arrow_back Genshin Impact: Nhiệm Vụ
華舞う夜の旋律 其の二
この瑶琴を誰に聴かせよう
Danh sách nhiệm vụ
この間甘雨と、一緒に物語に出てくる女性の手がかりを探ろうという約束をした。今日は約束の日だ…
甘雨:
えっと…こんにちは、今…何時でしょうか。
パイモン:
甘雨、大丈夫か?なんでもう居眠りしてるんだ?昨日はよく休めなかったのか?
甘雨:
あっ、いえ、私は大丈夫です。それよりも、まずは大事な話をしましょう。
甘雨:
帰った後、パイモンさんから聞いた状況を細かく分析しました。
甘雨:
「溺れた人を助ける」、そして「音楽を奏でる」…この二点に関しては、人でも仙人でも、できる人は少なくないとしか言えません。
甘雨:
けれど、その音楽が人に生死の境にいる現状さえも忘れさせ、気が付けば岸辺に戻っている、と言うと…
甘雨:
恐らく、普通の人間は曲に秘められた仙力を感知できない上、彼自身の体周辺に漂っていた力の源もわからなかったために、こういった曖昧な描写になったのだと思います。
甘雨:
この話が確かならば、きっと本物の仙人が手を差し伸べて助けてくれたのでしょう。
パイモン:
えっ?フォンテーヌで言い伝えられた話はまさか…本当だったのか?
パイモン:
でも、あいつらの想像してたその女性の姿ってどんな感じだったんだろうな?オイラ、気になるぞ。
パイモン:
晶蝶みたいなやつか?いい感じだな!でも、璃月の仙人たちとはちょっと差がありすぎるぞ。
パイモン:
そういえば、ふと気になったんだけど、もし今から甘雨が同じように人を助けるとしたら、どんな風に助けるんだ?
甘雨:
え?私がですか…
甘雨:
人を岸辺まで引き上げた後は、どこか近くの木の後ろにこっそり隠れて、相手の状況を観察すると思います…
甘雨:
そして、その人が無事であることを確認したら、こっそり離れます…
旅人:
ひっそりしてるね…
パイモン:
わかったぞ!甘雨はいいことをしても名を残そうとはしないタイプなんだな。
甘雨:
いいえ…その、説明するのもとても面倒ですし、人からの好意を受け取ることも苦手ですので…
パイモン:
おお、だったら当時の仙人もそう考えたんじゃないのか?だからなんにも言わずに行っちゃったんだ。
パイモン:
うーん…コッホン!「ふん、妾はたまたま通りすがっただけ。ついでに助けたまでだ、多くを語るでない。凡人ごときのせいで、危うく琴を弾く興が冷めるところであった。」
甘雨:
ふふっ、パイモンさんの物真似、少し留雲真君に似てますね。
甘雨:
私の知る限りでは、留雲真君は楽器の演奏を得意とはしていませんが、だからと言って彼女である可能性が完全に否定できるわけではありません。
甘雨:
うーん…今から奥蔵山に行って、真君を見つけて聞いてみるのもいいですね。
甘雨:
そうすれば直接確認できますし、それに…
甘雨:
私は璃月港に長く居すぎたせいで、仙人との関わり合いも少ないのです。こういう事を聞きたいなら、一番詳しいのは彼女でしょう。
パイモン:
いいぞ。留雲真君とも仲良しだし、今回は食べ物を持って行かなくてもいいよな。
甘雨:
お祭りの手土産はもう準備しました。ただ…
旅人:
まだ何か不安なことが?
甘雨:
はい…真君はいつも閉じこもって仕掛けの術ばかり研究していて、ずっと孤独です。人と話す機会があれば、真君は…
甘雨:
…仕方ありません。もうドヴォルザークさんを助けるとお約束しましたから、「契約」は成立してしまいました。悩んでいるわけにはいきません。
甘雨:
お二方とも、今すぐ留雲真君の洞天へ出発しましょう。
パイモン:
甘雨、どうやらすっごい決心をしたみたいだぞ。
パイモン:
こいつの気持ちも分かるよな…じゃあ、もし今年も留雲真君がまた「世間話」をするなら、オイラたちの方で話題をずらしてやろうぜ…
パイモン:
あれ、もう姿が見えないぞ?おーい、甘雨、オイラたちを置いていかないでくれ…
パイモン:
ふっ、ふう…追いつくのに疲れちゃったぞ。おまえたちは休まなくて大丈夫なのか?
甘雨:
留雲真君…留守だなんて。
パイモン:
ええ?無駄足だったのかよ?
甘雨:
真君は普段からほとんど外出しません。昔からお祭り期間中は、いつも他の仙人たちの方が彼女のもとを訪れていました…
甘雨:
はい。落ち着いて考えさえすれば、真君は様々な状況に対応できますから…心配する必要はありません。
甘雨:
ここが無駄足だったなら、次は…他の仙人の洞天を片っ端から訪問していくべきかもしれません。
パイモン:
ええ…まだ走るのか?
パイモン:
うぅ…うーん…
パイモン:
わかった!いい考えを思いついたぞ!
甘雨:
パイモンさん、どうぞ。
パイモン:
オイラたちの今の目的はあの仙人を探すこと、だろ?
パイモン:
確かに音楽は聞こえてないけど、でも優しい仙人なんだから、いつ人が水に落ちたって、助けてくれるはずだよな?
甘雨:
はい、確かにその通りですが…
パイモン:
だったら、こいつが水に落ちるフリさえすれば、仙人をおびき寄せられるぞ!
旅人:
なんで自分で試さないの?
パイモン:
オイラが泳げないのは、おまえも知ってるだろ!本当にぶくぶくぶくって沈んでっちゃうぞ!
旅人:
なんだか違うような気が…
パイモン:
へへっ、オイラを信じてくれ!あっ、そっちの水は深そうだから、早く真ん中へ泳げ!
誰が来たのかもはっきり見ないうちに、気付いたら岸辺で抱きあげられていた…
魈:
何事だ?
申鶴:
もう、なんともないか?
旅人:
……
甘雨:
えっと…申鶴、降魔大聖…
パイモン:
は、早くなんとか言えよ。オイラに説明させるのか…
魈:
……
パイモン:
わかったよ、オイラが言えばいいんだろ。
パイモン:
オイラたち今、音楽を演奏できて、溺れた人も助けられる仙人を探してるんだ。
パイモン:
でも、仙人たちはずっと大人しく洞天にいるわけじゃないし、見つかったとしても情報を掴めるとは限らないだろ…
魈:
我ではない。
パイモン:
うう…分かってるぞ。仙人は女性だったはずだ…
申鶴:
我が仙人でないこと、旅人とパイモンは知っておるはず。
パイモン:
うっ…オイラが悪かった、認めるぜ…
パイモン:
こんなに気まずい状況になるってわかってたら、変にアイデアを出さなかったぞ…
魈:
無事ならいい。
旅人:
もう行くの?
魈:
我の知る限り、夜叉の中にお前たちが探している者はいない。それから…
魈:
…このようなやり方は気が気でない。次からはもう試すな。
申鶴:
降魔大聖は、相変わらず風のようだ。
甘雨:
そ、そうですね…返事するのも気が引けました。
甘雨:
申鶴、近頃の修行はうまくいっていますか?海灯祭の間、予定がないなら一緒に璃月港に戻って過ごしませんか?
申鶴:
今年は師匠と一緒に過ごすつもりなのだ。だが…
甘雨:
あっ、留雲真君といえば、最後に会ったのはいつですか?
申鶴:
今日だ。朝早くに出かけ、琥牢山の方へ行ったが。
申鶴:
仙法で鍋の形をした仕掛けを守っているのを見た。恐らく理水畳山真君へ送るものだろう…詳しくは聞いておらぬ。
甘雨:
さっきはちょうどいなかっただけだったのですね…
甘雨:
とりあえず皆さんはこのまま話していてください。私は手土産を洞天へ置いてきます。
申鶴:
うむ、すまぬ。
パイモン:
今の感じ、申鶴と甘雨はだいぶ仲良くなったんだな!
申鶴:
ああ、夏と冬は師匠とともに修行し、残りの時間は璃月港で「俗世の生活に順応」している。
申鶴:
彼女は我のために街での住処を手配して、いくつかの仕事まで勧めてくれた…
申鶴:
だが我が彼女の周りにいる人間の真似をして、「甘雨先輩」や「甘雨お姉様」と呼んだらやめてくれと言われてしまった。
申鶴:
学ばねばならぬこともあれば、学んではいけないこともある。覚えるのが大変だ。
旅人:
甘雨は遠慮して欲しくないんだよ。
申鶴:
なるほど、覚えたぞ。
申鶴:
そういえば、二人が師匠に会いたいというのは、探している仙人と関係があるのか?
パイモン:
そうなんだ。
パイモン:
あっ、申鶴は山で修行してる時に、なんかの音楽を聞いたりしてないか?
申鶴:
音楽とは…何だ?
パイモン:
おまえを喜ばせたり、落ち着かせたりする声とか音のことだぞ!えっと…張りつめてたり…あと怖かったりする音も、入るのかな…
甘雨:
行ってきました。真君は置手紙を見れば私たちを見つけられます。もう無駄足になる心配はありません。
パイモン:
おおっ——便利だな!
申鶴:
ちょうど「音楽」の話をしていたところだ。それの事なら…毎日聞こえる。ついてきてくれ。
パイモン:
えっ、本当かよ?じゃあ早く行こうぜ!
申鶴:
ここだ。いつもここで音楽と共に修行するのが好きでな。
パイモン:
む…
パイモン:
むむ…!
パイモン:
むむむむむ…!!
パイモン:
どうしよう…オイラ、耳がダメになっちゃったかも。なんにも聞こえないぞ!
申鶴:
鳥が鳴いて、水の音がサラサラ…このような落ち着く音は、主らが探しているものではないのか?
パイモン:
あっ…えっと…オイラさっき、話の途中だったぜ…
パイモン:
もう、オイラが悪かったよ!申鶴、オイラたちが探しているのは自然の音とかじゃなくて、楽器とかで奏でる旋律のことなんだ。
申鶴:
旋律…?
旅人:
ほらパイモン、童謡を歌ってごらん!
パイモン:
子供扱いするなよ!ふん、童謡は歌えるけど、おまえに言われた通りにするのはいやなんだぞ。
パイモン:
あのな、おまえが自分で歌えばいいんだろ。申鶴も聞いたことあるあれとかさ!そしたら分かりやすいし…
旅人:
できなくもないけど。
旅人:
♪♪♪♪♪♪♪…♪♪♪♪♪♪♪…
申鶴:
それって…この前雲菫が劇で歌ってた歌か?
パイモン:
そうだな、その「旋律」なら「音楽」って言えるぞ。
申鶴:
…過去に戻ったような気分になった。目を閉じれば、空を舞う満天の霄灯が目の前に浮かんでくるような…
申鶴:
まるでまた皆と一緒に、群玉閣で祝杯を上げているかのようだ…
申鶴:
雲菫のステージを見た時、胸の中が暖かくなって…酒が腹に入る時さえも暖かさを感じていた…
申鶴:
今日再び主からこの歌を聞いても、当時の気分はまるで変わらぬ。
申鶴:
…音楽に、これほどの力があるとはな。
パイモン:
申鶴、オイラが思ってたよりもずっといっぱいの感想が出てきたな!
パイモン:
音楽って確かに人に色んなことを思い出させるよな。まるでオイラたちが今まで経験してきたすべてのきらめく瞬間をぎゅっと濃縮してくれてるみたいだ!
パイモン:
甘雨はどうだ?なにか印象に残る旋律とかないか?
甘雨:
えっと…両親が子守唄を歌ってくれたことがあるかどうかは、もう覚えていません。
甘雨:
璃月の民謡以外に、今思い出せるのは…
甘雨:
埠頭の船員たちの歌声、老舗の商人たちの呼び売りの声、そして街に聞こえてくる奏者の弾き語り…
旅人:
全部、璃月港と関係してるね…
甘雨:
ええ、その通りです。
甘雨:
以前はこのような旋律を聞く度に、距離感を感じていました。
甘雨:
民衆にとって、私は「人でない者」でしょう?私は…人の芸術や感情をうまく理解できず、その生活に溶け込むこともできませんでした。
甘雨:
少なくとも以前の私はずっとそう思っていました。でも段々、それら全てが、自ら思い込んだだけの「束縛」のようなものなのではないかと薄々感じるようになりました。
甘雨:
それらの旋律から私が感じたものは、他の人が感じたものと大した違いはありません。太陽が昇って、月が落ちて…日々の出来事や、人情の移り変わり…
甘雨:
出身が違っても、みんなそれぞれの生活を過ごしていても…とても平凡な日常があって、町で見聞きすることがあって…
甘雨:
結局、みんな同じですよね。
パイモン:
そうだな。甘雨も早く歩み始めようぜ!オイラが友達を数えてやるからさ。えっと、上司はおいといて、刻晴とか申鶴とかはどうだ。あいつらだってそうだろ?
申鶴:
そう、我は友達だ。
申鶴:
同じ師についていることを考えれば、姉妹弟子としてお互いに呼び合うべきなのだろうが、我が友達の意味を理解した今、我らの関係は、友達といったほうが近い気がする。
甘雨:
…皆さん、ありがとうございます。
申鶴:
春になって花が咲いたら、刻晴を連れて共に我が家へ遊びに来るとよい。
申鶴:
様々な花を植えているから、中には主が好むものもあるはずだ。
甘雨:
そんな…申し訳ないです。
申鶴:
友達なのだから、遠慮する必要はない。
申鶴:
栽培や手入れの方法は、すべて主が教えてくれた通りにやった。だから主が意見してくれれば、次はもっといいものができるはずだ。
申鶴:
観賞用のものは分けておくから、残りは全部食べていい。
甘雨:
それでは先にお礼を言わせてください。あっ、ここはお言葉に甘えて…と言った方が正しいのでしょうか?
申鶴:
…そうなのか?我にも分からない。
パイモン:
もう、そんなことばっかり気にすんなって!それにしても、女子会なのに集まって花を食べようとするなんて…さすがはあの仙鳥の弟子っていうべきか?
旅人:
刻晴は流石に食べないでしょ!
留雲借風真君:
ふん!不敬な真似をしておるのは誰だ。妾を仙名ではなく、「仙鳥」などと呼ぶとはな?
申鶴:
師匠。
甘雨:
真君。
パイモン:
出たっ!これぞ、天から降りてくる大仙鳥だ!
留雲借風真君:
「この方」ではなく「これ」だと!はっ、暫く見ぬうちに、お前は益々調子に乗るようになっておらぬか。まあ良い、ここは妾が大人になってやる。
留雲借風真君:
甘雨の書き置きは受け取った。お前達が探している者には、妾も心当たりがある。
留雲借風真君:
どうだ?妾についてくるか?
旅人:
じゃあお願いします、留雲借風真君。
申鶴:
我にはまだ修行がある。師匠や主らと共に行くのは遠慮しておこう。
留雲借風真君:
うむ、日が暮れたら仙府で妾を待っておるといい。せっかくの祭りだ、己の思うがままに料理を楽しむのだぞ。
旅人:
海灯祭を祝して!
甘雨:
霄灯を飛ばしたかったら、いつでも来てくださいね。
申鶴:
ありがとう、海灯祭を祝して。
申鶴:
♪♪♪♪♪♪♪…♪♪♪♪♪♪♪…
パイモン:
帰離原?
パイモン:
留雲借風真君、どうしてオイラたちをここへ連れてきたんだ?
留雲借風真君:
「帰終」という名について…甘雨は無論知っておると思うが、お前達、聞いたことはあるか?
留雲借風真君:
帰終とは、塵の魔神「ハーゲントゥス」——彼女は元気な性格で、発明と賑やかなことが大好きだった。
留雲借風真君:
遥か昔、ここの街はまだ繁栄していた。帰終はよく友人を自宅まで連れて行き、その一番大きな石の食卓へと座らせたものだ。
留雲借風真君:
鳴海栖霞のやつはいつも誰よりも先に、新しく集めてきたお宝を卓上に並べておった。ふん、あいつは…性格は穏やかだが、好きなものに関する話となると、いつも自慢ばかりなのだ。
パイモン:
覚えてるぞ!まさかあの鳴海栖霞真君だったなんてな…
留雲借風真君:
彼は妾たちの旧友であり、よき好敵手だった。やつのことを思い出し始めると、また色んな思い出が蘇ってくる…
留雲借風真君:
やつがお宝を出すと、途端に皆は落ち着かなくなってしまうのだ。我先にと評価を競い始めるのだからな。妾と帰終ももちろん、他の者に後れを取ってはおられぬ。それで、それぞれ自信のあるからくりを食卓に並べるのだ。
留雲借風真君:
仙人というものはそれぞれの能力を持つが故に、誇り高いものだ。そのせいで妾はいつも鳴海栖霞と言い争っておった記憶があるな。
留雲借風真君:
何せやつが得意なのはただのお宝探しで、手持ちのお宝の中に自ら作ったものは一つもなかった。いつも己の手で作り上げている妾と比べれば、遠く及ばないのだ!
甘雨:
真君、またむきになり始めちゃいましたね…
留雲借風真君:
…コホン、話を戻そう。まあ、そういう時、帰終は高みの見物を決め込むやつだった。口喧嘩に混ざってくることもあったが、多くの場合は皆と共に戯言を言ってきたものだ。
パイモン:
戯言って?
留雲借風真君:
それこそ、何でもありだ。時に「もう口喧嘩はやめましょうよ、どうせ二人とも私に勝てやしないんだから」などと言うこともあれば、時に「あの二人の喧嘩が終わったら、みんなで一緒に山を降りて、焼き肉でも食べに行きましょう」などと…
留雲借風真君:
彼女のことだ、あれで皆を元気づけようとしていたのだろう…まあ確かに、それなりのコツを知っておったのは認めてやる。何せ、妾を不快にさせた戯言は一つもなかったからな。
留雲借風真君:
…それに、彼女から「仙鳥」だの「白いの」だのとは呼ばれたことがない。
パイモン:
お、おまえ、そんなグチグチ言わなくてもいいだろ!
留雲借風真君:
ふん。とにかく、妾達が議論に燃えていると、いつも竈神マルコシアスが美味しい料理を持ってきてくれた。
留雲借風真君:
竈神の顔を立てぬ者は無論いなかった。皆争いをやめて、食卓を片付け、宴を始めるのだ…
留雲借風真君:
ふっ…そういえば、当時帝君が持ってきて下さった杯はいつも真四角なもので、妾は習慣に合わないとよく文句をつけていたのを覚えている。だがお前達、四角い杯など使うか?
旅人:
確かに使いにくいかも。
留雲借風真君:
そういうことだ!帝君といえども、迂闊な時もあるのだな。
留雲借風真君:
竈神の料理を作る腕については、妾ですら文句をつけがたい。食事中、帰終もまた色んな話題を持ち出して、ああだこうだと、皆の笑い声は止まらなかった。
留雲借風真君:
あの老骨どもには、それぞれ悪癖があった。にもかかわらず、やつらと一緒に食事するとなると、あんなにも楽しかったのは何故だろう?
留雲借風真君:
妾達は高い所から日が昇り、月が落ちるのを見届けて——時が来れば、宴は終いだ。
留雲借風真君:
歌塵浪市真君はそのまま残って、よく帰終と一緒に短い花見をしてから帰ったものだった。あの頃は琉璃百合がここからあちらまで、花の海のようにそこら一面を覆い尽くしていたのだ。
パイモン:
歌塵浪市真君って…
甘雨:
ピンです、皆さんよくご存知の「ピンばあや」のことですよ。
パイモン:
あー、なるほどあいつか…って違う!昔話は面白かったけど、オイラたちは仙女を探しに来たんだろ?
パイモン:
それとも、仙女ってその帰終のことか?でも当のそいつは…もう…
留雲借風真君:
はぁ…妾がこの地をずっと訪れなかった理由は、この廃墟に触れて心を揺さぶられるのが嫌だったからだ。
留雲借風真君:
お前がこのように性急にあれこれ聞いてくるせいで、妾の感傷的な気持ちが無駄になってしまったではないか!
留雲借風真君:
まあよい、今から詳しく説明してやる。
留雲借風真君:
(2D CS)
留雲:仕掛けの術のことで、よく帰終と言い争ったものだった。互いの言い分をどちらも譲らなかった。
留雲:妾はかつて二種のからくりを批評してもらうため、最も公正なる岩王帝君を宴に招いた…
留雲:なんと帝君は、帰終の「翳狐からくり」のほうがやや秀でると仰った。ふん…
留雲:口にしたくはないが、妾は分かっておるのだ。仕掛けの術において、帰終は確かに妾より一枚上手だった…
留雲:帰終と歌塵の物語については、ある鈴のことから話さねばならぬ。
留雲:仕掛けの術が作曲家にとって代わることはなくとも、その質はそこらの作品と変わらぬと帰終は考えていた。
留雲:対して歌塵は、音楽は魂の発する感情ありきの声だと言い…からくりが自発的に作りはしないと考えた。
留雲:二人があまりに争うから、帝君を呼ぶしかなかった。やがて帝君は鈴を持っていき、様々な儀式に使った。
留雲:それから、あやつらはよく山に集い、音楽や仕掛けの術、そして人間社会のあれこれを議論するようになった。
留雲:だがそんな光景も長くは続かなかった——魔神戦争が起こり、帰離原も戦火に巻き込まれたのだ。
留雲:やがて帰終は敵に敗れ、戦場で散った。妾や歌塵がついた時、廃墟に残されていたのは…旧友の神骸のみだった。
留雲:その後、歌塵の要望のもと、岩王帝君は洗塵の鈴を彼女に持たせた。
留雲:妾も旧友の考えを継いで「帰終機」を少々改造し、思いを託したのだ…
留雲:霄灯は飛んでは落ち…人もまた集まっては散りゆく。
留雲:何を見ている?帰離原か?
歌塵:この山水を見ている。人が死ぬは灯が消えると同じ…仙人もまた然り。いつの日か、我らもみな塵になって土に還り、この世に還るのやもしれぬ。
留雲借風真君:
妾は淡泊な性格故に、感情も控えめで、交際を好まぬ。帰終との付き合いも、仕掛けの術の議論によるものだ…
パイモン:
でも、おまえは結構友達が多いし、お喋りも上手だと思うぞ…
留雲借風真君:
人前で怯まぬことと、友人作りが好きということが等しいわけではあるまい!妾のような者を、陽気な内向型と言うのだ。
留雲借風真君:
そもそも、妾は歌塵浪市とは違う。あやつはきりっとした性格だが、それでいて繊細さも併せ持つ…その上、口も利く。帰終との友情と言えば、あやつのほうが妾より深いはず…
留雲借風真君:
あの二人はかつて、好敵手だったからな。何度も作曲で勝負したことがある。
留雲借風真君:
その「洗塵の鈴」も、帰終の自信作だぞ。作曲だけでなく、演奏だってできる…
パイモン:
変だな、「洗塵の鈴」はピンばあやが「旧友」から借りたものだって言ってた記憶があるぞ!
パイモン:
若い頃、綺麗なものが好きだったから…とかも言ってたよな。
留雲借風真君:
綺麗なものが好きだったからだと?はっ…莫迦を言うでない。
留雲借風真君:
この鈴には悲しい思いが秘められておる。言い出せるような時でもなかった故、あえてお前達にはそういう風に告げたのだろう。
留雲借風真君:
それに「旧友」となると、他に誰がいるというのだ?
留雲借風真君:
当時「鍾離」という名の人が鈴を借りたいと言っておると聞いた歌塵浪市は、すぐにその者を帝君だと推測した。その上、帝君が重要な決断を下したと判断したのだ。
留雲借風真君:
長年の付き合いである故、そのくらいのことは、互いに思い当たるというわけだな。
パイモン:
「合言葉」みたいなもんだったってことか?す、すごいな…
留雲借風真君:
ふん、話がまた逸れてしまった…どこまで話した?…ああ、思い出したぞ。
留雲借風真君:
「洗塵の鈴」は仕掛けの術によって奏でられる、伴奏にぴったりなものだ。送仙の儀式においても、幾度かその力を発揮してきた。
留雲借風真君:
その後、歌塵浪市があえてそれを持って行ったのは、葬送曲を創るためではなかった。彼女が鈴を揺らして音を出すとき、奏でられる旋律はいつも帰終が作ったあの曲だった。
留雲借風真君:
あの二人は音楽において思想のぶつかり合いがあった…しかし誰も思ってもみなかったことなのだが、帰終が逝った後、歌塵浪市が琴をつま弾いて彼女を偲んでいると、二人の創った旋律がしだいに一つになっていったのだ…
甘雨:
……
留雲借風真君:
歌塵浪市もかつては賑やかなことが好きな性格でな、お酒や歌が好きだった…しかし帰終が逝ってしまった後は、他の者とあまり付き合わぬようになった。いつも一人で山頂に座って、琴を弾きながら考え込むようになったのだ…
留雲借風真君:
その音は悲しみに満ちていたり、穏やかだったり、感情が高ぶったり…
留雲借風真君:
何年過ぎた頃かは知らぬが、やがて、やつはようやく満足のいく曲を作れたようだった。雲に向かって曲を奏でることでその喜びを示したのだ。残念ながら、妾がその曲を聞けたのはあれっきりだが。
留雲借風真君:
お前達の調べておる件だが…もしかしたら、かのフォンテーヌ人の先祖はその頃水に溺れ、歌塵浪市に救われたのかもしれんな。
パイモン:
でも…どうしてピンばあやは満足できた曲を、一回しか奏でなかったんだ?
留雲借風真君:
うむ…妾も気になってしょうがなかった。だから彼女に問うたのだ。こんなに手間をかけて編曲したものを、何故もう奏でないのだと。
留雲借風真君:
すると彼女はこう言った…
留雲借風真君:
「琴の弦は切れていないが、知音はもう逝ってしまった。留雲、この曲は誰に聞かせればよい?」
パイモン:
うぅ…ピンばあや…
甘雨:
幼い頃のことは、真君の世話になっていたことしか覚えていません。魔神戦争が終わった後、私は「契約」を果たすために璃月港に残りました。
甘雨:
帰終には何度か会ったことがありますが、そんな過去があったなんて知りませんでした…
留雲借風真君:
帰終は先を見通すことのできる者であったが、この世から去るのが早すぎた。雲海洞天にある図面は未完成のままで、残された空白を思うと…いつも偲ばれる。
留雲借風真君:
かの仙人を探していなければ、このような往事も、おそらく砂塵の中に封印されていたのだろう。
旅人:
……
留雲借風真君:
今、お前達は人を救った仙女が歌塵浪市真君だと知ったわけだが——
留雲借風真君:
彼女とこの件について話すのか?
甘雨:
このことでピンが悲しい思いをするのが…真君は心配なのですか?
留雲借風真君:
その通りだ。妾にとっても、歌塵浪市にとっても…旧友が逝ってしまったことは、あまり触れたくない悲しい記憶だ。
甘雨:
でも僭越ながら…それも、あくまで真君の推測に過ぎないのではないでしょうか?
留雲借風真君:
ほう?というと?
甘雨:
ご存知の通り、私は璃月港に長い間おりますから、多くの人々との別れも味わってきました。家族や親友がいなくなる痛みや辛さは、身に染みてわかっています。
甘雨:
でも、町も人も、前に進み続けているんです。
甘雨:
ピンは聡明な人だから、この道理を分かっているはずだと思います。
甘雨:
仙女が一人、山の中からいなくなりました…でも同時に、人の世には人生の先輩が一人増えました。
甘雨:
私たちは失うこともありますが、得るものもまた増え続けています。
甘雨:
色んな人を助けた彼女は、これからももっと沢山の人に進むべき道を示してくれるでしょう。そして彼女に助けられた人々は…彼女の友人になって、一緒に花見をしたり、音楽について議論したりしてくれるはずです。
甘雨:
親友を亡くすのはもちろん悲しいことですが、人生はそれでも続いていく。その先では…きっと新しい友人が彼女を待っているはずです。
旅人:
甘雨の言う通り。
パイモン:
海灯祭に音楽祭を取り入れることについても、オイラたちピンばあやの意見を聞いたんだぞ!
パイモン:
いっそのことあいつも誘ったらどうだ?もしかしたらピンばあやのステージが見られるかもしれないぜ!
留雲借風真君:
…まったく。若者の割にはよく考えておる。
甘雨:
じゃあ、真君も一緒に来ませんか?
甘雨:
ピンもあなたとは久々の再会ですし、それに海灯祭の間、璃月港もお祭りのために新しく飾り付けられているんですよ…
留雲借風真君:
海灯祭だからと言って何の新しいものがあるというのだ?あやつのことにしたって、会いたければ、いつでも会える。
甘雨:
それは違うと思います。毎日のどんな時間も、毎年のどの月も…それぞれ全く違うものです。ずっと待っているだけというのは良くないです。
旅人:
甘雨の顔を立ててあげて。
留雲借風真君:
…ふむ、まあ今回持ってきてくれたお菓子はなかなかのものだったからな。
留雲借風真君:
…よかろう。
留雲借風真君:
妾は先に失礼する。ふん、ほかの老骨どもがこっそり町に遊びに行っていないかどうか見てやろう…
甘雨:
では、私たちも真君をあまりお待たせしないよう、急いで璃月港に戻りましょう。
甘雨:
帰離原…帰離集…
甘雨:
あの…もしちゃんと栽培して手入れをすれば、いつの日か、帰離原にまた一面の琉璃百合を咲かせられると思いますか?
留雲借風真君:
妾は先ほどの褒め言葉を撤回するぞ。お前という子は、やはり甘い。
甘雨:
えぇ!し…真君、まだ行ってなかったんですか?
留雲借風真君:
お前達がずっと動く様子がないから、気になって戻っただけだ!次こそ本当に行くぞ。
パイモン:
ようっ!ピンばあや、留雲借風真君…
留雲借風真君:
その足の速さだけは褒めてやる。妾もついたばかりだぞ。
ピンばあや:
今日はどういう風の吹き回しだい?みんな揃ってばあやを見に来て…
パイモン:
仙鳥のお姉さん…まだ話してないのかよ?
留雲借風真君:
何を話すというのだ、それになぜ妾が話すことになっているのだ?
パイモン:
ピンばあやと一番長い付き合いなのはおまえじゃないか!
留雲借風真君:
……
留雲借風真君:
歌塵…ふん、そうではなく…ここは「ピン」と呼ぶべきか。
ピンばあや:
ふふ…留雲、今日は話し方も、いつもより畏まっておるのじゃな。
留雲借風真君:
その…えー、ふむ…
留雲借風真君:
時は海灯祭…好天に恵まれ、風からは花の香りが…
留雲借風真君:
オホン、甘雨…お前に任せた!
甘雨:
えぇ!?
甘雨:
は、はい…
甘雨:
始まりは、先祖を救った仙人を探すドヴォルザークさんに、私たちが手を貸そうとしたことでした…
甘雨は聞いた物語を、ピンばあやに伝えた…
甘雨:
留雲真君から、仙楽を奏で、水に溺れた人を救ったのはまさにあなただと聞きました。
ピンばあや:
ほう…なるほどな…うむ、確かにそのようなこともあったのう。
留雲借風真君:
……
ピンばあや:
そんな昔の事を、よく覚えてくれておったのう、留雲よ。
ピンばあや:
さらに珍しいのは、凡人の寿命は短いものであるにもかかわらず、昔の出来事がこのような形で今まで語り継がれてきたことじゃ…
ピンばあや:
ふふ…またあいつの思った通りだったのう。
パイモン:
あいつって…?
ピンばあや:
「帰終」とよく呼ばれておるやつのことじゃよ。留雲の表情からすると…もう彼女のことは聞いておるんじゃな。
留雲借風真君:
はぁ…妾が望んで話したわけではないぞ。
ピンばあや:
ふふ、よいのじゃよ。
ピンばあや:
海灯祭はまさに、璃月を守ってくれた英雄たちを記念するためのお祭りじゃ。
ピンばあや:
帰終は今日のこの壮大な景色を見ることはできないが、英雄の名に相応しい存在じゃった。
パイモン:
そのさ…帰終はいったいなんて言ったんだ?
ピンばあや:
知恵ある彼女は、人間とは弱き生き物であり、それらを守りたいと初めの頃に言ったのじゃ。
ピンばあや:
だが、多くの人と接したのち、彼女の考え方にも変化が生じた。
ピンばあや:
人の心はなんと繊細で精巧なものか、その英知や努力はあまりにも輝いていると、あいつはよくしみじみ感じておったものじゃ。
ピンばあや:
そして、決して人の潜在能力を軽んじてはいけないと…
ピンばあや:
少し導いてあげるだけで、比類のない強き力を発揮できるのだと…
ピンばあや:
いつかは、人が彼女と同等の力を持つようになり、互いに学び、成長を促せるような存在になるかも、とも言っておった…
留雲借風真君:
ふん、口だけはよく回るやつだ。
留雲借風真君:
あやつが仕掛けの術において妾に勝てるのも、そのよく回る口が大半の勝因だったわけだからな。
ピンばあや:
そういえば、留雲、あのからくりの盆景をまだ覚えているか?あなたたちが贈ってくれたプレゼントじゃ。
留雲借風真君:
無論覚えておるぞ。あれを作るのは大変だったからな。あれは妾たち二人の技術の真髄がこもっていると言っても過言ではない…
ピンばあや:
帰終はな、すべての草や花が集まってこそ、私たちの家だとばあやに告げたんじゃ。
ピンばあや:
…目の前にある、この璃月と同じじゃよ。
パイモン:
ピンばあや、なんだかセンチメンタルになってるみたいだな…
旅人:
あれだけのことを共に経験したわけだから…
ピンばあや:
はぁ…ばあやたちの中では、彼女ほどこのように賑やかで盛大なお祭りが好きな存在はいなかった。
ピンばあや:
彼女がまだいれば、きっと飽きもせず留雲たちと作品の勝負をしておったのじゃろうな…
留雲借風真君:
璃月港では新年や節句のたびに音楽が奏でられる。音律については…きっとあやつはお前のところに行って、共に鑑賞し、語り合ったはずだ。
パイモン:
そうだ!音楽!
パイモン:
ピンばあやがその時奏でたのって、いったいどんな旋律だったんだ?
パイモン:
それにそれに!ピンばあやがそんなに音楽に詳しいんだったら、一緒に音楽祭で演奏するのはどうだ…
甘雨:
すぐ手配いたします…!
ピンばあや:
ふふ…興ざめなことを言いたくはないんじゃが…
ピンばあや:
琴はのう、もう随分長く弾いておらんのじゃ。腕がなまってしまった…
ピンばあや:
曲を弾く度に、あいつのことが思い出されての。ばあやが編曲した旋律を、果たしてどう見てくれたんじゃろうな…
ピンばあや:
一時期、琴を弾くと、あいつが隣の石の腰掛けに座ってお喋りに付き合ってくれておるように感じておった。移霄導天も、鳴海栖霞も…みんな昔のまま。
ピンばあや:
時間がどんなに過ぎたとしても、曲を奏でるだけで、すべてが記憶通りに蘇ってくれるんじゃ…
甘雨:
やはり昔のことを吹っ切ることはできませんか?
ピンばあや:
完全に吹っ切れたと言うと、嘘になるからのう。
ピンばあや:
じゃが、どれほど悲しいと言っても…
ピンばあや:
…悲しみの他に、美しいものも色々と見れた。この人の世で生活しているとな、永遠に悲しみに浸りたいと思っても、それがまた難しいことなんじゃよ。
ピンばあや:
ほれ。ばあやの盆景は、とても綺麗じゃろう?
留雲借風真君:
素直な心境になって、初めて悲しみに直面できる。お前は、確かに少し成長したな。
ピンばあや:
ふふ…
ピンばあや:
とにかく、若者の舞台なんじゃから、ばあやは遠慮しておこう。
パイモン:
ピンばあやがそう言うなら…
煙緋:
ばあや——
煙緋:
おや、みんな大勢集まっちゃって、何か事件でもあったのか?
ピンばあや:
煙緋、心配無用じゃ。大丈夫じゃよ。みんな、ばあやに顔を見せにきてくれたんじゃ…
煙緋:
いいことならいいんだ。
煙緋:
ちょうどいい機会だから、私からも挨拶させてくれ。海灯祭を祝して!
旅人:
海灯祭を祝して!
甘雨:
海灯祭を祝して。あっ!私…急に思い出したのですが…えっと…月海亭での仕事について、煙緋と相談しないといけないんです。それが、ずっと機会がなくて。
甘雨:
ドヴォルザークさんのほうは、お願いしますね。真君、ピン、先に失礼します。
煙緋:
えっ…今から?どの分野の事件を?甘雨先輩…
ピンばあや:
甘雨という子は…やはり嘘をつくのが下手じゃな。
留雲借風真君:
妾のお喋りのコツをちっとも吸収しておらぬとは、残念じゃぞ。
ピンばあや:
めったにない機会じゃ…留雲、少しくつろいだらどうじゃね。お茶を淹れるから、ちょっと話でもしようじゃないか。
留雲借風真君:
うむ、妾もやぶさかではない。
ピンばあや:
今度そのフォンテーヌ人の方に会ったら、ばあやの気持ちも伝えてくれるかい?音楽祭が大成功を収められますようにと。
パイモン:
任せろ、ピンばあや。
ピンばあや:
ありがとうねぇ、ばあやの話を色々聞いてくれて。
ピンばあや:
あの旋律については…いつかばあやの準備が整ったら、弾いてあげよう。
パイモン:
やった、楽しみに待ってるぞ!
ピンばあや:
ふふ…
ピンばあや:
琴の音が再び奏でられれば、彼女もまた璃月港に舞う無数の砂塵のように…地上や空から近頃の繁栄ぶりを見て、どこかでこっそりとほくそ笑むやもしれんのう。
パイモン:
ドヴォルザークおじさん!
パイモン:
おっ、刻晴もいるな…海灯祭の準備、お疲れさまだぞ。
刻晴:
こんにちは、そっちは順調だった?
パイモン:
順調順調、絶好調だぜ!おじさんが探してた人も、オイラたち見つけられたぜ。
ドヴォルザーク:
ほ、本当か?
刻晴やドヴォルザークに「仙女」について分かったことを話した…
ドヴォルザーク:
私の先祖が聞いた旋律は、仙人が旧友を偲ぶために奏でたものだったのか…
ドヴォルザーク:
だからこそ、それほどまでに美しく、人を惹き付けたのだろうな…
パイモン:
お!おじさんからの第一の感想はやっぱり特別感があるな。こういうのが音楽家が持つべき思考なのか?
ドヴォルザーク:
…しかし、やはり信じがたい。かつての仙女が、既にばあやになっているとは…
パイモン:
へへっ、それならオイラから説明してやるぞ。璃月の仙人ってのはな、基本的に老いることはないらしいぜ!
パイモン:
だから歌塵浪市真君…つまり、オイラたちの良く知ってる「ピンばあや」は、自分で年をとることを選んだんだと思うぞ。
刻晴:
ピンばあやは教養があるし、物事の本質を見通せる。たとえ彼女がどんな外見や身分を選んだとしても、その澄み切った心が変わることはないわ。
パイモン:
刻晴のほうがオイラより言葉選びが上手だな!へへっ、オイラも同じことが言いたかったんだぞ。
ドヴォルザーク:
ちゃんと…ああ…直接会ってお礼を言わないと。
ドヴォルザーク:
だが、音楽祭が終わってからにしよう…今感じているこの気持ちと最高のコンディション、すべてをこのショーに捧げたい——
パイモン:
あっ、そうだ、ピンばあやから、音楽祭が大成功しますように、だってさ。
パイモン:
あいつはいつもの場所で、遠くからだけどこのステージを最後まで聞いてくれてると思うぞ!
ドヴォルザーク:
…本当か?
ドヴォルザーク:
ふー…いけない、緊張してきた。
ドヴォルザーク:
あ…ああ…
ドヴォルザーク:
だめだ!リハーサルをもう一回やっておきたい。皆さん、先に失礼する。
パイモン:
おじさん!…はぁ、速すぎるぞ…まだ話が終わってないのに。
パイモン:
この前あいつ、人にとっての音楽の意義を聞いてきてたよな。今回の件で、これも多少は収穫ありってところか?
刻晴:
新しい感想があるなら、ぜひ聞かせて。
パイモン:
えっと…音楽はいい事のために使われるけど、それを使って悪事を働くこともできるんだってオイラたち気付いたんだ。
パイモン:
音楽を聴くと、みんなは楽しくなったり、感動したり、時には悲しんだり、懐かしくなったり…
パイモン:
音楽は人々の心の中にある記憶で、時空を超えて思い出をつないでくれる…ってとこかな。
旅人:
大体そんな感じ。
刻晴:
君たちも色々あったみたいね…構わないわ、後で甘雨がぜんぶ教えてくれるはずだから。
パイモン:
刻晴はまだやることがあるのか?
刻晴:
ええ、でも後片付けが少し残ってるだけで、大変な仕事ではないわ。
刻晴:
みんなが喜んでくれるなら、どんな努力も報われるもの。
旅人:
海灯祭を祝して。
刻晴:
ええ、海灯祭を祝して。
パイモン:
ふぅ——これで全部片付いたな!いや、待てよ…
パイモン:
なにか忘れてる気がするぞ…なんだっけ…えっと、初めから思い出してみるぞ。
パイモン:
あっ!あの「ホーなんとか」のタケノコだ!
旅人:
ほげほげのタケノコ!
パイモン:
鍾離は急がなくていいって言ってたし、まだ…間に合うはず…だよな?
パイモン:
間に合わなくてもオイラたちのせいじゃないぞ!自分で採りに行かないあいつのせいだからな…
パイモン:
まあいいか、そんなことより往生堂に向かおうぜ。
胡桃:
ヨ!ダンダン、ダッダー。ダンダ、ダンダン。
胡桃:
ダンダンダーダ·ダンダダーダン、ダダダンダン、ダッダダンダン!ダン!
雲菫:
よし——そこまで。
胡桃:
あれあれ、珍しいお客さんだね!堂主の私と遊びたくて来たのかな?
パイモン:
おまえたち、どうして真っ昼間に…往生堂の前で…ヒップホップの練習をしてるんだよ…
胡桃:
えへへ。我が友よ、しばらく見ないと思ったら、あの度胸はどうしちゃったの?
胡桃:
ここは山を背に水辺があって、空いてる空間も広い。その上見えない観客たちが見に来てくれてるから、練習にはぴったりなんだよ。
パイモン:
見えない…観客…
辛炎:
ここ数日付き合ってきて、アタイはやっと胡堂主の喋り方に慣れてきたぜ。
雲菫:
初めの頃は、辛炎さんもかなりびっくりしてたでしょう?巨大なカエルを見たみたいに。
辛炎:
よせよ、痛い所をつかないでくれ。
胡桃:
どうしたの?そんな困ったような顔をしちゃって。しょうがない!思いやりに溢れたこの私が、説明してあげるよ。
胡桃:
芸術の才を集めし「イリデッセンスツアー」——路地裏に潜む詩人の私が、このチャンスをみすみす見逃すわけにいかぬ。
胡桃:
私が詩を書き、辛炎が指針を決め、雲先生は繊細な細部を作り込む…
胡桃:
この開幕をのっけから最もビッグな烈火に!
旅人:
パチパチ!
パイモン:
なかなかいい韻を踏んでていいんじゃないか…って違う、なんでオイラまで踏まなきゃいけないんだよ!でも、こんなことして、なにか安全面のリスクとかはないのか?
辛炎:
それについては心配無用だぜ。アタイには舞台の経験があるから、使おうとしてるものの火力についても「玉衡」に事前報告済みだ。
パイモン:
辛炎がそう言うなら…まあいいけど…
旅人:
堂主は鍾離先生を見かけなかった?
胡桃:
彼はね、素敵な美食の箱を持って山登りに行ったよ。旧友を見に行くんだってね。
雲菫:
鍾離先生ならここにはいませんよ…少々残念ですが。あの方はかなりの玄人観客ですし、辛炎さんの公演を心から楽しんでくださっていますから…
辛炎:
おう。最初にここで歌うように誘ってくれたのも彼なんだぜ!
辛炎:
でも、まさか本当にここで練習できる日が来るとはな…
胡桃:
へへっ、言ったでしょ、私の往生堂はいい場所だよ。皆さんもっといらしてくださいな。毎回新しい発見ができるはずだよ。
雲菫:
それは認めます。胡桃さんはいつも新鮮な、嬉しい驚きをもたらしてくれますから。
辛炎:
それにショッキングな驚きもな。
雲菫:
そういえば辛炎さん、貴方の歌詞について、少し考えがあるのですが…聞いてくださいますか?
辛炎:
おう、もちろんいいよ。
胡桃:
あ、そうだ。旅人、パイモン、その山は琥牢山っていうんだ、間違えないでよ。
胡桃:
鍾離さんを見かけたらこう伝えてくれる?そうだなあ…今日は応援しに来てくれても来なくてもいいけど、また今度やる宴会には絶対来てよねって。
胡桃:
あっ、あなたたちも一緒に来てね!この私が用意した宴会なんだから、面白さ満載に決まってる。
パイモン:
見えたぞ!仙鹿と仙鳥二号だ!
旅人:
真君たち、久しぶり。
削月築陽真君:
うむ…知った顔だ。璃月港から来たのだな?町の様子は最近どうだ?
パイモン:
バッチリだぜ!気になるんだったら、自分で確かめに行ったらどうだ。
鍾離:
削月は最近よく天衡山を散歩しているんだ。恐らく璃月港の様子も、とっくにその目で見てきただろう。
パイモン:
鍾離!やっと見つけた。タケノコ、持ってきたぞ。
鍾離:
ちょうどいい時に来たな。
鍾離は「萌蘖のタケノコ」を受け取ると、隣の鍋型の装置の中に入れた…
削月築陽真君と理水畳山真君は仙術で装置を起動させた…
鍾離:
本格的な腌篤鮮はとろ火で煮込む必要があるが、こういう風に仙人の仕掛けの術によって速成を促せば、ある意味、近道ができる。
パイモン:
その装置って、まさか…
鍾離:
留雲の「からくり調理神器」だ。貸してもらった。
パイモン:
もう「煮込み機」って呼んだらいいんじゃ…う、やっぱりなんでもないぞ。
パイモン:
装置には製作者の気持ちが込められてるかもしれないって考えると、やっぱり勝手に名前を変えるのはよくないよな。
鍾離:
また見聞を深めてきたのか?
旅人:
そうだね。
鍾離:
それはいいことだ。
鍾離:
昔話を追憶するのはいいが、過度に悲しむ必要はない。世間を渡り歩くこと自体が、そもそもある種の経験の蓄積なのだからな。
鍾離:
腌篤鮮が出来上がったら、一緒に食べてみてくれ。
旅人:
わかった。
パイモン:
そうだ、鍾離、胡桃から伝言を預かってるぞ。
パイモン:
「今日は応援しに来てくれても来なくてもいいけど、また今度やる宴会には絶対来てよね」だってさ。
パイモン:
応援って…多分海灯音楽祭のことだよな!
パイモン:
宴会にはオイラたちも誘われたけど、まだ詳細はわからないんだ。あいつがなにか企んでるってことだけは分かるけどな。
鍾離:
ああ。俺はここでこの二人としばらく時間を潰すつもりだから、俺の代わりに祝福の言葉を伝えておいてくれ。
鍾離:
宴会の方は…ふむ、堂主がそう仰るならば、客卿であるこの俺が断るわけにはいかないな。
パイモン:
へへっ、じゃあまた宴会でな!
鍾離:
ああ、約束する。
理水畳山真君:
帝君、腌篤鮮が出来上がったぞ。
鍾離:
ああ、すぐ行く。
鍾離:
鮮やかな色と、香ばしい匂い…うむ、この料理装置の「機術」もなかなかのものだ。
鍾離:
わざわざここまで足を運んでくれたのに、無駄足にさせるわけにもいかない。些細な料理だが、包むから持って行くといい。熱いうちに食べるのがいいぞ。
刻晴:
(当日の18時~20時の間に璃月港の舞台前へ戻ると、自動的にCSが放送される)
留雲借風真君:
ピン、妾達もこれからはもっと顔を合わせた方がよいのか?
ピンばあや:
無論。しかし、ばあやは璃月港に長く居すぎた…会うならば…あなたの方に足を運んでもらうしかないのう。
留雲借風真君:
どいつもこいつも。申鶴もいつも璃月港のことを妾に聞かせてくれる。これではまるで妾が聞かせてくれとねだっておるようではないか。
ピンばあや:
留雲、いっそあなたもこっちに引っ越してくるとよい。ここならばあなたとお喋りできる人も多い。
ピンばあや:
仕掛けの術に興味を持つ才能ある子が、探せば見つかるはずじゃ…
留雲借風真君:
ははっ、さあな。
鍾離:
俺はもう少し旧友と世間話をするつもりだ。旅人はまだやることが残っているんだろう。開演に間に合うよう、早めに璃月港へ戻るといい。
理水畳山真君:
留雲がこんないいものを持っていると知っていれば…もっと早く貸してもらうべきだった…
削月築陽真君:
我らは仕掛けの術にあまり興味がない上、食す物に拘りがないのだから、借りて来てもただの置物と成り果てるだけだろう。
理水畳山真君:
そうとは限らぬぞ。我に少しでも料理の腕があれば、申鶴が我について修行していた頃も、花や草ばかりを食べさせずに済んだはずだ…
削月築陽真君:
ふむ…ならばひとつ、後で留雲からこのような「からくり調理神器」を貸してもらうとしようか?
理水畳山真君:
良いだろう…
雲菫:
さて、休憩はそろそろいいかしら。皆さん、最初からもう一回やり直してみましょう?
胡桃:
雲先生は厳しいね、お茶を飲む暇さえ与えてくれないなんて。
雲菫:
うふふ、興味津々で私の手伝いが必要だって言ってくれたのはどこのどなたですか?そこでのんびりお茶を飲み終わるのを待っていたら、空が暗くなっちゃいますよ。
辛炎:
この公演が終わったら、アタイが皆に夜食を奢るぜ!胡桃は何を食べたい?
胡桃:
今日はね…豚肉の油炒めと、かにみそ豆腐が食べたい!
辛炎:
えっと…夜食に、かにみそ豆腐か…
胡桃:
大丈夫だよ、頼れる香菱シェフがいるんだもん!
胡桃:
あれれ、食欲が湧いたら、元気も湧いてきちゃった。さっそく練習しよ!