arrow_back 原神 クエスト
華々しき流年 其の三
彩を集めし流星、人生の春に刻むべし
任務一覧
予期せぬ花火の窃盗事件により、刻晴はますます忙しくなってしまったようだ…
行秋:
心配せずとも、軽策荘に一切危険はない。重雲が外側、僕が内側を見張っているから、何も問題は起きないだろう。
刻晴:
ええ。私の調査にも進展があったわ。
行秋:
もう行動を起こすのかい?
パイモン:
一緒に行動しようぜ!
刻晴:
旅人、パイモン、ちょうどいい時に来てくれたわね。
刻晴:
ここ最近、いろいろと捜査をして、宝盗団に関する手がかりを見つけたわ。車輪の痕跡に加え、花火を包装していた紙くずを路上で少し見つけたの。
刻晴:
その手がかりをたどって行くことで、失われた貨物は見つけたけど、宝盗団のメンバーはいなかった。
旅人:
逃げたのかな?
刻晴:
逃げるというより、油断していたようね。あそこは彼らが盗品を置く拠点だと思う。彼らはその場所が見つからないと過信し、見張りを手配しなかったのでしょう。
刻晴:
そこには花火が大量にあったわ。たぶん、軽策荘の分だけじゃないわね…他の場所に設置した花火も盗み、すべてそこに置いているのでしょう。
刻晴:
軽策荘に駐在していた千岩軍に、総務司への報告を頼んだわ。すぐに総務司が人員を招集し、その場所を中心に捜査を展開する予定よ。
パイモン:
千岩軍に知らせたんなら、刻晴が直接行かなくてもいいんじゃないか?
刻晴:
宝盗団はいつも狡猾よ。遊撃隊を他に配置している可能性があるわ。もし彼らが異変を察知して花火を他の場所へ運べば、手がかりは途絶えてしまう。だから、きちんと目を光らせておかないと。
パイモン:
も、もしかしておまえ、相手の数が多くなかったら、自分一人でそいつらを倒しに行くつもりじゃないよな?
刻晴:
ふふ、そんな無謀な方法は私のやり方じゃないわよ。私はただ、偵察の仕事をするだけ。
刻晴:
でも、今は君たちの助けがあるし、その考えも決して無理じゃないでしょうね。
パイモン:
おいおい、本気かよ!?
旅人:
(一人で行かせてはならない。)
刻晴:
ええ。ではさっそく出発しましょう。
行秋:
賊の対処には、くれぐれも気をつけてくれ。
刻晴:
あの宝盗団は、花火を確認するために戻ってきたようね。
刻晴:
二人とも、隠れて、ここで様子を見ましょう。
修永:
お頭、花火はこれぐらいで足りますかね?
興修:
なに言ってんだ!こんなんで足りるわけないだろう!
修永:
しかし、お頭…花火をこれ以上用意するには、城内に行って盗むしかないですよ!
興修:
ふむ…だったら、光らなくてもいい、音が出るものを用意しろ…たしか、爆竹といったか?あれを持って来い!
興修:
俺たちの目標は、できる限り大きな騒ぎを起こすことだ!
興修:
すべての千岩軍の注意を引けば、野郎どもも行動しやすくなる。分かったか?
修永:
分かりやした!お頭は本当に頭がいいっすね!へへ、今回こそはがっぽり稼げますよ!
修永:
しかしお頭、野郎どもがみんな出払ってる今、ここに残った人数じゃ…ちょっと心許ないんじゃないですか…?
興修:
その点は心配するな。海灯祭では色んな催しがある。千岩軍は今ごろ忙しくしてることだろう。ここに来ることは絶対にない。おい、野郎ども!気を引き締めろ!あともう少し品を手に入れたら、そろそろ…
俊明:
お頭!お頭!た、大変だ!
興修:
どうした?
俊明:
じょ、情報が漏れたみたいだ!千岩軍が…千岩軍がもうそこまで来てる!それに、俺たちが置いた見張りも全部捕まっちまった!
俊明:
仲間が花火に火をつけて千岩軍を攪乱してなかったら、たぶん俺も捕まってた!お頭、早く逃げましょう!
興修:
千岩軍がどうして情報を…しかもこんなに早く…
刻晴:
どうやら、私たちの出番のようね。
旅人:
よし!
パイモン:
ああ、行こうぜ!
刻晴:
おとなしくしていればいいものを。
興修:
玉衡の手で裁かれるとは…しょうがねぇ…
刻晴:
じゃあ、私の質問に答えてもらおうかしら。こんなにたくさんの花火を盗んで、何を企んでいたの?
興修:
俺たちは…ただ…
刻晴:
正直に言えば、少しは罪が軽くなるわよ。
興修:
くぅ…うぅ!分かった…
興修:
この花火を、俺たちは城内へこっそり運ぼうとしてたんだ。そして、海灯祭が開催されたら、それに火をつける予定だった…
興修:
花火は強い光を放ち、爆音を響かせる。だから火をつければ騒ぎが起こるだろ?その隙に城内に入って、一稼ぎしようとしてたんだ…
興修:
だが…数が…まだ足りなかったから。だから…
刻晴:
そう?なら、君たちは複数の小隊を配置して花火を盗んでいたのね?
興修:
そ、そうだ…元々は大勢で盗みに行かせてたが、そのうちの一人が飛雲商会に捕まって官府に連れてかれたと聞いてな…
興修:
お、おかしいと思ったんだ!飛雲商会とは何の関係もないはず。それに俺たちが盗んでたのは官府のもんだったわけだし…
興修:
ゴホンッ!いや、とにかく…あの捕まったやつがすべて吐くんじゃねぇかって心配してたんだ。
興修:
もしそうなったら損失が大きすぎる。だから、野郎どもをほとんど呼び戻したんだが…
興修:
まさか…そのタイミングで…お前に捕まっちまうとは…
パイモン:
さっき、おまえたちの仲間が千岩軍も来てるって言ってたよな?
俊明:
そうだ、なぜか知らないが、千岩軍も…俺たちの見張りの情報を事前に知ってたようだ…
俊明:
やつらはこっそりと、見張りをほとんど無力化した…その情報を途中で掴んでなかったら、俺たちも捕まってただろう…
パイモン:
今もう捕まってるだろ。
俊明:
うぐっ…そ、それは…
刻晴:
どうやら、千岩軍は以前捕らえた宝盗団の口を割ったようね。
刻晴:
この近くにも宝盗団の残党がいるかもしれないわ。安全のため、場所を変えましょう。
刻晴:
旅人、この宝盗団たちを軽策荘にいる千岩軍のところまで連れて行ってくれる?
刻晴:
私はもう少し調べてから、合流するわ。
旅人:
気をつけて。
刻晴:
ええ、君もね。軽策荘で会いましょう。
朋義:
はぁ、これがこちらで用意できる最後の花火…これ以上、問題が起こらないといいのですが…
景澄:
安心してください、もうすぐ玉衡様が直々に問題を解決してくれます。私たちもここで見張りをしていますし、何も起こらないでしょう。
行秋:
ああ、その通り。おや?旅人、戻ってきたのか。
行秋:
後ろにいる二人は、もしかして…
旅人:
花火を盗んだ犯人。
犯人を捕まえるまでのことを、みんなに話した…
重雲:
敵陣に深く入り込むのは実に危険な行為だ。ぼくも一緒に行っていれば…
行秋:
そう言うな、旅人の実力は僕たちも分かっているだろう。しかしどうやら、僕たちは知らない間に事件解決への手柄を立てていたようだ。
パイモン:
そうだぞ、さすがだな!
行秋:
つまり、義侠の道とは元より天地の間に存在し、機会があればおのずと訪れるというわけだ。
朋義:
お、おお、お前らが!お前らが花火を盗んだのか!?くぅっ…許せん…!
景澄:
お、落ち着いてください!とにかく、犯人は無事捕まりました。旅人さん、ありがとうございます。しかし…刻晴様は一緒ではないのでしょうか?
パイモン:
刻晴は他にも宝盗団がいないか心配して、辺りを調べてるんだ。
景澄:
そうだったんですね…さすが刻晴様、抜かりありません。先ほども追加で千岩軍の応援が来ていました、たぶん総務司の手配でしょう。
景澄:
聞いたところ、逃亡していた宝盗団をほとんど捕えたようです。これで少しは安心できますね。
景澄:
こちらの宝盗団の方は私たちにお任せください。城内へ連れて行き、彼らの仲間と同じように裁きを与えます。
行秋:
これで事件は解決したようだ。残って花火を見たいのは山々だが…もう行かなくては。
パイモン:
もう飛雲商会に戻るのか?まだ仕事が残ってるのか、行秋?
旅人:
忙しいの?
行秋:
祭り期間中は、やるべきことがたくさんある。だが心配はしないでくれ。使用人たちも一緒に手伝ってくれるし、最悪重雲にも手伝ってもらおうと思っている。
重雲:
まだ手伝わないといけないのか?
行秋:
友として、それくらい当然じゃないか?遊ぶのはやるべきことが終わってからだ。この道理は君も分かるだろう。
重雲:
うっ…まあ断りはしないが…
行秋:
まさに「大勢で薪を拾えば、焚き火の火は高くなる」だ。この言葉と同じように、適切な人に仕事を任せれば、何も問題はないというわけさ。
重雲:
明らかに、口の上手いやつが他人に仕事を任せているようにしか思えないんだが…
行秋:
まあ、細かいことは気にするな。終わったら僕が何か奢るからさ!
行秋:
では、僕たちは先に失礼するよ、旅人。
重雲と行秋たちはその場を離れた…
朋義:
そういえば、旅人さん、刻晴様がいつお戻りになられるかご存知でしょうか?
朋義:
軽策荘へと運んだ新たな花火ですが、数に限りがありまして…。足りるかどうか不安なんです。賊に盗まれた花火を取り戻せるといいのですが…
パイモン:
うぇっ!爆発音だ!まさか…花火か…?宝盗団のしわざか!?
旅人:
刻晴のいる方だ!
パイモン:
うぅ、まずい、敵に遭遇したのかもしれない。早く助けに行こう!
刻晴:
ど、どうして…
パイモン:
おーい!刻晴!
刻晴:
えっ?宝盗団?
パイモン:
さっき爆発音が聞こえたんだけど、宝盗団が花火で残党に合図でも送ったのか?
刻晴:
いえ…そうじゃないわ。地面にいくつか花火が落ちてるのを見かけて…ちょっといじってみただけなの…
刻晴:
そしたら、うっかり導火線に火をつけちゃって…消そうと思ったんだけど間に合わず…花火が…打ち上がってしまって…
旅人:
そうだったんだ。
パイモン:
じゃあ、敵はいないのか?よかった…オイラ、てっきりおまえが悪いやつらに包囲されたのかと思ったぞ!
刻晴:
ごめんなさい、君たちを心配させるつもりはなかったの。でも幸い、近くに宝盗団の残党はいないみたい、この件はこれで解決ね。
パイモン:
やったぁ!これで花火が盗まれた件も、一件落着だな。悪いやつらの思惑通りにならなくてよかったぜ。
パイモン:
あんなにキレイな花火があいつらのせいで無駄になっちゃってたら、オイラたちの楽しみも一つなくなってたからな。
旅人:
そうだね。
パイモン:
そうだ、刻晴は花火大会の責任者だし、花火を見るのにいい場所を知ってるんじゃないか?
刻晴:
もちろんよ。花火観賞に最適な場所は、群玉閣をおいて他にないわ。
刻晴:
安心して、私たちの約束は覚えてるわよ。でも今は一旦総務司に戻って、花火の一件の後処理をする必要がある。
刻晴:
この件に関することは私に任せて、本当にお疲れ様。空き時間を利用して城内を歩いてみて、終わったら私も君たちのもとに向かうから。
パイモン:
そっか…絶対来いよ!
刻晴:
ええ、約束よ。
刻晴はその場を離れた…
パイモン:
はぁ、刻晴は忙しいな。
パイモン:
「終わったら来る」って言ってたけど…本当に終わるのかな…?
パイモン:
なんで凝光が心配してたのかわかった気がするぞ…このままだと、刻晴は海灯祭を逃しちゃうだろうな…
旅人:
鍾離先生のところに行こう。
パイモン:
そうだな。鍾離と会う約束をしてたし、「休み」に関することもいろいろわかった。それを鍾離に伝えようぜ。
パイモン:
鍾離は「三杯酔」でオイラたちを待ってるって言ってたから、そこに行こう!
パイモン:
ん?あれって…
雲菫:
鍾離先生のおっしゃる通りです。いただいたご意見は肝に銘じ、次の公演に役立てたいと思います。
鍾離:
雲菫殿は実に謙虚であられる。人の意見をこれほどまでに素直に聞き入れるとは、劇の質が上がり続けるのも頷ける。
雲菫:
いえ、まだまだ未熟者です。それに、時には意見を聞き入れないほど意固地になることもあります。鍾離先生のように見識の深い方だからこそ、私も腑に落ちるのです。
パイモン:
鍾離!帰ったぞ!
鍾離:
ん?
雲菫:
おや?お知り合いだったのですか。
パイモン:
おう、よく知ってるぜ!
旅人:
少しばかり交流がある。
雲菫:
鍾離先生のような博識で慎ましい方と知り合える機会は、誰にでもあるものではありません。
雲菫:
旅人さん、貴方は実に人受けの良い方のようですね。
鍾離:
お褒めいただき感謝する。一介の凡人に過ぎない俺が、旅人に出会えたのは実に光栄なことだ。
パイモン:
よく言うぜ…
旅人:
(本当のことを言える空気じゃない。)
雲菫:
お二方は何か話があるのですよね?私がいては無粋というもの。ちょうどこのあと辛炎さんとの約束がありますので、私はこれで。では、ごゆっくりどうぞ。
鍾離:
ああ。
パイモン:
おう、またな!
鍾離:
では二人とも、何か収穫は?
旅人:
みんなの意見を聞いた…
みんなの「休息」に対する考え方を鍾離に伝えた。
鍾離:
それらの意見、お前はどう思った?
旅人:
物語にできると思う。
パイモン:
そうそう!来る途中にもう考えておいたんだ。オイラたちの目標は、わかりやすくて簡単な物語で刻晴を説得すること、そうだったよな?
パイモン:
だったら、「食べる」ことをお題にすればいいと思うぞ!
パイモン:
ほら、美味しいものが嫌いなやつはいないだろ?誰だって食に対しては自分の考えがある。きっとうまくいくと思うぜ。
パイモン:
ふふん、今回は自信があるんだ!
パイモン:
例えば、璃月にすごく腕のいい料理人がいて…
パイモン:
璃月にすっごい大きな酒楼を開くんだ。そこには、毎日たくさんのお客さんが来る。だから、その料理人も毎日とっても忙しくしてるんだ。
パイモン:
それでそれで、えっと…うーんと…このあとはどうしよう…
旅人:
作る料理がどんどん不味くなる?
パイモン:
それだ!でもなんでだ?さっき料理がうまいって言ったばかりなのに。
旅人:
パイモンが考えた設定でしょ…
鍾離:
結果を急いで述べる必要はない。料理人のことをもっと詳しく描写してみるのはどうだ?
パイモン:
料理人のこと…どんなことでもいいのか?
鍾離:
ああ。心を語るには、その者を知る必要がある。まずはお前の言うその人物を知ることから始めるといい。
パイモン:
オイラ、そこまで考えてなかったぜ…やるな鍾離!
鍾離:
他者の考えを数多く聞いてきたのだろう。ならば、それを物語に取り入れてみるといい。さすれば根拠が増し、説得力も上がる。
パイモン:
おう!じゃあ、そうだな…留雲借風真君はなんて言ってたっけ…
パイモン:
「種をコツコツと植えるのは、収穫の喜びを味わうためであろう!」
鍾離:
特徴をよく捉えているな。
パイモン:
えへへ、そうか?オイラ思い出したんだ、たしか…仕掛け作りのために寝食をおろそかにして、成果を検証する時間がなくなっちゃったら…
パイモン:
自分の作った料理を食べない料理人と同じになるから、きっと問題が起こるって言ってたぞ。
鍾離:
本末転倒になるのは、決してよくないことだ。
パイモン:
そうそう、留雲借風真君もそう言ってたぜ!じゃあ物語の料理人も、美味い料理を作るけど、自分では食べない設定にしよう。
鍾離:
自身の作った料理を食さないのには、きっと理由があるのだろう。
パイモン:
おう、それは忙しいからだな!毎日お客さんを接待して、注文を受けて、それから厨房で料理をする…
パイモン:
それだけでも大変なのに、そのうえ毎日朝から晩まで、休む時間も、ご飯を食べる時間もないんだ。
旅人:
それは流石にやりすぎじゃ…
パイモン:
物語は誇張したほうがいいだろ!こう…ドカーンって、花火みたいに!
鍾離:
料理人は、愛着のある仕事を仲間に任せることに抵抗があったのだろう。そして自身の技術を過信しすぎたがゆえに、すべてを自分一人で行っていた。
パイモン:
すっごく苦労しそうな人生だな…
旅人:
大勢で薪を拾えば焚き火の火は高くなる!
パイモン:
そうそう、その料理人はそれをわかってなかったんだ!
パイモン:
それともう一つ重要な言葉が…えっと…なんだったっけ…
パイモン:
あっ、思い出した!「休息はより良い仕事のために」!煙緋が言ってた!
パイモン:
料理人はどんどん忙しくなって、背中も曲がり、目の下にも濃いクマができていた!お客さんも、店をしばらく閉めて休むように説得したけど、料理人はまったく聞き入れなかった…
鍾離:
霧の中、視界を遮られるのと同じように、目の前の雑務だけに目を向けていると、遠くにある高き山さえも見えなくなってしまう。
パイモン:
その後、料理人の心はますます疲れていき、料理の味も衰えていった…お客さんも料理人を説得できず、美味しいものも食べられなくなり、だんだん店に来ることをやめた…
旅人:
……
鍾離:
休息というのは、昔から重要なことだった。人生において、確かに休むのが難しいことも多々ある。だが…無理やり何かを行うことは、やはり得策ではない。
鍾離:
簡単な物語だが、それの意味するところは実に深い。聞き手が思慮のある者ならば、その中に秘められた真髄を理解するだろう。
パイモン:
どういうことだ?オイラの物語が良かったってことか?
鍾離:
誠実は人の心を開かせ、忠言は誤った道に気付かせる。実に良いものだ。
鍾離:
賢明な玉衡であれば、きっとお前たちの言いたい言葉を理解できるだろう。
パイモン:
ホントか?やったぜ!
鍾離:
先の事件が一段落し、彼女もきっと疲れを感じているはずだ。この機会に声をかけてみるといい。
鍾離:
お前たち二人なら、きっと成功する。
パイモン:
えへへ、鍾離は口が上手いな!おまえからそう言われると、すごく安心できるぜ。
パイモン:
じゃあ、刻晴のところに行こう!
刻晴:
今回の事件はひとまず終息したけど、気を緩めてはだめよ。今後このような事件を発生させないためにも、軽策荘付近の見回りを強化し、他の花火の設置場所にも人員を合理的に配置する必要があるわ。
景澄:
はっ、刻晴様。
刻晴:
そうだ、前に千岩軍の見回り経路を増やすと総務司が言っていたけど、その件はどうなったの?
景澄:
すでに手配しています。しかし…様々な理由から、未だ城内にいくつか行き届いていない場所がありまして。
刻晴:
新しい見回り図はできてるのかしら?私にも一つちょうだい、時間がある時に見るから。
景澄:
かしこまりました!見回り図はまだ作成中ですので、今しばらくお待ちください。
刻晴:
そう。それと…
景澄:
刻晴様、ご友人がいらしたようです。
パイモン:
刻晴、まだ忙しいのか?花火は見に行かないのか?
刻晴:
あら?約束は群玉閣だったはずだけど、どうしてここに?
旅人:
港内を見て回るよう言ったのは刻晴。
パイモン:
オイラたち、おまえの言う通り城内を回ったんだ、景色がすごくキレイだったぜ。おまえもいたらよかったのに!まだやることがあるのか?
刻晴:
些細な事務よ、別に急を要することじゃないわ。ただ、元々これらのことは早々に処理しようと…
景澄:
どのようなことでも、私たちにお任せください。刻晴様はずっとお忙しかったのですから、そろそろお休みになられてはいかがでしょうか。私の予想では、旅人さんは刻晴様に休むよう伝えるため来たのですよね。
旅人:
うん、刻晴に伝えたいことがある。
パイモン:
すごく大切なことなんだ!今すぐおまえに伝えなきゃいけないくらいな!
刻晴:
そ…そうなの?じゃあ景澄、ここは任せたわ。
景澄:
かしこまりました。
刻晴:
旅人、パイモン、話なら群玉閣に行きましょう。あそこは景色が良くて、人も少ないから、会話するのにぴったりよ。
刻晴:
うん、ここでいいわね。
刻晴:
話したいことって何?
旅人:
物語があるんだけど…
パイモン:
おう!この美しい景色と一緒に、おまえに聞かせたい物語があるんだ。いいか?
刻晴:
ふふ、いいわよ、しかと聞かせてもらうわ。
パイモン:
オイラたちさっき、テイワットで大変なことが起きてるって話を耳にしたんだ!すっごい料理人が、厄介な問題に遭遇してるって!
刻晴:
ん?璃月の料理人かしら?琉璃亭の人?それとも新月軒?
パイモン:
へっ?え、えっと…そう、モンドの料理人!すごい美味しい料理を作るんだ!
パイモン:
その人は城門近くで店を開いてて、料理の腕もすごくいいし、早くて美味しい料理を作れるから、お客さんもどんどん増えていったんだ。
パイモン:
隣の花屋の店員はそんな忙しい彼を見て、「そろそろ、人を増やしたほうがいい」って言ったんだけど。
パイモン:
料理人はその言葉に耳を傾けなかったんだ。この良質な食材を素晴らしい料理にできるのは自分しかいない、他の人では助けにならない。彼はそう言ってた。
刻晴:
良い料理を作るには、自信を持つ必要があるわ。彼は良い料理人のようね。
パイモン:
彼の周りの人もそう思ってたんだけど、それから半年後、店には誰も来なくなったんだ!
刻晴:
えっ?
パイモン:
驚いただろ?理由を聞きたいか?
刻晴:
うーん…忙しすぎて、病気になったとか…?
パイモン:
ブッブー!不正解!旅人、答えはおまえから言ってやれ!
旅人:
頑固だったから。
パイモン:
正解!料理人は頑固なせいで、そうなっちゃったんだ!
パイモン:
彼は…忙しすぎて、毎日料理を美味しく作ることや、お客さんをもてなすことだけを考えてた…でも、自分も同じように、食事や睡眠を取らなきゃいけないただの人間だってことを忘れてたんだ。
パイモン:
そいつは食事をする間もないくらい忙しくて、自分の作った美味しい料理を食べる暇もなかった。
パイモン:
眠くなっても人に頼ることなく、自分にしかこの世で一番美味しい料理を作ることはできないって頑なに思ってた。
パイモン:
その後、人々は彼を説得できないとあきらめ、そいつから離れていったんだ。それで、本来の料理の味を忘れちゃったそいつ自身も、腕が落ちていった…
パイモン:
そして結局、店はつぶれちゃったんだ!
刻晴:
……
刻晴:
…なるほど、過度な自信は、かえって人を失望させる。そして、物事を急いでやると、かえって立場を失うということね…
刻晴:
……
刻晴:
それで、物語はこれでおしまい?
パイモン:
えっ?あ、ああ…そうだ…もう、続きはないな。
パイモン:
えっ、良い物語が作れたって言ってただろ?
刻晴:
作れた?
パイモン:
あっ!い、いや、これは違くて…その…オイラたちはただ…
刻晴:
…くすっ。
刻晴:
うん…なんて言うか、実にシンプルで、気になるような続きもない物語だったけど…
旅人:
……!
刻晴:
何事も、行動する前に己の限度を知り、最善を尽くす。私も当然、その道理を頭では分かっている。けれど、自分のこととなると、時折それを見失ってしまうのよね。
旅人:
「霧の中の視界」のように?
刻晴:
ええ。高い山を登ると山々の間にある雲が見え、船に乗ると海の上にある霧が見える。だからこそ、時々自分がどこにいるのかを確認し、霧を払い、本心を見極めなければならない。
パイモン:
じゃあ、今の刻晴の本心はなんなんだ?
刻晴:
私の本心…
刻晴:
……
刻晴:
私の本心は、時間がゆっくりと流れるようになってほしいってところかしら。その機会に城内を巡って、会うべき人に会ったり、見るべき花火を見たりしたいわ。
刻晴:
思い返すと、昔の私は今よりもせっかちで、私と一緒に仕事をする人はみんな三ヶ月と待たずに辞めていた…
刻晴:
君の言う通り、程合いは非常に重要ね。
刻晴:
でも私もちゃんと進歩しているのよ!それは分かるでしょ?
刻晴:
それに…君とパイモンとも約束したわよね?
刻晴:
一緒に…今年の花火大会を見る約束。だから…
旅人:
だから…
刻晴:
この佳き海灯祭を祝して。旅人、パイモン。君たちと一緒にいられて、とても嬉しいわ。
刻晴:
今回の花火大会の責任者は私で、私も自分のできる最善の努力を尽くしてきた。何があっても、君たちに今回の盛大な行事を楽しんでもらいたいの。
刻晴:
こうして足を止めて花火を観賞し、璃月港を眺める…とても幸せなことね。
旅人:
海灯祭を祝して、刻晴。
パイモン:
海灯祭を祝して!
刻晴:
海灯祭を祝して。それと…ありがとう。
朋義:
花火の爆発も宝盗団のしわざなのでしょうか…?具体的な状況は分かりませんが、刻晴様の無事を祈ります!旅人さん、刻晴様のこと頼みました!
景澄:
おとなしくしろ!海灯祭期間中に秩序を乱すとはなんて輩だ。総務司に戻ったら、重い罰を受けてもらうぞ!
興修:
はぁ…失敗した…
俊明:
どうして、千岩軍はあんなにも来るのが早かったんだ…
鍾離:
順調にいくことを願っている、旅人。
景澄:
ここはお任せください。