arrow_back 原神 クエスト
森林書 第一章
森の中の奇遇
ラナという女性はスメールのレンジャー長のようだ。彼女の誘いを受け、「ヴィマラ村」に行ってみよう。
ラナ:
ご都合のいい時に、ヴィマラ村まで護送しますよ。そこから水路に沿って進めば、スメールシティやオルモス港に行きやすいはずです。
ラナ:
なんと言っても、私もレンジャー長ですからね。旅人を護送するのが私の役目です。
ラナ:
はい、ではついてきてください!
ラナ:
ああ、たった数日で新しい「死域」が現れるなんて…しかも、こんな大通りに近いところに…
パイモン:
あっ、また死域が…
ラナ:
ティナリ先輩と一緒に死域の処理をしたことがあるのですか?それなら死域の危険性については、私が言うまでもありませんね。
ラナ:
いずれにせよ、ひとまず死域の位置と影響範囲を記録しておきましょう。お二人をヴィマラ村に案内したら、私はガンダルヴァー村に行ってこのことを先輩に報告します。そして、先輩に手伝ってもらうつもりです。
パイモン:
心配いらないぞ、ラナ。こういうことはオイラたちに任せてくれ。
ラナ:
そうはいきません!死域は本当に命に関わるほど危険なんです。経験を積んだレンジャー長でも、不用意に死域に近づくことはありません…
パイモン:
いや、こいつは元素力を操れるんだ。だから、多少は死域の侵蝕に耐えられるはずだぜ!
ラナ:
え?そういえば、前に旅人がキノコンを退治してくれた時、確かに元素力を使っていましたね…
ラナ:
でも、やはりいけません。遠くからはるばるやってきたお二人が、もし死域のせいで怪我でもしたら…
パイモン:
心配いらないって、ラナ!旅人は本当に頼りになるんだぞ。旅の途中でいろんなことに遭遇してきたからな!
旅人:
これくらいお安いご用だから、任せとけ。
ラナ:
はぁ、分かりました。私はここで見張ってます。耐えられなくなったら、必ず死域から離れて休むか助けを呼んでください。手を貸しに行きますので。
パイモン:
ほらな、旅人はすごいだろ。
ラナ:
す、すごい!あなたって、本当に…すごかったんですね!
パイモン:
ラナ、感動しすぎだぞ…
ラナ:
あ、すみません…コホン!旅人…えー…様…
旅人:
そんなにかしこまらなくていいよ…
ラナ:
その…私たちのメンバーに加わってもらえませんか?私がお二人の保証人になりますので!
ラナ:
旅人やパイモンのように、実力があって熱心な人が仲間になってくれたら、とてもありがたいです!
ラナ:
お二人がいてくれたら、死域の蔓延を効果的に抑えられます…あっ、森にはあまり詳しくないですよね。でもすぐに慣れるかと…
旅人:
ちょっと待って…
パイモン:
あっ、そうだ!森と言えば、ラナに聞きたいことがあったんだ…
パイモン:
旅人、前に見かけた…奇妙な生き物のこと覚えてるか?
ラナ:
奇妙な生き物って…?
前に見かけた奇妙な生き物のことを簡単に説明した。
ラナ:
ああ…その話を聞く限り、それは伝説の「アランナラ」ですね。小さくて丸っこい、植物のような精霊です。森の住人で、木々の守護霊です。
ラナ:
…でも一般的に、それは伝説の存在だと思われています。旅人たちは「キノシシ」を見間違えたのでは?
パイモン:
「キノシシ」?
ラナ:
ええ、このスメールの森にしかいない野生動物です!緑色で丸々として、森の中で暮らしています。私たちもキノシシの跡をつけて、珍しいキノコを探すんですよ。
旅人:
本当にそうかなぁ…?
ラナ:
うーん…いずれにせよ、何年も森の中を歩いていますが、そんなものは見たことありません。
ラナ:
でもヴィマラ村に着いたら、子供たちに聞いてみてください。「アランナラ」に関する伝説に興味があるみたいですよ。
ラナ:
大人には隠したがるけど、子供の気持ちは分かりやすいものですからね。
旅人:
パイモンも同じ。
パイモン:
おい!それはオイラとおまえが「最高の仲間」だからだろ。お互いに理解しあってるからだ!
イサファット:
やあ、ようこそ。今度機会があったら、ラナや子供たちと一緒にご飯を食べに来るといい。今日は中々の収穫でね。
ラナ:
紹介しますね、このお二人は腕の立つ旅人。これまでいろいろと助けてもらいました。こちらはアルフォンソ。ヴィマラ村で一番頼りになる人です!
アルフォンソ:
あははっ、よせよラナ、冗談言うなって。とにかく、二人と会えて光栄だ。それにラナの面倒を見てくれてありがとう。
パイモン:
アルフォンソはここの人っぽく見えないけど、旅をしてる人なのか?
アルフォンソ:
ははっ、さすが旅人、見る目がある。一目で見抜くなんてな。
アルフォンソ:
僕はもともとフォンテーヌの技師見習いだったんだ。けど、ここの雰囲気が気に入って、そのまま住むようになってね。
ラナ:
あっという間に数年が経ちましたよね!今では完全に私たちヴィマラ村の住民ですもの。
ラナ:
そうだ、子供たちの様子はどうです?走り回ったりしてませんよね?最近、いろいろと物騒ですし…
アルフォンソ:
今はみんな村にいる、君の帰りを待っていたんだ。この間、カブスが帰ってきてからは…
アルフォンソ:
…客人の前でこんな話をして大丈夫か?なんなら後でまた話すが…
パイモン:
大事な話なのか?なんならオイラたち、離れてるぞ?
ラナ:
ううん、大丈夫!あなたたちは外で私を救ってくれた命の恩人ですもの!
ラナ:
時間は命です。あなたたちは私の手間を省いてくれたんですから、命の恩人に違いありません!
ラナ:
とにかく、最近ヴィマラ村の子供たちが、時々行方不明になってるんです。
旅人:
「とにかく」で切り出す話題じゃない!
パイモン:
それって一大事じゃないか!スメールシティの治安官に通報しに行くか?なにか手伝えることは?
ラナ:
そう慌てないで、私の話を聞いてください。子供は行方不明になって数日たらずで帰ってくるんです。でも、その経緯は全く覚えていなくて…
アルフォンソ:
毎回捜索隊を組織して子供たちを探しに行くんだ。時には猛獣や死域に出くわしたり、悪意のある厄介なよそ者に出会ったりすることもある。
アルフォンソ:
でも、どうしても見つからないんだ。何しろ森は広くて深い。ラナでさえ完全には把握できないほどだ。
ラナ:
ええ。でも結局、気づくといつの間にか、村に子供たちが戻って来てるんです。でもその経緯を聞いても、自分は何も覚えていないって。
旅人:
パイモンも同じような感じ。
ラナ:
えっと、もしかして子供って、それが普通なんですか?
パイモン:
おい!そこの二人、なんでそうなるんだよ!
ラナ:
あははは、ごめんなさい、本題に戻りましょう…
旅人:
何も覚えてない?
アルフォンソ:
必ずしもそうじゃない。子供たちはただ俺たち「大人」に教えたくないだけだと思う。
アルフォンソ:
はぁ、やれやれ。俺だってあの子たちよりいくつか歳上なだけなのに。
パイモン:
うーん…でも、そうだとしても、やっぱり心配だよな。
ラナ:
はい、ですから最近この時間はずっと近所をパトロールして、変わった兆しがないか見ているんです。さっきアマディアおじいさんに夜警団を組織したいと話したのも、そのためでして。
ラナ:
本当はアルフォンソにも手伝ってもらって、子供たちがうろうろしないよう見張ろうと思ったんですが…
アルフォンソ:
申し訳ない。
ラナ:
いえ大丈夫です、気にしないでください。むしろ、子供たちが大人しくじっとしていたら、かえって心配ですしね。
ラナ:
まったく、後でイサファット兄さんと話さないと。カブスとスダッベの面倒を見るのは彼の仕事のはずなのに…
アルフォンソ:
ラナ、しばらくヴィマラ村でゆっくり休め。あの子たちの世話ができるのは、君だけだしな。
アルフォンソ:
ここ最近、外は危険だ。死域だけじゃなく、スネージナヤの「ファデュイ」まで傭兵を連れて、完全武装で森の中を活動している。万が一のことがあったら…
旅人:
ファデュイ…?
ラナ:
はい、気をつけます。でも大変な状況だからこそ、リスクを排除しないと。
アルフォンソ:
相手が森の猛獣ならいいが、ファデュイとなるとラナでも太刀打ちできないぞ…
パイモン:
アルフォンソって、ファデュイに詳しいみたいだな…
アルフォンソ:
…ああ。オルモス港とスメールシティを行き来してる旅人に聞いたんだ。
イッサム:
ラナお姉さんが帰ってきた!アルフォンソさんもいる!
ラナ:
あはは、これまた大変なのがやってきましたね。
アルフォンソ:
とにかくラナ、さっきの話はもう一度よく考えておいてくれ。
イッサム:
ラナお姉さんにあげようと思って、星茸をいっぱい採ってきたんだ!
ラナ:
こらっ、イッサム。村を出たらダメだって言ったでしょう?言うことを聞かない子は、「リシュボラン虎のラージャ」にさらわれちゃうんだから!
イッサム:
おれ、もう大きくなったから、巨大なトラも怖くないもん!
カブス:
ラナお姉さん、今度はゲーターキングを捕まえた?
スダッベ:
ラナお姉さん、森のお話を聞かせて!
ラナ:
えっとね…今回はゲーターキングに会えなかったの。でも2人のために金のライオンと銀の…
ラナ:
銀の何がいいかな?えーっと…
旅人:
ライオン?
パイモン:
ガオーッ!へへっ、色がちょうどいいな。
イッサム:
銀色の暝彩鳥!
カブス:
銀スズキ!
スダッベ:
真っ白なフライム!
パイモン:
???
旅人:
パイモン、そう怒らないで。
アルフォンソ:
こらこら、いじわるはいけないぞ。彼らはラナの友達だ。
パイモン:
ふぅ…子供相手に怒ってもしょうがないな。それにしてもおまえたち、いろんな動物を知ってるんだな!
イッサム:
うん!ラナお姉さんは森から帰ってくると、いろんな話をしてくれるんだ。この前は、おっきなワニや駄獣大王の話をしてくれたよ!
スダッベ:
あと、誰にも捕まえられないリシュボラン虎のラージャの話も!
ラナ:
そうよ。いい子にしてなかったら、連れてかれちゃうんだから!
子供たち:
ええっ!
パイモン:
(この村の人はみんな仲良しなんだな!)
旅人:
(ずっとこのままだといいな)
ラナ:
…とにかく、このお兄さんとお姉さんは遠くからいらしたの。今日は彼らにお話をしてもらいましょう!
旅人:
別にいいけど…
パイモン:
うーん…確かにスメールに来るまでの道のりは、波乱万丈だったよな!
カブス:
よし!みんなでラナお姉さんの家に行こう!
イッサム:
フライムが一番ビリだな!
アルフォンソ:
橋を渡る時は、落っこちないように気をつけろよ!
ラナ:
では、しゅっぱーつ!
アマディア:
ラナの連れてきたお客様かい。この間は本当にすまないね。年を取ると目が悪くなってしまって。
アマディア:
お前さんたちが話していた、真ん丸で植物みたいな精霊のことじゃな。見たことがあるような気もするが、それがいつで、どんなものじゃったかは…
旅人:
「アランナラ」って?
アマディア:
「アランナラ」…そうじゃ、前にそいつの話を聞いたような…年をとるといかんな。はっきり覚えておらんのじゃ。
アマディア:
広大なスメールの森には、奇妙な生き物が数えきれんほどおる。縁があれば、きっと探し求めているものに出会えるはずじゃ。
アマディア:
だが本当に縁があるのなら、一度見たものは忘れんはずじゃ。一体いつのことじゃったか…
パイモン:
あいつら、飛ぶより速いんじゃないか…
ラナ:
まったく。あの子たち、どんどん逃げ足が速くなるから追いかけるのが大変。
イッサム:
ラナお姉さんが村にいてくれるなら、逃げたりしないよ!
スダッベ:
スダッベは大きくなったら、ラナお姉さんと結婚するんだ!
カブス:
おい、お兄ちゃんと結婚する約束だろ?この嘘つきめ!
ラナ:
あははっ、その話はまた今度ね。大きくなったら、きっといろんな人に出会うわ。私よりもっとすごい、素敵な人もたくさんいるわよ。
ラナ:
この金髪のお兄さんは私よりすごいのよ。それに遠い地から旅を続ける中、素敵な人にたくさん巡り合ってきたんだから。そうですよね?
カブス:
お兄さん、ずっとずっと旅してきたの?
スダッベ:
あなたがお話を聞かせてくれるって、ラナお姉さんが言ってたよ!
旅人:
別にいいけど…
ラナ:
子供たちのこと、よろしくお願いします。私はみんなと話をしてきますね。ほらみんな、お兄さんの言うことを聞いて大人しく待ってるのよ。
子供たち:
おう!
パイモン:
よし、なにから話そうか…えっと、イッサムだっけ?どんな話が聞きたい?
イッサム:
「龍」の話!龍は大昔からいるすごいヤツだって、アルフォンソさんが言ってた!
カブス:
おっきな海獣の話がいい!海には大きな怪物がいっぱいいるんでしょ!
スダッベ:
スダッベは、かしこくてかっこいいお姉さんのお話がいい!
旅人:
まったく、この子は…
スダッベ:
大きくなったら、スダッベもラナお姉さんみたいになりたいんだ!だからそういうお話が聞きたいの!
パイモン:
聞きたい話が全員バラバラだな…
パイモン:
…そういえば、八つの頭の海蛇とか銀髪のサキュバスとか、深淵の邪竜の物語を知ってるやつがいたよな?そいつがいたら、みんな喜ぶのに。
パイモン:
よし、決めた!オイラたちの知ってる話を一つ一つ聞かせてやろうぜ!
旅人:
(ついでに謎の生物のことも聞こう)
パイモン:
(確かに。子供は大人の知らないことを知ってるかもしれないもんな!あと失踪の件も聞いてみよう…)
パイモン:
その代わりイッサム、カブス、スダッベも、知ってることを教えてくれよな!
子供たち:
いいよ!
イッサム:
龍の話が聞きたい!龍はこの世に存在してるって、アルフォンソさんが言ってた。「モンド」ってところに、おっきくて悪い龍がいるんでしょ!
パイモン:
ああ、その話なら知ってるぞ!
イッサム:
へぇ!龍ってどんな感じなの?アルフォンソさんは、モンドを襲う恐ろしいヤツだって言ってたよ!
パイモン:
うーん…なんて説明したらいいんだろ?
旅人:
「これはある友人が誤解を解いた物語…」
パイモン:
コホンッ!むかしむかし遠い国に、おっきな翼とするどい牙を持った巨大な龍がいた。その龍はずーっと眠っていた…
「巨龍が目覚めた時、世界はおおきく変わっていた」
「『ガオオッ!』巨龍は怒号をあげた。『ふざけるな。お前たちの小さな家や城などめちゃくちゃにしてやる!』」
「でも巨龍は本物の悪党ではなかった。悪い魔法使いが呪いをかけて龍を騙し、世間を悪だと思い込ませていたのだ」
「そんなある日、2人の旅人がやって来て…」
子供を飽きさせないような語り口で、青い巨龍の話をした。
パイモン:
…こんな風に、旅人はみんなの協力を得て巨龍の呪いを解いた。それで巨龍もみんなと仲良く暮らせるようになったんだ。
イッサム:
へぇ、なんだか想像と違った!龍は駄獣や人を食べる怖い生き物だと思ってた。
イッサム:
それで、巨龍はどのくらい大きいの?お家くらい?
旅人:
パイモンを一口で食べられるくらいかな。
イッサム:
パイモンって、この白いお姉さんでしょ?じゃあ、巨龍もそんなにおっきくないんだね…
パイモン:
おい!オイラはチビでも、脳ミソはぱんぱんに詰まってるんだぞ!
旅人:
胃の中身もぱんぱんだよね。
パイモン:
ふん!オイラだって巨龍みたいに、一口でヴィマラ村を丸呑みにできるからな!
イッサム:
すげぇ!それがほんとなら、巨龍のお腹の中に入って飛び回れるな!
イッサム:
熱い日は、アルフォンソさんの言ってた雪国の「スネージナヤ」に行くんだ!雨ばっかりの日は、ジェイットばあちゃんが昔住んでた「ワルカ」に行こう!
パイモン:
「ワルカ」?
イッサム:
うん…砂漠だよ!とにかく大きくなったら、お兄さんやお姉さんみたいに、世界中を旅するんだ!
パイモン:
おう!旅をしたら友達もできるぜ。オイラたちが旅の途中でイッサムに会えたみたいにな。なぁイッサム、ひとつ聞いてもいいか?
旅人:
森にいる謎の生物のことを教えて…
パイモン:
前にラナお姉さんに聞いたら、多分「アランナラ」だって言ってたんだ。イッサムもそいつのこと、知ってるのか?
イッサム:
えっと…それは…
イッサム:
アランナラなんて知らないよ!
旅人:
見た目はキャベツにそっくり…
イッサム:
確かにちょっと似てるかも。あははははっ!
パイモン:
あれ?イッサムはアランナラを見たことあるんだな?
イッサム:
う、ううん、前にジェイットばあちゃんからちょっと聞いただけ!
旅人:
ジェイットさんに話を聞きに行っても?
イッサム:
ダメ…
パイモン:
分かった。この話はやめにしよう。イッサム、ラナお姉さんがおまえたちのこと心配してたぞ。おまえ最近、森で迷子にならなかったか?
イッサム:
おれは森のことならなんでも知ってる。迷子になんかなるわけないだろ!
イッサム:
でも、スダッベとカブスなら迷子になったよ。みんなすっごく心配してたけど、おれは平気だった。だって、アランラナが二人を家まで送ってくれるって信じてたから。
パイモン:
アランラナってなに者なんだ?
イッサム:
…あ、いや、えっと…ラナって言ったんだよ。ラナお姉さんなら絶対2人を連れ戻してくれるだろ!
パイモン:
(怪しいけど、聞いても答えてくれなさそう…)
パイモン:
それはまぁいいとして、イッサムはなんで龍の話が聞きたかったんだ?
イッサム:
龍みたいに強くなりたいから。そしたら、ラナお姉さんやアルフォンソさんの力になれる。2人とも大変なんだ。ラナお姉さんなんか、1回森にパトロールに出かけるとなかなか帰ってこられないし。
イッサム:
アルフォンソさんは、いつも1人でこっそり出かけるんだ。おれも早くおっきくなって手伝いたい。そうすれば、2人ともずっと村でのんびりできるでしょ。
パイモン:
そっか。イッサムはいい子だな!なら、ちゃんと言うこと聞くんだぞ!
ラナ:
アマディアおじいさん、ただいま!
アマディア:
おお、ラナかい。お疲れ様。レンジャー長の仕事も大事じゃが、何もない時は早く帰ってくるんじゃぞ。
ラナ:
うん、分かってる。でもパトロールをしないと、「トラの子」たちが安心して外で遊べないから。今のままだと不安だもの。
パイモン:
…ヴィマラ村にトラがいるのか?
アマディア:
「トラの子」というのは、イッサムみたいなわんぱくな子のことじゃ…ん?聞き覚えのない声じゃな。お客様かね?
ラナ:
ええ、そうなの。アマディアおじいさん、こちらは…
ラナはこれまでのことをアマディアに話した。
アマディア:
ほお、そうかい。よくぞヴィマラ村に来てくださった。ラナをよろしく頼みましたぞ。
ラナ:
アマディアおじいさん。私、夜警団を作ろうかと思って。アルフォンソやバハラーム、アウレリウスたちと一緒に、村周辺の警備を強化するの。
アマディア:
ふむふむ。自分の思う通りにすればいい。それが子供たちのためになるんじゃから。
旅人:
最近、ヴィマラ村で何かあったの?
パイモン:
んん?もしかしたら、この間見た丸い植物みたいなやつと関係あるんじゃないか?
アマディア:
そりゃ一体なんの話じゃ?今の説明だと、キャベツとしか思えんが。
ラナ:
今のは気にしないで。ただ最近色々あって、みんな不安になってるの。
アマディア:
これまでずっとヴィマラ村で暮らしてきたが、そんなこと一度もなかったのに。ふぅ…
アマディア:
時間をとらせて悪かったね。お二人さん、ラナをどうか頼んだよ。この子には小さい時からハラハラさせられっぱなしじゃ…
アマディア:
七、八歳の時も森で迷子になってな、あの時は二、三日…
ラナ:
その話はもういいってば!
アマディア:
はいはい、分かったよ。ラナ、お二人をがっかりさせないよう、ちゃんとガイドの責務を果たすんじゃよ。
ラナ:
うん、もちろん!
ラナ:
ああ、たった数日で新しい「死域」が現れるなんて…しかも、こんな大通りに近いところに…
旅人:
「死域」って?
ラナ:
スメール特有の「災害」みたいなものです。気づくと現れて、そこに存在する生命力を奪っていくんです。
パイモン:
ほんとだ。中にある植物の生気がどれもない…
ラナ:
ティナリ先輩がいれば、すんなり死域を排除できるのですが。でも私みたいに神の目も持たず元素も操れない人間が死域に入れば、非常に危険です。
ラナ:
いずれにせよ、ひとまず死域の位置と影響範囲を記録しておきましょう。お二人をヴィマラ村に案内したら、私はガンダルヴァー村に行ってこのことを先輩に報告します。そして、先輩に手伝ってもらうつもりです。
パイモン:
でも、旅人は元素力を操れるだろ?なんだっけ…そうそう、「風と共に去れ!」だ。
パイモン:
元素力を操れるんなら、きっと役に立てるはずだ!
ラナ:
え?そういえば、旅人がキノコンを撃退してくれた時、確かにそういったことがあったような…
ラナ:
でも、やっぱりそうはいきません。死域は本当に命に関わるほど危険なんです。経験を積んだレンジャー長でも、不用意に死域に近づくことはありません…
パイモン:
でも、旅人は本当に頼りになるんだぞ。旅の途中でいろんなことに遭遇してきたからな!
旅人:
これくらいお安いご用だから、任せとけ。
ラナ:
はぁ、分かりました。私はここで見張ってます。耐えられなくなったら、必ず死域から離れて休むか助けを呼んでください。手を貸しに行きますので。
カブス:
大海獣の話がいいな!みんな、海にはおっきくて変な怪物がたくさんいるって言うんだ…
カブス:
島みたいにおっきな魚とか、川みたいに長い巨大イカとか。あと、でくの坊と大クジラの物語もあるよ!それに背中に象が乗ってるおっきなカメのお話も!
パイモン:
カブスはいろんな話を聞いたことがあるんだな!でも、なんでそんなに大海獣に興味があるんだ?
カブス:
大きくなったら、海の冒険者になりたいんだ。大海原へと七回旅立ち、誰も見たことのない島や大陸を見つける!だから、いつかそいつらを倒す時のためにも、大海獣の話を聞いておかないと!
カブス:
ええっ、すげぇ!そいつら、どんなお宝を見つけたの?冒険譚を聞かせてよ!
パイモン:
よくは知らないけど、大海獣についてはこんな話を聞いたぜ…
パイモン:
コホンッ!昔々、海にたくさんの頭を持つ巨大な水蛇がいた!その首の長さは山をも越えるものだった…
「荒波を立て、港を破壊する巨大な水蛇は神の逆鱗に触れた。神は巨大な水蛇を石で海に沈めた」
「長い時を経て、海の底で目覚めた巨大な水蛇は言った。『忌々しい神よ、人間どもよ、絶対に許さん!』」
「『貴様らを家や金銀財宝もろとも海に沈めて、すべて俺様のものにしてやる!』そして雄叫びを上げた。『グオオッ!』」
「巨大な水蛇が頭を持ち上げると、その体は山よりも大きくなり、波は沸騰するかのように荒れ狂った…」
子供を飽きさせないような語り口で、空飛ぶ城でみんなが心を一つにし、多頭の水蛇と戦った話をした。
パイモン:
…ってな感じで、みんなが力を合わせて巨大な水蛇を倒し、町を守ったんだ!
カブス:
へぇ、巨大な水蛇はもうやられちゃったのか。僕が大人になったら、倒してやろうと思ってたのに!
旅人:
その意気だ!
カブス:
へへん、当たり前だろ!僕はイッサムや妹より大きいんだから強くて当然。そうじゃないと二人を守れないしな!
カブス:
お兄さんとお姉さんから話を聞かせてもらう代わりに、自分の知ってることを話すって約束だったもんな。それで、何が知りたいんだ?
旅人:
森に潜む謎の生物について…
カブス:
うーん…不思議な生き物なら森にたくさんいるよ。伝説の駄獣大王は、普通の駄獣とは違って侵入者を襲うらしいぜ!
カブス:
あと悪い子を捕まえるリシュボラン虎のラージャもいる!でも僕はもう大きいから、それがラナお姉さんの脅し文句だって知ってるけどね。
パイモン:
その話もおもしろいけど、オイラたちが知りたいのは真ん丸で植物みたいな精霊のことなんだ。「アランナラ」って呼ばれてるらしいんだけど、知ってるか?
カブス:
うーん…アランナラねぇ…
カブス:
聞いたことないな。でもゲーターキングの話なら知ってるよ!森にめちゃくちゃでっかいワニがいて、何百年も生きてるうちにどんどんずる賢くなったんだって。それである時…
パイモン:
(なんか不自然だな…)
旅人:
(仕方ない…)
パイモン:
へぇ!そんな恐ろしいワニがいるのか、すごいな!カブスはよく森に行くのか?
カブス:
前はよく行ってたけど、もうやめた。僕が森で迷子になったって、大人たちが言ってたから。
旅人:
「大人たちが言ってた?」
カブス:
だって、自分ではなんにも覚えてないんだ。妹のことを相談したくて森にいる友達に会いに行ったんだけど、その後のことは…まったく覚えてない。
カブス:
気づいた時には村にいた。父さんの腕の中にいる僕をみんなが取り囲んで、ケガしてないかとか、水や食べものはいらないかとか聞いてきた。それから、森に行くのは禁止になった。
旅人:
カブス、勝手に出かけたりしたらダメだよ。
パイモン:
ふぅん…でも、カブスの友達は森に住んでるのか?村にいるんじゃなくて?
カブス:
うん。みんなの大好きな友達が、森に住んでるんだ。食べられない果物のこととか、登らせてくれる大樹はどれかとか、いろんなことを教えてくれる。
パイモン:
へぇ、その友達ってどんな人なんだ?
カブス:
あっ…
カブス:
大人には内緒なんだ。僕たちも友達なのに、ごめん。でも妹やイッサムとの約束だから。
パイモン:
(大人には話せない子供同士の秘密なんだな…)
旅人:
(これ以上聞き出すのは無理そう)
パイモン:
そっか、分かった。カブス、いい子は無闇に出歩いちゃダメだからな!
カブス:
分かってるって!スダッベとイッサムの面倒を見るいいお兄さんになるよ。
パイモン:
スダッベはどんな話が聞きたいんだ?
スダッベ:
なんでもいいよ!でも、スダッベはかしこくて強いお姉さんのお話が好き。お姉さんが出てこなくてもいいけど、愛と信念のあるお話がいいな。
スダッベ:
シンナモン姫がトラと一緒に宮殿を飛び出す話みたいな!
旅人:
リクエストが多いな…
パイモン:
うーん…そういうお姉さんの話はあるけど、全部雷元素と関係してるんだよな…
スダッベ:
雷元素は好きだよ。植物をぐんぐん成長させて、果物をいっぱい実らせてくれるもん。
パイモン:
スダッベは物知りだな!うーん、なにから話そう…
パイモン:
うん、リサさんの話でもいっか。いや、違う話がいいかも…
パイモン:
コホンッ!遠い遠い海の果てに、女将軍と巫女がいた。
パイモン:
あっ、それだ!巫女は祭司で、将軍は女王にしよう。そう言ったほうが、スダッベも分かりやすいだろ?
スダッベ:
二人ともお姉さんなの?
パイモン:
そう、両方お姉さんだ!
「昔々、遠い遠い王国に美しく強い女王がいました。のちに戦争が起こり、女王は勝利したものの多くの友人を失いました」
「『ぐすんっ』傷ついた女王は言いました。『公務を手伝ってくれるロボットを作るわ。一生王宮にこもって誰とも付き合わなければ、友人を失うこともない。ぐすんっ』」
「『ビビッ、かしこまりました。業務を開始します』ロボットはそう言って、女王の代わりに国を治めました。その結果、よからぬことを企む輩が暗躍をし、悪事を働こうとしました!」
スダッベ:
待って、祭司のお姉さんは?
「コホンッ、話をちょっと巻き戻そう。女王にはこれまた美しく強い祭司の友人がいました。彼女はずっと宮殿に閉じこもっている女王を心配していました」
「ちょうどその頃、旅人が王国にやってきました。彼と彼の相棒は聡明で勇敢でした」
「祭司は思いました。『くくくっ、旅人たちは腕も立つし、意志も強い。二人が手を貸してくれたら…』」
子供を飽きさせないような語り口で、女王と祭司(二人ともお姉さん)の話をした。
パイモン:
…とにかく、結局、孤独なロボットだけが黙々と仕事を続けることになった。でもそれはまた別の話。
スダッベ:
みんなすごいね!旅人はラナお姉さんじゃないけど、かっこいい。スダッベもそんな大人になりたいな。
パイモン:
大丈夫、絶対なれる!でも、言いつけを守らずに外をうろついて迷子になったりしたら、すごいお姉さんにはなれないぞ。
旅人:
パイモン、手慣れたもんだね。
スダッベ:
うん。スダッベ、いい子にするよ。勝手に外で遊んだりしない。
旅人:
前に迷子になった時、何があったの?
スダッベ:
スダッベ、覚えてないんだ。最初、森で薬の材料を探してたんだけど…
パイモン:
薬の材料?
スダッベ:
うん、アルフォンソさんが言ってたの。おじいちゃんの目がよくなる薬があるって。おじいちゃんは目が悪いから、誰かが来てもよく見えないんだ。
旅人:
アルフォンソに行けって言われたの?
スダッベ:
ううん、アルフォンソさんはダメって言ってた。でもスダッベはおじいちゃんを助けたいから、こっそり森に行ったの。その後のことは覚えてないんだ。
パイモン:
なんにも覚えてないのか?
スダッベ:
うん、気づいた時にはお家にいた。みんな心配してたってお兄さんが言ってたよ。スダッベが悪いんだ。だから、もう黙って森には行かない。
パイモン:
そっか、いい子だな。森と言えば…
旅人:
森に潜む謎の生物について…
スダッベ:
スダッベ、知らない!
パイモン:
ん?やけにはっきり言うな…?
スダッベ:
「謎の生物」ってなんのこと?スダッベ、そんなの知らない。知らないことは話せないよ。ごめんね、お兄さん、お姉さん。
パイモン:
うーん…それもそうだけど、とりあえず話だけでも聞いてくれ!丸くて、植物みたいなちっちゃな精霊…
スダッベ:
丸くて植物みたいな…あっ!
パイモン:
どうした?なにか思い出したのか?
スダッベ:
ううん…ほんっとにわからないよ!
パイモン:
はぁ…そっか、残念だ。ラナも「アランナラ」のことを知りたがってたのになぁ!
スダッベ:
え?ラナお姉さんも知りたがってたの?それなら…
パイモン:
そうなんだよ。それに物語に出てきた祭司のお姉さんも言ってただろ。「くっくっくっ、ひねくれた子供のように、ただ口を閉じていてはならん!」ってさ。
旅人:
「くっくっくっ!」
スダッベ:
うん…分かった。祭司のお姉さんと女王様は確かに仲がいいもんね。
スダッベ:
でもね、その二人がお互いを信じてるのと同じように、ラナお姉さんもスダッベを信じて、スダッベが話そうとしない理由を分かってくれると思う。
スダッベ:
スダッベが大きくなっていろんなことを分かるようになったら、ラナお姉さんや二人に話すね。今はまだその時じゃないから。
旅人:
元気にすくすく育ってね。
スダッベ:
うん!お兄さん、ありがとう!
パイモン:
じゃあ、この話はもう終わりにしようぜ。スダッベも好き勝手出歩いちゃダメだぞ。
スダッベ:
うん!お話おもしろかったよ。ありがとう。スダッベも祭司のお姉さんみたいにかしこくて、きれいで、強い人になるから!
スダッベ:
それで、ラナお姉さんをお嫁さんにするの!
パイモン:
うーん、あいつら、謎の生き物のこと知ってるみたいなのに教えてくれなかったな…
パイモン:
まったく、子供相手になに考えてるんだよ!大人には知られたくない、子供同士の秘密ってだけだろ。
パイモン:
スメールにはしばらくいることになりそうだし、ゆっくり探ろうぜ!
ラナ:
ただいま!どう?楽しく遊べた?
イッサム:
うん!お兄さんとお姉さんが物語を話してくれたんだ。ラナお姉さん、巨龍って人を食べないんだね!
ラナ:
へぇ、そうなの?ならよかった。いつか龍が飛んできて、あなたたちをガブッて食べちゃうんじゃないかと心配してたのよ!
子供たち:
ええっ!
パイモン:
お話するのも楽しかったぞ!
旅人:
同感。
ラナ:
さて、そろそろご飯だから帰りましょう。イサファットさんが、今日はいいものを釣りあげたって!
カブス:
ラナお姉さんも一緒に食べよう!お兄さんとお姉さんもおいでよ!
ラナ:
私たちはまだ用があるから、やめておくよ。
スダッベ:
ラナお姉さんと一緒に食べたかったな…
ラナ:
また今度ね!ほら、急がないとイサファットさんに全部食べられちゃうわよ!
子供たち:
うん!ラナお姉さん、二人ともバイバイ!
ラナ:
イッサムは残って。話があるの。
ラナ:
イッサム、私はあなたが心配なの。近ごろ森はすっかり変わってしまったでしょ。動物は狂暴になったし、キノコンも増えた。死域もそう、どんどん外に侵出してる。
ラナ:
しばらくは森にキノコ狩りに行っちゃダメだからね。いい?
イッサム:
大丈夫だよ。どこが安全でどこが危ないかぐらい知ってるもん。それに星茸はおいしいでしょ。ラナお姉さんも外で大変な思いしてるし、食べて元気ださなきゃ。
ラナ:
ダメ。ジェイットさんだって心配してるの。いい?私が外で何が起きてるか確かめるまで、一人で勝手に出かけないこと。
イッサム:
…はぁーい。
ラナ:
うん、イッサムはいい子ね。将来きっと素敵な男性になるわ。さあ、もう行って。カブスたちとご飯を食べてらっしゃい。
イッサム:
うん、分かった。
ラナ:
ふぅ…あの子たちが無事に育ってくれればいいのですが。
ラナ:
旅人、あの子たちをどう思います?
旅人:
前にもっと手に負えない子がいた…
ラナ:
なるほど。何はともあれ、あの子たちが無事に育ってくれればいいのですが。
ラナ:
実は森のパトロールがまだ終わってないんです。次は西に行かないと。それに…
ラナ:
申し訳ないのですが、旅人、パイモン、一緒に来てくれませんか?
パイモン:
え?なんでだ?
ラナ:
先日、そこで死域を見つけたんです。ただ、人手不足で処理ができなくて。子供たちがそこに行ったらと思うと心配なんです。よかったら手を貸してもらえませんか?
ラナ:
お願いします。なんのお礼もできず申し訳ないのですが…
旅人:
それ、いい斧だね。もらっても?
パイモン:
おいっ!今のは冗談だからな。お礼なんていらないぞ!な、旅人?
ラナ:
いいんですか?ありがとうございます!色々手伝っていただいて、なんとお礼を言ったらいいか…
パイモン:
へへっ、困ってる人を放っておけないタイプだからな。
ラナ:
では、行きましょうか。
イッサム:
巨龍は人とか駄獣は食べないんだ…今度アルフォンソさんに教えてあげよう…
カブス:
大きくなったら、シンバダックスみたいなすごい海の探検家になるんだ!
スダッベ:
おっきくなったら、強くてかしこくてきれいな女の人になって、ラナお姉さんをお嫁さんにもらうの。
アルフォンソ:
上からの任務は…やりたくない…一体どうすれば…もし村の子供たちや…ラナに…
旅人:
(そっと離れよう。)
ジェイット:
あやまぁ、ラナが連れてきたお客様ね。どうぞどうぞ。
ジェイット:
ヴィマラ村は何もないけれど、静かでいいところよ。どうぞゆっくりしていって。
バハラーム:
よく来てくれた。お客様が来てくれて、子供たちも喜んでるよ。
アルフォンソ:
旅人、ヴィマラ村へようこそ。ここではみんな家族みたいなもんだ。ここに残ってくれたら、イッサムたちは君を本当のお兄さんみたいに思うだろうな。
旅人:
俺の名前を知ってるの?
アルフォンソ:
…さっきラナが紹介してただろ。とにかく、村の生活を楽しんでくれよな。
ラナ:
旅人の準備ができたら、出発しましょう。
ラナ:
はい!西に少し行ったところになります。
ラナ:
私の最大の強みは、誰にもバレずにこっそり抜け出せるところなんです。子供の頃からこうやって遊びに行ってたので…
ラナ:
あ、話を戻しましょうか。旅人の準備ができたら、出発しましょう。
ラナ:
はい!西に少し行ったところになります。
ラナ:
旅人の準備ができたら、出発しましょう。
ラナ:
はい!西に少し行ったところになります。
ラナ:
旅人、私はこの辺で見ていますね…もし耐えられなくなったら、死域から離れて休むか、助けを呼んでください。必ず駆けつけますから。
思いついたことを、子供たちにも興味を持ってもらえるようなバージョンにまとめるために、パイモンと大変苦労した。子供たちが物語を満足してくれて、本当に良かった。子供たちの「不思議な生物」に対する態度は怪しかったが、今のところは深掘りする時ではない。次は、ラナと一緒に死域を片付けよう。なにがなんでも、ヴィマラ村の子供たちが安全に遊べるようにするのが最優先事項である。
ラナ:
ふぅ、たまにこうやって体を動かすのも悪くないですね。これで少しは状況も落ち着くでしょう。
ラナ:
それに旅人の戦いぶりを見て、色々勉強させてもらいました!フットワークといい、攻撃のタイミングといい…
ラナ:
経験豊富な旅人さんは、やっぱり違いますね!本当にすごかったです!
ラナ:
本当に助かりました。ところで旅人、体調は?死域をたくさん処理して、気分が悪くなったりしてませんか?めまいとか吐き気とか…
旅人:
大丈夫。大したことない。
ラナ:
ここです。
パイモン:
端っこにある丸い…あの「ちっちゃな家」みたいなやつはなんだ?
ラナ:
あれは…由来は分かりませんけど、スメールの森ではよく見かけるものなんです。たぶん遺跡か何かでしょう。
ラナ:
変ですね。改めてそう言われると、あの家とその「住民」に見覚えがあるような…誰だったか…サティアワダライフの学者でもないし…
ラナ:
いえ、それは置いといて旅人、パイモン、ちょっと待っててくださいね!キャンプの片付けをした後に、火を起こして食材の準備をしますので。
パイモン:
オイラたちも手伝うぞ!
ラナ:
いえいえ、それはいけません!私が死域の処理をお願いしたんですから…
パイモン:
まあまあ、レンジャー長の日常生活を体験するってことでさ!ラナ、オイラたちはなにをすればいい?
ラナ:
パイモンがそう言うなら…えっと…じゃあ薪を集めてください!
パイモン:
木を切ればいいんだな?お安い御用だ。旅人、任せたぞ。
旅人:
乾燥した小枝を拾ったほうがいいかも…
ラナ:
そうですね。さすが旅人、きっといいレンジャー長になれますよ!
パイモン:
そうなのか?ふむ…よし行こうぜ、旅人!
ラナ:
お帰りなさい!こっちの片づけも大体終わりました。
パイモン:
ラナ、これだけあれば足りるか?
ラナ:
はい、余裕です!
ラナ:
あっ、そうそう!キャンプをする時、ここでは「たき火の点火」を一番偉い人にお願いするのが習わしなんです。
パイモン:
ここはオイラたちに任せろ!
キャンプの保管物資と道中で採った食材を使って、ラナが濃厚で美味しいカレーを作ってくれた。
パイモン、ラナと一緒にお腹いっぱい食べた。
残った分は容器に入れて、あとでまた食べよう。
ラナ:
…ふぅ、おいしい。働いた後のカレーはまた格別ですね。
パイモン:
オイラはそんなことにこだわるほどケチじゃないぞ!
パイモン:
でもカレーがあんまりにもいい匂いだから、小動物とかヒルチャールが寄って来ないか心配だな。
ラナ:
「カレー~カレーの香りは~子供たちが帰るサイン~♪」
ラナ:
これはスメールの童謡です!カレーは好きな食材や香料を入れて、それぞれの家庭で自由に作るもの。だから、各家庭にはオリジナルの味があるんです。
ラナ:
私も子供の頃、カレーの香りがすると、これは自分ちの匂いだなって分かったものです。
ラナ:
でも大人になると、みんな同じように思えてきまして。どこの家のカレーか分からなくなってしまいました。
ラナ:
もちろん。カレーの香りがしてくると、もうご飯の時間だ、家に帰らなきゃって気持ちにはなりましたよ!
パイモン:
「カレーの香り~♪」
旅人:
「子供たちが帰るサイン~♪」
パイモン:
旅人が作るのは、またちょっと違う匂いだよな!
ラナ:
へえ、そうなんですか?私も食べてみたいです!
旅人:
別にいいけど…
パイモン:
でも、さっきカレーをお腹いっぱい食べたばかりだからな。また今度にしようぜ!
ラナ:
そうだろうね…
パイモン:
それはそうと、なんで火を起こすのに枝を拾わなきゃいけないんだ?木を切るんじゃダメなのか?木に触れると草神の祟りがあるとか?うわぁ…旅人、どうしよう!
ラナ:
違いますってば!生木は水分が多くて火がつきにくいんです。それに草神様はそんなに心が狭くありません!
ラナ:
でもスメールの指導者も、森の民である我々は自然や森を大事にせねばならないと教えています。私たち、それに森に住む鳥や獣、そして…
ラナ:
……
ラナ:
「最後、森はすべてを記憶する」。
ラナ:
「…大人になって忘れてしまっても構わない。森はすべてを記憶する」。
旅人:
「森はすべてを記憶する」?
パイモン:
あれ…ラナ、どうしたんだ?
ラナ:
え?ああ…さっき一瞬、何か思い出しかけたんです。ずっと忘れてた優しくて懐かしい思い出。でもはっきりしなくて…あの言葉だけが…
ラナ:
ああ、もうっ!くしゃみが出そうで出ない時みたいにイライラします!
パイモン:
無理に思い出そうとすると、逆効果かもしれないな。
パイモン:
しばらくほっといたら、別のことをしてる時に「はっ」と思い出すかもしれないぜ!
ラナ:
そうですね。この間は村で子供たちの面倒を見てくださって、ありがとうございました。あの子たちは私の弟や妹みたいな存在なんです。
ラナ:
一番大きいのがカブス。あの子は船で世界を旅するのが夢なんです。スダッベはカブスの妹で、何かっていうと私をお手本にしたがるんです。なんか照れちゃいますよね、あははっ。
旅人:
別にいいと思うよ。
ラナ:
あと、ちょっと心配なのがイッサム。あの子は村に捨てられていたところを、ジェイットばあちゃんに拾われたんです。
パイモン:
え?じゃあイッサムは…
ラナ:
はい、あれはまだ私が子供だった頃のことでした。村に泊まっていた外国の夫婦が小さな子を残して、姿をくらましたんです。
ラナ:
最初はすごく心配でしたけど、今ではカブスたちと本当の兄弟みたいなんです。アルフォンソも本当のお兄さんみたいにあの子の面倒をよく見てくれてます。
旅人:
この間、子供たちと話した件について…
パイモン:
そういえば、この前あいつらに物語を話したとき聞いたんだけどさ…
旅人:
「アランナラ」の件…
ラナ:
ああ、前に言ってた丸くて植物みたいな精霊のことですか…
パイモン:
ああ…あいつらは知らないって言ってたけど、明らかに「アランナラ」のことを隠してる感じがしたんだよな。
ラナ:
うーん…それについては私も詳しくないんですけど、とりあえず知ってることを話しますね。まず外見はさっきおっしゃったように丸くて、植物に似ています。
ラナ:
広大で鬱蒼としたスメールの森は、巨大な野獣のように常に変化しています。だから旅人だけでなく、現地の人間も迷子になるんです。
ラナ:
そういう森ですから、奇妙な生き物の伝説は無数にあります。その中で一番有名なのがアランナラです。アランナラというのは、「森の民」という意味だそうです。
ラナ:
アランナラは草の神の眷属で、森を守り、樹と人間の橋渡しをするのが仕事です。彼らは「夢の世界に入る」能力を持っていると言われています。
ラナ:
…でも、スメールの人間は滅多に夢を見ません。
パイモン:
なんだか不思議な話だな!
ラナ:
ええ。あの子たちは大人に話したがりませんけど、アランナラの伝説はお気に入りみたいです。もしかすると森で遊んでる時に、アランナラを見たのかもしれませんね。
ラナ:
子供って、何かと大人に隠しごとをしたがりますよね。でもあの子たちがすくすく育って、強く優しい正直な大人になってくれさえすれば、それで十分です…
旅人:
それと「迷子」の件について…
ラナ:
ああ、その件ですか…あれ?何か手がかりがつかめたんですか?
パイモン:
いや、オイラたちも心配だから、聞いてみたんだ。子供たちは森で遊んでたはずなのに気づいた時にはヴィマラ村にいて、なに一つ覚えてないって言ってた。
ラナ:
ええ、カブスもスダッベもそうです。行方不明になった数日後に、突然村に戻ってきました。姿を消した時はみんな死ぬほど心配して、アルフォンソも捜索隊を作ったほどで…
ラナ:
くすっ…
パイモン:
ラナ、どうしたんだ?
ラナ:
今思い出すと、おかしくて。カレーの話をしましたよね?アルフォンソは、森に入る捜索隊にカレーを持たせたんです。子供たちに匂いが届くようにって。
ラナ:
とりあえず、カブスとスダッベは自力で帰って来たんです。それに加えて「記憶喪失」ですから、とにかく怪しくて…
ラナ:
それで私も子供たちを危険から守るために、森林パトロールに力を入れることにしました。まだ迷子になっていないのはイッサムだけ。だから絶対あの子を守りたいんです。
旅人:
アルフォンソについて…
パイモン:
あっ、そういえば…アルフォンソはヴィマラ村ですごく頼りにされてるんだろ!捜索隊も作ったし、子供たちもあいつの話をいつもしてる…
ラナ:
ええ…子供たちにとってはお兄さんみたいな人ですから。数年前に彼が村に来てからは、家族同然の付き合いをしてきました。
ラナ:
彼が言ってました。自分もイッサムも家族がいないから、ここを実家だと思うことにするって。イッサムも彼を実のお兄さんみたいに慕ってます。
パイモン:
そうだったのか…
ラナ:
旅人とパイモンがヴィマラ村に残ってくれたら、お兄さんとお姉さんが増えたってみんな喜ぶと思いますよ!
ラナ:
前にも言いましたけど、レンジャー長になって一緒に森をパトロールしませんか?どうです?
旅人:
人を捜すために旅をしてる途中だから…
旅の目的をラナにざっくり説明した。
ラナ:
なるほど。お気持ちはよく分かります。私にも親友がいるんですが、いつの間にか行方知れずになって。でも結局は…
ラナ:
あっ、余計な話をしてしまいました。金髪の少女を捜してるんですよね?…どこかで聞いたことがあるような…うーん…
ラナ:
…ダメだ、思い出せません。金髪の少女の話に聞き覚えはあるんですが…黄金みたいな…確かナラなんとかっていう…
パイモン:
(ラナは記憶力がいまいちみたいだな)
旅人:
(大人になるとみんなそうなる)
パイモン:
ラナ、無理しなくていいぞ。オイラも村の子供たちがすくすく育つよう祈ってるぜ。
ラナ:
はい。でもパイモンと旅人に会えて本当によかったです。子供たちもきっとそう思ってるんでしょうね。
ラナ:
強くて優しくて…その上、子供たちのことまで心配してくださって嬉しかったです。人捜しの件は、私も気にかけておきますね!
ラナ:
旅が終わったら、またスメールに来てください。一緒に森をパトロールしましょう!
旅人:
……
ラナ:
ええ、よく考えてみてください。もう少し早くお二人に出会えてたらよかったのに…
パイモン:
へへっ、なんだか照れちゃうな。
ラナ:
すぅ…
旅人:
(寝ちゃったみたい。)
パイモン:
(座ったまま寝たぞ!レンジャー長は特殊な訓練でも受けてるのか?)
パイモン:
(疲れたんだろう。ふふん、体力ではオイラたちの勝ちだな。おまえも休むか、旅人?)
旅人:
(うん。ちょっと仮眠する。)
パイモン:
(ああ、ゆっくり休め。)
ラナ:
ここの物資、薪以外は足りているようですね…あっ、旅人、お帰りなさい!薪を集めてきましたか?
旅人:
まだ…
ラナ:
いえ、大丈夫です。私がやりますので、ゆっくり休んでてください!キャンプの片付けが済んだら、行ってきますね!
ラナ:
分かりました。ではお願いしますね。
ラナ:
あっ、旅人。お帰りなさい!心配したんですよ…
ラナ:
パイモンと二人で逃げたのかと思いました…それか最悪の事態が起きて、前にやっつけたワニに報復のためにさらわれたのかもって心配で…
パイモン:
ワニってそんなに恐ろしいヤツなの!?おまえが寝てる間に、別の用事を済ませに行っただけなんだけど…
ラナ:
いつの間にか寝てしまってて、ごめんなさい…
ラナ:
そんなに疲れてはないんですけど、お腹いっぱい食べて安心したらいつの間にか…
ラナ:
オホン!ここでレンジャー長の豆知識をひとつ。時々森で迷子の捜索をするんですけど、見つけたら必ず消化の良いものを食べさせてあげないとダメなんですよ。
ラナ:
消化には体力を使いますし、満腹になると眠くなりますから…と、教令院の学者が言ってました。
ラナ:
旅人とパイモンは、休んだんですか?昨日は大変でしたし…
旅人:
赤ちゃんみたいにすやすや寝たよ。
パイモン:
おう!心配いらないぞ!
ラナ:
それならいいですけど…昨日は本当にありがとうございました。お二人がそばにいてくださると、安心です。
パイモン:
ふふんっ、旅人は頼りになるだろ!ラナは今日どんな仕事をするんだ?
ラナ:
えっと…仕事も片付いたことですし、村に帰りましょう。途中で異変がないか見ながら行きましょうね。
パイモン:
了解。しゅっぱーつ!
ラナ:
キャンプをする時、ここでは「たき火の点火」を一番偉い人にお願いするのが習わしなんです。
ラナ:
暗黒の時代では、火の光は温かさと勇気を象徴していたと言われていたようです。
旅人:
暗黒の時代?
ラナ:
ええ、私たちの起源です。昔々、森には真の虎がいて、最初のレンジャーは森林王の御苑を守る近侍だったらしいです。
ラナ:
その後、カーンルイアが災難に見舞われました。それが暗黒の時代です。
ラナ:
ただ、災難のせいで多くの文献が消えてしまいました。何があったのか、その真実を知るすべはありません。私も真の虎を見てみたかったのですが。
ラナ:
死域は危険です。耐えられなくなったら、必ず死域を離れて休んでくださいね。
ラナ:
ふぁ——よく寝た!いつの間にか眠ってしまってすみません、えへっ…
ラナ:
そんなに疲れてはないんですけど、お腹いっぱい食べて安心したらいつの間にか…
ラナ:
オホン!ここでレンジャー長の豆知識をひとつ。森で迷子を見つけたら、必ず消化の良いものを食べさせてあげないといけません。
ラナ:
消化には体力を使いますし、満腹になると眠くなりますから…と、教令院の学者が言ってました。
ラナ:
旅人とパイモンは、休んだんですか?昨日は大変でしたし…
旅人:
赤ちゃんみたいにすやすや寝たよ。
パイモン:
おう!心配いらないぞ!
ラナ:
それならいいですけど…昨日は本当にありがとうございました。お二人がそばにいてくださると、安心です。
パイモン:
ふふんっ、旅人は頼りになるだろ!ラナは今日どんな仕事をするんだ?
ラナ:
えっと…仕事も片付いたことですし、村に帰りましょう。途中で異変がないか見ながら行きましょうね。
パイモン:
了解。しゅっぱーつ!
パイモン:
うん、これだけあれば足りるだろ!
パイモン:
ラナのところに戻ろう!
ラナ:
ここです。子供の頃、よくこの道を通ってあの川へ遊びに行きました。
ラナ:
近ごろ死域の発生スピードが速すぎて、ティナリ先輩たちも処理が追い付いていないんです。だから、あなたが来てくれてほんとに助かりました。
旅人:
任せて。
ラナ:
はい。前に死域を手際よく処理されてるのは見ました。でもやはり危険ですから、休む時は死域から離れてくださいね。
ラナ:
旅人がいてくれてよかったです。でも、あまり無理しないでくださいね。
ラナ:
すぅ…人捜しの手伝い…カレー…
ラナ:
この死域、拡大してますね…
ラナ:
とにかく、この間と同じようにお願いしますね、旅人。くれぐれも無理はしないでください…
ラナ:
旅人、ありがとうございます。
ラナ:
自然を守るのもレンジャー長の仕事です。近ごろ死域の影響か、ワニの動きが活発に…いえ、凶暴になったというべきでしょうか。
ラナ:
他の動物の縄張りを荒らしたり、発生スピードが速くなったり…このままだと子供たちに危害が及んで、森の生態系にも悪影響が生じるかもしれません。
ラナ:
今回のターゲットは死域ではないので、私にも出番がありそうです。ふふっ、旅人、私に任せてちょっと休んでてください。
パイモン:
オイラたちも手伝うぞ!
ラナ:
いいんですか…?やった!ついに旅人と一緒に戦えるんですね。
ラナ:
ここです。子供の頃、よくこの道を通ってあの川へ遊びに行きました。
ラナ:
近ごろ死域の発生スピードが速すぎて、ティナリ先輩たちも処理が追い付いていないんです。だから、あなたが来てくれてほんとに助かりました。
旅人:
任せて。
ラナ:
はい。前に死域を手際よく処理されてるのは見ました。でもやはり危険ですから、休む時は死域から離れてくださいね。
ラナがマークした死域が除去されたし、スピノクロコの問題も解決した。これでヴィマラ村の子供たちを心配しなくてもいいはずだ。ラナと一緒に帰ろう。
ラナ:
一緒に来ていただいて助かりました。でも付近の死域の拡大傾向については、ティナリ先輩に報告しなければなりません。
パイモン:
んん?あれは…村の子供じゃないか?
ラナ:
え?イッサム!待ちなさい!
ラナ:
イッサム…どうしてこんなことに…
イッサム:
うえーん、ラナお姉さん…お兄さん…
パイモン:
あれ?イッサムがなんで…死域に…それに魔物がいっぱいいるぞ…
ラナ:
……
ラナ:
まずい…もう時間がない…
ラナ:
ああ、もうっ。旅人、お願いです!一緒に戦ってください!
ラナ:
イッサムはそこでじっとしてて!いま助けに行くからね!
ラナ:
ふぅ…ふぅ…やっと終わった…
イッサム:
ラナお姉さん…ぐすっ…
ラナ:
イッサム…男の子なんだから泣かないの。ほら…お姉さんは死域での感覚を…教令院の学者たちに伝えて…それで死域を消してもらえば…
ラナ:
それに…見たでしょ…ラナお姉ちゃんが戦う姿、ううん…旅人お兄ちゃんが戦うところを。彼にちゃんとお礼を言うのよ…
パイモン:
ラナ…
パイモン:
ラナ、とりあえず休んだほうがいいぞ…
ラナ:
あ…ははっ…大丈夫ですから。ちょっと疲れてめまいがしただけです…
イッサム:
ラナお姉さん…ごめんなさい…
ラナ:
な…なに言ってるのよ。イッサムはトラの子なんだから、泣いちゃダメ!怪我はしてない?気分は…?めまいがするとか、だるいとか…
イッサム:
おれは大丈夫。でもラナお姉さんが…
ラナ:
平気だってば…私、こう見えても百戦錬磨のレンジャー長なんだから。さ、行きましょう!
ラナ:
私のことはいいから…みんな早くここを離れて。
ファデュイの士官:
…貴様ら、何者だ?俺たちの邪魔をするなら許さんぞ。
ラナ:
ふんっ、そっちこそ誰よ!私はここのレンジャー長。行方不明になった子供を捜してるの。あなたたちこそ名乗りなさい!
ラナ:
へぇ?あなたたちがアルフォンソの言ってた「ファデュイ」?ここに来た理由を説明して。
ファデュイの士官:
アルフォンソ…?まぁいい。貴様ら、五体満足で帰れると思うなよ!
ラナ:
まったく、話すだけムダみたいね!
ラナ:
旅人、あなたがいてくれてよかった…
ラナ:
アルフォンソの言ってた通り、ファデュイは確かに危険ですね…
ラナ:
——この話はまた後で。イッサムは洞窟のもっと奥にいるはずです。行ってみましょう。
アルフォンソ:
イッサム?なんで…それに旅人まで…
パイモン:
緊急事態だから、手短に話すぞ…
経緯を簡単に説明した。
アルフォンソ:
…分かった。イッサムは、とりあえずゆっくり休んでろ。
イッサム:
うん。アルフォンソさん、ごめん…
アルフォンソ:
無事ならそれでいい…旅人、ちょっと待っててくれ。薬の用意ができたら、すぐ行くから。
旅人:
時間がない。この場所まで来て。
パイモン:
ああ。オイラたち、急いでラナの様子を見に行かないと…
アルフォンソ:
ちょ、待ってくれ…
パイモン:
…あれ?確かにここのはずなのに…
パイモン:
ラナ!聞こえるかー?
パイモン:
反応がない…うぅ、どういうことだ!
パイモン:
ん…?この痕跡は…
パイモン:
とにかく跡を追ってみよう…もしかすると、ラナが残した手がかりかも。
ラナ:
……
パイモン:
おーい、ラナ!聞こえるかー?
ラナ:
……
パイモン:
一体どういうことだ…これ、前にイッサムとラナが言ってたラン…なんとかってやつか?
パイモン:
あっ、そうそう、それだ!マラーナの侵蝕を止められるとかいう…
???:
そう、ナラはかしこい。アランラカラリはマラーナを止められる。
パイモン:
うわっ!
???:
わわっ!
旅人:
この前、見たやつかな…
パイモン:
もうっ…びっくりさせるなよ!野菜がしゃべったのかと思ったぞ…
アランラナ:
野菜じゃない、アランラナ。アランラナは友達で、アランナラだ。
旅人:
「アランナラ」…
パイモン:
え?いまアランナラって言ったか?そう言われてみると、前に見たような…
旅人:
「アランラナ」…
パイモン:
この間、イッサムと話してた時にその名前を聞いたような…
アランラナ:
そう、ナライッサムはアランラナの友達。
アランラナ:
アランナラは森の子供。木と一緒に暮らしてる。キミやナラ旅人とは違う。キミはタンポポの子供みたいに、ずっと旅をしてる。
パイモン:
なんで旅人の名前を知ってるんだ?
アランラナ:
それはどうでもいい。でも、アランラナがナララナを助けるのは大事。
旅人:
ナララナって…言いにくいな…
パイモン:
ラナを助けたいのか?オイラたちは、なにをすればいいんだ?
アランラナ:
ありがとう。キミたちはいいナラだ。カノジョはアランラナの大切な友達。だから、アランラナはカノジョを守る。
アランラナ:
でも、それだけじゃ足りない。ナララナを治すには、「ビージャの実」がいる。ナラ旅人は「ヴァナラーナ」に行って、みんなに「ビージャの実」を集めさせて。
旅人:
「ビージャの実」…
アランラナ:
ナララナはマラーナに侵蝕されて重傷。悪い虫が木の根を食べる。木は枯れて死ぬ、果実は腐る。
アランラナ:
ナラの命は木、悪い虫はマラーナ。「ビージャの実」だけが、ナララナを元通りにできる。
パイモン:
えっと…つまり「ヴァナラーナ」という場所に行って、「ビージャの実」を手に入れろってことか。それでラナを治せるんだな?
アランラナ:
うん。
旅人:
それでラナの容態は…
アランラナ:
心配いらない。アランラナはここで、マラーナの侵蝕を止める。だから、悪くはならない。
アランラナ:
でも、「ビージャの実」がなかったら、よくもならない。
アランラナ:
「森の軌跡」に沿って、水の通り道をまっすぐ行く、そしたら「ヴァナラーナ」に着く。
アランラナ:
それと、歌をうたう。
旅人:
歌?
旅人:
(脳裏にあるメロディが浮かんだ…)
アランラナ:
「大夢のメロディー」だ。これを歌えば、すぐに「ヴァナラーナ」に行ける。
アランラナ:
ボクたちの夢、ボクたちの世界に入れる。
ラナ:
ごめんなさい…旅人、パイモン。少し休ませて…イッサム、ちょっと待っててね。
パイモン:
ラナ、ほんとに大丈夫なのか…
旅人:
助けを呼んでくる…
ラナ:
いえ、大丈夫です…ちょっと、休めばよくなりますから…
イッサム:
ラナお姉さん、ごめん…ごめんなさい…
ラナ:
もう…大丈夫だって言ってるでしょう。でも、お姉ちゃんは怒ってるんだからね…
ラナ:
約束したはずでしょ…森には入らないって。私が元気になったら、言うことを聞かなかった罰にお仕置きしちゃうんだから…
イッサム:
ううっ…アルフォンソさんからこの辺におっきなキノコがあるって聞いて、お姉さんに食べさせてあげようと思ったんだ。そしたら元気になるかなと思って…
ラナ:
まったく…余計なお世話よ。私はみんなの顔を思い浮かべるだけで、元気になれるのに…
ラナ:
でも、ふふっ…ここのキノコ、ほんとに大きいね…カレーに入れたらおいしいだろうなぁ…
旅人:
アルフォンソに言われて来たの?
イッサム:
ううん…アルフォンソさんには、勝手に外に出るなって言われた。でもおれはお姉さんにおいしいものを食べさせたくて…それで…
ラナ:
アルフォンソがそんなことするはずないですよ。彼はイッサムのお兄さんなんですから…
パイモン:
そうだな…でも、イッサムはなんで死域に閉じ込められたんだ?
イッサム:
森の中で誰かにつけられてる気がしたんだ…「マラーナの化身」かと思ったら怖くなって…それでひたすら走って…ぐすっ…
イッサム:
そしたら「マラーナ」の中に…
パイモン:
?
ラナ:
死域のことです。
イッサム:
うん…そう、死域。
旅人:
「マラーナの化身」って?
イッサム:
うん。マラーナの代わりに地上で悪事を働く…黒くて、おっきなやつ…
パイモン:
マラーナって…変な名前だな。
ラナ:
ええ。でもなんで私、マラーナが死域だって知ってたんでしょう…?うっ…頭がくらくらする…
ラナ:
イッサム、さっきの緑色のは何?
イッサム:
……
イッサム:
「アランラカラリ」…マラーナに侵蝕されないように人間を守ってくれるんだ。
旅人:
理解不能なものがどんどん出てくる…
ラナ:
それは…森の「魔法」であり「音楽」…それはラン…
旅人:
それって?
パイモン:
ラナ、とりあえず余計なことはいいから、ゆっくり休んどけ。
ラナ:
もうちょっとで思い出せそうなのに…
イッサム:
ラナお姉さん、ほんとにごめんなさい…もう勝手に出歩いたりしない。おとなしく家にいるから…
ラナ:
うん、分かった。イッサムは賢くて、元気で、正しいことと悪いことをちゃんと判断できる人間になるんだよ…キノコが食べられるかどうか見分けられるみたいにね…
イッサム:
うん…分かったよ…ごめんなさい…
ラナ:
「マラーナ」は悪で、森は善…強くて正直で、困ってる人を助けられる人になって…旅人やパイモンみたいに…
ラナ:
それから、忘れないで…森はすべてを記憶する…
パイモン:
マズいぞ。ラナの容態が悪化してる!
旅人:
助けを呼びに行こう。
ラナ:
え…?ううん…大丈夫…少し休めばよくなりますから…
ラナ:
旅人、お願い…私の代わりにイッサムを家まで送り届けて…
パイモン:
ああ、イッサム行こう。ラナ、すぐ帰ってくるからここでじっとしてろよ!