Story
キャラクター詳細
ある年の風花祭の終わり、モンドに角と翼を持つ少年が現れた。騎士団のジン団長は人々に、かつて龍だったこの少年は、不思議な錬金術によって今の姿を得て、人として生きていく術を懸命に学んでいるところなのだと告げた。
モンドでは、数え切れないほどの童話が生まれてきたが故に、「一匹の龍が人間の少年に姿を変えた」という出来事も、さほど大きな波紋を呼ぶことはなかった。むしろ、物議を醸すこととなったのは——その少年の、「ドゥリン」という名前のほうだった。
その名前が話題に出るたびに、人々は思わずドラゴンスパインの方を見やる。巨大な龍骨が深い眠りにつくその地では、過去の災厄が、今も真っ白な雪の下に埋もれているのだ。「ドゥリン」という名から想起されるものは、大多数のモンドの人々にとって、決して良い印象を持つものではない。
しかしとにかく、ジン団長と西風騎士団が保護責任を負うことで、ドゥリンはモンドの住民の一人として受け入れられることになったのであった。
その後、人々は毎日モンドを歩き回るドゥリンを見かけるようになった。やがて人々は、彼が自分たちよりも緊張しているということに気が付いた。住人たちにとても興味を持っている様子だということは明らかなのに、遠くから眺めるだけで、なかなか自分から近づこうとはしないのだ。その姿は、人々が想像していた「危険な存在」とは、似ても似つかぬものだった。
今や「ドゥリン」という名前を聞いても、モンドの多くの人は雪山を見やるのではなく、優しい少年の姿を思い浮かべるようになった。彼は、「花言葉」の店先でフローラにどの花を友人に贈るべきか照れくさそうに相談し…またある時は申し訳なさそうな顔をして「鹿狩り」の前で立ち止まり、どうすれば肉を焦がさないで調理できるかを尋ねる。そんな彼を見ているうちに、いつしか人々の災いの記憶が塗り替えられ、「ドゥリン」の名を恐れずに済むようになったのだ。
それはまるで、良くない物語が最初から書き直されているかのような——とても不思議な感覚にさせてくれる光景だ。
キャラクターストーリー1
好感度Lv.2後に解放
「ドゥリン」の物語を、知っているだろうか。
冒険者協会は、現地視察とモンドに伝わる歴史的資料の研究を通じて、この質問に対して詳しい答えを提示できるようになっている。数百年前、カーンルイアの災いが起きた時、ドゥリンという悪龍が多くのアビスの魔物と共にモンドを襲撃した。悪龍は存在自体が災厄であり、息吹一つで大地を不毛の地へと変えてしまった。風神バルバトスの眷属トワリンは、風神の導きのもと、ドゥリンと雪山の上空で死闘を繰り広げ、最終的にドゥリンの喉を引き裂いた。しかし、トワリンもまた、それによって長らく悪龍の毒の血に侵されることとなった…
一言で言えば、それは悲惨な物語なのだ。
しかし、災厄が終わって間もない頃、モンド城の吟遊詩人たちの間で、次のような詩が唄われ始めた——
お母さん、お母さん。言った通りにここへ来て、僕の思う「美しさ」をみんなに見せてあげたよ。
ここのお花はいい匂い。風もすっごく優しいんだ。風に向かって駆けだすと、花々はもっと綺麗に咲く。
ちょうちょも周りでひらひらと、美しいねって褒めてくれるみたいだった。でもね、僕が手を伸ばすと、みんなぱっと逃げちゃうんだ。
ところがそこへ綺麗な龍が、僕に近づいてきてくれた。一緒に踊らない?って誘うみたいに!
僕、その誘いを受け入れて、一緒に回り始めたんだ。花びらが風に舞い上がって、僕らのダンスを飾ったよ。
お母さん、お母さん。僕、新しい友達ができたのかな?
…奇怪なことに、何者かの指示を受けて、騎士団はすぐにこの詩が載っていた詩集を突き止めると、詩集の名を抹消し、禁書に指定した。
当時の民衆は、なぜ騎士団がそのような行動に出たのかわからなかった。しかし、もしドゥリンの物語に強い興味を抱いて、調査を続けた者がいれば、とある錬金術師の残した実験記録からこんな情報を得られたかもしれない。ドゥリンの意識は天の外から来たものであり、錬金術によってあの悪龍の体と融合したと思われるのだ。アビスの力に侵された彼の認知は普通の生物とは大きく異なっており、そのために彼は最期まで災いの化身となる運命から逃れられず、目の前の残酷な光景を理解することさえできなかったのかもしれない…
つまり、件の詩は、ドゥリンの目線から見た「ドゥリンの物語」だったと考えられるのである。
これらすべてを偶然知った一人の魔女は、堪えきれず遺憾の意を示した——もし「ドゥリン」の魂がアビスの呪いから逃れられたなら、トワリンと本当に友達になれていたなら…この物語の結末は違うものになっていたのではないだろうか?
そんなやるせない思いを昇華するように、魔女は新たな物語を書き始めた。その主人公の名は——「ドゥリン」。
キャラクターストーリー2
好感度Lv.3後に解放
モンドに来たばかりの頃、ドゥリンはいつも人混みを避けていた。彼はまるでキャンバスの外にはみ出た色彩のように、異様に目立ちながらも、意味のある風景を作り出すことができなかった。その凝固した色彩の中に閉じ込められたまま、新しい友達を作ることも、自分の物語を紡ぎ出すこともできずにいたのだ。
ジンの頼みを受けてドゥリンの先生になったばかりのリサは、そんなドゥリンの様子をしっかり見ており、同時に、彼が本来は人付き合いを避ける性格ではないことを鋭く察していた。新しい友達を作りたがっているのは明らかなのに、二の足を踏んでいるようなのだ。リサがそのことについて尋ねると、ドゥリンはようやく自分の悩みを打ち明けた。
「ボク、他の人とどう接したらいいのか分からないんだ…」
「友達を作るには、人との付き合い方を学ばないとね。でも、これは授業では教えてあげられないわ。」
そこで、リサはドゥリンにこんな宿題を出した——「部屋から出て、モンドの住民から人付き合いの方法を学びなさい」。師の導きによって、ドゥリンはやっと迷いをあらかた振り切ることができた。そして、かつて閉じこもっていた場所から出た時のように、ついに自分の部屋から一歩踏み出すことに成功したのだ。
ドゥリンが最初に向かったのは、アルベドのもとだった。彼はアルベドを、何でも知っている天才のように思っていたからだ。しかし「人付き合いの方法」について尋ねられたアルベドは、自分たちのいる人里離れた錬金術の工房と、人気のない雪原を見回して、しばらく考え込むと、もっと適切な相談相手を探すようドゥリンに提案したのだった。
次に思いついたのは、クレーだった。誰とでも友達になれる彼女であれば、きっと素晴らしい人付き合いの秘訣を知っているに違いない…そうしてクレーから帰ってきた答えは、「一緒にお魚をドカーンすればいい」というものだった。一緒にお魚をドカーンした経験さえあれば、苦楽を共にした友達になれるというのだ。ドゥリンはクレーと一緒にジンに反省室に閉じ込められてようやく、その理屈をなんとなく理解した。
ドゥリンはダリアとガイアにも相談しようと考えた。何しろ、この教会の助祭は話を聞くのが上手だし、騎兵隊長はたいそう世話焼きなのだ。ドゥリンから話を聞いた彼らはすぐに意気投合し、結託してドゥリンをエンジェルズシェアに連れ込んだ。カウンター席に座ったドゥリンはなんとなく居心地の悪さを感じながら、杯を掲げて歌い、笑いながら酒を飲む人々を眺めた。モンドではどうやら、これを「人付き合い」と呼ぶようだ。ところが、目の前のアルコールドリンクを一嗅ぎしてみると、それだけでクラっと来て倒れそうになってしまった。幸い、冷静な店主がすぐにジュースに取り換えてくれたが…この「人付き合い」の方法は、ドゥリンにはまだ早いようだった。
それでも、この経験はドゥリンにヒントを与えてくれた。ドゥリンは、騒がしい人混みも無ければ、彼を酔わせるお酒の匂いもない、別の酒場に行ってみることにした。その酒場では、みんなが「七聖召喚」というカードゲームで交流していた。しかし、対戦相手を待っている間にドゥリンは猫たちの「集中砲火」を浴びてしまい、ディオナの仲裁により、やっとの思いで抜け出したのだった…
あっという間に数日が過ぎ去った。ドゥリンは様々な方法を試してみたが、相変わらず良い「人付き合いの方法」は見いだせず、リサからの宿題を終わらせることができずにいた。
しかし、そんな結果を報告しても、リサはドゥリンを責めなかった。
「じゃあ、これは長期の宿題と思っていいわ。終わらせられたと思った日に、先生のところに持ってきてちょうだい。」
「本当?ありがとう、先生!」
リサは別にドゥリンを甘やかそうとしたわけではない。彼女はもう、今のドゥリンがキャンバスの外で孤立していたあの絵の具ではないとわかっていたのだ。雪山の工房には暖房設備が追加で置かれ、騎士団の反省室にはときどき椅子が増え、エンジェルズシェアにはジュース専用のカウンター席ができ、キャッツテール酒場の外には時たま、特別にカードゲーム用のテーブルが設けられるようになった。実際のところ、「人付き合い」に決まった形式などはない。誰もが独自の個性を持ち寄って互いにぶつかり合い、最終的に自分にとって最も居心地の良い居場所を見つけるものだ。ドゥリンは知らず知らずのうちに、キャンバスに溶け込んでいたのである。いまだに特殊な色合いを帯びてはいるものの、彼の存在は今や、確実に数多くの楽しい風景の一部となっている。そしてその風景の中にいる人々こそが、彼の今の——そしてこれからの友達だ。この風景の中で起きていることはすべて、彼の物語なのだから。
彼がそれに気づいた時、この課題は自ずと完了するだろう。
キャラクターストーリー3
好感度Lv.4後に解放
テイワットにやってきたドゥリンが、最初に滞在したのはスメールだった。その頃のドゥリンはまだ人の姿ではなく、皆から「ちびドゥリン」と呼ばれていた。特殊な存在であったが故に、悪者や不届き者に目をつけられることもあったが、ガイドとなった「笠っち」はボディガードをも請け負った。彼のひと睨みで大抵の輩は退いたし、異獣を売買する悪徳商人が雇った傭兵団も彼の相手ではなかった。
それはドゥリンにとって、気楽で楽しい旅だった。テイワット大陸はシムランカほど平和でも美しくもなかったが、ドゥリンはこの新しい世界を気に入っていた。
彼がこの世界に来てから抱いた唯一の不安は、むしろ「笠っち」に関することだった。
おとぎ話から生まれた龍であるドゥリンの目には、誰もが一つの特別な「物語」を持っているものとして映る。「笠っち」とスメールシティで暮らしていた時、ドゥリンは『尻尾の手入れと大きなお耳~雨林とキノコ~』や『帽子の中の大きなお耳~教令院と七聖召喚と龍には難しいジョーク~』など、たくさんの物語に触れることができた。そして、時たま砂漠に行くときは、『砂漠と追いかけっことウルフドッグ』という物語にも出会えた。
ところが、一番長く一緒にいたはずの「笠っち」の物語は、何一つ見えなかったのだ。
ドゥリンは、この疑念を「笠っち」に打ち明けなかった。まだ、一緒に過ごした時間が十分でないと思ったのだ。だから、ドゥリンは彼のそばで、彼の物語を見つけることに専念した。しかし、ほどなくして、ドゥリンは彼のほうから、旅を終えることを提案された——
「そろそろいいだろう。他の人の世話になるか…あの童話の世界に戻ったらどうだい?」
「ダメだよ、まだ笠っちの物語を見れてないもん!」
ドゥリンは断固として拒否した。彼はいつも通りぶっきらぼうだったが、単に不機嫌で自分を追い払おうとしているわけではないことをわかっていた。本当の理由は、きっとドゥリンの知らない、彼自身の物語の中に隠されているはずなのだ。
これが他の誰かであれば、「笠っち」はきっと何も言わずに立ち去っていただろう。しかし、彼はドゥリンの目に宿る決意を感じ取っていた。そもそも、ドゥリンがテイワットを一緒に旅したいと言い出した時から、彼がドゥリンの願いを断れたことなど、一度もないのだから。そして今回も、歩み寄ったのは彼のほうだった。
「ドゥリン、この世界に君の物語を残してみないかい?」
「この世界に、ボクの物語を残す…?」
「とても重い決断になるとは思う。でもずっと僕の側にいるだけで、この世界のことを知れるとは思えない。だから、もっと遠くへ行って、この世界の美しい部分も、醜い部分も見たうえで、決めてほしいんだ。」
「うん…でも、キミの物語は…」
「もし君が本当に自分の物語を残すことに決めたなら、僕もその物語の中で何かしらの役割を演じることになるだろう。君はその役割だけを覚えていてくれればいい。それが君にとっての、僕の物語になる。」
ドゥリンは長い間考え込んだ。こんな風に話す彼を見るのは、初めてだった——語気に混ざった幾らかの励ましの気持ち、そして気づけないほどわずかに滲む、ほんの少しの懇願。
結局ドゥリンは、その提案を受け入れたのだった。
キャラクターストーリー4
好感度Lv.5後に解放
みんなの祝福で呪いが解けるまでの間、ドゥリンはシムランカでの大半の時間を孤独で憂鬱な洞窟の中で過ごしていた。しかし、シムランカに来たばかりの頃は、ドゥリンも幸せだった。その頃、母親のアンヤ・「マリ」・アンデシュドッテルはまだこの世にいた。
当時、シムランカはまだ完成しておらず、母親は仕事の合間に、ドゥリンをシムランカのあちこちに連れて行った。
その際、母親はよく、二人の女性とともに景観について話し合っていた。彼女たちは「龍が暮らす世界にはどんなものがあるのか」について話し合い、熱い議論の中で渓谷を切り開き、レールを敷き、城を築いていった…
母親と女性たちの意見は、時に食い違うようだった。炎のように赤い女性は、爆弾のようにスリリングな要素を好んだが、ドゥリンの母親はその意見に対し、不安を示した。彼女は子供のようにシムランカの住人たちを大切にしていたため、彼らの故郷が廃墟になってしまう可能性のある危険な試みは避けようとしたのだ。しかし、そういった意見の食い違いも、すぐに解消された。炎のように赤い女性は、すぐに素晴らしいアイデアで危険な要素を考え直して母親の不安を解消し、世界をさらに楽しく飾り立てた。
その頃は、シムランカの物語もまだ完成していなかった。母親はよく筆を止めては、構想を練った。
母親が筆を止めるたび、水色の女性は素敵なティーカップとおいしいお菓子を持って、遊びにやってきた。母親と彼女の話の内容は、心地よい午後から静かな夜、空にある星々からシムランカの未来まで、遥か遠くへと飛んでいくようだった…
議論の最中、水色の彼女は、ドゥリンの体に新しく生えてきたウロコを、複雑な眼差しで見つめることがあった。その視線にドゥリンは不安を感じたが、彼女の持ってくるお菓子はとても美味しかったため、彼女が訪ねて来ること自体は、嫌ではなかった。
それ以外の時間、母親はずっと机に向かって創作に打ち込んでいた。ドゥリンは幾度も、そんな母親に静かに寄り添って、紙にペンを走らせる音を聞きながら眠りについた。そんな時間がずっと続くと思っていたが…ある日、母親は突然手にしていたペンを置いた——ついに、作品が完成したようだった。
「少し散歩に付き合ってくれる?」
母親は、ドゥリンを空中にある庭園へと連れて行き、地平線を眺めながら、本のページの端を撫でるような仕草で手を伸ばした。
「機会があったら、この世界を出て、外の世界を見てみたいと思う?」
「ボク、この世界から出られるの?」
「うん。アリスおばさんの魔法ならね…彼女はすごいから。」
「えっと…この世界を離れたら、ボクはどうなるの?」
「その後のことは、あたしにも分からない…それは、あたしの結末の後に起こることだから。『遠くへ行く』っていうのは不思議な言い方だよね…物語の終わりとも、始まりともとれる言葉だ。ドゥリン、一つお願いがあるんだ。将来もし機会があったら、シムランカを出て、遠くへ行ってみてくれる?」
「大変な困難に直面するかもしれないけど、心配することはない。アリスおばさんの魔法が助けてくれるし、お母さんも祝福を送り続けるから。」
ドゥリンは母親が大切な言葉を残そうとしているのを感じ取り、その気持ちに応えようと、真剣な面持ちで頷いた。
「これで、あたしが残すべき文字の中で一番大切な行も、書き上げられたって事でいいのかな…」
ドゥリンは母親が遠くの夕陽を眺めるのを見た。彼女の瞳の中の感情は、そこに映る夕焼けのように、熱く深い名残惜しさから、優しい温もりへと変わっていき…やがて、夜の闇へと溶けていった。
その後、シムランカの「運命」は本格的に動き出し、祝福の森にいる折り紙の動物たちと、オルビット城にいる積み木の小人たちは、三柱の女神が紡ぎ出した物語を展開していくことになる。
そして母親が息を引き取ったことを契機に、ドゥリンの幸せな日々は一度、終わりを迎えたのだった。
キャラクターストーリー5
好感度Lv.6後に解放
ウェンティから授かった風に乗って、ドゥリンはトワリンに追いつき、一緒に風立ちの地の空へと飛んでいった。そして魔女が紡いできた物語は、ついに彼女が望んでいた章へと辿り着いた。
アリスは、魔女たちの集会に使われる大きなテーブルのそばに立ち、ドゥリンの遠ざかる姿を見つめていた。彼女はふいに、何年も前の魔女たちのお茶会に思いを巡らせた。当時は珍しく七人の魔女が全員揃っていたので、アリスは大いに喜んで、みんなでリレー方式で物語を描こうと思い立った。どんなテーマにするか決めかねて、作家のアンヤに相談すると、彼女はこう答えた。
「もし機会があれば、『消えない炎』の物語を残したい…あたしの思いつく中で、作家として最も崇高な目標だよ。」
「『消えない炎』?それって具体的にどういうこと?」
「その答えは、一人ずつ違うはず——お題にぴったりでしょう?かく言うあたしも、自分なりの答えを探してるところなんだ。」
アンヤは正面から答えることはしなかった。しかし、彼女が自分の作品でよく見せるような勿体ぶった態度は、かえってアリスの好奇心を掻き立てた。
「よし、そのお題にしましょ!これからみんなで集まるたびに、順番が回ってきた人が自分の担当する章を発表するの。うーん…最後の部分はアンヤね。この物語が終わるとき、きっとあなたも自分の答えを見つけられるはずよ。」
そうして、リレーは始まった。アリスは率先して物語の序章を担当し、小さな魔女が老魔女の試練を完遂するために、「消えない炎」を求めて旅立つ物語を書きおろした。
しかし、アリスにとって予想外の事が起きた——次に魔女たちが全員揃った時には、アンヤは棺の中で永遠の眠りについてしまっていたのだ…アリスは魔女集会が開催される間隔が、只人であるアンヤにとってどれだけ長いか、見誤っていた。彼女が次の物語に胸を躍らせていた間に、アンヤはどんどん年老いてしまっていたのである。物語が五巻目に達した頃、アンヤはこの世を去った。
アリスが始めたこの物語は、バーベロスが担当した第二巻とレインドットが担当した第三巻で完全に脱線したが、イヴァノヴナが担当した第四巻でなんとか軌道修正され、体裁を整えた。しかし、結局ニコが担当した第五巻では、一言で慌ただしく締めくくられることとなった。もうアンヤが用意していた答えを知ることは永遠にかなわない——そう思ったアリスは、ひどく残念がった。
転機をもたらしたのはオクタヴィアだった。アンヤとの別れは魔女会設立以来初のメンバー脱退となったため、普段は欠席が多い彼女も、書き上げた第六巻と共にこの集まりに参加した。第六巻は、物語の中の小さな魔女が、再び老魔女のもとへ戻る機会を手に入れる…という内容だった。
「『消えない炎』は、まだあるかもしれないよ。」
オクタヴィアの助言で、アリスはアンヤが残した最後の作品——二人で共に作り上げた「シムランカ」という世界に目を向けた。この世界では、ドゥリンという名の龍が、不安と迷いの中で来たる奇跡を待ち続けていた。アンヤは彼女の他の作品に謎を残したように、彼にも静かに燃え盛る炎のような可能性を残したのだ。物語の世界を照らすその炎は、アリスの好奇心を掻き立てた。その炎を見つめながら、アリスはかつてアンヤと交わした約束を思い出していた。
「彼女が担当するはずだった結末は、私が書かなくちゃいけないみたいね。」
そして時は流れ、アリスはあの龍を見守るようになった。そして、悪龍の名を背負ったあの子供が、皆からの祝福を受けて物語の世界から歩み出し、物語の外の世界で友と共に運命を乗り越えていく姿を——そして、ついに悪龍ドゥリンの物語を書き替え、トワリンと共に空へと飛び立つ姿を見届けた。
アリスはここまでの道のりに思いを巡らせ、いつの間にかアンヤの答えを得ていたことに気が付いた。
「アンヤ、担当した章の結末にも書いたけど、私はずっとあなたこそ私たちの中で一番すごい魔女だって思ってたのよ。」
「あなたはいつも自分は何も残せないって言ってた…でも、私は見届けた——あなたが残した、『消えない炎』を。」
龍の心
好感度Lv.4後に解放, シナリオ「物語という名の魔法」をクリア
ドゥリンがいつも着ている服は、世にも不思議な出来事がきっかけで手に入れたものだ。直接的な証拠はないものの、ドゥリンはこの服は母親のアンヤが魔法を使って贈ってくれたのだと信じ続けている——なぜなら、この服に施された様々な装飾は、どれも母の作品に出てくるもので、見覚えがあるからだ。きっと、ドゥリンを心から可愛がっていたからこそ、おとぎ話に出てくる王子様のような見た目に仕上げようとしたのだろう。
しかしその意匠の中に、ドゥリンの知らない要素が一つだけある。襟元で存在感を放つ、ハート型の宝石だ。しかし、ドゥリンの生まれ変わった過程と、宝石に施されていたバツ型の装飾から、ドゥリンはこのハート型の宝石が自身と融合した悪龍の心臓で、クロスしたような形は今の自分の体がその心臓を封印する牢であることを象徴しているのだと察した。
しかし、ドゥリンが母親からペンを受け取って、自分で自分の物語を書き始めた時、バツ型の装飾は消えてしまった。そして、宝石に手を当てた時も、邪悪な存在ではなく、ドゥリン自身の心臓の鼓動を感じられるようになった。
その瞬間、ドゥリンはようやくこの宝石に込められた本当の意味を理解した——それは悪龍の心などではなく…まさに、ドゥリンの心そのものであったのだ。
この心は今、真の自由の中にある。
神の目
好感度Lv.6後に解放, シナリオ「背理」をクリア
モンドでアルベドを訪ねた時、ドゥリンは初めて雪山で深い眠りにつく巨大な龍の骨を見た。その骨の主は、彼自身と同じ名を持っていた。
ドゥリンは、自分と同じ名の龍がこの地にもたらした災厄の内容と、その災厄が再び訪れようしている事実をアルベドから知らされた。
「みんなを救う方法はないのかな?」
「あるにはある。ただ…」
アルベドはドゥリンに、錬金術を使って彼と悪龍の心臓を融合させれば、その中にあるアビスの力を完全に封印できる可能性があると語った。
しかし、完全無欠というわけにはいかない——ドゥリンはこの計画に欠かせない存在として、とある代償を払わなければならないのだ。アルベドは、錬成終了後、ドゥリンが悪龍の代わりにこの世界に蘇ることになることになるが、この世界はシムランカのように可愛らしい世界ではないのだと言った。ドゥリンが封印しなければならない力は、すべてを積み木に変えてしまう呪いよりも、はるかに恐ろしいものだ。
アルベドはこれが一方的に進めてはいけない話だと分かっていたため、ドゥリンの選択を待った。
ドゥリンは遠くにある龍骨を見つめた。何か不思議な力に導かれて、ここまで来た気がしている。しかしその力は、例の選択を突きつけられて以来、逆に黙り込んでしまった。まるで、運命を紡ぐ女神が筆を置いて、この決断は自分自身でしなければならないのだと告げているようだった。
「もし、ボクがキミの世界に残りたいって言ったら?」
その瞬間、ドゥリンは過去の多くのことを思い出した。母親が遠くへ行けと言ったから、彼はテイワットの世界へやってきた。笠っちがもっと遠くへ行けと言ったから、彼はこの世界のありとあらゆるものを見てきた。その過程で多くのことを経験したが、それらは物語の出来事のように、いつも結末が用意されていたわけではなかった。世の中は常に移ろい、たびたび予想もしないことが起こる。想定以上の喜びもあれば、期待が裏切られることもあった。
しかし、まさにその不確かさこそが、物語から飛び出してきたドゥリンを深く魅了し、この世界への探求を駆り立てた。物語の筋書き通りに進む「登場人物」たちが持たない、未知なる彼方へと向かう時にのみ生まれる大切なもの…
——「願い」を、ドゥリンに与えてくれたのだ。
「ボク、ここに残りたい。この世界が大好きなんだ。お母さんに言われたことを叶えたいし、笠っちの言うように自分の物語を残したい。それに、アルベドと一緒にみんなを救いたい。悪龍を抑えて…『本当の人間』になりたい。」
そうして結局は、逆にドゥリンの方からアルベドに頼む形となった。
「ボクの願いを、叶えてほしいんだ。」
そうして壮大な試練は始まり、やがて錬成陣の光がモンドの空を照らした。
光や煙が収まった後、ドゥリンは自分の側にある錬成陣の中央で、光り輝く神の目を見つけた。
それは彼の願いが、叶った瞬間だった。
初めまして…
久しぶりだね、ボクはドゥリン。この前までは「ちびドゥリン」って呼ばれてたけど、見ての通り、もう「ちび」じゃない…まだボクのこの姿に慣れないみたいだね?実は、ボクもまだ慣れなくて…まだまだ沢山のことを学んでいかないとだから、色々、教えてほしいな。
世間話・物語
毎日が物語の新しい一ページだ。ページをめくってしまう前に、ひとつひとつの景色や注釈をちゃんと味わっておきたい。
世間話・散歩
このあたりで遊んで…コホン、少し散歩してきてもいい?遠くへは行かないから。
世間話・緊張
人間社会のことを、まだまだ学ばないといけないな。緊張したとき、手をどこに置けばいいかすら分からなくて…それでも、みんなと友達になりたいんだ。
雷の日…
こんな天気の時は、あまり高く飛ばない方が…
雪の日…
「彼」はずっと、こんな場所で眠っていたのかな…
おはよう…
おはよう。どうして首を傾げてるかって?気にしないで、ちょっと首を痛めちゃっただけだから…昨日、珍しくすぐ近くで、ボクの気配にも怯えずに眠っている猫がいたから、驚かせないよう、一晩中動かずにいたんだ…
こんにちは…
ブランチがあるのなら、ディランチもあるの?
おやすみ…
しっぽを身体に丸めて寝ると、安心するんだ。
ドゥリン自身について・大人
ボクが大人になったって?そりゃあ、もう子供の姿じゃないし、少しくらいは成長しないとね…ずっと立ち止まってるなんて嫌だよ。
ドゥリン自身について・暴走
体の奥深くに、狂気に近い強い力が潜んでいるのを感じる。完璧なアルベドの錬金術のおかげで、アビスの力はこの体の中でずっと安定してるし、不思議とバランスが取れていて、漏出や浸蝕の可能性もないんだって。だから、心配しないで…暴走して、みんなを傷つけたりしないから。
ドゥリン自身について・自分勝手
「ドゥリン」という名前で生きていくとなると、必ず論争が巻き起こる。雪山のドゥリンの代わりになるということは、彼が復活する権利を奪ったってことだからね…でも、自分勝手だと言われても仕方ないけど、ボクは一人の「人間」として、本当の意味でみんなのいる世界に溶け込んで、この世界にもっと素敵なものをもたらしたいって思ったんだ。だから、この機会を諦めたくなかった。今も後悔はしてないよ。生き物には必ず利己的な性質があるものだって、アルベドも言ってたしね…
ボクは、もう一方のドゥリンの思いを代弁することはできない。ただ、歩むべき道を見つけて、正しいことをして…みんなが「ドゥリン」という名前を口にした時、そこに素敵な思い出が伴っているといいなって思うんだ。
角をぶつけ合うことについて…
龍の習慣では、友好を示すために角をコツンとぶつけ合うんだ。でも、ボクは力加減がうまくコントロールできなくて…キミを傷つけてしまわないか心配だから、やめておくよ…えっ、本当にいいの?よし!じゃあ、安全のため、ボクは立ったままじっとしてるから、キミがボクの角を触るのはどう?
祝福について…
どこにいようと、仲間と善意が共に寄り添いますように——
キミが、様々な世界を旅してきた旅人として、ボクに贈ってくれた言葉だよ…ずっと覚えてる。そしてここから、ボクの「物語」は変わり始めたんだ…本当にありがとう。自分の変化をはっきりと感じてる。今のボクならたぶん…いや、絶対に、大切な人を守り抜くことができる。だからボクも自分なりの言葉で、キミの祝福に応えたいんだ。「キミがボクを必要とするなら、いつでも、どこでも、必ずキミの力になる」。
キミが危険な状況に陥った時は、必ず助けに行くよ——ってことで、補足もばっちり。これでちゃんと伝わったかな…?
「神の目」について…
アビスの特徴の一つは、生物の力を「増幅」させること。今のボクの身体はまさにそのことを裏付けてる。アビスの力を完全にはコントロールできないけど、この特殊な体質のおかげで、その力をうまく利用できるかもしれないみたいだ。でも、力の制御はすごく難しくて、高度な集中力を保たなきゃいけない。でないと、ミスしたら周りの人を傷つけかねないからね…だからボクは、ひたすら繰り返し練習してきたんだ…
この「神の目」は、ボクのそんな努力を認めてくれた証なのかもしれないね。
シェアしたいこと…
トワリンがあんなに速く飛べるのは、翼がボクより大きいからかな…ときどき思うんだ。もしボクがまだ龍の姿をしてたら——つまり、シムランカの積み木の龍みたいに大きかったら、トワリンと何回か真っ向勝負できたかもしれないなってね。
興味のあること…
ボクが最初に仲良くなったのは折り紙のモモンガだよ。あの頃、ボクと遊んでくれるのはあの子だけだった。ボクはよく高いところの花を摘んであげたし、あの子はとがった耳と大きな紙のしっぽを持ってて、この子たち…テイワットのリスにちょっと似てた。はぁ、会いたいな…
…一緒にこの子たちのために高いところにあるナッツを集めに行こうって?…もちろん、喜んで!
母さんについて…
母さんの筆を受け継いでから、ボクは真剣に毎日の「物語」を書くようにしてるんだ。クレーちゃんから魚の捕まえ方を教えてもらったら、反省室送りになってしまったこととか、アルベドの仕事中にお湯を沸かしてあげたけど、危うくポットが灰になるとこだったこととか、門のところにいる男の子と一緒にハトに餌やりをしていたら、そのうちの一羽がボクの角に止まったこととかね…これからもたくさん書き続けるよ。もしかしたら、いつかページをめくった時に…懐かしい声が、「いい物語だね。」って優しくボクに語りかけてくれるかもしれないから。
アリスについて…
アリスおばさんには、クレーちゃんとたくさん遊んであげてって言われたんだ。ご褒美がほしければ、なんでも言ってって。でも、ご褒美をもらうのは子供だよね?ボクはもう子供じゃないのに…クレーちゃんと遊びたいのは、ただ単に一緒にいると楽しいからで、別に他の理由はないよって言ったら、おばさんったらもっと喜んじゃって、頑なにボクに「大きなおもちゃ」をプレゼントするって言うんだ…
アルベドについて・家族
本当の意味で人間になるために、アルベドから色んなことを教えてもらった。仕事や理想、生活…人間が必ず直面する問題を挙げてくれたけど、どれも難しくて、今のところはよく分からない。もっと難しくて、想像すらできないようなものもあったよ。
でも、少しずつ体験しながら、掴んでいけばいいって言ってくれた。それで、自分なりの答えを出せばいいって。ただ…家族だけは選べるものじゃない。ボクも、自分の「家」はちょっと複雑で、他の家とは違うってことは分かってる。でも、アルベドがいてくれるから…ボクの家も他と変わらない、安心して暮らせる場所だって思えるんだ。
アルベドについて・感知
アルベドは完璧な「人」だ。物知りだし、いつも色んなことを考えて、どんなことにもうまく対処できる。周りの人に対しても誠実で親切だ。でも、時々、思いもよらない一面があるって思う時があるよ。例えば、目的のためなら手段を選ばないんじゃないかとか…どうしてこう思うのか分からない。「同類」だからこそ感知できることなのかな?
放浪者について・友達
シムランカを離れたばかりの頃、一緒にスメールに行ったんだ。教令院はとても広くて綺麗で、本もたくさんあった。ボクは文字を勉強して、本も読めるようになってたから、その時初めて、教令院の学者さんも大変なんだなって実感したよ…
でも、暇な時は、たくさんの人が彼に声をかけてきて、カードゲームしたりお喋りしたりするんだ。美味しいものをくれる人もいたよ。大きな耳が生えてる人とか、帽子にもっと大きな耳が生えてる人とか、ウルフドッグみたいな人とか…一回、あれはみんな友達なの?って聞いたことがあってね。「いつも騒がしい奴らだ」って不機嫌そうに言ったけど…友達だってこと、否定しなかったんだよ。
放浪者について・そばにいる
ボクたちは似てるところがある。だからなのかな?いつもボクが考えていることを見抜けるみたいで、「経験者」として導いてくれるんだ。ボク、口では「近づかないで」って言ってしまっても、本当は誰かにそばにいてほしかったりするんだけど…彼は、いつも分かってくれる。だから、彼が一人にさせてって言う時は、たとえ冷たくあしらわれても、ついていくって決めてるんだ。
ニィロウについて…
スメールでは、妖精のニィロウおねえちゃんを訪ねたんだ。あっ、今はニィロウさんって呼んだ方がいいよね。うぅ、まだ慣れなくて…ニィロウさんがグランドバザールで踊っているところを見たことがあるんだけど、本当に妖精さんみたいできれいだったよ!
ナヴィアについて…
もし機会があれば、オルビット城の国王さまにお礼を言いに行きたいな。えっと、じゃなくて…ナヴィアさんか。今のボクの姿を見たら、びっくりさせてしまうかな…え?すぐに受け入れてくれると思う?そうだったら、いいな。
綺良々について…
キャッツテールの猫たちがみんな綺良々さんみたいな感じだったら、驚かせてしまうこともないのにね…
ウェンティについて…
「若き詩人が爪弾き歌う、声はまるで小川のせせらぎ。戦歌でも祈祷でもない歌は、星々の囁き、森を吹き抜ける風。龍のまぶたは微かに動き、その喉元で炎が唸る。」
ある日の夜、眠れなくて外を散歩していたら、バルバトス様に出会ってね。ボクにこの歌を歌ってくれて…とても気に入ったから、こっそり覚えたんだ…
リサについて…
席に座って宿題をやりなさいって言われた時、一回、眠すぎて本を立てた後ろに隠れて、こっそり居眠りしてたことがあるんだ。でも…うとうとしながらふと目を開けたら、先生がニコニコしてボクを見てたんだ。びっくりしてすぐに背筋を伸ばして、まだ謝罪の言葉も言い終わらないうちに、先生は「一番実用的な知識を習得したわね」って、嬉しそうに褒めてくれた。多分、ボクが積極的に間違いを認めた態度のことを言ったんだと思うけど…
そのことで合ってるよね?
クレーについて…
アルベドはクレーちゃんを妹のように可愛がってる。クレーちゃんもボクのことをドゥリンお兄ちゃんって呼んでくれるんだ。言葉の意味からすれば、ボクのほうがお兄さんって意味になってしまうけど——人間としての年齢から言うと、クレーちゃんよりもお兄さんだなんて言えるのかな?うーん…
フィッシュルについて…
やっぱり気になる…シムランカにいた時から、他の人とは違うと思ってたんだよね。ねえ、やっぱり彼女もボクと同じ、物語から出てきた人なの?
ディオナについて…
人の心を惑わす魔法の薬を作れて、たくさんの猫たちに言うことを聞かせられる人だなんて…童話にでてきたとしたら、すごい魔女だよね!
ファルカについて…
ファルカ大団長はモンドの他の騎士たちとは全然違う。強いのに威圧的じゃなくて、むしろ大団長がいる方がみんな緊張がほぐれて、安心感を感じられるんだ。なにしろ軽い冗談を言いながら、ワイルドハントと戦える騎士だからね。大団長の冗談って、十回聞いたら七つは意味が分からないんだけどね…他の三つ?お酒が入り過ぎて、そもそも何を言ってるのか聞き取れないから…
ドゥリンを知る・1
ここに来るまで、ボクはほとんどの時間をお母さんの書いてくれた物語の中で過ごしてた。だから、お母さんを抱きしめたことはないし、その手の温もりも分からないけど…お母さんの優しい声は、柔らかいベールのように、嬉しいときや悲しいときにボクを支えてくれたんだ。どの物語が聞きたい?全部聞かせてあげるよ。
ドゥリンを知る・2
人と会話する時は、相手の目を見るのが基本的なマナーだって聞いた。でも、人をじっと見つめるのは失礼に当たるとも聞いたよ。その二つを同時に満たすために、たくさん瞬きをしたり、片目を閉じて喋ったりしてたら…みんなにバーバラのところに行って目を見てもらったほうがいいって言われてしまった…
この世界にはルールが沢山あるけど、人付き合いのルールって本当に難しいね。
ドゥリンを知る・3
一時期、心の奥底から変な雑音が聞こえてくる時があった——ボクは本当に、本来のボクと同じ人物なのだろうか?魔龍の心臓が脈打ってるから、人々に恐れられたりするんだろうかってね。ある時、オルビット城の小さな積み木の小人がボクに向かって石を投げてくる夢を見たんだ。でも、目覚めたボクの目の前に、カラフルな紙が落ちてきた…モンドのみんながボクの誕生日パーティーを用意してくれてたんだ。あの時、ようやく気付いた。あの雑音は魔龍の囁きなんかじゃない、自分自身の迷いと不安だったんだってね…
あの光景はずっと忘れられないよ。ケーキのロウソクが照らし出した、みんなの笑顔…あの笑顔が、霧の中でも勇敢に進み続ける最大の原動力になったんだ。
ドゥリンを知る・4
ナド・クライに行く時、ジン団長とアルベドから、危険に満ちた旅になるって警告されたんだ。思っているよりも遥かに危険かもしれないって。でも、ボクの意志も尊重してくれて、よく考えて決めなさいと言ってくれた。キミが窮地に陥ってると思った瞬間、すぐに参加するって申し出たけどね。
危険を実感できたのは、本物の「ワイルドハント」に触れてからだった…あれは確かにボクが想像していた「地面に落とし穴があって、積み木鉱山が崩れてしまう」って状況の何倍も危険だった。
でも、ボクは後悔してないよ。むしろ…あの時、自分が力になれないんじゃないかって心配で、ずっと張り詰めてたんだ。キミも気付いてたかもしれないね…無事、みんなからの褒め言葉を素直に受け入れられるような結果になって良かったよ。
ドゥリンを知る・5
人って…他の人のパーツの組み合わせでできてるんだなってつくづく思うよ。あっ、もちろん錬金術とかって意味じゃないよ。えっと…友達の言ったことを覚えていたり、一緒に行ったレストランがボクのお気に入りになったり、キミに影響されてもっといろんな場所に行きたいと思ったり…ボクが今のボクになれたのは、たくさんの人の影響を受けて、変わってきたからだと思うんだ。
だから、同じように、ボクも誰かの心にある一つのピースになれたらいいなって思うよ。
ドゥリンの趣味…
今のところ、モンドのすべてがボクにとって新鮮だから…じっくり探索していきたいな。お、お酒?そ、それはだめだよ…今はまだ…
ドゥリンの悩み…
テイワットの動物は折り紙でできてないし、ボクももう鋭い爪は持ってない。これでやっと安心して動物たちに触れられると思ったのに…まさかボクの気配で逃げちゃうなんて…はぁ。
好きな食べ物…
肉が好き。大きなひとかたまりの肉がいい。今はゆっくりしか食べられないけど、気にしないで。ナイフやフォークは、まだ難しくて…えっと、肉を切るにはどのナイフを使えばいいんだっけ…
嫌いな食べ物…
えっと…付け合わせの野菜は半分にしてくれる?できれば、無いほうがいいけど…
贈り物を受け取る・1
どうやって食べたらいい?手で食べてもいいのかな。
贈り物を受け取る・2
ありがとう。「お返し」のマナーに則って、飲み物を奢らせて。
贈り物を受け取る・3
ごめんなさい…ボク、味覚がおかしくなったみたい。もう一回食べてみるね…ど、どうしよう、やっぱりおかしくなってる…!
誕生日…
思ったより早かったね。ごめん、追加したいディテールがどんどん増えて、まだ完成してないんだ——
これはキミへの折り紙の船だよ。船に乗ってる折り紙の動物はボクたちの友達で、船首に立ってるのがキミだ…まだ色付けできてないんだけど。ボクの中のキミは、金色の光を放つ舵手なんだ…よかったら、一緒に金色の絵の具を塗ってくれない?
そうだ、この船の名前は「旅人号」にしよう。キミが今後も、仲間たちと一緒に前に進めますように!誕生日おめでとう!
突破した感想・起
塔の中には、輝く宝石を独り占めしている悪龍がいました…
突破した感想・承
旅の者が階段を登って城壁の上に辿りつくと、龍の鱗に星屑が散らばっているのに気が付きました。龍は鼻先で流れ星の欠片をそっと押して、迷子の星の精霊が正しい航路に戻れるよう、助けてあげていたのです。
突破した感想・転
旅の者は剣を捨て、手を差し伸べました——「僕は星空の外から来た。もしかしたら力になれるかもしれない」
突破した感想・結
それからは、塔の頂にある窓は夜通し明るく輝き続け、龍は旅の者を乗せて銀河を巡りました。星の光は彼らのマントとなり、友情は前進するための羅針盤となったのでした。
宝箱を開ける・1
何だかプレゼントを開ける時みたい…緊張するね…