Story
キャラクター詳細
マーヴィカの名を前にすると、ナタの住民たちは賛美の言葉を惜しまない。指導者としても、神としても優れた彼女は、その役目を十二分に果たすため、人々から尊敬されている。
彼女はこの国の頂点と言えるほどの力と、それに相応しい気質まで持ち合わせている。たとえこの地に着いたばかりの異邦人でも「聖火競技場」でその演説を聞けば、彼女が太陽の名に恥じぬ存在であることが分かる。
マーヴィカは威厳に満ちているが、決して堅苦しい人物でも、厳格で感情をあまり表に出さない女王でもない。非公式の場では、親切な優しいお姉さんとして親しまれている。彼女は人と話すのが好きで、合理的な提案ならば積極的に受け入れる姿勢をとる。
「帰火聖夜の巡礼」の前日、いつも通り賑やかな「草臥の家」は人で溢れていた。マーヴィカはよくここに来て、みんなとカードゲームをしたり、歌をうたったりする。たとえ酔っ払いが酒をかけてきても、彼女は微塵も気にしない。
何しろ、彼女からすれば、髪を燃やして酒を蒸発させれば済むような些末なことなのだ。そんなことで、せっかくの楽しみを台無しにするのはもったいない。
しかし、もし絡んできた相手の目的が酒の飲み比べならば、マーヴィカの競争心は一瞬にして燃え上がる。「戦い」が始まった以上、後戻りや投降という選択肢はなく、必ず勝敗をつけなければならない。
彼女が神になる前もなった後も、彼女のそういった習慣は少しも変わらなかった。そのおかげで、彼女は様々な部族の友人を作ることができた。
しかし、誰もがその絶妙な距離感を保てるわけではない。マーヴィカからは神の権威をあまり感じられないため、この友情を逆手に利益を得られるのではと錯覚する人もいる。
だが不思議なことに、そういう人はよくいるものの、大きな騒ぎに発展したことはない。なぜなら、マーヴィカが馬鹿げた要求に応じたことがないからだ——彼女が厳粛な表情と冷たい眼差しを向けるだけで、相手が自分から退いてしまうのである。
絶え間なく燃え盛る灼熱の瞳の眼差しは、氷よりも冷たい。この温度差は、瞬時に思い上がった者を目覚めさせる。マーヴィカはやはり一国の指導者であり、無上の神なのだ。
「談議室」のスタッフは、このような嫌がらせをしてくる輩には少し処罰を与えるべきだとマーヴィカに提案した。でないと、こういったことが次から次へと増えていくからだ。しかし、彼女はそれを断った。
「神は身分であり、権力であり、精神的な象徴でもある。しかし、それは『私』ではない。」
キャラクターストーリー1
好感度Lv.2後に解放
理論上、ナタでは誰もが炎の神になれる——「帰火聖夜の巡礼」で、自分がその時代における最強であることを証明できれば。
そのため、この国の歴代の統治者は性格もこだわりも大きく異なる。ある者は力を尊び、結果のみを重視して、目標を成し遂げるためならば代償を払うことも厭わなかった。
一方、マーヴィカはその逆である。他人から見れば典型的な「完璧主義」と言えるだろう——物事を上手くやるだけでなく、良く仕上げるべきだと思っている。
質と完成度を追い求めるのは人として当然のことだが、そうすれば往々にして多くの時間を費やすことになる。それが効率的でないと指摘されると、マーヴィカは自分なりの理論を述べるのであった。
まず、この世のすべての出来事は孤立して存在しているわけではない。過去に遡れば原因があり、未来に進めば結果がある。人類はすべての事柄の連鎖を完全に分析することはできない。だだ最善を尽くして、潜在的な危険を避けるよう尽くすしかないのだ。
次に、過去の出来事はすべて貴重な経験となる。成功は参考となり、失敗は教訓だ。しかし、漫然と対応すれば、残るのは同じ過ちを犯してはならないという教訓だけとなる。
しかしこの二つの理論の他に、マーヴィカが普段口にしない重要な理由がもう一つある。それは「楽しさ」だ。
彼女の趣味はとても幅広く、六部族の流行りのスポーツや遊びにまで精通している。ただ、これらの趣味は一言でまとめることが出来る——彼女は物事をできるだけ完璧にこなすことが好きなのだ。
例えば、初めてクライミングを覚えた時、彼女はコーチの動きをすべて目に焼き付け、細部まで観察し疑問に思った動きについて質問した。
次に、繰り返し練習することで、身体にコツを叩き込み、徐々にスピードを上げていった。彼女は他の人に写真機ですべての過程を記録してもらい、練習を終えた後、失敗した部分や動きがスムーズではない箇所を何度も見返した。
また問題を解決するために、コーチに相談もしたし、様々な道具や装備を使い、数通りの方法を挙げてはすべてを試して、一番優れた方法を選んできた。
そうして、マーヴィカはすぐにクライミングの技術を身につけ、質問する内容も次第にコーチを困らせるようになっていった。二人の関係はいつの間にか師弟から、互いに問題を討論する同志へと変わっていったのだ。
加えて、他の分野ではさらに驚くべき例がある。マーヴィカはわずか一年の勉強で、三十年から四十年の経験を持つ「師」を凌ぐ実力を手に入れたのだ。
その理由は単純だ。時間を積み重ねるのは簡単だが、進歩をし続けるのは難しいからである。一度記憶が肉体に染み込めば、脳は満足感や怠惰によって思考を止めてしまうものなのだ。
そのため、マーヴィカであってもまったく同じ内容を繰り返すのは苦手であった。もう一度やるということは、新たな試みであろうと、反省し改善を重ね、前回とは異なる必要があるからである。
しかし、マーヴィカの努力に気付ける者は極めて少なく、彼女の驚異的な進歩は才能の賜物であると片付けてしまう人が多い。彼女はその言葉を聞くたびに苦笑する。この世に、何をやっても才能に恵まれる人など存在するだろうか?
「進歩したいのなら、進歩の『コツ』を掴んで、努力すればいいだけだ。」
キャラクターストーリー2
好感度Lv.3後に解放
マーヴィカはアウトドア派のイメージが強く、その姿は各地で見かけることができる。また彼女は仕事と訓練の他に、己の限界を突破するような挑戦を好んでいる。
一方、人々にあまり広く知られていない点もあった。それは、彼女は驚異的な忍耐力を持ち、長時間座っていられるという点だ。書籍やウォーベンを集中力を切らさずに、長い時間読むことができる。
そんな彼女のもう一つの主なインドア趣味は、謎解きをすることであった。論理的推理であれ、法則を見つけることであれ、内容が画像であろうと数字であろうと、あるいは物語であろうと、彼女は瞬く間に夢中になり自分の世界に入る。
楽しい推理と判断の時間を過ごした後、彼女は謎解きのクオリティ、難易度、そして合理性に基づいて点数をつけ、同じ趣味を持つ仲間たちに比較的信頼できる参考情報を提供している。
しかし、その趣味にはひとつ問題があった。謎解きゲームは基本的に一度きりしか楽しめないものが多く、繰り返し遊ぶことが難しい。さらに、マーヴィカの謎を解くスピードが速すぎて、クリエイターたちの製作ペースを遥かに上回ってしまうのだ。
そのため、マーヴィカは日々新しい謎を探す一方で、過去に解いた謎に難易度や複雑さを増す制限を加えるなどして挑戦している。
例えば、パズルを組み立てる際には、通常通りピースを選択できるが、はめ込む際には裏返して配置するというルールを追加する。そして、全体のパズルを完成させて初めて、絵柄が正しいかどうか確認することができる。
また、絡み合った金属のピースを外す謎解きでは、そのうちの一つを机に固定する。これにより、本来簡単に解ける向きが使えなくなり、新しい方法を考えなければならなくなる。これは金属だけでなく、紐を使った謎解きにも有効だ。
時間が経つにつれ、マーヴィカは自分で考えた挑戦の遊び方も、元の謎解きと共に評価して記録し、高いクオリティを持つ謎解きをまとめた本を作り上げた。
最初、彼女は「談議室」でこの資料を公開し、愛好家が謎解きを選ぶ際の役に立ってほしいと願っていた。謎解きという比較的マイナーな趣味を広めようとしたための行いだったが、最初にこの資料の有用性に気付いて手にしたのは、予想外なことに謎解きの販売者だった。
彼らは炎神マーヴィカのオススメという名目で大々的に宣伝した。しかし、謎解きに対する評価基準は人それぞれ異なる。この資料はマーヴィカの個人的な趣味を反映しているだけであるため、すぐに様々なトラブルを起こした。
それ以来、マーヴィカはこの資料を公開するのをやめた。だが、もし本当に謎解きを愛する者であれば、今でも「談議室」に申請することで資料を閲覧できる。
——ただし、マーヴィカのコレクションからスタッフがランダムに選んだ謎を解いて、自分が謎解きのプロであると証明できれば、という条件付きでだ。
キャラクターストーリー3
好感度Lv.4後に解放
マーヴィカは「懸木の民」のごく一般的な家庭に生まれた。彼女の母親は情熱的で勇敢だが慎重さに欠け、父親は物知りだが口数が少ない性格であった。そんな二人の生活は結婚当初からケンカが絶えなかったという。
だが、子供の誕生がすべてを変えた——マーヴィカはまるで永遠にエネルギーを放つ、熱く純粋な小さな太陽のような存在であった。彼女は体当たりするかのような勢いで、家族間にある壁と闇を取っ払ったのである。
幼いマーヴィカは、この世界のあらゆるものに好奇心を抱いていた。そして、彼女の質問に父親が答えるたび、尊敬の眼差しと明るい笑顔を返した。時が経つにつれ、父親は次第に人と交流するようになり、自分の考えを分かち合う楽しさを感じるようになった。
父親から知識を学んだマーヴィカは、母親にもくっつき、毎日冒険したいとせがむようになった。勇敢な彼女はいつも先頭に立って突き進み、そのたびに母親をヒヤリとさせた。そんな日々を繰り返すうちに、母親は自分の無謀な行動も他人の目から見れば良くないものだったのだろうと気付き始めた。
マーヴィカの成長は同年代の子供たちよりも早く、彼女は父から学んだ知識で母親が軽率であることを指摘し、母から学んだ経験で父の考えが理想的すぎることを指摘できるようになった。
彼女は、意思疎通の難しかった二人の間を繋ぐ架け橋のような存在となっていた。長年積み重ねた矛盾とすれ違いは春の雪のように溶けていくことになる。父がマーヴィカに武術を教える時には、母もそばで助言し、母がマーヴィカを連れて竜を躾ける時には、父も同行するようになった。
しかし、マーヴィカをさらに一歩前進させたのは、そのあと家に舞い降りたもう一人の天使——妹のヒネであった。
マーヴィカはもともと家族間の関係において重要な役割を担っていたこともあり、彼女はすぐに姉という立場に慣れ、両親から学んだことをひとつずつヒネに伝えていった。
ヒネは手のかかる子だった。時にやんちゃで、時に静かで、言うことを聞かないことも多々あった。家族三人がテーブルに集まり、頭を抱えてため息をつく日もあった。ただ、それも日常の温かなひとコマだ。
ある日、父とマーヴィカがヒネに授業をしていると、ヒネがこんな質問をした。
「炎神ってみんな普通の人間なんだよね。なら、炎神になった人がみんなを守るってどう保証するの?」
「みんな普通の人間だからこそ、保証なんていらないんだ。」
「お父さんまたなぞなぞ?よくわかんないよ。」
「お姉ちゃんに聞いてみたらどうだ?マーヴィカならもう分かってるはずだ。」
マーヴィカはただ微笑みながらヒネを抱きしめ、何も言わず彼女の頭を撫でた。
キャラクターストーリー4
好感度Lv.5後に解放, シナリオ「白石に埋もれし黒石」をクリア
五百年前、マーヴィカがナタを救う計画を族長と選りすぐりの戦士たちに話した後、人々の意見ははっきりと分かれた。
マーヴィカという重要な指導者と戦士を失うのは、受け入れ難いと考える者がいたのだ。この時代すら守れないのなら、未来を考えることになんの意味もない、と。
しかし、彼らのほとんどはマーヴィカや各部族の族長に説得され、炎神の計画こそが勝利への唯一の道であり、たとえその時代ではリスクが高く、実現の可能性が低いとしても、それに賭けるしかないのだと納得した。
戦士たちは一斉にマーヴィカの「談議室」を訪れ、自分の大切な持ち物を差し出した。それは、将来の非常時に必要な「燃料」として使うためのものだった。
この必要な犠牲に対して、勇敢な人々は誇りを抱き、一切躊躇わなかった。それを渡して去ろうとする彼らをマーヴィカは呼び止め、温かい飲み物を一杯用意し、その品にまつわる物語を聞きたいと言った。
彼女は、そのすべての物語を未来に運ぶことを決め、また必ずそうしなければならないと感じていた。人の寿命は時間を超えられないが、記憶は超えることが出来る。たとえ未来でこれらの物が存在しなくなっても、その物語が語られ続ける限り、彼らは未来の人々と共に勝利の光を迎えることができるのだ。
そのため、マーヴィカの旧友も、あまり面識のない戦士も、「談議室」で思う存分語った。勇敢な戦績を誇らしげに話しながら胸を叩く者もいれば、親しい友人や家族の死を思い出して涙を流す者もいた。
すべての品物は適切に保管され、五百年の間にその数はさらに増えていき、今に至っている。
自分の物語を話し終えてカップの中身を飲み干した後、しばしの間をおいて、似たような話はあるかとマーヴィカに尋ねた者がごくわずかにいた。
彼女は微笑みを浮かべながら、両親やヒネ、そしていたずらっ子な二匹のユムカ竜のことを話した。これらは彼女が失おうとしている時間の中で、最も大切なものだ。
「それってみんな大切なものですよね…」
「いや、計画が決まった瞬間、どれも重要なものではなくなった。私自身でさえな。」
キャラクターストーリー5
好感度Lv.6後に解放, シナリオ「灼烈の反魂の詩」をクリア
マーヴィカはアビスに対抗する計画を長い旅に例えていた。彼女は、荷物をたくさん持った冒険者のように、定められた目標に向かって進んでいく。記憶と愛は彼女の背負う荷物の中の物資であり、迷いと孤独を乗り越える助けでもあった。
彼女は瞑想の世界でこの道を具体的にイメージする。遠くには高塔が現れ、その頂上には聖火が灯され、マーヴィカのために道を照らし、進むべき方角を示してくれる。
誰もどこに行けばいいのか分からず、どれほど道が長いかも知りえない。しかし、荷物が次第に軽くなっていくにつれ、道はマーヴィカの足取りに伴って前へと続いた。
アテアは彼女に別れを告げ、テノッチも彼女に別れを告げた。そして母親と妹も彼女に別れを告げた。
スンジャタは彼女に別れを告げ、ブルキナも彼女に別れを告げ、ワンジルも彼女に別れを告げた。
勝利への道は当然のようにあるわけではない。それは過去と現在の無数の英雄たちが手を取り合って築き上げたものである。だからであろう、マーヴィカは「救世主」という肩書きよりも「代行者」という呼び方を好んだ。
だが、それだけでは足りない。旅は苦しい修行ではないのだ。道を行くには意志だけでなく、決断力と知恵も必要になる。
五百年前の彼女には、旅人や「隊長」のような変数を予測する力がなかった。しかし、彼女はそれらの情報を得た後、わずかに思索しただけで、彼らを計画に組み込むことを決めた。
現実的な要素に基づいた数々の考慮の他に、マーヴィカの判断を支えるもう一つの理由があった——それは旅人も「隊長」も、彼女と似たような気質を持っているからだ。
もし立場の問題を置いておけるなら、三人で座って、バーベキューをしながら飲み物を片手にそれぞれの旅の見聞を語り合いたいと彼女は思っている。同じく旅路を歩み、決まった住処がない者同士だけが、互いを理解し共感できるのだ。
だが、彼女はその難しさもよく理解していた——遠くへ旅をする人は、心の中の疲れや脆さを見せたがらないものだ。それは彼女自身も同じだった。
彼女は、戦友や家族との昔話を笑って語れるが、その幸せが長い時間の中で育んできた悲しみにはほとんど触れようとしなかった。そして、既に空っぽになった荷物を指さし、これが今の彼女の心と同じだと言うこともなかった。
できないし、したくないし、そのようなことをする必要もない。
だから彼女は最後まで変わらず節度を守った。誰もが祝賀会の歓声と美酒を必要とし、誰もが祭りの後は一人静かに過ごす時間を必要とするだからだ。
この時代で、彼女が「静けさ」を必要とする時に、空気を読まずドアをノックするのはシトラリくらいだろう。
ただ単にお酒が好きだからという可能性もあるが、飲み仲間として相性がいいのかもしれない。
双駆輪
好感度Lv.4後に解放, シナリオ「灼烈の反魂の詩」をクリア
緊急事態下において、スピードは生死を左右することをマーヴィカはよく理解している。そこで、早い段階から強力な機能を備えた乗り物を作りたいと考えていた。
その乗り物はスピードが速く、安定した構造を持たなければならない。どんな状況で走っても破損しないことが必須条件だった。
その乗り物は崖や水面、空中など、様々な地形を乗り越えられなければならない。肝心な時は直線を行くのが最も早いからだ。
その乗り物は強力な爆発力を備え、必要な時に武器としての役割を果たせる機能を持っていなければならない。何しろアビスが襲ってくる時、魔物に割く時間などないからだ。
炎元素力と相性がよく、呼べば来て、使えば消える。手を伸ばすだけで、自分の傍に現れる、そんな乗り物だ。
「これが私の求める条件だ。できるだろう?シロネン。」
「は…?」
どの条件も極めて難しく、それを一つの物に組み込むなど、まるで夢物語だ。シロネンのような職人でさえ、マーヴィカのことを頭がおかしいと思っても仕方がない。
ただ、マーヴィカは依頼をただ持ってきただけではなかった。その問題を解決する方法も考えていた——彼女はナタの地下を探し回り、アビスに侵蝕されていない秘源装置や、出所不明の設計図をたくさん掘り出してきていたのだ。
遥か昔、同じくアビスに対抗しようと試みた古代の龍族たちは非常に荒々しく、力で相手をねじ伏せるような装置を数多く開発した。その設計図を、マーヴィカが写し取ってきたのだ。
もし設計図の秘密を解き明かし、既存の装置を研究して、使える部品を分解し組み合わせれば…
そう考えたシロネンが顔を上げたとき、微笑むマーヴィカを見て、悟った。自分には断る理由などなく、断るつもりもないのだと——これほど偉大な創作をみすみす見逃す職人などいるだろうか?
そこで二人は力を合わせて、秘源装置の秘密を探った。だがそのうち、彼女たちは自分たちの考えがあまりにも甘かったことを痛感する。既存の材料から必要な部品をすべて集めることなど不可能だったのだ。
ならば現代の技術だけで作り、それらを組み合わせよう。もちろんその過程は険しいもので、幾度となく熱暴走や爆発を経験することになったが、ようやく秘源装置と炎元素の親和性の問題を解決できた。
長い開発期間を経て、ついに双駆輪のプロトタイプは完成した。これほど勇猛なフォルムと、パワフルな機能を持ったものは誰も見たことがない。多くの人が集まり、歓声をあげて拍手した。
こうして、ナタを守る指導者はまた一つ、力を支える土台を増やしたのであった。
…これは余談だが、あるテストからシロネンは「二つ目のヘルメットを作るのを忘れた」という理由で試乗を断るようになった。その本当の理由は、マーヴィカが運転する双駆輪の後部座席に座ると、ひどい乗り物酔いに襲われるからだという。
神の目
好感度Lv.6後に解放, シナリオ「灼烈の反魂の詩」をクリア
幼い頃、マーヴィカが生と死の概念をまだ完全には理解していなかった時、彼女の父親は「帰火聖夜の巡礼」で勝利を収め、栄誉の旅に出ようとしていた。
ナタの伝統において、この資格を手に入れることは英雄になったのとほぼ同義である。そのため、マーヴィカはこの上なく誇りに思っていた。だから、父が家族に別れを告げた時、母が心配そうな表情を浮かべていたことを彼女は理解できなかった。
「夜巡者の戦争」で全滅することはそうそうない。たとえ戦士が犠牲になったとしても、出征した小隊が勝利を収めて帰還さえすれば、犠牲者は反魂の詩の歌声の中で再び燃え盛ることができる。
その後、戦いに勝利したという知らせが競技場に届いた。しかし戦場に赴いた七人の戦士は三日三晩の激戦を経験し、そのうち三人が犠牲となっていた。そして、マーヴィカの父親がその犠牲者の一人だった。
マーヴィカは少し心配したが、彼女にとって「再燃の儀式」はまるで祝いの宴のようなものだったため、すぐに記憶の中の父親が聖火から帰ってきて、家族が再び一緒になると信じていた。
だが、現実はマーヴィカの想像と全く違った。彼女のもとに戻ってきたのは、痛々しいまでに傷だらけの、立って歩くことすらできない父親だった。
反魂の詩は命を再燃させることができるが、回復させられるのは致命傷くらいだ。戦いで負った傷と元からある病が癒えることはない。彼女の父親はまさに激戦が長引いたことにより、怪我で衰弱しきっていた。
それはマーヴィカが初めて見る、弱った父親の姿だった。そして「死」が彼女を凝視しているという概念を感じたのも、それが初めてだった。たとえ反魂の詩に守られていたとしても「死」は依然として畏敬の念を持つべき存在だと悟った。
普段は泣かない彼女もその時ばかりは涙を堪えた。俯いて沈黙し、ベッドの横に座って、父親の手を握った。その心の中にあるのは悲しみよりも、後悔のほうが大きかった。
父親は彼女の心を見透かし、「戦争」という言葉の本当の意味を教えた——誰もが死を恐れる、だが身を挺して立ち上がる者が必ず現れる。なぜなら、彼らの心の中には守りたいものがあるからだ、と。
しかし、その理屈は子供からしてみればそう納得できるものではなかった。彼女はなぜ父親が、ひいては大人たちが、戦争の責任を喜んで背負うのか理解できなかった。
「戦争が避けられないものなら、私がこの戦争を終わらせる。」
マーヴィカの両目は炎のように光を放った。その瞬間、父親と母親は何かを確信したように互いに視線を交わし、マーヴィカの「甘さ」を否定することもなく、ただ頷いた。
両親からの信頼を得て、マーヴィカは最初の目標を決めた。神の視線も彼女に注がれた。その後、彼女は多くの秘密やナタが直面している窮地を知ったが、かつての両親の真っすぐな眼差しを疑うことはなかった。
彼女は、これが自分にしかできないことだと確信している。それは彼女が「キオンゴズィ」のマーヴィカであるからだけではない。自分は両親の誇りであり、「懸木の民」の娘であり、ナタの娘でもあるからだ。
初めまして…
我々は、時間という遥かなる川に残された炎の跡を追いかけ、やがて闇の地にたどり着き、血と涙で故郷を築くことになるだろう。そして今、未来へと延びた道の先で新たな旅が始まろうとしている。私は炎神マーヴィカ。君の目に映る世界に闇が降りかからぬよう、力を貸そう。
世間話・冒険
探索に挑戦…ふむ、冒険者の生活はどうやら性に合っているようだ。
世間話・体験
神というのは天上の存在だが、たまには地上を歩き回るべきだな。
世間話・光を追う
昆虫は本能的に光を追うが、人間も同じだ。「希望」という名の光を追っている。
雪の日…
ふぅ——ヒンヤリして気持ちが良い。ナタでは見られない景色だ。
晴れの日…
すっかり晴れて行楽日和だな。さあ、乗れ。ツーリングにでも行こう。
雨上がり…
びしょ濡れのままでは気持ち悪いだろう?休憩がてら、炎で乾かしてやろう。
砂漠にいる時…
炎と文明にとって、砂は天敵だ。だが崩れかけた建築物は、今なお過去を物語っている。
おはよう…
朝目が覚めたら、頭の中でその日やるべきことを素早く整理する。それから…もう起きなければと思って、肩を落とすのだ。
こんにちは…
昼は食べたか?「豊穣の邦」から新鮮な果物が届いた。デザートにぴったりだろう。どうだ?
こんばんは…
「こだまの子」の道路の修繕案と予算は…ふむ…ん?来ていたのだな。ああ、もうこんな時間か…
おやすみ…
おやすみ。私は少し片付けたいことが残っていてな、ちょうど良い休憩になる。あ、誤解しないでくれ。私は「忙しさ」を楽しんでいるんだ。
マーヴィカ自身について・髪
私の髪か?安心しろ。とても友好的な炎だから、やけどする恐れもなければ他の物に引火する心配もない。だが、相手が敵の場合はその威力を惜しみなく発揮する——言っている意味、分かるだろう?
マーヴィカ自身について・伝言
ナタにはこれまで多くの炎神が存在した。炎神たちは、最も重要な知識と記憶を聖火の中に残して後任に引き継ぐわけだが、その凄まじい情報量は、受け継ぐ者の精神に影響することもある。だから、私は炎の中にこんな言葉を残した——「炎になる前に、まずありのままの自分を誇りに思え」とな。
剣を取ることについて…
計画は最も信頼できる指針だが、決して変更不可能な神聖な掟ではない。五百年前、私は君の到来を予見していなかった。だが君と出会い、君のことを知るにつれ、君のためなら計画を変更する価値があると気づいた。結果もそれを証明している——君とともに剣を取る決断は正しかった。
古名について…
「トゥマイニ」という新たな古名がナタの未来にどれほどの影響を与えることになるのか、君はまだ想像もつかないだろう。この先の世代が「トゥマイニ」の物語を語るたび、我々が戦ったこの戦争と一人ひとりの英雄の物語が受け継がれていく。「トゥマイニ」は「キオンゴズィ」とともに息づき、我々はナタとともにいつまでも存在し続けるだろう。
「神の目」について…
「神の目」と「古名」はいずれも神から人類への贈り物だ。違いといえば、前者は元素力を、後者は精神的な支えを与えることだが、私に言わせればそれらはあくまで外的な要素。人間が偉業を成し遂げ、英雄になるための必須条件ではない。それより大事なのは、熱い「心」なのだ。
シェアしたいこと…
幼い頃、父に言われたことがある。「桶に入る水の量は一番短い木板によって決まる。だがより高みを目指したければ、敢えてその一番短い木板になる覚悟が必要だ——自分の足りないところを認め、自分より優秀な人に教えを請いなさい。それは弱いからではない。より強くなるための糧となるのだ」とな。
興味のあること…
ユムカ仔竜はとても可愛くてな、私の仲間「キタタ」は特に人懐っこい子だった。どんなに遠くからでも私を見つけると、まっしぐらに走ってきて思いっきり抱きつくんだ。その喜びようときたら、妹のヒネがやきもちを焼くぐらいだったよ。いつの間にかあいつも同じ行動を取るようになって、私はたびたび一人と一匹に同時に抱きつかれる羽目になったんだ、ハハハッ。
シロネンについて…
シロネンはナタでも抜きん出た職人の一人だ。古名の作り方はもちろん、秘源技術についてもかなり詳しい。前例のないものであっても彼女は果敢に挑戦し、いつも決まっていい結果を出してくれる。まぁ、その過程でいろいろと予測不能なことも起こるのだが…例えば、元の設計を変えてしまうとか、な。
シトラリについて…
偏屈で近寄りがたい——多くの人が彼女に対してこういったイメージを抱いている。しかし私が思うに、彼女はただ些細なことを気にしない性格なのだろう。彼女が本当に心配した時、どれだけ真剣になるか、君たちもその目で見たはずだ…そういう性格だからこそ、危険に巻き込まれないかと心配なのだ。だから、敢えて彼女に何も言わず、秘密にすることもある…だが、シトラリの鋭い勘を誤魔化すことはなかなか難しい。
チャスカについて…
アビスの影響を受けた身でありながら、奇跡的に生き延びた彼女の存在は奇跡と言える。だが、それよりも私の心を打ったものがある——彼女がこのナタで出会ってきた人間と竜が、彼女の生きる「理由」を見つけるきっかけとなってくれたことだ。今のチャスカは十分強い。もう心配はいらないだろう…この地が彼女にとって安らげる「場所」であり続けるよう、私もできる限りのことをしてやりたいと思っている——どれほど強い人間でも、休む場所は必要だからな。
オロルンについて…
傍から見た彼の姿は、本当の性格とだいぶかけ離れているのではないだろうか。彼を見ていると、まるで氷に包まれたマグマのように思える——部族の人々や友人の存在は彼に冷静さを与えてくれるが、一方で皆を守りたいという衝動と「英雄」としての使命感は彼に不安と焦りをもたらしている…このような感情は決して理性的とは言えないが、とても貴重なものだ。
イアンサについて・絡まれること
イアンサが古名を授かったばかりの頃のことだ——帰火聖夜の巡礼に参加するたび、彼女のことを弱いと思い込んだ人たちが団体戦で次々と対戦を申し込んでな。毎回勝ってみせるものの、体力の消耗が激しく、最終的な戦績は芳しくなかったんだ。すると、次はさらに多くの人から対戦を申し込まれるようになった。それをずっと繰り返していたんだ…
イアンサについて・証明
そんな彼女に私はこうアドバイスした——「もし皆が君のことを強いと思うようになれば、悩みも解消されるだろう」とな。しばらく考え込んだ後に発した彼女の言葉は、私のまったく予想していなかったものだった。帰火聖夜の巡礼で、私と勝負したいと言い出したのだ。ふふっ…彼女の実力は私の予想を遥かに超えていた。その勝負の効果もテキメンだった——それ以降、彼女を見下す者は誰一人いなくなったのだからな。
ムアラニについて…
ムアラニはトゥパックとはまったく異なる性格だが、彼から「ウモジャ」という古名を受け継いだ。この古名の意味は「団結」——具体的な方法ではなく、友人と故郷を大事に思う心、そしてそのために全力を尽くす精神が大事なのだ…だが古名を授かった時のムアラニは、おそらくこんなことは考えていなかっただろう。彼女の頭にあったのは、カチーナが自分の命と同じくらい大切だということだけだったんじゃないだろうか。
キィニチについて…
「マリポ」には、廻焔の他に「代償」という意味も含まれている。他の古名と比べ、あまりポジティブではない印象を受ける者もいるだろう。だが「代償」を量る者は、常に明晰な思考を保ち、現状を分析して問題を提起しなければならない——たとえそれが場を白けさせ、皆を落胆させるような行為であってもな。集団にそのような人がいないと、皆は感情に流され、ますます状況が悪化し、些細なことで大局を見失いかねない。
カチーナについて…
君たちが夜神の国からカチーナを連れ帰った後、私は族長同伴のもと彼女の家を訪れ、改めて詫びを入れて心ばかりの見舞い品を届けた。夜神の国に閉じ込められた経験は、カチーナのこれからの成長に大きな影響を与えるだろう——本来ならなかったはずの影響をな…これは私の責任だ。
ヴァレサについて…
帰火聖夜の巡礼の間、「草臥の家」で発生する費用はすべて私個人が負担しているのだが、支払いのたびに明細には八十人分の注文履歴が残っているんだ。最初は仲間を集めた大規模な観光集団かと思ったんだが…あれで彼女一人分だとは、さすがに言葉を失ったよ。
イファについて…
優れた医者は熟練の医術だけでなく、往々にして高いコミュニケーション能力も有している。言葉の通じない患者が相手なら、鋭い観察眼と共感力も必要だ。だからこそ、イファは様々な性格の者と友達になれたんだろう。
もしイファと仲の悪い人や竜がいたとしたら…ふふっ、おそらくイファ側の問題ではないはずだ。
「隊長」について…
同じ五百年でも、彼からするともっと長く感じられただろう。死ぬ権利さえ奪われた終わりなき旅の中で、虚無感に打ちひしがれ、精神はすり減る一方だったのだからな。それでも彼はたった一度きりの勝利のチャンスを掴み、己の望む結末を迎えた。彼のような戦士を、私は心から尊敬している。
俗世の七執政について…
残念ながら、他の俗世の七執政については君よりも知らないんだ。だが国が存続し、繁栄していくためには優秀な指導者が欠かせない。アビスとの戦いの歴史に幕が降りたら、他国との関係を強化し、ナタの未来のために準備していきたいと考えている。
マーヴィカを知る・1
ん?ああ、構わない。物語を語るのは好きなほうだ。しかし、ただ語るだけでは些かつまらない。まず一杯、どうだ?
マーヴィカを知る・2
双駆輪の操作はそう難しくないから、少し練習すれば乗れるようになる。だが思いきり飛ばしたいなら、安全装置をいろいろと取り付ける必要があるだろう。ん?今でも十分速い?そうか、確かシロネンはこう言っていたな——「あんたは丈夫だから、そーゆーのいらないんだよ」と。
マーヴィカを知る・3
無論、私とて悔いはある。しかし使命を背負う者として、誰かのために足を止めるわけにはいかないのだ。私がこれまで蓄積してきた知識と力を駆使すれば、最も効率的に問題を解決できるのだからな。大半の人々はただ傍にいてくれることだけを願っている…その点において、私は多くの人を失望させてきた。だが、優柔不断に陥ればより深い苦痛をもたらしてしまう。私にできるのは、自分の感情を抑えることだけだった。
マーヴィカを知る・4
神座の力を解放して空に昇ってから、私の魂は地脈と密接に繋がるようになった。戦士の熱い思い、民の強き心、被災者の痛み…そのすべての感情を肌で感じるのも二回目だ。幸い、君と英雄の皆のおかげで、今回は前回と違う結末を迎えることができた。やはり、最後まで諦めずに戦い抜いて正解だったな。
マーヴィカを知る・5
炎神としての最も重要な責務は果たせた。本来なら、新たなナタの未来に私の居場所はないはずだった。そうなることを数百年前にすでに受け入れていたから、今のこの状況はかえって少し戸惑ってしまう…だが、君のおかげで進むべき道が見えてきた——可能性を探し、学び、より多くを救うために尽くそう。
マーヴィカの趣味…
ずばり、強くなることだ。難しい挑戦を突破したり、難解な謎を解いたり、強敵を倒したりな…同じことを繰り返すより、達成感を得ることこそが私の喜びの源だ。
マーヴィカの悩み…
「『恐竜と遺跡探偵』売れ行きに伸び悩み、拡張コンテンツおよび謎解き集の製作を断念…」。一番好きな謎解きゲームブックだったんだが、実に残念だ。難しすぎるから、あるいはルールが分かりにくいからといって、クオリティが低いとは限らないというのに。はぁ、販売数が理由なら仕方がない。作者には、次の新作を楽しみにしていると匿名の手紙で伝えよう。
好きな食べ物…
どれだけシンプルな料理でも、家庭によって味が違うものだ。時に、その差がかなり大きかったりもする。聖火競技場でいろんなミートシチューを食べたが、それぞれ独特な風味があって、実に美味しかった。だが自分で作るときは、やはり家族と一緒に食べていたあの味で決まりだ。
嫌いな食べ物…
嫌いな食材は特にないが、強いて言えば、中身より形式にこだわった料理は苦手だ。例えば、食べ終わるのに三時間もかかるフルコースとかな…シェフの創意と工夫には感心するが、もっと効率的に時間を使いたいものだ。
贈り物を受け取る・1
この味、私の好みだ。礼を言おう。よければ、レシピを教えてくれないか?自分でも作ってみたい。
贈り物を受け取る・2
総じて満足だが、いくつか改善点も考えられる。
贈り物を受け取る・3
食べてみると案外悪くないな。これなら、まぁいける。
誕生日…
今日から、記念すべき成果を紙に書き留めていくといい。その紙を大事に保管し、次の誕生日に取り出せば、自分から自分に贈る誕生日プレゼントになる。その記録が、君がどれだけ特別な存在であるかを思い出させてくれるはずだ。誕生日おめでとう。
突破した感想・起
いいウォーミングアップだ。この感覚、悪くない。
突破した感想・承
より強くなった気がする。だが、私の実力はまだまだこれからだ。
突破した感想・転
炎がますます澄みわたり、魂と肉体がどんどん融合していく。この力こそが、「指導者」としての責任を果たす切り札だ。
突破した感想・結
君と出会い、私の力は再び大きな飛躍を遂げた。それぞれ異なる道を歩む君と私を、責任感と正義感が結び付けてくれたのだろう。君がしてくれたすべてに、心から感謝する。
宝箱を開ける・1
冒険の褒美だな。いい記念となる。
宝箱を開ける・3
悪くない品だ。フッ、気に入った。
チーム加入・1
炎神マーヴィカ、これより参戦する。
夢見月瑞希について…
稲妻から来たあの客人に対する印象は悪くない。初めてナタを訪れたとき「流泉の衆」の温泉にかなりの関心を持っていたと聞く。温泉に関する技術を聞き回っていたそうだが、営利のためではなく、人々の精神状態を改善するためだったそうだ。そのような純粋な目的は、尊重や援助を得てしかるべきもの。
そういえば…稲妻の現統治者も温泉に入るのが好きなのだろうか?もしそうであれば、彼女との距離を縮める方法が見えてきそうだな。