けようかと。
キャタピラー:
彼女には身分証明書がありません。記録に存在しない人間が一人いなくなったところで、メロピデ要塞には何の影響もないでしょう。
パイモン:
それってまさか「特別許可券ミリオネア」のことか?期間内に一番多く特別許可券を稼いだ勝者が、外出のチャンスを得られるってエティヌが言ってたぞ…
旅人:
やっちゃった。特別許可券はもうお腹の中だね。
パイモン:
ああ!ラノールは特別許可券を大量に使って、ラグ&ボーンショップの商品を買い占めたんだ。このままじゃ負けちゃうぞ!どうしよう?
ラノール:
負けないよ。キャタピィお兄ちゃんが勝つって言ったら、絶対勝つんだもん。
パイモン:
ラノール…おまえ、ぜんぜん事の重大さをわかってないな!
旅人:
許可券を払い戻せないかな?相手は子供だし…
キャタピラー:
もう商品を消費しちゃってますからね。その理屈は通らないと思います。
キャタピラー:
いいんです。もらったものをどう使うかは、本人の自由ですから。この程度のエラーは織り込み済みです。
パイモン:
でもなんか申し訳ないし、オイラたちも手伝うぜ。エティヌはパーティーを組んで参加してもいいって言ってたよな。
ラノール:
うわぁ!旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも一緒にゲームに参加してくれるの?
旅人:
一緒に優勝を勝ち取ろう!
パイモン:
オイラと旅人だけでもすごいのに、四人もいるんだから楽勝だぜ!でも、どうやったら最短で一番多く特別許可券をゲットできるんだろうな…
キャタピラー:
お二人がいてくだされば安心です。ありがとうございます。特別許可券の獲得方法ですが…ボクに考えがあります。明日改めてお話ししますね。
キャタピラー:
今日はお疲れでしょう。スペースなら十分ありますから、よろしければこちらで休んでいってください。
パイモン:
うん…それもそうだな。旅人、疲れたんなら今日はさっさと休もうぜ?
旅人:
(少し疲れたかも。ここで休むことにしようかな?)
ラノール:
キャタピィお兄ちゃん、ただいま!
キャタピラー:
ラノール、お帰り。新しい友達ができたみたいだね。
ラノール:
うん!旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんだよ。あのね、パイモンお姉ちゃんは小さいけど飛べるんだよ。でもね、小鳥さんじゃないの。
ラノール:
仙霊でもなさそうだし…小さな純水精霊さんでもないよね?みんな見たことないから、わかんなくて当然だよね。
旅人:
パイモンはパイモンだよ。
パイモン:
おう、オイラはオイラだ。仙霊でも純水精霊でもないぞ…ってか、おまえが「キャタピィお兄ちゃん」なのか!?
旅人:
ラノールと同い年くらいに見える…
キャタピラー:
旅人、パイモン、ボクのことはキャタピラーと呼んでください。
パイモン:
お、おう…そんなにかしこまらなくてもいいぞ。なんか、調子狂うな…
キャタピラー:
ラノールの友達みたいですから、そうさせてもらいます。
パイモン:
ていうか…ラノールとキャタピラーはまだ子供だろ?保護者は一緒なのか?子供が二人でこんなとこにいるのっておかしいだろ…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんは子供じゃないもん。
キャタピラー:
ボクは子供ではありません。ボクがご覧のような姿になったのは…そうですね、病気だと思ってもらえばいいでしょう。
パイモン:
そうだったのか…
キャタピラー:
ここに来てもう随分経ちます。もちろんそれは、ボクの過去の行いが招いた結果。でもラノールの方は、もう少し複雑というか…
キャタピラー:
この子はここで生まれたんです。
パイモン:
へえ、ここって、メロピデ要塞でか?
ラノール:
パイモンお姉ちゃんって変なの。前にも言ったでしょ?ずっとここにいるんだって。
キャタピラー:
ラノールの母親のアグネスは元々病弱で、少し前に病気で亡くなったんです。
キャタピラー:
他人のプライバシーには干渉しない主義なので、親子のこともよくは知らなかったのですが…アグネスが天に召されて、ラノールの面倒を見る人がいなくなってしまった。
キャタピラー:
古い付き合いだからか、ラノールはボクになついていたんです。それでエティヌさんから、この子の世話を頼まれました。
パイモン:
そっか…でもそれなら、ラノールはここにいるべきじゃないんじゃないのか?別に罪も犯してないんだし。
キャタピラー:
その通り。ボクは臨時の保護者代理ですから、本来ならば血の繋がった親族が扶養すべきです。
キャタピラー:
幸いメロピデ要塞の外に、彼女の親族はいます。
パイモン:
ラノールが言ってた知らないおうちってそういう意味か…じゃあ、すぐにでも外の親戚に会えるんだろ?
キャタピラー:
それが…なかなか難しくて。少し時間がかかるかもしれません。
パイモン:
え?それはまたなんでだよ?
キャタピラー:
この子には身分証明書がないんです。アグネスもこんな事態は想定外だったんでしょう。ラノールを外に出す手続きは、本来彼女がすべきだったんですけど…
旅人:
さっき言ってた外にいる親族は?
キャタピラー:
アグネスが手紙を送っても、返事はなかったとエティヌさんから聞きました。その後も連絡はないようです。まあ、先方もこの状況を知れば、考えを改めてくれるかもしれませんが。
キャタピラー:
ボクはラノールを親族のもとに帰してあげたいんです。この子に会ってもなお考えを変えてもらえなかったら…その時はまた別の方法を考えます。
ラノール:
どうしてずっとここにいちゃいけないの?恐ろしい悪い魔法使いはいるけど、いい魔法使いだってキャタピィお兄ちゃんだっているじゃない。わたし…ここを離れたくない。
ラノール:
ママはここを出てから、二度と戻ってこなかった。
ラノール:
わたしもここを出たら、ママと同じように二度と戻ってこられない。そしたら一生キャタピィお兄ちゃんにも会えない…
パイモン:
アグネスがメロピデ要塞を出ていった?
旅人:
(ラノールは状況が理解できてないみたい。)
パイモン:
あー…
キャタピラー:
とにかく、ここは子供のいるようなところじゃない。陽の光が差さない場所じゃ、新芽は健康に育たないんだよ。
キャタピラー:
外に出るんだ、ラノール。ボクの物語だって、もう聞き飽きただろう。外には本物の世界があって、血のつながったキミの家族もいる。
キャタピラー:
怖がらなくていいよ。ボクが付き添ってあげるから。
ラノール:
うん…キャタピィお兄ちゃんは嘘つかないもんね。わたし、お兄ちゃんを信じる。
パイモン:
でも身分証明書もないのに、どうやってラノールを外に出すんだ?オイラたちになにか手伝えることはあるか?
旅人:
闇ルートは?秘密の通路とか?
キャタピラー:
それもあることにはありますけど、危険すぎます。違法すれすれのところを狙った方がいいですね。
パイモン:
へえ?どんなルートだよ?
キャタピラー:
エティヌさんが定期的に何人かを要塞の外での作業に連れて行くんです。その機会を狙って、ラノールを親族のもとに送り届けようかと。
キャタピラー:
彼女には身分証明書がありません。記録に存在しない人間が一人いなくなったところで、メロピデ要塞には何の影響もないでしょう。
パイモン:
それってまさか「特別許可券ミリオネア」のことか?期間内に一番多く特別許可券を稼いだ勝者が、外出のチャンスを得られるってエティヌが言ってたぞ…
旅人:
やっちゃった。特別許可券はもうお腹の中だね。
パイモン:
ああ!ラノールは特別許可券を大量に使って、ラグ&ボーンショップの商品を買い占めたんだ。このままじゃ負けちゃうぞ!どうしよう?
ラノール:
負けないよ。キャタピィお兄ちゃんが勝つって言ったら、絶対勝つんだもん。
パイモン:
ラノール…おまえ、ぜんぜん事の重大さをわかってないな!
キャタピラー:
もう商品を消費しちゃってますからね。その理屈は通らないと思います。
キャタピラー:
いいんです。もらったものをどう使うかは、本人の自由ですから。この程度のエラーは織り込み済みです。
パイモン:
でもなんか申し訳ないし、オイラたちも手伝うぜ。エティヌはパーティーを組んで参加してもいいって言ってたよな。
ラノール:
うわぁ!旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも一緒にゲームに参加してくれるの?
旅人:
一緒に優勝を勝ち取ろう!
パイモン:
オイラと旅人だけでもすごいのに、四人もいるんだから楽勝だぜ!でも、どうやったら最短で一番多く特別許可券をゲットできるんだろうな…
キャタピラー:
お二人がいてくだされば安心です。ありがとうございます。特別許可券の獲得方法ですが…ボクに考えがあります。明日改めてお話ししますね。
キャタピラー:
今日はお疲れでしょう。スペースなら十分ありますから、よろしければこちらで休んでいってください。
パイモン:
うん…それもそうだな。旅人、疲れたんなら今日はさっさと休もうぜ?
パイモン:
うーん、なんかタイミングが悪かったみたいだな…
エティヌ:
ははっ!
ノワイユ:
……何だと?
ノワイユ:
お前たちは…旅人にパイモンだな?お前たちについては後にする。
ノワイユ:
直近百年ほどのデータを調べてみたが、「キャタピラー」に関連する記録は見当たらなかった。ファイルが失われた可能性がある。データを再度作成するために、お前本人の協力が必要だ。
エティヌ:
別に大して急ぎの仕事じゃないだろ?そんなに急かす必要はないだろうに。
ノワイユ:
エティヌ、お前の口ぶりだと、ここの秩序を立て直したいとは思っていないように感じるが。
ノワイユ:
お前の考えには賛同できない。わがままに慣れきった人々にとって、過ぎた自由は毒だということをお前はわかっていない。
ノワイユ:
俺は俺のやり方でこの無秩序な混乱状態を正す。仕事の邪魔をするな。
エティヌ:
無秩序とか混乱とか、何言ってるんだ?今の状況は多くの人が認めてる「臨機応変な対応」だろ?はぁ、もういいよ。
ノワイユ:
「キャタピラー」は本名か?あと、お前の罪をできるだけ詳しく言え。時間、場所、あと最終的に言い渡された刑期もだ。
ノワイユ:
お前の言う情報が詳しいほど、データを取り戻せる可能性が大きくなるからな。ファイルが本当に失われていた場合、お前の述べた内容を元に、記録の一部を補完できるはずだ。
キャタピラー:
ボクの記憶だと、最初から「キャタピラー」と名乗ってましたよ。ボクにピッタリな名前だと思いますし、本質に一番近い名前だと思います。
ノワイユ:
本名……「キャタピラー」、確認した。では、続けてお前の罪状を述べろ。
キャタピラー:
ご主人様の命令に従って任務を遂行していました。ただ、任務を失敗してしまい、ある人々を不幸にしてしまったのです。それがボクの罪です。
ノワイユ:
ご主人様?その人の名前は?それはいつのことだ?
キャタピラー:
ご主人様にはボクと違って色々な名前がありました。かなり昔のことですね。
ノワイユ:
…お前、俺をからかっているのか?
キャタピラー:
ボクが言ってることは全て事実ですよ。
それは、子供から発されるものとは思えない、低い声だった。
「もっと刺激的な内容のほうが良かったですか?それとも、想像力を掻き立てるような俗物的な詳細がお望みでしたか?」
「あの日起こったことなら、事細かにお話しできますよ。秘密の広間のレイアウトから、仲間の思考を勝手に推測したことまで」
「ただ、そんなものは捏造された記憶に過ぎません。これが必要ないということは、あなただってわかっているでしょう?この物語は見せかけの真実で、本物の歴史は、荒廃した庭と共にとっくに消え去ったのです」
「あなたが知りたいのはもっと単純な事実でしょう…その事実とは、罪人がいるべき場所にいるということです。詳細はあなたにとって何の意味もありません」
「それは全く重要ではありませんし、あなたの秩序を露ほども揺るがしませんよ」
「こんなことにあなたが気を使う必要など、微塵もありません。全てが敷かれたレールの上なのですから」
ノワイユ:
罪人がいるべき場所にいる…
ノワイユ:
こんなことに俺が気を使う必要など微塵もなく、全ては敷かれたレールの上…
エティヌ:
「今のところ見つかってないファイル」のことなんかより、拡声器の濫用問題のほうがよっぽど大事だろ。
エティヌ:
許可なく使われてることもあるし、最近、何度も繰り返し放送されて気が狂いそうだっていうクレームが殺到してるんだ…
ノワイユ:
エティヌの言う通りだな。俺たち看守はこういう違反行為を根絶するべきだ。よし、今すぐ調査に当たろう。
エティヌ:
善は急げだ。今すぐ出発しよう。
パイモン:
(変だな。いきなり態度が変わったぞ?)
旅人:
(確かに…)
パイモン:
今のキャタピラーの話となにか関係あるのか?なんか聞いてるだけで眠くなってきちゃったけど…
パイモン:
直接聞いてみようぜ!
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、わたしたちだいぶ遅れをとっちゃってるよ。
キャタピラー:
そうだね。エティヌに聞いたけど、確かにかなり引き離されてるみたいだ。
パイモン:
どれどれ……あっ!キャタピラーもなん枚か特別許可券をゲットしてる…待てよ!オイラたち最下位じゃないか!
パイモン:
ダルシーにまで負けてる。ダルシーは一人で参加してたはずなのに、なんでだ…?
キャタピラー:
ダルシーは看守の面倒な雑用を手伝ったからでしょうね。いつもモングラーヌさんの手伝いを任されていますから。
パイモン:
なるほど…待てよ、まさか、最初にオイラたちに親切にしてくれたのって、自分のためだったのか…?
パイモン:
このままじゃ、オイラたち負けちゃうぞ。ラグ&ボーンショップであんなに食べなきゃよかったな…
キャタピラー:
大丈夫。このゲームは、期間内に獲得した特別許可券の総数を競うんです。手に入れた特別許可券を使ったとしても、カウントには影響しません。
ラノール:
ってことは、パイモンお姉ちゃんはもっと食べてもいいってことだね!
パイモン:
ラノール…問題はこのままだと負けちゃうってことなんだぞ!なんで全然心配してないんだ?
キャタピラー:
終了までにはまだ時間があるから、間に合いますよ。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、疲れたの?じゃあ肩たたきしてあげる!
パイモン:
ラノール、ひいきするなよ。オイラだって疲れてるんだぞ。
ラノール:
わかった、じゃあパイモンお姉ちゃんの肩も叩いてあげるね。
パイモン:
やったー!
キャタピラー:
明日から別行動しましょう。いくらか収穫があったらここで落ち合うんです。どうでしょう、これなら効率がいいと思うんですが。
パイモン:
確かに…そのほうがいいな。
キャタピラー:
あと、もしイヤじゃなかったら、前みたいにここで休んでいってください。
パイモン:
そうだな。旅人、疲れてるなら、ここで休んでいこうぜ。
旅人:
(じゃあ、休憩する?)
レヴィ:
お子ちゃまとのままごと遊びは楽しいか?
レヴィ:
前にも会ったことがあるだろう。
パイモン:
オイラたちになにか用か?ライバル同士なんだし、わざわざそんな質問をしにきたわけじゃないだろ?
レヴィ:
オレは色々な要素を持っている。そのうちの一つがオレに多くの利益をもたらしてくれるんだ。例えば「好奇心」って要素がな。
レヴィ:
理解できないことがあったら、徹底的に調べるんだ。だから往々にして他のやつよりも真相を知っている。
旅人:
奇遇だね、俺も一緒。
レヴィ:
ならオレたちの会話は成立するはずだな。
レヴィ:
オレが知りたいのは、あんたら二人がゲームに参加した目的だ。
レヴィ:
ただ外に出たいだけなら、別の方法を教えてやるぜ…
旅人:
ゲームが好きだから。勝つのはもっと好き。
レヴィ:
敵に対して警戒するのは正解だ。ただオレが敵だとは限らない。
パイモン:
それってどういう意味だ?
レヴィ:
オレが言いたいのは、もしお前たちが勝ちたいだけならオレと手を組もう、ってことだ。
パイモン:
ええっ?おまえ、今トップなんだろ?
レヴィ:
まあな。だからお互いにメリットがあるだろ。
パイモン:
うーん…あれ、待てよ。オイラたち、ラノールのために参加したんだぞ…
レヴィ:
あんな小娘のためにか?なら、あんたらがオレのチームに入ってくれるんなら、その娘の希望をオレが叶えてやってもいいぜ。
旅人:
どうしてそこまでしてくれるの?怪しいよ。
レヴィ:
なら正直に言おうか。これはメンツの問題なんだ。キャタピラーとは個人的な因縁があってね。
レヴィ:
アイツがどうやってお前らを騙したかは知らないが…よく聞け、アイツは怪物だ。人の皮を被ったバケモノなんだよ。
ノワイユ:
お前たち、何を話してる?まさか規則を破る計画なんかじゃないだろうな?
レヴィ:
…ちっ。
レヴィ:
ノワイユ看守、ちょうどいいところに。キャタピラーの調査結果のことで…
ノワイユ:
あいつのファイルはほとんど失われているが、大丈夫だ。罪人はいるべき場所にいる。全てが敷かれたレールの上だ。
レヴィ:
ファイルが失われた?ありえない。絶対あいつの仕業だろ…
ノワイユ:
…確かに、失われたファイルはまた作成する必要があるはずだな。何故忘れていたんだ?ふむ…
ノワイユ:
…そうだ。お前たちもこんなところをうろついてないで、自分の仕事をしろ。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、おかえり!
キャタピラー:
今日は結構収穫がありましたよ。現状は…
パイモン:
くっ、ダルシーを抜いただけか…
ラノール:
やった、最下位を脱出したよ!
パイモン:
でもオイラたちは四人組なんだぞ…
ラノール:
四人組!すごいじゃない!
パイモン:
ただ、ホントにこのままでいいのか?まだ二つも高いハードルが残ってるのに…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんが言ってたよ。わたしたち、絶対勝てるって。そうだよね?
キャタピラー:
うん、だから旅人もパイモンもそんなに心配しなくて大丈夫ですよ。変な風に聞こえるかもしれませんが…
キャタピラー:
結果なんて気にせず、ゲームの過程を楽しむのも悪くないですから。
パイモン:
そうだな…
パイモン:
それより、さっきオイラたち、トップのやつに誘われたんだ。でも失礼なやつだったんだよ。キャタピラー…が…
パイモン:
えーと…とにかく、すっごく失礼な話だったんだ!
旅人:
二人の間に何かあったの?
キャタピラー:
ちょっとした行き違いですよ。ボクを誘ってきたこともあったんだけど、受ける理由もないから断ったんです。
キャタピラー:
その後、彼は手下を使ってボクに嫌がらせをしてきました…確かにボクは怪物だ。彼のような人物は、ボクを怒らせるべきじゃない。
パイモン:
そ、そういう言い方するなよな!キャタピラーだって、好きでそうなったわけじゃないんだろ?
ラノール:
もしキャタピィお兄ちゃんが怪物なら、きっといい怪物なんだよ。いい魔法使いと悪い魔法使いがいるみたいに…ふわぁぁ…
パイモン:
どうした?ラノール、眠くなったのか?
ラノール:
うん…でも昨日のお話の続き、まだ聞いてないよ…
パイモン:
眠いんなら、さっさと寝たほうがいいぞ。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん。明日もまた会える?
パイモン:
なんでいきなりそんなこと聞くんだ?
ラノール:
もし…わたしたちと同じチームでいたくないんだったら…
パイモン:
そんなことかよ。一緒にトップになるって言っただろ?まだ上に二チームもいるんだから、明日はもっと頑張らないとな!
ラノール:
うん、頑張ろう!ふわぁぁ…眠い。また明日頑張ろう…旅人お兄ちゃんもパイモンお姉ちゃんも、いい夢見れるといいね…
旅人:
(じゃあ、休憩する?)
ジュヌビエーブ:
こんにちは…
パイモン:
なんか同じようなことがあったような…で、オイラたちになんの用だ?
ジュヌビエーブ:
なら言いますね。私と一緒にエティヌに抗議して頂きたいんです。
パイモン:
え?
ジュヌビエーブ:
このゲームに参加したのなら、私の意図はわかるでしょう。私たちはより透明性の高いルールの下で戦うべきです…
旅人:
ルールを変える見返りは?
ジュヌビエーブ:
新しいルールの下で、もう一度最初から戦うべきです。
パイモン:
ええっ!?それって今までの苦労がムダになるってことか?
ジュヌビエーブ:
そんなのありふれたことでしょう?例えば学術界でも、理論や方法が間違っていたことに気づいたら、数年の研究結果が全て引っくり返るのは当たり前ですよ。
パイモン:
それとこれとは別のような…
旅人:
じゃあ次回から…今回は今のまま進めよう。
ジュヌビエーブ:
確かに、ルールの変更や改善には時間が必要ですものね。次回のゲームの際には採用されるかもしれない…
ジュヌビエーブ:
でもダメです。私は今回のゲームでの公平性を求めているのです。遅れて公平性が実現されたところで、私にとってはただただ損失です。だって今回もそれで多くの時間をムダにしてしまったんですから…
パイモン:
うーん…考え方は悪くないと思うけど…それってオイラたちだけで決められることでもないだろ?他の人に聞いたらどうだ…?
ジュヌビエーブ:
エティヌは話題を逸らすだけだし、レヴィは…あなたたちみたいな子供は、彼に気をつけたほうがいいわ。
パイモン:
オイラたちが子供…うーん、反論したいけど、他人から見たらそうなんだろうな…
パイモン:
とにかく、声かけてくれてありがとな。ただ、オイラたちは手伝えそうにないぜ。
ジュヌビエーブ:
わかりました。予想の範囲内です。
ジュヌビエーブ:
もうご迷惑は掛けられませんね。それではごきげんよう。私のほうは上手くいっていませんが、そう簡単に諦めませんよ。
パイモン:
ああ。おまえも上手くいくといいな…
パイモン:
な、なんで看守がここにいるんだ…?
ノワイユ:
お前たち、いいところに来たな。
ノワイユ:
待て、質問に答えろ。
ノワイユ:
知ってるだろう、失われたファイルを再度作らねばならん。これはあいつにとっても別に悪いことじゃないはずだ。ファイルがなければ、あいつが罪を償い終わったとしても、ここを離れることができないからな。
ノワイユ:
だから、お前たちは俺の質問に正直に答えろ。
ノワイユ:
キャタピラーがメロピデ要塞に来たのがいつか知ってるか?
パイモン:
うーん…あいつ、ずっと前にここに来たって言ってたけど、具体的な時期についてはオイラたちもよく知らないな…
ノワイユ:
ということは、お前たちもあいつの刑期や具体的な罪については知らないんだな?
パイモン:
全然知らないぞ…
ノワイユ:
あいつが以前言ってた「ご主人様」について、お前たちは何か知ってるか?
パイモン:
それについても聞いたことないけど…
ノワイユ:
あいつと会話する時、異常を感じたことはないか?
旅人:
今までは特になかった。
ノワイユ:
特にない、か。わかった。
ノワイユ:
どうやらお前たちもあまり知らないようだな。なら今日はここまでにしよう。変なことがあったらすぐに報告しろよ。これはお前たちのためでもあるんだからな。
ノワイユは去っていった…
パイモン:
ああやって聞かれると、オイラたちキャタピラーについてほとんど知らないんだな…まあでも、罪状とか刑期とかって、本人が言いたくないんなら聞きづらいしな。
旅人:
あんまり興味ない。
パイモン:
オイラたちについても聞いてこないしな。
パイモン:
でも、そうは言っても、今あいつがやってることって良いことだよな?
パイモン:
それにラノールもあいつを信頼してるみたいだ…だから悪いやつじゃないだろ?というか、少なくとも今は悪い人じゃない、かな?
旅人:
まあ気をつけるに越したことはないね。
パイモン:
だな。
しばらく待っていると、キャタピラーとラノールが戻ってきた。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、早いね。ガルヴァーナお姉ちゃんと話してたら遅くなっちゃったよ。
ラノール:
飴もくれたんだよ!砂漠のオアシスの樹に生ってる実から作ったんだって。
ラノール:
砂漠のオアシスってどこ、って聞いたんだけど、水がある小さなところなんだって。周りは砂だらけらしいよ。その砂っていうのが、海みたいに広いんだって。
ラノール:
ってことは、砂漠のオアシスってメロピデ要塞みたいなところなのかな?ただまるっきり逆で、ここの周りは全部水だけどね。
パイモン:
ラノールがここから出られたら、直接行って自分の目で見れると思うぞ!それより、こんなに頑張ったんだから、ランキングも上がってるんじゃないか?
キャタピラー:
エティヌに聞いたんですが、今は大体こんな感じです…
パイモン:
全然上がってないぞ!どういうことだ?
旅人:
相手も頑張ってるみたいだね。
キャタピラー:
はい。レヴィも人脈があるようですし、研究員や探偵の助手もそれぞれの得意分野があるようで…
パイモン:
今は相手を褒めてる場合じゃないだろ?うーん…なにか対策はないのか?このままだと絶対負けちゃうぞ…
ラノール:
わたしたち、負けちゃうの?負けたらメロピデ要塞から出ないでいいんだよね?
キャタピラー:
ラノール、言っただろう?ここにいる限りは毎日ずっと、悪い魔法使いに攫われる心配があるんだよ。
ラノール:
うーん…だったら出たほうがいいのかな。でも…パイモンお姉ちゃんは、わたしたちが絶対負けるって…
パイモン:
ま、負けないぞ!ゲームはまだ終わってない。時間はまだ十分あるし、絶対勝てる!
旅人:
今回勝てなくても、次回があるよ。
パイモン:
旅人、弱気だな。もっと自信持てよ。今回だって絶対勝てるぞ!
キャタピラー:
エティヌが決めた期限まで、もうあまり時間がないですね。次の集合場所は、管理エリアの掲示板のところにしましょう。
パイモン:
最終結果発表まで、もう時間がないのか?…今晩は悪い夢でも見そうだぞ…
ラノール:
パイモンお姉ちゃん、もし怖かったら、こっそりわたしに打ち明けてもいいよ。
パイモン:
まさかこんな子供にまで心配されるなんてな…オイラは怖くないぞ!ラノールも、いい夢見ろよな。
ラノール:
うん、わたしはもうたくさん見てきたから、旅人お兄ちゃんやパイモンお姉ちゃんに分けられればいいんだけど。
旅人:
(じゃあ、休憩する?)
パイモン:
変だな。キャタピラーやラノールはまだ来てないのか?
レヴィ:
負けるのがわかってて、来るわけがないだろう。
旅人:
そうとは限らない。
パイモン:
そうだぞ!オイラたちよりちょっとリードしてただけのくせして…
レヴィ:
ちょっとだと?ははっ。
レヴィ:
エティヌ、結果は発表できるか?いや…もうちょっと待つか。とっておきのシーンは最後に取っておいたほうがいいからな。
エティヌ:
待つ必要はないようだ。来たな。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん!結果はもう見た?わたしたち勝った?
パイモン:
まだわからないんだ…
レヴィ:
みんな揃ったようだな。エティヌ、もう結果を発表してもいいだろう。
エティヌ:
もちろんだ。あ、ただキャタピラーのポイント計算にちょっと時間が掛かりそうだな…
レヴィ:
本当に意地の悪い看守だな。最初から最後まで、オレたちみたいな可哀想なやつらを弄ぶとは。
レヴィ:
ちょっとは慈悲の心を見せてやったほうがいいんじゃないか?オレたちとやつらの間には越えられない壁があるってことを教えてやれ。まやかしの希望で弄ぶんじゃねえよ。
エティヌ:
あくまで最終結果じゃないが…確かにまあ…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんが今日獲得した特別許可券を足せば、わたしたち勝てるんでしょ?
パイモン:
ちょっと待てよ、なんでジュヌビエーブチームの点数が空っぽなんだ?
ジュヌビエーブ:
私は反対したのですよ。ただ、結果を考えればこれがより合理的なやり方だったのです。
パイモン:
どういうことだ…わあっ。レヴィはすごいポイントだ!
ジュヌビエーブ:
彼は外に出る必要なんてありませんし、私たちもトップなんていらないので。
パイモン:
つまり、おまえたちの特別許可券を全部レヴィにあげたってことか?それってルール違反じゃないのか?
ジュヌビエーブ:
別に、ルールでは禁止されていませんよ。私は公平に勝負するために、ずっとルールを修正しようと主張していました。でも、みんな相手にしてくれなかったじゃないですか。
エティヌ:
確かにそれはルールで禁止されていないな。はぁ、みんながちゃんとルールを活用していれば、この試合ももっといい勝負になっただろう。
レヴィ:
「いい勝負」?それはあんたにとってだろ。こんなつまらんゲーム、ルールなんて元々どうでもよかったんだよ。結局、ただのメンツの問題だ。
レヴィ:
ほら、ポイントが確定したんなら、最終結果を発表しろよ。
キャタピラー:
ボクたちの今日のポイントがまだ加算されてませんよ。
レヴィ:
ふん…焼け石に水だろう。
エティヌ:
全部足すと——こうなる。
ラノール:
やったー!旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん!見て見て、わたしたち、勝ったよ!
レヴィ:
なんだと…?ありえん、一体何をした?
パイモン:
わあっ…こんなに?数えきれないぞ…うわぁ…
キャタピラー:
魔法より簡単な手法ですよ。
キャタピラー:
前に集めた特別許可券で、人を沢山雇ったんです。彼らがこの期間で生産したものも、ボクたちのポイントになる。これもルールで許されている範囲内ですよね。
ジュヌビエーブ:
だとしても、この数はちょっと異常ですね…
キャタピラー:
ボクには絶対勝たなきゃいけない理由があった。それに、この二人の友達の協力も得られたからね。それで負けたら悔しすぎる。
キャタピラー:
虚栄心ですか?それもあったかもしれませんね。
エティヌ:
集計が終わったから、最終結果を発表するぞ。このゲームの勝者はキャタピラー、旅人、そしてパイモンだ。
エティヌ:
みんな、異議はないな?
ジュヌビエーブ:
私は特にありません。どうやら私は相手を間違えたみたいですね。前は怒りに任せて人を殴って、その結果ここに送られてしまいました。もう、同じ間違いは犯さないようにします。
レヴィ:
…覚えてろよ。
パイモン:
うわぁ、ホントにそういう捨て台詞を言うやつがいるんだな。
旅人:
使い古された言い回しだね。
エティヌ:
みんな準備はいいか?準備ができたら出発するぞ。
エティヌ:
ノワイユが帰ってくる前にね。彼の考えは間違ってはいないけどここには合わない、っていうことに早く気づいてくれるといいんだが。
キャタピラー:
ラノールはとっくに用意できてるよね。
ラノール:
うん、もうみんなとお別れしたよ!
旅人:
俺たちもいつでも出発できるよ。
エティヌ:
よし、あとは黙ってればいいからな。もうオレが手を回しておいたから、問題はないはずだ。
キャタピラー:
すみません、手間を取らせてしまいましたね。以前言っていた特別許可券の入手方法ですが…
旅人:
あの人に何をしたの?
パイモン:
今まで居丈高で、人の話なんて聞くタイプじゃなかったのに、なんでいきなり諦めちゃったんだ…
キャタピラー:
ただの小細工に過ぎませんよ。
キャタピラー:
「罪人はいるべき場所にいる」これは確かな事実でしょう?
キャタピラー:
なら、彼のような直情的な人に疑いようのない事実を「確信」させるのは難しくありません。
旅人:
ジュリアンの時みたいに?
キャタピラー:
そう、ジュリアンの時と同じです。
キャタピラー:
ボクが長い間ここにいることは知ってますね?同じところにずっといたら、自然と便利な小細工を学ぶものですよ。それに、周りにもある程度の影響力を持つようになる。
パイモン:
簡単な言葉で頑固な人の考えを変えるなんて、魔法みたいだぞ…まさかオイラたちもいつの間にか魔法に影響されてたりしないよな?
旅人:
パイモンは純粋過ぎるから、ちょっと心配。
パイモン:
旅人もだぞ!いや、待てよ…それってオイラもジュリアンみたいに騙しやすいってことか?
キャタピラー:
こういう小細工っていうのは、大体色々な制限があって、見掛けほど簡単じゃないんですよ。それに、効果がいつも思い通りになるとは限らない。
キャタピラー:
例えばジュリアンは絵に対して心得があったけど、視力に問題があって自信がなかった。「絵が上手い」という「確信」は、元々彼の心の中にあったんだ。
キャタピラー:
ただ、モノに対する「確信」はあまりに抽象的です。だから往々にして結果を予測しにくい。
キャタピラー:
確かに今回はリスクもあった。ただ、彼にかまけて時間をムダにしていれば、ラノールをメロピデ要塞から脱出させる計画がまた遅れてしまいます…
キャタピラー:
それに、キミたちも、ずっと彼から質問責めにされるのは嫌だったでしょう?
旅人:
リスクは犯したくない。
キャタピラー:
その通りです。
キャタピラー:
話を戻しましょうか…もし考えが変わったから別れたいというなら、それも理解できます。しばらくラノールが悲しむでしょうけどね。キミたちはラノールにとって得難い仲間だから。
パイモン:
うーん…ラノールと約束したのに、今更それを撤回するなんて良くないよな。
旅人:
約束は約束。
パイモン:
おう、ラノールを手伝うと思えばいいと思うぜ。
パイモン:
そういえば、ラノールはどこに行ったんだ?
キャタピラー:
朝っぱらから「探検」に行きました。ここを離れた後の準備でしょう。ちょうどこれから面倒事を片付けに行かなくちゃなりませんからね。
キャタピラー:
人助けや…看守のために面倒事を処理するのも、報酬を得る方法です。
パイモン:
ああ、そういうのには慣れてるぞ。冒険者協会の依頼みたいなもんだろ?
キャタピラー:
そうです。ならこれからの依頼は、旅人とパイモンについてきてもらいましょう。
パイモン:
いいぞ。で、どこに行くんだ?
キャタピラー:
下層の廃棄された生産エリアですよ。
キャタピラー:
すみません、手間を取らせてしまいましたね。以前言っていた特別許可券の入手方法ですが…
旅人:
あの人に何をしたの?
パイモン:
今まで居丈高で、人の話なんて聞くタイプじゃなかったのに、なんでいきなり諦めちゃったんだ…
キャタピラー:
ただの小細工に過ぎませんよ。
キャタピラー:
「罪人はいるべき場所にいる」これは確かな事実でしょう?
キャタピラー:
なら、彼のような直情的な人に疑いようのない事実を「確信」させるのは難しくありません。
キャタピラー:
純粋であればあるほど、他人の言葉に影響されやすくなるものです。
キャタピラー:
ボクが長い間ここにいることは知ってますね?同じところにずっといたら、自然と便利な小細工を学ぶものですよ。それに、周りにもある程度の影響力を持つようになる。
パイモン:
簡単な言葉で頑固な人の考えを変えるなんて、魔法みたいだぞ…まさかオイラたちもいつの間にか魔法に影響されてたりしないよな?
旅人:
パイモンは純粋過ぎるから、ちょっと心配。
パイモン:
旅人もだぞ!いや、待てよ…それってオイラも騙しやすいってことか?
キャタピラー:
こういう小細工っていうのは、大体色々な制限があって、見掛けほど簡単じゃないんですよ。それに、効果がいつも思い通りになるとは限らない。
キャタピラー:
かつて、ある騙されやすい青年が絵の世界で更に上達しようと頑張っていました。彼は絵に対する心得はありましたが、視力に問題があって自信というものが欠けていました。
キャタピラー:
「絵が上手い」という「確信」は、元々彼の心の中にあった。だから彼がボクに助けを求めて来た時、それを受け入れたんです。最終的な結果は予想と少し違うものでしたが…
キャタピラー:
確かに今回はリスクもあった。ただ、彼にかまけて時間をムダにしていれば、ラノールをメロピデ要塞から脱出させる計画がまた遅れてしまいます。
キャタピラー:
それに、キミたちも、ずっと彼から質問責めにされるのは嫌だったでしょう?
旅人:
リスクは犯したくない。
キャタピラー:
その通りです。
キャタピラー:
話を戻しましょうか…もし考えが変わったから別れたいというなら、それも理解できます。しばらくラノールが悲しむでしょうけどね。キミたちはラノールにとって得難い仲間だから。
パイモン:
うーん…ラノールと約束したのに、今更それを撤回するなんて良くないよな。
旅人:
約束は約束。
パイモン:
おう、ラノールを手伝うと思えばいいと思うぜ。
パイモン:
そういえば、ラノールはどこに行ったんだ?
キャタピラー:
朝っぱらから「探検」に行きました。ここを離れた後の準備でしょう。ちょうどこれから面倒事を片付けに行かなくちゃなりませんからね。
キャタピラー:
人助けや…看守のために面倒事を処理するのも、報酬を得る方法です。
パイモン:
ああ、そういうのには慣れてるぞ。冒険者協会の依頼みたいなもんだろ?
キャタピラー:
そうです。ならこれからの依頼は、旅人とパイモンについてきてもらいましょう。
パイモン:
いいぞ。で、どこに行くんだ?
キャタピラー:
下層の廃棄された生産エリアですよ。
旅人:
(キャタピラーはきっと、別の場所に特別許可券を稼ぎに行ったのだろう。ただ、手がかりを残していってくれたようだ…)
旅人:
海蝕の裂け目の入り口へ。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
居房エリアの郵便室へ。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
ラグ&ボーンショップへ。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
生産エリア·下層北側へ。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
居房エリア南側へ。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
生産エリア·上層南東側。
旅人:
(特別許可券の獲得チャンスかも…)
旅人:
(キャタピラーは特別許可券入手の手がかりを残してくれたみたい…)
旅人:
運に任せよう。
ダルシー:
「ダーティフェイス」ダルシーがいつでもお手伝いしますよ!
パイモン:
こいつ…いつオイラたちを手伝ったんだ!?さっきオイラたちを置いて逃げたくせに!
ダルシー:
それは仕方ないですよ。研究員がベラベラ喋り始めて止まりませんでしたし。最初は新鮮に感じられると思いますけど、何度も聞いてるとね。
ダルシー:
あなたたちは初めてだったでしょう?どうです、面白かったですか?
パイモン:
なにが面白いのか、オイラにも全然わからないぞ…
ダルシー:
うーん…残念なのは、今は鉄拳闘技の試合期間じゃないことですね。あっちのほうが面白いのに!まあ、今は待つのみですよ。
エティヌ:
気が変わったらまた訪ねてくれ。中盤から参加するのは最初から遅れを取るってことだからね。でも、そういうゲームのほうが面白いだろ?
ポワレ:
前に言ったでしょう。あの人に言ってもムダですよ、全く意に介さないんですから。
ジュヌビエーブ:
私たちが同類でないことはわかっていたでしょう?私はあなたのように直感で結論は得られない…自ら試さないことには判断できないのです。
レヴィ:
オレに何の用だ?
レヴィ:
いつも笑顔のやつには、より用心しておいたほうがいいぜ。
レヴィ:
…子供は早く家に帰れ。まあ、帰る家があるんだったらだがな。
エナフ:
マスター、特別許可券はあるか?
エナフ:
お前、ここのマスターじゃねーのか?早く言えよな。
デルラソ:
……
アルヴァード:
ラグ&ボーンショップには何でもあるぞ…ははっ、今は何もないけどな。
アルヴァード:
これから入荷する予定だから、また見に来いよ。
ラノール:
旅人お兄ちゃんやパイモンお姉ちゃんと一緒に変な味のフォンタを飲んだよ。パイモンお姉ちゃんはたくさん飲んだのに、全然落ちてこなかったんだ!
キャタピラー:
じゃあきっと、強い魔法を知ってるんだね。
ラノール:
わぁ…パイモンお姉ちゃん、強いんだ!
ラノール:
モングラーヌお姉ちゃんと話したんだけどね…ナタとフォンテーヌは全然違うんだって。お姉ちゃんも火山温泉に行きたいらしいよ。
ラノール:
火山って…火が吹き出す山のことかな?山は…凄く高く積み上がった岩とか土とかなのかな?うーん…
キャタピラー:
ここから出られれば自分で見れるさ。火山だけじゃなくて色々ね。
ラノール:
ならキャタピィお兄ちゃんと一緒に探検に行く!うーんと…旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも誘うんだ。絶対楽しいよ!
ラノール:
ふわぁ…眠い。
キャタピラー:
なら早く休むといい。
ラノール:
うーん…でもまだお話を聞き終わってないから、終わってから寝るの…
ラノール:
ガルヴァーナお姉ちゃんがくれた飴…凄く甘い。
キャタピラー:
寝る前に歯磨きを忘れちゃダメだよ。
ラノール:
うん…わかった!
ニザーミー:
子供と遊ぶのは疲れるだろ?ちょっと休んでからまたオレと訓練しようぜ!
ニザーミー:
相手は強ければ強いほどいいさ!
ガルヴァーヤ:
そんなに時間が掛かるの?あなたまさか…
クランツ:
私だって早くこんな面倒からはおさらばしたいさ。ただ君たち…操作ガイド通りに設備を使えないのかい?
レヴィ:
オレに何の用だ?
レヴィ:
そうだな。わずかな雨もたまにしか降らんがな。
エナフ:
おい、今から仲間になっても儲けられるか?
エナフ:
このフォンタ、強すぎるだろ。味の種類は多いが…
エナフ:
スメール人の健康ドリンクのほうがマシだろ。投資してみっかな…
デルラソ:
俺はアンタの友達じゃないが、投資はやめといたほうがいいぜ。
ジュヌビエーブ:
……
ジュヌビエーブ:
…ごめんなさい、ちょっと考えたいことがあるんです。
ポワレ:
どうしました?あなたの猫も迷子になってしまったんですか?
旅人:
猫?
ポワレ:
ああ、ご存じないんですね。ならいいんです。
ポワレ:
ここには飼い猫を迷子にさせてしまうような人はいませんもんね。
エティヌ:
はあ、仕事ってホント辛いよな。
エティヌ:
ははっ、お前たちもな。
エナフ:
じっくり考えたが、やっぱり投資することにしたぜ。
エナフ:
一時的な快楽やリフレッシュより、長期的な健康のほうが重要だろ?
エナフ:
みんな頭がいいからな、この道理はわかるはずだ。
エナフ:
だからこの事業には将来性があると思うんだ!
デルラソ:
なら今度から俺の意見は聞かないでくれ。
ジュヌビエーブ:
…そもそも、技術者なんてそんなに沢山必要ないんじゃないですか?
旅人:
え?
ジュヌビエーブ:
いえ、別に。ただ、フォンテーヌ科学院で見た顔があったものですから。
レヴィ:
オレの意見は聞いとくべきだぜ。
レヴィ:
その考えを最後まで貫けるといいがな。
エナフ:
…生産を拡大するのか?それなら追加投資しないとな。
エナフ:
ただ、最近持ち合わせがちょっとな。なあ…
デルラソ:
俺もないぜ。他を当たるんだな。
エナフ:
そんなこと言うなよ!オレたちの仲だろ。どうだ、儲けが出たらお前に多めにやるからさ。
エナフ:
…それでもダメか?ホントにダメか?
デルラソ:
ないと言ったらない。
ポワレ:
結局、アテにできるのは自分だけなんですね。
ポワレ:
人間は孤独な生き物です。あなたもそう思うでしょう?
旅人:
これって何待ち?早く行こう!
ダルシー:
行きましょう!
旅人:
ちょっと待って…考えさせて。
パイモン:
ちょっと早すぎるぞ。考えさせてくれ…
ダルシー:
ああ、すみません。別に急かすつもりはないんで、じっくり考えてください。決まったら訪ねてきてくださいね!
旅人:
じゃあ行こう!
ダルシー:
では、出発!
旅人:
また今度ね。
ダルシー:
まあ、暇つぶしだって考えてくださいよ。大丈夫なので、決まったらまた訪ねてきてくださいね。その時はエティヌさんに会いに行きましょう。私、看守とは仲がいいんですよ!
旅人:
おやすみ。
「キャタピィお兄ちゃん、今日はどんなお話ししてくれるの?勇者が主人公のお話はもういっぱい聞かせてくれたよね…」
「なら今日は、女の子のお話をしてあげようか」
「女の子?女の子でもお話の主人公になれるの?」
「女の子自身の物語だったら、もちろん彼女が主人公だ。別のお話の中では、勇者になったり悪いドラゴンになったりもできるよ。彼女は色んな役になれるんだ」
むかしむかし、巨人の花園にある女の子が住んでいました。
巨人は花園の花を一生懸命お世話しており、誰にも花を摘むことは許しませんでした。花園に誰も入ってこられないようにと、巨人は花園の周りを高い塀で囲ってしまいました。
そのため、巨人の花園に住んでいた女の子は花園から一歩も外に出たことがありませんでした。巨人は彼女に、外の世界は凄く危険で、ここより安全なところはない。だから、ここで安心して暮せばいい——そう、いつも言っていました。
「それでそれで?女の子は巨人の言うことをちゃんと聞いてたの?絶対、言うこと聞かなかったと思うんだ。だってそうじゃないと話が続かないもん!」
「その通り。女の子は言うことを聞かなかったんだ」
「へえ…?」
「続きは、また今度にしよう」
旅人:
おやすみ。
「キャタピィお兄ちゃん、女の子のお話をしてよ!」
「前回は、女の子が巨人の花園に住んでて…」
「わたしは、その女の子が巨人の花園から出ていったんじゃないかなって思ったよ。でも、どうやって出ていったんだろう…?」
ある日、女の子は高い塀の外から女性の声がするのに気づきました。
「優しい巨人さん、花園にある紫の花が必要なんです。少し分けてくれませんか?」
巨人はもちろん断りました。激怒して、塀の外の女性にすぐにどこかへ行くように叫んだのです。
ただ、その女性の声は遠ざかることなく、悲しみに染まっていきました。どうやら彼女は遥か遠いところからはるばる来たようだったのです。彼女は友達の病気を治すために、花園の中の紫の花が欲しいようでした…
女の子は女性の悲しみに満ちた声を聞いて、その友達のことも可哀想だと思いました。「巨人の花園にはこんなにたくさん花が咲いているんだから、少しぐらい、なくなっても大丈夫でしょ?」
そこで女の子は塀越しに、外の女性に小声で言いました。「紫の花を取ってきてあげてもいいよ。でも巨人は外に行かせてくれないし、塀もすごく高いの。だからどうやって花をあなたに渡せばいいかわからないんだ」
すると、塀の外の女性は、実は多くの魔法が使える魔法使いで、女の子が花園の外に紫の花を持ち出したいとただ願えば、魔法を使って女の子を巨人の花園から出すことができると言いました…
「じゃあ、女の子は魔法使いのお願いを聞いてあげたの?うーん…絶対そうだよね。だって、そうじゃないと友達の病気は治らないんでしょ?でも…巨人は花園から出ちゃいけないって言ってたよね。花園から出ちゃったら、どんな罰を受けるのかな?」
「ふふ、今日はもう遅いから、続きはまた今度にしようか」
旅人:
おやすみ。
「前回は、魔法使いが女の子に、紫の花を持ち出したいと願うなら、魔法で女の子を巨人の花園から連れ出せる、って言ったところまでだったね」
「ふわぁ…眠い。でもお話の続きが凄く気になる…女の子はそのあと、どうなっちゃうの?魔法使いの友達は助かったの?」
巨人は女の子に、外は凄く危険だと警告し続けていました。しかし、女の子は外の世界がどうなっているのか、見たこともなかったので、何が危険かもわかりませんでした。
だから女の子は塀の外の声に対して、紫の花を持ち出してもいいよ、と答えました。塀の中にはたくさんの同じ花が咲いていて、その全てが同じように綺麗に見えました。彼女は、巨人がどうしてこの花々をそこまで大切にしているのか、わからなかったのです。
女の子は、塀の外から笑い声を聞きました。そして彼女は花束を持ち、風に乗って外の世界へとやってきた。
背の高い魔法使いは彼女の手から紫の花を受け取りました。女の子は良いことをしたと思い、凄く嬉しい気持ちでした。…しかし、花園に戻ろうとした時、塀も花園も巨人も、全てがなくなっていることに気が付きました。
「優しい魔法使いさん、巨人の花園に戻りたいの。魔法で帰してくれる?」女の子は魔法使いにお願いしました。
「なら、今度は何と交換してくれるかしら?」魔法使いは尋ねました。
「ええっ?じゃあ女の子は二度と戻れないの?魔法使いのお友達は助かったかもしれないけど…でも、こういうお話は好きじゃないよ…」
「誰にでも嫌いなお話はあるよ」
「じゃあ今度はわたしがキャタピィお兄ちゃんにお話ししてあげるね…でも今日はもう寝るよ…ふわぁ…」
旅人:
おやすみ。
「今回はわたしがお話しする番だよ!たくさんお話を聞いてきたから、もう自分でお話を作れるんだよ」
「今回はボクが聞き役だね」
「えーっと、そうだなあ。じゃあわたしのお話も、巨人の花園から始めるね…」
むかしむかし、紫のお花が咲き乱れる花園の中に、王子さまとお姫さま、そして勇者が住んでいました…あっ、あと花園の主人で、怒りっぽい巨人も住んでいました。
魔法使いが一番欲しいのは、紫の花でした。ただ、怒りっぽい巨人はその花々を愛していて、どんな人にも摘むのを許しませんでした。
魔法使いは巨人に聞きました。「優しい巨人さん、私はあなたの花園に咲いている紫の花が必要なんです。こんなに咲いてるんですから、一輪分けてくれませんか?」
怒りっぽい巨人は断りました。大声で、「ダメだ、ここの花はみんな俺のものだ、誰にもやらない」と叫んだのでした。
魔法使いは続けました。「優しい巨人さん、私の話を聞いてください。私は遥か遠くの噴水からやってきました。そこの純水精霊が病気になってしまったのです。紫の花の香りは心を落ち着かせることができます。もしここの花を一輪彼女にあげることができれば、彼女の病気が和らぐかもしれないんです…」
巨人には哀れみの心など全くなく、魔法使いのお願いをぶっきらぼうに断りました。「遠い場所の純水精霊の病気なんか、俺に何の関係がある?」と。
「ならば、何か私にできることはありませんか?私は沢山の魔法を知っています。その魔法の中であなたの役に立つものがあれば…それを交換条件に、私のお願いを聞いてくれませんか?」
巨人は考えました。そして、「失くした大切なモノを魔法で取り戻してくれるなら」と答えたのです。
「それで、交渉は上手くいったの?」
「うん。最後は、魔法使いの友達も助かって、巨人も失くしたモノを取り戻したんだよ。こういう話のほうがいいでしょ?お話の中でぐらい、みんな幸せになって欲しいもん…」
旅人:
他に用事がある。
旅人:
ちょっと考えさせて。
ダルシー:
いいですよ!
旅人:
なら今から出発しよう。
ダルシー:
では、出発!
旅人:
もうちょっと待って。
ラノール:
いいよ。
旅人:
出発しよう!
ラノール:
えへへ、しゅっぱーつ!
旅人:
また後でね。
ラノール:
うーん…なら…わたしはここでお兄ちゃんとお姉ちゃんを待ってるよ。いい子にしてるからね!
旅人:
出発しよう!
ラノール:
えへへ、しゅっぱーつ!
フォルモン:
「なっ…こ、この悪女めッ!思い出した。思い出したよ…」
メイヤー:
カーット!ダメよ、そのセリフはちゃんと観客に向かって言わなきゃ。後悔が三割、恐怖が六割、それから生き残った幸せを噛みしめるのが四割っていう表情で。
フォルモン:
全部で一体何割になるか、確かめてほしいもんだね…あっ、もしかして百割まであるとか?
メイヤー:
ほらほら、細かいことは気にしないの。とにかく真正面の観客に向かって…そう、あの椅子が観客席のある方だから、あっちを向いて…
メイヤー:
誰かが座ってると想像しながら、やってみてちょうだい!
フォルモン:
はぁ…分かった。もう一回やってみるよ。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、壁を見なかった?ここはどこにも壁がないの。
パイモン:
壁?壁なんてないぞ?
ラノール:
じゃあ、壁はずうっと遠くにあるの?すっごく遠くにあるものは目に見えないかもって、キャタピィお兄ちゃんが言ってた。「地平線」みたいに。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、ここはどこ?
ラノール:
ここの水は横向きに寝っ転がってるから、壁で区切る必要もないんだね。
ラノール:
うーんと…空にあるのは「月」かなあ?「太陽」だったら、悪い魔法使いの魔法みたいに、眩しいはずだよね。
ラノール:
何だか周りが見たことないものばっかり…本で見たことあるのもある!旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、一緒に散策しよ!
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんが言ってた通り、外の探検はメロピデ要塞の探検より面白そうだね!
旅人:
うん、外の世界はすごく広いんだよ。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃんが本当に羨ましい…
キャタピラー:
ラノール、探検はまた後にして、今はまずキミの家族を探そう…
ノワイユ:
動くな!どこへ行くつもりだ?あの女の子はなんだ!
ラノール:
ま、魔法使いに見つかっちゃった!
エティヌ:
休暇中じゃなかったのかよ。お前とは関係ないだろう?勤務時間外に警備ロボを連れてパトロールしても、昇進には繋がらないぞ。
ノワイユ:
報告を受けて飛んできたのだ…お前も奴らの共犯者なのか?エティヌ、お前は重大な間違いを犯している。
エティヌ:
むしろ、間違いを正してるって言うべきじゃないか…?それに、みんなのために書類の手続きも大幅に省いてやったんだ。マドモワゼル·モングラーヌは、お礼にオレを二人きりのディナーに誘ってくれるかもしれないな。
ノワイユ:
違う…違う!やつらは…犯罪者だ!たとえ番号を書いた紙がなくなったとしても、やつらは犯罪者なんだ!
旅人:
こんな小さな女の子が犯罪者?正気?
ノワイユ:
至極まともさ。誰だって罪を犯す可能性がある。小さな女の子だって、例外じゃない。
パイモン:
こいつ、怖いやつだな…
ノワイユ:
お前たちの意図が何であれ、今は俺の監督の下、メロピデ要塞に戻ってもらう。
旅人:
一回戻って計画を練り直そうか…
ノワイユ:
お前たちは、何度も過ちを犯した。メロピデ要塞に戻ってからは別々に拘留され、尋問を受けることになる。これ以上悪巧みは考えるなよ。
パイモン:
うぅ、まったく逃げ場がないぞ!
エティヌ:
いくらでもあるだろ?もし警備ロボが何台か壊されたら、それは誰かがルールに反してロボを操作したせいさ。
パイモン:
それってつまり…
ノワイユ:
見たところ、悔い改めるつもりがないようだな…仕方がない。往生際の悪い罪人に、警備ロボは容赦しない。
エティヌ:
おいおい。オレはお前の同僚だぞ。オレまで捕まえるつもりか?
ノワイユ:
罪人と共謀したからには、罰を受けて当然だろう。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃん…旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん…ううっ…
ノワイユ:
警備ロボは廃棄すれば済むが、お前らは…たとえ怪物だろうと、怪我するぞ。
パイモン:
こ…このヒルチャール、本当にキャタピラーなのか?まだ信じられないぞ…
ラノール:
パイモンお姉ちゃん、キャタピィお兄ちゃんのこと、覚えてないの?彼はキャタピィお兄ちゃんだよ…
キャタピラー:
ボ…ボクは人の皮をかぶった魔物だ!
ノワイユ:
魔物…まさかメロピデ要塞にこんな魔物がいたとはな…人語を話せるヒルチャールだなどと、想像だにしなかった!
ノワイユ:
はっ、一体どんな方法で、皆の目を欺いていたのだ?
ノワイユ:
知性なき生き物め…どんな邪悪な術を使って、人間の皮を被り、無害なふりをして我々の中に紛れ込んでいたのだ…?
ノワイユ:
なぜ逃げない?人間の真似か?もちろん逃げたら、お前を捕まえるがな。
ノワイユ:
お前のように危険な怪物は…
キャタピラー:
ボクには罪がある。でも、この子には何の罪もない。この子はあんなところにいるべきじゃないはずです。
キャタピラー:
判決文書にこの子の名前はありません。この子は無実だ…何かの事故でメロピデ要塞に取り残されただけです。
キャタピラー:
ボクはあなたとメロピデ要塞に戻りましょう。でも、この子はエティヌさんに送られて、自分のうちに帰るんです。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃん…
ノワイユ:
魔物が、俺と取引をすると?
キャタピラー:
そうです。この子を家に帰してあげてください。メロピデ要塞に、元々この子は存在していなかったんだ…この子がいなくたって、何の問題もないはずです。
キャタピラー:
魔物を捕まえたなら、それだけで大手柄でしょう?フォンテーヌには数百年もの間、ボクのような怪物は現れなかったのだから…
キャタピラー:
このチャンスを逃したら、また人の皮をかぶって群衆に紛れ込みますよ…こんなチャンス、二度とありませんからね。
ノワイユ:
……
ノワイユ:
お前の言う通り、メロピデ要塞でこの子を見たことはない。この子の存在は気にしなくていいだろう。
ノワイユ:
だが、お前は…危険すぎる。邪悪な怪物を逃がすなんて…俺にはそんなリスクはとても取れん。
ノワイユ:
取引に応じよう。メロピデ要塞に戻ったら、この子は釈放する。
キャタピラー:
罪を犯した者は然るべき場所に行き、ラノールは親族の元に帰る。これですべてが正しいレールの上に乗るはずですね。
キャタピラー:
彼は規則に忠実な人です。これもまた、規則に従った結果ですよ。
ノワイユ:
さあ、怪物、お前を逮捕する。お前たちも皆、俺と一緒にメロピデ要塞に戻るんだ。その子もだ。
パイモン:
えっ?さっきは…
ノワイユ:
魔物と取引をするやつがどこにいる?魔物の口から出る言葉が、心を惑わす邪悪な呪文でないと保証できるとでも?
ノワイユ:
もう騙されないぞ。俺は自分のルールに従うと決めたんだ。文書が消えただって?ならばお前たちは、残りの余生をメロピデ要塞で過ごせばいい。
旅人:
君に審判をすっ飛ばす権利はない。
ノワイユ:
控訴状でその点を強調したいなら、注記しておいてやる。だがそれまでは、お前らに選択の余地なんざない。
モングラーヌ:
…おかえりなさい。
モングラーヌ:
控訴状については、ノワイユがあなたたちに代わって記入済みよ。ただ、最終結果が出るまでは、面倒を起こさないほうがいいわ。
モングラーヌ:
もう少し具体的に言えば、ノワイユとの間で…ね。
モングラーヌ:
やっとルールの分かる同僚が来て、仕事のプレッシャーから開放されると思いきや…彼が来てから仕事は増える一方だわ。
モングラーヌ:
はあ…本当に休みたい。休暇をとってナタにでも行きたいわ。
パイモン:
旅人、そんなこと言ってる場合かよ!ラノールたちは今頃どうしてるんだろうな…
モングラーヌ:
二人は当面「厳しい監視下」に置かれるわ。同じように扱われたくなかったら、おとなしくしていてね。
パイモン:
お前かよ!
エティヌ:
ホント、なんでオレなんだよ!
エティヌ:
ノワイユのやつ曰く、「罪ほろぼし」とかなんとか。後輩のくせに、先輩であるこのオレに指示しやがったんだぞ。
旅人:
どうしてここに?
エティヌ:
「罪ほろぼし」のためさ。
パイモン:
おまえ、全然驚いた気配がないよな。もしかして、キャタピラーの…うぅ、あいつの正体を、前から知ってたのか?
エティヌ:
オレが知ってるのは、奴が随分長くここにいるってことだけだ。オレたちの誰よりもな。
エティヌ:
それ以外のことって、そんなに重要か?あいつは見た目も人間と変わらないし、会話だって普通にできる。むしろいい話し相手だ。
エティヌ:
オレにとっちゃ、本質よりも見た目のほうが重要なのかもな。
エティヌ:
何はともあれ、キャタピラーを探してるんなら、この中だ。
パイモン:
ラノールは?ラノールもキャタピラーと一緒にいるのか?
エティヌ:
あの子は登録フォームに記入するために連れて行かれた。心配しなくても、すぐに戻ってくるさ。
パイモン:
そっか。じゃあ先にキャタピラーのところに行って…何がどうなってるのか聞いてみようぜ…
キャタピラー:
巻き込んでしまってすみません。当初はラノールを親族の元へ送り届けたら、一人で戻ってくる予定だったのですが…完全に失敗したみたいです。
旅人:
聞きたいことがたくさんある。
キャタピラー:
そうでしょうね。
パイモン:
おまえは…キャタピラー、なんだよな?
キャタピラー:
そうです。
パイモン:
そんでおまえは、えと…ヒ、ヒルチャールなのか?
キャタピラー:
そうです。
パイモン:
でも、ヒルチャールには知性なんかないはずだろ?しかもキャタピラーは普通の子供にしか見えなかったぞ。うぅ…いったいなにが真実なのか、オイラもうわかんなくなってきたぞ…
パイモン:
前、おまえは病気でそんな風になったって言ってたけど…誰にだって人に言えないことの一つや二つあるし…それに、おまえはラノールにもすごく優しくて、ラノールのほうもおまえを信頼してたから…
パイモン:
でも、おまえが人間じゃなくて…ヒルチャールだっていうなら…
キャタピラー:
ボクを信用できませんよね。
パイモン:
うーん…
旅人:
ノワイユが聞いてたことに、答えてほしい。
キャタピラー:
誠実にお答えしますよ。
旅人:
いつから、メロピデ要塞にいるの?
キャタピラー:
四百年以上前からです。
パイモン:
よ、四百年以上前!?長くここにいるって話を聞いた時は、てっきり四、五年ぐらいかと思ったぞ…
パイモン:
四百年以上って言うと、なん世代目だよ?って…おまえはヒルチャールなんだもんな…
旅人:
君の罪は?
キャタピラー:
歴史に興味がおありでしたら…ボクは「水仙十字結社」の一員で、ご主人様の計画を手助けしたとして、有罪判決を受けたんです。
キャタピラー:
世界滅亡の予言…ご主人様は、ご自身の力で破滅の未来を救えると思っていました。そのためにボクたちは多くの準備をしてきました。それは偉大なる魔法であり、邪悪な計画でもありました…
キャタピラー:
今となっては、何も重要なことじゃありません。計画は失敗に終わり、「水仙十字結社」は事実上消滅しました。フォンテーヌの破滅も、もはやボクには関係ありません。
旅人:
君の言う、ご主人様って?
キャタピラー:
偉大な魔法使い、ナルツィッセンクロイツです。ボクに人の言葉を教え、記憶と知恵を与えてくれたご主人様です。
パイモン:
そんなことができるやつがほんとにいるのか?うぅ…でも目の前のキャタピラーは、見た目はともかく、それ以外は普通の人間とおんなじだぞ…
キャタピラー:
過去の多くの出来事は記憶とともに消え失せてしまいましたが、あの頃のことはとても鮮明に覚えています…
キャタピラー:
ずっとずっと昔のことです。当時のボクは、まだ他人の目に映る自分の姿を自在に変えることができませんでした。
キャタピラー:
多くの人間は、綺麗な服を着ている人も、ぼろぼろの服を着ている人も…好奇心からか、軽蔑からか、皆同じような質問をしてきました。
キャタピラー:
「ヒルチャールが本当に話せるの?」「ヒルチャールに知恵なんかあるの?」
キャタピラー:
ボクのご主人様は、水仙十字の聖剣を高く掲げました。それは儀式用の剣で、鋭利ではないものの、太陽の下できらきらと輝いていました。
キャタピラー:
「見よ」——彼は言いました。「どんなに醜い魔物でも、私の、水仙十字の化身としての力で、知恵と救いのチャンスを得ることができる。」
キャタピラー:
ボクはご主人様の作品です。水仙十字の力を証明するために、ボクも結社のために剣を持ったことがあります。
キャタピラー:
でも、聖剣はご主人様を失敗と破壊の運命から救うことはできませんでした。不思議な魔法の道具も…もう存在しません。
キャタピラー:
ボクのような、人の皮をかぶった怪物が現れることも、もうありません。
旅人:
ラノールを助けたのはどうして?
キャタピラー:
「可哀そう」だったから…
キャタピラー:
人間性を獲得できなかったとしても、少なくとも模倣はできます。他人の目に映る自分のイメージを変える方法を学んだのと同じように。
パイモン:
なにを言ってるのか全然わかんないぞ…
キャタピラー:
旅人、パイモン、キミたちは生まれながらにして善良で優しい。人を助ける理由なんて、考えたこともなかったでしょう。その必要もないのですから。
キャタピラー:
多くのことは、結果から見れば特に変わりはありません。ボクたちは皆、ラノールはメロピデ要塞じゃなく、彼女自身の親族の元に帰るべきだと考えたからこそ、力を貸すことを選んだんです。
キャタピラー:
でも…キミたちの行動は、余計な考えや計算じゃなく、自然な優しさから生まれたものでした。対して、ボクの行動は…「そのほうが人間らしいから」でした。
キャタピラー:
笑っちゃいますよね?永遠に本当の人間になれもしないのに、人間の真似をやめられないなんて。
キャタピラー:
まるで「贖罪」するかのように…法律によれば、ボクは罪をとっくに償い終えています。でも、もし人間なら…本当の人間ならどうするでしょう?
キャタピラー:
己の犯した過ち、与えた傷、救えなかった人や取り返しのつかないこと…自分を永遠に許すことはできないでしょう…
キャタピラー:
だから、ボクの罪が償われる日は来ないはずで…ボクは永遠に自分自身の囚人なのです。
旅人:
じゃあ、これからどうするの?
キャタピラー:
ラノールをちゃんと親族の元に送ります。
パイモン:
えっ?でも…今はメロピデ要塞どころか、この門からも出られないんじゃないのかよ?
キャタピラー:
あの子と約束しましたから…絶対に果たさないといけません。あの子はここにいるべきではないし、ましてやボクの傍にいるべきではありません。
キャタピラー:
ジオード鉱坑道…危険ではありますが、その道なら通れるはずです。
パイモン:
ジオード鉱坑道か…あ、そうだ、たしか外に繋がる隙間があるって、前にクランツも言ってたよな…
パイモン:
だからあいつは看守に、そこにも海蝕の裂け目みたいなロック装置を付けるように言われたらしいぜ。
旅人:
サプライズを用意したとかも言ってたな…
パイモン:
うぅ、絶対にろくなもんじゃないだろ!ほんとにそこから出るつもりか?たしかあそこのリサーチ端末は、二人で同時に操作しないといけなかったはずだぞ…
パイモン:
ラノールはまだ小さいから、操作できないだろうし…
パイモン:
旅人、やっぱりオイラたちが助けてやろうぜ。
パイモン:
おう!
旅人:
それに、結社について他にも聞きたいことが…
キャタピラー:
水仙十字結社の歴史を語るなら、メロピデ要塞よりも、もっと適切な場所があるでしょう。
パイモン:
じゃあ、ラノールを家族のところに送ってから…いや、とりあえず今はここから出る方法を考えようぜ。どっちにせよ、まずはラノールと合流しないとだな。
キャタピラー:
エティヌが門を開けてくれるはずです。ただ、彼の助けを借りるにも限界があるでしょう…
パイモン:
エティヌは入り口にいるはずだよな?あいつに聞きに行こうぜ!
パイモン:
うぅ…とりあえずノックしてみるか?
マポワ:
…お前ら、もう行くのか?
パイモン:
へ?エティヌじゃないのか?
マポワ:
エティヌは別の用があるそうで、オレが代わりに当直中だ。はぁ…ったく、オレにも仕事があるってのに!
パイモン:
えっと…じゃ、じゃあオイラたちは出ていいのか?
マポワ:
いけないことはないが…外は危ないぞ。そうだな、新米の看守の精神状態と同じぐらい危険だ…
マポワ:
あいつ、どうかしてんだ。動ける警備ロボがこんだけあるとは、思いもしなかったぜ。しかも、あいつのやり方に賛同するやつがいるなんて…ま、どこまで本心かは分かんねぇけどよ。
マポワ:
本当に出ていく気なら、しっかりと準備しとくことだな…つまり、もう戻ってくんなっつーこった。
パイモン:
でも、ラノールがまだ戻ってないぞ…
ラノール:
戻ってきたよ!マポワおじさんがわたしを送ってきてくれたの。
キャタピラー:
時間がない。前回のゲームでは悪い魔法使いに負けちゃったけど、ラノール、もう一度挑戦する準備はできたかい?
ラノール:
新しいゲームって、新しい探検?もちろん準備おっけーだよ!今回は悪い魔法使いに捕まったりしないから…
パイモン:
みんな準備できたみたいだな。旅人、おまえはどうだ?
旅人:
準備できた。行こう。
キャタピラー:
助けてくれて、ありがとうございました。
旅人:
もう少し準備したい。
キャタピラー:
もちろん、構いません。
マポワ:
お前ら、もう行くのか?
マポワ:
お前ら、もう行くのか?
旅人:
うん。
マポワ:
気をつけろよ。
旅人:
まだ。
マポワ:
くれぐれもトラブルに巻き込まれるんじゃないぞ…ま、今更だがな。
パイモン:
ここがジオード鉱坑道か?聞いたことはあったけど、なんか思ってたのと違うな…
ラノール:
わーきれいな石!みんな宝石なの?
キャタピラー:
これは「アルケウム」だよ。フォンテーヌ科学院で事故があってから、採掘作業も止まってるんだ。
パイモン:
…あんま近づかない方がよさそうだな。
パイモン:
やっぱりここにもリサーチ端末があったぞ。あ…そばにあるのはノートか?もしかしたらクランツが残したのかもな。見てみようぜ!
パイモン:
これがクランツが言ってた「サプライズ」かよ…サプライズっていうか、ドッキリじゃないか!
パイモン:
うーん、このリサーチ端末を起動させるためには、移動式エネルギー蓄積装置がいるんだけど…エネルギー貯蔵装置を持ち運んでたら、エネルギー·スニッチに追われて攻撃される羽目になるんだよな…
パイモン:
となると、エネルギー·スニッチと駆けっこするしかなさそうだな!
パイモン:
ま、まあ全部クランツのせいじゃないけどな…
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、駆けっこするの?頑張ってね!
パイモン:
とりあえず、ここのリサーチ端末はキャタピラーとラノールに任せたぞ。ほかはオイラたちに任せろ。
キャタピラー:
しっかり見張ってますのでご心配なく。キミたちもどうか気をつけて。
パイモン:
えっ!?また閉まっちゃったぞ!
パイモン:
壊れちゃったのか?でも今回はさすがに爆発はしないよな…
キャタピラー:
誰かが追ってきたのかもしれませんね…
パイモン:
じゃ、じゃあ戻って確かめるか?
ノワイユ:
そんな手間をかけていただく必要はありませんよ。
ノワイユ:
お前たちは悪だ。そして俺は正義の側に立つ者…警備ロボがいなくても、お前たちを逃がしはしない…
ノワイユ:
大人しくお縄につけ!
ノワイユ:
あいつは…ただのバケモノだ!なのに、一体なぜやつを助ける?ほかのやつらもだ…なぜなんだ!
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんはバケモノなんかじゃないわ!なんで…なんで悪い魔法使いさんはキャタピィお兄ちゃんのことをバケモノだなんて言うの…
ラノール:
ママがメロピデ要塞からいなくなって、キャタピィお兄ちゃんはずっとわたしに優しくしてくれてた。絶対にうそなんかつかなかったわ…
ラノール:
他にも優しくしてくれる人たちはいたけど…でもキャタピィお兄ちゃんほどたくさんのお話を聞かせてくれて、それにわたしのお話を聞いてくれる人はいなかった…
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんのことをバケモノだなんて呼ばないで!
ノワイユ:
なぜだ?正義は悪に勝つべきなのに…
エティヌ:
ここには正義も悪もない。
パイモン:
エティヌ!なんでおまえまでここに?
エティヌ:
それはすまなかったね。
エティヌ:
やつが勝手に稼働させた警備ロボの回収にかなり時間が掛かったんだよ。おめっとさん——これでお前はルール違反に加えて規定違反だ。
エティヌ:
次はお前が罰を受ける番だな。さて、オレと戻るぞ。
エティヌ:
お前たちは…行くなら、今が最後のチャンスだ。はぁ、やつが騒ぎを起こしたからには、今後また何が起こるか分からないぞ。
エティヌ:
もちろん、何事も起こらないかもしれないけどね。
キャタピラー:
ありがとうございます。
エティヌ:
本当に感謝してるなら、二度とここに戻ってくるんじゃないぞ。
エティヌの手助けにより、再び通路が開いた…
パイモン:
やっと外に出られるぜ…これでもう大丈夫だよな?ふぅ…またなにか起こる前に急いで出ようぜ!
ラノール:
またメロピデ要塞を離れるの?また戻ってくる?
旅人:
外で悪いことをしたら、また戻ってくるかもね。
ラノール:
じゃあ、わたし…
パイモン:
おい!戻りたいからって悪いことするんじゃないぞ!
ラノール:
じゃあ、バイバイ。メロピデ要塞。
キャタピラー:
巻き込んでしまってすみません。当初はラノールを親族の元へ送り届けたら、一人で戻ってくる予定だったのですが…完全に失敗したみたいです。
旅人:
聞きたいことがたくさんある。
キャタピラー:
そうでしょうね。
パイモン:
おまえは…キャタピラー、なんだよな?
キャタピラー:
そうです。
パイモン:
そんでおまえは、えと…ヒ、ヒルチャールなのか?
キャタピラー:
そうです。
パイモン:
でも、ヒルチャールには知性なんかないはずだろ?しかもキャタピラーは普通の子供にしか見えなかったぞ。うぅ…いったいなにが真実なのか、オイラもうわかんなくなってきたぞ…
パイモン:
前、おまえは病気でそんな風になったって言ってたけど…誰にだって人に言えないことの一つや二つあるし…それに、おまえはラノールにもすごく優しくて、ラノールのほうもおまえを信頼してたから…
パイモン:
でも、おまえが人間じゃなくて…ヒルチャールだっていうなら…
キャタピラー:
ボクを信用できませんよね。
パイモン:
うーん…
旅人:
ノワイユが聞いてたことに、答えてほしい。
キャタピラー:
誠実にお答えしますよ。
旅人:
いつから、メロピデ要塞にいるの?
キャタピラー:
四百年以上前からです。
パイモン:
よ、四百年以上前!?長くここにいるって話を聞いた時は、てっきり四、五年ぐらいかと思ったぞ…
パイモン:
四百年以上って言うと、なん世代目だよ?って…おまえはヒルチャールなんだもんな…
旅人:
君の罪は?
キャタピラー:
歴史に興味がおありでしたら…ボクは「水仙十字結社」の一員で、ご主人様の計画を手助けしたとして、有罪判決を受けたんです。
パイモン:
「水仙十字結社」…聞いたことあるぞ!
キャタピラー:
へえ、まだ覚えている人がいたとは…
キャタピラー:
世界滅亡の予言…ご主人様は、ご自身の力で破滅の未来を救えると思っていました。そのためにボクたちは多くの準備をしてきました。それは偉大なる魔法であり、邪悪な計画でもありました…
キャタピラー:
今となっては、何も重要なことじゃありません。計画は失敗に終わり、「水仙十字結社」は事実上消滅しました。フォンテーヌの破滅も、もはやボクには関係ありません。
旅人:
君の言う、ご主人様って?
キャタピラー:
偉大な魔法使い、ナルツィッセンクロイツです。ボクに人の言葉を教え、記憶と知恵を与えてくれたご主人様です。
パイモン:
そんなことができるやつがほんとにいるのか?うぅ…でも目の前のキャタピラーは、見た目はともかく、それ以外は普通の人間とおんなじだぞ…
キャタピラー:
過去の多くの出来事は記憶とともに消え失せてしまいましたが、あの頃のことはとても鮮明に覚えています…
キャタピラー:
ずっとずっと昔のことです。当時のボクは、まだ他人の目に映る自分の姿を自在に変えることができませんでした。
キャタピラー:
多くの人間は、綺麗な服を着ている人も、ぼろぼろの服を着ている人も…好奇心からか、軽蔑からか、皆同じような質問をしてきました。
キャタピラー:
「ヒルチャールが本当に話せるの?」「ヒルチャールに知恵なんかあるの?」
キャタピラー:
ボクのご主人様は、水仙十字の聖剣を高く掲げました。それは儀式用の剣で、鋭利ではないものの、太陽の下できらきらと輝いていました。
キャタピラー:
「見よ」——彼は言いました。「どんなに醜い魔物でも、私の、水仙十字の化身としての力で、知恵と救いのチャンスを得ることができる。」
キャタピラー:
ボクはご主人様の作品です。水仙十字の力を証明するために、ボクも結社のために剣を持ったことがあります。
キャタピラー:
でも、聖剣はご主人様を失敗と破壊の運命から救うことはできませんでした。不思議な魔法の道具も…もう存在しません。
キャタピラー:
ボクのような、人の皮をかぶった怪物が現れることも、もうありません。
旅人:
ラノールを助けたのはどうして?
キャタピラー:
「可哀そう」だったから…
キャタピラー:
人間性を獲得できなかったとしても、少なくとも模倣はできます。他人の目に映る自分のイメージを変える方法を学んだのと同じように。
パイモン:
なにを言ってるのか全然わかんないぞ…
キャタピラー:
旅人、パイモン、キミたちは生まれながらにして善良で優しい。人を助ける理由なんて、考えたこともなかったでしょう。その必要もないのですから。
キャタピラー:
多くのことは、結果から見れば特に変わりはありません。ボクたちは皆、ラノールはメロピデ要塞じゃなく、彼女自身の親族の元に帰るべきだと考えたからこそ、力を貸すことを選んだんです。
キャタピラー:
でも…キミたちの行動は、余計な考えや計算じゃなく、自然な優しさから生まれたものでした。対して、ボクの行動は…「そのほうが人間らしいから」でした。
キャタピラー:
笑っちゃいますよね?永遠に本当の人間になれもしないのに、人間の真似をやめられないなんて。
キャタピラー:
まるで「贖罪」するかのように…法律によれば、ボクは罪をとっくに償い終えています。でも、もし人間なら…本当の人間ならどうするでしょう?
キャタピラー:
己の犯した過ち、与えた傷、救えなかった人や取り返しのつかないこと…自分を永遠に許すことはできないでしょう…
キャタピラー:
だから、ボクの罪が償われる日は来ないはずで…ボクは永遠に自分自身の囚人なのです。
旅人:
じゃあ、これからどうするの?
キャタピラー:
ラノールをちゃんと親族の元に送ります。
パイモン:
えっ?でも…今はメロピデ要塞どころか、この門からも出られないんじゃないのかよ?
キャタピラー:
あの子と約束しましたから…絶対に果たさないといけません。あの子はここにいるべきではないし、ましてやボクの傍にいるべきではありません。
キャタピラー:
ジオード鉱坑道…危険ではありますが、その道なら通れるはずです。
パイモン:
ジオード鉱坑道か…あ、そうだ、たしか外に繋がる隙間があるって、前にクランツも言ってたよな…
パイモン:
だからあいつは看守に、そこにも海蝕の裂け目みたいなロック装置を付けるように言われたらしいぜ。
旅人:
サプライズを用意したとかも言ってたな…
パイモン:
うぅ、絶対にろくなもんじゃないだろ!ほんとにそこから出るつもりか?たしかあそこのリサーチ端末は、二人で同時に操作しないといけなかったはずだぞ…
パイモン:
ラノールはまだ小さいから、操作できないだろうし…
パイモン:
旅人、やっぱりオイラたちが助けてやろうぜ。
パイモン:
おう!
旅人:
それに、結社について他にも聞きたいことが…
キャタピラー:
水仙十字結社の歴史を語るなら、メロピデ要塞よりも、もっと適切な場所があるでしょう。
パイモン:
じゃあ、ラノールを家族のところに送ってから…いや、とりあえず今はここから出る方法を考えようぜ。どっちにせよ、まずはラノールと合流しないとだな。
キャタピラー:
エティヌが門を開けてくれるはずです。ただ、彼の助けを借りるにも限界があるでしょう…
パイモン:
エティヌは入り口にいるはずだよな?あいつに聞きに行こうぜ!
パイモン:
あれ?エティヌはどこだ?
マポワ:
エティヌは別の用があるそうで、オレが代わりに当直中だ。はぁ…ったく、オレにも仕事があるってのに!
パイモン:
うぅ…じゃ、じゃあオイラたちは…
マポワ:
ラノールを連れていきたいんだろう?ま、いけないことはないが…
マポワ:
外は危ないぞ。そうだな、新米の看守の精神状態と同じぐらい危険だ…
マポワ:
あいつ、どうかしてんだ。動ける警備ロボがこんだけあるとは、思いもしなかったぜ。しかも、あいつのやり方に賛同するやつがいるなんて…ま、どこまで本心かは分かんねぇけどよ。
マポワ:
本当に出ていく気なら、しっかりと準備しとくことだな…つまり、もう戻ってくんなっつーこった。
パイモン:
おう!でも…肝心のラノールはどこにいるんだ?
ラノール:
戻ってきたよ!マポワおじさんがわたしを送ってきてくれたの。
マポワ:
そう。優しくて親切なマポワおじさんはエティヌの代わりに当直中だったから、彼女を連れてきてあげたのさ。
ラノール:
マポワおじさんって本当に優しくて親切ね。ありがとう!
キャタピラー:
時間がない。前回のゲームでは悪い魔法使いに負けちゃったけど、ラノール、もう一度挑戦する準備はできたかい?
ラノール:
新しいゲームって、新しい探検?もちろん準備おっけーだよ!今回は悪い魔法使いに捕まったりしないから…
パイモン:
みんな準備できたみたいだな。旅人、おまえはどうだ?
エティヌ:
やっぱり自然の風の方が気持ちいいだろ?
エティヌ:
下にもファンはあるけど、ほとんどの場所では、まるで空気の流れが止まってるかのように感じるんだよな。
エティヌ:
鉄拳闘技場のファンってノワイユとそっくりなんだよな。あの場所には確かにファンが必要なんだけど、一旦回り始めると、敵味方関係なく、その場にいる全員を苦しめるんだ。
エティヌ:
分かるだろ?オレの言いたいこと。
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、頑張ってね!
キャタピラー:
ここはボクたちに任せてください。
キャタピラー:
まずは看守に聞いてみましょう。
キャタピラー:
ラノールも戻ってきたし、いつでも出発できますよ。
ラノール:
新しい探検…わたし、準備できたよ!旅人お兄ちゃん、行こう!今回は悪い魔法使いに負けたりしないから!
エティヌ:
キャタピラーを探してるんなら、中にいるはずだよ。ラノールは、書類の記入が終わったら戻ってくるはずだ。
キャタピラー:
ほら、あそこがラノールの帰るおうちだよ。アグネスさんの言ってた通りだ。そよ風が吹く山の麓に…お花の咲き誇る芝生が広がってるね。
ラノール:
あそこが…?ママが言ってた通りの場所だ…
キャタピラー:
旅人、パイモン、ラノールを連れて行ってもらえますか。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんは?キャタピィお兄ちゃんは一緒に行かないの?
キャタピラー:
ボクはちょっと疲れたから、ここで一休みしてから行くよ。すぐ追いつくから。
ラノール:
じゃあわたしもここで休む。キャタピィお兄ちゃんが休み終わったら、一緒に行こう?
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも、疲れたでしょ。ここにはブランもウォルジーおじさんもいないのが残念だなぁ…
ラノール:
…わたし、ちょっと帰りたくなっちゃった。
パイモン:
帰るって、どこにだ?
ラノール:
もちろん、メロピデ要塞にだよ。
パイモン:
ラノールはほんとの家に戻りたくないのか?ほら、ゴールはもう目の前だぞ。あそこまで歩いていけば、探検も終わりだ。
パイモン:
そういえば、オイラたちラノールの家族に会ったことがあったんだな。今になって考えてみたら、いろんなことが繋がるぜ
以前、アーンショウを手伝って、王子、姫、そして勇者を連れ戻したことを伝えた…
パイモン:
アーンショウじいちゃんが作ったラタトゥイユ·タッセス、ほんとに美味しかったよな。きっとラノールも気に入ると思うぜ!
キャタピラー:
アグネスさんの言ってた通りだ…ラノール、何も心配はいらないよ。さあ、おうちに帰るんだ。アーンショウおじいちゃんはきっとよくしてくれるよ。
ラノール:
じゃあキャタピィお兄ちゃんも、ちょっと休んだらわたしと一緒に帰ろう?
キャタピラー:
ラノール…
キャタピラー:
ラノール、みんなそれぞれ帰るべき場所があるんだよ。ラノールは本当のおうちに帰るべきだし、ボクも自分のいるべき場所に戻らないと。
ラノール:
じゃあ…また会える?物語が終わったら、物語に出てきた人たちはみんな消えちゃうでしょ…そしたらみんな、もう会えなくなっちゃうんでしょ…
キャタピラー:
そんなわけないさ。ラノールの冒険物語は始まったばかりなんだよ。もっともっと広い世界がラノールの冒険を待ってるんだ。
キャタピラー:
今はちょっとだけバイバイしよう。きっと、また会えるよ。
ラノール:
ほんと?ほんとにほんとだよね?キャタピィお兄ちゃんは嘘ついたことないけど、でも…
キャタピラー:
ラノール、一つお話を聞かせてあげようか。
キャタピラー:
むかしむかし…魔法使いの弟子がいました。彼はドジだったから、魔法の言葉を覚えるためには、人の何倍もの時間をかけないといけませんでした。
キャタピラー:
でも、彼の師匠は、素晴らしい大魔法使いで…不出来を気にするどころか、成長を褒めてくれて、大事な仕事まで任せてくれました…
キャタピラー:
そして彼も、師匠の指示を疑ったことはありませんでした。…魔法の呪文を教えてくれたのは、師匠だったんだからね。
キャタピラー:
大魔法使いの工房には水槽が一つ置いてあって——水槽というか、金魚鉢かな——…中には、一匹の小さな魚がいました。
キャタピラー:
ある日、小さな魚は弟子に話しかけました。「おい、そこのうすのろ。ちょっと手を貸しておくれよ。」
キャタピラー:
弟子はびっくりしました。だって、ここでは大魔法使い以外、そんな風に語り掛けてくるような者はいなかったのですから。それで、好奇心に駆られた弟子は魚に、何をすればいいのか尋ねました。
キャタピラー:
その小さな魚は、もともとすごく広い海に棲んでいましたが、ここに連れてこられたせいで、家族と離れ離れになってしまったようでした。他の人にも助けを求めたけれど、誰も答えてはくれなかったのです。
キャタピラー:
「家に帰してあげたいけど、師匠は外出を許してくれないんだ…」弟子は言いました。小さな魚はがっかりした様子で、水槽の反対側に泳いでいったきり、二度と弟子に話しかけることはありませんでした。
キャタピラー:
そんなある日、弟子は、水槽にいたあの小さな魚がいなくなっていることに気づきました。…誰かが連れていったのかな?もしかして、誰かが家に送ってあげた——?弟子は魚の行方がすごく気になりました。
キャタピラー:
小さな魚がいなくなった水槽は、何だか寂しく感じられました。広い海ってどんなところだろう…?弟子の頭の中は、いつの間にか工房の外の世界に思いを馳せるようになっていたのです…
ラノール:
それから、それから?あのね、魔法使いの弟子はきっと工房を離れたんでしょ!
ラノール:
でも小さな魚は…おうちに帰れたのかな?海って…水がいーっぱいある場所でしょ?弟子は小さな魚を見つけられたのかなあ?
キャタピラー:
続きはまた今度聞かせてあげようね。
ラノール:
えー…
キャタピラー:
ボクの物語を聞いてるだけじゃ、面白くないだろ?
キャタピラー:
今度会ったとき、もしもうボクの物語を聞きたい気分じゃなかったら、アーンショウおじいちゃんから聞いた物語を聞かせてね。
キャタピラー:
アーンショウおじいちゃんはきっと、ラノールに聞かせてあげたい物語が沢山あると思うよ。
ラノール:
うぅ…じゃあ…じゃあ今度会ったら、すてきなお話をいーっぱい聞かせてあげるね…
キャタピラー:
うん。ラノールのお話、楽しみだな。
キャタピラー:
さあ、ラノール、おうちに帰る時間だ。しばらくお別れだね。でも、きっとまた会えるから。
ラノール:
うん…キャタピィお兄ちゃん、じゃあ…またね!
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、行きましょ!
キャタピラー:
ほら、あそこがラノールの帰るおうちだよ。アグネスさんの言ってた通りだ。そよ風が吹く山の麓に…お花の咲き誇る芝生が広がってるね。
ラノール:
あそこが…?ママが言ってた通りの場所だ…
キャタピラー:
旅人、パイモン、ラノールを連れて行ってもらえますか。
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんは?キャタピィお兄ちゃんは一緒に行かないの?
キャタピラー:
ボクはちょっと疲れたから、ここで一休みしてから行くよ。すぐ追いつくから。
ラノール:
じゃあわたしもここで休む。キャタピィお兄ちゃんが休み終わったら、一緒に行こう?
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも、疲れたでしょ。ここにはブランもウォルジーおじさんもいないのが残念だなぁ…
ラノール:
…わたし、ちょっと帰りたくなっちゃった。
パイモン:
帰るって、どこにだ?
ラノール:
もちろん、メロピデ要塞にだよ。
パイモン:
ラノールはほんとの家に戻りたくないのか?ほら、ゴールはもう目の前だぞ。あそこまで歩いていけば、探検も終わりだ。
キャタピラー:
あの小屋の主はアーンショウといって、とても良い方です。ラノールのおじいさんに当たります。
キャタピラー:
ラノール、何も心配はいらないよ。さあ、おうちに帰るんだ。アーンショウおじいちゃんはきっとよくしてくれるよ。
ラノール:
じゃあキャタピィお兄ちゃんも、ちょっと休んだらわたしと一緒に帰ろう?
キャタピラー:
ラノール…
キャタピラー:
ラノール、みんなそれぞれ帰るべき場所があるんだよ。ラノールは本当のおうちに帰るべきだし、ボクも自分のいるべき場所に戻らないと。
ラノール:
じゃあ…また会える?物語が終わったら、物語に出てきた人たちはみんな消えちゃうでしょ…そしたらみんな、もう会えなくなっちゃうんでしょ…
キャタピラー:
そんなわけないさ。ラノールの冒険物語は始まったばかりなんだよ。もっともっと広い世界がラノールの冒険を待ってるんだ。
キャタピラー:
今はちょっとだけバイバイしよう。きっと、また会えるよ。
ラノール:
ほんと?ほんとにほんとだよね?キャタピィお兄ちゃんは嘘ついたことないけど、でも…
キャタピラー:
ラノール、一つお話を聞かせてあげようか。
キャタピラー:
むかしむかし…魔法使いの弟子がいました。彼はドジだったから、魔法の言葉を覚えるためには、人の何倍もの時間をかけないといけませんでした。
キャタピラー:
でも、彼の師匠は、素晴らしい大魔法使いで…不出来を気にするどころか、成長を褒めてくれて、大事な仕事まで任せてくれました…
キャタピラー:
そして彼も、師匠の指示を疑ったことはありませんでした。…魔法の呪文を教えてくれたのは、師匠だったんだからね。
キャタピラー:
大魔法使いの工房には水槽が一つ置いてあって——水槽というか、金魚鉢かな——…中には、一匹の小さな魚がいました。
キャタピラー:
ある日、小さな魚は弟子に話しかけました。「おい、そこのうすのろ。ちょっと手を貸しておくれよ。」
キャタピラー:
弟子はびっくりしました。だって、ここでは大魔法使い以外、そんな風に語り掛けてくるような者はいなかったのですから。それで、好奇心に駆られた弟子は魚に、何をすればいいのか尋ねました。
キャタピラー:
その小さな魚は、もともとすごく広い海に棲んでいましたが、ここに連れてこられたせいで、家族と離れ離れになってしまったようでした。他の人にも助けを求めたけれど、誰も答えてはくれなかったのです。
キャタピラー:
「家に帰してあげたいけど、師匠は外出を許してくれないんだ…」弟子は言いました。小さな魚はがっかりした様子で、水槽の反対側に泳いでいったきり、二度と弟子に話しかけることはありませんでした。
キャタピラー:
そんなある日、弟子は、水槽にいたあの小さな魚がいなくなっていることに気づきました。…誰かが連れていったのかな?もしかして、誰かが家に送ってあげた——?弟子は魚の行方がすごく気になりました。
キャタピラー:
小さな魚がいなくなった水槽は、何だか寂しく感じられました。広い海ってどんなところだろう…?弟子の頭の中は、いつの間にか工房の外の世界に思いを馳せるようになっていたのです…
ラノール:
それから、それから?あのね、魔法使いの弟子はきっと工房を離れたんでしょ!
ラノール:
でも小さな魚は…おうちに帰れたのかな?海って…水がいーっぱいある場所でしょ?弟子は小さな魚を見つけられたのかなあ?
キャタピラー:
続きはまた今度聞かせてあげようね。
ラノール:
えー…
キャタピラー:
ボクの物語を聞いてるだけじゃ、面白くないだろ?
キャタピラー:
今度会ったとき、もしもうボクの物語を聞きたい気分じゃなかったら、アーンショウおじいちゃんから聞いた物語を聞かせてね。
キャタピラー:
アーンショウおじいちゃんはきっと、ラノールに聞かせてあげたい物語が沢山あると思うよ。
ラノール:
うぅ…じゃあ…じゃあ今度会ったら、すてきなお話をいーっぱい聞かせてあげるね…
キャタピラー:
うん。ラノールのお話、楽しみだな。
キャタピラー:
さあ、ラノール、おうちに帰る時間だ。しばらくお別れだね。でも、きっとまた会えるから。
ラノール:
うん…キャタピィお兄ちゃん、じゃあ…またね!
ラノール:
旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、行きましょ!
アーンショウ:
おお!あんたたちか。どうした?そちらのお嬢ちゃんは…
アーンショウ:
ふむ…この子、誰かと似とるな…
パイモンと一緒に、キャタピラーから聞いたアグネスに関する話をアーンショウに伝えた。ラノールも、つたない口調で補足してくれた…
アーンショウ:
そうか…バカな子だ…あいつはもう…
ラノール:
ママはもうメロピデ要塞にはいないんだよ。ここにもいないの?
アーンショウ:
うむ。ママはここが嫌いだと言ってな、ここを離れてから帰ってきておらんのだ。
ラノール:
どうして?ここにはママが好きなものだらけなのに。
ラノール:
王子、姫、それに勇者でしょ!一目でわかった。
ラノール:
ママは、コロコロ気持ちが変わりやすいって自分で言ってたよ。お父さん…あ、おじいちゃんか。おじいちゃんにおねだりし続けて、やっとワンちゃんを飼うことを許してもらったって。ワンちゃんにお服を着せたりするのは好きだったけど…
ラノール:
すぐにもっと好きなものができたせいで、ワンちゃんが大きくなるのを見れなかったんだって。
ラノール:
なんでママは帰ってこないの?あまり遅くなったら、ラノールだって大きくなっちゃうよ。
ラノール:
ほんとに?もっと好きなものができたから、帰ってこないんじゃなくて…?
ラノール:
じゃあこれからは、ここがわたしのおうちになるの?
アーンショウ:
うむ、これからはここがあんたの家だ。
ラノール:
あ…ラタトゥイユ·タッセスのにおいだ!
アーンショウ:
好きなだけお食べ。
ラノール:
…わたし、ちゃんとおうちに帰ってこれたんだから、キャタピィお兄ちゃんも喜んでくれるよね?
アーンショウ:
キャタピィお兄ちゃん…さっきの話に出てきた、ずっとこの子の面倒を見てくれたって子のことか?よかったら、ここで少し休んでいってほしいもんだが。
旅人:
彼は他の用事があるみたいで。
ラノール:
うん、キャタピィお兄ちゃんはいろんなことを知ってて、みんなに頼りにされてるんだよ。
アーンショウ:
そうか、それは残念だ。もしよかったら、その子に伝えてくれんかね。この家の扉は、いつでもその子のために開かれておると。
アーンショウ:
もし機会があれば、ぜひとも遊びに来てくれ、とな。
旅人:
分かった、伝えておくね。
パイモン:
おう、任せてくれ!
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんと約束したの。今度会ったときは、わたしもすてきなお話をたくさん聞かせてあげるって…
アーンショウ:
ほお、そうか。ならば、すてきな物語をしっかり準備せんとな。お兄ちゃんが聞かせてくれたのより、百倍すてきな物語をな。
ラノール:
…うん!百倍なら、きっとキャタピィお兄ちゃんもびっくりするね!
アーンショウ:
その時は、お茶でも飲みながら語ろう。そうだな、おやつも用意しようか…
パイモン:
やっと家に帰ってこれて、ラノールも疲れただろ?オイラたちはこの辺で失礼するぜ。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも行っちゃうの?
旅人:
俺たちも自分の「探検」を続けないとね。
ラノール:
わかった…わたしがもうちょっと大きくなったら、またいっしょに探検してくれる?キャタピィお兄ちゃんも一緒に!
旅人:
うん、いつかきっと。
ラノール:
うん…旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、ありがとう。バイバイ!
アーンショウ:
もう行くのか?ありがとうな…本当にありがとう。道中、くれぐれも気をつけて。
パイモン:
ここで合ってるよな?ちょっと聞きたいんだけど…
アーンショウ:
おや、登山客かな?わしに何か用かね?
アーンショウ:
ふむ…この子、誰かと似とるな…
アーンショウ:
あ、いや…なんでもない。年を取って目が悪くなっとるだけかもな。
パイモン:
ちょっと変な話に聞こえるかもしれないけど、実はこんなことがあって…
パイモンと一緒に、キャタピラーから聞いたアグネスに関する話をこの老人に伝えた。ラノールも、つたない口調で補足してくれた…
アーンショウ:
そうか…バカな子だ…あいつはもう…
ラノール:
ママはもうメロピデ要塞にはいないんだよ。ここにもいないの?
アーンショウ:
うむ。ママはここが嫌いだと言ってな、ここを離れてから帰ってきておらんのだ。
ラノール:
どうして?ここにはママが好きなものだらけなのに。
ラノール:
王子、姫、それに勇者でしょ!一目でわかった。
ラノール:
ママは、コロコロ気持ちが変わりやすいって自分で言ってたよ。お父さん…あ、おじいちゃんか。おじいちゃんにおねだりし続けて、やっとワンちゃんを飼うことを許してもらったって。ワンちゃんにお服を着せたりするのは好きだったけど…
ラノール:
すぐにもっと好きなものができたせいで、ワンちゃんが大きくなるのを見れなかったんだって。
ラノール:
なんでママは帰ってこないの?あまり遅くなったら、ラノールだって大きくなっちゃうよ。
ラノール:
ほんとに?もっと好きなものができたから、帰ってこないんじゃなくて…?
ラノール:
じゃあこれからは、ここがわたしのおうちになるの?
アーンショウ:
うむ、これからはここがあんたの家だ。
ラノール:
あ…ラタトゥイユ·タッセスのにおいだ!
アーンショウ:
好きなだけお食べ。
ラノール:
…わたし、ちゃんとおうちに帰ってこれたんだから、キャタピィお兄ちゃんも喜んでくれるよね?
アーンショウ:
キャタピィお兄ちゃん…さっきの話に出てきた、ずっとこの子の面倒を見てくれたって子のことか?よかったら、ここで少し休んでいってほしいもんだが。
旅人:
彼は他の用事があるみたいで。
ラノール:
うん、キャタピィお兄ちゃんはいろんなことを知ってて、みんなに頼りにされてるんだよ。
アーンショウ:
そうか、それは残念だ。もしよかったら、その子に伝えてくれんかね。この家の扉は、いつでもその子のために開かれておると。
アーンショウ:
もし機会があれば、ぜひとも遊びに来てくれ、とな。
旅人:
分かった、伝えておくね。
パイモン:
おう、任せてくれ!
ラノール:
キャタピィお兄ちゃんと約束したの。今度会ったときは、わたしもすてきなお話をたくさん聞かせてあげるって…
アーンショウ:
ほお、そうか。ならば、すてきな物語をしっかり準備せんとな。お兄ちゃんが聞かせてくれたのより、百倍すてきな物語をな。
ラノール:
…うん!百倍なら、きっとキャタピィお兄ちゃんもびっくりするね!
アーンショウ:
その時は、お茶でも飲みながら語ろう。そうだな、おやつも用意しようか…
パイモン:
やっと家に帰ってこれて、ラノールも疲れただろ?オイラたちはこの辺で失礼するぜ。
ラノール:
旅人お兄ちゃんとパイモンお姉ちゃんも行っちゃうの?
旅人:
俺たちも自分の「探検」を続けないとね。
ラノール:
わかった…わたしがもうちょっと大きくなったら、またいっしょに探検してくれる?キャタピィお兄ちゃんも一緒に!
旅人:
うん、いつかきっと。
ラノール:
うん…旅人お兄ちゃん、パイモンお姉ちゃん、ありがとう。バイバイ!
アーンショウ:
もう行くのか?ありがとうな…本当にありがとう。道中、くれぐれも気をつけて。
パイモン:
キャタピラー…今の姿でアーンショウおじいちゃんとラノールに会ったって、別にいいじゃないか?…ほんとにこれでいいのか?
キャタピラー:
ラノールは普通の世界に戻って、本当の家族と一緒に暮らすようになりました。あの子にとっては、ハッピーエンドのはずです。
キャタピラー:
ボクのことなんか…すぐに忘れるでしょう。
パイモン:
そんなこと言うなよ!ラノールがおまえをどれだけ大事に思ってるかは、おまえもわかってるだろ。ラノールはおまえとの約束を絶対に忘れたりしないと思うぞ!
パイモン:
もし二度とおまえに会えなかったら、ラノールはきっとすごく傷つくぞ…
キャタピラー:
そんなことはないでしょう。子供は、出会いも別れもすぐに忘れてしまうものです。そうやって成長していくんですから。
キャタピラー:
ボクは物語に登場する一人に過ぎません。勇者のときもあれば、邪悪な怪物になるときもある…
キャタピラー:
いずれにせよ、空想の物語は過去の思い出に留めておきましょう。今のラノールは空想の物語よりもずっと素晴らしい、現実の世界にいるんですから。
キャタピラー:
旅人、パイモン…ありがとうございました。
キャタピラー:
前にもお伝えした、歴史の物語を語るのにより相応しい場所——それは水仙十字結社です…
パイモン:
なんか神秘的な場所っぽく聞こえるけど…それはどこにあるんだ?どう行けばいいんだ?
キャタピラー:
確かに神秘的な場所です。ここ数百年の間、外の世界ではいろんな変化が起きましたから…水仙十字結社に行く道も、もう一度探さなくちゃいけないかもしれません。
パイモン:
まじかよ…まあ、オイラたちは経験豊富な冒険者だしな。歴史の遺跡も、秘密の場所も、オイラたちにとってはなんてことないぞ。
パイモン:
きっと見つけられるぜ!
パイモン:
キャタピラー…今の姿でアーンショウおじいちゃんとラノールに会ったって、別にいいじゃないか?…ほんとにこれでいいのか?
キャタピラー:
ラノールは普通の世界に戻って、本当の家族と一緒に暮らすようになりました。あの子にとっては、ハッピーエンドのはずです。
キャタピラー:
ボクのことなんか…すぐに忘れるでしょう。
パイモン:
そんなこと言うなよ!ラノールがおまえをどれだけ大事に思ってるかは、おまえもわかってるだろ。ラノールはおまえとの約束を絶対に忘れたりしないと思うぞ!
パイモン:
もし二度とおまえに会えなかったら、ラノールはきっとすごく傷つくぞ…
キャタピラー:
そんなことはないでしょう。子供は、出会いも別れもすぐに忘れてしまうものです。そうやって成長していくんですから。
キャタピラー:
ボクは物語に登場する一人に過ぎません。勇者のときもあれば、邪悪な怪物になるときもある…
キャタピラー:
いずれにせよ、空想の物語は過去の思い出に留めておきましょう。今のラノールは空想の物語よりもずっと素晴らしい、現実の世界にいるんですから。
キャタピラー:
旅人、パイモン…ありがとうございました。
キャタピラー:
前にもお伝えした、歴史の物語を語るのにより相応しい場所——それは水仙十字結社です…
パイモン:
おお、それなら行ったことあるぞ!
キャタピラー:
だったらルートを探す手間が省けますね。さっそく出発しましょう。
パイモン:
おう!
アーンショウ:
あんたら…旅人とパイモンだな。
パイモン:
そうだぞ!アーンショウじいちゃんに大事な知らせを届けにきたんだけど…やっぱりもうちょっと後にするぜ!
アーンショウ:
そんなにもったいぶって、一体何の知らせだ?まあいい、待ってるぞ。
アーンショウ:
おや、登山客か。何か助けは必要かね?
パイモン:
えーっと…オイラたちは…いや、やっぱりまたあとで話そう!
アーンショウ:
手助けが必要なら、遠慮なく言ってくれ。
キャタピラー:
どうか、ラノールを家まで送ってあげてください。