arrow_back 原神 クエスト
杯の中のバラッド 第二幕

歌謡より寄せ集めし絆


歌謡より寄せ集めし絆
レザーは自分の人間の両親をより知るため、自分で「サウザンドウィンドブリュー」を作ることにした。しかし、ウェンティの詩歌に出てくるいくつかの醸造材料は、一体何だったんだろう…
パイモン:
あれ、レザーのやつ、影すら見当たらないぞ。まだ来てないのか?
パイモン:
もしかして、前回疲れて帰ったから…寝坊したとか!?
パイモン:
そうだな…もう少し待ってみるか。
パイモン:
今のうちに、オイラたちで考えとこうぜ!吟遊野郎が言ってた材料って、どれも抽象的だっただろ…
パイモン:
「探求する勇気、優しさに満ちた慈愛。守護の執念、謡を掲げる…千風…」
パイモン:
なにか心当たりはあるか?
旅人:
「材料」というより…
パイモン:
うわぁ、よけい抽象的になったぞ!「品性」って、どこで、どうやって見つけるんだよ?
旅人:
冒険者協会、西風教会…
パイモン:
えっ?つまり、モンドにある組織と関係してるってことか?
旅人:
うん…それに「守護」といえば。
パイモン:
言われてみればそうかもしれないけど…材料とか具体的な誰かじゃなくて、漠然とした概念を指してるのか?
パイモン:
そういえば、ちょうどどれもブリュー祭の主催側だな!
パイモン:
…いや、いくらなんでも偶然過ぎないか!?あの歌謡、まさか吟遊野郎がアドリブで作ったものじゃないよな!
旅人:
レザーを助けるために導いてくれたのかも。
パイモン:
じゃあ、最後の「謡を掲げる千風」は、杯挙げの儀を暗示してるのかもな!だんだん見えてきたぞ、このまま吟遊野郎の作戦に乗ってやろうぜ!
パイモン:
レザーと合流したら、それらの場所に行って知り合いに話を聞いてみよう。なにか新しいヒントが得られるかもしれない。
クレー:
栄誉騎士のお兄ちゃんにパイモンちゃん!
レザー:
ごめん。遅くなった…
パイモン:
気にすんな、オイラたちも話してたところだから。
パイモン:
こいつの知恵のおかげで、材料のことはもう見当がついたぜ!
旅人:
クレー、レザー、こんにちは。
レザー:
ああ。来る途中で、クレーに会った。
クレー:
もうすぐブリュー祭だから、クレー、お出かけの許可をもらえたんだ。
クレー:
アルベドお兄ちゃんは、ティマイオスお兄ちゃんの特製酔い覚ましポーションのレシピ調整を手伝ってるから、クレーと遊ぶひまがなくって。だから一人で遊んでたの。
クレー:
街に出ると、モンド城の大人たちはみんなお祭りを祝ってて、賑やかで楽しそうだったよ!
クレー:
だから、クレーもいろいろ準備したんだ。自分の得意な方法でお祝いのお手伝いをしようと思って!
パイモン:
得意な方法って…ヤバいぞ、嫌な予感がする。
クレー:
そしたらね、レザーと会ったの。
旅人:
まだ爆発の被害が出てなくてよかった…
クレー:
いつもと違って、レザーが考えごとしてたから、「何があったの」って聞いてみたらね。
クレー:
そしたら、そしたら、レザーはママを探してるんだって。
レザー:
そうじゃない。
クレー:
大丈夫、ママは大切な人だもん、探すのはとっても大事なことだよ。クレーも手伝うから。
レザー:
……
ベネット:
レザー——レザー——はぁ、やっと見つけた。
レザー:
ベネット?
ベネット:
えへへっ、みんなもここにいたんだな。
ベネット:
ほら、これやるよ。
パイモン:
これって…イグサだよな?
ベネット:
ああ、その通り。今朝、これに足を取られて転んじまってな。
ベネット:
顔を地べたにぶつけて泥まで食べるはめになったんだが、こいつは無傷。で、きっとこれがお前の必要としてる醸造材料だと思ったんだ!
クレー:
ベネットお兄ちゃん、どうやったらイグサで転ぶの?
パイモン:
そうだぞ。イグサって光ってるだろ。
旅人:
夜にはね…
クレー:
光るか光らないかじゃなくて、イグサは大きくて目立つから、絶対に目に入ると思うんだけど。
ベネット:
ははっ、たぶん慌てて走ってたから…オレの不注意のせいだな。
ベネット:
(その後、同じように何度も転んだけど、話すのはやめとこう…)
ベネット:
オレ、レザーがどこに行ったのかあちこち聞いて回ってたんだ。今朝だけで、もう何度すれ違ったことか…
ベネット:
会えてよかったよ。ようやく一息つける…
旅人:
お疲れさま…
ベネット:
ああ、ありがとう。
レザー:
材料を探してること、どうして知ってる。
ベネット:
ああ、それなら…
ベネット:
図書館司書を名乗るお姉さんがサイリュス会長のところに来て、冒険者協会の人もブリュー祭に参加してほしいって言ったんだ。ついでに、お前のことを手伝ってほしいともな…
パイモン:
リサさん、まさかちゃんと仕事してる!?
ベネット:
あっ!あの人がリサさんなのか。すごく頭のいい人だって聞いたけど、あまり外に出ないみたいだから…今回初めて会ったよ。
ベネット:
材料についてオレもずっと考えてて、候補も色々あったんだ。本来は、お前に直接相談しようと思ってたんだが…
ベネット:
結局はイグサがベストだって気づいてな。だって、光を放ち、冒険者の道しるべになるなんて、素晴らしいだろ?
レザー:
ごめん、迷惑かけた。
ベネット:
おい、そんな堅苦しいこと言うなよ。お前の気持ちはわかるし、友達を助けるのは当たり前だろ。
ベネット:
もしオレの家族…コホン、オヤジたちが何か必要になった時、お前もきっと助けてくれるだろ?
レザー:
ああ。
クレー:
クレーにできることはなーい?クレーも混ぜて、一緒にやりたい!
パイモン:
クレーは元気だな。一番お祭りの雰囲気の影響を受けてるんじゃないか。
レザー:
ベネット。お前…家のこと話したの初めて。
ベネット:
それは、へへっ、オレは小さい時から両親の顔を見たことないからな。協会の先輩冒険者たちに育てられてきた、普通の家庭とは違うんだ。
ベネット:
オレの家のことが聞きたいのなら、そうだな…オヤジたちの物語で一番すごい伝説から話そうか?
クレー:
ベネットお兄ちゃん…
クレー:
クレーと一緒にママの子になろう!ママは優しいから、きっと面倒見てくれるよ!
パイモン:
えっ!?
ベネット:
……
ベネット:
クレーちゃん、気持ちはうれしいけど大丈夫だ…
ベネット:
それにほら、オレにはオヤジや仲間たちがいる…それからオレはベニー冒険団の団長だしな、心配するな。
クレー:
うぅ、クレーわかった。じゃあ、これあげる。
パイモン:
それって、ボンボンだよな?
クレー:
うん!ずっとぐっすり寝てる、爆発しないナマケボンボン!ベネットお兄ちゃんに友達になってほしいな。
ベネット:
…本当にもらっていいのか?
クレー:
うん!ボンボンも新しい友達ができてうれしいと思う。
レザー:
オレも、うれしい。
旅人:
引き続きレザーと他の材料を探そう。
パイモン:
そうだな。もしかしたらクレーの影響を受けて、ベネットの運勢が変わるかもしれないぞ!冒険が上手いこといって、普段見つからないような「お宝」を発見できるんじゃないか!
パイモン:
もちろん…運がいいのはクレーだけって可能性もあるけど…
パイモン:
でもこうも考えられるよな、ベネットが付いててやればクレーは無用なトラブルを起こさなくなる…そうすれば、安心して楽しいブリュー祭を過ごせるぞ!
ベネット:
おう、任せてくれ!オレたち二人で助け合ってみるぜ。
クレー:
冒険!お宝!ブリュー祭!やったー、はやく出発しよ!
クレー:
あっ…毛皮なでなで、毛皮なでなで…レザーも元気出して。栄誉騎士のお兄ちゃん、パイモンちゃん、レザーのことお願い。ママ探し、頑張ってね。
レザー:
あ、う…
旅人:
俺たちに任せて。
レザー:
…うまく、いくように。
ベネット:
みんな、じゃあまたな。
パイモン:
あいつら、元気そうでよかったな。
パイモン:
あっ…本題を忘れるところだった!
パイモン:
レザー、さっき旅人と考えたんだけど、たぶん吟遊野郎の言う醸造用の材料は、どれも大切にすべき品性のことだと思うんだ。
パイモン:
もしかしたら、モンドの三つの組織それぞれが象徴する精神に紐づいてるのかもしれない。そこに知り合いがいれば、必要なものが見つかるはずだ。
レザー:
そうか…
パイモン:
どうしたんだよ、他に心配してることでもあるのか?オイラたちに話してみろよ。
レザー:
ああ。オレ、帰ってからずっと考えてた。
レザー:
オレ、賢くない。師匠や旅人みたいにできない。それでも…やり遂げたい。
レザー:
みんなに助けてもらうだけじゃ、ダメ。オレも、何かすべき。
レザー:
人間の両親、よく分からない。でも、知っておかないと…
レザー:
別の人の、パパとママ知る。それから、オレのパパとママのことを考える。
レザー:
だから、オレは聞く。
パイモン:
おう、いいことだと思うぞ!レザーは答えを見つけるために頑張ってるんだな。
レザー:
ベネットが、オレと同じだと、思わなかった…
レザー:
でも「オヤジたち」の話になると、ベネットの匂いが変わった。
レザー:
暖かい。太陽の光に当たった、干し草みたいに。
旅人:
色んな人に聞いてみよう。
パイモン:
そうだな!オイラたちもそろそろモンド城に戻ろう。西風教会の知り合いを探しに行こうぜ!
パイモン:
レザーと仲がいいのは、たぶん…
マルセル:
すまない、君たち。今、モンドに戻ると言ったか?
マルセル:
実は、城内から果物を積んだ貨物車がなかなか来ないんだ。途中で何かあったんじゃないかと心配でね。でも、ブリュー祭の仕事があるし、俺はここからどうしても離れられない…
マルセル:
そこでお願いなんだが、モンドへ戻る途中で貨物車がどうなってるか確認してくれないか?
パイモン:
まあ…ちょうど通り道だし…
レザー:
ああ、オレもいく。
レザー:
みんなオレを助けてくれる。オレも、返さないと。
マルセル:
ありがとう!本当に助かるよ。
レザー:
匂い、あそこだ。
パイモン:
おっ!貨物車が見えたぞ…って、どうしてヒルチャールもいるんだ!まさか、果物の香りに引き寄せられたのか?
パイモン:
行こう、とにかく助けないと!
レザー:
……
パイモン:
やっと片付いたぜ。ヒルチャールのやつら、食べ物への執念がすごいな。大丈夫だったか?
ロルフ:
ふぅ、助けてくれてありがとう。君たちが来てくれなかったら、隊員も品物もとんでもない被害に遭うところだった。
ロルフ:
ああ、本当に助かったよ!ここで道草を食えるほど余裕はないからね、僕は先に失礼するよ。ハッピーブリーズブリュー!みんな、ブリュー祭を楽しんでくれ!
ロルフ:
あんちゃん、君にも感謝するよ。
レザー:
ああ。
旅人:
レザー、どうしたの?
レザー:
敵に、つけられてる。
ロサリア:
「敵」呼ばわりされるなんて、ずいぶんと邪険に扱われたものね。
ロサリア:
ある意味、私たちは「姉弟」なのよ。
パイモン:
ロサリア!どうしてこんなところに?
パイモン:
いや…ロサリアはどこに現れてもおかしくないか…
パイモン:
質問を変えよう…「姉弟」って一体どういうことだ?
ロサリア:
君の剣術、ファルカから学んだものでしょ?疾くて力強い、ふん、あのオッサンのスタイルと同じだわ。
レザー:
……
ロサリア:
会話が苦手なようだから、ファルカの口数が多いところを見習ったほうがいいかもね。彼がいつ戻ってくるのか、分からないのが残念だけど。
レザー:
大丈夫。オレ、待つ。
パイモン:
姉弟…ファルカ…
パイモン:
おっ、分かったぞ!二人とも「父親」がファルカだから、血のつながらない「姉弟」になるんだな。
ロサリア:
血縁なんて、そもそもなんの意味もないでしょ?
旅人:
血縁は大事。
ロサリア:
あら、忘れるところだったわ。君には妹がいたわね。
レザー:
冷たい、暗い大人の人。お前も本当の親の顔、思い出せないのか?
ロサリア:
ふぅん、彼の実の両親に関する手がかりを集めるついでに、家族の意味まで教えてるの?
旅人:
そんなところかな。
ロサリア:
まあいいわ、当たりよ。
ロサリア:
私は実の両親に関する記憶がほとんどない…物心が付く前から会ったこともないわ。
ロサリア:
別に珍しいことじゃないでしょ。世の中には肉親に日夜会いたいと思いながらも、それが叶わない人がたくさんいる。
ロサリア:
どうせ会えないんだから、気にする必要もない。それよりも、自分がどんな人になりたいのかが大切よ。
レザー:
違う!それは、間違ってる。
レザー:
ルピカはお互いを守る、大切な存在。人間の家族も…大切。気になる。
ロサリア:
…あらそう。仮に、自分の両親がいい人だと分かったら、もしくは悪事しか働かない極悪人だと知ったら…どうするつもり?
ロサリア:
それは、君自身の選択に影響を与えるの?そして君は、どのような道を歩むつもり?
レザー:
あ、う…
パイモン:
ロサリアの言葉、少し現実的すぎないか?レザーには難しすぎるぞ。
旅人:
気になるのは理解できなくもないけど…
ロサリア:
誤解しないでほしいけど、なにも困らせに来たわけじゃないの。彼は戸惑っているけど、私と君の知り合いのモンド人は前向きで親切な人が多いから、直接的なことは言えないでしょ…
ロサリア:
…太陽の光は多くを育む、だけど暗闇に隠れた問題は解決できない。
パイモン:
ロサリア…
ロサリア:
さて、お話はこれくらいにしましょう。花をあげる。私と同じ、「冷たい」花よ。
ロサリア:
バーバラはブリュー祭の詩歌イベントで忙しいから、教会の材料選びは、私が代わりにってわけ。
パイモン:
でも霧氷花って本当に使えるのか?酒樽ごと凍っちゃうんじゃ…
ロサリア:
これの冷気は私がすでに処理してあるわ。吟遊詩人も「自由にやればいいさ」って言ってたでしょ。問題ないから、持っていきなさい。
パイモン:
なんだ、ロサリアって案外気配り上手なんだな。
パイモン:
…待てよ、吟遊詩人って…あの時、おまえもいたのか!?
レザー:
ありがとう…
ロサリア:
礼はいらない、ただの恩返しだから。私はファルカに色々と借りがあってね、半分「姉」として、ちょっと手を貸しただけよ。
ロサリア:
早く答えが見つかるといいわね。じゃあまた。
パイモン:
もう行っちゃった…あいつ、風のように現れたり去ったりするよな、そろそろオイラも慣れてきたけど。
パイモン:
「優しさに満ちた慈愛」…ちょっと違うような気もするけど、手に入れたってことでいいよな。残るは騎士団の材料のみだ。
レザー:
……
パイモン:
レザー、まだロサリアの言葉を考えてるのか?
レザー:
彼女の言葉、霧氷花の花蕊みたい。冷たくて、痛い。
レザー:
でも、冷たいのは傷口にいい。ググプラムと同じ。
レザー:
ちゃんと考えてみる。そのほうが、いいかもしれない。
旅人:
時間が掛かることだから、焦る必要ないよ。
レザー:
ああ。
レザー:
考えながら、お前たちについて行く。
リサ:
…だから、あなたが一番の適任者なのよ。
ガイア:
おっ、いいところに来たな。ちょうど、リサとレザーのことで話していたんだ。
ガイア:
どこまで話したか…ああ、そうだ、酒樽だったな!
パイモン:
えっ!?欲しいのは「守護の執念」なのに、騎士団が用意した材料って…もしかして酒樽なのか?
パイモン:
そ、そうだよな…
リサ:
ふふっ…パイモンちゃんの言う材料は、もう準備するよう手配してあるわ。
リサ:
ただあの子は真面目で、もうしばらく研究を続けたいみたいなの。だから気長に待ってくれる?
リサ:
それから酒樽についてなんだけど…あなたたち、色んな材料を集めたでしょ。まさか、ダダウパの谷の大きな鍋でかき混ぜるつもりじゃないわよね?
旅人:
懐かしい…
リサ:
だから悩んだ挙句、質のいい酒樽をアカツキワイナリーから譲ってもらうことにしたの。口が達者で、頭のいい騎兵隊長を向かわせてね。
ガイア:
おいおい、弟子を助けたい気持ちはよく分かるが、全員顔見知りなんだ、社交辞令はそれぐらいにしておいてくれ。
ガイア:
…だが久々に戻る上に、そんなことをしろと言われても、さすがに困るんだが。
リサ:
どこが困るのよ?交渉はあなたの得意分野でしょ。
リサ:
ブリュー祭はモンドでもっとも重要な祭りの一つ。それに、あなたはディルック様の性格をよく知っているわよね?
リサ:
少し含みを持たせて言うだけで、上手くいくと思うわよ。例えば——モンド人が久々に過ごす祭りだから、色々と物が足りない、助けてくれる人はいないか、とか?
リサ:
あなたがそう言うのを聞いたら、きっと資金や物資の面で助けてくれるに違いないわ。
パイモン:
リサさん…ディルックの旦那から騙し取るつもりだ!
ガイア:
そうだな…いいアイデアだ。なら、さっそく出発するとしよう。
パイモン:
おっ、こっちもあっさり承諾したぞ!
パイモン:
はぁ、レザーの知らないところで働きかけてくれたリサさんに感謝しようと思ってたけど…
パイモン:
今はどうしようか迷ってきたぞ…
レザー:
……
レザー:
旅人、師匠は、色んなことをしてくれた。苦労した。
レザー:
でもオレ、質問に答えられなかった、役に立たない。
リサ:
あら、狼ちゃんったら、何かショックを受けるようなことでもあったの?落ち込んでてもしょうがないわよ。
旅人:
これは避けられない問題。
リサ:
なるほど、そういうことね。
リサ:
じゃあ、こうしましょう。可愛い子ちゃんはガイアと一緒に行ってくれる?わたくしは自分の役割、つまりレザーの心のケアと授業の補講をするわ。
リサ:
数日したら、レザーを迎えに来てちょうだい。その時は、最後の材料も準備できてると思うから。
ガイア:
旅先での話し相手ができるのは、俺にとっても好都合だ。
レザー:
何が正しいのか、分からない。でも師匠の言葉、信じる。それでいいと思う。
旅人:
そうしよう。
リサ:
いってらっしゃい。騎士団の代わりにディルック様に挨拶をお願いね。
パイモン:
邪魔するぜ、ディルックの旦那!
ディルック:
ん?ブリュー祭の時期なのに誰かと思えば、まさか君たちとは。
ディルック:
…それに君も。
ガイア:
おっと、冷たい反応じゃないか。どうやら、ディルックの旦那にあまり歓迎されていないようだ。
ガイア:
何と言っても、ここは俺の家でもあるからな。祭事の時期に帰省するのは、どの国でも一般的な習慣だろ。
ディルック:
用があるなら単刀直入に言ってくれ。
ガイア:
用なら、お前も言及していた「ブリュー祭」のことだ。
ガイア:
待ちに待ったブリュー祭を祝うため、代理団長はわざわざ教会と冒険者協会に連絡を取り、イベントを企画した。
ガイア:
だが問題は騎士団の財政状況だ。俺が言わなくても想像はつくだろう…?
ディルック:
騎士団の面倒事なんて、僕には関係ない。
ガイア:
おいおい、非情だなあ。俺ですら今のは耳を疑ったぜ。みんなの努力は、どれもモンドのためじゃないか。
ガイア:
アカツキワイナリーのブリュー祭限定ワインを飲んだのは、もうずいぶんと前のことだ…モンドの住民たちもきっとそう思ってる。
ガイア:
もしかしてお前、自分があまり酒を飲まないからって、他人にも飲む機会を与えないつもりか?
パイモン:
おい見ろよ。ガイアのやつ、露骨に色んなことをおねだりしてるぞ…
旅人:
すごすぎる…
ガイア:
そういえば、知ってるか?騎士団の連中は、ディルック先輩が「温かい家族」のところへ戻ってくるのを心待ちにしてるんだぜ。
ガイア:
ディルック先輩の人望があれば、チャリティーショップの行列も、鷹飛びの浜までできるだろうな~
ディルック:
…まったく。
ディルック:
口先が上手いだけじゃ、僕は動かない。そのよく回る舌を動かす体力は、祭りの治安維持のために取っておくんだな。
ディルック:
経費のことはメモしておいた。ヘルターと詳しく相談するよう、エルザーに言っておく。
ディルック:
つい最近、新しい酒が出来たところだ。ちょうど日々苦労している労働者たちの慰労に使える。
ディルック:
君の名前でサインするか?
ガイア:
そんなに俺のことを困らせたいのか。アカツキワイナリーから出荷されるものに、現騎兵隊長の名前を書ける訳がないだろ?
ディルック:
なんだ、よく分かってるじゃないか。では、この件はアデリンに任せて、匿名で輸送しよう。
ガイア:
感謝するぜ。
パイモン:
わぁ、ディルックの旦那は気前がいいな!オイラ飲めないけど、今の話を聞いただけでテンションが上がってきたぞ!
ディルック:
君たち二人も、ブリュー祭のために来たのか?
レザーが「サウザンドウィンドブリュー」を造ることを、ディルックに話した…
ガイア:
レザーのやつも大変だな。あっという間に大きくなって、父親を探すことになるなんて。ディルック、助けてやれよ。
パイモン:
なんでか知らないけど、クレーは母親探しで、ガイアは父親探しになってるな…そのほうが言いやすいのかもしれないけど、聞く側は絶対に勘違いするぞ!
ディルック:
理解したから、問題はない。
ディルック:
ワイナリーに少し古い酒樽がある。年季は入っているが特殊加工されていて、烈焔花で長時間焼いても問題ない。これなら、きっと君たちの要望に応えることができるだろう。
パイモン:
おう、それでいいぞ!いつ運びに行けばいいんだ?
ディルック:
その必要はない。僕がフェアのほうに手配しよう。「エンジェルズシェア」の屋台のところで受け取ってくれ。
パイモン:
やっぱり、ディルックの旦那とのやり取りはスムーズで楽ちんだな!へへっ、じゃあレザーの代わりに礼を言うぜ。
ディルック:
礼ならいい。友人同士、助け合うのは当然のことだ。
ガイア:
ディルックの旦那は情に厚い、いいやつだな。
ディルック:
…そろそろ食事の時間だが、食べて行かないか。
ガイア:
そういうことなら、俺は邪魔しないでおくぜ…
ディルック:
ふん。
アデリン:
「祭事の時期に帰省するのは、どの国でも一般的な習慣。」——ガイア様もそうおっしゃっていましたし、残って一緒にどうでしょう?
ガイア:
アデリンにこれ以上迷惑かけたくないんだが。
アデリン:
遠慮しすぎですよ。あなたは毎回騎兵隊長としてお帰りになるので、私もいつも「騎兵隊長」にお茶を入れるだけ。「ガイア様」のために夕食を用意する機会なんてありませんでした。
ガイア:
うぅ…
ディルック:
さっきの威勢はどうした?舌がよく回るはずだったが?
ガイア:
…はは、ディルック、お前…
ディルック:
アデリンをがっかりさせたくないだろ。
旅人:
人が多いほうが楽しい。
ガイア:
…まあいい。じゃあ、お言葉に甘えて。アデリン、一人分追加してもらえるか。
笑うガイアを鼻であしらうディルックと共に、夕食を楽しんだ…
パイモン:
ぷはぁー、お腹いっぱいだ…アデリンの料理は最高だな。見た目も味も良いから、目もお腹も満たされたぜ。
旅人:
ごちそうさま。
ディルック:
それならよかった。何か食べたくなったら、いつでも気楽に来てくれていい。
ガイア:
そうか?じゃあ、俺も旅人にあやかって来させてもらうぜ。
パイモン:
げっ、ガイアのやつ、またふざけてるぞ。
ガイア:
さて、これで用事も済んだし、腹も満たせた、仕事に戻るとするか。
アデリン:
ガイア様、お気を付けて行ってらっしゃい。
パイモン:
オイラたちもそろそろ出発するか。レザーのほうはリサさんに任せてるから問題ないとして、ブリュー祭はやっぱりオイラたちの助けが必要だよな。
パイモン:
ディルックの旦那、またな!
ディルック:
ああ。
マルセル:
ブリュー祭では、果物の消費量がハンパないんだ。どうか、貨物車が無事でありますように。
レザー:
心の中、腐ったラズベリーみたい、酸っぱい。
レザー:
やるべきことが、よく分からない…
リサ:
安心して。魔法のような「お悩みリセット術」を教えてあげるから。
リサ:
でもその前に、まずは簡単な、レザーにできることから始めてみましょう?会話の練習よ。
リサ:
次に誰かの助けを受け入れる時や、みんなの意見に反対する時に、的確な表現で自分の考えを伝えられるようにね。
レザー:
うん!
レザー:
オレ、努力する。
ディルック:
家族か…
ディルック:
……
ディルック:
なんでもない。君も早く休むといい。
ディルック:
僕はレザーと親しいわけじゃないが、何かあれば相談に乗ろう。
アデリン:
ディルック様とガイア様が一緒に食事しているのを見るのは久しぶりです。しかし、あの場の空気は…まぁ、一介のメイドがあれこれ口出しすることではありませんね。
アデリン:
来てくださりありがとうございます。今後も機会があればぜひお越しください。